JP4412568B2 - コバルト酸リチウム及びその製造方法 - Google Patents

コバルト酸リチウム及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コバルト酸リチウム及びその製造方法関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭電気機器においてポータブル化、コードレス化が急速に進むに従い、ラップトップ型パソコン、携帯電話、ビデオカメラ等の小型電子機器の電源としてリチウム二次電池が実用化されはじめている。
【0003】
このリチウム二次電池については、1980年に水島等によリコバルト酸リチウムがリチウム二次電池の正極活物質として有用であるとの報告〔“マテリアルリサーチブレティン“Vol.15、783〜789頁(1980年)〕がなされて以来、コバルト酸リチウム系正極活物質に関する研究開発が活発に進められており、これまで多くの提案がなされている。
【0004】
従来、正極活物質の高エネルギー密度化を図る技術としては、例えばコバルト酸リチウムの組成をLia CoO2 (但し、1.05≦a≦1.3)のようにリチウムリッチにしたもの、逆にLib CoO2 (但し、0<b≦1)のようにコバルトリッチにしたもの、その他にコバルト酸リチウムに、Mn、W、Ni、La、Ta、Nb、Zrなどの金属イオンをドープさせたもの、コバルト酸リチウム中の残留Li2 CO3 の量を規定するもの、又は残留アルカリを規定するものなどが提案されている。
【0005】
また、原料に関しては、例えば形状がほば球状又は長円球状で、平均粒子径がlμm以下であり、一次粒子が複数個直接連接しているコバルト酸化物とリチウム塩との混合物を焼成する方法(特開平5−54888号公報)、平均粒径D(50%)=0.5〜l.5μmの範囲にある酸化コバルトを使用する方法(特開平5−94822号公報)、アトマイズ法による平均粒子径約0.1、0.2、0.5、1、5、10μmのコバルト酸化物粉末と炭酸リチウムとを混合し焼成する方法(特開平5−290832号公報)、酸化コバルトの静置法による見かけ密度が0.3〜1.2g/cm3 のもの又はタップ法による見かけ密度が0.8〜2.5g/cm3 の範囲の酸化コバルトを使用する非水電解液電池用正極活物質(特開平6−76823号公報)、平均粒子径10μm以下、且つ比表面積1.0m2 /g以上である炭酸リチウムと比表面積が1.0〜3.5m2 /gの酸化コバルトとを反応させるリチウムイオン二次電池用リチウムコバルト複酸化物およびその製造方法(特開平11−16573号)等が提案されている。
【0006】
また、コバルト含有量が68.5±6重量%で、実質的にHx CoOy の組成で表現され、X線回折における2θ=36〜37.5度付近の回折ピークの半値幅が0.31度より大きく、コバルト含有量と半値幅の関係が、半値幅(度)≧7.5−0.1×コバルト含有量(%)で示されるコバルト化合物と、リチウム化合物との混合体を焼成するリチウムコバルト複合酸化物の製造方法(特開平11−49519号公報)等が提案されている。
【0007】
更に、水系媒液中において、二価コバルト化合物、水酸化アルカリ、アルカリ性を呈するアンモニウム化合物とを反応させて水酸化コバルトを得、次いで焼成して四酸化三コバルトを得た後、得られた四酸化三コバルトとリチウム化合物とを混合して、底面の平均粒子径が1〜30μm、かつ平均粒子高さが0.2〜10μmであり、粒子形状が六角柱状であるコバルト酸リチウム及びその製造方法(特開平11−292547号公報)等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様にコバルト酸リチウムは、一般的に炭酸リチウム等のリチウム化合物と酸化コバルト等のコバルト化合物の粉末を混合して、焼成するいわゆる固相反応で製造される。
【0009】
係るコバルト酸リチウムは、それぞれのリチウム化合物やコバルト化合物等の原料物性に著しく影響を受けることが分かっている。また、リチウム二次電池においても、電池メーカの設計により様々な特性を有する正極活物質が要求されている。しかしながら、上記の方法で提案されているコバルト酸リチウムは、十分な特性を有しているものではなく、改良を要求されている。
【0010】
そこで、本発明者らは、反応原料である酸化コバルトの物性に着目をし、低結晶性の酸化コバルトをリチウム化したコバルト酸リチウムは、極めて優れた初期容量及び充放電特性を有するリチウム二次電池用材料として有用であることを知見し、本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、少なくとも下記(1)〜(4)の特性を有する球状粒子からなる酸化コバルトと炭酸リチウムとにより得られるコバルト酸リチウムにおいて、15秒超音波分散による平均粒子径Rμmと5分超音波分散による平均粒子径Rμmとの比Y=[(R−R)/R]×100が3.0%以下で、結晶子の大きさが(003)面方向において740Å以上であり、且つ平均粒子径が1〜20μmであることを特徴とするコバルト酸リチウムである。
(1)主たる成分がCo
(2)CuKαを線源とするX線回折測定によるピーク(2θ=36.8°付近)の回折ピークの半価幅が0.23°以上0.282°以下
(3)該粒子の粒度分布測定値から求めた均一度(D60/D10)が2.5以下
(4)微細な一次粒子が凝集し、且つ該粒子の表面がギザギザな細かい凹凸を有する球状粒子
【0013】
また、本発明は、少なくとも下記(1)〜(4)の特性を有する球状粒子からなる酸化コバルトと炭酸リチウムとを混合する工程、該混合物を焼成する工程を有することを特徴とする、15秒超音波分散による平均粒子径Rμmと5分超音波分散による平均粒子径Rμmとの比Y=[(R−R)/R]×100が3.0%以下で、且つ結晶子の大きさが(003)面方向において740Å以上であり、且つ平均粒子径が1〜20μmであるコバルト酸リチウムの製造方法である。
(1)主たる成分がCo
(2)CuKαを線源とするX線回折測定によるピーク(2θ=36.8°付近)の回折ピークの半価幅が0.23°以上0.282°以下
(3)該粒子の粒度分布測定値から求めた均一度(D60/D10)が2.5以下
(4)微細な一次粒子が凝集し、且つ該粒子の表面がギザギザな細かい凹凸を有する球状粒子
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のコバルト酸リチウムは、酸化コバルトと炭酸リチウムとにより得られるコバルト酸リチウムであり、該酸化コバルトが特定の物性を有することに特徴がある。
【0018】
即ち、本発明で使用する酸化コバルトは、主たる成分が化学式としてCo34 と表され、リチウム二次電池用正極活物質として用いられるコバルト酸リチウムの製造原料である。
【0019】
係る酸化コバルトは、CuKαを線源とするX線回折測定によるピーク(2θ=36.8°付近)の回折ピークの半価幅が0.2°以上であるものである。この2θ=36.8°付近の回折ピークは、JCPDSカードチャートにより確認することができるが、結晶面は(311)面である。
【0020】
ピークの2θが36.8°付近とは、具体的には36.7°〜36.9°の範囲である。
X線回折ピークの半価幅は0.2°以上、好ましくは0.23°以上の範囲である。
係るX線回折ピークの半価幅が0.2°以上であることは、酸化コバルトの結晶性が低いことを意味する。
【0021】
また、酸化コバルトは、主たる成分が化学式としてCo34 で表わされ、X線回折測定ではCo34 のみが確認される。また、Co34 の他の成分としては、Siなどの不純物を僅かに含有していても良い。これらはICP−発光分光法などで定量することができる。
【0022】
さらに、該酸化コバルトは、微細な一次粒子が凝集した球状粒子である。この一次粒子は0.5μm以下と非常に微細である。その径は、SEM写真により測定することができる。
また、その表面形状は、ギザギザな細かい凹凸を有するものであり、SEM写真により確認することができる。
【0023】
該酸化コバルトは、係る粒子の均一度が2.5以下、好ましくは2.4以下であり、粒子が単分散しているものである。この均一度は、粒度分布計により測定することができ、その値が1に近い値ほど均一性が高いことを意味する。
係る均一度は、粒度分布測定値のD60/D10で求めることができる。
【0024】
本発明のコバルト酸リチウムは、上記の特性を有する酸化コバルトと炭酸リチウムとにより得られるが、極めて単分散しているものである。
単分散しているとは、超音波分散することにより調べることができる。測定法は、15秒間超音波分散をかけた後、レーザー法により平均粒子径を測定した結果をR1とする。また、5分間超音波分散をかけた後、レーザー法により平均粒子径を測定した結果をR2とする。
本発明のコバルト酸リチウムは、この比Y=[(R1−R2)/R1]×100が3.0%以下、好ましくは1〜2.8%のものが望ましい。
【0025】
また、本発明のコバルト酸リチウムは、原料の酸化コバルトとは反対に極めて高い結晶性を有す。具体的には、高い結晶性とは、結晶子の大きさが、結晶子の大きさを示す(003)面方向における値が740Å以上、好ましくは750〜900Åの範囲である。この結晶子の大きさは、平均粒子径と無関係に高い結晶性を示し、例えば平均粒子径が1〜10μmであっても高い結晶性を示す特徴を有している。
【0026】
また、本発明のコバルト酸リチウムは、平均粒子径が1〜20μm、好ましくは4〜7μmの範囲であるのが望ましい。
【0027】
本発明のコバルト酸リチウムの製造方法は、下記特性を有する酸化コバルトと炭酸リチウムとを混合する工程、該混合物を焼成する工程を有することを特徴とする。
(1)主たる成分がCo34
(2)CuKαを線源とするX線回折測定によるピーク(2θ=36.8°付近)の回折ピークの半価幅が0.2°以上
(3)該粒子の均一度が2.5以下
さらに微細な一次粒子が凝集し、且つ該粒子の表面がギザギザな細かい凹凸を有する球状粒子である。
【0028】
係る本発明の製造方法において、酸化コバルトと炭酸リチウムとの反応は、低温での反応性が極めて高いことに特徴があり、これは酸化コバルトと炭酸リチウムをLi/Coモル比で1.02になるように混合したものをTG−DTA測定すると確認することができる。
【0029】
この低温での反応性は、TG−DTA測定により、500℃付近で反応率換算すると少なくとも15%以上反応していることが分かる。リチウム二次電池の正極活物質としては、反応率が40%以上であることが好ましい。
【0030】
係るTG−DTAの測定は、熱分析装置(セイコーインスルツメンツ(株)製6300R型)を用いて、空気流量150ml/min、昇温速度10℃/min条件下で700℃まで昇温する。係る測定の500℃での重量の減量をA%とする。反応率は、(A/16.5%)×100で表す。式中、16.5%は、100%Co34 と100%Li2 CO3 をLi/Co=1で混合、焼成後の減量%(理論値)を示す。
【0031】
更に本発明のコバルト酸リチウムの製造方法を具体的に説明すると、上記酸化コバルトと炭酸リチウムとを、Li/Coの原子比として1 .02付近、好ましくは0.99〜1.10の範囲になるように混合する。次いで、該混合物を500〜1100℃で焼成処理をする。焼成時間は、上記温度域に少なくとも2時間以上、好ましくは5〜15時間の範囲に設定するのがよい。焼成処理後、焼成物を冷却し、軽く解す程度に粉砕することにより本発明のコバルト酸リチウムを得ることができる。
【0032】
上記方法により得られたコバルト酸リチウムは、リチウム二次電池用正極活物質として使用することができる。
また、本発明は、上記のコバルト酸リチウムを用いたリチウム二次電池用正極活物質と集電体を有するリチウム二次電池用正極、および該リチウム二次電池用正極、電解質および負極を有するリチウム二次電池を提供する。
【0033】
具体的には、本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、セパレータ、リチウム塩を含有する非水電解質からなり、正極は正極集電体上に正極活物質、導電剤、結着剤からなる正極合剤を塗布してなるものである。
【0034】
本発明における負極に用いられる負極材料としては、特に制限されるものではないが、例えば炭素質材料や金属複合酸化物、リチウム金属、リチウム合金などである。炭素質材料としては、難黒鉛化炭素材料、黒鉛系炭素材料などが挙げられ、金属複合酸化物としては、Snx M11-x M2yz (式中、M1はMn、Fe、Pb、Geから選ばれる1種以上の元素、M2はAl、B、P、Si、周期率表第1族、第2族、第3族、ハロゲン元素から選ばれる2種以上の元素を示す。0<x≦1、1≦y≦3、1≦z≦8を示す。)などの化合物が挙げられる。
【0035】
正極合剤には、導電剤や結着剤やフィラーなどを添加することができる。
導電剤は、例えば天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維や金属、ニッケル粉などの導電性材料を1種または2種以上の混合物として含有することができる。
これらは、黒鉛とアセチレンブラックの併用が好ましい。その添加量は、特に制限されないが、正極合剤中に1〜50重量%、特に2〜30重量%が好ましい。
【0036】
また、結着剤としては、例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルピロリドン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマーなどの1種またはこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
フィラーは、構成された電池において化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができるが、通常ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、正極合剤中に0〜30重量%が好ましい。
【0038】
電極の集電体は、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば特に制限されるものではないが、例えばステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀を表面処理させたもの、Al−Cd合金などが用いられる。二次電池に用いられる非水電解液は、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルミアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ぎ酸メチル、酢酸メチル、りん酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒の少なくとも1種以上を混合した溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩、例えばLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10、LiAlCl4 、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどの1種以上の塩から構成されている。
【0039】
また、電解液の他に有機固体電解質を用いることができる。例えばポリエチレン誘導体またはこれを含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体またはこれを含むポリマー、りん酸エステルポリマーなどが挙げられる。
【0040】
上記化合物を所望の量を混合して、通常の方法によりリチウム二次電池を構成させることができる。
電池の形状は、ボタン型、シート型、シリンダー型、角型などいずれにも適用できる。
【0041】
本発明のリチウム二次電池の用途は、特に制限されないが、例えばノートパソコン、ラップトップパソコン、ポケットワープロ、携帯電話、コードレス子機、ボータブルCD、ラジオなどの電子機器、自動車、電動車両、ゲーム機器などの民生用電子機器などが挙げられる。
【0042】
【実施例】
次に、実施例を挙げて具体的に本発明を説明するが、本発明を制限するものではない。
【0043】
製造例1
本実施例で用いる酸化コバルトの試料Aの製造方法を示す。
(1)溶液調整
CoSO4 ・7H2 O 28.1gを純水1リットルに溶解して0.1mol/リットルのCoSO4 水溶液を調製した。
NaOH8gを純水200mlに溶解して1mol/リットルのNaOH水溶液を調製した。
【0044】
(2)沈殿形成
反応槽に予め水を入れ、それに活性炭をCo1molに対し活性炭4gの割合で添加して反応溶液を調製した。該溶液にCoSO4 水溶液(液温65℃)とNaOH水溶液(液温65℃)を、混合溶液のpHが10となるように調整しながら同時に連続的に反応槽に添加した。
【0045】
混合溶液の液温を65℃に保つように加熱しつつ撹拌した。添加時間は10時間であった。
添加終了後、更に熟成した後、Coの水酸化物を濾別洗浄し、300℃で乾操した後、粉砕して試料AのCo34 を得た。
【0046】
製造例2
上記の製造例1と同様の方法で酸化コバルトの試料B〜Gを得た。
【0047】
通常の酸化コバルトの製造方法は、コバルト塩水溶液とアルカリによる沈殿で水酸化コバルトを生成させるが、本製造例の方法は酸化により酸化コバルトを生成することができる。この時の酸化コバルトは、酸化は未だ不十分であり、例えばCoOを含むが、更に300℃で乾燥させることによりCo34 とすることができる。
【0048】
得られた酸化コバルトのX線回折による半価幅を下記の表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004412568
【0050】
(酸化コバルトのX線測定)
粉末X線回折測定(理学電気(株)製、RINT2400型)は、管電圧40kv、管電流10mAの0.4kWの出力で発生させたCuKα線で行った。
【0051】
・測定条件
2θ=15〜75°
走査モード:連続
発散スリット:1°
散乱スリット:1°
受光スリット:0.3mm
スキャンスピード:4°/min
スキャンステップ:0.02°
【0052】
・回折データの処理(半価幅の算出)
平滑化:加重平均法で平均化点数を11
バックグランド除去:Sonnevelt−Visser法でピーク幅しきい値0.5、強度しきい値0.1
Cukα2ピーク除去:なし
【0053】
なお、図1に試料Aの酸化コバルトのCuKαを線源とするX線回折図を示す。
図2に試料Dの酸化コバルトのCuKαを線源とするX線回折図を示す。
また、図3は試料Aの酸化コバルトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率5000倍)である。
図4は試料Aの酸化コバルトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率30000倍)である。
【0054】
実施例1〜3、比較例1〜4
表1の酸化コバルトと炭酸リチウムとをLi/Coのモル比を1.02になるように混合した。該混合物を1000℃まで焼成して反応を行った。焼成終了後、冷却して、軽く解す程度に粉砕をして本発明のコバルト酸リチウムを得た。
【0055】
得られたコバルト酸リチウムの平均粒子径と結晶子の大きさ(003)面、及び500℃での反応率(%)の測定を行った。その結果を表2に示す。
また、得られたコバルト酸リチウムを使用して、下記の方法により、二次電池を作製し、その容量保持率を測定した。その結果を表2に示す。
【0056】
(リチウム二次電池の作製)
上記により製造した各コバルト酸リチウム91重量部、黒鉛粉末6重量部およびポリフッ化ビニリデン3重量部を混合して正極剤とし、これを2−メチルピロリドンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布した後、乾燥し、1961×105Pa(2t/cm2 )の圧力によりプレスした後、1cm角の正極板を得た。
【0057】
この正極板を用いて、セパレータ、負極、正極、集電板、取り付け金具、外部端子、電解液等の各部材を使用してリチウム二次電池を作製した。このうち、負極は金属リチウム箔を用い、電解液にはエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの1:1混合液1リットルにLiPF6 1molを溶解したものを用いた。
【0058】
(電池性能の評価)
作製したリチウム二次電池を作動させ、容量保持率を測定して電池性能を評価した。なお、サイクル特性は、正極に対して0.5mA/cm2 で4.3Vまで充填したのち、2.7Vまで放電させる充放電を20サイクル繰り返し、下記の式により算出した。その結果を表2に併記した。
【0059】
【数1】
Figure 0004412568
【0060】
【表2】
Figure 0004412568
【0061】
(単分散度の測定)
Microtrac粒度分析計9320−X100型(Leed&Northrup社製)を用いて以下条件で行った。
上記粒度分布計に内蔵されているサンプルセルに超純水を300ml投入し10%ヘキサメタりん酸ソーダを2ml添加する。次いでサンプルを粒度分布計に適した濃度になるまで添加した。
【0062】
尚、前記操作は循環流量を40ml/secで行った。次いで、超音波出力を40Wとし、所定時間分散操作した後、平均粒径R1及びR2を測定し下記の式に代入し単分散度を算出した。
【0063】
単分散度=[(R1−R2)/R1]×100
1:15秒超音波分散時の平均粒子径
2:5分超音波分散時の平均粒子径
【0064】
(平均粒子径及び均一度の測定条件)
レーザー法粒度分析装置であるMicrotrac粒度分布計9320−X100(Leed&Northrup社製)を用いて以下条件で行った。
【0065】
上記粒度分布計に内蔵されているサンプルセルに超純水を300ml投入し、次いで10%ヘキサメタりん酸ソーダ2mlを添加した。次いで試料を粒度分布計に適した濃度になるまで添加した。尚、前記操作は循環流量40ml/secで行った。次いで超音波出力を40Wとし60秒分散処理し平均粒子径を測定した。また、その粒度分布測定よりD60とD10の比を測定した。
【0066】
(結晶子の測定)
粉末X線回折測定(理学電気(株)製RINT2400型)は、管電圧56kv、管電流180mAの10kWの出力で発生させたCuKα線で行った。得られたX線回折パターンをリートベルト解析(RIETANプログラム使用)により半価幅の精密化を行い、得られた半価幅をScherrerの式に代入し結晶子を算出した。
【0067】
【数2】
Figure 0004412568
【0068】
測定条件
走査モード:FT
2θ=17〜88°
発散スリット:1/2°
散乱スリット:1/2°
受光スリット:0.3mm
サンプリング時間:0.5秒
ステップ幅:0.02°
【0069】
(反応率の測定条件)
熱分析装置(セイコーインスルツメンツ(株)製6300R型)を用いて、酸化コバルトと炭酸リチウムの混合物を、空気流量を150ml/min、昇温速度10℃/min条件下で600℃まで昇温し、500℃の時の減量を求めた。係る測定の500℃での重量の減量をA%とする。反応率は、(A/16.5%)×100で表す。
【0070】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、反応原料である低結晶性、微細な一次粒子が凝集し、均一度が3以下の酸化コバルトをリチウム化することにより、極めて単分散し、且つ高い結晶性を示すコバルト酸リチウムを得ることができる。
また、本発明のコバルト酸リチウムをリチウム二次電池用正極活物質に用いることにより、極めて優れた初期容量及び充放電特性を有するリチウム二次電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料Aの酸化コバルトのX線回折チャートを示す図である。
【図2】試料Dの酸化コバルトのX線回折チャートを示す図である。
【図3】試料Aの酸化コバルトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率5000倍)である。
【図4】試料Aの酸化コバルトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真(倍率30000倍)である。

Claims (2)

  1. 少なくとも下記(1)〜(4)の特性を有する球状粒子からなる酸化コバルトと炭酸リチウムとにより得られるコバルト酸リチウムにおいて、15秒超音波分散による平均粒子径Rμmと5分超音波分散による平均粒子径Rμmとの比Y=[(R−R)/R]×100が3.0%以下で、結晶子の大きさが(003)面方向において740Å以上であり、且つ平均粒子径が1〜20μmであることを特徴とするコバルト酸リチウム。
    (1)主たる成分がCo
    (2)CuKαを線源とするX線回折測定によるピーク(2θ=36.8°付近)の回折ピークの半価幅が0.23°以上0.282°以下
    (3)該粒子の粒度分布測定値から求めた均一度(D60/D10)が2.5以下
    (4)微細な一次粒子が凝集し、且つ該粒子の表面がギザギザな細かい凹凸を有する球状粒子
  2. 少なくとも下記(1)〜(4)の特性を有する球状粒子からなる酸化コバルトと炭酸リチウムとを混合する工程、該混合物を焼成する工程を有することを特徴とする、15秒超音波分散による平均粒子径Rμmと5分超音波分散による平均粒子径Rμmとの比Y=[(R−R)/R]×100が3.0%以下で、結晶子の大きさが(003)面方向において740Å以上であり、且つ平均粒子径が1〜20μmであるコバルト酸リチウムの製造方法。
    (1)主たる成分がCo
    (2)CuKαを線源とするX線回折測定によるピーク(2θ=36.8°付近)の回折ピークの半価幅が0.23°以上0.282°以下
    (3)該粒子の粒度分布測定値から求めた均一度(D60/D10)が2.5以下
    (4)微細な一次粒子が凝集し、且つ該粒子の表面がギザギザな細かい凹凸を有する球状粒子
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