JP2001016157A - 路上送信システム及び路上受信システム - Google Patents

路上送信システム及び路上受信システム

Info

Publication number
JP2001016157A
JP2001016157A JP11187815A JP18781599A JP2001016157A JP 2001016157 A JP2001016157 A JP 2001016157A JP 11187815 A JP11187815 A JP 11187815A JP 18781599 A JP18781599 A JP 18781599A JP 2001016157 A JP2001016157 A JP 2001016157A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
station
transmitting
receiving
road
transmitting station
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11187815A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Hirakata
宣行 平方
Kenji Kutsuki
研二 久津木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP11187815A priority Critical patent/JP2001016157A/ja
Publication of JP2001016157A publication Critical patent/JP2001016157A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】中央基地局から各送信局までの大がかりな回線
の設置工事を必要とせずに複局通信を実現することがで
きる路上送信システム及び路上受信システムを実現す
る。 【解決手段】OFDM変調された同一内容の信号を同一
周波数の電波で同一セル内に送信する複数の送信局2を
備え、前記送信局2は、少なくとも1つの親送信局2a
と、親送信局2a以外の子送信局2bとから構成され、
子送信局2bは、親送信局2a又は他の子送信局2bか
らセル内に放射された電波をアンテナ41により受信
し、中継・増幅し、アンテナ44によりセル内に再送信
する。 【効果】電波の中継という簡単な配信手段を用いて、各
送信局2に無線周波数信号を供給し、各送信局2はこの
信号に基づいてセル内に電波を送信するので、送信局2
に無線周波数信号を供給する回線は、親送信局2a以外
には必要でなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の路上アンテ
ナを道路に沿って配置し、道路にセルを形成することに
より移動局との移動通信を可能にする路上送信システム
及び路上受信システムに関する。特に、本発明は、デー
タの変調方式として直交周波数分割多重(OFDM)方
式を採用する路上送信システム及び路上受信システムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】道路管理者と車両との間の通信需要は、
今後ますます増加する方向にある。特に高速道路におい
て、車両の運転者に負担をかけずに、かつ、互いに事故
を起こさないような道路走行を実現しようとすれば、道
路側の情報と車両側の情報とを頻繁にやり取りする必要
がある。このようなシステムを発展させていくと、道路
と車両との両方に各種センサやカメラを網羅し、道路側
と車両側とで緊密に連絡しあって車両が走行する自動運
転システムにつながっていく(例えば、特開平8−24
1495号公報参照)。
【0003】自動運転システムへの将来的拡張を考慮
し、車両との間の通信を利用した運転支援システム(以
下「路車間通信システム」という)を構築するにあたっ
ては、道路上にセルを設ける必要がある。そこで、道路
に沿って漏洩同軸ケーブルを敷設することが考えられる
が、敷設工事が大掛かりになる上、漏洩同軸ケーブルを
地面から比較的低い位置に設置する必要があるので、車
線横断方向に電波の届く距離が短いという欠点がある。
【0004】これに対して、路上アンテナを所定間隔で
道路の各所に設置して通信を行うようにすれば、1つの
路上アンテナで比較的広いセルを確保することができ
る。この場合、路上アンテナは、光ファイバなどを介し
て道路管理者側の中央基地局1にそれぞれ結合されてい
る。路上アンテナを設置した場合、大型車が小型車に接
近すると、小型車から路上アンテナを見通せなくなるこ
とがある。特に、周波数の高いマイクロ波やミリ波は回
折角が小さく、遮蔽されやすい。このため、路車間にお
いて通信が途絶えてしまって通信ができなくなる。
【0005】そこで、路上と車両との連続的な通信を可
能にするため、固有の指向性を有する路上送信アンテナ
を、道路に沿って複数配置し、各路上送信アンテナから
同一周波数、同一内容の電波を同一セル内に放射する、
複局送信の提案が行なわれている。しかし、複局送信の
場合、同一セル内に同じような送信電力で複数の電波が
放射されるので、マルチパスによるフェージングが生
じ、搬送波間干渉や符号間干渉が強く現れ、その影響を
取り除くことは、システム構築の上で必須となる。
【0006】一般に、シングルキャリア(単一搬送波)を
用いた移動体通信方式では、マルチパス遅延波による符
号間干渉の影響を受けやすい。そこで、キャリアを複数
のサブキャリアに分割して送信することができる直交周
波数分割多重 (OFDM;Orthogonal Frequency Divis
ion Multiplex)変調方式を採用することが提案されてい
る。このOFDM変調方式は、ガード時間の設定により
遅延波の影響を排除することができる。
【0007】OFDM変調方式では、キャリアを複数の
サブキャリアに分割して送信するため、シングルキャリ
ア方式に比べて、周波数の安定性が強く求められる。そ
こで、それぞれの送信局からの送信周波数を完全に一致
させるため、無線周波数領域で信号の分配を行うことの
できる光ファイバ無線伝送方式(例えば、A.J.Cooper,"
FIBER/RADIO FOR THE PROVISION OF CORDLESS/MOBILE T
ELEPHONY SERVICES IN THE ACCESS NETWORK",Electron.
Lett.,Vol.36, No.34 (Nov.1990)参照)を利用し
て、中央基地局1から各送信局に信号の分配を行うこと
が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような
信号の分配は、図11に示すように、中央基地局100
から各送信局200に至る、比較的大がかりな有線回線
又は無線回線300の設置工事が必要となる。複局送信
をする場合の送信局200の配置間隔は短く(100m
程度)、道路にきわめて多くの送信局200を設置しな
ければならないことを考えると、もっと簡易な方法で信
号を分配することが求められている。
【0009】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、簡単な設置工事で、複局通信を実現するこ
とができる路上送信システム及び路上受信システムを提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】前記目的
を達成するための請求項1記載の路上送信システムは、
OFDM変調された同一内容の信号を同一周波数の電波
で同一セル内に送信する複数の送信局を備える路上送信
システムであって、前記送信局は、少なくとも1つの親
送信局と、親送信局以外の送信局とから構成され、前記
親送信局以外の送信局は、親送信局又は他の送信局から
放射された電波を受信する受信装置と、この受信装置で
受信された電波を中継・増幅するための中継装置と、前
記中継装置で中継された電波をセル内に送信する送信装
置とを有するものである。
【0011】本発明では、まず、親送信局からOFDM
変調された信号に基づいて電波が放射される。親送信局
以外の送信局は、前記親送信局から放射された電波を受
信し、中継し、セル内の車両を対象にして再送信する。
次の送信局も同様の電波の受信、中継と送信を繰り返
す。このようにして、セル内には、複数の送信局から電
波が送信され、道路を走行する車両は、異なる送信局か
ら到来する電波を受信する。到来する電波は、マルチパ
スや、中継のため多数の遅延波が発生する環境にある
が、本発明では遅延に強いOFDM変調方式を好適に採
用しているので、遅延の影響を回避できる。
【0012】以上のように、電波の中継という簡単な配
信手段を用いて、各送信局に無線周波数信号を供給し、
各送信局はこの信号に基づいてセル内に電波を送信する
ので、各送信局に無線周波数信号を供給する回線は、親
送信局以外には必要でなくなる。したがって、すべての
送信局に対してケーブルの敷設や無線伝送設備の設置を
する必要がなくなり、システム構築のコストや手間を軽
減することができる。
【0013】前記OFDM変調方式において、セル内で
移動局が送信局から受ける直接波と、移動局が受ける遅
延波のうち最も遅延の長い遅延波との時間差よりも長い
ガード時間が設定されていることが望ましい(請求項
2)。本発明によれば、遅延の影響を確実に回避するこ
とができる。前記受信装置の受信アンテナの指向性は、
前記送信装置の送信アンテナの指向性よりも鋭くなって
いることが望ましい(請求項3)。送信局は、セル内の
車両を対象にして広い指向性で電波を送信しているの
で、隣接する送信局の受信装置の受信レベルは、あまり
高くならない。そこで当該受信局の受信方向を親送信局
又は他の送信局に限定して受信アンテナの指向性を鋭く
すれば、利得をかせぐことができる。
【0014】前記中継装置は、中継電波の周波数に、伝
送品質上許容される程度のオフセットを与えるものであ
ってもよい(請求項4)。周波数オフセットを与えるこ
とにより、送信局の送信電波が同じ送信局の受信装置に
回り込むレベルを低下させることができる。前記目的を
達成するための請求項5記載の路上受信システムは、セ
ル内の移動局からOFDM変調されて送信された電波を
複数の受信局で受信する路上受信システムであって、前
記受信局は、少なくとも1つの親受信局と、親受信局以
外の受信局とから構成され、前記親受信局以外の受信局
は、移動局又は他の受信局から放射された電波を受信す
る受信装置と、この受信装置で受信された電波を中継・
増幅するための中継装置と、前記中継装置で中継された
電波を他の受信局に送信する送信装置とを有するもので
ある。
【0015】本発明では、まず、移動局からOFDM変
調された信号に基づいて電波が放射される。受信局は、
前記移動局から放射された電波を受信し、中継し、他の
受信局を対象にして再送信する。次の受信局は、再送信
された電波の受信、中継、送信を繰り返す。最後に親受
信局は、電波の受信のみをする。このようにして、セル
内を走行する車両から放射された電波は、次々に中継さ
れる。
【0016】移動局や各受信局から放射される電波は、
マルチパスや、中継のため多数の遅延波が発生する環境
にあるが、本発明では遅延に強いOFDM変調方式を好
適に採用しているので、遅延の影響を回避できる。本発
明では、電波の中継という簡単な配信手段を用いて、受
信局から他の受信局へと受信電波を供給するので、各受
信局が中央基地局1に無線周波数信号を伝送する回線
は、親受信局以外には必要でなくなる。したがって、す
べての受信局からケーブルを敷設したり、無線伝送設備
を設置したりするという必要がなくなり、システム構築
のコストや手間を軽減することができる。
【0017】前記OFDM変調方式において、セル内で
受信局が移動局から受ける直接波と、受信局が受ける遅
延波のうち最も遅延の大きい遅延波との時間差よりも長
いガード時間が設定されていることが望ましい(請求項
6)。本発明によれば、遅延の影響を確実に回避するこ
とができる。前記送信装置の送信アンテナの指向性は、
前記受信装置の受信アンテナの指向性よりも鋭くなって
いることが望ましい(請求項7)。受信局は、セル内の
車両を対象にして広い指向性で電波を受信するので、他
の受信局から受ける中継電波の受信利得は、あまり高く
できない。そこで当該他の受信局は、送信の相手方を限
定して、送信アンテナの指向性を鋭くすれば、利得をか
せぐことができる。
【0018】前記中継装置は、中継電波の周波数に、伝
送品質上許容される程度のオフセットを与えるものであ
ってもよい(請求項8)。周波数オフセットを与えるこ
とにより、受信局の送信電波が同じ受信局の受信装置に
回り込むレベルを低下させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。 −路上送信システム− 図1は、本発明の路上送信システムの構成を示す概念図
である。この路上送信システムは、送信局から車両に搭
載されている移動局に道路交通情報を送信するシステム
である。
【0020】道路に沿ってセルが形成されている。セル
の中には、それぞれ指向性を有する複数の送信局2a,
2b(総称するときは「送信局2」という)が、間隔を
置いて設置されている。各送信局2のアンテナからは、
同一内容、同一周波数(例えば6(GHz)帯)の電波がセル
内に放射されるようになっている。したがって、セル内
の各点では、道路の長手方向に関して前後方向あるいは
上方向から同一周波数の電波が到来することになる。
【0021】なお、送信局2のアンテナの地上からの高
さhは、例えば10(m) であり、セルの道路の長手方向に
関する長さは、例えば100(m)である。送信局2は、親送
信局2aと、親送信局2a以外の送信局(以下「子送信
局2b」という)とから構成される。親送信局2aは、
中央基地局1から光ファイバや同軸ケーブル等の有線伝
送回線、又は無線伝送回線を介して送信データを取得
し、OFDM変調を施して、無線電波としてセル内に送
信するものである。
【0022】なお、親送信局2aは、いわゆる光ファイ
バ無線伝送方式を利用して、すでにOFDM変調が施さ
れた無線周波数信号を中央基地局1から直接取得して、
これをそのまま増幅してアンテナから送信するものであ
ってもよい。光ファイバ無線伝送方式を採用した場合に
は、親送信局2aに変調装置や無線周波数変換装置を設
ける必要がないので、親送信局2aの構成を簡素化でき
る。ただし以下では、親送信局2aは、光ファイバ無線
伝送方式を用いない構成であるとして、説明を進める。
【0023】子送信局2bは、親送信局2a又は他の子
送信局2bから放射された電波を微弱なレベルで受信
し、中継増幅して、アンテナから放射するものである。
図2は、親送信局2aの内部構成を示すブロック図であ
る。親送信局2aは、送信データを分割し、互いに直交
する複数の搬送波を使って多重するOFDM変調方式を
採用している。
【0024】親送信局2aは、シリアルパラレル変換回
路31、インターリーブ回路32、逆フーリエ変換回路
33、QPSK変調回路34、アップコンバータ35等
を備えている。なお、この実施形態では、QPSK変調
することとしているが、これ以外に他の変調方式、例え
ばQAM,BPSK,8PSK等を採用してもよいこと
はもちろんである。しかし以下では、特に断らない限り
QPSK変調を行うことを前提として、説明を進める。
【0025】この他に、親送信局2aは、誤り訂正符号
化回路、差動符号化回路などを設けていてもよい。逆フ
ーリエ変換回路33は、パラレルに供給される送信デー
タに対して逆フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換した
ものを並直列変換してシリアルに戻し、シリアルに戻さ
れたシンボル列を時間圧縮して、後ろのシンボルを前に
もってくることでガード時間を設定するという諸機能を
実現する回路である。
【0026】図3は、OFDMによるシンボル伝送の様
子を周波数軸f、時間軸t上に図示したグラフである。
有効シンボル長はTSで表され、ガード時間はΔtで表
されている。時間圧縮比は、(TS+Δt)/TSで示さ
れる。副搬送波数をn、伝送レートをm(Mbps)とする
と、TSは、QPSKの場合TS=2n/m(μsec)で表
される。
【0027】本実施形態では、ガード時間Δtを、マル
チパスや中継による遅延時間よりも長くとっている。こ
のことにより、長い伝搬遅延時間があっても、受信側に
おいては、シンボルの重なりを無視して復調することが
できる。図2を参照して、QPSK変調回路34は、逆
フーリエ変換回路33から出力される位相0°,180
°に対応する信号、位相90°,270°に対応する信
号をそれぞれD/A変換し、sin波、cos波をかけて加算
することにより、QPSK変調する回路である。
【0028】アップコンバータ35は、無線周波数に周
波数変換する回路である。このアップコンバータに含ま
れるローカル発振器の精度は、地上と走行する車両との
間で発生するドプラー効果を考慮すれば、(車両の速
度)/(電波の伝搬速度)程度のオーダーのものが必要
であるが、市販の発振器でもこの程度の精度は十分確保
することができる。
【0029】アップコンバータの出力信号は、同軸ケー
ブルを通って路上アンテナ36から電波として放射され
る。図4は、子送信局2bの内部構成を示すブロック図
である。図4(a)(b)(c)の3つの形態は、子送信局2b
の採りうる構成をそれぞれ示す。図4(a)は、受信アン
テナ41で受信した電波を増幅器42で増幅し、帯域フ
ィルタ43を通して整形した後、送信アンテナ44に送
り出す構成を示している。なお、増幅器42の位置は、
帯域フィルタ43の前後どちらでもよい。
【0030】図4(b)は、受信アンテナで受信した電波
を、局部発振器45を用いて、中間周波数に変換し、帯
域フィルタ43を通して整形した後、もとの周波数に戻
して、増幅して送信アンテナ44に送り出す構成を示し
ている。中間周波数に対応する帯域フィルタ43を使え
るので、より低価格で、かつ特性のよいフィルタを使う
ことができる。
【0031】図4(c)は、低周波(例えば数10Hz)
のオフセット周波数発振器46で変調することにより、
中継する電波の周波数にオフセットを与える構成を示
す。このオフセットにより、送信アンテナ44からの送
信電波が受信アンテナ41に回り込むループ利得を低下
させて、発振の未然防止を有効にすることができる。前
記図4のいずれの場合も、送信アンテナ44は、一般車
両を対象とする比較的広い指向性を有するものとし、受
信アンテナ41は、受ける電波を送信してくる送信局に
向けた鋭い指向性を有していることが好ましい。この理
由は、送信アンテナ44の指向性が広いために利得がと
れない分を、受信アンテナ41の指向性利得でカバーす
るためである。
【0032】図5(a)、図6(a)は、各送信局21,2
2,23から電波が放射され、車両の移動局で受信され
る様子を図解したものであり、図5(b)、図6(b)は、電
波の受信時間と受信強度との関係を示すグラフである。
図5(a)(b)は、各送信局21,22,23が中央基地局
1から分配された信号に基づいて電波を放射する場合を
想定し、図6(a)(b)は、本発明の、各送信局21,2
2,23の中継機能を利用して信号の分配を行い、電波
を放射する場合を想定している。
【0033】まず図5の場合は、各送信局21,22,
23から同一信号を含む電波がほぼ同時に放射される。
送信局21から放射され車両で受信される電波のレベル
をP1、マルチパスによる遅延波のレベルをD1、送信
局22から放射され車両で受信される電波のレベルをP
2、マルチパスによる遅延波のレベルをD2、送信局2
3から放射され車両で受信される電波のレベルをP3、
マルチパスによる遅延波のレベルをD3とすると、送信
局21に最も近い車両の受信装置では、図5(b)に示す
ように、受信レベルP1,P2,P3と時間を追って記
録され、マルチパスによる遅延波のレベルD1,D2,
D3がそれぞれ所定の時間遅れを経て記録される。レベ
ルD1等の山のような広がりは、電波が多数の箇所から
反射して車両に届くことを示している。
【0034】一方、本発明のように送信局の中継機能を
利用する場合は、図6(a)に示すように、送信局21か
ら直接車両で受信される電波のほかに、送信局21から
送信局22を経由して受信される電波、送信局21から
送信局22、送信局23を経由して受信される電波が存
在する。それぞれの電波は、他の送信局を経由する分、
回り道をし、さらに送信局22,23内部で中継遅延時
間だけ遅れて、車両の受信装置に受信される。
【0035】車両の受信装置では、図6(b)に示すよう
に、レベルP1,P2,P3が時間を追って記録される
が、レベルP2,P3は、図5(b)の場合よりもさらに
遅れて受信されている。さらに、マルチパスによりる遅
延波も存在する。マルチパスによる遅延波のレベルD
1,D2,D3を図6(b)に破線で示す。この図6(b)の
グラフで、最も早い直接波が受信されてから、最も遅い
遅延波が受信されるまでの時間をTとする。
【0036】前に、ガード時間Δtを、マルチパスや中
継による遅延時間よりも長くとる必要があると述べた
が、具体的には、図6で示した場合、直接波が受信され
てから、最も遅い遅延波が受信されるまでの時間Tより
も長くとる必要がある。 Δt>T これにより、車両の受信装置は、マルチパスや中継によ
る遅延時間の悪影響を受けることなく、受信信号を正確
に復元することができる。
【0037】なお、車両において送信局2から放射され
てくる電波を受信する受信装置の構成は、図示しない
が、通常のOFDM方式の電波を受信する回路構成がと
られる。すなわち、受信装置は、ダウンコンバータ、Q
PSK復調回路、フーリエ変換回路、デインターリーブ
回路、パラレルシリアル変換回路などを備えている。
【0038】以上のようにこの路上送信システムによれ
ば、1つのセルにおいて複数の送信局2を配置している
から、放射される電波の伝搬経路も複数あり、車両がト
ラックのような大型車の近傍を走行していても、電波の
遮蔽を回避できる。しかも、子送信局2bを、送信アン
テナ、受信アンテナ、中継器で構成しているので、子送
信局2bの構成を簡単にすることができる。それととも
にOFDM変調方式を採用し、必要十分なガード時間を
とってシンボル間の干渉を回避しているから、マルチパ
ス妨害や中継遅延の影響を回避できる。したがって、移
動局と送信局との連続的な通信を良好に行える。
【0039】なお、この路上送信システムによれば、図
1に示したように、親送信局2aは、中央基地局1から
光ファイバや同軸ケーブル等の有線伝送回線、又は無線
伝送回線を介して送信データを取得していたが、図7に
示すように、親送信局2aと中央基地局1との機能を合
わせた親送信局2aaを設置してもよい。 −路上受信システム− 図8は、本発明の路上受信システムの構成を示す概念図
である。
【0040】前記路上送信システムでは、路上送信局か
ら車両に搭載されている移動局に道路交通情報を送信す
る路上送信システムを説明したが、この路上受信システ
ムは、セル内の車載の送信局から路上の受信局5a,5
bに送信するときに、各受信局5bが中継を行う路上受
信システムを取り扱う。図8に示すように、セルの中に
は、それぞれ固有の指向性を有する複数の受信局5a,
5b(総称するときは「受信局5」という)が、間隔を
置いて設置されている。各受信局5のアンテナは、複数
台の車両からの電波を同時に受けることができる。
【0041】受信局5は、親受信局5aと、親受信局5
a以外の受信局(以下「子受信局5b」という)とから
構成される。親受信局5aは、セル内の車両又は子受信
局5bからOFDM変調が施された無線電波を受信し、
中央基地局1に光ファイバや同軸ケーブル等の有線伝送
回線、又は無線伝送回線を介して受信データを送信する
ものである。
【0042】なお、親受信局5aは、いわゆる光ファイ
バ無線伝送方式を利用して、無線周波数信号を中央基地
局1に送信するものであってもよい。光ファイバ無線伝
送方式を採用した場合には、親受信局5aに変調装置や
無線周波数変換装置を設ける必要がないので、親受信局
5aの構成を簡素化できる。ただし以下では、親受信局
5aは、光ファイバ無線伝送方式を用いない構成である
として、説明を進める。
【0043】子受信局5bは、車載の送信装置又は他の
子受信局5bから放射された電波を受信し、中継増幅し
て、アンテナから放射するものである。図9は、親受信
局5aの内部構成を示すブロック図である。親受信局5
aは、受信アンテナ61、ダウンコンバータ62、QP
SK復調回路63、フーリエ変換回路64、デインター
リーブ回路65、パラレルシリアル変換回路66等を備
える。
【0044】この他に、誤り訂正復号回路、差動復号回
路などを設けていてもよい。フーリエ変換回路64は、
送信側の逆フーリエ変換回路33と逆の処理をする回路
で、QPSK復調された信号を、有効シンボル長TSの
ウィンドウ長でフーリエ変換することにより、復号信号
を得る回路である。この路上受信システムにおいても、
車載送信装置のOFDM変調のガード時間Δtを、マル
チパスや中継による遅延時間よりも長くとる必要があ
る。これにより、地上の受信局5は、マルチパスや中継
による遅延時間の悪影響を受けることなく、受信信号を
正確に復元することができる。
【0045】また、この路上受信システムにおいて、セ
ル内に複数の車両が入っている場合、各移動局が同時に
電波を放射すると、衝突が起こるので、各移動局は、セ
ルに入ったときに、地上の受信局と双方向通信を行っ
て、電波を送信するタイムスロットを割り当ててもらう
必要がある。複数の移動局から同時に電波が送信される
と、受信局5では、電波の区別ができないため、符号間
干渉が生じる。タイムスロットを割り当てるのは、これ
を回避するためである。
【0046】図10は、子受信局5bの内部構成を示す
ブロック図である。図10(a)(b)(c)の3つの形態は、
子受信局5bの採りうる構成をそれぞれ示す。図10
(a)は、受信アンテナ71で受信した電波を帯域フィル
タ72を通して整形した後、増幅器73で増幅し、送信
アンテナ74に送り出す構成を示している。
【0047】図10(b)は、受信アンテナ71で受信し
た電波を中間周波数に変換し、帯域フィルタ72を通し
て整形した後、もとの周波数に戻して、増幅して送信ア
ンテナ74に送り出す構成を示している。中間周波数に
対応する帯域フィルタ72を使えるので、より低価格
で、かつ特性のよいフィルタを使うことができる。図1
0(c)は、低周波(例えば数10Hz)のオフセット周
波数発振器76で変調することにより、中継する電波の
周波数にオフセットを与える構成を示す。このオフセッ
トにより、送信アンテナ74からの送信電波が受信アン
テナ71に回り込むループの利得を低下させて、発振の
未然防止を有効にすることができる。
【0048】前記図10のいずれの場合も、受信アンテ
ナ71は、一般車両を対象とするので比較的広い指向性
を有するものとし、送信アンテナ74は、次の受信局に
向けた鋭い指向性を有していることが好ましい。 −その他の実施形態− 以上の路上送信システムは、地上から車両への送信を想
定し、路上受信システムは、車両から地上への送信を想
定していたが、実際のシステムを構築する際には、地
上、車両間の双方向の通信を目的とする。この場合、送
信装置、送信アンテナ、受信装置、受信アンテナを別々
に備えるという形態が考えられる。また、本明細書では
図示していないが、地上局は、送信装置、受信装置をそ
れぞれ備え、アンテナを送受共用するという形態もあ
る。
【0049】本発明の実施の形態の説明は以上のとおり
であるが、本発明は上述の実施形態に限定されるもので
はない。例えば、車両との通信以外に、歩行者などに通
信装置を持たせて、地上と歩行者とが通信する路上送信
システム、路上受信システムにも適用が可能である。そ
の他、本発明の範囲内で種々の設計変更を施すことが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路上送信システムに係る路上送信シス
テムの構成を示す概念図である。
【図2】親送信局2aの内部構成を示すブロック図であ
る。
【図3】OFDMによるシンボル伝送の様子を周波数軸
f、時間軸t上に図示したグラフである。
【図4】子送信局2bの内部構成を示すブロック図であ
る。(a)(b)(c)の3つの形態は、子送信局2bの採りう
る構成をそれぞれ示す。
【図5】各送信局2が中央基地局1から分配された信号
に基づいて車両に電波を放射する場合を想定した図であ
る。(a)は、各送信局2から電波が放射され、車両の移
動局で受信される様子を図解したものであり、(b)は、
車両における電波の受信時間と受信強度との関係を示す
グラフである。
【図6】本発明の、各送信局2の中継機能を利用して信
号の分配を行い、電波を放射する場合を想定した図であ
る。(a)は、各送信局2から電波が放射され、車両の移
動局で受信される様子を図解したものであり、(b)は、
車両における電波の受信時間と受信強度との関係を示す
グラフである。
【図7】本発明の路上送信システムに係る路上送信シス
テムの構成変更例を示す概念図である。
【図8】本発明の路上受信システムに係る路上受信シス
テムの構成を示す概念図である。
【図9】親受信局5aの内部構成を示すブロック図であ
る。
【図10】子受信局5bの内部構成を示すブロック図で
ある。(a)(b)(c)の3つの形態は、子受信局5bの採り
うる構成をそれぞれ示す。
【図11】路上アンテナを所定間隔で道路の各所に設置
して車両との通信を行う路車間複局通信システムの構成
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 中央基地局 2 送信局 2a,2aa 親送信局 2b 子送信局 5a 親受信局 5b 子受信局 21,22,23 送信局 31 シリアルパラレル変換回路 32 インターリーブ回路 33 逆フーリエ変換回路 34 QPSK変調回路 35 アップコンバータ 36 送信アンテナ 41 受信アンテナ 42 増幅器 43 帯域フィルタ 44 送信アンテナ 45 局部発振器 46 オフセット周波数発振器 61 受信アンテナ 62 ダウンコンバータ 63 QPSK復調回路 64 フーリエ変換回路 65 デインターリーブ回路 66 パラレルシリアル変換回路 71 受信アンテナ 72 帯域フィルタ 73 増幅器 74 送信アンテナ 75 局部発振器 76 オフセット周波数発振器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直交周波数分割多重 (OFDM;Orthogon
    al Frequency Division Multiplex)変調された同一内容
    の信号を同一周波数の電波で同一セル内に送信する複数
    の送信局を備える路上送信システムであって、 前記送信局は、少なくとも1つの親送信局と、親送信局
    以外の送信局とから構成され、 前記親送信局以外の送信局は、親送信局又は他の送信局
    から放射された電波を受信する受信装置と、この受信装
    置で受信された電波を中継・増幅するための中継装置
    と、前記中継装置で中継された電波をセル内に送信する
    送信装置とを有するものであることを特徴とする路上送
    信システム。
  2. 【請求項2】前記OFDM変調において、セル内で移動
    局が送信局から受ける直接波と、移動局が受ける遅延波
    のうち最も遅延の長い遅延波との時間差よりも長いガー
    ド時間が設定されていることを特徴とする請求項1記載
    の路上送信システム。
  3. 【請求項3】前記受信装置の受信アンテナの指向性は、
    前記送信装置の送信アンテナの指向性よりも鋭くなって
    いることを特徴とする請求項1記載の路上送信システ
    ム。
  4. 【請求項4】前記中継装置は、伝送品質上許容される程
    度の周波数オフセットを与えるものであることを特徴と
    する請求項1記載の路上送信システム。
  5. 【請求項5】セル内の移動局から直交周波数分割多重
    (OFDM;Orthogonal Frequency Division Multiple
    x)変調されて送信された電波を複数の受信局で受信する
    路上受信システムであって、 前記受信局は、少なくとも1つの親受信局と、親受信局
    以外の受信局とから構成され、 前記親受信局以外の受信局は、移動局又は他の受信局か
    ら放射された電波を受信する受信装置と、この受信装置
    で受信された電波を中継・増幅するための中継装置と、
    前記中継装置で中継された電波を他の受信局に送信する
    送信装置とを有するものであることを特徴とする路上受
    信システム。
  6. 【請求項6】前記OFDM変調において、セル内で受信
    局が移動局から受ける直接波と、受信局が受ける遅延波
    のうち最も遅延の長い遅延波との時間差よりも長いガー
    ド時間が設定されていることを特徴とする請求項5記載
    の路上受信システム。
  7. 【請求項7】前記送信装置の送信アンテナの指向性は、
    前記受信装置の受信アンテナの指向性よりも鋭くなって
    いることを特徴とする請求項5記載の路上受信システ
    ム。
  8. 【請求項8】前記中継装置は、伝送品質上許容される程
    度の周波数オフセットを与えるものであることを特徴と
    する請求項5記載の路上受信システム。
JP11187815A 1999-07-01 1999-07-01 路上送信システム及び路上受信システム Pending JP2001016157A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11187815A JP2001016157A (ja) 1999-07-01 1999-07-01 路上送信システム及び路上受信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11187815A JP2001016157A (ja) 1999-07-01 1999-07-01 路上送信システム及び路上受信システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001016157A true JP2001016157A (ja) 2001-01-19

Family

ID=16212734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11187815A Pending JP2001016157A (ja) 1999-07-01 1999-07-01 路上送信システム及び路上受信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001016157A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003058851A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Systeme de communications radio par fibres optiques
JP2010232921A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Kyocera Corp 無線中継局及び無線中継方法
JP2014068144A (ja) * 2012-09-25 2014-04-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 移動体通信システム、移動体通信方法、移動局、プログラム、及び記録媒体
JP2017118321A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 三菱電機株式会社 基地局装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003058851A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-17 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Systeme de communications radio par fibres optiques
JP2010232921A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Kyocera Corp 無線中継局及び無線中継方法
JP2014068144A (ja) * 2012-09-25 2014-04-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 移動体通信システム、移動体通信方法、移動局、プログラム、及び記録媒体
US9503949B2 (en) 2012-09-25 2016-11-22 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Method, systems and apparatuses for selecting stations for mobile stations in a moving object
JP2017118321A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 三菱電機株式会社 基地局装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3127918B1 (ja) 路車間通信システム並びに路上通信局及び車載移動局
JP3367476B2 (ja) 路上送信装置
US10598781B2 (en) Cooperative and crowd-sourced multifunctional automotive radar
EP2759068B1 (en) Doppler-nulling traveling-wave antenna relays for high-speed vehicular communictions
WO2000039944A1 (fr) Systeme de communication route/vehicule
CN102164028B (zh) 在无线通信系统中支持非对称载波聚合的装置和方法
CN101730116B (zh) 无线通信系统以及其中使用的通信方法、中间装置
JP3045167B1 (ja) 路車間通信システム
JP2001016157A (ja) 路上送信システム及び路上受信システム
JP3008946B2 (ja) 路車間通信システム
JP3067751B2 (ja) 路車間通信システム
JP4134410B2 (ja) 路車間通信システム
JP3362726B2 (ja) 路車間通信システム
Oh et al. Performance analysis on channel estimation with antenna diversity of OFDM reception in multi-path fast fading channel
JP2001028576A (ja) 車載受信装置
JP3635329B2 (ja) 路車間通信システム
JP2016082554A (ja) 無線lanと狭域通信システムとの周波数共用方法
Jämsä et al. Vehicle in a cognitive network
JP3289717B2 (ja) 車両位置検出システム
Segawa et al. Performance of COFDM-based transmitter diversity in a road-to-vehicle communication system
JP3448650B2 (ja) 路車間通信方法
CN116437313A (zh) 一种路侧单元及通信方法
Abdalla Physical and Link Layer Implications in Vehicle Ad Hoc Networks
JPS6160620B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090730