JP3067421B2 - 給湯制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は湯の流量を調節し適切な
流量を得る給湯制御装置における流量変化出湯時の制御
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の給湯制御装置は図４に示すような
ものがあった（例えば、特開昭５９９７４１８号公
報）。加熱装置８で熱交換器９を加熱し、温度検出器１
３の信号に応じて加熱制御器１０を操作して湯温を制御
し、信号発生器１１によって時間的に変化する信号を水
量設定器１２の信号と共に給湯制御器１７に送出し、水
量制御器２１を駆動して給湯量を時間的に変化させるも
のがあった。図５は給湯量を一定周期で変化させる給湯
装置の給湯量の時間変化を表したもので、湯量の変化に
よるシャワーなどにマッサージ効果がある。また図６に
示すような不規則な波形、例えば自然のリズムに近い１
／ｆ揺らぎが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、一定周期の給湯量の変化の場合や１／ｆ揺
らぎのような不規則な波形による給湯量の変化の場合で
も、給湯量の変化が開始されるときは一定量の給湯量か
ら急激に給湯量変化が発生するため、刺激は大きいもの
の肉体的にも精神的にもショックが大きく、心臓への負
担も大きいため安全性に欠け、給湯量変化出湯時は最初
から直接体にかけるには不安感があり使い勝手が悪かっ
た。

【０００４】本発明は上記課題を解決するもので、流量
変化出湯（以降、流量揺らぎ出湯と称する）時の体感刺
激効果を低下させる事なく、ショックの少ない流量揺ら
ぎ出湯感を味わえ、心臓への負担が少なく、かつ使い勝
手の良い給湯制御装置を提供することを目的としたもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、流量を調節する流調弁と、前記流調弁を駆動
する流調弁駆動装置と、流量を設定する設定器と、前記
設定器より入力された設定値を基に前記流調弁駆動装置
を制御する制御器と、時間的な変化と量的変化信号を継
続的に発生し前記制御器に送出する信号発生器とを有
し、前記制御は前記信号発生からの信号に応じて前記流
調弁駆動装置を制御して流量を変化させて出湯し、かつ
前記信号発生器からの信号発生開始直後は信号の変化量
を徐々に変化させて前記流調弁駆動装置を制御する構成
としてある。

【０００６】

【作用】本発明は上記構成によって、流量ゆらぎ出湯開
始時における通常出湯から急激な流量揺らぎ変化への移
行速度を制御し、ゆっくりとした移行速度で通常出湯か
ら流量揺らぎ出湯へのスムースな移行ができる。

【０００７】

【実施例】以下本発明の給湯制御装置の一実施例を図面
を参照して説明する。

【０００８】図１において、１は水流路であり２は湯流
路である。３は水流路１から導かれた水と湯流路２から
導かれた湯の流量を調節して温度を変化させる混合弁で
あり混合弁駆動装置１４にて駆動する構成になってい
る。４は出湯流量を変化させる流調弁であり、流調弁駆
動装置１５にて駆動する構成になっている。５は流路を
切換える切換え弁でありバスタブ吐水口６またはシャワ
ー吐水口７に切換える構成であり切換え弁駆動装置１６
にて駆動する構成になっている。１３は湯水混合装置内
の湯温を検出する温度検出器である。１８は設定器１９
及び温度検出器１３からの信号により各弁駆動装置１４
・１５・１６を動作させる制御器である。

【０００９】上記構成において、設定器１９にて通常の
シャワー出湯を選択すると切換え弁駆動装置１６に通電
されシャワー流路側が開きバスタブ流路側が閉じる。次
に、流調弁駆動装置１５に通電され流調弁４が開くこと
により、水流路１より水が、湯流路２より湯が湯水混合
装置内に導かれ、設定器１９よりあらかじめ設定された
温度に混合弁３により調節されてシャワー吐水口７より
出湯する。その時、温度検出器１３が混合湯の温度を検
出し制御器１８に信号をおくる。制御器１８は温度検出
器１３の検出温度と設定器１９の設定温度とを比較して
実際の湯の温度（以下実湯温という）が設定湯温に対し
低ければ水側閉・湯側開方向にまた、逆に実湯温が設定
湯温に対して高ければ水側開・湯側閉方向に混合弁駆動
装置１４を制御し混合弁３を動作させる。

【００１０】また、図２に動作の一部をフローチャート
で示すように、シャワー出湯中に設定器１９にて流量揺
らぎ出湯を選択すると、Ｓ１の判定でＹとなり制御器１
８から信号発生器２０へ信号が伝達され信号発生器２０
が信号発生を開始（Ｓ２）し、Ｓ３で信号変化幅ａの初
期値（図示せず）に１を加え、流調弁ゆらぎ動作を開始
（Ｓ４）し、検出温度と設定温度を比較して混合弁３の
調節を行った後、シャワー出湯停止か否かを判別（Ｓ
５）して出湯継続であればさらに流量ゆらぎ停止かどう
かを判定（Ｓ６）し、継続であれば設定されたゆらぎ量
に対応した最大変化幅ｂとａを比較（Ｓ７）し、ａ＜ｂ
ならば再びＳ３でａを増やして流調弁ゆらぎ動作（Ｓ
４）を続ける。このようにして信号変化幅ａを徐々に大
きくして予め設定された最大変化幅ｂに到達するまで継
続的に前記制御器１８へ送出し、その信号に応じて前記
制御器１８によって流調弁駆動装置１５への通電量を流
量揺らぎ出湯開始直後は微少変化量から徐々に大きな変
化量へとサイクル的に増減することでシャワー吐水口７
からの出湯流量を揺らがす。この時の流量変化を時間の
変化と共に表すと、徐々に変化させる信号の変化量を振
幅で変化させた場合は図３（ａ）に示したようになり、
周期で変化させると図３（ｂ）に示すようになる。図３
（ａ）に示したように周期を一定にし振幅を徐々に変化
させた場合は、振幅と同様に出湯流量変化幅も変化する
ため、流量揺らぎの変化幅が最大変化幅に到達するまで
徐々に大きくなる。また、図３（ｂ）に示したように振
幅を一定にし周期を徐々に変化させた場合は、短い周期
から徐々に長くしたとき、周期が短いうちは機械的また
流体的な遅れ時間のため実際の流量変化が追随できず、
周期が徐々に長くなるにつれて追随できるようになり流
量の変化幅が徐々に増大し、最大変化幅ｂに対応する周
期を設定最長周期にしておくことにより最大変化幅に到
達するまで変化幅が増大する。

【００１１】

【発明の効果】以上説明したように本発明の湯水混合装
置によれば、流量ゆらぎ出湯開始時は信号の変化量を徐
々に微少変化量から大きな変化量へと移行するため次の
効果が得られる。

【００１２】（１）通常出湯から流量揺らぎ出湯への動
作移行を円滑にできるため、流量揺らぎ出湯時の体感刺
激を変化させる事なく動作移行時の急激な変化を抑制で
き、マッサージ効果を向上できる。

【００１３】（２）通常出湯から流量揺らぎ出湯への動
作移行を円滑にできるため、動作移行時の急激な変化を
抑制でき、肉体的、精神的ショックの少ない流量揺らぎ
出湯が可能となり使い勝手を向上できる。

【００１４】（３）通常出湯から流量揺らぎ出湯への移
行時のショックが少ないため、心臓への負担も少なく安
心して通常出湯から流量揺らぎ出湯への切り替えがで
き、使い勝手を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における給湯制御装置の構成
図

【図２】同制御装置の動作を示すフローチャート

【図３】（ａ）は同実施例において通常出湯から流量揺
らぎ出湯へ設定を変更したときの流量変化を時間経過に
対して信号の変化量を振幅で変化させた図 （ｂ）は同信号の変化量を周期で変化させた図

【図４】従来の給湯制御装置の構成図

【図５】従来の給湯制御装置における給湯量の時間的変
化の一例を示す図

【図６】従来の給湯制御装置における給湯量の時間的変
化の他の例を示す図

【符号の説明】

４ 流量調節弁 １５ 流調弁駆動装置 １８ 制御器 １９ 設定器 ２０ 信号発生器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24H 1/10 302

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】流量を調節する流調弁と、前記流調弁を駆
   動する流調弁駆動装置と、流量を設定する設定器と、前
   記設定器より入力された設定値を基に前記流調弁駆動装
   置を制御する制御器と、時間的な変化と量的変化信号を
   継続的に発生し前記制御器に送出する信号発生器とを有
   し、前記制御器は前記信号発生器からの信号に応じて前
   記流調弁駆動装置を制御して流量を変化させて出湯し、
   かつ前記信号発生器からの信号発生開始直後は信号の変
   化量を徐々に変化させて前記流調弁駆動装置を制御する
   給湯制御装置。
2. 【請求項２】信号発生器は、信号発生直後は信号の振幅
   を徐々に変化させて前記制御器に送出する請求項１記載
   の給湯制御装置。
3. 【請求項３】信号発生器は、信号発生直後は信号の周期
   を徐々に変化させて前記制御器に送出する請求項１記載
   の給湯制御装置。