JP3065327U - ア―ク溶接用ガスシ―ルドノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒状ノズルの先端の外径が小さくて狭い場所
でも確実に溶接することができる的確なノズル着脱を容
易に行えるアーク溶接用ガスシールドノズルを提供する
こと。 【解決手段】 チップホルダー２の先端に取付けたコン
タクトチップ１を絶縁材よりなるノズル保持部材４に取
付けられる筒状ノズル３で囲ったアーク溶接用ガスシー
ルドノズルにおいて、筒状ノズル３として、コンタクト
チップ１との間に小間隔が形成される程度の細径筒部３
ｂの一端を拡径筒部３ａに加工するとともにその端部近
くに筒内に向け膨出する小突起６をプレス加工した薄肉
管材よりなるものを用いる一方、ノズル保持部材４とし
ては、先端に段部４ｂを介して雄ねじ筒部４ａを形成し
たものを用い、この雄ねじ筒部４ａのねじ溝に前記小突
起６を螺合させて筒状ノズル３をノズル保持部材４に取
付けるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ノズル先端の外径が小さくて狭い場所でも的確な溶接作業を行うこ とができるアーク溶接用ガスシールドノズルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来からアーク溶接では、溶接時に溶接溶融池を大気より保護するため、不活 性ガスを大気と遮断するとともに拡散することなく溶接溶融池に的確に供給でき るように、チップホルダーの先端に取付けたコンタクトチップを絶縁材よりなる ノズル保持部材に取付けた筒状ノズルで囲ったアーク溶接用ガスシールドノズル が一般に用いられている。

【０００３】 そして最近では、ロボットによる自動化が進み、溶接トーチにより狭い場所で も無人で溶接できることが要求されるようになってきており、これに対応して筒 状ノズルも細いものを使用する必要が生じてきた。ところが、従来の筒状ノズル はその基部を雌ねじ筒部としてこれを絶縁性の保持部材に螺着した構造であって 、筒状ノズルの内周面にねじを設ける必要があるためにその分だけ厚みが大きく なるとともに外径が大きくなり、このため、被溶接物に筒状ノズルが当たってし まい溶接不良を発生させるという問題点があった。また、溶接中にスパッターが 付着して除去処理する場合にはねじを回して取り外す必要があるが、着脱が面倒 で作業性に劣るという問題点もあった。一方、筒状ノズルが被溶接物に当たるの を防止する目的で筒状ノズルを短くすることも検討したが、不活性ガスの流量を 増す必要があるためコストアップになるとともに、風の影響でブローホールを発 生させ不良品率が高くなるという問題点があった。また、先端に向かい徐々に先 細形状となった段付きあるいはテーパ付きのノズルも検討されているが、二次加 工が必要でコスト的に高くなるため実用に供し得ないという問題点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は上記のような従来の問題点を解決して、筒状ノズルの先端の外径が小 さくて狭い場所でも被溶接物との接触による溶接不良を防止して確実に溶接する ことができ、しかも、筒状ノズルの着脱を的確容易に行うことができて内面に付 着したスパッターの除去も短時間で簡単に行うことができ、更には、構造が簡単 で二次加工も必要とせずコスト的にも廉価なものとすることができるアーク溶接 用ガスシールドノズルを提供することを目的として完成されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためになされた本考案のアーク溶接用ガスシールドノズ ルは、チップホルダーの先端に取付けたコンタクトチップを絶縁材よりなるノズ ル保持部材に取付けられる筒状ノズルで囲ったアーク溶接用ガスシールドノズル において、前記筒状ノズルは、コンタクトチップとの間に小間隔が形成される程 度の細径筒部の一端が拡径筒部に拡径されるとともにその端部近くに筒内に向け 膨出する小突起がプレス加工された薄肉管材よりなるものとする一方、前記ノズ ル保持部材は先端に段部を介して雄ねじ筒部が形成されたものとして、この雄ね じ筒部のねじ溝に前記小突起を螺合させて筒状ノズルをノズル保持部材に取付け るようにしたことを特徴とするものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下に、図面を参照しつつ本考案の好ましい実施の形態を示す。 図中１は、チップホルダー２の先端に取り付けられたコンタクトチップ、３は このコンタクトチップ１を囲うようにノズル保持部材４に取付けられる筒状ノズ ルであり、５は図示しない不活性ガスの供給管に接続された不活性ガス供給孔で あって、ここより噴出したガスが筒状ノズル３の内壁に沿うように流れて先端開 口部より流出し、溶接溶融池の周囲に不活性ガスのエアカーテンを形成すること により大気から遮断し、溶接溶融池を保護しつつ溶接処理するよう構成されてい る点は従来のこの種のアーク溶接用ガスシールドノズルと基本的に同じである。

【０００７】 そして本考案では、前記した筒状ノズル３として、加工性に優れた肉厚が１mm 程度の薄肉管材を素材として、これを内径が先細のコンタクトチップ１との間に 小間隔が形成される程度の細径筒部３ｂの一端に、テーパ筒部を介して、拡径筒 部３ａが連設されるように絞り加工または拡径加工されるとともに、この拡径筒 部３ａの端部近くには筒内に向け膨出する１〜４個程度の小突起６をプレス加工 したものを用いる一方、ノズル保持部材４としては、先端に段部４ｂを介して複 数個所で部分的に切断されたねじ山を有する雄ねじ筒部４ａが形成たものとして 、この雄ねじ筒部４ａのねじ溝と前記小突起６の螺合により筒状ノズル３をノズ ル保持部材４に取付けてあり、この点に本考案の特徴的構成がある。なお、前記 した筒状ノズル３の材質は周知のこの種のアーク溶接用ガスシールドノズルにお ける筒状ノズルと同様のものでもよいが、小突起６や拡径筒部３ａの成形加工性 の観点から、表面に保護膜処理を施したクロム銅合金などの銅合金よりなるもの が好ましい。

【０００８】 そして、このような構成とすることによって、従来のように筒状ノズルの基部 内面にねじを形成する必要がないため、ノズル材料として肉厚が薄く且つ外径の 小さなパイプ状のものを用いることができ、また、筒状ノズル３の着脱も小突起 ６の螺合によるため、従来のねじ式に比べて簡単かつ短時間で行えることとなる 。しかも、筒状ノズル３の主筒部はコンタクトチップ１に内周面が近接する細径 筒部３ｂとされているので、狭い場所でも被溶接物と接触することなく確実に溶 接可能となる。

【０００９】 なお、筒状ノズル３の拡径筒部３ａの端縁とノズル保持部材４の段部４ｂとの 間にスプリングワッシャ７を介在させたものは、ロボットアーム等に取り付けて 過酷な条件下で用いたとしても、スプリングワッシャ７の弾発力で筒状ノズル３ が弛むことを防止されることとなるので一層好ましい。

【００１０】 このように構成されたものは、アーク溶接用ガスシールドノズルとして常法に 従い使用に供されることとなり、この場合、不活性ガス供給孔５より不活性ガス が供給されて筒状ノズル３の先端開口部より流出し、溶接溶融池の周囲に不活性 ガスのエアカーテンを形成するので、大気から遮断した状態で溶接溶融池を保護 しつつ溶接処理が的確に行われることとなる。この際、前記筒状ノズル３は薄肉 の銅合金パイプなどの単なる金属管材より成形されて外径が小さいうえに、先端 部分はコンタクトチップ１に近接する程度の径の細径筒部３ｂとされているので 、狭い場所でも被溶接物と接触することなく確実に溶接が行われることとなる。 また、筒状ノズル３の着脱も雄ねじ筒部４ａのねじ溝に対して拡径筒部３ａの端 部近くに筒内に向け膨出するようにプレス成形されている小突起６を螺合させて 行うようにしてあるために的確なものとなり、従来のねじ式に比べても簡単かつ 短時間で確実に行えることとなり、ノズル内面にスパッターが付着しても短時間 で簡単に筒状ノズルの交換作業を行なうことができることとなる。

【００１１】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案は筒状ノズルの先端の外径が小さく て狭い場所でも被溶接物との接触による溶接不良を防止して確実に溶接すること ができ、しかも、筒状ノズルの着脱が容易で内面に付着したスパッターの除去も 短時間で簡単に行うことができ、更には、構造が簡単で二次加工も必要とせずコ スト的にも廉価なものとすることができるものである。また、筒状ノズルがコン パクトな形状で取付性に優れているうえに安定した溶接ができるため、無人の自 動溶接にも適用することができるという利点もある。 よって本考案は従来の問題点を一掃したアーク溶接用ガスシールドノズルとし て、その実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態を示す断面図である。

【図２】本考案の実施の形態を示す分解斜視図である。

【図３】筒状ノズルを示す正面断面図である。

【図４】筒状ノズルを示す平面断面図である。

【符号の説明】

１ コンタクトチップ ２ チップホルダー ３ 筒状ノズル 3a 拡径筒部 3b 細径筒部 ４ ノズル保持部材 4a 雄ねじ筒部 4b 段部 ６ 小突起 ７ スプリングワッシャ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チップホルダー(2) の先端に取付けたコ
   ンタクトチップ(1)を絶縁材よりなるノズル保持部材(4)
   に取付けられる筒状ノズル(3) で囲ったアーク溶接用
   ガスシールドノズルにおいて、前記筒状ノズル(3) は、
   コンタクトチップ(1) との間に小間隔が形成される程度
   の細径筒部(3b)の一端が拡径筒部(3a)に拡径されるとと
   もにその端部近くに筒内に向け膨出する小突起(6) がプ
   レス加工された薄肉管材よりなるものとする一方、前記
   ノズル保持部材(4) は先端に段部(4b)を介して雄ねじ筒
   部(4a)が形成されたものとして、この雄ねじ筒部(4a)の
   ねじ溝に前記小突起(6) を螺合させて筒状ノズル(3) を
   ノズル保持部材(4) に取付けるようにしたことを特徴と
   するアーク溶接用ガスシールドノズル。
2. 【請求項２】 拡径筒部(3a)の端縁とノズル保持部材
   (4) の段部(4b)との間にスプリングワッシャ(7) を介在
   させてある請求項１に記載のアーク溶接用ガスシールド
   ノズル。