JP3943351B2 - 高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜並びに高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜並びに高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜並びに高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピューター用のハードディスクなどの磁気記録装置は、近年急速に小型大容量化が進み、数年後にはその記録密度は20Gb/inに達すると予想される。このため、再生ヘッドとしては従来の誘導型ヘッドが限界に近づき、磁気抵抗効果型(MR)ヘッドが用いられ始めている。
磁気抵抗効果型ヘッドは、パソコン市場等の拡大に伴い世界的規模で今後急成長が見込まれている。そして、さらに高密度である巨大磁気抵抗効果型(GMR)ヘッド及びTMRヘッドが実用化されるようになってきた。
GMRヘッド及びTMRヘッドに使用されるスピンバルブ膜の強磁性膜としてCo−Fe合金が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記スピンバルブ膜用の強磁性膜として使用されるCo−Fe合金は、通常、焼結あるいは溶解によって製造される。しかし、従来のCo−Fe合金はスパッタリングの際のガス放出やパーティクルの発生が多く、耐食性にも問題があり、また磁気特性も満足すべきものではなかった。
本発明は、スパッタリングの際のガス放出やパーティクルの発生が少なく、耐食性に優れ、しかも磁気特性も良好な強磁性膜を形成するための手段を提供することを目的とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
1.酸素含有量30ppm以下、Al,Si,Cu含有量がそれぞれ30ppm以下であることを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜。
2.酸素含有量10ppm以下、Al,Si,Cu含有量がそれぞれ10ppm以下であることを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜。
3.ガス成分を除く不純物の含有量が100ppm以下であることを特徴とする上記1又は2記載の高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜。
4.ガス成分を除く不純物の含有量が50ppm以下であることを特徴とする上記1又は2記載の高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜。
5.Co粗原料とFe粗原料をそれぞれ又は同時に化学的又は電気化学的に溶解し、さらに電解採取により高純度Co−Fe合金を得、これを真空中で高周波溶解又は電子ビーム溶解し、さらに鋳造インゴットを作製し、これを塑性加工等によりターゲットに加工することを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットの製造方法。
を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の磁性薄膜形成用Co−Fe合金スパッタリングターゲットは、Coを70wt%以上含有するCo−Fe合金からなるものである。代表的にはCo−Fe合金の2成分合金が上げられる
【0006】
本発明のCo−Fe合金スパッタリングターゲットは、不純物すなわちNi,Fe及び前記合金成分以外の元素が低減されたものである。特に、酸素、アルミニウム、珪素、銅は耐食性を悪化させ、パーティクル発生の原因となり、また、磁気的特性を悪化させる原因となるため極力低減させたものである。
特に、酸素は耐食性を悪化させる。さらに酸素は結晶を微細化するため、Al等の不純物は、結晶方位を狂わせるためいずれも磁気特性を悪化させる原因となる。また、酸素等はパーティクル発生の原因となる。
酸素含有量30ppm以下、好ましくは10pp以下、Al,Si,Cu含有量をそれぞれ30ppm以下、好ましくは10ppm以下、好ましくは10ppm以下に低減すべきである。(なお、本明細書で使用する%及びppmは全て、wt%、wtppmである。)
上記の含有量を超えるとパーティクル発生量の増大、耐食性の著しい低下、磁気特性不良が顕著になるため好ましくない。総合的に、ガス成分を除く不純物の含有量が100ppm以下、ガス成分を除く不純物の含有量が50ppm以下にまで低減するのが望ましい。
【0007】
本発明者らはCo−Fe合金中の不純物が原料(3Nレベル)の電解Co及びFeに起因するものであることから、粗原料となるCo及びFeの高純度化を行った。Co、Fe原料の高純度化方法として電解採取により、さらに必要に応じてイオン交換、活性炭処理、又は脱ガス処理を行うことによって極めて高純度なCo−Fe合金を得ることが可能である。
例えば下記のような方法を用いることによって行うことができる。すなわち、粗原料のCo及びFeを塩酸で溶解し塩化物水溶液とし、該塩化物水溶液をイオン交換樹脂と接触させ不純物金属イオンを除去し、得られた液を蒸発乾固または濃縮し、その後pH0〜3の塩化物水溶液とし、さらに活性炭により液中の有機物を除去し、該水溶液を電解液として電解採取することによって高純度Co−Fe合金を得ることができる。
【0008】
原料として用いるCo及びFeは、特に限定されるものではないが、通常市販されている純度3N(99.9%)程度のものを使用すれば良い。
容器に上記のCo原料及びFe原料を装入し塩酸によって溶解する。使用する塩酸は特に限定されるものではなく工業用の低純度のものでも構わない。この理由は、塩酸中に含まれる不純物も本発明を実施することによって除去することができるからである。
Co及びFeを溶解する装置は、塩酸の有効利用のため冷却筒や塩化水素ガスの回収装置を設けることが望ましい。材質は、石英、グラファイト、テフロン、ポリ容器などが好ましい。
【0009】
溶解する温度は、10〜100°Cである。10°C未満では、溶解速度が小さく、一方100°Cを超えると蒸発が激しく水溶液のロスが大きくなるため好ましくない。Coの高純度化の場合には、Coの溶解液を抜き出し、液を濃縮しさらに塩酸を添加して塩酸濃度を5〜12Nとなるように調整する。5N未満または12Nを超えるとイオン交換の際にCoがイオン交換樹脂に吸着除去されないため好ましくない。
5〜12Nに調整した上記塩化Co溶液を陰イオン交換樹脂に接触させ溶液中の不純物を除去する。本発明において使用するイオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂であれば特に限定されないが、DOWEX1×8、DOWEX2×8(室町化学(株))、ダイヤイオンSA10A等を使用できる。
【0010】
Co、Fe及びUは、高濃度の塩酸中では塩化物錯体を形成し、陰イオンとして存在するため陰イオン交換樹脂に吸着する。一方、Ni(ここでは不純物として扱う)及び同様に不純物であるNa、K等のアルカリ金属及びThは塩化物錯体を形成しないため、吸着せずにカラムより流出する。この際、NiとCoとの分離性をよくするために、水溶液の流速をSV=0.01〜1とするのが良い。ここで、SVとは空間速度のことであり、1時間当たりの通液量を充填樹脂の堆積で除した値である。SVが0.01以下では生産性が悪く、1以下ではFe、Coの吸着が不十分であり高純度のCoを得られないため好ましくない。
【0011】
以上の操作により、Co、Fe及びUと不純物であるNi、Na、K等のアルカリ金属及びTh等とを分離することができる。そして、陰イオン交換樹脂に吸着しているCo、Fe、Uは1N未満の塩酸を用いることにより容易に溶離することができる。従って、Co、Fe、Uの溶離を行うことにより陰イオン交換樹脂を容易に再生することができる。
【0012】
上記により得た塩化Co及びFe溶液は、塩酸濃度が高いため、そのままでは電解採取に用いることができない。そこで流失した塩化Co及びFe溶液を蒸発乾固または濃縮した後、純水を加えることにより、pH=0〜3の水溶液とし、該水溶液を電解液として用いる。
蒸発乾固または濃縮する方法は、ロータリーエバポレーター装置等を使用して行えば良い。蒸発乾固または濃縮する温度は80°C以上、好ましくは100°C以上で行う。80°C未満では蒸発乾固または濃縮するのに時間がかかるため好ましくない。
なお、アスピレーターで弱減圧下にしながら行うと時間を短縮することが可能である。蒸発乾固または濃縮の際の装置材質は、石英、グラファイト、テフロン等が好ましい。また、蒸発乾固または濃縮の際発生する塩酸ガスは、冷却・凝縮させCo及びFe溶解の際に用いる塩酸として再利用することができる。
【0013】
次に、活性炭処理を行う。イオン交換樹脂中の有機物(スチレン、ジビニルベンゼン、アミン類等)が少しずつ流れだし、それが液中に混入してくる可能性があるが、活性炭処理によりこれらの有機物を除去する。
活性炭には不純物が含有されている可能性があるため、予め塩酸等の酸で不純物を洗浄除去する酸処理を行ってから使用することが好ましい。なお、この活性炭処理は、通常イオン交換した塩化Co及びFe水溶液を蒸発乾固又は濃縮し、水を加えpH=0〜3に調整した後に行うが、この順番でなくともイオン交換以降、電解採取までの間であればどこで行っても良い。
【0014】
このようにして得た高純度Co及びFe水溶液からなる電解液のpHを0〜3、好ましくは0.5〜2とする。pHは0未満では水素の発生量が多くなり電流効率が低下するため好ましくない。pHが3を超えるとCo及びFeが水酸化Co及びFeとなり沈殿するので好ましくない。
電解採取における電解液中のCo及びFe濃度は、10〜110g/L、好ましくは20〜80g/Lとする。10g/L未満では水素の発生量が多くなり電流効率が低下し、また、電析Co及びFe中の不純物濃度も上がるため好ましくない。110g/Lを超えると塩化Co及び塩化Feが析出して電析状態に悪影響を及ぼすため好ましくない。
【0015】
電流密度の範囲は0.01〜10A/dmとする。0.01A/dm未満では生産性は低下し効率的ではない。10A/dmを超えると不純物濃度が上がりさらに電流効率も低下するため好ましくない。
電解温度は、10〜90°C、好ましくは35〜55℃で行う。10°C未満では電流効率が低下し、90°Cを超えると電解液の蒸発が多くなり好ましくない。
また、アノードとしては粗Co−Fe合金が用いられる。カソードとしてはCo−Fe合金板、チタン板等を用いる。
電解槽の材質は塩ビ、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好ましい。電解採取では、カソードとアノードを隔膜あるいは陰イオン交換膜で仕切り、アノードから溶出した不純物がカソード側に進入しないように、カソード側にイオン交換と活性炭処理により精製した高純度塩化Co−高純度塩化Fe水溶液(カソライトとなる)を少なくとも間欠的に導入し、他方アノード側から不純物濃度の高いアノライトを少なくとも間欠的に抜き出すことが好ましい。この時添加するカソライト量は、少なくとも抜き出すアノライト量と同等以上であることが好ましい。
【0016】
本発明において、使用できる隔膜あるいは陰イオン交換膜は得に限定されないが、隔膜としては、濾布P−2020、PP−100(安積濾紙(株)製)、テビロン1010、陰イオン交換膜としては、アイオナックMA−3475(室町化学(株)製)等が使用できる。
そして、抜き出したアノライトは、塩酸濃度を5〜12Nとした後、陰イオン交換樹脂に接触させることにより循環再利用することができ、これによって電解採取を連続して行うことできる。なお、本発明において、少なくとも間欠的とは連続的又は間欠的ということを意味する。
【0017】
そして、上記の電解採取によって電解溶液中に残っていた微量のTh及びNa,K等のアルカリ金属等の不純物をCo及びFeと分離することができる。
回収した電析Co−Fe合金は、H等の還元雰囲気下で熱処理することにより、酸素等のガス成分を除去することができる。熱処理温度は800〜1550°Cが好ましい。より好ましくは、1000〜1500°Cである。800°C未満では脱ガスするのに時間がかかり過ぎる。一方、1550°Cを越えると半溶融状態になり、ルツボと接するためルツボからの汚染を生じるため好ましくない。より好ましくは、電子ビーム溶解又は真空中での高周波溶解を行う。
なお、上記についてはCo−Fe合金を同時電解採取によって得る方法を述べたが、Co又はFeを同様の手段により、それぞれ単独に電解精製し、それらを混合しさらに電解採取することによっても製造することができる。
【0018】
電子ビーム溶解は、電極(ここでは電析Co−Fe合金)をまず作製し、それを再溶解して高純度のCo−Fe合金インゴットを得る方法である。電極の高温・高真空化での溶解中に揮発成分が蒸発する。例えば、溶解量5kgの場合、次のような条件で電子ビーム溶解を実施する。電流:0.7A、電圧:20kV、真空度:10−5mmHg、時間:2hr。真空中での高周波溶解によっても同様に純度の高いCo−Fe合金が得られる。
上記の方法による高純度Co−Fe合金を溶解後、鋳造する。得られた高純度Co−Fe合金インゴットを鍛造、圧延等の塑性加工等を施してスパッタリングターゲットに仕上げる。
基本的には、ターゲットの純度とインゴットのそれとは同等である。そしてここで得られたスパッタリングターゲットをスパッタリングすることにより磁性薄膜を形成することが可能である。
スパッタリングによって得られるCo−Fe合金磁性薄膜は、ターゲットと同じ純度すなわち、酸素含有量30ppm以下、Al,Si,Cu含有量がそれぞれ30ppm以下、特にガス成分を除く不純物の含有量が100ppm以下であり、さらにその結晶組織が柱状晶であるCo−Fe合金磁性薄膜が得られる。薄膜結晶組織が柱状晶であるため磁気特性は特に良好なものである。
【0019】
【実施例】
次に、実施例について説明する。なお、本実施例は発明の一例を示すためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
表1に示す純度の粗Co原料と粗Fe原料をそれぞれの溶解槽に入れ、11.6N塩酸水溶液の容器に装入した。そして温度を95°Cとして塩酸濃度9N、Co濃度100g/Lの塩化Co水溶液とFe濃度100g/Lの塩化Fe水溶液を得た。
次に、上記Co濃度100g/Lの塩化Co水溶液100L(リッター)とFe濃度100g/Lの塩化Fe水溶液9.5Lを混合し、電流密度2A/dm、温度50°Cとして、Co−Fe合金板をカソードとして電解採取を行った。このときアノード側とカソード側は隔膜(安積濾紙(株)製、PP2020)で区切った。カソード側には、塩化Co、Fe水溶液を供給速度1L/hrで供給し、アノード側から同じ速度で抜き出した。
40hr後得られた電析物の収率は83%であった。これによって、4NレベルのCo−Fe合金が得られた。電析状態は、表面の凹凸のない平滑なもので電析Co、Feの剥離は生じなかった。
【0020】
得られたCo−Fe電析物についてMgOルツボを用いて真空中高周波溶解を行い、鋳造インゴットを作製した。次に、この合金インゴットを鍛造加工して、直径50mm、厚さ5mmの円盤状のスパッタリングターゲットとした。このターゲット材の不純物の分析値を同様に表1に示す。
なお、表1に表示していないが、ガス成分を除くその他の不純物合計として25ppm存在したが、表示する以外のものとして、Ni:10ppm、Cr:1ppm、V:1ppmがある。
このCo−Fe合金スパッタリングターゲットを、In−Sn合金はんだを用いて銅製のバッキングプレートと接合した。そして、マグネトロンスパッタリング装置を用いて3インチSiウエハー上に、スパッタリングによりCo−Fe合金薄膜を形成した。スパッタリングの際に発生したウエハー上の直径0.3μm以上のパーティクル数を測定したが、その量は著しく少なかった。
【0021】
【表1】
Figure 0003943351
【0022】
(実施例2)
表1に示す純度の粗Co原料と粗Fe原料を溶解槽に入れ、11.6N塩酸水溶液の容器に装入した。そして温度を95°Cとして塩酸濃度9N、Co濃度及びFe濃度がそれぞれ50g/Lの塩化Co、塩化Fe水溶液を得た。
この水溶液を陰イオン交換樹脂(室町化学:DOWEX2×8)を充填したポリプロピレン製のカラム(150mmφ×1200mmL)にSV=0.1で通液し、Co、Fe、Uを吸着させた。
不純物の除去後、陰イオン交換樹脂に吸着しているCo、Fe、Uは1N未満の塩酸を用いることにより溶離する。これを純水に溶解して10Lとした。この時のCo及びFe濃度は約50g/Lであった。そして、pHを1に調整した後、活性炭により有機物を除去した。この高純度Co−Fe溶液を電解槽のカソード室に連続的に添加した。なお、活性炭は予め6Nの塩酸で洗浄し不純物を十分に除去したものを用いた。
【0023】
次に、電流密度2A/dm、温度50°Cとして、Co−Fe合金板をカソードとして電解採取を行った。このときアノード側とカソード側は隔膜(安積濾紙(株)製、PP2020)で区切った。カソード側には、高純度塩化Co、Fe水溶液を供給速度1L/hrで供給し、アノード側から同じ速度で抜き出した。
これによって、4NレベルのCo−Fe合金が得られた。40hr後得られた電析物の収率は83%であった。電析状態は、表面の凹凸のない平滑なもので電析Co、Feの剥離は生じなかった。
得られたCo−Fe電析物について電子ビーム溶解を行い、鋳造インゴットを作製した。次に、この合金インゴットを鍛造加工して、直径50mm、厚さ5mmの円盤状のスパッタリングターゲットとした。
このCo−Fe合金スパッタリングターゲットをIn−Sn合金はんだを用いて銅製のバッキングプレートと接合した。そして、マグネトロンスパッタリング装置を用いて3インチSiウエハー上に、スパッタリングによりCo−Fe合金薄膜を形成した。スパッタリングの際に発生したウエハー上の直径0.3μm以上のパーティクル数を測定したが、その量は著しく少なかった。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、Co−Fe合金スパッタリングターゲット中に含有されるO、Al、Si、Cuの不純物含有量をそれぞれ30ppm以下としたスピンバルブ膜用強磁性膜を形成するための高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット及び同スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜並びに高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットの製造方法を提供するものであり、スパッタリングの際のガス放出やパーティクルの発生が少なく、耐食性に優れ、しかも磁気特性も良好であるという優れた効果を有する。

Claims (9)

  1. 酸素含有量30ppm以下、Al,Si,Cu含有量がそれぞれ30ppm以下であることを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット。
  2. 酸素含有量10ppm以下、Al,Si,Cu含有量がそれぞれ10ppm以下であることを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット。
  3. ガス成分を除く不純物の含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット。
  4. ガス成分を除く不純物の含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲット。
  5. 酸素含有量30ppm以下、Al,Si,Cu含有量がそれぞれ30ppm以下であることを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜
  6. 酸素含有量10ppm以下、Al,Si,Cu含有量がそれぞれ10ppm以下であることを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜
  7. ガス成分を除く不純物の含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜
  8. ガス成分を除く不純物の含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットを用いて形成した磁性薄膜
  9. Co粗原料とFe粗原料をそれぞれ又は同時に化学的又は電気化学的に溶解し、さらに電解採取により高純度Co−Fe合金を得、これを真空中で高周波溶解又は電子ビーム溶解し、さらに鋳造インゴットを作製し、これを塑性加工等によりターゲットに加工することを特徴とする高純度Co−Fe合金スパッタリングターゲットの製造方法。
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