JP3067426B2 - リチウム二次電池と正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池と正極活物質の製造方法

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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充放電によって正極活
物質にリチウムイオンが出入りする、リチウム二次電池
に関する。特に、充放電の繰り返し特性に優れた、高容
量のリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、CO2 の増加による温室効果で地
球の温暖化が生じることが予測され、新たな火力発電の
建設が難しくなってくるため、発電機の有効利用として
夜間電力を一般家庭に設置した二次電池に蓄えて負荷を
平準化する、いわゆるロードレベリングを行うことが考
案されている。また、大気汚染物質を排出しない電気自
動車のため高エネルギー密度の二次電池の開発が望まれ
ており、ブック型パーソナルコンピュータやワードプロ
セッサー,ビデオカメラや携帯電話などのポータブル機
器の電源にも高性能な二次電池の開発への要求がますま
す高まっている。
【0003】上記高性能の二次電池としてリチウムイオ
ンを層間化合物に導入したものを正極活物質に、負極活
物質にカーボンを用いたロッキングチェアー型リチウム
イオン電池の開発が進み、一部実用化されつつある。し
かし、リチウムイオン電池は、金属リチウムを負極活物
質に使用するリチウム電池本来の特徴である高エネルギ
ー密度を達成していない。さらに、高容量、高エネルギ
ーの、サイクル寿命の長い、リチウム蓄電池の開発が望
まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
の欠点を解決し、高容量、高エネルギーの、長サイクル
寿命のリチウム電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記従来の欠点を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、結
晶粒の大きさが500オングストローム以下である、一
種類以上の遷移金属と6A族元素との化合物をリチウム
二次電池の正極活物質に採用することによって、高容
量、高エネルギーの、長サイクル寿命が達成できること
を見いだした。
【0006】本発明のリチウム二次電池は、負極活物
質、セパレーター、充放電によってリチウムイオンの出
入りが可能な正極活物質、イオンの伝導体である電解
質、集電電極と、電池ケースとから少なくとも形成され
たリチウム二次電池において、前記正極活物質は、一
以上の遷移金属元素と6A族元素との化合物及び水素元
素を含有し、該正極活物質に含有する結晶粒の大きさ
500オングストローム以下としたことを特徴とする。
【0007】さらに、上記正極活物質の主構成物質は、
非晶質,微結晶,非晶質と微結晶の混在したもの,非晶
質と微結晶と多結晶の混在したもの,から選択される集
合体の構造を有している。結晶粒の大きさが500オン
グストローム以下、より好ましくは200オングストロ
ーム以下である、非晶質,微結晶,非晶質と微結晶の混
在したもの,非晶質と微結晶と多結晶の混在したもの,
から選択される集合体の構造の遷移金属と6A族元素と
の化合物を、リチウム二次電池の正極活物質に採用する
ことによって、1)正極活物質の反応面積を大きくでき
ることにより、充放電時の電気化学反応をより円滑にす
ることができ、充電容量を向上できる、2)充放電時の
リチウムイオンの出入りによって正極活物質に生じる歪
を小さく抑えて、サイクル寿命を伸ばすことが可能にな
る、などの効果が得られる。
【0008】上記遷移金属と6A族元素との化合物を主
構成物質とする正極活物質の比表面積は、正極として形
成する前で、50m2 /g以上であることが好ましく、
100m2 /g以上であることがより好ましい。さら
に、水素元素を含有する、遷移金属と6A族元素との化
合物を採用することによって、充放電のサイクル特性を
向上できる。
【0009】また、正極活物質に、有機金属化合物によ
る親油処理を施すことによって、充放電時に電解液と正
極活物質間の固液反応をより円滑にすることができる。
遷移金属と6A族元素との化合物の具体例としては、酸
化ニッケル,酸化チタン,酸化鉄,酸化バナジウム,酸
化マンガン,酸化モリブデン,酸化クロム,酸化タング
ステンなどの金属酸化物,または硫化モリブデン,硫化
鉄,硫化チタンなどの金属硫化物,オキシ水酸化鉄など
の水酸化物,あるいは上記化合物の複合体,が挙げられ
る。
【0010】さらに、二次電池の負極活物質に、リチウ
ムイオンを透過する膜を表面に被覆した金属リチウムを
採用することによって、長寿命で高エネルギー密度のリ
チウム二次電池が得られる。本発明は、また、リチウム
二次電池の正極活物質の製造方法において、リチウム二
次電池の正極活物質の製造方法において、溶液反応工
程、気相反応工程及び融解と急冷とを有する反応工程か
らなる反応工程群から選択された反応工程を利用して、
一種以上の遷移金属元素と6A族元素との化合物及び水
素元素を含有し、該正極活物資に含有する結晶粒の大き
さを500オングストローム以下とした正極活物質を生
成する工程を少なくとも有することを特徴とする。
【0011】本発明は、特に、遷移金属の塩とアルカリ
との反応,有機遷移金属化合物の加水分解反応,遷移金
属とアルカリとの反応,から選択される一種類以上の反
応を用いて、遷移金属の水酸化物を調製した後に、脱水
反応にて、あるいは、気相中で、遷移金属の塩や有機遷
移金属化合物を分解するか、遷移金属の塩や有機遷移金
属化合物の分解物もしくは遷移金属金属蒸気に6A族元
素または6A族元素化合物を反応させて、あるいは、遷
移金属,遷移金属化合物から選択される一種類以上の材
料を溶融させ、6A族元素,6A族元素化合物から選択
される一種類以上の材料と反応させた後、急冷して、結
晶粒の大きさ500オングストローム以下の、非結晶
質、あるいは微結晶、あるいは非結晶と微結晶の混在し
たもの、あるいは非晶質と微結晶と多結晶の混在したも
のの集合体の構造の、遷移金属と6A族元素との化合物
である正極活物質を形成する製造方法である。
【0012】遷移金属元素 本発明の正極活物質の遷移金属元素としては、部分的に
d殻あるいはf殻を有する元素で、Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,,F,Ni,
Pd,Pt,Cu,Ag,Auを用いる。主には、第一
遷移系列金属のTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,N
i,Cuを使用する。実際の遷移金属と6A族元素との
化合物を製造するための原料には、上記遷移金属と遷移
金属の塩と遷移金属の酸化物と遷移金属の水酸化物など
を用いる。
【0013】6A族元素 本発明の正極活物質の6A族元素としては、O,S,S
e,Te,Poを使用する。主には、O,Sを使用す
る。実際の遷移金属と6A族元素との化合物を製造する
ための原料には、上記元素のほかに、イオウ,セレン,
テルル,ポロニウムの、水素化物、ハロゲン化物,ハロ
ゲン化酸化物、酸化物などの化合物が使用できる。
【0014】添加元素 遷移金属以外の元素を添加することによって、リチウム
イオンの出入りに伴って生じる正極活物質の歪を緩和す
ることができる。添加方法としては、上述の正極活物質
の製造工程中に、リチウム,マグネシウム,ナトリウ
ム,カリウム,アルミニウム,亜鉛,カルシウム,バリ
ウム,鉛,インジウム,ホウ素,珪素,スズ,リン,砒
素,アンチモン,ビスマス,塩素,フッ素,から選択さ
れる一種類以上の元素の、塩または水酸化物あるいは有
機金属化合物を添加する方法が有効である。添加元素の
遷移金属元素に対する原子比は、1以下であることが好
ましい。
【0015】(遷移金属と6A族元素との化合物の製造
方法)本発明の遷移金属と6A族元素との化合物の製造
方法には、大別すると、遷移金属の塩あるいは有機遷移
金属化合物の溶液から水酸化物を経由して調製する方法
と、遷移金属あるいは遷移金属化合物を溶融し急冷して
調製する方法と、気相にて遷移金属化合物を反応させて
調製する方法が、適している。
【0016】水酸化物から遷移金属酸化物を調製する具
体例としては、水酸化物を空気中あるいは酸素雰囲気下
で焼成または乾燥して、粉体を調製する方法などがあ
る。水酸化物から遷移硫化物を調製する具体例として
は、水酸化物を硫化水素を混合した水素還元雰囲気で焼
成し粉体を調製する方法がある。急冷法にて遷移金属酸
化物を調製する方法としては、遷移金属や遷移金属酸化
物などの遷移金属化合物を溶融した後、不活性ガスを混
合した酸素ガスで、回転円盤上に吹き付けて粉体を調製
する方法などがある。
【0017】気相反応にて遷移金属酸化物を調製する方
法としては、遷移金属の塩を酸化または加水分解する
か、遷移金属金属蒸気と6A族元素または6A族元素化
合物と反応させるか、有機遷移金属化合物を分解して、
粉体を調製する方法などがある。急冷法を除く上記各種
の調製方法における調製温度は、400℃以下が好まし
く、300℃以下がより好ましい。
【0018】以下、上記液相反応法,気相反応法,溶融
急冷法について説明する。 [液相反応]溶液から水酸化物を経由して製造する方法
における主反応の水酸化物の調製方法としては、以下の
方法が挙げられる。水酸化物の調製方法 遷移金属水酸化物の調製方法は、遷移金属の塩とアルカ
ルとの反応、有機遷移金属化合物の加水分解反応、遷移
金属とアルカリとの反応などの反応を用いるのが適当で
ある。調製温度は150℃以下が好ましく、100℃以
下がより好ましい。
【0019】遷移金属の塩とアルカリとの反応 遷移金属の塩の水溶液にアルカリを反応させて、遷移金
属の水酸化物として沈澱させて調製する。このとき、二
種類以上の遷移金属の塩を混合して用いれば、複合遷移
金属の水酸化物が得られる。遷移金属の塩の代表例とし
ては、炭酸塩,硝酸塩,ハロゲン化物,硫酸塩,スルフ
ァミン酸塩,酢酸塩,シュウ酸塩,クエン酸塩,酒石酸
塩,ギ酸塩,アンモニウム塩などが使用できる。
【0020】アルカリとしては、水酸化リチウム,水酸
化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化アンモニウムな
どが使用できるほかに、加熱することによって水酸化イ
オンを発生してpHを上昇させる尿素,チオ尿素などを
用いることができる。上記遷移金属塩の水溶液にアルカ
リを反応させるおりに、有機酸や無機酸,各種アミンを
少量加えたり、アルコールなどの有機溶媒を加えること
によって、水酸化物の沈澱粒子を微細化することが好ま
しい。
【0021】沈澱時に超音波振動を与えることによっ
て、さらに、沈澱粒子を微細化することも可能である。
これにより比表面積を高めることができる。有機遷移金属化合物の加水分解反応 遷移金属の、アルコキシド,アセチルアセトナート,オ
クチル酸塩,ナフテン酸塩,などの有機金属化合物を加
水分解することによっても遷移金属の水酸化物を調製す
ることができる。
【0022】アルコキシドの具体的な加水分解反応は、
遷移金属のアルコキシドを水やアルコールあるいはエタ
ノールアミンなどに溶解させ、塩酸などの無機酸や酢酸
などの有機酸あるいは水酸化アンモニウムやアミンを添
加して、遷移金属のアルコキシドとしては、Mn(OC
2 5 2 ,Mn(OC3 72 ,Mn(OC4 9
2 ,Ni(OC2 52,Ni(OC3 7 2,Ni
(OC4 92 ,Co(OC2 5 2 ,Co(OC3
7 2,Co(OC492 ,Ti(OC
2 5 2 ,Ti(OC3 7 2,Ti(OC4 9
2,Fe(OC2 5 2,Fe(OC37 2,Fe
(OC4 92 ,Cu(OC2 52,Cu(OC3
7 2 ,Cu(OC4 92 ,VO(OCH3 3
VO(OC2 5 3,VO(OC37 3,VO(O
4 93 ,Y(OC4 93 ,などが使用できる。
【0023】遷移金属のアセチルアセトナートとして
は、Cu(C5 7 22,Co(C 57 2
2 (H2 O)2 ,Co(C5 7 2 3 ,Ni(C5
7 2 2(H2 O)2,Mn(C5 7 22(H2
O)2,Cr(C5 7 2 3,VO(C5 7 2
2,Fe(C5 7 2 3 ,Ti(OC4 92(C
5 7O)2,La(C5 7 23 ,Y(C5 7
2 3,Zr(C5 7 2 4遷移金属のオクチル酸塩
としては、Cu(C7 15COO)2,Ni(C7 1 5
COO)2,Fe(C7 15COO)3,Mn(C7 15
COO)2,Co(C715COO)2,Zr(C7 15
COO)4 ,Y(C7 15COO)3 ,La(C7 15
COO)3遷移金属のナフテン酸塩としては、Cn
2n-22 の一般式で表されるナフテン酸の塩の、ナフテ
ン酸コバルト,ナフテン酸銅,ナフテン酸マンガン,ナ
フテン酸鉄,ナフテン酸ニッケル,ナフテン酸バナジウ
ム,ナフテン酸イットリウム,ナフテン酸ランタン,ア
ルコールとしては、メチルアルコール,エチルアルコー
ル,イソプロピルアルコール,エチレングリコール,プ
ロピレングリコール,などが用いられる。
【0024】脱水反応 上述した溶液反応にて調製した遷移金属水酸化物から、
脱水して遷移金属酸化物を得るためには、遷移金属水酸
化物を水と混合するアルコールやアセトンなどの有機溶
媒に浸して水分を十分置換した後、100℃以上の温度
で真空乾燥するか、あるいはマイクロ波で加熱脱水をす
る方法を用いるのが好ましい。乾燥温度は高過ぎると結
晶化が進み、水酸基も減少するので、400℃以下の温
度がより好ましい。マイクロ波の周波数は、水に吸収さ
れ易い周波数がよい。
【0025】また、比表面積を向上させるために、凍結
乾燥によって脱水を行う方法も利用できる。水素処理 遷移金属水酸化物の乾燥時に乾燥雰囲気中に水素ガスを
混合して熱処理するか、遷移金属水酸化物または遷移金
属酸化物を水素プラズマ処理する方法を用いる。水素プ
ラズマの発生方法は、水素ガスの放電、あるいは水素ガ
スのレーザーによる励起分解の方法が採用できる。
【0026】酸素以外の6A族元素の導入 遷移金属水酸化物、あるいは遷移金属酸化物を硫化水
素、セレン化水素で処理するか、遷移金属水酸化物の調
製時に6A族元素化合物を混合する方法が用いられる。 [気相反応法]気相反応にて遷移金属と6A族元素との
化合物を調製する方法としては、ガス状にした遷移金属
塩や有機遷移金属化合物、あるいは遷移金属金属蒸気
と、6A族元素または6A族元素化合物とを気相中で反
応させて、粉体を調製する方法などがある。6A族元素
を含有する、ガス状にした遷移金属塩や有機遷移金属化
合物を気相で分解して、遷移金属と6A族元素との化合
物を調製することもできる。
【0027】遷移金属塩や有機遷移金属化合物が固体で
ある場合には、加熱して蒸気にするか、加熱して液体に
した後にキャリアーガスをバブリングして反応容器中に
導入するか、あるいは溶媒中に溶解させた溶液をキャリ
アーガスをバブリングして反応容器中に導入する手法も
採用できる。遷移金属塩や有機遷移金属化合物が液体で
ある場合には、加熱して蒸気にするか、あるいはキャリ
アーガスをバブリングして反応容器中に導入する手法も
採用できる。
【0028】遷移金属の塩としては、主に塩化物などの
ハロゲン化物を用いるが、炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩,ス
ルファミン酸塩,酢酸塩,シュウ酸塩,クエン酸塩,酒
石酸塩,ギ酸塩,アンモニウム塩なども用いることがで
きる。塩化物の具体例としては、VOCl3 ,MnCl
2 ,MoCl5 ,TiCl4 ,NiCl2 ,CoCl,
2,FeCl3 ,WCl6 ,YCl3 ,ZrCl4 ,な
どがある。
【0029】6A族元素の原料としては、ガス状の、6
A族元素,6A族元素の水素化物,6A族元素のハロゲ
ン化物なとを用いることができる。さらに、上記気相反
応にて、水素ガスを混合することによって、水素元素を
含有した、遷移金属と6A族元素との化合物を調製する
ことが可能である。上記気相反応に用いる手法として
は、熱CVD(Chemical Vapor Dep
osition),プラズマCVD,レーザーCVD,
フィラメント法,反応性スパッタリング法,電子ビーム
法,などが好ましい。
【0030】熱CVDは加熱によって、プラズマCVD
は放電によって、レーザーCVDはレーザーの熱エネル
ギーあるいは光エネルギーによって、フィラメント法は
タングステンなどのフィラメントの加熱によって、反応
性スパッタリング法は反応性ガス雰囲気でスパッタリン
グすることによって、電子ビーム法は電子ビーム加熱に
よって、それぞれ気相反応を起こして調製する。反応性
スパッタリング法と電子ビーム法では、原料の物質が固
体であることが望ましい。
【0031】[急冷法]酸素あるいは硫化水素を混合し
たヘリウムガスによる衝撃波をマイラー膜を破って発生
させ、高周波溶融した遷移金属あるいは遷移金属化合物
に吹き付け、吹き飛ばされた化合物粉を下方の滑り台の
冷却鋼板にたたきつけて急冷するgun法や、溶融した
溶湯を酸素あるいは硫化水素を混合した不活性ガスジェ
ットで噴霧状に分散させる方法、酸素などの6A族元素
あるいは硫化水素などの6A族元素化合物を含む雰囲気
下で遷移金属あるいは遷移金属化合物の溶湯を回転円盤
状に吹き付けて粉にする方法のアトマイゼイション法、
などが使用できる。また、不活性ガス中に水素ガスを混
合することによって、生成物中に水素元素を導入するこ
ともできる。
【0032】このときの急冷速度は毎秒101 〜108
Kが好ましく、毎秒102 〜108がより好ましい。溶
融加熱炉の種類としては、ルツボ炉,誘導炉,アーク
炉,電子ビーム炉などが使用できる。遷移金属と直接ア
ルカリとの反応させる例としては、バナジウムなどの金
属を溶融アルカリと反応させて、酸化物を調製する方法
がある。
【0033】(導電体核)遷移金属と6A族元素との化
合物の調製時に導電体粉を混合し、導電体粉を核にし
て、遷移金属を6A族元素との化合物を成長させること
によって、集電高率を上げ、リチウムイオンの出入りを
容易にし、電池容量を向上することができる。
【0034】導電体粉の材料としては、炭素,チタン,
ニッケル,コバルト,鉄,クロム,マンガン,バナジウ
ム,白金,パラジウム,銅,銀,金,亜鉛,スズ,イン
ジウム,鉛,タングステン,モリブデン,などの炭素と
金属が使用できる。好ましくは、炭素,チタン,ニッケ
ル,コバルト,鉄,クロム,マンガン,バナジウム,白
金,の材料の中で一種類以上を使用する。
【0035】導電体粉の形状としては、球状,フレーク
状,針状,繊維状,から選択した一種類以上の混合形状
の導電体粉を使用する。これによって、遷移金属と6A
族元素との化合物粉も、球状,フレーク状,針状,繊維
状,などの混合形状が得られ、これにより、正極活物質
間の電子の移動の効率が上がり、充放電特性がよくな
る。
【0036】導電体粉の粒径としては、電子顕微鏡で計
測した値が、10オングストロームから100ミクロン
の範囲が好ましく、10オングストロームから10ミク
ロンの範囲がより好ましい。 (正極活物質の粉砕)前述の方法で調製した正極活物質
は、必要に応じて、得られた正極活物質が塊状であった
場合などは特に粉砕して、適度な粒度にする必要があ
る。
【0037】粉砕は、圧縮破砕機,せん断祖砕機,衝撃
破砕機,ロールミル,ローラミル,高速回転ミル,ボー
ルミル,媒体撹拌ミル,ジェットミル,乳鉢,スタンプ
ミル,などから選択される粉砕方法を適宜組み合わせて
行うのがよい。 (導電体被覆)前記方法で調製した遷移金属と6A族元
素との化合物の粉末に、化学メッキ(無電解メッキ),
蒸着などの方法で、導電体薄膜を被覆する。この処理に
より、集電効率を上げ、リチウムイオンの出入りを容易
にし、電池容量を向上することができる。
【0038】導電体薄膜の材料としては、炭素,チタ
ン,ニッケル,コバルト,鉄,クロム,マンガン,バナ
ジウム,白金,パラジウム,銅,銀,金,亜鉛,スズ,
インジウム,鉛,タングステン,モリブデン,などの炭
素と金属が使用でき、好ましくは、炭素,チタン,ニッ
ケル,コバルト,鉄,クロム,マンガン,バナジウム,
白金,の材料の中で一種類以上を使用する。
【0039】化学メッキは、金属イオンをホルムアルデ
ヒドのような還元剤で還元させて、金属膜を析出させる
方法である。蒸着は、電子ビームやレーザーで金属蒸気
を発生させて被覆する、また炭素や金属のターゲットを
スパッタリングして被覆する、あるいは炭化水素か有機
溶剤または有機金属化合物を放電,レーザー,熱などの
方法で分解して被覆する方法が使用できる。炭化水素と
有機溶剤の分解からは炭素皮膜が形成でき、有機金属化
合物の分解からは金属膜が形成できる。
【0040】上記導電体膜の厚みとしては、50オング
ストロームから1ミクロンの範囲が好ましい。 (親油処理剤)前述した方法で調製した正極活物質を親
油処理することによって、非水電解液との漏れ性を向上
させて、リチウムイオンの正極活物質への出入りを容易
にすることができる。
【0041】正極活物質に親油処理を施す方法として
は、正極活物質を成形する前、あるいは成形した後に、
有機金属化合物を有機溶媒に溶解した溶液に浸し、乾燥
して処理する。親油処理に使用する有機金属化合物とし
ては、シランカップリング剤や有機チタネートなどの有
機金属化合物を用いるのが好ましい。希釈して使用する
場合の希釈濃度としては溶剤に対して0.05〜2重量
%が適当である。
【0042】シランカップリング剤の具体例としては、
ビニルトリメトキシシラン,ビニルエトキシシラン,N
−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン,N−(2−アミノエチル)3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン,3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン,3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン,3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン,3−クロロプロピルメチルジメト
キシシラン,3−クロロプロピルトリメトキシシラン,
3−メタクリロキシトリメトキシシラン,3−メルカプ
トトリメトキシシシラン,N−[2−(ビニルペンジル
アミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン,などがある。
【0043】有機チタネートの具体例としては、テトラ
−i−プロポキシチタン,テトラ−n−プトキシチタ
ン,テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン,
テトラステアリルオキシチタン,ジ−i−プロキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)チタン,ジヒドロキシ・ビ
ス(ラクタト)チタン,チタニウム−i−プロボキシオ
クチレングリコール,チタニウムステアレート,プロパ
ンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート),プ
ロパンジオキシチタン(アセチルアセトナート)(エチ
ルアセトアセテート),オキソチタンビス(モノアンモ
ニウムオキサレート),トリーn−ブトキシチタンモノ
ステアレート,各種チタンポリマー,などが挙げられ
る。
【0044】(遷移金属と6A族元素との化合物の分
析)結晶粒の大きさの測定 結晶粒の大きさは、X線回析曲線のピークの半価幅と回
析角から次のScherrerの式を用いて、判決し
た。 t=0.9λ/BcosθB (Scherrerの式) t:結晶粒の大きさ λ:X線ビームの波長 B:ピークの半価幅 θB:回析角 本発明の二次電池に用いる遷移金属と6A族元素との化
合物である正極活物質の結晶粒の大きさは、上記Sch
errerの式を用いて計算した値が、平均で500オ
ングストローム以下であることが好ましく、200オン
グストローム以下であることがより好ましい。
【0045】結晶構造の観察 本発明の方法で調製した遷移金属と6A族元素との化合
物の結晶構造は、X線回析による動径分布関数の波形、
反射高速電子線回析(RHEED)の回析パターン、X
線回析曲線の波形などによって、観察することができ
る。動径分布関数は、測定したX線、あるいは中性子線
の散乱強度をフーリエ変換して得られる。動径分布関数
は、任意の原子を基準に原子の存在確率あるいは平均数
密度からのズレの距離の関数として表され、非晶質の場
合連続した緩やかなピークの曲線が得られ、これに対し
て結晶では不連続の鋭いピークが得られる。
【0046】RHEEDからは、非晶質の場合にはハロ
ーパターンが、微結晶の場合にはリングパターンが、多
結晶の場合にはスポットパターンが、観察される。X線
小角散乱法による散乱角と散乱強度からは、非晶質特有
の不均一な密度のゆらぎも観察される。また、示差熱分
析により、昇温に伴って、非晶質であれば構造緩和や結
晶化の構造変化による吸熱あるいは発熱が、水酸基があ
れば脱水による吸熱が観察される。
【0047】以上のような手法を用いることによって、
本発明の製造方法で調製した遷移金属と6A族元素との
化合物の構造を解析し、非晶質、あるいは微結晶、ある
いは多結晶の構造を確認した。水素元素の分析 水素元素を含有した遷移金属と6A族元素との化合物
は、SIMS(Secondary Ion Mass
Spectrometory)分析によって、水素元
素の定性を行った。
【0048】(正極の作製)正極は、前述の方法で調製
した遷移金属と6A族元素との化合物の粉末に、結着
剤、場合によっては導電体粉を混合して、集電体ととも
に形成して作製する。上記形成工程は、水分を十分除去
した乾燥空気中で行うのが好ましく、さらには不活性ガ
ス雰囲気下で行うのがより好ましい。
【0049】導電体粉の役割は、遷移金属と6A族元素
との化合物である活物質が電子伝導性がほとんどないた
め、電子導電を補助し、集電を容易にすることである。
導電体粉としては、アセチレンブラック,ケッチェンブ
ラック,グラファイト粉などの各種炭素剤、ニッケル,
チタン,銅,ステンレススチール,などの金属材料が使
用できる。導電体粉の正極活物質に対する混合重量比率
は1以下が好ましい。
【0050】結着剤は、正極活物質粉同士を接着し、充
放電サイクルにおいてクラックが生じて集電体から脱落
するのを防ぐ役割を有している。結着剤の材料として
は、有機溶媒に安定な、フッ素樹脂,ポリエチレン,ポ
リプロピレン,シリコーン樹脂から選択される一種類以
上の樹脂を使用することができる。上記樹脂は、液状ま
たは溶液状、あるいは低融点のものを使用し、正極の製
造工程中で溶媒の除去と樹脂の架橋を行うのが好まし
く、これにより結着剤の正極中の含有率を下げることが
でき、電池の容量を向上することが可能になる。液状あ
るいは溶媒に溶解する樹脂の具体例としては、エーテル
結合を有するフッ素樹脂やシリコーン樹脂が挙げられ
る。特に、エーテル結合を有するフッ素樹脂を使用した
場合は溶媒に溶解させて低濃度で使用できるために、正
極中の含有率を極力下げるとともに空隙率を上げること
ができる、また架橋後は非常に安定で充放電のサイクル
特性に与える影響も良好である。
【0051】さらに、正極を形成した後、マイクロ波加
熱によって脱水し、真空乾燥器で脱水をするのもよい。
結着剤の正極活物質に対する混合比率は、0.1以下が
好ましい。 (リチウム電池)前述の方法で製造した正極活物質を使
用したリチウム二次電池の基本構成は、少なくとも負
極、セパレーター,負極活物質,電解質,集電体から成
る。図1に、本発明のリチウム二次電池の基本構成図を
示した。図1において、100は負極集電体、101は
負極活物質(リチウム)、102は正極集電体、103
は正極活物質、104は電解質、105は負極端子、1
06は正極端子、107はセパレーター、108は電池
ケースである。放電反応では、電解質104中のリチウ
ムイオンが正極活物質103の層間に入り、それと同時
にリチウム負極101から電解質104中にリチウムイ
オンとして溶けでる。一方、充電反応では、電解質10
4中のリチウムイオンが負極101にリチウム金属とし
て析出し、同時に正極活物質103層間のリチウムが電
解質中104に溶け出す。
【0052】実際の電池の形状としては、偏平型や円筒
型や直方形型、シート型などの電池がある。スパイラル
型円筒型では、負極と正極の間にセパレーターをはさん
で巻くことによって電極面積を大きくすることができ、
充放電時に大電流を流すことができる。また、直方体型
では、二次電池を収納する機器の収納スペースを有効利
用することができる。構造としても、単層式と多層式な
どの構造がある。
【0053】図2と図3は、それぞれ、単層式偏平型電
池、スパイラル構造円筒型電池の概略断面図の一例であ
る。図2と図3において、200と300は負極集電
体、201と301は負極活物質、203と303は正
極活物質、205と305は負極端子(負極キャッ
プ)、206と306は正極缶、207と307は電解
質とセパレーター、210と310は絶縁パッキング、
311は絶縁板、である。図2や図3の電池の組立の一
例としては、負極活物質201,301と成形した正極
活物質203,303でセパレーター207,307を
挟んで正極缶206,306に組み込み電解質を注入し
た後、負極キャップ205,305と絶縁パッキング2
10,310を組み込み、かしめて電池を作製する。
【0054】なお、電池の材料の調製、および電池の組
立は、水分が十分除去された乾燥空気中、あるいは乾燥
不活性ガス中で行うのが望ましい。負極活物質 負極活物質101(201,301)としては、リチウ
ム金属,リチウム合金,炭素,から選択される一種類以
上の物質から少なくとも構成される。リチウム合金とし
ては、マグネシウム,アルミニウム,カリウム,ナトリ
ウム,カルシウム,亜鉛,鉛,から選択される一種類以
上の元素を含有するリチウム合金高いエネルギー密度の
電池を得るためには、負極活物質にリチウム金属を使用
するのが好ましい。
【0055】負極活物質にリチウム金属を用いる場合に
は、特にリチウム金属の表面に、リチウムイオンを透過
できる材質と膜厚の、絶縁膜,半導体膜,あるいは導電
膜を被覆するのが好ましい。リチウム表面に形成する皮
膜の膜厚は、10オングストロームから100ミクロン
の範囲が好ましく、50オングストロームから10ミク
ロンの範囲がより好ましい。皮膜の最適膜厚は、皮膜の
密度あるいは空隙率によって、さらに使用する電解質の
種類によって異なる。皮膜の膜厚の調製は、塗布液中の
皮膜形成主材の濃度を変えることによって可能である。
【0056】電解質 電解質104(207,307)としては、固体,非水
溶媒に支持電解質を溶解した溶液,電解液の溶媒を吸収
して膨潤するようなポリマーを用いて固定化した固液共
存状態,から選択される状態のものが使用される。一般
的には、イオン導電率の高い非水溶媒の電解質溶液を用
いる。
【0057】電解質の導電率は高ければ高いほど好まし
く、少なくも25℃での導電率は1×10-3S/cm以
上あることが望ましく、5×10-3S/cm以上あるこ
とがより好ましい。電解質の溶媒としては、アセトニト
リル:CH3 CN,ベンゾニトリル:C65 CN,プ
ロピレンカーボネイト:PC,エチレンカーボネート:
EC,ジメチルホルムアミド:DMF,テトラヒドロフ
ラン:THF,ニトロベンゼン:C 6 5 NO2,ジク
ロロエタン,ジエトキシエタン,クロロベンゼン,γ−
ブチロラクトン,ジオキソラン,スルホラン,ニトロメ
タン,ジメチルサルファイド,ジメチルサルオキシド,
ジメトキシエタン,ギ酸メチル,3−メチル−2−オキ
ダゾリジノン,2−メチルテトラヒドロフラン,二酸化
イオウ、塩化ホスリル,塩化チオニル,塩化スルフリ
ル,など、およびこられの混合液が使用できる。
【0058】上記溶媒は、活性アルミナ,モレキュラー
シーブ,五酸化リン,塩化カルシウムなどで脱水する
か、溶媒によっては、不活性ガス中でアルカリ金属共存
下で蒸留して不純物除去と脱水をも行うのがよい。支持
電解質は、H2 SO4 ,HCl,HNO3 などの酸、リ
チウムイオン(Li+)とルイス酸イオン(BF4 -
PF6 - ,AsF6 - ,ClO4 - )から成る塩、およ
びこれらの混合塩を用いる。上記支持電解質のほかに
は、ナトリウムイオン,カリウムイオン,テトラアルキ
ルアンモニウムイオン,などの陽イオンとルイス酸イオ
ンとの塩も使用できる。上記塩は、減圧下で加熱したり
して、十分な脱水と脱酸素を行っておくことが望まし
い。電解液の漏洩を防止するために、ゲル化することが
好ましい。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸収して膨
潤するようなポリマーを用いるのが望ましく、ポリエチ
レンオキサイドやポリビニルアルコール、ポリアクリル
アミドなどのポリマーが用いられる。
【0059】集電体 集電体101,102,200,300としては、繊維
状,多孔状あるいはメッシュ状のカーボン,ステンレス
スチール,チタン,ニッケル,銅,白金,金などを使用
する。セパレーター セパレーター107,207,307としては、負極と
正極の短絡を防ぐ役割を持っている。また、電解液を保
持する役目を有する場合もある。セパレーターはリチウ
ムイオンが移動できる細孔を有し、電解液に不溶で安定
である必要があるため、ガラス,ポリプロピレン,ポリ
エチレン,フッ素樹脂やポリアミドなどの不織布あるい
はミクロポア構造の材料のものが用いられる。
【0060】実際の電池の正極缶206,306や負極
キャップ205,305の材料としては、ステンレスス
チール、特にチタンクラッドステンレスや銅クラッドス
テンレス、ニッケルメッキ銅板などが用いられる。絶縁パッキング 絶縁パッキング201,310の材料としては、フッ素
樹脂、ポリアミド樹脂,ポリスルフォン樹脂、各種ゴム
が使用できる。封口方法としては、図2と図3のように
絶縁パッキングなどのガスケットを用いたかしめ以外に
も、ガラス封管,接着剤,溶接,半田付けなどの方法が
用いられる。
【0061】また、図3の絶縁板の材料としては、各種
有機樹脂材料やセラミックスが用いられる。外缶(電池ケ−ス) 図2と図3では正極缶206,306が電池ケースを兼
ねているが、電池ケースの材質としては、ステンレスス
チール以外にも亜鉛などの金属、ポリプロピレンなどの
プラスチック、あるいは金属やガラス繊維とプラスチッ
クの複合材を用いることができる。
【0062】図2と図3には図示されていないが、電池
の内圧が高まったときの安全策としては、安全弁を設け
るのが一般的である。
【0063】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 (正極活物質の調製)本発明の正極活物質の調製方法の
例を調製法1から10に、従来の調製方法の例として比
較調製法1から9までに示した。
【0064】(調製法1)リチウム−マンガン酸化物を
以下の方法で調製した。硝酸マンガンを水に溶解した
後、住友金属製ニッケル超微粉末ENP−005を硝酸
マンガンの水溶液に懸濁し、ついで20で20kHzの
超音波振動を与えながら、水酸化リチウムの水溶液をp
H8以上になるまで滴下して沈澱を生成した。エチルア
ルコールを添加して、沈殿物を含む溶液の上澄み液をデ
カンテイションして除き、エチルアルコール洗浄とデカ
ンテイションを繰り返した。チッソ製シランカップリン
グ剤サイラエースS210(ビニルメトキシシラン)の
0.1%メチルアルコール溶液に浸した後、遠心分離器
で脱溶媒をした。得られた沈殿を120℃で乾燥した
後、真空乾燥器で200℃で乾燥して、酸化マンガン微
粉体を調製した。
【0065】マンガン酸化物由来のX線解析曲線のピー
クの半価幅と回析角から前記のScherrerの式を
用いて、結晶粒の大きさを決定した。結晶粒の大きさは
60オングストロームであった。RHEEDパタ−ンか
らは、ハローパターンに近いリングパターンが得られ
た。
【0066】X線による動径分布関数は、連続した緩や
かなピークの曲線が得られた。また、X線小角散乱法に
よる散乱角と散乱強度から、不均一な密度のゆらぎが観
察される。X線小角散乱法による散乱角と散乱強度か
ら、不均一な密度のゆらぎが観察された。比表面積測定
をBET法で行い、比表面積は123m2 /gであっ
た。
【0067】(調製法2) 酸化ナジウムを以下の方法で調製した。五酸化ナジ
ウムを水酸化リチウムの水溶液に徐々に加えて溶解させ
た。超音波振動を与えながら、水溶液を液体窒素中に噴
霧し、凍結した後、−20℃まで温度を上げ、減圧して
凍結乾燥により脱水乾燥した。得られた微粉体を150
℃で乾燥した後、さらに真空乾燥器で250℃で乾燥し
て、酸化ナジウム微粉体を調製した。テトラ−イソ−
プロポキシチタンの0.1%イソプロピルアルコール溶
液に浸した後、遠心分離器で脱溶媒をした。得られた沈
殿を120℃で乾燥した後、200℃で真空乾燥して、
酸化バナジウム微粉体を調製した。
【0068】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定しようとしたが、回析曲線がブロードであったた
め計算できなかった。RHEEDからは、ハローパター
ンが得られた。X線による動径分布関数は、連続した緩
やかなピークの曲線が得られた。
【0069】また、X線小角散乱法による散乱角と散乱
強度から、不均一な密度のゆらぎが観察された。BET
法で測定した比表面積は、105m2 /gであった。 (調製法3)リチウム−ニッケル酸化物を以下の方法で
調製した。
【0070】酢酸ニッケルを酢酸−エチルアルコール−
水混合溶媒に溶解した後、ついで20kHzの超音波振
動を与えながら、アルコキシドであるエトキシリチウム
のエチルアルコール溶液を滴下して混合し、80℃に加
熱して加水分解反応を進行させ、ゾルを生成した。ゾル
状の沈澱物を含む溶液の上澄み液をデカンテイションし
て除き、エチルアルコールで洗浄し、デカンテイション
を繰り返し、遠心分離器で脱溶媒をした。得られた沈澱
を150℃で乾燥した後、高純度化学研究所製無電解ニ
ッケルメッキ液Ni−701に懸潤させ、70℃に加熱
してニッケルメッキコーティングした後、水洗とデカン
テイシイョンを繰り返し、ついでエチルアルコールで洗
浄し、デカンテイションを繰り返し、遠心分離器で脱溶
媒をした。230℃で真空乾燥して、酸化ニッケル微粉
体を調製した。
【0071】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定しようとしたが、酸化物由来の回析曲線がブロー
ドであったため計算できなかった。RHEEDからは、
ニッケルメッキ由来と思われるリングパターンが得られ
た。ニッケルメッキする前のものは、ハローパターンで
あった。
【0072】ニッケルメッキ前のもののX線よる動径分
布関数は、連続した緩やかなピークの曲線が得られた。
また、X線小角散乱法による散乱角と散乱強度から、不
均一な密度のゆらぎが観察される。X線小角散乱法によ
る散乱角と散乱強度から、不均一な密度のゆらぎが観察
された。BET法で測定した比表面積は、210m2
gであった。
【0073】(調製法4)リチウム−ニッケル−コバル
ト酸化物を以下の方法で調製した。硝酸ニッケルと硝酸
コバルトを水に溶解した後、次に、硝酸ニッケルと硝酸
コバルトの水溶液に20kHzの超音波振動を与えなが
ら、水酸化リチウムの水溶液をpH8以上になるまで滴
下して沈澱を生成した。エチルアルコールを添加して、
沈澱物を含む溶液の上澄み液をデカンテイションして除
き、エチルアルコール洗浄とデカンテイションを繰り返
し、遠心分離器で脱溶媒をした。得られた沈澱を120
℃で乾燥した後、200℃で真空乾燥して、ニッケルコ
バルト酸化物微粉体を調製した。
【0074】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定した。結晶粒の大きさは140オングストローム
であった。RHEEDからは、ハローパターンに近いリ
ングパターンが得られた。X線による動径分布関数は、
連続した緩やかなピークの曲線が得られた。
【0075】また、X線小角散乱法による散乱角と散乱
角度から、不均一な密度のゆらぎが観察される。X線小
角散乱法による散乱角と散乱強度から、不均一な密度の
ゆらぎが観察された。BET法で測定した比表面積は、
160m2 /gであった。 (調製法5)パナジウム−モリブデン酸化物を以下の方
法で調製した。
【0076】硫酸バナジルと硫酸モリブデンを水に加え
て懸潤し、酢酸を徐々に加えて溶解させた。次に、酸化
バナジウムと酢酸の溶液に20kHzの超音波振動を与
えながら、水酸化リチウムの水溶液をpH8以上になる
まで滴下して沈澱を生成した。エチルアルコールを添加
して、沈澱物を含む溶液の上澄み液をデカンテイション
して除き、エチルアルコールで洗浄し、デカンテイショ
ンを繰り返し、遠心分離器で脱溶媒をした。得られた沈
澱を120℃で乾燥した後、200℃で真空乾燥して、
酸化バナジウム微粉体を調製した。
【0077】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定した。結晶粒の大きさは80オングストロームで
あった。RHEEDからは、ハローパターン近いリング
パターンが得られた。X線による動径分布関数は、連続
した緩やかなピークの曲線が得られた。
【0078】また、X線小角散乱法による散乱角と散乱
強度から、不均一な密度のゆらぎが観察される。X線小
角散乱法による散乱角と散乱強度から、不均一な密度の
ゆらぎが観察された。BET法で測定した比表面積は、
100m2 /gであった。 (調製法6)バナジウム−モリブデン酸化物を以下の方
法で調製した。
【0079】酸化バナジウムと酸化モリブデンを7:3
の割合で混合した後、800℃まで加熱し溶融混合して
溶湯をつくり、アルゴンガスに酸素20%と水素2%を
混合したガスのジェットで溶湯を分散させ、冷却した回
転金属円板に、高速で吹き付けて、酸化バナジウム−酸
化物モリブデン微粉体を調製した。X線回析曲線のピー
クの半価幅と回析角から次のScherrerの式を用
いて、結晶粒の大きさを決定した。結晶粒の大きさは1
10オングストロームであった。
【0080】RHEEDからは、強度の弱いリングパタ
ーンが得られた。X線による動径分布関数は、連続した
緩やかなピークの曲線が得られた。また、X線昇格散乱
法による散乱角と散乱強度から、不均一な密度のゆらぎ
が観察される。X線小角散乱法による散乱角と散乱強度
から、不均一な密度のゆらぎが観察された。
【0081】BET法で測定した比表面積は、60m2
/gであった。 (調製法7)硫化チタンを以下の方法で調製した。真空
脱気したプラズマCVD装置の反応室に、水素ガス50
0sccmを流し、10Torrの圧力に維持し、1
3.56MHzの高周波で放電を起こした。次に、テト
ラブトキシチタンのヘキサン溶液に200sccmをヘ
リウムガスをキリャアガスとしてバブリングしてノズル
から200sccmで、プラズマCVD装置の反応室に
吹き込み、同時に硫化水素250sccmを導入して気
相反応させ、補集器に硫化チタン微分体を補集した。
【0082】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定した。結晶粒の大きさは200オングストローム
であった。RHEEDからは、強度の弱いリングパター
ンが得られた。X線による動径分布関数は、連続した緩
やかなピークの曲線が得られた。
【0083】また、X線小角散乱法による散乱角と散乱
強度から、不均一な密度のゆらぎが観察される。X線小
角散乱法による散乱角と散乱強度から、不均一な密度の
ゆらぎが観察された。BET法で測定した比表面積は、
175m2 /gであった。 (調製法8)リチウム−鉄−コバルト酸化物を以下の方
法で調製した。
【0084】水酸化リチウムの5mol/l水溶液に、
塩化コバルト0.5mol/l,塩化第二鉄1mol/
lの1:1混合溶液を、アルゴンガスをバブリングしな
がら撹拌を行い、徐々に添加した。反応容器を100℃
で熟成した。熟成終了後、多量の水冷した水中に注ぎ、
洗液のpHが8になるまで水冷水でデカンテイションに
よる洗浄を行い、200℃で真空乾燥し、アルゴン雰囲
気下ボールミルで粉砕した。
【0085】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定した。結晶粒の大きさは150オングストローム
であった。RHEEDからは、強度の弱いリングパター
ンが得られた。X線による動径分布関数は、連続した緩
やかなピークの曲線が得られた。
【0086】また、X線小角散乱法による散乱角と散乱
強度から、不均一な密度のゆらぎが観察される。X線小
角散乱法による散乱角と散乱強度から、不均一な密度の
ゆらぎが観察された。BET法で測定した比表面積は、
210m2 /gであった。 (調製法9)マグネシムウ添加マンガン−バナジウム酸
化物を以下の方法で調製した。
【0087】塩酸2リットルに五酸化バナジウム300
gを溶解した水溶液に、硝酸マンガン,塩化マグネシウ
ム,尿素,を添加し、95〜98℃で10分加熱してア
ンモニアを発生させて、水酸化リチウム水溶液を滴下し
pH7に調製し沈澱を生成した後デカンテイションと水
洗を繰り返した後、エチルアルコールで洗浄し、スプレ
ードライヤーで乾燥した。さらに、200℃で真空乾燥
した。
【0088】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定した。結晶粒の大きさは90オングストロームで
あった。RHEEDからは、ハローパターンに近いリン
グパターンが得られた。X線による動径分布関数は、連
続した緩やかなピークの曲線が得られた。
【0089】また、X線小角散乱法による散乱角と散乱
強度から、不均一な密度のゆらぎが観察される。X線小
角散乱法による散乱角と散乱強度から、不均一な密度の
ゆらぎが観察された。BET法で測定した比表面積は、
80m2 /gであった。 (調製法10)リチウム−銅−コバルト酸化物を以下の
方法で調製した。硫酸銅,硝酸コバルトを水に溶解させ
た水溶液に、シュウ酸を添加した後、超音波振動を加
え、水酸化リチウム水溶液をpH7になるまで滴下し
て、沈澱を生成し、水洗とデカンテイションを繰り返し
た後、水酸化リチウム水溶液を加え、超音波振動を加
え、エチルアルコールを添加した後、デカンテイション
とエチルアルコールによる洗浄を繰り返し、スプレード
ライヤーで乾燥した。さらに、200℃で真空乾燥し
た。
【0090】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
ら次のScherrerの式を用いて、結晶粒の大きさ
を決定した。結晶粒の大きさは160オングストローム
であった。RHEEDからは、強度の弱いリングパター
ンが得られた。X線による動径分布関数は、連続した緩
やかなピークの曲線が得られた。
【0091】また、X線小角散乱法による散乱角と散乱
強度から、不均一な密度のゆらぎが観察される。X線小
角散乱法による散乱角と散乱強度から、不均一な密度の
ゆらぎが観察された。BET法で測定した比表面積は、
50m2 /gであった。 [他の分析]調製例1から10までの方法で調製した正
極活物質は、いずれもSIMS分析によって水素とリチ
ウムが含有されていることが確認された。TG(熱重量
測定),DTA(示差熱分析),DSC(示差走査熱量
測定)の脱水ピークとFTIR(フーリエ変換赤外)吸
収スペクトルからも、水酸基が存在することが確認され
た。
【0092】(比較調製法1)リチウム−マンガン酸化
物を以下の方法で調製した。三井金属製電解二酸化マン
ガン粉と炭酸リチウムを1:0.4の比率で混合した
後、800℃で加熱してリチウムマンガン酸化物を調製
した。X線回析曲線のピークの半価幅と回析角から次の
Scherrerの式を用いて、得られた結晶粒の大き
さは600オングストローム以上であった。
【0093】RHEEDからは、スポットパターンが確
認できるリングパターンが得られた。X線による動径分
布関数は、不連続したピークの曲線が得られた。比表面
積測定をBET法で行い、比表面積は40m2 /gであ
った。 (比較調製法2)五酸化バナジウムを以下の方法で調製
した。
【0094】和光純薬製試薬を400℃で真空乾燥し
た。X線回析曲線のピークの半価幅と回析角からSch
errerの式を用いて、得られた結晶粒の大きさは8
00オングストロームであった。RHEEDからは、ス
ポットパターンが確認できるリングパターンが得られ
た。
【0095】X線による動径分布関数は、不連続したピ
ークの曲線が得られた。BET法で測定した比表面積
は、4m2 /gであった。 (比較調製法3)リチウム−ニケッル酸化物を以下の方
法で調製した。炭酸リチウムと硝酸ニッケルを1:1の
等モル比で混合した後、800℃で加熱してリチウム−
ニッケル酸化物を調製した。
【0096】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
らScherrerの式を用いて得られた結晶粒の大き
さは、2000オングストローム以上であった。RHE
EDからは、スポットパターンが確認できるリングパタ
ーンが得られた。X線による動径分布関数は、不連続し
たピークの曲線が得られた。
【0097】BET法で測定した比表面積は、50m2
/gであった。 (比較調製法4)リチウム−ニッケル−コバルト酸化物
を以下の方法で調製した。炭酸リチウムと炭酸ニッケル
と炭酸コバルトを10:3:7のモル比率で混合した
後、900℃で20時間加熱分解してニッケル−コバル
ト酸化物を調製した。
【0098】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
らScherrerの式を用いて得られた結晶粒の大き
さは、1100オングストローム以上であった。RHE
EDからは、スポットパターンが確認できるリングパタ
ーンが得られた。X線による動径分布関数は、不連続し
たピークの曲線が得られた。
【0099】BET法で測定した比表面積は、40m2
/gであった。 (比較調製法5)バナジウム−モリブデン酸化物を以下
の方法で調製した。酸化バナジウムと酸化モリブデンを
7:3の割合で混合し、白金ルツボ中で800℃まで加
熱し溶融混合した後、除冷して塊状の酸化バナジウムと
酸化モリブデンをつくり、ローラミルで粉砕して酸化バ
ナジウム−酸化モリブデン微粉体を調製した。
【0100】X線回析曲線のピークの半価幅と回析角か
らScherrerの式を用いて得られた結晶粒の大き
さは、700オングストローム以上であった。RHEE
Dからは、スポットパターンが確認できるリングパター
ンが得られた。X線による動径分布関数は、不連続した
ピークの曲線が得られた。
【0101】BET法で測定した比表面積は、10m2
/gであった。 (比較調製法6)硫化チタンを以下の方法で調製した。
高純度化学研究所製試薬二硫化チタン粉末を400℃で
真空乾燥した。X線回析曲線のピークの半価幅と回析角
からScherrerの式を用いて得られた結晶粒の大
きさは、900オングストローム以上であった。
【0102】RHEEDからは、スポットパターンが確
認できるリングパターンが得られた。X線による動径分
布関数は、不連続したピークの曲線が得られた。BET
法で測定した比表面積は、50m2 /gであった。 (比較調製法7)リチウム−鉄−コバルト酸化物を以下
の方法で調製した。
【0103】炭酸リチウムと酢酸第一鉄と炭酸コバルト
を等モル比混合した後、空気中600℃で熱分解して、
鉄コバルト酸化物を調製した。その後、ボールミルで粉
砕して、微粉体を得た。X線回析曲線のピークの半価幅
と回析角からScherrerの式を用いて得られた結
晶粒の大きさは、1000オングストローム以上であっ
た。
【0104】RHEEDからは、スポットパターンが確
認できるリングパターンが得られた。X線による動径分
布関数は、不連続したピークの曲線が得られた。BET
法で測定した比表面積は、40m2 /gであった。 (比較調製法8)マグネシウム添加マンガン−バナジウ
ム酸化物を以下の方法で調製した。
【0105】二酸化マンガンと五酸化バナジウムと水酸
化マグネシウムをモル比10:10:1の比率で混合し
た後、空気中700℃で熱分解して、マグネシウム添加
マンガン−バナジウム酸化物を調製した。その後、ボー
ルミルで粉砕して、微粉体を得た。X線回析曲線のピー
クの半価幅と回析角からScherrerの式を用いて
得られた結晶粒の大きさは、1300オングストローム
以上であった。
【0106】RHEEDからは、スポットパターンが確
認できるリングパターンが得られた。X線による動径分
布関数は、不連続したピークの曲線が得られた。BET
法で測定した比表面積は、27m2 /gであった。 (比較調製法9)リチウム−銅−コバルト酸化物を以下
の方法で調製した。
【0107】炭酸リチウムと炭酸コバルトと炭酸銅を等
モル比率で混合した後、空気中600℃で熱分解して、
調製した。その後、ボールミルで粉砕して、微粉体を得
た。X線回析曲線のピークの半価幅と回析角からSch
errerの式を用いて得られた結晶粒の大きさは、1
100オングストローム以上であった。RHEEDから
は、スポットパターンが確認できるリングパターンが得
られた。
【0108】X線による動径分布関数は、不連続したピ
ークの曲線が得られた。BET法で測定した比表面積
は、10m2 /gであった。 [分析装置]調製法1から10および比較例調製法1か
ら9までの方法で調製した正極活物質の分析は以下の装
置を用いて行った。X線回析測定は、マックサイエンス
社MXP3VAを用いて行った。
【0109】RHEED測定は、日本電子社JEM−1
00SXを用いて行った。BET法での比表面積測定
は、マイクロメリティックス社GEMIN12300を
用いて行った。調製例と比較調製例の方法による遷移金
属と6A族元素との化合物の比較分析結果から、調製例
による化合物は、比較調製例によるものより結晶粒径が
小さく、非晶質あるいは微結晶構造を有していることが
わかった。
【0110】[リチウム二次電池の作製]前記調製法で
調製した正極活物質を使用して、リチウム二次電池を作
製した。 (実施例1)前述の調製法1にて調製した正極活物質を
用いて、構造と組立が簡単な図2に示した概略断面構造
の電池を作製した。
【0111】まず、乾燥アルゴンガス雰囲気中で、負極
活物質201としてリチウム金属箔に裏面側からチタン
メッシュ集電体200を圧着し、旭硝子社製フッ素樹脂
塗料ルミフロンの希薄溶液を使用してリチウム表面をフ
ッ素樹脂薄膜で被覆して、負極を作製した。調製法1で
調製したリチウム−マンガン酸化物の正極活物質に、ア
セチレンブラック粉と旭硝子社製フッ素樹脂塗料ルミフ
ロンのキシレン溶液を混合して、チタンメッシュに塗布
し、80℃で硬化させ、マイクロ波加熱をして、正極2
03を形成した。
【0112】電解液207には、プロピレンカーボネー
ト(PC)とジメトキシエタン(DME)の等量混合液
媒に、四フッ化ホウ酸リチウム塩を1M(mol/l)
溶解したものを使用した。セパレータ207は、ポリプ
ロピレン不織布でポリプロピレンの微孔セパレータをサ
ンドイッチしたものを用いた。
【0113】組立は、負極201と正極203の間にセ
パレータ207をはさみ、チタンクラッドのステンレス
材の正極缶206に挿入して、電解液を注入した後、チ
タンクラッドのステンレス材の負極キャップ205とフ
ッ素ゴムの絶縁パッキング210で密閉して、リチウム
二次電池を作製した。 (実施例2)前述の調製法2にて調製した酸化バナジウ
ムを正極活物質に用いて、図2に示した概略断面構造の
電池を作製した。
【0114】まず、乾燥アルゴンガス雰囲気中で、リチ
ウム金属箔は裏面側からニッケルメッシュ集電体を圧着
して、負極を作製した。調製法2で調製した酸化バナジ
ウムの正極活物質に、アセチレンブラック粉と日本油脂
製粉体フッ素樹脂塗料スーパーコナックFを混合し、キ
シレンを少量加えて、ニッケルメッシュに塗布し、15
0℃で硬化させ、正極を形成した。
【0115】以下、実施例1と同様にして、図2に示し
た電池を組み立てた。 (実施例3)前述の調製法3にて調製した正極活物質を
用いて、構造と組立が簡単な図2に示した概略断面構造
の電池を組み立てた。まず、乾燥アルゴンガス雰囲気中
で、リチウム金属箔は裏面側からニッケルメッシュ集電
体を圧着して、負極を作製した。
【0116】調製法3で調製したリチウム−ニッケル酸
化物の正極活物質に、アセチレンブラック粉とテトラフ
ルオロエチレンポリマー粉を混合し、ニッケルメッシュ
に加熱圧着成形して、正極203を形成した。以下、実
施例1と同様にして、図2に示した電池を組み立てた。 (実施例4)前述の調製法4にて調製したリチウム−ニ
ッケル−コバルト酸化物を正極活物質に用いて、図2に
示した電池を実施例3と同様の手順で作製した。
【0117】(実施例5)前述の調製法5にて調製した
バナジウム−モリブデン酸化物を正極活物質に用いて、
図2に示した電池を実施例3と同様の手順で作製した。 (実施例6)前述の調製法6にて調製したバナジウム−
モリブデン酸化物を正極活物質に用いて、図2に示した
電池を実施例3と同様の手順で作製した。
【0118】(実施例7)前述の調製法7にて調製した
硫化チタンを正極活物質に用いて、図2に示した電池を
実施例3と同様の手順で作製した。 (実施例8)前述の調製法8にて調製したリチウム−鉄
−コバルト酸化物を正極活物質に用いて、図2に示した
電池を実施例3と同様の手順で作製した。
【0119】(実施例9)前述の調製法9にて調製した
マグネシウム添加マンガン−バナジウム酸化物を正極活
物質に用いて、図2に示した電池を実施例3と同様の手
順で作製した。 (実施例10)前述の調製法10にて調製したリチウム
−銅−コバルト酸化物を正極活物質に用いて、図2に示
した電池を実施例3と同様の手順で作製した。
【0120】(比較例1)前述の比較調製法1にて調製
した正極活物質を用いて、実施例同様に図2に示した概
略断面構造の電池を作製した。まず、乾燥アルゴンガス
雰囲気中で、リチウム金属箔は裏面側からチタンメッシ
ュ集電体200を圧着し、負極を作製した。
【0121】比較調製法1で調製したリチウム−マンガ
ン酸化物の正極活物質に、アセチレンブラック粉とテト
ラフルオロエチレンポリマー粉を混合して、チタンメッ
シュに加熱圧着成形して、正極203を形成した。以
下、実施例1と同様な手順でリチウム二次電池を作製し
た。 (比較例2)前述の比較調製法2にて調製した酸化バナ
ジウムを正極活物質を用いて、図2に示した電池を実施
例3と同様の手順で作製した。
【0122】(比較例3)前述の比較調製法3にて調製
したリチウム−ニッケル酸化物を正極活物質に用いて、
図2に示した電池を実施例3と同様の手順で作製した。 (比較例4)前述の比較調製法4にて調製したリチウム
−ニッケル−コバルト酸化物を正極活物質に用いて、図
2に示した電池を実施例3と同様の手順で作製した。
【0123】(比較例5)前述の比較調製法5にて調製
したバナジウム−モリブデン酸化物を正極活物質に用い
て、図2に示した電池を実施例3と同様の手順で作製し
た。 (比較例6)前述の比較調製法6にて調製した硫化チタ
ンを正極活物質に用いて、図2に示した電池を実施例3
と同様の手順で作製した。
【0124】(比較例7)前述の比較調製法7にて調製
したリチウム−鉄−コバルト酸化物を正極活物質に用い
て、図2に示した電池を実施例3と同様の手順で作製し
た。 (比較例8)前述の比較調製法8にて調製したマグネシ
ウム添加マンガン−バナジウム酸化物を正極活物質に用
いて、図2に示した電池を実施例3と同様の手順で作製
した。
【0125】(比較例9)前述の比較調製法9にて調製
したリチウム−銅−コバルト酸化物を正極活物質に用い
て、図2に示した電池を実施例3と同様の手順で作製し
た。 [リチウム二次電池の性能評価]実施例および比較例で
作製したリチウム二次電池の性能評価を以下の条件で充
放電サイクル試験を行い、比較例の電池と比較例して性
能を評価した。
【0126】サイクル試験の条件は、0.2C(容量/
時間の0.2倍の電流)の充放電、30分の休憩時間、
1.0Vのカットオフ電圧、とした。電池の充放電装置
には、北斗電工製HJ−101M6を使用した。なお、
充放電試験は、放電より開始し、電池容量は3回目の放
電量とし、サイクル寿命は電池容量の60%を切ったサ
イクル回数とした。
【0127】本発明の方法で調製した正極活物質と比較
例調製法で調製した正極活物質を用いて作製したリチウ
ム電池、すなわち実施例と比較例の電池容量とサイクル
寿命に関する性能の評価結果を比較例の電池の性能を
1.0として表1にまとめて示した。以上、表1より実
施例1から10と比較例1から9の比較から、本発明を
用いることによって、電池の容量が増し、サイクル寿命
が伸びることがわかった。
【0128】
【表1】
【0129】
【発明の効果】本発明の調製方法で調製する結晶粒径の
小さな遷移金属と6A族元素との化合物を、本発明のリ
チウム二次電池の正極活物質に使用することによって、
高容量・高エネルギー密度のリチウム二次電池を作製す
ることが可能になる。同時に、充放電サイクル寿命も伸
ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム二次電池の基本構成図であ
る。
【図2】本発明を応用した偏平型電池の概略断面図の一
例である。
【図3】本発明を応用した円筒型電池の概略断面図の一
例である。
【符号の説明】
100,200,300 負極集電体、 101,201,301 負極活物質、 102 正極集電体、 103,203,303 正極活物質、 104 電解液、 105,205,305 負極端子、 106,206,306 正極端子、 107 セパレーター、 207,307 電解液とセパレーター、 108 電池ケース、 210,310 絶縁パッキング、 311 絶縁板。

Claims (44)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極活物質、セパレーター、充放電によ
    ってリチウムイオンの出入りが可能な正極活物質、イオ
    ンの伝導体である電解質、集電電極と、電池ケースとか
    ら少なくとも形成されたリチウム二次電池において、前記 正極活物質は、一種以上の遷移金属元素と6A族元
    素との化合物及び水素元素を含有し、該正極活物質に含
    有する結晶粒の大きさ500オングストローム以下と
    したことを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記正極活物質の主構成物質が、非晶
    質、微結晶、非晶質と微結晶の混在したもの、非晶質と
    微結晶と多結晶の混在したものから選択される集合体で
    あることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電
    池。
  3. 【請求項3】 正極活物質が、水酸基を有することを特
    徴とする請求項1又は2記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記正極活物質が、リチウム,炭素,マ
    グネシウム,ナトリウム,カリウム,窒素,アルミニウ
    ム,カルシウム,バリウム,鉛,インジウム,ホウ素,
    珪素,スズ,リン,砒素,アンチモン,ビスマス,フッ
    素,塩素,から選択される一種類以上の元素を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載
    のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 前記正極活物質の主構成元素の6A族元
    素が、酸素であることを特徴とする請求項1乃至のい
    ずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 前記正極活物質の主構成元素の6A族元
    素が、イオウであることを特徴とする請求項1乃至
    いずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 正極活物質に電導体の被覆処理を施した
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載
    のリチウム二次電池。
  8. 【請求項8】 核となる導電体粉を前記遷移金属と6A
    族元素との化合物で被覆した正極活物質を用いることを
    特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載リチウ
    ム二次電池。
  9. 【請求項9】 正極活物質に、炭素材,樹脂材,金属
    材,から選択される一種類以上の材料を混合して形成し
    た正極を用いたことを特徴とする請求項1乃至のいず
    れか1項に記載のリチウム二次電池。
  10. 【請求項10】 正極活物質に親油処理を施したことを
    特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のリチ
    ウム二次電池。
  11. 【請求項11】 正極活物質の親油処理が、有機金属化
    合物による処理であることを特徴とする請求項10記載
    のリチウム二次電池。
  12. 【請求項12】 樹脂材料に、フッ素樹脂,ポリエチレ
    ン,ポリプロピレン,シリコーン樹脂から選択される一
    種類以上の樹脂を用いたことを特徴とする請求項に記
    載のリチウム二次電池。
  13. 【請求項13】 樹脂材料が、液状または溶液状、ある
    いは低融点の樹脂であることを特徴とする請求項12
    載のリチウム二次電池。
  14. 【請求項14】 樹脂が、エーテル結合を有したフッ素
    樹脂であることを特徴とする請求項13記載のリチウム
    二次電池。
  15. 【請求項15】 負極活物質が、リチウム金属,リチウ
    ム合金,炭素,から選択される一種類以上の物質から少
    なくとも構成されることを特徴とする請求項1記載のリ
    チウム二次電池。
  16. 【請求項16】 リチウム電池の負極活物質の表面が、
    リチウムイオンを透過できる膜で被覆されたことを特徴
    とする請求項1記載のリチウム二次電池。
  17. 【請求項17】 電解質が、アルカリ金属化合物から少
    なくとも構成されることを特徴とする請求項1記載のリ
    チウム二次電池。
  18. 【請求項18】 電解質が、固体状態,非水溶媒に溶解
    した溶液状態,固液共存状態,から選択される状態であ
    ること特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項記載
    のリチウム二次電池。
  19. 【請求項19】 リチウム二次電池の正極活物質の製造
    方法において、溶液反応工程、気相反応工程及び融解と
    急冷とを有する反応工程からなる反応工程群から選択さ
    反応工程を利用して、一種以上の遷移金属元素と6
    A族元素との化合物及び水素元素を含有し、該正極活物
    資に含有する結晶粒の大きさ500オングストローム
    以下とした正極活物質を生成する工程を少なくとも有す
    ることを特徴とする正極活物質の製造方法。
  20. 【請求項20】 遷移金属と6A族元素との化合物が、
    非晶質,微結晶,非晶質と微結晶の混在したもの,非晶
    質と微結晶と多結晶の混在したもの,から選択される集
    合体である請求項19記載の正極活物質の製造方法。
  21. 【請求項21】 遷移金属と6A族元素の化合物の遷移
    金属元素の原料として、遷移金属自体,遷移金属の塩,
    遷移金属の有機金属化合物,遷移金属水酸化物,遷移金
    属の水素化物,遷移金属のカルボニル化合物,遷移金属
    酸化物,から選択される一種類以上の材料を使用する、
    遷移金属と6A族元素との化合物から成ることを特徴と
    する請求項19又は20記載の正極活物質の製造方法。
  22. 【請求項22】 遷移金属と6A族元素の化合物の遷移
    金属6A族元素の原料として、6A族元素自体,水,ア
    ルコール,水酸化物,水素化物,ハロゲン化物,から選
    択される一種類以上の材料を使用する、遷移金属と6A
    族元素との化合物から成ることを特徴とする請求項19
    又は21項記載の正極活物質の製造方法。
  23. 【請求項23】 6A族元素が酸素であることを特徴と
    する請求項19乃至22のいずれか1項に記載の正極活
    物質の製造方法。
  24. 【請求項24】 6A族元素がイオウであることを特徴
    とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の正極
    活物質の製造方法。
  25. 【請求項25】 遷移金属と6A族元素との化合物を形
    成する工程において、水素を反応させる工程を含有する
    ことを特徴とする請求項19乃至24のいずれか1項に
    記載の正極活物質の製造方法。
  26. 【請求項26】 正極活物質の製造方法における溶液反
    応が、遷移金属の塩とアルカリとの反応,有機遷移金属
    化合物の加水分解反応,遷移金属とアルカリとの反応,
    から選択される一種類以上の反応を用いて遷移金属の水
    酸化物を形成する工程を少なくとも有する、遷移金属と
    6A族元素との化合物から成ることを特徴とする請求項
    19記載の正極活物質の製造方法。
  27. 【請求項27】 正極活物質の製造方法における気相反
    応が、気相中で、ガス状にした遷移金属塩や有機遷移金
    属化合物,または遷移金属金属蒸気と、6A族元素また
    は6A族元素化合物とを気相中で反応させて、あるいは
    ガス状にした6A族元素を含有する遷移金属塩や有機遷
    移金属化合物を気相中で分解して、 遷移金属と6A族元素との化合物を調製する工程を少な
    くとも有することを特徴とする請求項19記載の正極活
    物質の製造方法。
  28. 【請求項28】 正極活物質の製造方法における融解急
    冷反応が、遷移金属,遷移金属化合物から選択される一
    種類以上の材料を溶融させ、6A族元素,6A族元素化
    合物から選択される一種類以上の材料と反応させた後、
    急冷する工程を少なくとも有する、遷移金属と6A族元
    素との化合物から成ることを特徴とする請求項19記載
    の正極活物質の製造方法。
  29. 【請求項29】 正極活物質の製造において、超音波振
    動を与える工程を少なくとも有する、遷移金属と6A族
    元素との化合物から成ることを特徴とする請求項20乃
    28のいずれか1項に記載の正極活物質の製造方法。
  30. 【請求項30】 遷移金属の塩が、硝酸塩,炭酸塩,硫
    酸塩,ハロゲン化物,リン酸塩,ホウ酸塩,有機酸塩,
    アンモニウム塩,から選択される一種類以上の塩である
    ことを特徴とする請求項22記載の正極活物質製造方
    法。
  31. 【請求項31】 有機遷移金属化合物が、金属アルコキ
    シド,アセチルアセトナート,オクチル酸塩,ナフテン
    酸塩,から選択される一種類以上の塩であることを特徴
    とする請求項21記載の正極活物質の製造方法。
  32. 【請求項32】 有機遷移金属化合物の加水分解反応に
    おいて、酸、あるいはアルカリ、あるいは酸とアルカリ
    を添加することを特徴とする請求項26記載の正極活物
    質の製造方法。
  33. 【請求項33】 脱水反応の工程を含むことを特徴とす
    る請求項26記載の正極活物質の製造方法。
  34. 【請求項34】 硫化水素を反応させる工程を含むこと
    を特徴とする請求項26記載の正極活物質の製造方法。
  35. 【請求項35】 固体状の遷移金属塩や有機遷移金属化
    合物を、加熱して蒸気にするか、加熱して液体にした後
    にキャリアーガスをバブリングして反応容器中に導入す
    るか、あるいは溶媒中に溶解させた溶液をキャリアーガ
    スをバブリングして反応容器中に導入して、気相反応を
    起こすことを特徴とする請求項27記載の正極活物質の
    製造方法。
  36. 【請求項36】 液状の遷移金属塩や有機遷移金属化合
    物を、加熱して蒸気にするか、あるいはキャリアーガス
    をバブリングして反応容器中に導入して、気相反応を起
    こすことを特徴とする請求項27記載の正極活物質の製
    造方法。
  37. 【請求項37】 急冷速度が毎秒101 〜108 Kであ
    ることを特徴とする請求項28記載の正極活物質の製造
    方法。
  38. 【請求項38】 リチウム,炭素,マグネシウム,ナト
    リウム,カリウム,窒素,アルミニウム,カルシウム,
    バリウム,鉛,インジウム,ホウ素,珪素,スズ,リ
    ン,砒素,アンチモン,ビスマス,フッ素,塩素,から
    選択される一種類以上の元素を添加する工程を少なくと
    も有する、遷移金属と6A族元素との化合物から成るこ
    とを特徴とする請求項19乃至37のいずれか1項に記
    載の正極活物質の製造方法。
  39. 【請求項39】 正極活物質の添加元素の原料として、
    添加元素自体,添加元素の塩,添加元素の有機化合物,
    添加元素の水酸化物,添加元素の水素化物,から選択さ
    れる一種類以上の材料を使用することを特徴とする請求
    38記載の正極活物質の製造方法。
  40. 【請求項40】 遷移金属と6A族元素との化合物の核
    にする導電体粉を混合する工程を含むことを特徴とする
    請求項19乃至39のいずれか1項に記載の正極活物質
    の製造方法。
  41. 【請求項41】 遷移金属と6A族元素との化合物を調
    製した後に、導電体で被覆する工程を含むことを特徴と
    する請求項19乃至39のいずれか1項に記載の正極活
    物質の製造方法。
  42. 【請求項42】 請求項19乃至41のいずれかい項に
    記載の製造方法で調製した正極活物質に、フッ素樹脂,
    ポリエチレン,ポリプロピレン,シリコーン樹脂から選
    択される一種類以上の樹脂を少なくとも混合して形成す
    る正極の製造方法。
  43. 【請求項43】 樹脂材料が、液状または溶液状、ある
    いは低融点の樹脂であることを特徴とする請求項42
    載の正極の製造方法。
  44. 【請求項44】 樹脂材料が、エーテル結合を有したフ
    ッ素樹脂であることを特徴とする請求項42記載の正極
    の製造方法。
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