JP3066386U - 混合用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器の高度な気密状態を保ちつつ、不測の離
脱がなくかつ着脱が至極容易な蓋体を持った混合用容器
を提供する。 【解決手段】 口部（２Ａ）を有しかつ溶媒体を収容す
る容器本体（２）と前記口部（２Ａ）を閉塞する蓋体
（６）とを備え、前記蓋体（６）には前記口部（２Ａ）
内へ突出した上端開口状の溶質収納凹部（７）が設けら
れ、前記蓋体（６）には前記凹部（７）に摺動自在に内
嵌する筒体（１２）を有するプラグ（１０）が備えら
れ、前記プラグ（１０）を前記本体（２）側へ押圧して
前記筒体（１２）の尖端（１６）により前記凹部（７）
の底面（７Ｂ）を破断して前記溶質を前記容器本体
（２）内に落下させて前記溶媒体と混合するようにした
混合用容器において、前記蓋体（６）は前記口部（２
Ａ）に対して着脱自在に螺合するように構成されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、別々に収容した溶媒体と溶質を混合する混合用容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、容器内とその容器口部を閉塞する蓋体内との別々に収納された薬品 を、使用時に素早く混合できる混合用容器が広く用いられている。蓋体内に収納 された薬品は、蓋体の底部に圧力がかけられて破断されることで、容器内に収納 された別の薬品の中に落下して混合される。 混合用容器の従来例の横断面図を図４及び図５に示す。図４は容器口部に蓋 体を嵌合して取り付けた状態を示し、図５は溶液注出用のノズルを容器口部に取 り付けた状態を示す。

【０００３】 図４においては、容器３４には口部３５が形成されており、この口部３５に蓋 体３６が嵌合される。蓋体３６は、薬品等を収容できるよう円筒状の周壁３７と その一方の端部を塞ぐ底部３８とからなる凹部を有している。更に、この凹部の 開口部には、口部３５の上面３５Ａに密着して容器３４を密閉できる鍔部３９が 備えられていて、この鍔部３９に指をかけて蓋体３６を口部３５から取り外すこ とができるようになっている（例えば特公昭５７−３７５１１号公報、特開平６ ４−７０３６７号公報）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

かかる構成は、容器３４の密閉性を確保できる点において好適であるが、鍔部 ３９に何らかの部材が引っかかり蓋体３６が不測に離脱する場合がある。 また薬品等を注出するには別体の注出用ノズルが必要なので、蓋体はかかる注 出ノズルに付け替えるために取り外される。 しかし、口部３５の上面３５Ａと鍔部３９とは、密閉性を保つため強固に密着 しており、蓋体３６を取り外すにはかなりの引っ張り力が必要である。従って力 の弱い子供等には蓋体の容易な取り外しは困難で、また蓋体３６を取り外す際の 勢いにより容器３４に収容された薬剤がこぼれてしまう不都合もある。

【０００５】 また図５においては、ノズル体４０は口部３５を閉塞する蓋部４１、溶液を注 出するノズル部４２を備えているが、ノズル体４０も蓋部４１が口部３５と単に 嵌合することのみにより容器３４に取り付けられるため、上記の蓋体３６と同様 、不測に外れる場合がある。 本考案はかかる問題点に鑑みてなされたものであってその目的とするところは 、不測に脱離することなく、また特に労力を要さず容易な着脱が可能な蓋体及び ノズル体を具備する混合用容器を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述の目的を達成すべく以下の手段を採用した。すなわち、本考案 にかかる混合用容器は、口部を有しかつ溶媒体を収容する容器本体と前記口部を 閉塞する蓋体とを備え、前記蓋体には前記口部内へ突出した上端開口状の溶質収 納凹部が設けられ、前記蓋体には前記凹部に摺動自在に内嵌する筒体を有するプ ラグが備えられ、前記プラグを前記本体側へ押圧して前記筒体の尖端により前記 凹部の底面を破断して前記溶質を前記容器本体内に落下させて前記溶媒体と混合 するもので、前記蓋体は前記口部に対して着脱自在に螺合するように構成されて いることを特徴とする。

【０００７】 この手段によれば、蓋体は容器口部に螺合することにより取り付けられるので 、強い引っ張り力を要することなく至極容易に蓋体を取り外すことができるとと もに、取り外しの際の引っ張り力による振動を容器本体に与えることがないので 、容器本体内の溶媒体が不測にこぼれることもない。 また前記蓋体は前記口部に外嵌する外周壁を有し、その内側には前記口部にあ る雄ネジと着脱自在に螺合する雌ネジが設けられていることが好ましい。この手 段によれば、蓋体は容器口部に口部の外側から螺合されるため、蓋体の取り付け を容易に行うことができる。

【０００８】 また本考案にかかる混合用容器には、前記容器本体に収容された溶媒体を注出 するためのノズル体が備えられ、このノズル体は前記口部に対して着脱自在に螺 合する蓋部と、前記溶媒体を注出する注出口を有するノズル部とを備えているこ とを特徴とする。 この手段によれば、溶媒注出用のノズル体も容器口部に螺合することにより着 脱されるので、上記蓋体との付け替え作業を容易に行うことができる。 また前記蓋部は、前記口部に外嵌する外周壁を有しその内側には前記雄ネジと 着脱自在に螺合する雌ネジが設けられていることが好ましい。この手段によれば 、ノズル体も先述の蓋体と同様に口部の外側から螺合されるので、着脱を容易に 行えて好ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案にかかる混合用容器について、以下に図１〜３により詳細に説明する。 図１は本考案にかかる混合用容器の、溶質を溶媒体に混合する前の混合用容器 の状態を示した断面図、図２は溶質を溶媒体に混合した後の混合用容器の状態を 示した断面図、図３は溶媒体を注出するときに使用するノズル体を容器本体に取 り付けた状態を示す断面図である。 混合用容器１は、硬質プラスチック製の容器本体２と、その口部２Ａを閉塞す る蓋体６とを備えており、これら口部２Ａと蓋体６とは、着脱自在に螺合されて いる。

【００１０】 容器本体２には薬剤等の溶媒体３が収容される一方、蓋体６には、口部２Ａ内 へ突出することにより、上端開口状の凹部７が設けられている。凹部７は、溶媒 体３に混合すべき溶質８を収納可能な大きさに設けられている。 蓋体６には、更にプラグ１０が備えられている。プラグ１０は、凹部７に摺動 自在に内嵌する筒体１２を有し、この筒体１２はその上端に円盤状の押圧部１４ を備えている。押圧部１４を容器本体２側へ押圧して筒体１２を凹部７の内側面 ７Ａに沿って摺動させ、筒体１２の押圧部１４とは反対側の端部で、凹部７の底 部７Ｂを破断する。

【００１１】 筒体１２の、押圧部１４と反対側の端部１５には、底部７Ｂを破断できるよう な鋭利な尖端１６が形成されている。尖端１６は、筒体１２の端部１５付近を斜 め下方に向かって切断することにより形成されている。 蓋体６は口部２Ａに外嵌する外周壁９を有し、その内側には、口部２Ａに設け られた雄ネジ２０と着脱自在に螺合する雌ネジ２１が設けられている。この雄ネ ジ２０と雌ネジ２１とが螺合して、蓋体６が口部２Ａに取り付けられている。 上述の尖端１６により、底部７Ｂを破断して溶質８を溶媒体３内に落下させ、 両者を混合することができる。このときの混合用容器１の状態を図２に示す。

【００１２】 溶媒体３を注出する際は、蓋体６を取り外してノズル体２５を口部２Ａに取り 付ける。この時の状態は図３に示す。ノズル体２５は、口部２Ａに対して着脱自 在に螺合する蓋部２６と、蓋部２６に突設されたノズル部２８を備えている。ノ ズル部２８の蓋部２６とは反対側の先端には、溶媒体３を注出するための注出口 ３５が設けられている。 蓋部２６は、口部２Ａに外嵌する外周壁２７を有し、その内側には口部２Ａに 設けられた雄ネジ２０と着脱自在に螺合する雌ネジ２９が設けられている。これ らの雄ネジ２０及び雌ネジ２９が螺合することにより、ノズル体２５が口部２Ａ に着脱自在に取り付けられる。

【００１３】 ノズル部２８の先端部３０には、注出口３５を塞ぐキャップ３６が取り付けら れる。先端部３０には雄ネジ３２が、キャップ３６の内側には雄ネジ３２と着脱 自在に螺合する雌ネジ３７が設けられている。これらのネジが互いに螺合するこ とによりキャップ３６は先端部３０に取り付けられる。なお、先端部３０の径は 、キャップ３６が取り付けられた際にキャップ３６の外周面とノズル部２８の外 周面が面一となるよう、ノズル部２８の径に比し小さく形成されている。 溶媒体３の抽出は、容器本体２を逆さにし、適宜にノズル部２８を指で挟んで 圧迫して滴下量を調節しつつ行う。

【００１４】 蓋体２もノズル体２５も、口部２Ａに螺合されるため、何かの部材が引っかか る等の不測の外力が加えられても容易に外れることがなく好適である。また、容 器本体２の口部２Ａに外嵌されて螺合されるため着脱が容易で、また容器本体の 密閉性を高度に保つこともできる。 なお蓋体６やノズル体２５のうち、特に凹部７の底部７Ｂは破断が容易になさ れるよう、またノズル体２５のノズル部２８は滴下量を調節しやすいよう、それ ぞれ可撓性を有する熱可塑性樹脂より成形される。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の混合用容器によれば、容器内の高度な気密状態を保ちながらも、蓋体 の不測の離脱を防止でき、かつその着脱を至極容易に行うことができる。また、 溶媒注出の際に、蓋体に代えて取り付けるノズル体の着脱も容易に行うことがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる混合用容器の実施形態の、溶質
を溶媒体に混合する前の状態を示した断面図である。

【図２】本考案にかかる混合用容器の実施形態の、溶質
を溶媒体に混合した後の状態を示した断面図である。

【図３】図１で示した混合用容器の容器本体口部に、蓋
体に代えてノズル体を取り付けた状態を示した断面図で
ある。

【図４】従来例を示した断面図である。

【図５】従来例の溶液を注出可能な状態を示した断面図
である。

【符号の説明】

１ 混合用容器 ２ 容器本体 ２Ａ 口部 ３ 溶媒体 ６ 蓋体 ７ 凹部 ７Ａ 凹部内側面 ７Ｂ 凹部底面 ８ 溶質 ９ 外周壁 １０ プラグ １２ 筒体 １４ 押圧部 ２０ 雄ネジ ２１ 雌ネジ ２５ ノズル体 ２６ 蓋部 ２８ ノズル部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 口部（２Ａ）を有しかつ溶媒体を収容す
   る容器本体（２）と前記口部（２Ａ）を閉塞する蓋体
   （６）とを備え、前記蓋体（６）には前記口部（２Ａ）
   内へ突出した上端開口状の溶質収納凹部（７）が設けら
   れ、前記蓋体（６）には前記凹部（７）に摺動自在に内
   嵌する筒体（１２）を有するプラグ（１０）が備えら
   れ、前記プラグ（１０）を前記容器本体（２）側へ押圧
   して前記筒体（１２）の尖端（１６）により前記凹部
   （７）の底面（７Ｂ）を破断して前記溶質を前記容器本
   体（２）内に落下させて前記溶媒体と混合するようにし
   た混合用容器において、前記蓋体（６）は前記口部（２
   Ａ）に対して着脱自在に螺合するように構成されている
   ことを特徴とする混合用容器。
2. 【請求項２】 前記蓋体（６）は前記口部（２Ａ）に外
   嵌する外周壁（９）を有し、その内側には前記口部（２
   Ａ）にある雄ネジ（２０）と着脱自在に螺合する雌ネジ
   （２１）が設けられていることを特徴とする請求項１に
   記載の混合用容器。
3. 【請求項３】 前記容器本体（２）に収容された溶媒体
   を注出するためのノズル体（２５）が備えられ、このノ
   ズル体（２５）は前記口部（２Ａ）に対して着脱自在に
   螺合する蓋部（２６）と、前記溶媒体を注出する注出口
   （３５）を有するノズル部（２８）とを備えていること
   を特徴とする請求項１又は２に記載の混合用容器。
4. 【請求項４】 前記蓋部（２６）は前記口部（２Ａ）に
   外嵌する外周壁（２６Ａ）を有しその内側には前記雄ネ
   ジ（２０）と着脱自在に螺合する雌ネジ（２９）が設け
   られていることを特徴とする請求項３に記載の混合用容
   器。