JP3065242B2 - 高純度コバルトの製造方法及び高純度コバルトスパッタリングターゲット - Google Patents

高純度コバルトの製造方法及び高純度コバルトスパッタリングターゲット

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JP3065242B2
JP3065242B2 JP8060362A JP6036296A JP3065242B2 JP 3065242 B2 JP3065242 B2 JP 3065242B2 JP 8060362 A JP8060362 A JP 8060362A JP 6036296 A JP6036296 A JP 6036296A JP 3065242 B2 JP3065242 B2 JP 3065242B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度コバルトの
製造方法及びそれを使用して作製された高純度コバルト
スパッタリングターゲットに関するものである。本発明
により作製された高純度コバルトは、アルカリ金属元
素、放射性元素、遷移金属元素のみならず、ガス成分等
の不純物をも最小限しか含まない極めて高純度のもので
あり、VLSIの電極及び配線形成用のターゲット材等
として好適に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイスにおける電極材料
としてポリシリコンが主に用いられてきたが、LSIの
高集積化に伴い、モリブテン、タングステン等のシリサ
イドにの利用が進み、さらにはチタン、コバルトシリサ
イドの活用に関心が集まっている。また、従来から用い
られてきたAl、Al合金にかえてコバルトを配線材と
して用いる試みも進んでいる。こうした電極や配線は代
表的に、コバルト製ターゲットをアルゴン中でスパッタ
することにより形成される。
【0003】スッパタリング後に形成される半導体部材
は、信頼性のある半導体動作性能を保証するためには、
半導体デバイスに有害な金属不純物が最小限しか含まれ
ていないことが重要である。つまり、 (1)Na、K等のアルカリ金属 (2)U、Th等の放射性元素 (3)Fe、Ni、Cr等の遷移金属 (4)C、O等のガス成分 である。Na、K等のアルカリ金属は、ゲート絶縁膜中
を容易に移動し、MOS−LSI界面特性の劣化の原因
となる。そして、U、Th等の放射性元素は該元素より
放出するα線によって素子のソフトエラーの原因とな
る。一方、Fe、Ni、Cr等の重金属もまた界面接合
部のトラブルの原因となる。また、C、O等のガス成分
も、スパッタリングの際のパーティクル発生の原因とな
るため好ましくないと考えられている。
【0004】一般的に入手されるコバルト、いわゆる粗
コバルト塊は数十ppmのFeそして数百ppmのNi
を不純物として含有している。これからの高純度コバル
トの製造方法としては、まず電解精製法が考えられる。
しかしながら、電解精製では不純物であるNi及びFe
とコバルトとの標準電極電位が非常に近いため、単なる
電解精製法による高純度化は難しい。従って、電解精製
法による高純度化を行うためには、電解液中の不純物を
溶媒抽出法等により除去しながら、すなわち、例えばコ
バルト濃度が40〜60g/Lの場合には、電解液中の
Ni濃度を平均1.3mg/L以下そしてFe濃度を平
均0.1mg/L以下にしながら行わなくてはならず、
非常に厳格なコントロールを必要とする。また、溶媒抽
出によるNiの除去には、アルキルオキシム等の特殊な
溶媒が必要であるとともに、コバルトも共抽出されるた
め、複雑な操作が必要であり、さらにこの抽出溶媒が電
解液中に溶解し、ロスとなるという問題点もある。
【0005】そこで本発明者らは、特願平7−8083
1号において、塩酸濃度が7〜12Nの塩化コバルト水
溶液を、陰イオン交換樹脂と接触させコバルトを吸着さ
せた後、1〜6Nの塩酸を用いてコバルトを溶離し、得
られた水溶液を蒸発乾固または濃縮した後、pH=0〜
6の高純度塩化コバルト水溶液とし、該水溶液電解液と
して電解精製する高純度コバルトの製造方法を提案し
た。これらの方法によりNi、Fe等の不純物を最小限
しか含まない高純度コバルトの製造が可能となった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の発明に
おいて電解精製の際に、電析コバルトが剥離する現象が
生じる場合があった。また、高純度コバルト中の炭素や
酸素等のガス成分(ガス化しうる成分を含めて総称す
る)の含有量が低減しにくい場合があることも指摘され
た。
【0007】本発明の課題は、ターゲット等の用途に適
した、アルカリ金属元素、放射性元素、遷移金属元素の
みならず、ガス成分等の不純物をも最小限しか含まない
5N(99.999%、以下単に5Nと記す)レベル以
上の高純度コバルトを安定してかつ容易に製造できる方
法を開発することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、高純度コ
バルトが安定して製造できるように鋭意検討した結果、
陰イオン交換法−電解精製法において使用する陰イオン
交換樹脂からある種の有機物が電解精製中に少量ずつ流
れだし、電解液中に混合して、ターゲット中に炭素や酸
素等のガス成分として混入する可能性があることを見出
した。そして、陰イオン交換法−電解精製法に活性炭処
理を組み合わせ、さらに必要に応じて真空溶解法を行う
ことにより、不純物であるアルカリ金属、放射性元素、
遷移金属のみならず、炭素や酸素等のガス成分について
も低減した、スパッタリングターゲット用の高純度コバ
ルトを安定してかつ容易に、しかも低コストで大量生産
が可能であることが判明した。
【0009】これに基づき、本発明は、(1)少なくと
もFe及び/又はNiを不純物として含有し、塩酸濃度
が7〜12Nの塩化コバルト水溶液を、陰イオン交換樹
脂と接触させコバルトを吸着させた後、1〜6Nの塩酸
を用いてコバルトを溶離し、得られた溶離液を蒸発乾固
又は濃縮した後、pH=0〜6の高純度塩化コバルト水
溶液とし、さらに活性炭により液中の有機物を除去し、
該水溶液を電解液として電解精製により電析コバルトを
得ることを特徴とする高純度コバルトの製造方法、
(2)少なくともFe及び/又はNi、及びNa、Kを
含むアルカリ金属、及びU、Thを含む放射性金属を不
純物として含有し、塩酸濃度が7〜12Nの塩化コバル
ト水溶液を、陰イオン交換樹脂と接触させCo並びにF
e及びUを吸着させた後、1〜6Nの塩酸を用いてCo
を溶離し、得られた溶離液を蒸発乾固又は濃縮した後、
pH=0〜6の高純度塩化コバルト水溶液とし、さらに
活性炭により前記陰イオン交換樹脂に由来する液中の有
機物を除去し、該水溶液を電解液として電解精製により
電析コバルトを得ることを特徴とする高純度コバルトの
製造方法、(3)電解精製において、アノードとカソー
ドを隔膜あるいは陰イオン交換膜で仕切り、かつ、高純
度塩化コバルト水溶液を少なくとも間欠的にカソード側
に入れると共にアノライトを少なくとも間欠的に抜き出
すことを特徴とする前記(1)乃至(2)記載の高純度
コバルトの製造方法、(4)抜き出したアノライトの塩
酸濃度を7〜12Nとした後、陰イオン交換樹脂に接触
させることを特徴とする前記(2)記載の高純度コバル
トの製造方法、(5)電析コバルトを更に真空溶解する
ことを特徴とする前記(1)〜(4)いずれか記載の高
純度コバルトの製造方法、及び(6)活性炭をあらかじ
め酸で処理することを特徴とする前記(1)乃至(2)
記載の高純度コバルトの製造方法を提供する。
【0010】本発明はまた、(A)ナトリウム含有量
0.05ppm以下、カリウム含有量0.05ppm以
下、鉄、ニッケル、クロムの各元素の含有量1ppm以
下、ウラン含有量0.01ppb以下、トリウム含有量
0.01ppb以下、炭素含有量50ppm以下、酸素
含有量100ppm以下;残部がコバルト及びその他の
不可避不純物であることを特徴とする高純度コバルトス
パッタリングターゲット、及び(B)ナトリウム含有量
0.05ppm以下、カリウム含有量0.05ppm以
下、鉄、ニッケル、クロムの各元素の含有量1ppm以
下、ウラン含有量0.01ppb以下、トリウム含有量
0.01ppb以下、炭素含有量10ppm以下、酸素
含有量100ppm以下;残部がコバルト及びその他の
不可避不純物であることを特徴とする高純度コバルトス
パッタリングターゲットを提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いる塩化コバルト水溶
液は、特に限定されるものではないが、通常市販されて
いる、いわゆる数十ppmのFeそして数百ppmのN
iを不純物として含有している粗コバルトを塩酸で溶解
したものが用いられる。一方、粗コバルトの溶解に使用
する塩酸は、特に限定されるものではないが、工業用の
低純度の塩酸でもかまわない。この理由は、塩酸中に含
まれる不純物も本発明を実施することにより、除去する
ことができるからである。
【0012】コバルトを溶解する際の装置は、塩酸の有
効利用の為冷却筒や塩化水素ガスの回収装置を設けたも
のが望ましい。材質は、石英、グラファイト、テフロ
ン、ポリ容器等が好ましい。溶解する温度は、50〜1
00℃、好ましくは80〜95℃である。50℃未満で
は、溶解する速度が遅く、また、100℃を超えると、
蒸発が激しく水溶液のロスが大きい。塩化コバルト水溶
液中の塩酸濃度は、最終的には、7〜12Nとすること
が好ましい。7N未満又は12Nを超えると、イオン交
換する際、コバルトがほとんど吸着しない。コバルト濃
度は、10〜70g/Lが好ましい。コバルト濃度が1
0g/L未満であると、大量の塩酸が必要であり、コス
ト増を招く。一方、70g/Lを超えると、塩酸濃度の
高い溶液では、室温即ち約20℃で塩化コバルトが析出
するため好ましくない。
【0013】陰イオン交換においては、上記塩化コバル
ト水溶液を用いコバルトの吸着を行う。本発明におい
て、用いる樹脂は、陰イオン交換樹脂であれば特に限定
されないが、DOWEX(ダウエックス)1×8、DO
WEX2×8(室町化学(株)製)、ダイヤイオンSA
10A等が例示される。コバルトは、高濃度の塩酸中で
は塩化物錯体を形成し、陰イオンとして存在するため樹
脂に吸着する。Fe及びUもコバルトと同様な挙動を示
し陰イオン交換樹脂に吸着するが、主要不純物であるN
iそしてNa、K等のアルカリ金属及びThは、塩化物
錯体を形成しないため、吸着せずカラムより流出する。
【0014】さらに、カラム内に残留した不純物を取り
除くために、7〜12Nの塩酸で洗浄する。この範囲外
では、コバルトと陰イオン交換樹脂との結び付きが弱い
ため、コバルトが溶離されるため好ましくない。
【0015】次に、陰イオン交換樹脂に吸着したコバル
トのみを溶離するために1〜6N、好ましくは3N〜4
Nの塩酸を使用する。1N未満では、不純物として吸着
したFe及びUも溶離してしまうため好ましくない。6
Nを超えると、コバルトの樹脂からの溶離が困難とな
り、使用する塩酸量が多くなるため好ましくない。
【0016】なお、コバルト溶離後の陰イオン交換樹脂
に吸着しているFe及びUについては、1N未満の塩酸
を用いることにより容易に溶離することができる。従っ
て、陰イオン交換樹脂の吸着容量等を考慮に入れ、適当
な時期にFe及びUの溶離をすることにより、陰イオン
交換樹脂を再生することができる。
【0017】以上の操作により、不純物であるNi、F
e等の重金属、Na、Ka等のアルカリ金属及びU、T
h等の放射性元素とコバルトを分離することができる。
【0018】溶離した塩化コバルト水溶液は、塩酸濃度
が高いためそのままでは電解精製に用いることができな
い。そこで、本発明においては、溶離した塩化コバルト
水溶液を蒸発乾固又は濃縮した後、水を加えることによ
り、pH=0〜6の高純度コバルト水溶液とし、該水溶
液を電解液として用いる。
【0019】蒸発乾固又は濃縮する方法は、ロータリー
エバポレーション装置等を使用して行うと良い。蒸発乾
固又は濃縮する温度は、80℃以上、好ましくは100
℃以上である。80℃未満では、蒸発乾固又は濃縮する
のに時間がかかる。また、その際アスピレーター等で弱
減圧下にしながら行うと蒸発乾固又は濃縮時間を短縮す
ることができる。蒸発乾固又は濃縮するときの装置材質
は、石英、グラファイト、テフロン等が好ましい。この
際発生する塩酸ガスは、冷却・凝縮させコバルト溶解、
又は陰イオン交換の際に用いる塩酸等に再利用すること
ができる。
【0020】また、イオン交換樹脂中の有機物(スチレ
ン、ジビニルベンゼン、アミン類等)が少しずつ流れだ
し、それが液中に混入してくる可能性がある。そのよう
な有機物を除去するために活性炭処理を行う。活性炭に
は、Fe等の不純物が多く含有されている可能性がある
ため、塩酸等で洗浄除去する酸処理を行ってから使用す
ることが好ましい。活性炭は、粒状、繊維状、粉状等が
あるが、不純物Fe等が含有されないものが好ましい
が、多い時は、上記の通り塩酸等で除去することが必要
である。なお、活性炭処理は、通常は溶離した塩化コバ
ルト水溶液を蒸発乾固又は濃縮し、水を加えpHを0〜
6に調整した後に行われるが、必ずしもこの順番でなく
とも、塩化コバルトの溶離以降、電解精製での間であれ
ばどこで行っても構わない。
【0021】この様にして作製された高純度コバルト水
溶液からなる電解液のpHは、0〜6、好ましくは1〜
4とする。pHが0未満では、水素の発生量が多くなり
電流効率が低下するため好ましくない。pHが6を超え
ると、コバルトが水酸化コバルトとなり沈殿するので好
ましくない。
【0022】電解精製における電解液中のコバルト濃度
は、10〜160g/L、好ましくは30〜130g/
Lである。10g/L未満では、水素の発生量が多くな
るため電流効率が低下し、また電析コバルト中の不純物
濃度も上がるため好ましくない。160g/Lを超える
と、塩化コバルトが析出して電析状態に悪影響を及ぼす
ため好ましくない。
【0023】電流密度の範囲は、0.001〜0.1A
/cm2 である。0.001A/cm2 未満では、生産
性が低下し効率的でない。0.1A/cm2 を超える
と、不純物濃度が上がり更に電流効率も低下し好ましく
ない。電解温度は、10〜90℃、好ましくは35〜5
5℃である。10℃未満では、電流効率が低下し、他方
90℃を超えると、電解液の蒸発が多くなり好ましくな
い。アノードとしては粗コバルトが用いられる。カソー
ドとしては、コバルト、チタン板等を用いる。電解槽の
材質は、塩ビ、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好ま
しい。
【0024】電解精製では、カソードとアノードを隔膜
あるいは陰イオン交換膜で仕切り、アノードから溶出し
た不純物がカソード側に進入しないように、カソード側
に陰イオン交換により精製した高純度塩化コバルト水溶
液(カソライトとなる)を少なくとも間欠的に入れると
共にアノード側から不純物濃度の高いアノライトを少な
くとも間欠的に抜き出すことが好ましい。この時添加す
るカソライト量は、少なくとも抜き出すアノライト量と
同等以上であることが好ましい。本発明において、使用
できる隔膜あるいは陰イオン交換膜は特に限定されない
が、隔膜としては、濾布PP−2020、PP−100
(安積濾紙(株)製)、テビロン1010、陰イオン交
換膜としては、アイオナックMA−3475(室町化学
(株)製)等が例示される。
【0025】そして、抜き出したアノライトは、塩酸濃
度を7〜12Nとした後、陰イオン交換樹脂に接触させ
ることにより、循環再利用することができ、これによっ
て電解精製を連続して行なうことができる。なお、本発
明において、少なくとも間欠的とは、連続又は間欠的と
いうことを意味する。
【0026】電解精製により、電解液中に残存する微量
のU、Th等の放射性元素とコバルトを分離することが
できる。
【0027】回収した電析コバルトは、必要に応じて、
エレクトロンビーム溶解等の真空溶解方法で溶解し、そ
こに含まれる微量のNa、K等の揮発性元素を取り除く
ことができる。エレクトロンビーム溶解は、電極(ここ
では電析コバルト)をまず作製し、それを再溶解して高
純度のインゴットを得る方法である。電極の高温・高真
空下での溶解中に、揮発成分が蒸発する。例えば、溶解
量5kgの場合、次の条件で、エレクトロンビーム溶解
が実施される: 電流:0.7A、電圧:20KV、真空度:10-5mm
Hg、時間:2hr。
【0028】以上の操作により製造した高純度コバルト
中には、不純物含有量が少なく、半導体製造用のターゲ
ット材料等として好ましい。ナトリウム含有量0.05
ppm以下、カリウム含有量0.05ppm以下、鉄、
ニッケル、クロムの各元素の含有量1ppm以下、ウラ
ン含有量0.01ppb以下、トリウム含有量0.01
ppb以下、炭素含有量50ppm以下、好ましくは1
0ppm以下、酸素含有量100ppm以下;残部がコ
バルト及びその他の不可避不純物であることを特徴とす
る高純度コバルトスパッタリングターゲットを得ること
ができる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例を呈示するが、これ
によって、本発明は、何ら制限されるものではない。
【0030】(実施例1)表1に示すような純度の粗コ
バルト塊600gを、約12.5Lの11.6Nの塩酸
水溶液の容器に装入した。そして、温度を95℃にあげ
12時間後に塩酸濃度9N、コバルト濃度50g/Lの
塩化コバルト水溶液を得た。この液12Lを、陰イオン
交換樹脂(室町化学:DOWEX、2×8)12Lを充
填したポリプロピレン製のカラム(150mmφ×12
00mmL)に通液し、コバルトを吸着させた後、9N
の塩酸12Lで洗浄した。なお、この時用いた樹脂は、
新しいものであった。
【0031】次にコバルトを溶離するために4Nの塩酸
18Lを通液した。得られた精製塩化コバルト水溶液
を、ロータリーエバポレーション装置を用いて温度11
0℃で蒸発乾固させた。蒸発乾固物は、CoCl2 ・2
2 OでありCo換算で600gを得た。これを純水に
溶かして10Lとした。この時のコバルト濃度は、60
g/Lであった。そして、pHを2に調整した後、活性
炭により有機物を除去し、この高純度コバルト溶液を電
解槽に5L入れ、残りの5Lはカソライトの供給液とし
て使用した。活性炭は、使用する前に6Nの塩酸で洗浄
し、Fe等の不純物を十分除去した。
【0032】次に、電流密度0.02A/cm2 、温度
50℃とし、粗コバルト板をカソードとして電解精製を
おこなった。この時、アノード側とカソード側は隔膜
(安積濾紙(株)製、PP2020)で区切った。カソ
ード側には、高純度塩化コバルト水溶液を供給速度12
0mL/hrで供給し、アノード側から同じ速度で抜き
出した。40hr後、得られた電析物は、83gであ
り、収率は95%であった。電析状態は、表面の凹凸の
ない平滑なものであり、電析コバルトの剥離は生じなか
った。
【0033】さらに、得られた電析コバルトについてエ
レクトロンビーム溶解を行い、スパッタリングターゲッ
トに加工した。電析コバルトおよびエレクトロンビーム
溶解後の不純物含有量を表1に示す。
【0034】(参考例)酸処理を施していない活性炭を
用いたこと以外は実施例1と同様の方法で操作を行っ
た。この操作により得られた電析コバルトの純度を、表
1中に示す。不純物Feの含有量が高いことがわかる。
ただし、Fe含有量の少ない活性炭を使用すれば問題は
生じない。
【0035】(比較例)活性炭を用いなかったこと以外
は、実施例1と同様の方法で操作を行った。この操作に
より得られた電析コバルトの純度を、表1中に示す。カ
ーボン及びガス成分含有量が高いことがわかる。さら
に、電析状態は凹凸のある表面状態となり、一部はカソ
ード板から剥離しており非常に脆いものであった。
【0036】
【表1】
【0037】(スパッタ試験データ) 実施例1、参考例、比較例で製造したターゲットを用
いて、それぞれスパッタリングを行い、膜中の不純物を
GDMS分析した。結果は、以下の通りであった。 (ガス成分は分析不可)
【0038】
【表2】
【0039】同上の膜をSIMS分析し、C、O、
N、Hについて定性分析した。それぞれの絶対量は分か
らないが、実施例の場合でいずれの成分も最も低い値を
示した。実施例の強度を1とした場合の相対的な強度は
以下の通りであった。
【0040】
【表3】
【0041】同上の膜の電気抵抗を測定した結果を以
下に示す。(膜厚30nm)
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】
(1)5N以上の高純度コバルトが、陰イオン交換法−
電解精製法(又は電解採取法)に活性炭処理を組合せ、
さらに必要に応じて真空溶解法を行うことにより、不純
物含有量が極めて低く、品質が安定してかつ操作が容易
に、しかも低コストで得ることができる。 (2)得られた高純度コバルトは、半導体デバイス製造
用のターゲット材料等として好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 23/06 C23C 14/14 C23C 14/34 C25C 1/08 H01L 21/3205

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともFe及び/又はNiを不純物
    として含有し、塩酸濃度が7〜12Nの塩化コバルト水
    溶液を、陰イオン交換樹脂と接触させコバルトを吸着さ
    せた後、1〜6Nの塩酸を用いてコバルトを溶離し、得
    られた溶離液を蒸発乾固又は濃縮した後、pH=0〜6
    の高純度塩化コバルト水溶液とし、さらに活性炭により
    液中の有機物を除去し該水溶液を電解液として電解精製
    により電析コバルトを得ることを特徴とする高純度コバ
    ルトの製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくともFe及び/又はNi、及びN
    a、Kを含むアルカリ金属、及びU、Thを含む放射性
    金属を不純物として含有し、塩酸濃度が7〜12Nの塩
    化コバルト水溶液を、陰イオン交換樹脂と接触させCo
    並びにFe及びUを吸着させた後、1〜6Nの塩酸を用
    いてCoを溶離し、得られた溶離液を蒸発乾固又は濃縮
    した後、pH=0〜6の高純度塩化コバルト水溶液と
    し、さらに活性炭により前記陰イオン交換樹脂に由来す
    る液中の有機物を除去し、該水溶液を電解液として電解
    精製により電析コバルトを得ることを特徴とする高純度
    コバルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 電解精製において、アノードとカソード
    を隔膜あるいは陰イオン交換膜で仕切り、かつ、高純度
    塩化コバルト水溶液を少なくとも間欠的にカソード側に
    入れると共にアノライトを少なくとも間欠的に抜き出す
    ことを特徴とする請求項1乃至2記載の高純度コバルト
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 抜き出したアノライトの塩酸濃度を7〜
    12Nとした後、陰イオン交換樹脂に接触させることを
    特徴とする請求項3記載の高純度コバルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 電析コバルトを更に真空溶解することを
    特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の高純度コバ
    ルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 活性炭をあらかじめ酸で処理することを
    特徴とする請求項1乃至2記載の高純度コバルトの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 ナトリウム含有量0.05ppm以下、
    カリウム含有量0.05ppm以下、鉄、ニッケル、ク
    ロムの各元素の含有量1ppm以下、ウラン含有量0.
    01ppb以下、トリウム含有量0.01ppb以下、
    炭素含有量50ppm以下、酸素含有量100ppm以
    下;残部がコバルト及びその他の不可避不純物であるこ
    とを特徴とする高純度コバルトスパッタリングターゲッ
    ト。
  8. 【請求項8】 ナトリウム含有量0.05ppm以下、
    カリウム含有量0.05ppm以下、鉄、ニッケル、ク
    ロムの各元素の含有量1ppm以下、ウラン含有量0.
    01ppb以下、トリウム含有量0.01ppb以下、
    炭素含有量10ppm以下、酸素含有量100ppm以
    下;残部がコバルト及びその他の不可避不純物であるこ
    とを特徴とする高純度コバルトスパッタリングターゲッ
    ト。
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