JP3065303B1 - コ―ルドシ―ル接着剤 - Google Patents

コ―ルドシ―ル接着剤

Info

Publication number
JP3065303B1
JP3065303B1 JP11006314A JP631499A JP3065303B1 JP 3065303 B1 JP3065303 B1 JP 3065303B1 JP 11006314 A JP11006314 A JP 11006314A JP 631499 A JP631499 A JP 631499A JP 3065303 B1 JP3065303 B1 JP 3065303B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
cold seal
group
seal adhesive
cationic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11006314A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000204339A (ja
Inventor
良夫 吉田
文雄 前川
Original Assignee
日本エヌエスシー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本エヌエスシー株式会社 filed Critical 日本エヌエスシー株式会社
Priority to JP11006314A priority Critical patent/JP3065303B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3065303B1 publication Critical patent/JP3065303B1/ja
Publication of JP2000204339A publication Critical patent/JP2000204339A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 インクジェット方式のプリンターの水性染料
についてその耐水性及び非転写性を向上したコールドシ
ール接着剤を提供する。 【解決手段】 カチオン性単量体とアニオン性単量体を
含んで成る単量体混合物を共重合した両性高分子と従来
のコールドシール接着剤の接着成分を含んでなることを
特徴とするコールドシール接着剤である。さらに、カチ
オン性高分子を含んで成るコールドシール接着剤であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定以上の圧力を
加えることで接着できるが、その接着は適度の力によっ
て解除することができるコールドシール接着剤に関する
ものであって、特には、用紙の印刷面に塗工して乾燥
後、情報を印刷し、インクジェット記録した後、又は用
紙の印刷面に情報を印刷後、塗工して乾燥し、インクジ
ェット記録した後、それらの記録した面を他の塗工後の
面と一体に圧着して再剥離可能とするためのコールドシ
ール接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、銀行、クレジット会社、保険会社
及び官庁等から個人宛に各個人の貯金状況、残金情報、
保険契約状況、年金情報等の特定の情報を通知する手段
として、いわゆる親展性のはがきが使用されている。か
かる親展性はがきに使用される用紙には、通常、まず情
報を記録する前に、コールドシール接着剤と称される接
着剤が前もって塗工される。次に、親展性はがきについ
て共通する情報を、例えば、オフセット印刷、グラビア
印刷等の方法を用いて印刷後、各個人情報等の特定の個
々の情報を記録する。なお、印刷と塗工の順序は前後し
てもよい。さらに、親展性はがきの情報を記録した面を
他の塗工後の面と重ね合わせて所定以上の圧力を加える
ことによって接着することができる。このコールドシー
ル接着剤の接着は、適度の力によって剥離することで解
除でき、即ち、コールドシール接着剤は、顕著な再剥離
性が発現するように構成されている。コールドシール接
着剤による接着の際に、加える圧力が低い場合は、接着
することができないので親展性が保たれるとされてい
る。このようなコールドシール接着剤及びその再剥離性
は、例えば、特開平5−295335号公報に開示され
ている。ここで、本明細書において、「印刷」とは、オ
フセット印刷、グラビア印刷等のいずれかの一般的な印
刷方法を用いて、例えば、共通の情報、パターン等を書
き込むことをいい、「記録又はインクジェット記録」と
は、いわゆるインクジェットプリンターを用いる情報、
パターン等の印刷であって、例えば、各個人情報等を書
き込むことをいう。
【0003】従来から、この親展性はがきに各個人情報
等の特定の情報を記録する方法として、主としてレーザ
ービーム方式のプリンターが使用されてきた。これに対
し、近年、処理速度が速く、小ロットの記録に対応する
ことが可能なので、水溶性染料を使用するインクジェッ
ト方式のプリンターが使用されるようになってきた。し
かし、従来のレーザービーム方式のプリンターに対応し
たコールドシール接着剤(以下、「従来型コールドシー
ル接着剤」という。)をインクジェット方式のプリンタ
ーにそのまま使用すると、印字の品質について問題が発
生することがわかってきた。即ち、印字部に水が付着
すると、インクジェット方式のプリンターの水溶性染料
(以下、「水性染料」という。)が水に溶出するので、
情報の読み取りが困難になるという耐水性の問題と、
印字面を圧着した後、情報面を剥離する際に、印字が反
対面に転写されるという転写性の問題が発生する。
【0004】上述の問題は、印字された水性染料が従来
型コールドシール接着剤に定着し難いことに起因してい
る。通常、水性染料は、その染料分子中にスルホ基及び
/又はカルボキシル基の塩を有し、その塩によって水溶
性が施されている。従って、水性染料の染料は、負に帯
電しているアニオン系の分子を含む。一方、従来型コー
ルドシール接着剤もアニオン系の分散系であって、その
接着成分は、負に帯電している。例えば、天然ゴム、変
性天然ゴム、合成ゴム等を例示することができる。従っ
て、水性染料と、従来型コールドシール接着剤の接着成
分は、共に負に帯電し、電気的に引き合うことがないか
ら、水性染料は従来型コールドシール接着剤に定着し難
いと考えられる。
【0005】ところで、インクジェット方式のプリンタ
ーの印刷用紙には、水性染料に耐水性を付与するために
特別の用紙が使用されている。即ち、印刷用紙のインク
受容層に正に帯電したカチオン性を有する高分子が導入
されている。これは、カチオン性高分子の正電荷によっ
て、負の電荷を帯びた染料分子を捕捉し、水の蒸発によ
って、染料分子をインク受容層にクーロン力によって固
定化するものである。インク受容層に導入するカチオン
性高分子としては、例えば、4級化ポリビニルピリジ
ン、ポリエチレンイミン、4級化ポリエチレンイミン、
ポリアリルスルホン、ジシアンジアミド縮合物、ポリエ
チレンポリアミン系ポリマー、ポリアリルアミン、ポリ
ジアリルアミン、アルキルアミン・エピクロルヒドリン
縮合物、ポリアミン・エピクロルヒドリン系ポリマー、
ポリアルキレンポリ尿素、ポリアミドポリ尿素、ジメチ
ルアリルアンモニウムクロリド、カチオン性ビニル共重
合体等が開示されている(特開平7−315632号公
報及び特開平8−51487号公報参照)。
【0006】従って、同様にして水性染料に耐水性及び
非転写性を施すことができるという考えに基づいて、イ
ンクジェット記録に好適なコールドシール接着剤を得る
ことができることが期待された。例えば、特開平10−
52985号公報は、インクジェット方式のプリンター
用の記録用紙において通常使用されているカチオン性高
分子を、従来型コールドシール接着剤に添加してインク
ジェット記録に好適なコールドシール接着剤を得る方法
を開示している。しかし、水性染料の耐水性及び非転写
性は向上するが、コールドシール接着剤の粘度は、揺変
性が大きく、特性が必ずしも安定しないことが記載され
ている。さらに、この方法には、カチオン性高分子の水
溶性が高いため、オフセット印刷時に、オフセット版を
汚すというオフセット印刷適性の問題も有る。
【0007】また、特開平9−71758号公報は、従
来型コールドシール接着剤の接着成分である変性天然ゴ
ムに添加しても系の安定性を比較的良好に保ち得る弱カ
チオン性高分子を、従来型コールドシール接着剤に添加
してインクジェット記録に好適なコールドシール接着剤
を得る方法を開示している。しかし、この方法では添加
する高分子のカチオン性が弱いから、添加量が少ないと
水性染料に十分な耐水性と非転写性を付与することがで
きない。そこで、弱カチオン性高分子の添加量を増加す
ると、接着力が低下するという問題が発生する。従っ
て、この方法では、特性のバランスのよいインクジェッ
ト記録に好適なコールドシール接着剤を容易に得ること
が困難である。
【0008】実際、本発明者らも、カチオン性高分子を
従来型コールドシール接着剤に添加すると、コールドシ
ール接着剤の分散系が不安定化することを確認した。さ
らに、水性染料の耐水性及び非転写性を向上するため
に、従来型コールドシール接着剤へのカチオン性高分子
の添加量を増加すると、即座に又は保存中に、粘度増
加、凝集物発生及び/又はゲル化等を生じ、コールドシ
ール接着剤として使用することが不可能になることも確
認した。
【0009】従って、単純に、従来型コールドシール接
着剤に、従来から使用されているカチオン性高分子を配
合することによって、水性染料の耐水性が向上し、再剥
離時の印字の転写性が低下し、さらにオフセット印刷適
性が良好なインクジェット記録に好適なコールドシール
接着剤を得ることは困難といえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決するためになされたもので、その課題は、前もっ
て塗工されたコールドシール接着剤上に、インクジェッ
ト方式のプリンターを使用して記録した後、印字部に水
が付着してもインクジェットプリンターの水性染料が水
に溶出するという耐水性の問題が緩和され、好ましくは
実質的に解消され、かつ印字面を圧着後剥離する際に、
印字が反対面に転写するという水性染料の転写性の問題
が緩和され、好ましくは実質的に解消され、更には、オ
フセット印刷適性も良好であって、これらの特性を容易
に適宜調節することができる、総合的な性能が高いコー
ルドシール接着剤を提供することである。
【0011】また、本発明の課題は、用紙の印刷面に塗
工して乾燥して情報を印刷後、又は用紙の印刷面に情報
を印刷して塗工して乾燥後、インクジェット方式のプリ
ンターを使用して記録した後に、印字部に水が付着して
もインクジェットプリンターの水性染料が水に溶出する
という耐水性の問題が緩和され、好ましくは実質的に解
消され、かつ印字面を圧着後剥離する際に、印字が反対
面に転写するという水性染料の転写性の問題が緩和さ
れ、好ましくは実質的に解消され、更には、オフセット
印刷適性も良好であって、これらの特性を容易に適宜調
節することができる、総合的な性能が高いコールドシー
ル接着剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨によ
れば、新たな接着剤が提供され、それは、接着成分及び
両性高分子を含んで成ることを特徴とするコールドシー
ル接着剤である。これは、特に、用紙の印刷した面又は
印刷していない用紙の面に接着剤を塗工して乾燥後、情
報等を記録し、この記録した面を他の塗工後の面と一体
に圧着して再剥離可能とするためのコールドシール接着
剤に好適である。本発明において「接着成分」とは、接
着力の主体となり自着性を有し従来型コールドシール接
着剤の接着成分として使用されているものをいい、「両
性高分子」とは、1つの分子中にカチオン基及び/又は
カチオン基と成り得る官能基ならびにアニオン基及び/
又はアニオン基と成り得る官能基を含んで成る高分子を
いい、本発明においては、この両者を配合することによ
って、「インクジェット方式のプリンター用の水性染料
に向上した耐水性及び非転写性を施したインクジェット
記録に好適な」コールドシール接着剤を提供するもので
ある。即ち、本発明は、従来型コールドシール接着剤の
接着成分を含んで成る接着剤に、通常のカチオン性高分
子ではなく、両性高分子を配合するという特徴を有する
ものである。
【0013】また、本発明の1つの態様によれば、新た
な接着剤は、特に、用紙の印刷面(即ち、印刷すべき
面)に接着剤を塗工して乾燥後、情報を印刷し、インク
ジェット記録した後の面を、他の塗工後の面と一体に圧
着して再剥離可能な用紙を形成するためのコールドシー
ル接着剤に好適である。なお、塗工前に用紙は印刷及び
/又は記録されていてもよい。さらに、本発明の別の1
つの態様によれば、新たな接着剤が提供され、これは特
に、用紙の印刷面(即ち、印刷すべき面)に情報を印刷
後、接着剤を塗工して乾燥し、インクジェット記録後の
面を、他の塗工後の面と一体に圧着して再剥離可能な用
紙を形成するためのコールドシール接着剤に好適であ
る。
【0014】ここで、本発明において「他の塗工後の
面」とは、本発明のコールドシール接着剤が塗工され乾
燥された他のいずれの面(通常、用紙の面)であっても
よく、例えば、そのような面は、塗工前に印刷されてい
てもよく、又は塗工後に印刷されていてもよく、さら
に、塗工前に記録されていてもよく、又は塗工後に記録
されていてもよい。具体的には、塗工→印刷→記録、塗
工→記録、塗工→印刷、印刷→塗工→記録、印刷→塗
工、又は塗工のみの処理された面等をいう。この「他の
塗工後の面」は、接着剤を塗工した用紙の一部分であっ
ても、又は接着剤で塗工した別の用紙であってもよい。
【0015】「圧着」とは、従来からコールドシールに
用いられる処理と同様に、接着剤を塗工した2つの面同
士を接触するように重ねて圧力及び必要に応じて熱を加
えて2つの面を一体に接着することをいう。これによっ
て、一時的に接着し記録した情報を隠蔽することができ
る。用いる圧力は、通常使用されているものであってよ
く、具体的には、例えば、線圧100kg/cmであっ
てよい。さらに、「再剥離可能」とは、上述のように一
体に接着して情報を隠蔽した2つの面を、記録した情報
等の識別が可能なように、容易に手で剥離できることを
いう。このような圧着及び再剥離を可能ならしめるもの
が、コールドシール接着剤と呼ばれている。
【0016】両性高分子は、「カチオン性単量体」及び
「アニオン性単量体」を必須成分として含む単量体混合
物であって、「他の重合可能な単量体」を含んで成って
もよい単量体混合物を共重合することによって得ること
ができる。
【0017】ここで、「カチオン性単量体」とは、カチ
オン基及び/又はカチオン基と成り得る官能基ならびに
重合性の官能基を含んで成る化合物であって、「カチオ
ン基と成り得る官能基」とは、酸等と反応してカチオン
基を生じる官能基であり、例えば、アミノ基、ピリジル
基等であり、「カチオン基」とは、例えば、アンモニウ
ム基、ピリジニウム基等である。「カチオン基及び/又
はカチオン基と成り得る官能基ならびに重合性の官能基
を含んで成る化合物」として、例えば、(C1)(メ
タ)アクリル酸エステルの1級アミン類及びその1級ア
ンモニウム塩類、(C2)(メタ)アクリル酸エステル
の2級アミン類及びその2級アンモニウム塩類、(C
3)(メタ)アクリル酸エステルの3級アミン類及びそ
の3級アンモニウム塩類、(C4)(メタ)アクリル酸
エステルの4級アンモニウム塩類、(C5)(メタ)ア
クリル酸ピリジルアルキルエステル類及びそのピリジニ
ウム塩類、(C6)(メタ)アクリル酸ピリジルアルキ
ルエステルのN−置換ピリジニウム塩類、(C7)ビニ
ルピリジン類及びそのピリジニウム塩類、(C8)N−
置換ビニルピリジニウム塩類等を例示することができ
る。
【0018】特に、 (C3)としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸
メチルエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エチル
ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸エチルベンジ
ルアミノエチル等及びその塩類等: (C4)としては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ
エチルメチルクロリド塩、(メタ)アクリル酸ジメチル
アミノエチルベンジルクロリド塩、(メタ)アクリル酸
ジメチルアミノプロピルエピクロルヒドリン塩酸塩等: (C5)としては、(メタ)アクリル酸ピリジルエチ
ル、(メタ)アクリル酸ピリジルプロピル、(メタ)ア
クリル酸ピリジルブチル等及びその塩類等: (C6)としては、(メタ)アクリル酸メチルピリジニ
ウムエチルクロリド、(メタ)アクリル酸エチルピリジ
ニウムエチルブロミド、(メタ)アクリル酸ブチルピリ
ジニウムエチルクロリド、(メタ)アクリル酸メチルピ
リジニウムプロピルクロリド、(メタ)アクリル酸ベン
ジルピリジニウムエチルクロリド等及びその塩類等: (C7)としては、ビニルピリジン等及びその塩類等: (C8)としては、N−メチルビニルピリジニウムクロ
リド、N−エチルビニルクロリド、N−フェニルビニル
クロリド 等が好ましい。なお、上述のアンモニウム塩類及びピリ
ジニウム塩類の対アニオンはフッ素イオン、塩素イオ
ン、臭素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イ
オン等を例示することができる。これらのカチオン性単
量体を、単独もしくは組み合わせて、目的とする両性高
分子の特性に応じて適宜使用することができる。
【0019】さらに、上述のカチオン性単量体の中でも
インクジェット用水性染料に十分な耐水性を付与するた
めには、「4級化され得るカチオン性単量体及び/又は
4級化されたカチオン性単量体」が、上述のカチオン性
単量体中に10〜100重量%含まれるのが好ましく、
50〜100重量%含まれるのがより好ましく、80〜
100重量%含まれるのが特に好ましい。ここで、「4
級化され得るカチオン性単量体もしくは4級化されたカ
チオン性単量体」とは、3級アミノ基及び/又は4級ア
ンモニウム基とエチレン性二重結合を有する単量体であ
って、例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メ
タ)アクリル酸エステルの3級アミン類: (メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロリ
ド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルベンジ
ルクロリド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロ
ピルエピクロルヒドリン塩酸塩等の(メタ)アクリル酸
エステルの4級アミン塩類等を例示することができ、特
に、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルク
ロリド塩、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル
エピクロルヒドリン塩酸塩、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミドエピクロルヒドリン塩酸塩、
(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等が好まし
い。
【0020】また、「アニオン性単量体」とは、アニオ
ン基及び/又はアニオン基と成り得る官能基ならびに重
合性の官能基を含んで成る化合物であって、「アニオン
基と成り得る官能基」とは、塩基等と反応してアニオン
基を生じる官能基であって、例えば、カルボキシル基、
スルホ基、リン酸基等であり、「アニオン基」とは、例
えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩等であ
る。「アニオン基及び/又はアニオン基と成り得る官能
基ならびに重合性の官能基を含んで成る化合物」とは、
例えば、 (A1)アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマ
ール酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル等のカル
ボキシル基とエチレン性二重結合を有する単量体類及び
その塩類: (A2)スチレンスルホン酸等のスルホ基とエチレン性
二重結合を有する単量体及びその塩類: (A3)(メタ)アクリル酸オキシエチルアミドフォス
フェート等を例示することができる。なお、塩類の対カ
チオンはアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン類等
が好ましく、特には、アンモニウムイオン、カリウムイ
オン、ナトリウムイオンが好ましい。これらのアニオン
性単量体を、単独もしくは組み合わせて、目的とする両
性高分子の特性に応じて適宜使用することができる。
【0021】さらに、本発明において、他の重合可能な
単量体とは、カチオン性単量体及びアニオン性単量体と
共重合することができる官能基を含んで成る化合物であ
って、例えば、 (M1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類 (M2)(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、等の(メタ)アク
リル酸ヒドロキシアルキルエステル類: (M3)(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル
酸メチロールアミド等の(メタ)アクリル酸アミド類: (M4)(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基
を有する(メタ)アクリル酸エステル類: (M5)スチレン、ビニルトルエン等の芳香族エチレン
性単量体類: (M6)エチレン等、ブタジエン、イソプレン等のジエ
ン類: (M7)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル単
量体類: (M8)塩化ビニル、塩化ビニレン等の塩素化ビニル単
量体類: (M9)アクリロニトリル等のシアノ基を有するエチレ
ン性単量体類等を例示することができる。これらの他の
重合可能な単量体を、単独もしくは組み合わせて、目的
とする両性高分子の特性に応じて適宜使用することがで
きる。
【0022】本発明において、単量体混合物に混合され
るカチオン性単量体中のカチオン基およびカチオン基と
成り得る官能基とアニオン性単量体中のアニオン基及び
アニオン基と成り得る官能基のモル比(カチオン基およ
びカチオン基と成り得る官能基/アニオン基及びアニオ
ン基と成り得る官能基)は、90/10〜10/90が
好ましく、80/20〜50/50がより好ましく、8
0/20〜70/30が特に好ましい。また、本発明に
おいて、単量体混合物は、カチオン性単量体とアニオン
性単量体の合計を、単量体混合物100重量%として、
好ましくは20〜100重量%含み、より好ましくは7
0〜100重量%含み、特に好ましくは90〜100重
量%含む。
【0023】両性高分子は、通常の重合方法を使用し
て、適宜触媒等を用いて、上述の単量体混合物を共重合
することによって製造することができる。重合反応は、
水性溶媒中で行ってもよいが、有機溶媒中で共重合を行
った後溶媒を水性溶媒に変換してもよい。反応温度、反
応時間、溶媒の種類、単量体混合物の種類及び濃度、攪
拌速度、触媒の種類及び濃度等の重合反応の条件は、目
的とする両性高分子の特性等によって、適宜選択され得
るものである。
【0024】ここで「触媒」とは、少量の添加によって
単量体混合物の重合反応を起こさせることができる化合
物であって、水性溶媒及び有機溶媒中で使用することが
できるものが好ましい。例えば、過硫酸アンモニウム、
過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、
2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、
2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロ
リド、2,2―アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)等を例示することができ、特に、2,2−アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)、2,2−アゾビス
(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリドが好ましい。
【0025】なお、本発明において「水性溶媒」とは、
主に水であるが、水溶性の有機溶剤、例えば、アセト
ン、低級アルコール等を適宜水に添加して使用すること
もできる。また、本発明において「有機溶媒」とは、重
合反応及び接着剤としての特性に実質的に悪影響を与え
ないものであれば特に限定されないが、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エ
チル等及びそれらの組み合わせを例示することができ
る。
【0026】両性高分子の分子量は、重量平均分子量に
おいて5000以下の低分子量の場合と1000000
以上の高分子量の場合は、接着剤としての特性から好ま
しくない。さらにまた本発明においては、両性高分子の
電気的特性、即ち正電荷及び負電荷の強度ならびに全体
の電荷等を単量体混合物の組成を好ましい組み合わせに
適宜選択することによって容易に調節することができる
ので、水性染料の種類に応じてその耐水性及び非転写性
を調節することが容易であって、水性染料の種類に適切
に対応するコールドシール接着剤を容易に提供すること
ができる。
【0027】本発明において「接着成分」とは、接着力
の主体となる成分であって、従来型コールドシール接着
剤の接着成分として使用されているものであり、自着性
を有するものである。例えば、天然ゴムラテックス系の
接着成分、変性天然ゴムラテックス系の接着成分及び合
成ゴム系ラテックス系の接着成分を例示することができ
る。これらは、単独もしくは混合することによって、本
発明の接着成分として使用することができる。このよう
な接着成分には、具体的には、特開平5−295335
号公報、特開平5−186640号公報、特開平9−3
10055号公報等に開示されているものが含まれ、目
的とする特性に応じて適宜選択し、本発明の接着成分と
して使用することができる。なお、本引用により、これ
らの明細書の内容は本明細書の内容をなす。
【0028】本発明において、「天然ゴムラテックス系
の接着成分」とは、天然に産するゴムのエマルションを
接着力の主体とする接着成分である。また、「変性天然
ゴムラテックス系の接着成分」とは、天然ゴムラテック
スを重合性単量体を用いて共重合してその特性を変性し
た天然ゴムラテックス等であって、例えば、天然ゴムラ
テックスを、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、
スチレン等の各種不飽和モノマーと共重合することによ
って変性した天然ゴムラテックス等を例示することがで
き、具体的には、アクリル酸アルキルエステルを共重合
させてアクリル変性した天然ゴムラテックスを例示する
ことができる(特開平5−295335号公報参照)。
なお、変性天然ゴムラテックスは、所望の特性に応じ
て、共重合する単量体の種類及び共重合する量を適宜選
択することができる。
【0029】さらにまた、「合成ゴムラテックス系の接
着成分」とは、合成ゴムラテックスを接着力の主体とし
て含んで成る接着成分であって、例えば、SBRラテッ
クス、NBRラテックス、MBRラテックス、ネオプレ
ンラテックス等の合成ゴムラテックスを含んで成る接着
成分を例示することができる(特開平5−186640
号公報参照)。
【0030】本発明のコールドシール接着剤は、微粒子
充填剤を含んで成ってもよい。ここで、「微粒子充填
剤」とは、コールドシール接着剤において通常使用され
る微粒子充填剤であって、例えば、シリカゲル、中空シ
リカ、雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ケイ
ソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、穀
物澱粉、変性澱粉等を例示することができる。また、微
粒子充填剤は、通常粒子、好ましくは球状であって、そ
の寸法(球状の場合は直径)は、本発明の目的とする性
能を発揮すれば特に限定されない。これらの微粒子充填
剤は単独もしくは組み合わせて、必要とする特性に応じ
て適宜選択して使用することができ、コールドシール接
着剤として要求される接着性、耐ブロッキング性、印刷
適性、耐磨耗性、紙への密着性等の特性を容易かつ好適
に調節することができる。
【0031】さらに、本発明のコールドシール接着剤
は、助剤を含んで成ってもよい。ここで、「助剤」と
は、コールドシール接着剤において通常使用される助剤
であって、耐ブロッキング性、印刷適性、耐磨耗性、紙
への密着性等を付与するものであって、例えば、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、デンプン、ポリスチレンマ
レイン酸、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹
脂、SBR、NBR等の合成ゴム、アクリルエマルショ
ン等のポリオレフィン系エマルション類を例示すること
ができる。
【0032】本発明においては、上述のコールドシール
接着剤から両性高分子を除去した成分100重量部に対
して(例えば、コールドシール接着剤が接着成分と両性
高分子の2成分系のときは、接着成分100重量部に対
して、また、コールドシール接着剤がさらに微粒子充填
剤等の別の成分を含むときは接着成分及びその別の成分
の総和100重量部に対して)、両性高分子を5〜50
重量部含むのが好ましく、10〜30重量部含むのがよ
り好ましい。なお、両性高分子の添加量が、上述のコー
ルドシール接着剤から両性高分子を除去した成分100
重量部に対して、5重量部以下の場合は、水性インクに
十分な耐水性及び非転写性を施すことができず、また、
50重量部以上の場合は、コールドシール接着剤の接着
力が低下する可能性が有る。
【0033】本発明のコールドシール接着剤は、水性エ
マルションの形態であって、接着成分の変性天然ゴムラ
テックス及び合成ゴムラテックス等ならびに両性高分子
等が、水性媒体中に分散している形態を有している。こ
の形態を維持し、適切な接着特性を発現させるために、
水性溶媒を適宜添加して製造し、保存し、使用すること
ができる。
【0034】さらにまた、別の1つの態様においては、
本発明のコールドシール接着剤は、カチオン性高分子を
含んで成る。本発明においては、上述したように両性高
分子を配合することによって、水性染料に耐水性及び非
転写性を施しているが、さらに必要に応じて、また所望
の特性に応じて、さらに少量のカチオン性高分子をイン
クジェット記録用コールドシール接着剤に配合すること
によって、水性染料の耐水性及び非転写性の強さ等を容
易に調節することができ、耐水性及び非転写性について
万全を期することができる。
【0035】ここで、本発明において、「カチオン性高
分子」とは、正の電荷を帯びた高分子であって、少量の
添加では、コールドシール接着剤の接着特性等に悪影響
を及ぼさないものであれば、カチオン性の強さに特に限
定されるものではなく、例えば、ポリジメチルアミンア
ンモニアエピクロルヒドリン、ポリジメチルアミンエチ
レンジアミンエピクロルヒドリン等(特開平10−52
985号公報参照)、ジアリルジメチルアンモニウムク
ロリド、ポリアミド・エポキシ系樹脂、ポリアミド・尿
素樹脂、アルデヒド系樹脂及びメラニン系樹脂等(特開
平9−71758号公報参照)を例示することができ
る。特に、ポリジメチルアミンアンモニアエピクロルヒ
ドリン、ジアリルジメチルアンモニアクロリド等を好適
に使用することができる。
【0036】カチオン性高分子を、 上述のコールドシ
ール接着剤から両性高分子を除去した成分100重量部
当たり、1〜10重量部混合するのが好ましく、3〜5
重量部混合するのがより好ましい。なお、添加量を20
重量部以上とすると、得られるコールドシール接着剤に
粘度増加、ゲル化及び/又は凝集物の発生等を生ずる。
さらに、オフセット印刷を行う際は、これらがオフセッ
ト版を汚す原因となり、好ましくない。これらのカチオ
ン性高分子を、単独もしくは組み合わせて、所望する特
性に応じて適宜選択して使用することによって、水性染
料の耐水性及び非転写性に関して万全を期することがで
き、より総合的な性能が優れているコールドシール接着
剤を提供することができる。
【0037】なお、本発明においては、各種添加剤をコ
ールドシール接着剤に配合することができる。ここで
「添加剤」とは、コールドシール接着剤において必要に
より通常使用される添加剤であって、例えば、滑剤、印
刷適性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電剤、蛍
光塗料、着色染料、安定剤、消泡剤、防かび剤、防バク
テリア剤、増粘剤、保湿剤等をあげることができる。さ
らにまた、本発明においては、コールドシール接着剤の
耐ブロッキング性を高めるために、添加剤としてポリエ
チレン分散液及び/又は粘着特性を付与するために、ロ
ジン系等のタッキファイヤーを添加することができる。
これらの添加剤は単独もしくは組み合わせて、必要とす
る特性に応じて適宜選択して使用することができ、印刷
適性、安定性、防かび性等に優れたコールドシール接着
剤を提供することができる。
【0038】なお、本発明に係るコールドシール接着剤
は、特に親展性はがきについて好適に使用することがで
きるのはもちろんであるが、このほかに、親展性封筒、
親展性を有する情報隠蔽用紙、折り畳み接着用紙及び重
ね合わせ接着用紙等についても好適に使用することがで
きる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例は
本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって
何ら限定されるものではない。
【0040】実施例1 10重量部のアクリル酸、90重量部のメタクリル酸ジ
メチルアミノエチルメチルクロリド塩[(CH2=C
(CH3)COOCH2CH2N(CH33+Cl-]を
900重量部の蒸留水に加え、攪拌しつつ1重量部の
2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロ
リドを添加した後、80℃に加熱して3時間反応させて
両性高分子を合成した。両性高分子は、反応後の混合物
の状態のまま使用した。一方、常套の方法によって天然
ゴムラテックスにメタクリル酸メチルを共重合して得た
メタクリル酸メチル変性天然ゴムラテックス100重量
部に対して、非晶質シリカ、澱粉及び炭酸カルシウムか
ら成る微粒子充填剤を180重量部ならびに助剤30重
量部を配合した混合物を100重量部として上述の両性
高分子を20重量部添加して、目的とするコールドシー
ル接着剤を得た。
【0041】このコールドシール接着剤の分散安定性
を、接着剤のグリット値(コールドシール接着剤を配合
した時の凝集物の発生の有無)、コールドシール接着剤
の粘度の変化、コールドシール接着剤の目視観察によっ
て評価した。粘度は、B型粘度計(30℃)を用いて測
定した。グリットの発生が認められず、粘度の増加が実
質的に無く、目視で凝集物を観察できなかったものを
○、グリットの発生が認められず、目視で凝集物を観察
できなくとも、粘度が増加したものを△、グリットの発
生が認められ、粘度が増加し、ゲル化したものを×とし
た。結果は、表1に示した。
【0042】コールドシール接着剤の評価方法 (1)試験用紙の作成 コールドシール接着剤を、上質紙(130g/m2)か
らなる支持体シートの片面に、乾燥後の塗工量が10g
/m2となるように塗工、乾燥して、接着剤塗工シート
を得た。この接着剤塗工シートに、インクジェット方式
のプリンターにより、サイテックス社製の#1007の
黒インクを使用して印字して、試験用紙とした。
【0043】(2)水性染料の耐水性の評価 水性染料の耐水性の評価は、塗工シートに印字してから
5分後に、試験用紙の印字部分を水に3分間浸漬した
後、印字のにじみ及び水性染料の水への溶出の有無なら
びに試験用紙を水から取り出した後の印字の総合的な様
子を目視で観察することによって行った。試験用紙の印
字が、水に浸漬前と比較して全く変化しなかった場合を
○、わずかに変化したが目立たない場合を△、少しでも
目立つ変化を生じた場合を×とした。結果は表1に示し
た。
【0044】(3)水性染料の非転写性の評価 水性染料の非転写性の評価は、塗工シートに印字してか
ら5分後の試験用紙を、温度20℃、湿度60%におい
て100kg/cmの線圧でプレスし、30分経過後に
再剥離する際に、水性染料の転写の有無を目視で観察す
ることによって行った。試験用紙の印字が、全く転写し
なかった場合を○、わずかに転写したが目立たない場合
を△、少しでも目立つ転写を生じた場合を×とした。結
果は表1に示した。
【0045】(4)耐ブロッキング性の評価 耐ブロッキング性の評価については、塗工シートの塗工
面同士を密着させて、10kg/cm2の圧力を加えた
後、温度20℃、湿度60%において24時間放置後の
状態を目視観察することによって評価した。全く接着し
ていないものを○、わずかに接着しているものを△、接
着しているものを×とした。結果は、表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】実施例2 実施例1において、両性高分子の添加量を10重量部に
変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のコ
ールドシール接着剤を得た。実施例1に記載した方法と
同様にして、実施例2のコールドシール接着剤の分散安
定性、水性染料の耐水性、非転写性及び耐ブロッキング
性を評価した。結果は、表1に示した。
【0048】実施例3 実施例1において、両性高分子の添加量を40重量部に
変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のコ
ールドシール接着剤を得た。実施例1に記載した方法と
同様にして、実施例3のコールドシール接着剤の分散安
定性、水性染料の耐水性、非転写性及び耐ブロッキング
性を評価した。結果は、表1に示した。
【0049】実施例4 実施例1の両性高分子の合成において、アクリル酸を2
0重量部に、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチル
クロリド塩を80重量部に変更した以外は、実施例1と
同様にして、実施例4のコールドシール接着剤を得た。
実施例1に記載した方法と同様にして、実施例4のコー
ルドシール接着剤の分散安定性、水性染料の耐水性、非
転写性及び耐ブロッキング性を評価した。結果は、表1
に示した。
【0050】実施例5 10重量部のアクリル酸、30重量部のメタクリル酸ジ
エチルアミノエチル及び60重量部のメタクリル酸ジメ
チルアミノエチルメチルクロリド塩[(CH2=C(C
3)COOCH2CH2N(CH33+Cl-]を15
0重量部のプロパノールに加え、攪拌しつつ1重量部の
AIBNを添加した後、80℃に加熱して3時間反応後
させて両性高分子を合成した。その後900重量部の蒸
留水を加えた後、プロパノールを減圧回収して、両性高
分子の水溶液を得た。両性高分子は、この混合物の状態
のまま使用した。実施例1において、両性高分子を実施
例5で合成した両性高分子に変更した以外は、実施例1
と同様にして、実施例5のコールドシール接着剤を得
た。実施例1に記載した方法と同様にして、実施例5の
コールドシール接着剤の分散安定性、水性染料の耐水
性、非転写性及び耐ブロッキング性を評価した。結果
は、表1に示した。
【0051】実施例6 実施例5の両性高分子の合成において、使用した単量体
を20重量部のアクリル酸、20重量部のジメチルアミ
ノプロピルメタクリルアミドエピクロクヒドリン塩酸塩
及び60重量部のメタクリル酸メチルに変更した以外
は、実施例5に記載した方法と同様にして、両性高分子
を合成した。実施例1において、両性高分子を実施例6
で合成した両性高分子に変更した以外は、実施例1と同
様にして、実施例6のコールドシール接着剤を得た。実
施例1に記載した方法と同様にして、実施例6のコール
ドシール接着剤の分散安定性、水性染料の耐水性、非転
写性及び耐ブロッキング性を評価した。結果は、表1に
示した。
【0052】実施例7 実施例6のコールドシール接着剤から両性高分子を除去
した成分を100重量部として、さらにカチオン性高分
子であるポリジメチルアミンアンモニアエピクロルヒド
リンを2重量部加えた以外は、実施例6と同様にして、
実施例7のコールドシール接着剤を得た。実施例1に記
載した方法と同様にして、実施例7のコールドシール接
着剤の分散安定性、水性染料の耐水性、非転写性及び耐
ブロッキング性を評価した。結果は、表1に示した。
【0053】実施例8 実施例6のコールドシール接着剤から両性高分子を除去
した成分を100重量部として、さらにカチオン性高分
子であるジアリルジメチルアンモニアクロリドを2重量
部加えた以外は、実施例6と同様にして、実施例8のコ
ールドシール接着剤を得た。実施例1に記載した方法と
同様にして、実施例8のコールドシール接着剤の分散安
定性、水性染料の耐水性、非転写性及び耐ブロッキング
性を評価した。結果は、表1に示した。
【0054】比較例1 実施例1の両性高分子をカチオン性高分子のポリジメチ
ルアミンアンモニアエピクロルヒドリンに変更した以外
は、実施例1と同様にして、比較例1のコールドシール
接着剤を得た。実施例1に記載した方法と同様にして、
比較例1のコールドシール接着剤の分散安定性、水性染
料の耐水性、非転写性及び耐ブロッキング性を評価し
た。結果は、表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】比較例2 実施例1において両性高分子の合成において、使用した
単量体を50重量部のメタクリル酸ジメチルアミノエチ
ルクロリドのみに変更した以外は、実施例1と同様にし
て、比較例2のコールドシール接着剤を得た。実施例1
に記載した方法と同様にして、比較例2のコールドシー
ル接着剤の分散安定性、水性染料の耐水性、非転写性及
び耐ブロッキング性を評価した。結果は、表2に示し
た。
【0057】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。接着成
分にカチオン性単量体及びアニオン性単量体を含んで成
る単量体を共重合した両性高分子を混合することによ
り、新規なコールドシール接着剤を提供することができ
る。
【0058】接着成分にカチオン性単量体及びアニオン
性単量体を含んで成る単量体を共重合した両性高分子を
混合することにより、インクジェット方式のプリンター
用水性染料に耐水性及び非転写性を施すことができ、オ
フセット印刷適性に優れる、分散安定性の良好なコール
ドシール接着剤を提供することができる。
【0059】さらに、カチオン性高分子を混合すること
により、インクジェット方式のプリンター用水性染料の
耐水性及び非転写性を容易に最適化することができ、よ
り好適なコールドシール接着剤の提供に万全を期するこ
とができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−52985(JP,A) 特開 平10−879(JP,A) 特開 平9−157611(JP,A) 特開 平11−78223(JP,A) 特開 平9−194812(JP,A) 特開 平5−295335(JP,A) 特開 平11−181381(JP,A) 特開 平10−36471(JP,A) 特開 平11−123867(JP,A) 特開 平9−310055(JP,A) 特開 平10−95964(JP,A) 特開 平11−170739(JP,A) 特開 平11−209437(JP,A) 特開 平6−271822(JP,A) 特開 平10−157344(JP,A) 特開 昭57−87481(JP,A) 特開 平11−181394(JP,A) 特開 平9−119094(JP,A) 特開 平9−310056(JP,A) 特開 平11−58940(JP,A) 特開 平4−311786(JP,A) 特開 平7−9757(JP,A) 特開 平11−198276(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 B41M 5/00 - 5/26 B42D 15/00 - 15/10

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着成分、並びにカチオン性単量体及び
    アニオン性単量体を必須成分として含む単量体混合物を
    共重合することによって得ることができる両性高分子を
    含んで成ることを特徴とするコールドシール接着剤であ
    って、 カチオン性単量体が、アミノ基とエチレン性二重結合を
    有する単量体及び/又はピリジル基とエチレン性二重結
    合を有する単量体及び/又はアンモニウム基とエチレン
    性二重結合を有する単量体及び/又はピリジニウム基と
    エチレン性二重結合を有する単量体を含んで成り、 アニオン性単量体が、カルボキシル基とエチレン性二重
    結合を有する単量体及び/又はカルボン酸塩とエチレン
    性二重結合を有する単量体及び/又はスルホ基とエチレ
    ン性二重結合を有する単量体及び/又はスルホン酸塩と
    エチレン性二重結合を有する単量体及び/又はリン酸基
    とエチレン性二重結合を有する単量体及び/又はリン酸
    塩とエチレン性二重結合を有する単量体を含んで成るコ
    ールドシール接着剤。
  2. 【請求項2】 用紙の印刷面に塗工して乾燥後、情報を
    印刷し、インクジェット記録後、この記録した面を他の
    塗工後の面と一体に圧着して再剥離可能とするための請
    求項1に記載のコールドシール接着剤。
  3. 【請求項3】 用紙の印刷面に情報を印刷後、塗工して
    乾燥し、インクジェット記録後、この記録した面を他の
    塗工後の面と一体に圧着して再剥離可能とするための請
    求項1に記載のコールドシール接着剤。
  4. 【請求項4】 カチオン性単量体が、3級アミノ基及び
    /又は4級アンモニウム基とエチレン性二重結合を有す
    る単量体を含んでなることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のコールドシール接着剤。
  5. 【請求項5】 アニオン性単量体が、カルボキシル基と
    エチレン性二重結合を有する単量体及び/又はスルホ基
    とエチレン性二重結合を有する単量体を含んでなること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコールド
    シール接着剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のコール
    ドシール接着剤から両性高分子を除去した成分100重
    量部に対して、両性高分子を5〜50重量部含んで成る
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコー
    ルドシール接着剤。
  7. 【請求項7】 両性高分子が、カチオン性単量体とアニ
    オン性単量体を含んで成る単量体混合物の共重合体であ
    って、カチオン性単量体中のカチオン基およびカチオン
    基と成り得る官能基とアニオン性単量体中のアニオン基
    及びアニオン基と成り得る官能基のモル比(カチオン基
    およびカチオン基と成り得る官能基/アニオン基及びア
    ニオン基と成り得る官能基)が、90/10〜10/9
    0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載のコールドシール接着剤。
  8. 【請求項8】 両性高分子が、カチオン性単量体とアニ
    オン性単量体の合計を20〜100重量%含んで成る単
    量体混合物の共重合体であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載のコールドシール接着剤。
  9. 【請求項9】 両性高分子が、 カルボキシル基とエチレン性二重結合を有する単量体:
    5〜30重量%、 3級アミノ基及び/又は4級アンモニウム基とエチレン
    性二重結合を有する単量体:15〜95重量%、及び (メタ)アクリル酸アルキルエステル:残部から成る単
    量体混合物の共重合体であることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかに記載のコールドシール接着剤。
  10. 【請求項10】 接着成分が、天然ゴムラテックス、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合することに
    よって変性された変性天然ゴムラテックスもしくは合成
    ゴムラテックス又はそれらの組み合わせであることを特
    徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のコールドシー
    ル接着剤。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のコ
    ールドシール接着剤から両性高分子を除去した成分10
    0重量部に対して、カチオン性高分子を1〜10重量部
    含んで成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか
    に記載のコールドシール接着剤。
JP11006314A 1999-01-13 1999-01-13 コ―ルドシ―ル接着剤 Expired - Fee Related JP3065303B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11006314A JP3065303B1 (ja) 1999-01-13 1999-01-13 コ―ルドシ―ル接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11006314A JP3065303B1 (ja) 1999-01-13 1999-01-13 コ―ルドシ―ル接着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3065303B1 true JP3065303B1 (ja) 2000-07-17
JP2000204339A JP2000204339A (ja) 2000-07-25

Family

ID=11634922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11006314A Expired - Fee Related JP3065303B1 (ja) 1999-01-13 1999-01-13 コ―ルドシ―ル接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3065303B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101264633B (zh) * 2007-03-12 2010-12-22 光联兴业股份有限公司 具有天然石纹的人造石材的制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101264633B (zh) * 2007-03-12 2010-12-22 光联兴业股份有限公司 具有天然石纹的人造石材的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000204339A (ja) 2000-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3727167B2 (ja) 感熱記録材料用ラテックス、感熱記録材料およびその製造方法
WO2014098109A1 (ja) 感圧接着剤組成物、感圧接着剤、および感圧接着剤が塗工された情報担持用シート
JP3499153B2 (ja) 変性天然ゴムラテックス及びコールドシール接着剤
JP3065303B1 (ja) コ―ルドシ―ル接着剤
JP3476388B2 (ja) コールドシール接着剤
JP3495981B2 (ja) コールドシール接着剤
JP3458589B2 (ja) 製紙用表面サイズ剤組成物
JP3098967B2 (ja) 透明皮膜形成可能なコールドシール接着剤
JP3504906B2 (ja) コールドシール接着剤
JP2004106547A (ja) 基体シート
JP3160710B2 (ja) インクジェット記録用シートのコート剤
JP3604358B2 (ja) コールドシール接着剤
JPH1052985A (ja) インクジェット用圧着紙
JP4839090B2 (ja) 再剥離性圧着記録用紙
JP2000144091A (ja) 自己接着性組成物、及び自己接着性記録用シートとその製造方法
JP2007268922A (ja) インクジェット記録用圧着葉書用紙
JP2004083790A (ja) 感圧接着シート
JP2003226071A (ja) インクジェット記録用感圧接着剤およびインクジェット記録用感圧接着シート
JP4253171B2 (ja) コールドシール接着剤
JP3509381B2 (ja) 記録紙用耐水化剤
JP4738850B2 (ja) 再剥離性圧着記録用紙
JP4753564B2 (ja) 再剥離性圧着記録用紙
JP2005162923A (ja) 感圧接着剤組成物及びそれを用いた再剥離性圧着記録用紙
JPH0892534A (ja) 再剥離性の感圧性機密シート
JPH10158616A (ja) 接着剤組成物及びそれを用いた情報担体シート

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees