JP3064913U - 靴カバ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】雨中の歩行時に、紐付きのいわゆる編み上げ
靴、取り分け雨水が靴の中に入りやすいウォーキングシ
ューズを履くときに雨水の靴内部への侵入を防ぐことを
防止する。 【解決手段】靴の甲部分と側面部を通り後部に至る、靴
の下部（底部）を除く略全面を一体で覆う靴カバー本体
と、そのカバー本体を簡単に固定する手段を、簡単な構
造の１枚のシートを用いて提供する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、靴の上に簡単に被せたり取り外したりできる雨除けの靴カバーに関 するもので、特に甲部分を紐で結ぶタイプの靴に使用する靴カバーに関する。特 に雨中の歩行時に、紐付きのいわゆる編み上げ靴、取り分け雨水が靴の中に入り やすいウォーキングシューズを履くときに雨水の靴内部への侵入を防ぐことを防 止する靴カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来靴カバーとして提案されている技術としては、例えば実開昭５８−１９１ ８０３号、実開昭５９−１６９７０３号、実開昭５５−１４３７０７号、実開平 ２−６６１０１号、特開平９−５６４０２号等がある。

【０００３】 しかし、実開昭５８−１９１８０３号は伸縮性布を使用したものであって、そ の目的も靴の汚れで他人に迷惑をかけるのを防ぐための靴底カバー付きシューズ に関するものであって、手間がかかる。また実開昭５９−１６９７０３号は防水 用ではあるが、脛下覆い部と靴覆い部とをカバー本体に一体に形成するものであ って、大げさなものとなって嵩張るだけでなく取りつけも面倒である。

【０００４】 実開昭５５−１４３７０７号は靴の後部を覆うカバー本体と靴底部の踵の段差 部に取りつける伸縮バンドとからなるものであり、特に車の運転者が運転すると きに床の汚れが靴の後部側面に付着するのを防止するものであって、前面甲部を 覆うことも可能では有るが、底部にカバー止めの伸縮バンドを用いており雨の日 に外で靴の雨除けに履くことはできない。

【０００５】 実開平２−６６１０１号は後カバーと前カバーの２片を組み合わせて使うもの であって、ゴム底部を溶着して底部を含めて靴を完全に包み込んでしまうもので ある。したがって嵩張るだけでなく、簡便性に欠ける上靴のサイズによって違う 大きさのものを用意する必要がある。

【０００６】 特開平９−５６４０２号は靴の甲部だけ、即ち紐穴の有る編み上げ部分のみを カバーするものであって、内部に雨水が浸透するのを防ぐには不充分である。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

最近健康志向が強まり、歩くことも大変人気の有るスポーツのひとつになって いる。ウォーキングの人気上昇と共に全国各地でツーデーマーチやスリーデーマ ーチと言った行事も割合頻繁に行われるようになり、雨も自然なりと雨中での行 事開催も余程の悪条件でもない限り実施される。そこで雨対策としてポンチョ、 合羽、傘などは実用的な良いものが工夫されているが、足回りの対策は遅れてい る。従来の技術で述べたような提案は見られるが、そのどれを取っても雨水の浸 透防止効果が有り且つ手間がかからずに着用できるものは無く、また携帯に便利 なものでこの課題を解決するものは無かった。そのためウォーカーは歩行中に雨 水が靴の中に入り、水ぶくれなどが足にできる等のトラブルに悩まされている。 自衛手段として各自が、ポリエチレンなどのプラスチックス製のフィルムや袋を 用意して膝から下を覆ったり、靴下の上に袋を履くなどの工夫を凝らしているが 、手間がかかったり外観が悪い、歩行中の脱落やズレその他のトラブルが解消で きずに苦労している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本発明はこれらの不都合を解消した、簡便で靴内部への雨水の進入を防ぎ、携 帯性に優れた靴カバーを提供するものであって、靴の甲部分と側面部を通り後部 に至る、靴の下部（底部）を除く略全面を一体で覆う靴カバー本体と、そのカバ ー本体を簡単に固定する手段を、簡単な構造の１枚のシートを用いて提供するも のである。

【０００９】 すなわち歩行中に雨水が靴の内側に侵入する為の靴カバーに必要な要件は、 １．防水効果の有る素材を用いていること。 ２．繰り返し使用できる耐久性がある素材であること。 ３．着脱が簡単な構造であること。 ４．軽量であること。 ５．歩行動作に違和感などの支障を与えないこと。また歩行動作による振動が生 じたり、位置ずれがおきたり、脱落しやすいもの出ないこと。 ６．安価であること。 ７．靴の持つ通気性や放熱性を妨げないこと。 などがある。

【００１０】 本考案はこれらの条件を全て満足し得る靴カバーを提供するものであって、素 材に生地をベースにポリ塩化ビニールやポリオレフィン樹脂をコーティングして 得られるいわゆるターポリンを使用したために、防水性、耐久性を持たせた。

【００１１】 また甲部から側面部を通り後部に至る、靴の下部（底部）を除く略全面を覆う １枚の靴カバーとし、該靴カバーと靴の留め部として、靴紐を通す少なくとも２ 個の穴を有する構造としたので、上や横からの雨水の侵入を防ぎ、着脱が簡単な 構造であって、歩行動作による振動も生じず、位置ずれもおきにくく、脱落しづ らい。特に靴の上部（甲部）と側面は設けられた少なくとも２個の穴で固定され るだけなので、下部が密閉されないから空気は下から自由に出入りすることがで きるので、靴の持つ通気性や放熱性を妨げない。

【００１２】 厚さが０．１５〜１．０ｍｍであり、且つ重さが１５０ｇ／ｍ^２〜８００ｇ／ ｍ^２であって、剛軟度が３０ｍｍ〜２００ｍｍ（ＪＩＳ Ｌ−１０９６ Ａ法 ４５°カンチレバー法による）であるターポリンを素材に使うと、開けられた穴 に通した紐と、止められた後部の２箇所の固定だけで、素材の自重により靴全体 が包まれるような状態でカバーされる。従って通気性、放熱性が保たれるだけで なく、歩行動作時に違和感などの支障を与えない。

【００１３】 素材がターポリンであり、構造も非常にシンプルであるから勿論軽量安価であ り、また簡単に折りたたんでおいてもなんら支障がおきないので、携帯にも便利 である。

【００１４】 靴の後部位置で靴カバーを留める留め具として、最も簡単には粘着テープで止 めるだけでも使用でき、粘着テープを剥がしてもターポリンを使用しているので 損傷することは無く、何度でも使用できる。またホック、面状ファスナー、フッ ク、釦、コハゼ、紐などから選ばれる少なくとも一種類を備えることもでき、後 部の止め部にあたる重なり部分の一方をコハゼ状にし、重なり合う他方にコハゼ 状のものを嵌めこむための切れ目を入れておくだけでも良い。いずれにせよごく 簡単な止め方で十分な効果が発揮される。

【００１５】

【実施例】

以下に１実施例の図面をもとに使用する状態が解るように詳述する。図１はウ ォーキングシューズなどの編み上げ靴であり、１は靴紐で２は靴カバー３に開け た穴である。靴紐１を結ぶ前に靴カバー３を被せ、裏側から靴カバー３に開けら れたそれぞれ別な穴２に靴紐１の両端を刺し通して靴カバーごと結ぶ。Ａ部は穴 ２と離すほうが雨水の進入防止機能は上がるが、好ましくは編み上げ紐の下に有 るべろ状の先端がすっぽり隠れる程度で、足にあたらない位置が最適である。

【００１６】 Ｃ部は靴のつま先に相当する部分であって、図２のＣ部からＤ部に至る外側の 端縁は、着用したときに地面に最も近い部分となるため、接地して汚れない程度 のカーブを描き、また着用時に他人に視覚的な違和感を持たさせない様なもので ある必要がある。一方Ｄ部（図の右側）からＤ部（図の左側）に至る図の内側の 曲線は、靴の上部全縁を覆うほうが好ましい。またＢ部（図の右側）とＢ部（図 の左側）は着用時に重なる必要があり、Ｂ部に留め具として、ホック、面状ファ スナー、フック、釦、コハゼ、紐などから選ばれる少なくとも一種類を備えるこ とが好ましい。しかし止め具を設けない場合や止め具の位置が靴にフィットする 位置に無い場合などには、手近にある接着テープなどを用いて重ね合わせたＢ部 を止めても良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用する靴の１例である編み上げ靴を
示す斜視図。

【図２】本考案の靴カバーの平面図を示す。

【符号の説明】

１ 紐 ２ 穴 ３ 靴カバー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】靴の甲部から側面部を通り後部に至る、靴
   の下部（底部）を除く略全面を覆う１枚のシートからな
   る靴カバーであって、該靴カバーと靴の留め部として、
   靴紐を通す少なくとも２個の孔を有するターポリンから
   なる靴カバー。
2. 【請求項２】請求項１において、使用するターポリン
   は、厚さが０．１５〜１．０ｍｍであり、且つ重さが１
   ５０ｇ／ｍ^２〜８００ｇ／ｍ^２であって、剛軟度が３０
   ｍｍ〜２００ｍｍ（ＪＩＳ Ｌ−１０９６ Ａ法 ４５
   °カンチレバー法による）であることを特徴とする靴カ
   バー。
3. 【請求項３】請求項１または２において、靴の後部位置
   で靴カバーを留める留め具として、ホック、面状ファス
   ナー、フック、釦、コハゼ、紐などから選ばれる少なく
   とも一種類を備えたことを特徴とする靴カバー。