JP3065044B2

JP3065044B2 - ボビン支持装置

Info

Publication number: JP3065044B2
Application number: JP10319510A
Authority: JP
Inventors: 孝弘北浦
Original assignee: 宮崎鉄工株式会社
Priority date: 1998-11-10
Filing date: 1998-11-10
Publication date: 2000-07-12
Anticipated expiration: 2018-11-10
Also published as: JP2000144591A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、撚線機等における
ボビンを支持するためのボビン支持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の撚線機では、図４，５に示すよう
に、フレーム１にアーチ２が回転軸３を介して回転自在
に支持され、モータ４により回転される。そして、略矩
形状のクレードル５の左右端部が回転軸３に回転自在に
支持され、アーチ２の回転中は水平状態を保つように回
転される。クレードル５の前側および後側にそれぞれ支
持軸６，７が取り付けられ、これにボビン８が回転自在
に支持される。

【０００３】後側の支持軸７は、モータ９により回転駆
動され、前側の支持軸６は、クレードル５に対して前後
方向に移動自在に支持されている。モータあるいはシリ
ンダ等によって支持軸６を移動させることにより、ボビ
ン８を着脱できる。

【０００４】そして、クレードル５の下方にピット１０
が形成されており、ピット１０は撚線機の前方にあるボ
ビン出入口１１に通じている。ピット１０に、ボビン８
を載置して水平方向に回転する昇降可能な載置台１２が
設けられ、載置台１２は前後方向に走行する台車１３に
設けられている。あるいはピット１０内にリフターが設
けられている。

【０００５】ここで、ボビン８を交換するとき、まず台
車１３をボビン８の下方に位置させ、載置台１２をボビ
ン８に接触するまで上昇させる。そして、前側の支持軸
６を外側に向けて移動させ、同時に載置台１２を前方向
に少しだけ移動させ、両支持軸６，７をボビン８から抜
き出して、ボビン８を載置台１２上に載置する。その
後、載置台１２を下降させて、台車１３を前側に移動さ
せ、フロアライン位置まで載置台１２を上昇させる。載
置台１２を所定の方向に回転して、ボビン８を転がし出
す。

【０００６】そして、代わりに空のボビン８を転がし入
れ、先程とは逆に載置台１２を前後方向および上下方向
に移動させてクレードル５内までボビン８を搬入する。
前側の支持軸６を内側に向けて移動させることにより、
ボビン８は両支持軸６，７に支持され、ボビン８が装着
される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記のようにボビンを
交換する際、クレードルは水平状態にあり、アーチはボ
ビンの移動の邪魔にならないような斜め位置で停止され
る。そのため、ボビンはクレードルを回避するために、
上下方向に移動され、かつ前後方向に水平に移動され
る。このとき、ボビンの上部がクレードルに接触しない
位置までボビンを下降させる必要があり、リフターのス
トロークを大きくしなければならない。そのため、昇降
量が大きく強度の高いリフターが必要となり、コストが
増大する。また、ボビンを十分下降させるためには、ピ
ットも深くする必要があり、撚線機を設置するときの基
礎工事のコストが増大する。

【０００８】そこで、開閉式のクレードルとして前側部
が前方に開くものが、特開平１０ー２１８４９７号公報
に開示されている。しかし、このクレードルでは、前側
部を開くためのスペースが必要となる。また、ボビンを
前方に移動させるため、ボビンとクレードルとが干渉す
る恐れがある。

【０００９】本発明は、上記課題に鑑み、クレードルと
の干渉を回避して、容易にボビンの交換を行えるように
したボビン支持装置の提供を目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、ボビンを回転自在に支持する一対の支持軸と、両
支持軸が取り付けられたクレードルとを備え、一方の支
持軸はクレードルに沿ってボビン軸方向と直交する方向
に摺動自在とされ、ボビンの着脱時に支持軸を移動させ
る移動手段が設けられたものである。

【００１１】すなわち、クレードルの前枠および後枠に
支持軸が取り付けられ、前枠あるいは後枠のうちどちら
か一方は、他方よりも高く、かつボビンのフランジの上
部と同じかこれより高い位置にあり、一方の支持軸が垂
下片を介して高い方の枠に摺動自在に支持される。

【００１２】このように、クレードルをボビンの移動に
干渉しない形状にして、支持軸を移動させることによ
り、ボビンを水平方向に移動させるだけで、ボビンの着
脱を行うことができ、ボビンの交換が容易となる。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態の撚線機にお
けるボビン支持装置を図１〜３に示す。本実施形態のボ
ビン支持装置は、図４に示す従来のものと基本的に同じ
構造であるが、クレードル５の構造が従来とは異なる。

【００１４】すなわち、クレードル５は、前後左右の各
枠２１〜２４から一体に形成され、前枠２１は、後枠２
２よりも高く、かつボビン８のフランジ８ａの上部と同
じかこれより高い位置にある。前枠２１の右側は、右枠
２４から斜めに立ち上がり、これに連続して水平方向に
延びた水平部２５が形成され、左側は垂直に立ち下がっ
て左枠２３につながっている。

【００１５】水平部２５に垂下片２６が摺動自在に設け
られ、垂下片２６の下部に前側の支持軸６が取り付けら
れ、さらに支持軸６を前後方向に移動させるためのモー
タ２７も取り付けられている。また、後枠２２には、後
側の支持軸７が取り付けられている。

【００１６】垂下片２６は、水平部２５に固定されたガ
イドレール２８に沿って案内される。水平部２５にはね
じ棒２９が回転自在に支持されており、このねじ棒２９
に垂下片２６が螺合されている。ねじ棒２９の端部に
は、摺動用モータ３０がプーリ、ベルトを介して接続さ
れ、これらによって支持軸６を左右方向に移動させるた
めの移動手段が構成される。なお、モータ３０の代わり
に、シリンダを用いてもよい。

【００１７】そして、クレードル５の下方には、従来よ
り小さいピットが形成され、ボビン８を載置して出し入
れするリフター３１ａ付の台車３１が配されており、前
後方向に移動する。ここで、ピットを設けなくてもボビ
ン８を出し入れすることは可能である。

【００１８】なお、図中、３２はトラバースローラ、３
３はトラバース駆動用モータ、３４は引取キャプスタ
ン、３５はガイドローラ、３６は撚りローラである。

【００１９】このような構成によって、ボビン８を交換
するときには、まずアーチ２を斜め位置で停止させてか
ら、台車３１をボビン８の下方に位置させ、リフター３
１ａをボビン８の直下まで上昇させる。そして、前側の
支持軸６を前方に向けて移動させると同時に後側の支持
軸７がボビン８から抜けるまで台車３１を移動させる
と、両支持軸６，７からボビン８が外れ、ボビン８はリ
フター３１ａ上に載置される。

【００２０】その後、摺動用モータ３０を駆動して垂下
片２６を左側に移動させる。すると、支持軸６がボビン
８の前後方向への移動を妨げない位置まで移動する。そ
して、満巻きのボビン８を載せた台車３１を前方に移動
させて、ボビン８を取り出す。代わりに、空のボビン８
を載せて、クレードル５の下方まで移動させ、ボビン８
を持ち上げる。

【００２１】垂下片２６を右側に移動させ、支持軸６を
ボビン８と向き合う定位置にする。そして、支持軸６を
後側に向けて移動させると、ボビン８のフランジ８ａの
孔に前後の支持軸６，７が係合して、ボビン８は両支持
軸６，７に支持される。

【００２２】このように、支持軸６が水平に移動するこ
とにより、ボビン８の移動すべき方向には障害物がなく
なるので、ボビン８を水平に移動させるだけで交換を行
うことができる。したがって、ボビン８を上下動させる
必要がなくなり、交換時間の短縮を図れる。また、大き
なピットを設ける必要もなくなり、しかもクレードル５
の一部を開閉させるためのスペースも必要としない。そ
して、ボビン交換時、クレードルの一部が外側に大きく
突出せず、クレードルがアンバランスにならないため、
クレードルを固定するための機構を不要にできる。

【００２３】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることができる。例えば、撚
線機以外の線材巻取装置に本実施形態のボビン支持装置
を適用してもよい。

【００２４】また、クレードルの他の形態として、クレ
ードルを左右および後ろの三方の枠から形成し、ボビン
の上方を跨ぐように左右の枠を連結する上枠を設ける。
この上枠に、前方に張り出した垂下片を設け、前側の支
持軸を取り付ける。なお、垂下片は、上記と同様に左右
方向に摺動させる。このような構造にすると、重たいボ
ビンを支えることができ、強度的に優れる。

【００２５】また、前側の支持軸の代わりに後側の支持
軸を前後方向に移動可能とし、かつ摺動可能としてもよ
い。さらに、前後の支持軸を移動かつ摺動可能としても
よい。

【００２６】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、クレードルに対してボビンの着脱を行って、ボ
ビンを交換するとき、支持軸を邪魔にならない位置まで
移動するので、ボビンを複雑に移動させることなく一方
向に移動させるだけで交換を行うことができ、交換時間
の短縮を図れ、自動化が容易であり、作業の効率が向上
する。しかも、クレードルの一部がボビンの移動の邪魔
にならない形状になっており、ボビンの移動をスムーズ
に行える。

【００２７】また、クレードルに干渉しないようにボビ
ンを大きく移動させる必要がなくなることにより、ピッ
トを設けたり、クレードルの一部を開閉するためのスペ
ースも不要にできる。その結果、設備コストを低減でき
る。しかも、支持軸等が移動してもクレードルより外に
突出することはないため、ボビン交換操作に支障を来さ
ず、そのうえ安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係るボビン支持装置の構
成図

【図２】同じく概略平面図

【図３】同じく概略側面図

【図４】従来の撚線機の構成図

【図５】同じく概略側面図

【符号の説明】

５クレードル６前側の支持軸７後側の支持軸８ボビン２１前枠２２後枠２５水平部２６垂下片

フロントページの続き (56)参考文献特開平10−218497（ＪＰ，Ａ) 特開平10−279188（ＪＰ，Ａ) 特開平７−18526（ＪＰ，Ａ) 特開昭57−26581（ＪＰ，Ａ) 特開平11−49431（ＪＰ，Ａ) 実開昭60−177998（ＪＰ，Ｕ) 実開平３−127667（ＪＰ，Ｕ) 実開昭60−159766（ＪＰ，Ｕ) 実公昭41−24351（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) D07B 7/00 - 7/10 B65H 67/00 - 67/04

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ボビンを回転自在に支持する一対の支持
軸と、両支持軸が取り付けられたクレードルとを備え、
一方の支持軸は前記クレードルに沿ってボビン軸方向と
直交する水平方向に摺動自在とされ、前記ボビンの交換
時に前記支持軸を前記ボビンの軸方向への移動を妨げな
い位置まで移動させる移動手段が設けられ、前記クレー
ドルの一部が前記ボビンの移動の邪魔にならない形状と
されたことを特徴とするボビン支持装置。
【請求項２】ボビンを回転自在に支持する一対の支持
軸と、両支持軸が取り付けられたクレードルとを備え、
該クレードルの互いに対向する枠に支持軸がそれぞれ取
り付けられ、一方の枠は、他方の枠よりも高く、かつボ
ビンのフランジの上部と同じかこれより高い位置にあ
り、一方の支持軸が垂下片を介して前記一方の枠に摺動
自在に支持され、前記ボビンの交換時に一方の支持軸を
移動させる移動手段が設けられたことを特徴とするボビ
ン支持装置。