JP3066042B2 - 変速機のケース構造およびその組立て方法 - Google Patents

変速機のケース構造およびその組立て方法

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JP3066042B2 JP2178863A JP17886390A JP3066042B2 JP 3066042 B2 JP3066042 B2 JP 3066042B2 JP 2178863 A JP2178863 A JP 2178863A JP 17886390 A JP17886390 A JP 17886390A JP 3066042 B2 JP3066042 B2 JP 3066042B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本願発明は、変速機のケース構造およびその組立て方
法に関するものである。
(従来の技術) 一般に自動車用の手動変速機においては、そのギヤケ
ース内に、複数の変速ギヤを同軸状に列設配置してなる
ギヤシャフトを収容するとともに、該ギヤシャフトの軸
心付近までオイルで満たし、該オイルを上記変速ギヤの
回転力によりか攪拌して発散させ、その飛沫オイルによ
ってギヤ噛合部等の潤滑を行うようにしている関係上、
オイルの攪拌抵抗によりエンジンの出力損失が増大する
という問題があった。
このような変速ギヤによるオイルの攪拌抵抗に起因す
るエンジン出力の低下をしかも潤滑性能の低下を招くこ
となく抑制する一つの方法として、変速ギヤによって攪
拌されるオイル量そのものを減少させることが考えられ
る。
このような観点に基づくものとして、例えば実公昭62
ー31729号公報に開示される如く、ギヤシャフトの略下
半部(即ち、オイル中に浸漬される部分)に、各変速ギ
ヤの外周面に近接して沿う如く該各変速ギヤの外形形状
に対応して凹凸状に形成されたバッフルプレートを配置
して該バッフルプレートとギヤシャフトとの間に小容積
の隙間を形成し、該隙間内に導入されるオイルのみを変
速ギヤによって攪拌するようにし、もって攪拌されるオ
イル量を減少させて攪拌抵抗の低減を図るようにしたも
のが知られている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、従来のこの種の変速機においては、上掲公
知例にも開示されるように、略筒状構成のギヤケースの
底部近傍にバッフルプレートを配置し、さらにその上側
位置にギヤシャフトを組み込む構成とされていたため、
先ず最初にバッフルプレートを組み込み、その後に該バ
ッフルプレートの上側にしかもこれに近接させた状態で
ギヤシャフトを組み込まなければならず、このためギヤ
シャフトの組み込み時にはその変速ギヤがバッフルプレ
ートの凹凸部分と干渉し易く、スムーズな組み込み作業
の実現が困難であった。
そこで本願発明では、バッフルプレートを備えた変速
機において、ギヤケースへのギヤシャフト等の組み込み
を可及的に容易ならしめもってその組立性の向上を図る
ようにした変速機のケース構造およびその組立て方法を
提案せんとしてなされたものである。
(課題を解決するための手段) 本願各発明ではかかる課題を解決するための具体的手
段として、 (I)請求項1記載の変速機のケース構造では、同軸状
に複数の変速ギヤを備えたギヤシャフトが収容されるギ
ヤケースの下面に該ギヤシャフトをギヤケース下方から
臨み得るようにして所定大きさの開口部を形成するとと
もに、該開口部にはこれを開閉可能とするアンダープレ
ートを着脱自在に取り付け、さらに上記アンダープレー
トには、上記ギヤシャフトとアンダープレートとの間に
あって上記各変速ギヤの略下半部の外周をこれに近接し
た状態で覆う如く該各変速ギヤの形状に対応して凹凸形
成されるとともに少なくとも上記複数の変速ギヤ間に対
応して配置され且つ上記ギヤシャフトの軸方向において
該変速ギヤと重合する膨出部を備えたバッフルプレート
を設けたことを特徴とし、 (II)請求項2記載の発明では、請求項1記載の変速機
のケース構造において、バッフルプレートをアンダープ
レートと別体構成とし、且つこれを該アンダープレート
に対して着脱自在に取付け可能としたことを特徴とし、 (III)請求項3記載の発明では、請求項2記載の変速
機のケース構造において、バッフルプレートをアンダー
プレートに対してボルト締結構造とするとともに、上記
アンダープレートの補強用リブに対応する位置に上記バ
ッフルプレート取り付け用のボルトボスを形成したこと
を特徴とし、 (IV)請求項4記載の発明では、請求項1記載の変速機
のケース構造において、バッフルプレートをアンダープ
レートと一体的に形成したことを特徴としている。
また、請求項5記載の変速機の組立て方法では、同軸
状に複数の変速ギヤを備えたギヤシャフトが収納される
ギヤケースの下面に該ギヤシャフトをギヤケース下方か
ら臨み得るようにして所定大きさの開口部が形成される
とともに、該開口部にはこれを開閉可能とするアンダー
プレートが着脱自在に取り付けられ、さらに上記アンダ
ープレートには、上記ギヤシャフトとアンダープレート
との間にあって上記各変速ギヤの略下半部の外周をこれ
に近接した状態で覆う如く該各変速ギヤの形状に対応し
て凹凸形成されるとともに少なくとも上記複数の変速ギ
ヤ間に対応して配置され且つ上記ギヤシャフトの軸方向
において該変速ギヤと重合する膨出部を備えたバッフル
プレートが設けられた変速機において、上記ギヤケース
に対して上記ギヤシャフト、バッフルプレート及びアン
ダープレートをそれぞれ組み付けるに際して、先ず上記
開口部を開口させた状態で上記ギヤケース内に上記ギア
シャフトを組付け、然る後、該開口部に対してその下方
側から上記バッフルプレートを設けた上記アンダープレ
ートを組み付けることを特徴としている。
(作用) このような構成の本願各発明ではそれぞれ次のような
作用が得られる。
(i)請求項1記載の変速機のケース構造では、ギヤケ
ースの下面に開口部を形成し、該開口部を着脱自在に開
閉するアンダープレートにバッフルプレートを設けてい
るため、該アンダープレートを取り外した状態でギヤケ
ース内にギヤシャフトを組み付けることにより、上記バ
ッフルプレートが変速ギヤ間に対応して配置され且つギ
ヤシャフトの軸方向において変速ギヤと重合する膨出部
を備えた構成であっても、上記ギヤシャフトをバッフル
プレートとの干渉を生じることなく取り付けることがで
きる。
また、バッフルプレートは、ギヤシャフトの取付けが
完了した時点において、アンダープレートとともにギヤ
ケースの下方からその開口部を通して所定位置にしかも
上記ギヤシャフトの存在を何等気にすることなく容易に
取り付けることができる。
(ii)請求項2記載の発明では、上記(i)記載の作用
に加えて、バッフルプレートがアンダープレートと別体
構成とされ且つ該アンダープレートに対して着脱自在と
されていることから、この両者をその用途等に対応して
それぞれ最適な材質で別々に形成することが可能とな
る。
(iii)請求項3記載の発明では、上記(i),(ii)
記載の作用に加えて、バッフルプレートがアンダープレ
ートに対してボルト締結とされ、且つ該アンダープレー
トの補強用リブに対応する位置に上記バッフルプレート
取り付け用のボルトボスが形成されているため、該バッ
フルプレートのアンダープレートに対する取り付け構造
が簡単でしかもより強固な取り付けが可能になる。
(iv)請求項4記載の発明では、上記(i)記載の作用
に加えて、バッフルプレートがアンダープレートと一体
構成とされているため、この両者間の組み付け作業が不
要であり、それだけ組み付け作業がより簡易ならしめら
れる。
(v)請求項5記載の発明では、バッフルプレートの取
り付けに先立ってギヤシャフトをギヤケース内に組み付
けることから、上記バッフルプレートが変速ギヤ間に対
応して配置され且つギヤシャフトの軸方向において変速
ギヤと重合する膨出部を備えた構成であっても、該ギヤ
シャフトの組付けをバッフルプレートとの干渉を生じる
ことなく容易に行うことができる。
また、その後にバッフルプレートをアンダープレート
とともに開口部からギヤケース内に組み付ける場合は、
該アンダープレートのギヤケースに対する取付位置が予
じめ規定されていることから、上記バッフルプレートの
位置決めを特別に行わずとも該アンダープレートの組み
付けにより自動的に該バッフルプレートがギヤケース
(即ち、ギヤシャフト)に対して所定位置に容易に位置
決めされることとなり、特別な位置決め作業が不要とな
る。
(発明の効果) 従って、本願各発明の変速機のケース構造およびその
組立て方法によれば、それぞれ次のような効果が得られ
る。
請求項1記載の変速機のケース構造によれば、バッフ
ルプレートが変速ギヤ間に対応して配置され且つギヤシ
ャフトの軸方向において変速ギヤと重合する膨出部を備
えた構成であっても、ギヤシャフトの組み付けを上記バ
ッフルプレートとの干渉を生じることなく行うことがで
き、且つ該バッフルプレートもギヤケースの下方位置か
らギヤシャフトの存在を気にすることなく組み付けるこ
とができることから、これらの組み付けがより容易とな
り、その作業性が向上するという効果が得られる。
請求項2記載の変速機のケース構造によれば、上記
記載の効果に加えて、バッフルプレートがアンダープレ
ートと別体構成とされていることから、例えばアンダー
プレートほど強度性能が要求されないバッフルプレート
を、通常金属製とされるアンダープレート30とは異なっ
て軽量の合成樹脂で構成することができ、変速機の軽量
化に寄与し得ることとなる。
請求項3記載の変速機のケース構造によれば、上記
記載の効果に加えて、アンダープレートとバッフルプレ
ートとを強固に取付けることができることから、例え
ば、運転振動等によって上記バッフルプレートが振動し
て騒音を発生するというような事態の発生が未然に且つ
確実に防止されるという効果も得られる。
請求項4記載の変速機のケース構造によれば、上記
記載の効果に加えて、バッフルプレートとアンダープレ
ートとの結合作業が不要であることから変速機取付け作
業の作業性のより一層の向上が図れるとともに、該バッ
フルプレート自体の強度性能が向上しその振動による騒
音発生が確実に防止されるという効果が得られる。
請求項5記載の変速機の組立て方法によれば、バッフ
ルプレートが変速ギヤ間に対応して配置され且つギヤシ
ャフトの軸方向において変速ギヤと重合する膨出部を備
えた構成であっても、ギヤケースに対してギヤシャフト
と上記バッフルプレートとをその内外から別々にしかも
相互になんら干渉を生じることなく組み付けることがで
きるところから、例えば上掲公知例のように先に組み付
けられたバッフルプレートとの干渉を避けながらギヤシ
ャフトの組み付けを行うような場合に比して、その作業
性のより一層の向上が図れるものである。
(実施例)以下、添付図面を参照して本願発明の好適
な実施例を説明する。
第1図には本願の請求項1〜3記載の発明の実施例に
かかるケース構造を備えた自動車用の手動変速機Zの要
部が示されている。
全体構成 この変速機Zは、前記5段・後進1段の歯車変速機で
あって、クラッチケース4とフロントギヤケース5(特
許請求の範囲中のギヤケースに該当する)とリヤギヤケ
ース6と隔壁部材7及びシャフトケース8を順次軸方向
に締結してなるケーシングX内に、後述の第1ギヤシャ
フト2、第2ギヤシャフト3等を収容して構成されてい
る。尚、上記フロントギヤケース5のフロントギヤ室12
とリヤギヤケース6のリヤギヤ室13とシャフトケース8
のシャフト室19とは、その下部においては該フロントギ
ヤケース5の端面壁5aに形成した通油口14と上記隔壁部
材7に形成した通油口17とを介して、またその上部にお
いては上記フロントギヤ室12とシャフト室19間に跨って
配置されたオイルパス(図示省略)によってそれぞれ相
互に連通せしめられている。
上記クラッチケース4内にはクラッチ18を備えた入力
軸1が、その一端に形成した入力ギヤ20を上記フロント
ギヤケース5内に臨ましめた状態で配置されている。ま
た、このフロントギヤケース5内には、上記入力軸1の
一端側にこれと同軸状に設けられた第2ギヤシャフト3
と、該第2ギヤシャフト3の下側にこれとは所定間隔離
間して平行配置された第1ギヤシャフト2(特許請求の
範囲中のギヤシャフトに該当する)とが、それぞれフロ
ントギヤケース5をその軸方向に貫通した状態で取り付
けられている。尚、このフロントギヤケース5内には、
この他にリバースギヤシャフト(図示省略)が配置され
ている。
そして、上記第1ギヤシャフト2の上記フロントギヤ
ケース5の内部(即ち、フロントギヤ室12)に臨む位置
には、第1変速ギヤ21と第2変速ギヤ22と第3変速ギヤ
23と第4変速ギヤ24の四個のギヤが設けられている。ま
た、この各ギヤ21〜24は上記入力ギヤ20及び上記第2ギ
ヤシャフト3に設けたギヤ25〜27と相互に噛合せしめら
れている。さらに、上記第1ギヤシャフト2の上記リヤ
ギヤ室13に臨む位置には、第6変速ギヤ28と第7変速ギ
ヤ29がそれぞれ設けられている。
一方、上記フロントギヤケース5の下面には所定大き
さの開口部9が形成されており、さらにこの開口部9は
後述のアンダープレート30によって開閉可能とされてい
る。
アンダープレート30 アンダープレート30は、第11図〜第14図に示すよう
に、矩形浅皿状形態を有するものであって、その周縁部
を上記フロントギヤケース5に対する締着面31としてい
る。そして、このアンダープレート30は、その一つの隅
部30aにドレーン口16とマグネット15取付用のボス35と
をそれぞれ形成するとともに、該ドレーン口16及びボス
35形成部分からその中央部にかけての部分をその他の部
分より深く形成してこれをオイル流通溝36としている。
また、このアンダープレート30には、後述のバッフル
プレート40をその上面側(即ち、上記締着面31側)へボ
ルト締着させるためのバッフルプレート取付ボス32A〜3
2Dが一体形成されている。そして、この場合、これら各
バッフルプレート取付ボス32A〜32Dのアンダープレート
30上における形成位置は、該バッフルプレート取付ボス
32A〜32Dがアンダープレート30の裏面側に形成される補
強用リブ33、33、・・に対応してこれとほぼ一体化する
ように設定されている。
バッフルプレート40 上記バッフルプレート40は、合成樹脂により一体形成
されるものであって、第2図〜第10図に示すように、上
記アンダープレート30の締着面31の内部に収容可能な大
きさをもつ略平板上の基板部41を有するとともに、この
基板部41のしかも上記アンダープレート30の各バッフル
プレート取付ボス32A〜32Dに対応する四つの部位には、
該アンダープレート30への取付部となるボス42A〜42Dが
それぞれ形成されている。そして、このバッフルプレー
ト40は、その各ボス42A〜42Dを上記アンダープレート30
の各取付ボス32A〜32Dにそれぞれ対応させた状態でこれ
ら相互間をボルト締結することによって、該アンダープ
レート30に対して固定されこれと一体化される。
さらに、このバッフルプレート40は、これを上記アン
ダープレート30とともに上記フロントギヤケース5の開
口部9に取り付けた状態において上記第1ギヤシャフト
2の直下に位置する部位の両側部分において、上記基板
部41を上記第1ギヤシャフト2の外形形状に沿うように
して上方に膨出させて該直下部の両側に相互に対向する
状態で後述の膨出部44A,44B〜48A,48Bを複数個形成する
とともに、この相互に対向する膨出部44A,44B〜48A,48B
の間に位置する上記直下部を上記第1ギヤシャフト2の
軸方向に延びる溝部43としている。
即ち、上記第1ギヤシャフト2のうち最も大径の第1
変速ギヤ21に対応する位置には、第1図〜第3図及び第
6図に示すように、その内側側面を該第1変速ギヤ21の
外周に近接させた状態で情報に膨出する左右一対の第1
膨出部44A、44Bを形成している。尚、この第1膨出部44
A,44Bの巾寸法は上記第1変速ギヤ21の巾寸法にほぼ等
しく設定されている。
第1変速ギヤ21と第2変速ギヤ22の中間位置に対応す
る部位には、第1図〜第3図及び第7図に示すように、
上記溝部43の両側部から上方に立ち上がって上記第1ギ
ヤシャフト2の外周面に近接するような内側側面をもつ
左右一対の第2膨出部45A,45Bが形成されており、また
この第2膨出部45A,45Bの巾寸法は上記第1変速ギヤ21
と第2変速ギヤ22の間隔寸法にほぼ相当するように設定
されている。
第2変速ギヤ22に対応する部位には、第1図〜第3図
及び第8図に示すように、その内側側面を該第2変速ギ
ヤ22の外周に近接させた状態で上方に膨出する左右一対
の第3膨出部46A、46Bが形成されている。また、この第
3膨出部46A、46Bの巾寸法は上記第2変速ギヤ22の巾寸
法にほぼ等しく設定されている。
第3変速ギヤ23に対応する部位には、第1図〜第3図
及び第9図に示すように、その内側側面を該第3変速ギ
ヤ23の外周に近接させた状態で上方に膨出する左右一対
の第4膨出部47A,47Bが形成されている。また、この第
4膨出部47A,47Bの巾寸法は上記第3変速ギヤ23の巾寸
法にほぼ等しく設定されている。
第3変速ギヤ23と第4変速ギヤ24の中間に位置する部
分には、第1図〜第3図及び第10図に示すように、上記
溝部43の両側部から上方に立ち上がって上記第1ギヤシ
ャフト2の外周面に近接するような内側側面をもつ左右
一対の第5膨出部48A,48Bが形成されている。また、こ
の第5膨出部48A,48Bの巾寸法は上記第3変速ギヤ23と
第4変速ギヤ24の間隔寸法のほぼ1/2程度に設定されて
いる。これは、後述のように上記リヤギヤ室13からフロ
ントギヤ室12側に通油口14を通って導入されるオイルの
通路面積を確保するためである。
尚、上述のように溝部43を形成したことによるバッフ
ルプレート40の強度低下を防止するために、この実施例
においては、上記第2膨出部45A,45Bと第5膨出部48A,4
8Bにそれぞれ対応する位置には、これら相互に対向する
膨出部間に跨がるようにしてそれぞれリブ51及び同52を
形成している。
このように各膨出部44A,44B〜48A,48Bを形成したバッ
フルプレート40を上記アンダープレート30に取り付け、
且つこれを該アンダープレート30とともに上記フロント
ギヤケース5の開口部9からフロントギヤ室12内に配置
した状態においては、第1図のように、該各膨出部44A,
44B〜48A,48Bによって第1ギヤシャフト2の第1変速ギ
ヤ21から第3変速ギヤ23にかけての部分がこれに近接し
た状態で覆われる。このため、上記フロントギヤ室12
は、これらの部分においては該バッフルプレート40の上
面側と第1ギヤシャフト2の間に位置する小容積の内室
12aと該バッフルプレート40の外側に位置する大容積の
外室12bとに区画された状態となる。
一方、このようにバッフルプレート40をフロントギヤ
ケース5側に取り付けた状態においては、第1図のよう
に、上記第5膨出部48A,48Bは、上記通油口14が設けら
れたフロントギヤケース5の端面壁5aに対して所定の間
隔をもって対向するとともに、バッフルプレート40の基
板部41は上記通油口14よりも下方に位置する。このた
め、フロントギヤ室12のうち、該第5膨出部48A,48Bと
端面壁5aとにより囲まれた部分は、実質上、上記通油口
14からのオイルを受け入れてこれをフロントギヤ室12側
の所定部位に供給するためのオイル導入室57として機能
することとなる。
ところが、この場合、オイル導入室57からさらに上記
内室12a側へのオイルの移動は、主として第5図に示す
ように、第1ギヤシャフト2と第5膨出部48A,48Bとの
間に開口する上記溝部43を通して行なわれるが、この溝
部43の通路面積は第3変速ギヤ23の存在によって比較的
小さくされているため十分とは言えない。
このため、この実施例においては、上記オイル導入室
57に臨む第5膨出部48A,48Bのうち上記アンダープレー
ト30のドレーン口16及びマグネット15に対応する一方の
膨出部48Bの側面から基板部41にかけての部分に所定の
通路面積をもったオイル導入口53を形成し、該オイル導
入口53を通して上記オイル導入室57からバッフルプレー
ト40の外側の外室12b側にオイルを導入するようにして
いる。従って、この実施例のものにおいては、通路面積
を大きくとれるこのオイル導入口53の方がメイン通路と
なり、オイル導入室57のオイルは主としてこのオイル導
入口53側を流通することとなる。
一方、この外室12b側に導入されたオイルは、さらに
これを内室12a側に導出させる必要があり、このためこ
の実施例においては、第2図及び第8図のように、上記
基板部41の上記溝部43に対応する部分に、上記第2膨出
部45A,45Bと第5膨出部48A,48Bとの間に跨がるように軸
方向に延びる二つのオイル導出口54,55を、しかもギヤ
周方向に適宣離間させた状態でそれぞれ形成している。
作動説明 次に、このように構成された変速機Zの運転時の作動
状態を説明する。
この変速機Zにおいては、上記ケーシングX内に上記
第1ギヤシャフト2がほぼ半分ほど浸漬される程度のオ
イルを投入した状態で運転される。そして、この場合、
エンジンの運転に伴って回転する第1ギヤシャフト2の
各変速ギヤ21〜24及び同28,29がオイルをかき上げ、そ
の飛沫オイルによってギヤの噛合部あるいは軸受部の潤
滑が行なわれる。また一方、このフロントギヤ室12及び
リヤギヤ室13内に飛散する飛沫オイルは、順次オイルバ
ス(図示省略)によって捕集され、シャフト室19側に導
入されてこの部分における軸受部等の潤滑を行うととも
に、最終的には上記通油口17及び通油口14を通って再び
フロントギヤ室12のオイル導入室57側にリターンされ
る。
このオイル導入室57にリターンされたオイルは、その
一部は上記溝部43を通って直接内室12a内に導入され
る。また、その他の大部分は上記オイル導入口53を通っ
て一旦外室12bに導入された後、各オイル導出口54,55か
ら内室12a内のしかも各変速ギヤに近い部分に供給され
る。これによって、各変速ギヤ21〜24のかき上げ作用に
ともなって次第に減少する内室12a内のオイルの補充が
行われる。従って、各変速ギヤ21〜24のオイルかき上げ
作用にかかわらず内室12a内には常時必要量のオイルが
貯溜されることから、各部の潤滑性が良好に維持される
ものである。尚、このオイルの流れは、第1図に矢印流
線で示している。
また、上述のようにオイルが循環する場合、この実施
例においてはオイル導入口53を通油口14に近接した位置
に設けるとともに、各オイル導出口54,55を各変速ギヤ2
1〜24に近接した位置に設けているため、オイルの流れ
が自然的でありその循環がよりスムーズとなり、上記内
室12aにおけるオイル不足が確実に防止されるものであ
る。
さらに、この実施例においては、大部分のオイルが通
るオイル導入口53に臨んでマグネット15を配置している
ため、該マグネット15によるオイル中の金属粉の除去作
用が促進され、またこのマグネット15が外室12b内に、
即ち各変速ギヤ21〜24によるオイル攪拌作用少ない部位
に配置されているため、オイル攪拌によりマグネット15
に吸着捕集されていた金属粉の再拡散が可及的に防止さ
れ、この両者の相乗効果として金属粉による摺動部の摩
耗が可及的に抑制されその耐久性の向上が図れるもので
ある。
一方、上述のように変速ギヤ21〜24によってオイルの
攪拌が行なわれると、この攪拌抵抗のためにエンジンの
出力損失が生じるが、この実施例のようにバッフルプレ
ート40を設けてフロントギヤ室12を内室12aと外室12bと
に区画し、容積の小さい内室12a内のオイルのみが各変
速ギヤ21〜24によって攪拌せしめられるようにした場合
には、例えば該バッフルプレート40が設けられていない
ような構造の場合に比して、攪拌作用を受けるオイル量
そのものが少ないことから、攪拌抵抗も少なく、結果的
にエンジンの出力損失を可及的に低減させることが可能
となる。
変速機の組立方法 続いて、この変速機Zの組立方法について説明する
と、この実施例の変速機Zにおいては、フロントギヤケ
ース5の開口部9を開口させた状態(即ち、アンダープ
レート30及びバッフルプレート40を取付けない状態)
で、先ずフロントギヤケース5内に第1ギヤシャフト2,
第2ギヤシャフト3等の所要部材を組み付ける。この場
合、フロントギヤケース5の最下部に位置する第1ギヤ
シャフト2の組み付け時には、その下側が開口部9によ
って開放され何等の障害部も存在しないため、該第1ギ
ヤシャフト2をその径方向あるいは軸方向に自由に移動
させながらこれを組み付けることができる。このため、
例えば上掲公知例のように、第1ギヤシャフト2の組み
付け時に既にその下方位置に凹凸形状を有するバッフル
プレートが配置されているために該バッフルプレートと
の干渉によりギヤシャフトを自由に移動させることが困
難であるような場合に比して、該第1ギヤシャフト2の
組み付けが格段に容易ならしめられるものである。
第1ギヤシャフト2等の組付完了後、アンダープレー
ト30に対してバッフルプレート40をボルト締着により一
体的に結合し、これを一体的にフロントギヤケース5の
下側から上記開口部9に取り付ける。この場合、組付性
に関しては、バッフルプレート40をアンダープレート30
に取り付けることによって自動的に該バッフルプレート
40の上記フロントギヤケース5に対する位置決めがほほ
正確に行なわれるため、例えば従来構造のようにバッフ
ルプレートを直接フロントギヤケースに取り付けるもの
のように該バッフルプレートの取り付け時にこれと同時
にフロントギヤケースに対する位置決めを行わなければ
ならないような場合に比して、該バッフルプレート40の
組み付けがより一層容易ならしめられる。
また、装置の軽量化という点に関しては、この実施例
では、あまり強度が要求されないバッフルプレート40を
軽量の合成樹脂で形成しているため、例えばこれをアン
ダープレート30と同様に金属性とした場合に比して、該
バッフルプレート40そのものの機能を維持しつつその軽
量化が図れるという利点がある。
さらに、このバッフルプレート40をアンダープレート
30にボルト締着するに際して、該アンダープレート30側
のバッフルプレート取付ボス32A〜32Dをその補助用リブ
33に沿って配置し、該バッフルプレート40に対する取付
強度の向上を図っているため、例えば該バッフルプレー
ト40が運転振動等によって振動して騒音を発生するとい
うことが確実に防止され、変速機Zの静粛性の向上が期
待できるものである。
尚、この実施例においてはアンダープレート30とバッ
フルプレート40とを別体構成としているが、他の実施例
においては例えばこの両者を一体的に形成することもで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明の実施例にかかるケース構造を備えた
変速機の要部縦断面図、第2図は第1図に示したバッフ
ルプレートの平面図、第3図は第2図のIIIーIII縦断面
図、第4図は第3図のIVーIV矢視図、第5図は第2図の
VーV矢視図、第6図は第2図のVIーVI縦断面図、第7
図は第2図のVIIーVII縦断面図、第8図は第2図のVIII
ーVIII端面、第9図は第2図のIXーIX縦断面図、第10図
は第2図のXーX縦断面図、第11図は第1図に示したア
ンダープレートの平面図、第12図はアンダープレートの
背面図、第13図は第11図のXIIIーXIII縦断面図、第14図
は第12図のXIVーXIV縦断面図である。 2,3……ギヤシャフト 5……フロントギヤケース 6……リヤギヤケース 9……開口部 12……フロントギヤ室 13……リヤギヤ室 14……通油口 15……マグネット 21〜29……変速ギヤ 30……アンダープレート 40……バッフルプレート 41……基板部 43……溝部 44A,44B……第1膨出部 45A,45B……第2膨出部 46A,46B……第3膨出部 47A,47B……第4膨出部 48A,48B……第5膨出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−157514(JP,U) 実開 昭63−61518(JP,U) 実開 昭62−154217(JP,U) 実開 昭60−185762(JP,U) 実開 昭57−117454(JP,U) 実公 昭62−31729(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 57/00 - 57/04 B23P 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸状に複数の変速ギヤを備えたギヤシャ
    フトが収容されるギヤケースの下面に該ギヤシャフトを
    ギヤケース下方から臨み得るようにして所定大きさの開
    口部が形成されるとともに、 該開口部にはこれを開閉可能とするアンダープレートが
    着脱自在に取り付けられ、 さらに上記アンダープレートには、上記ギヤシャフトと
    アンダープレートとの間にあって上記各変速ギヤの略下
    半部の外周をこれに近接した状態で覆う如く該各変速ギ
    ヤの形状に対応して凹凸形成されるとともに少なくとも
    上記複数の変速ギヤ間に対応して配置され且つ上記ギヤ
    シャフトの軸方向において該変速ギヤと重合する膨出部
    を備えたバッフルプレートが設けられていることを特徴
    とする変速機のケース構造。
  2. 【請求項2】請求項1記載の発明において、バッフルプ
    レートがアンダープレートと別体構成とされるととも
    に、該アンダープレートに対して着脱自在に取付け可能
    とされていることを特徴とする変速機のケース構造。
  3. 【請求項3】請求項2記載の発明において、バッフルプ
    レートがアンダープレートに対してボルト締結構造とさ
    れているとともに、上記アンダープレートの補強用リブ
    に対応する位置に上記バッフルプレート取り付け用のボ
    ルトボスが形成されていることを特徴とする変速機のケ
    ース構造。
  4. 【請求項4】請求項1記載の発明において、バッフルプ
    レートがアンダープレートと一体的に形成されているこ
    とを特徴とする変速機のケース構造。
  5. 【請求項5】同軸状に複数の変速ギヤを備えたギヤシャ
    フトが収納されるギヤケースの下面に該ギヤシャフトを
    ギヤケース下方から臨み得るようにして所定大きさの開
    口部が形成されるとともに、該開口部にはこれを開閉可
    能とするアンダープレートが着脱自在に取り付けられ、
    さらに上記アンダープレートには、上記ギヤシャフトと
    アンダープレートとの間にあって上記各変速ギヤの略下
    半部の外周をこれに近接した状態で覆う如く該各変速ギ
    ヤの形状に対応して凹凸形成されるとともに少なくとも
    上記複数の変速ギヤ間に対応して配置され且つ上記ギヤ
    シャフトの軸方向において該変速ギヤと重合する膨出部
    を備えたバッフルプレートが設けられた変速機におい
    て、上記ギヤケースに対して上記ギヤシャフト、バッフ
    ルプレート及びアンダープレートをそれぞれ組み付ける
    に際して、先ず上記開口部を開口させた状態で上記ギヤ
    ケース内に上記ギヤシャフトを組付け、然る後、該開口
    部に対してその下方側から上記バッフルプレートを設け
    た上記アンダープレートを組み付けることを特徴とする
    変速機の組立て方法。
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