JP3067645B2 - 位相比較器 - Google Patents

位相比較器

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JP3067645B2
JP3067645B2 JP8163101A JP16310196A JP3067645B2 JP 3067645 B2 JP3067645 B2 JP 3067645B2 JP 8163101 A JP8163101 A JP 8163101A JP 16310196 A JP16310196 A JP 16310196A JP 3067645 B2 JP3067645 B2 JP 3067645B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ伝送システ
ムを構築する受信回路の位相比較器に関し、特にデジタ
ル加入者線伝送用終端装置のタイミング抽出に適用され
る位相比較に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の位相比較器は、例えば
「1976年5月、アイ・イー・イー・イー・トランザ
クション・オン・コミュニケーションズ、第COM−2
4巻、第5号(IEEE TRANSACTIONS ON COMMUNICATIONS,
VOL.COM-24,NO.5)」や「1986年11月、アイ・イ
ー・イー・イー・ジャーナル・オン・セレクテッド・エ
リアズ・イン・コミュニケーションズ、第SAC−4
巻、第8号(IEEE JOURNAL ON SELECTED AREAS IN COMM
UNICATIONS,VOL.SAC-4,NO.8)」に示されるように、デ
ジタル加入者線伝送システムにおいて、受信信号からサ
ンプリングクロックを最適な位相で抽出するための位相
制御情報を生成することを目的として用いられている。
【0003】図4は、デジタル加入者線終端装置の受信
回路の一例を示すブロック図である。受信回路は、受信
アナログ信号401をデジタル信号に変換するA/D変
換器402と、該A/D変換器402の出力を入力と
し、伝送線路の線路損失により波形歪みを生じた受信信
号を整形する波形等化回路403と、判定帰還型等化器
406(「1979年8月、プロシーディングス・オブ
・アイ・イー・イー・イー、第67巻、第8号(PROCEE
DINGS OF THE IEEE,VOL.67,AUGUST 1979)」参照)と、
波形等化回路403の出力と判定帰還型等化器406の
出力とを入力とする減算器404と、波形等化回路40
3の出力を入力とし、受信信号の符号の識別を行う符号
識別回路405と、符号識別回路405の出力である識
別結果1、識別誤差2を入力とし、位相制御情報を生成
する位相比較器407と、により構成される。
【0004】符号識別回路405は、受信アナログ信号
401の孤立波応答の検出点を符号識別点として該受信
アナログ信号を伝送符号に応じてレベル判定した識別結
果と、該識別結果と受信アナログ信号の実際のレベルと
の差を求めた識別誤差を出力する。例えば、2B1Q符
号の場合、+3,+1,0,−1,−3のレベル判定が
行われ、そのレベル判定結果(識別結果)と入力信号の
実際の信号レベルとの差が識別誤差として出力される。
【0005】判定帰還型等化器406は、位相比較器4
07と同様に識別結果1と識別誤差2を入力とし、その
出力は減算器404に入力されて帰還路が形成されてお
り、これにより孤立波のポストカーソル(符号識別点以
降のすそ引き)の抑圧が行われるようになっている。
【0006】従来は、上記位相比較器407として、図
5に示すような構成の位相比較器500が用いられてい
る。位相比較器500は、識別誤差2を入力とする単位
遅延回路501と、該単位遅延回路501の出力と識別
結果1とを入力とする乗算器502とよりなり、該乗算
器502の出力が位相制御信号として出力される。すな
わち、この位相比較器500では、識別結果と1サンプ
ル前の識別誤差とを乗算した結果が位相制御信号として
出力される。
【0007】図6は波形等化回路403により波形整形
された受信信号の孤立波応答を示す図で、(a)は波形
等化が理想的に行われた場合の孤立波応答、(b)は波
形整形がうまく行われていない場合の孤立波応答を示
す。本説明では、図6において、孤立波応答のピーク値
が等しく検出されたときの、その検出点(符号識別点)
前の孤立波応答の値がプリカーソル、検出点後の孤立波
応答の値がポストカーソルであり、理想的にはこれらの
値は0になる。
【0008】上述のように構成される受信回路では、波
形等化回路403における波形等化が理想的に行われた
場合は、図6(a)に示すように孤立波の振幅が最大と
なる位相で、他のサンプリング点がゼロクロスする。こ
のため、符号識別点での符号間干渉を生じることはな
い。
【0009】波形等化回路403における波形整形がう
まく行われていない場合は、図6(b)に示すように孤
立波の振幅が最大となる位相では他のサンプリング点は
ゼロクロスしない。孤立波の符号識別点以外のサンプリ
ング点が0となっていない場合、それらは、符号間干渉
として他のデータの符号識別点に雑音として加わる。
【0010】上述の受信回路では、符号識別点以降のポ
ストカーソルによって生じる符号間干渉は判定帰還型等
化回路406により抑圧されるが、プリカーソルによる
符号間干渉は残る。このプリカーソルによる符号間干渉
は、位相比較器の出力に基づく位相制御によりプリカー
ソルをゼロクロスさせることにより抑圧される。
【0011】以下、位相比較器500における位相比較
動作を、送信符号を+1、−1の2値とした場合を例に
説明する。図7(a)は、符号+1が送信されてきた後
に続けて符号+1が送信された場合の波形重なりを示
し、図7(b)は、符号+1が送信されてきた後に符号
−1が送信された場合の波形重なりを示す。
【0012】時刻jにおける符号識別回路405の入力
をxj、識別結果1をajとすると、識別誤差2であるe
jは以下の式で表される。
【0013】 ej=xj−aj (1) ここで、図7(a)において、サンプリング位相がΔT
遅れている場合、時刻jの符号識別点では、次時刻の符
号+1のプリカーソルが加わることになる。このため、
識別誤差ejは次時刻の信号によるプリカーソル分だけ
正の値をとることになる。同様にして、ΔT進んでいる
場合には、識別誤差ejは負の値をとることになる。
【0014】位相比較器500では、時刻j+1の位相
制御情報Zj+1が以下の式で算出される。
【0015】 Zj+1=ej×aj+1 (2) 図7(a)において、位相がΔT遅れている場合は、e
j>0、aj+1=1であるから、Zj+1>0となる。位相
がΔT進んでいる場合は、ej<0、aj+1=1であるか
ら、Zj+1<0となる。
【0016】同様にして、図7(b)において、位相が
ΔT遅れている場合は、ej<0、aj+1=1であるか
ら、Zj+1>0となる。位相がΔT進んでいる場合は、
j>0、aj+1=1であるから、Zj+1<0となる。
【0017】以上のように、位相比較器500は位相が
遅れている場合には正の値を、位相が進んでいる場合に
は負の値を出力し、出力が0においてプリカーソルがゼ
ロクロスする。このような動作を持つ位相比較器500
は、プリカーソルがゼロクロスする位相で出力が0とな
るため、プリカーソルゼロクロス推定型位相比較器とも
呼ばれている。
【0018】上述のプリカーソルゼロクロス推定型位相
比較器としては、図8に示すような構成の位相比較器の
ようなものもある。この位相比較器では、識別結果(a
j,..,aj-1)の時系列をある変換関数(gj-1=g
j-1(aj,..,aj-1))に従って変換し、これを基
に識別誤差(xj,...,xj-2)から位相制御情報を
得る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したように符号識
別回路の出力である識別誤差と識別結果とに基づいて位
相制御情報を得る位相比較器においては、波形等化が不
十分でプリカーソルがサンプリング位相でゼロクロスし
ないような場合には、位相制御情報に符号識別点の2サ
ンプル以前のプリカーソルが雑音として加わってしまう
ため、符号識別点の1サンプル前のプリカーソルがゼロ
クロスする位相で、2サンプル以前のプリカーソルがゼ
ロクロスしない場合、抽出クロックの安定性が劣化す
る。
【0020】本発明の目的は、上記問題を解決し、位相
制御情報から2サンプル以前のプリカーソルによる雑音
を除去し、抽出クロックの安定性の高い位相比較器を提
供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、受信アナログ信号をサンプリングしてデ
ジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器を備え
る受信回路に用いられ、前記アナログ・デジタル変換器
の出力について線路損失により生じた波形歪みを整形し
た出力信号を伝送符号に応じてレベル判定した識別結果
を一方の入力とし、前記識別結果と前記出力信号の実際
のレベルとの差を求めた識別誤差を他方の入力とし、こ
れら入力を基に前記アナログ・デジタル変換器における
サンプリング位相制御を行うための位相制御情報を得る
位相比較器において、縦続接続されたN(Nは自然数)
段の単位遅延回路から構成され、前記識別結果に対して
遅延を与える第1の遅延回路と、縦続接続されたN+1
段の単位遅延回路から構成され、前記識別誤差に対して
遅延を与える第2の遅延回路と、前記第2の遅延回路の
出力を一方の入力、プリカーソル推定値を他方の入力と
し、第2の遅延回路の出力からプリカーソル推定値を減
算する減算器と、前記減算器の出力と前記第1の遅延回
路を構成する各単位遅延回路の出力とに基づいて、前記
レベル判定における符号識別点から2周期以前の孤立波
応答値を求め、これを前記プリカーソル推定値として前
記減算器へ出力するプリカーソル推定回路と、前記第1
の遅延回路の出力を一方の入力、前記減算器の出力を他
方の入力とし、これら入力を乗算した結果を前記位相制
御情報として出力する第1の乗算器と、を有することを
特徴とする。
【0022】上記の場合、前記プリカーソル推定回路
は、前記第1の遅延回路を構成する各単位遅延回路の出
力をそれぞれ一方の入力とし、前記減算器の出力をそれ
ぞれ他方の入力とするN段の適応乗算器と、前記N段の
適応乗算器の各出力を加算し、該加算結果を前記プリカ
ーソル推定値として出力する加算器と、から構成しても
よい。この場合、前記適応乗算器の夫々は、前記第1の
遅延回路を構成する単位遅延回路の出力と前記減算器の
出力とを乗算する第2の乗算器と、前記第2の乗算器の
出力と所定の固定値とを乗算する第3の乗算器と、前記
第3の乗算器の出力と帰還入力される加算結果とを加算
する第2の加算器と、出力が分岐されて前記第2の加算
帰還入力された、前記第2の加算器の出力を単位時
間遅延させる単位時間遅延回路と、前記単位時間遅延回
路の出力と前記第1の遅延回路を構成する単位遅延回路
の出力とを乗算する第4の乗算器と、から構成してもよ
い。
【0023】また、前記プリカーソル推定回路は、前記
第1の遅延回路を構成する各単位遅延回路の出力に応じ
てアドレスを設定するアドレス設定回路と、前記アドレ
ス設定回路にて設定された各アドレスに入力データを記
憶するとともに、該記憶したデータを前記プリカーソル
推定値として減算器へ出力するデータ記憶回路と、前記
データ記憶回路から出力されたプリカーソル推定値を一
方の入力、前記減算器の出力を他方の入力とし、これら
入力の差を前記入力データとして前記データ記憶回路へ
出力するデータ更新回路と、から構成してもよい。
【0024】上記のとおりの本発明によれば、プリカー
ソル推定回路により符号識別点から2周期以前のプリカ
ーソル推定値が求められ、識別誤差からその求められた
プリカーソル推定値が除去されるので、位相制御情報は
符号識別点の1サンプル前のゼロクロス情報だけで求め
られることになり、従来のように位相制御情報に2サン
プル以前のプリカーソルによる雑音が含まれることはな
い。なお、本発明においても、位相制御により抑圧され
るプリカーソルは、符号識別点の1サンプル前のプリカ
ーソルのみである。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0026】<実施例1>図1は、本発明の第1の実施
例の位相比較器の構成を示すブロック図である。本実施
例の位相比較器は、受信アナログ信号をサンプリングし
てデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器を
備える受信回路、例えば前述の図4に示したようなデジ
タル加入者線終端装置の受信回路に用いられるものであ
って、その構成は識別結果1を入力とする第1の遅延回
路3、識別誤差2を入力とする第2の遅延回路4、プリ
カーソル推定回路5、減算器6、乗算器7よりなる。
【0027】第1の遅延回路3は、縦続接続されたN
(Nは自然数)段の単位遅延回路D1 1〜D1nより構成
されている。第2の遅延回路4は、第1の遅延回路3よ
り1段多く縦続接続されたN+1段の単位遅延回路D2
1〜D2nより構成され、その出力(すなわち、単位遅延
回路D2nの出力)は減算器6の一方の入力となってい
る。
【0028】プリカーソル推定回路5は、適用乗算器5
1〜51nと加算器52より構成されている。適用乗算
器511〜51nは、それぞれ第1の遅延回路3の単位遅
延回路D11〜D1nの出力を一方の入力とし、減算器6
の出力を他方の入力としている。加算器52は、適用乗
算器511〜51nの各出力を入力としており、これら入
力の加算結果は減算器6の他方の入力となっている。
【0029】減算器6は、第2の遅延回路4の出力(識
別誤差)から加算器52からの加算結果を減算する。こ
の減算器6の出力は、プリカーソル推定回路5の適用乗
算器511〜51nに入力されているとともに、減算器7
の一方の入力となっている。乗算器7の他方の入力に
は、第1の遅延回路3の出力(すなわち、単位遅延回路
D1nの出力)が入力されており、その出力が位相制御
情報8となる。
【0030】上記構成の位相比較器では、Nパターン前
の識別結果とN+1パターン前の識別誤差とが乗算器7
において乗算される。この乗算の際に、プリカーソル推
定回路5において、符号識別点の2サンプル以前のプリ
カーソルによる雑音(孤立波応答値)が以下のようにし
て求められる。
【0031】符号識別回路405における時刻jの識別
結果をaj、識別誤差をejとする。いま、サンプリング
点における孤立波のプリカーソルの振幅を符号識別点に
近い順に、h-1,h-2,h-3,h-4,...とすると、
識別誤差ejに加わる時刻jのプリカーソルによる雑音
epjは以下の式で表すことができる。
【0032】 epj=h-1×aj+1+h-2×aj+2+h-3×aj+3+・・・ (3) ここで、位相制御情報生成時に必要となるのは上記式
(3)の右辺の第1項のみであり、それが0となるよう
に位相制御が行われる。したがって、式(3)の右辺に
おいて、第2項以降による雑音を除去する必要がある。
【0033】第2項以降による雑音をeppとすると式
(3)より、時刻jでのeppjは以下の式で与えられ
る。
【0034】 eepj=h-2×aj+2+h-2×aj+3+・・・ (4) プリカーソル推定回路5は、上記式(4)を実現し、識
別誤差ejからeepjの雑音を除去する。ただし、ここ
でaj+2、aj+3は次時刻以降の識別結果であり、符号識
別回路でejが算出された時点では式(4)を計算する
ことはできない。本実施例では、第1および第2の遅延
回路3,4により、識別結果1と識別誤差2に遅延を与
え、次時刻以降のaj+2,aj+3,...における識別結
果を得ている。
【0035】上述のようにして、符号識別点の2サンプ
ル以前のプリカーソルによる雑音が求められると、減算
器6において、識別誤差からそのプリカーソル推定回路
5にて求められた符号識別点の2サンプル以前のプリカ
ーソルによる雑音が除去される。これにより、乗算器7
における乗算結果、すなわち位相制御情報8には、符号
識別点の2サンプル以前のプリカーソルによる雑音は含
まれず、安定したクロック抽出が行えることになる。
【0036】次に、適用乗算器の具体的な構成とその動
作について説明する。
【0037】図2は、上記適用乗算器(511〜51n
の構成を示すブロック図である。適用乗算器511〜5
nはいずれも同じ構成となっているので、ここでは、
適用乗算器511を例にとり、以下にその構成を詳しく
説明する。なお、同図では、第1の遅延回路3の単位遅
延回路D11の出力をデータ入力21とし、減算器6の
出力を誤差入力22としている。
【0038】適用乗算器511は、乗算器23〜26お
よび単位遅延回路27より構成されている。乗算器24
は、データ入力21を一方の入力、誤差入力22を他方
の入力としている。乗算器25は、乗算器24の出力を
一方の入力、固定値α28を他方の入力としている。乗
算器26は、乗算器25の出力を一方の入力、単位遅延
回路27の出力を他方の入力としている。単位遅延回路
27は乗算器26の出力を入力とし、その出力は乗算器
26に入力されるとともに、乗算器23の一方の入力と
なっている。乗算器23は、単位遅延回路27の出力を
一方の入力、データ入力21を他方の入力とし、これら
入力を乗算し、乗算結果をプリカーソル推定値として出
力する。
【0039】いま、符号識別点のNサンプル以前のプリ
カーソルの振幅が大きく、雑音として識別誤差に加わっ
ているとする。時刻jにおける第i番目(iは1〜Nま
での自然数)の適用乗算器の乗数をbi,jとすると、時
刻jの減算器6の出力emjは以下の式で表される。
【0040】
【数1】 適用乗算器の乗数bi,jは、トレーニングによりプリカ
ーソルのサンプリング点での振幅へ近づいていくことに
なり、時刻jの適用乗算器の乗数bi,jは、例えば上記
式(5)に示すようなLMS(Least Mean Squre)アル
ゴリズムにより更新されて、次時刻j+1の以下の式で
与えられるような乗数bi,j+1となる。
【0041】 bi,j+1=bi,j+α×emj×aj-1 (6) ここで、α(固定値)はゲインサイズであり、トレーニ
ング速度、安定性を左右するパラメータである。このα
の値は適用されるシステム構成によって適宜選択され
る。
【0042】以上のように構成される位相比較器では、
時刻jにおける位相制御情報zjは以下の式で与えられ
る。
【0043】 zj=aj-N×emj (7) <実施例2>図3は、本発明の第2の実施例の位相比較
器の構成を示すブロック図である。本実施例の位相比較
器は、第1の実施例の構成と比較し、プリカーソル推定
回路の構成が異なる以外は、ほぼ同じ構成となってい
る。図中、同じ構成には同じ符号を付し、その構成につ
いての説明は省略する。
【0044】プリカーソル回路5’は、第1の遅延回路
3の単位遅延回路D11〜D1nの出力をそれぞれ入力と
するアドレス設定回路91と、データ記憶回路93と、
減算器6の出力とデータ記憶回路93の出力を入力とす
るデータ更新回路92により構成される。データ記憶回
路93は、アドレス設定回路91の出力とデータ更新回
路92の出力を入力としており、その出力は減算器6の
一方の入力(減算側入力)となっている。
【0045】このプリカーソル推定回路5’では、前述
の式(4)で示した、符号識別点の2サンプル以前のプ
リカーソルの雑音の除去が以下のようにして行われる。
【0046】アドレス設定回路91は、第1の遅延回路
3の単位遅延回路D11〜D1nの出力の組み合せ(第1
〜第N−1番目の入力の組み合せ)によって、データ記
憶回路93のデータを参照するアドレスを設定する。例
えば、データシンボルの多値度が4、Nが3の場合、4
N-1=16のアドレスが設定されることになる。
【0047】アドレス設定回路91にてアドレスが設定
されると、データ記憶回路93はその設定されたアドレ
スにデータ更新回路92からの入力データを記憶すると
ともに、該記憶したデータをプリカーソル推定値として
出力する。この出力されたプリカーソル推定値は、減算
器6およびデータ更新回路92にそれぞれ入力される。
【0048】データ記憶回路93からプリカーソル推定
値が入力されると、減算器6は、第2の遅延回路4から
の識別誤差からその入力されたプリカーソル推定値を減
算する。この減算結果は、データ更新回路92および乗
算器7へ出力される。
【0049】データ記憶回路93からプリカーソル推定
値が、減算器6から減算結果がデータ更新回路92に入
力されると、データ更新回路92では、これら入力の差
が入力データとしてデータ記憶回路93へ出力される。
これにより、データ記憶回路93では先に記憶されたデ
ータの更新が行われる。具体的には、以下のようにして
データ更新が行われる。
【0050】いま、時刻jに識別結果aj-1
j-2,...,aj-N-1によって選択されるデータ記憶
回路93のアドレスに格納されているデータをbj(a
j-1,aj-2,...,aj-N-1)とすると、時刻j+1
のbj+1(aj-1,aj-2,...,aj- N-1)は、データ
更新回路92で以下の式により更新される。
【0051】 bj+1(aj-1,aj-2,...,aj-N-1) =bj(aj-1,aj-2,...,aj-N-1)+α×emj (8) 上述のようにして更新されたデータは、データ記憶回路
93からプリカーソル推定値として順次減算器6へ出力
され、第2の遅延回路4からの識別誤差からその入力さ
れたプリカーソル推定値が減算される。このようにして
減算された一連の結果は、乗算器7において第1の遅延
回路からの識別結果と乗算され、乗算結果が位相制御情
報として出力される。
【0052】本実施例の場合、上述の第1の実施例と比
較し、演算回数は少なくなるが、データを格納するため
のデータ記憶容量が増加する。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように構成される本発明に
よれば、位相制御情報に加わっていた符号識別点の2サ
ンプル以前のプリカーソルの雑音を位相制御情報から除
去できるので、符号識別点の1サンプル前のプリカーソ
ルがゼロクロスする位相で、2サンプル以前のプリカー
ソルがゼロクロスしない場合に生じる抽出クロックの安
定性の劣化を防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の位相比較器の構成を示
すブロック図である。
【図2】適用乗算器の構成の一例を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例の位相比較器の構成を示
すブロック図である。
【図4】デジタル加入者線終端装置の受信回路の一例を
示すブロック図である。
【図5】従来の位相比較器の位相比較器の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】波形等化回路により波形整形された受信信号の
孤立波応答を示す図で、(a)は波形等化が理想的に行
われた場合の孤立波応答、(b)は波形整形がうまく行
われていない場合の孤立波応答を示す。
【図7】(a)は符号+1が送信されてきた後に続けて
符号+1が送信された場合の波形重なり、(b)は符号
+1が送信されてきた後に符号−1が送信された場合の
波形重なりを示す。
【図8】従来の位相比較器の他の構成例を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 識別結果 2 識別誤差 3 第1の遅延回路 4 第2の遅延回路 5,5’ プリカーソル推定回路 6,26 減算器 7,23,24,25 乗算器 8 位相制御情報 27,D11〜D1n,D21〜D2n 単位遅延回路 511〜51n 適応乗算器 21 データ入力 22 誤差入力 29 プリカーソル推定値 401 受信アナログ信号 402 A/D変換器 403 波形等化回路 404 減算器 405 符号識別回路 406 判定帰還型等化回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 17/00 - 17/08 H03D 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信アナログ信号をサンプリングしてデ
    ジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換器を備え
    る受信回路に用いられ、前記アナログ・デジタル変換器
    の出力について線路損失により生じた波形歪みを整形し
    た出力信号を伝送符号に応じてレベル判定した識別結果
    を一方の入力とし、前記識別結果と前記出力信号の実際
    のレベルとの差を求めた識別誤差を他方の入力とし、こ
    れら入力を基に前記アナログ・デジタル変換器における
    サンプリング位相制御を行うための位相制御情報を得る
    位相比較器において、 縦続接続されたN(Nは自然数)段の単位遅延回路から
    構成され、前記識別結果に対して遅延を与える第1の遅
    延回路と、 縦続接続されたN+1段の単位遅延回路から構成され
    前記識別誤差に対して遅延を与える第2の遅延回路と、 前記第2の遅延回路の出力を一方の入力、プリカーソル
    推定値を他方の入力とし、第2の遅延回路の出力からプ
    リカーソル推定値を減算する減算器と、 前記減算器の出力と前記第1の遅延回路を構成する各単
    位遅延回路の出力とに基づいて、前記レベル判定におけ
    る符号識別点から2周期以前の孤立波応答値を求め、こ
    れを前記プリカーソル推定値として前記減算器へ出力す
    るプリカーソル推定回路と、 前記第1の遅延回路の出力を一方の入力、前記減算器の
    出力を他方の入力とし、これら入力を乗算した結果を前
    記位相制御情報として出力する第1の乗算器と、を有す
    ることを特徴とする位相比較器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位相比較器において、 前記プリカーソル推定回路は、前記第1の遅延回路を構
    成する各単位遅延回路の出力をそれぞれ一方の入力と
    し、前記減算器の出力をそれぞれ他方の入力とするN段
    の適応乗算器と、前記N段の適応乗算器の各出力を加算
    し、該加算結果を前記プリカーソル推定値として出力す
    る加算器と、を有することを特徴とする位相比較器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の位相比較器において、 前記適応乗算器の夫々は、前記第1の遅延回路を構成す
    る単位遅延回路の出力と前記減算器の出力とを乗算する
    第2の乗算器と、前記第2の乗算器の出力と所定の固定
    値とを乗算する第3の乗算器と、前記第3の乗算器の出
    力と帰還入力される加算結果とを加算する第2の加算器
    と、出力が分岐されて前記第2の加算器帰還入力され
    た、前記第2の加算器の出力を単位時間遅延させる単位
    時間遅延回路と、前記単位時間遅延回路の出力と前記第
    1の遅延回路を構成する単位遅延回路の出力とを乗算す
    る第4の乗算器と、を有することを特徴とする位相比較
    器。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の位相比較器において、 前記プリカーソル推定回路は、前記第1の遅延回路を構
    成する各単位遅延回路の出力に応じてアドレスを設定す
    るアドレス設定回路と、前記アドレス設定回路にて設定
    された各アドレスに入力データを記憶するとともに、該
    記憶したデータを前記プリカーソル推定値として減算器
    へ出力するデータ記憶回路と、前記データ記憶回路から
    出力されたプリカーソル推定値を一方の入力、前記減算
    器の出力を他方の入力とし、これら入力の差を前記入力
    データとして前記データ記憶回路へ出力するデータ更新
    回路と、を有することを特徴とする位相比較器。
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