JP2019017732A - 履物用アッパーおよびそれを備えた履物 - Google Patents

履物用アッパーおよびそれを備えた履物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019017732A
JP2019017732A JP2017139067A JP2017139067A JP2019017732A JP 2019017732 A JP2019017732 A JP 2019017732A JP 2017139067 A JP2017139067 A JP 2017139067A JP 2017139067 A JP2017139067 A JP 2017139067A JP 2019017732 A JP2019017732 A JP 2019017732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
footwear
yarn
nylon
knitted
shape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017139067A
Other languages
English (en)
Inventor
和洋 米澤
Kazuhiro Yonezawa
和洋 米澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Matere Co Ltd
Original Assignee
Komatsu Matere Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Matere Co Ltd filed Critical Komatsu Matere Co Ltd
Priority to JP2017139067A priority Critical patent/JP2019017732A/ja
Publication of JP2019017732A publication Critical patent/JP2019017732A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】形状保持性に優れる履物用アッパーおよびそれを備えた履物を提供する。【解決手段】糸を用いて編成した履物用アッパー1であって、履物用アッパー1の剛軟度がJISL1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上である履物用アッパー1。【選択図】図1

Description

本発明は、履物用アッパーおよびそれを備えた履物に関する。
履物用アッパーは、爪先部、ヒールカバー部、タン等の種々のパーツを縫製することにより製造されている。そして、履物用アッパーの左右の踵部を縫製することにより筒状体を形成し、その筒状体にゴム等からなる底材を接合することにより履物が製造される。
そこで、履物用アッパーの生産性を向上させるために、編組織によって、これらのパーツを無縫製で一体成形することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2014/013790号
しかしながら、編物製の履物用アッパーは、革製あるいは織物製の履物用アッパーと比べて柔らかいため、履物の形状を保持することができない。そのため、編物製の履物用アッパーを用いる場合、履物の形状を保持するために、爪先部や踵部等に芯材を設ける必要があった。したがって、編物製の履物用アッパーを備えた履物は、生産性が低い。
また、従来、編物を構成する繊維として融着性繊維を用いて、履物用アッパーを編成した後、それを熱処理して、履物用アッパーに形状保持性を付与することも行われている。この方法は、特殊な繊維を準備したり、熱処理したりするため、生産性が低く、資材コストが高い。
また、履物用アッパーを編成した後、その表面に樹脂を塗布して、履物用アッパーに形状保持性を付与することも検討されている。この方法は、一足毎に樹脂を塗布するため、生産性が低い。
さらに、目の込んだ(密度が小さい)、硬い編物を編成することも考えられる。しかしながら、形状保持性に優れる履物用アッパーを無縫製で作製することは、生産性を著しく低下させる。また、形状保持性に優れる履物用アッパーを無縫製で編成すること自体が難しい。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、形状保持性に優れる履物用アッパーおよびそれを備えた履物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
[1]糸を用いて編成した履物用アッパーであって、前記履物用アッパーの剛軟度がJIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上である履物用アッパー。
[2]前記履物用アッパーは無縫製で糸を用いて編成したものである前記[1]に記載の履物用アッパー。
[3]前記糸は、ナイロンを含む前記[1]または前記[2]に記載の履物用アッパー。
[4]前記ナイロンは、ナイロン6、ナイロン610およびナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む前記[3]に記載の履物用アッパー。
[5]前記[1]〜前記[4]のいずれかに記載の履物用アッパーを備えた履物。
[6]芯材を有していない前記[5]に記載の履物。
本発明によれば、形状保持性に優れる履物用アッパーおよびそれを備えた履物を提供することができる。
実施形態の履物用アッパーの履物用アッパーの一例を示す概略平面図である。
本発明の履物用アッパーおよびそれを備えた履物の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[履物用アッパー]
本実施形態の履物用アッパーは、糸を用いて編成した履物用アッパーであって、前記履物用アッパーの剛軟度がJIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上である。
本実施形態の履物用アッパーは、糸を用いて編成したものからなり、着用者の足の甲や踵等を覆う履物用の部材である。また、本実施形態の履物用アッパーは、具体的には、糸を用いて筒状または袋状に編成したものである。
本実施形態の履物用アッパーとしては、例えば、図1に示すものが挙げられる。
図1に示す履物用アッパー1は、着用者の足の甲を覆うインステップカバー部2と、着用者の踵を覆うヒールカバー部3と、着用者の足の裏を覆うソールカバー部4と、着用者の足を出し入れするための履口部5と、を備えている。
本実施形態の履物用アッパーは、図1に示すものに限定されず、糸を用いて編成したものであれば特に限定されない。図1に示す履物用アッパー1は、インステップカバー部2、ヒールカバー部3およびソールカバー部4により袋状に編成されている。
本実施形態の履物用アッパーは、インステップカバー部、ヒールカバー部、ソールカバー部、履口部以外に、爪先部、ベロ部、羽根部等を有するものであってもよい。
本実施形態の履物用アッパーにおいて、インステップカバー部、ヒールカバー部、ソールカバー部、履口部、ベロ部、羽根部等は無縫製で糸を用いて編成したものであってもよく、無縫製または縫製により糸を用いて編成した部材を、縫製や接着剤等を用いて接合したものであってもよい。履物用アッパーの生産性を向上する観点から、本実施形態の履物用アッパーは、無縫製で糸を用いて編成したものであることが好ましい。特にソールカバー部は、無縫製で糸を用いて編成したものであることが好ましい。
本実施形態の履物用アッパーの形状は、特に限定されず、目的とする履物のデザインに応じて適宜設定される。本実施形態の履物用アッパーの形状としては、例えば、プレーントゥ、キャップトゥ、Uチップ、Vチップ、ウイングチップ、ダイヤモンドチップ、スワールモカ、ホールカット、モンクストラップ、ダブルモンクストラップ、コインローファー、ビットローファー、タッセルローファー、サイドエラスティック等の紳士用の靴、婦人用靴、スポーツシューズ、カジュアルシューズ等の形状が挙げられる。また、本実施形態の履物用アッパーの形状は、ブーツ等の形状であってもよい。
本実施形態の履物用アッパーにおいて、「編成されている」とは、編組織にて成形されていることをいう。本実施形態の履物用アッパーにおける編組織は、緯編または経編のいずれであってもよい。
本実施形態の履物用アッパーの剛軟度は、JIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上である。本実施形態の履物用アッパーは、上記の剛軟度が50mm以上であるため、形状保持性に優れる。形状保持性の観点から、上記の剛軟度は100mm以上であることが好ましく、150mm以上であることがより好ましい。また、本実施形態の履物用アッパーがソールカバー部も無縫製で編成されている場合、本実施形態の履物用アッパーは、形状保持性に比べ剛軟度の測定値が大きくなる傾向があり、上記の剛軟度が100mm以上であることが好ましく、150mm以上であることがより好ましい。
本実施形態の履物用アッパーの剛軟度が、JIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上であれば、芯材を用いることなく、履物用アッパーのみで、甲の部分や踵の部分の立体形状を保持できる。芯材を用いる必要がなくなれば、履物を軽量化することができるばかりでなく、履物の生産性を向上することができる。
本実施形態の履物用アッパーの剛軟度は、次のように、JIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定される。
緯編または経編等にて編成された履物用アッパーを、JIS L1096に規定される45°カンチレバー法の試験片として用いる。
履物用アッパーの長さ(サイズ)方向を試験片の長辺とし、履物用アッパーの幅方向を試験片の短辺とする。
一端が 45°の斜面を有する、表面が滑らかな水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置く。
次に、適切な方法によって試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて、試験片が斜面Aと接したときの試験片の移動した長さをスケールによって読み取る。剛軟度は、試験片が移動した長さ(mm)で示される。
本実施形態の履物用アッパーは、上述の通り、ソールカバー部等を有している場合や、筒状または袋状の場合がある。本実施形態の履物用アッパーの剛軟度の測定では、ソールカバー部等の有無に関係なく、履口部が上側(ソールカバー部が下側)となるように、水平台の上に履物用アッパーを置く。
本実施形態の履物用アッパーにおける形状保持性とは、履物用アッパーを、ソールカバー部を下にして、インステップカバー部を手で膨らませた後、履物用アッパーを床面に置いた場合に、履物用アッパーが立体形状を維持することができる性質のことである。
本実施形態の履物用アッパーを構成する糸は、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アセテート、アラミド、ビニロン、レーヨン、綿、麻、絹等を含む。また、本実施形態の履物用アッパーを構成する糸は、これらを混紡、混織、交絡等させた複合材料であってもよく、同一素材からなるものであってもよい。また、本実施形態の履物用アッパーも同一の糸から編成されているものであっても、また、複数の糸を用いて編成されているものであってもよい。
本実施形態の履物用アッパーを構成する糸は、ナイロンを含むことが好ましい。本実施形態の履物用アッパーを構成する糸がナイロンを含む場合、履物用アッパーを構成するナイロンを、後述する芳香族アルコールを含む処理液で処理することにより、本実施形態の履物用アッパーの形状保持性をより向上することができる。
ナイロンとしては、公知のナイロンが挙げられ、例えば、ナイロン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、あるいは、これらの共重合ポリアミド等が挙げられる。これらの中でも、履物用アッパーや履物の形状保持性の観点から、ナイロンは、ナイロン6、ナイロン610およびナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。
本実施形態の履物用アッパーを構成する糸(糸条)の太さは、特に限定されない。本実施形態の履物用アッパーを構成する糸(糸条)の下限は、150デシテックス以上であることが好ましく、200デシテックス以上であることがより好ましく、300デシテックス以上であることがさらに好ましく、400デシテックス以上であることが特に好ましい。また、本実施形態の履物用アッパーを構成する糸(糸条)の太さの上限は、特に限定されないが、2000デシテックス以下であることが好ましい。本実施形態の履物用アッパーを構成する糸(糸条)の太さが上記の範囲内であれば、本実施形態の履物用アッパーや履物の形状保持性がより向上する。
本実施形態の履物用アッパーを構成する糸としては、モノフィラメント糸であっても、マルチフィラメント糸であってもよい。前記糸を構成する繊維の太さは特に限定されないが、本実施形態の履物用アッパーを構成する糸に用いられる繊維としては、0.0001デシテックス以上、500デシテックス以下のものが挙げられる。なかでも、単繊維の太さで1μm未満のナノメートルオーダーの繊維が好ましい。また、ナノメートルオーダーの繊維は、例えば、ポリエステルとナイロン等からなる分割型複合繊維、溶融型複合繊維、直接紡糸型極細繊維、エレクトロスピニング法等にて製造された繊維等が挙げられる。また、繊維の繊維軸方向に垂直な断面形状は、丸型断面や星形断面、井形断面、三角断面等の異形断面であってもよい。また、中空繊維であってもよい。また、天然繊維、合成繊維等にかかわらず、例えば、ナイロンの場合においても長繊維であっても短繊維であってもよい。
本実施形態の履物用アッパーを構成する糸がナイロンを含む場合、ナイロンの糸(糸条)は、生糸または加工糸のいずれであってもよい。形状保持性の観点から、ナイロンの糸(糸条)は、生糸またはスラン加工等が施された加工糸であることが好ましい。
本実施形態の履物用アッパーは、撥水性、防水性、抗菌消臭性、制菌性、抗ウイルス性、花粉付着防止性、抗アレルギー性、吸水性、紫外線遮蔽性、防汚性、制電性、蓄光性、再帰反射性等を付与する加工が施されていてもよい。
本実施形態の履物用アッパーは、糸を用いて編成した履物用アッパーであって、履物用アッパーの剛軟度がJIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上であるため、形状保持性に優れる。したがって、本実施形態の履物用アッパーによれば、芯材を用いることなく、履物を作製することができる。よって、本実施形態の履物用アッパーによれば、履物の生産性を向上することができる。
[履物用アッパーの製造方法]
本実施形態の履物用アッパーの製造方法は、糸を用いて筒状または袋状に形成する工程(以下、「工程A」と言う。)を少なくとも有する。
工程Aでは、公知の方法により、無縫製で筒状または袋状に上記の糸を用いて編成する。編組織は、緯編または経編のいずれであってもよい。また、公知の方法により、無縫製で上記の糸を編成したものを、縫製や接着剤等を用いて接合し、筒状または袋状に形成する。
工程Aにおいて形成された編物の剛軟度が、JIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上であれば、その編物を、本実施形態の履物用アッパーとする。
本実施形態の履物用アッパーを構成する糸がナイロンを含む場合、工程Aにおいて形成された編物を、芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルを含む処理液で処理する工程(以下、「工程B」と言う。)を有していてもよい。
芳香族アルコールとしては、例えば、ベンジルアルコール、ベンジルアルコール誘導体、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、キシレノール、フェニルフェノール、クロロフェノール、フェニルエチルアルコール等が挙げられる。
ベンジルアルコール誘導体としては、下記式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2019017732
(式中、nは1〜3の整数を表わす。)
上記式(1)で示される化合物としては、具体的には、下記式(2)で示されるエチレンオキサイドベンジルアルコール誘導体や、プロピレンオキサイドのベンジルアルコール誘導体等が挙げられる。
Figure 2019017732
工程Bにおいて用いられる芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルを含む処理液は、芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルと、水とを含む混合液である。この混合液における芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルの含有量は、30g/L以上300g/L以下であることが好ましく、50g/L以上300g/L以下であることがより好ましく、70g/L以上300g/L以下であることがさらに好ましい。
芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルの含有量が30g/L以上であれば、形状保持性に優れる履物用アッパーが得られる。一方、芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルの含有量が300g/L以下であれば、ナイロンの強度の低下を抑えることもできる。なお、芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルの含有量が300g/Lを超えると、芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルの含有量の増加分に応じて形状保持性が向上することがない。
芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルとしては、処理の安定性の観点から、乳化剤等を用いて乳化したものを用いることが好ましい。
芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルを含む処理液は、消泡剤、浴中柔軟剤、あたり防止剤等を含んでいてもよい。
工程Bにおいて、芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルを含む処理液による処理温度は、60℃以上150℃以下であることが好ましく、80℃以上130℃以下であることがより好ましく、90℃以上125℃以下であることがさらに好ましく、100℃超120℃以下であることが特に好ましい。
処理温度が60℃以上であれば、充分な形状保持性を有する履物用アッパーが得られる。一方、処理温度が150℃以下であれば、履物用アッパーの引裂強度等の機械的強度の低下を抑えることもできる。
工程Bにおいて、芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルを含む処理液による処理時間は、処理温度や、処理液における芳香族アルコールまたはジベンジルエーテルの含有量に応じて適宜調整されるが、5分以上180分以下であることが好ましい。
処理時間が5分以上であれば、充分な形状保持性を有する履物用アッパーが得られる。一方、処理時間が180分以下であれば、履物用アッパーの生産性の低下を抑えることもできる。
工程Bに用いられる加工機としては、特に限定されないが、ワッシャー(ドラム式処理装置)等を用いることが好ましい。
また、工程Bによって得られた履物用アッパーに、ソーピングを行なうことが好ましい。
ソーピングは、水洗または40℃〜130℃程度の湯洗による処理、または、常温の水または40℃〜130℃程度の湯に、苛性ソーダ、ソーダ灰またはトリポリリン酸ソーダ等のアルカリ剤、界面活性剤あるいはキレート剤等を含むソーピング溶液による処理である。
また、ソーピングは、複数回行ってもよい。この場合、1回目のソーピングには、アルカリ剤や界面活性剤を含むソーピング溶液を用い、2回目のソーピングには、水のみを用いるようなソーピングを行なってもよい。
さらに、ソーピングを行った後、必要に応じて引き続き、あるいは乾燥を行った後、履物用アッパーに、染色加工、撥水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、抗ウイルス加工、花粉付着防止加工、抗アレルギー加工、防汚加工、消臭加工、吸水加工、紫外線遮蔽加工、制電加工等の加工を施してもよい。
また、必要に応じて、得られた履物用アッパーの表面(履物の外側になる面)や裏面(履物の内側になる面)に、防水膜や透湿防水膜を設けてもよい。
また、履物用アッパーの表面に、蓄光材や再帰性反射材を設けてもよい。蓄光材や再帰性反射材は、履物用アッパーの表面に貼付または縫製される。
本実施形態の履物用アッパーの製造方法によれば、形状保持性に優れた履物用アッパーを製造することができる。また、本実施形態の履物用アッパーの製造方法によれば、履物用アッパーの生産性を向上することができる。
[履物]
本実施形態の履物は、本実施形態の履物用アッパーを備える。
本実施形態の履物は、具体的には、本実施形態の履物用アッパーと、その履物用アッパーに接合された靴底部とを備える。
靴底部の材質としては、特に限定されず、一般的に靴底に用いられている樹脂、革等が挙げられる。
本実施形態の履物は、履物用アッパーが芯材を有していてもよく、また、履物用アッパーが芯材を有していなくてもよい。本実施形態の履物は、生産性や軽量化の観点から、履物用アッパーが芯材を有していないことが好ましい。
本実施形態の履物は、履物用アッパーのソールカバー部の内側に、中敷きが設けられていてもよい。
本実施形態の履物は、撥水性、防水性、抗菌消臭性、制菌性、抗ウイルス性、花粉付着防止性、抗アレルギー性、吸水性、紫外線遮蔽性、防汚性、制電性等を付与する加工が施されていてもよい。
本実施形態の履物は、履物用アッパーや靴底部に、蓄光材や再帰性反射材を設けて、蓄光性や再帰性反射性が付与されていてもよい。
本実施形態の履物用アッパーを所定の立体形状とした後、本実施形態の履物用アッパーと靴底部が、縫製や接着剤等を用いて接合されて、本実施形態の履物が得られる。
本実施形態の履物は、本実施形態の履物用アッパーを備えるため、編物で構成される履物用アッパーを用いながら、芯材を有していなくても履物の立体形状を維持し、美しいシルエットを有する。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、履物用アッパーの形状保持性の評価を次の方法で行った。
[形状保持性の評価]
履物用アッパーの剛軟度を測定することにより、履物用アッパーの形状保持性を評価した。
履物用アッパーの剛軟度を、JIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定した。
より具体的には、実施例および比較例にて編成された履物用アッパーを、JIS L1096に規定される45°カンチレバー法の試験片として用いた。
履物用アッパーの長さ(サイズ)方向を試験片の長辺とし、履物用アッパーの幅方向を試験片の短辺とした。
一端が 45°の斜面を有する、表面が滑らかな水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置いた。
次に、適切な方法によって試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて、試験片が斜面Aと接したときの試験片の移動した長さをスケールによって読み取った。試験片が移動した長さ(mm)を、履物用アッパーの剛軟度とした。
なお、履き口部が上側(ソールカバー部が下側)となるように、水平台の上に履物用アッパーを置いた。
[実施例]
糸としてナイロン6とポリエステルを用い、これらの複合糸(ナイロン:ポリエステル=1:1)を複数本束ねて、全体として500デシテックスの糸を用い、インステップカバー部およびソールカバー部を有する無縫製の袋状の履物用アッパーを編成した。編組織は、緯編とした。
上記の方法に従って、この履物用アッパーの形状保持性を評価した。その結果、この履物用アッパーの剛軟度は80mmであった。
また、この履物用アッパーを、ソールカバー部を下にして、インステップカバー部を手で膨らませた後、この履物用アッパーを床面に置いた。その結果、この履物用アッパーは、立体形状を維持できなかった。なお、この履物用アッパーは、編立時、ウエル、コースとも高密度とする必要がないため編成の生産性は優れていた。
次に、この履物用アッパーを精練した後、水にベンジルアルコールの乳化分散液を投入し、ベンジルアルコールの含有量が100g/Lの処理液にて、ドラム型染色機を用い、室温から110℃まで昇温し、110℃を維持して60分間の処理を行った。その後、引続き、ソーピングとして80℃のお湯にて2回湯洗いを行った。
次に、酸性染料にて青色に染色(95℃×60分)し、ソーピング、合成タンニンを用いたフィックス処理を行った。その後、60℃で乾燥を行ない、実施例の履物用アッパーを得た。
上記の方法に従って、実施例の履物用アッパーの形状保持性を評価した。その結果、実施例の履物用アッパーの剛軟度は150mm以上であった。
実施例の履物用アッパーを、ソールカバー部を下にして、インステップカバー部を手で膨らませた後、この履物用アッパーを床面に置いた。その結果、実施例の履物用アッパーは、立体形状を維持していた。また、実施例の履物用アッパーは、インステップカバー部を手で押し潰しても、手を放すと元の立体形状に復元した。さらに、実施例の履物用アッパーは、この操作を10回以上続けても、手を放すと元の立体形状に復元した。以上のことから、本実施例の履物用アッパーは、形状保持性に優れているものであることが分かった。
次に、実施例のアッパーに、靴底部、中敷きを取り付け、履物を作製した。
この際、ヒールカバー部や爪先部等には、芯材を用いなかったが、得られた履物は立体形状を維持し、美しいシルエットを有し、かつ軽量のものであった。
[比較例]
ベンジルアルコールを含む処理液による処理を行なわなかったこと以外は実施例と同様にして、比較例の履物用アッパーを得た。
上記の方法に従って、比較例の履物用アッパーの形状保持性を評価した。その結果、比較例の履物用アッパーの剛軟度は82mmであった。この比較例の履物用アッパーは、柔らかい風合いのものであった。
次に、比較例の履物用アッパーを用い、実施例と同様にして、履物を作製した。
この際、ヒールカバー部や爪先部等には、芯材を用いなかった。比較例の履物用アッパーの剛軟度は82mmであり、芯材を用いなかったため、得られた履物は立体形状を維持できなかった。
1・・・履物用アッパー、2・・・インステップカバー部、3・・・ヒールカバー部、4・・・ソールカバー部、5・・・履口部。

Claims (6)

  1. 糸を用いて編成した履物用アッパーであって、
    前記履物用アッパーの剛軟度がJIS L1096に規定される45°カンチレバー法に準じて測定したときに50mm以上である履物用アッパー。
  2. 前記履物用アッパーは無縫製で糸を用いて編成したものである請求項1に記載の履物用アッパー。
  3. 前記糸は、ナイロンを含む請求項1または2に記載の履物用アッパー。
  4. 前記ナイロンは、ナイロン6、ナイロン610およびナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項3に記載の履物用アッパー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の履物用アッパーを備えた履物。
  6. 芯材を有していない請求項5に記載の履物。
JP2017139067A 2017-07-18 2017-07-18 履物用アッパーおよびそれを備えた履物 Pending JP2019017732A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017139067A JP2019017732A (ja) 2017-07-18 2017-07-18 履物用アッパーおよびそれを備えた履物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017139067A JP2019017732A (ja) 2017-07-18 2017-07-18 履物用アッパーおよびそれを備えた履物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019017732A true JP2019017732A (ja) 2019-02-07

Family

ID=65353713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017139067A Pending JP2019017732A (ja) 2017-07-18 2017-07-18 履物用アッパーおよびそれを備えた履物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019017732A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3064913U (ja) * 1999-06-15 2000-01-28 ダイニック株式会社 靴カバ―
JP2003024106A (ja) * 2001-07-12 2003-01-28 Achilles Corp 履 物
WO2013108506A1 (ja) * 2012-01-20 2013-07-25 株式会社島精機製作所 フットウェア、および編地の編成方法
WO2014013790A1 (ja) * 2012-07-17 2014-01-23 株式会社島精機製作所 シューズアッパー、およびシューズアッパーの製造方法
JP2018050792A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 Tbカワシマ株式会社 アッパー部材、靴、ソール部材、及び、アッパー部材の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3064913U (ja) * 1999-06-15 2000-01-28 ダイニック株式会社 靴カバ―
JP2003024106A (ja) * 2001-07-12 2003-01-28 Achilles Corp 履 物
WO2013108506A1 (ja) * 2012-01-20 2013-07-25 株式会社島精機製作所 フットウェア、および編地の編成方法
WO2014013790A1 (ja) * 2012-07-17 2014-01-23 株式会社島精機製作所 シューズアッパー、およびシューズアッパーの製造方法
JP2018050792A (ja) * 2016-09-27 2018-04-05 Tbカワシマ株式会社 アッパー部材、靴、ソール部材、及び、アッパー部材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3323307B1 (en) Apparel or shoe comprising spider silk
US5461884A (en) Warp-knitted textile fabric shoe liner and method of producing same
JP4376792B2 (ja) 可融性フィラメントおよび繊維を有する布地を組み入れた履物
CN103829385B (zh) 一种高强透气袜的生产工艺
TWI279198B (en) An article of footwear having a textile upper and a method of manufacturing an article of footwear
US8250676B2 (en) Selectively feltable garment
KR20170098241A (ko) 저융점 섬유를 포함하는 용이하게 경화 가능한 스트레치 직물
TW201439392A (zh) 編織具有一整體式編織舌件之一編織組件之方法
JP2006249595A (ja) ぬれ感の少ない編地および衣料
JP2006225784A (ja) 異方的な吸水拡散性を有する編地および衣料
CN106307626A (zh) 一种袜子
JP2019017732A (ja) 履物用アッパーおよびそれを備えた履物
KR20170003036A (ko) 올이 풀리지 않는 스타킹의 직조방법
CN209995460U (zh) 一种环保鞋面制品和运动鞋
JP6777675B2 (ja) 通気防水靴を製造する方法
KR100841351B1 (ko) 면양말 및 그 제조방법
CN210809334U (zh) 一种超薄防滑改性棉混纺地板袜
CN106304837A (zh) 自附接织物及制造自附接织物的方法
EP2760305B1 (en) Underwear article of clothing
CN218073550U (zh) 一种耐磨型袜子
CN212994420U (zh) 一种涤棉超细纤维抗静电男袜
CN218577162U (zh) 稳固防滑涤纶面料
CN220800069U (zh) 一种防静电防臭袜
CN215321113U (zh) 一种可降解的飞织鞋面
CN218303663U (zh) 一种飞织鞋面休闲鞋

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210317

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210514

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210629