JP3062741B2 - 固体電解質を利用した高NOx還元作用を有する電極材及びNOx削減方法 - Google Patents

固体電解質を利用した高NOx還元作用を有する電極材及びNOx削減方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気NOx 等のN
x を高い転化率で還元、除去する作用を有する電極
材、及び該電極材を用いて排気NOx 等のNOx を削減
する方法に関するものであり、さらに詳しくは、本発明
は、固体電解質と高温で熱処理したPd電極を用いて構
成した、低温領域でも高いNOx 還元作用を有し、ディ
ーゼル排ガスのような酸素過剰な雰囲気下でもNOx
還元、除去することができる新しい電極材、及び該電極
材を用いて構成したセルに排気NOx 等を導入し、交流
通電して高い転化率でNOx を還元、除去することを可
能とするNOx 削減方法に関するものである。本発明の
NOx 還元作用を有する電極材は、ディーゼル排ガス等
の排ガス中のNOx の還元、除去手段、排ガス用NOx
センサー等に有用である。
【0002】
【従来の技術】我が国や欧州などでは熱効率の高さなど
の理由によりディーゼル車が比較的高く普及している。
しかし、そこから排出されるNOx は酸性雨の一因とさ
れ、世界的に大きな環境問題を引き起こしている。この
ため、ディーゼル車では排ガス再循環法(EGR)等に
代表されるエンジンの燃焼制御によるNOx 削減が行わ
れているが、その排出量は環境レベルを満足するには未
だ不十分である。この問題を解決するためのディーゼル
排ガス対策として、後処理技術を中心にして数多くの提
案がなされている。特に、ゼオライト系触媒や貴金属系
触媒はディーゼル排ガスのような酸素過剰雰囲気下でも
炭化水素を還元剤に用いて効果的にNOx を窒素に還元
する1.2)。しかし、これらの触媒の中には排ガス中に共
存する水蒸気により触媒活性が低下したり、実用レベル
で要求される長期耐久性に欠けるものなどがあり、その
実用化には数多くの課題を残している3)
【0003】一方、ガソリン車で使用されている三元機
能触媒はNOx を水蒸気共存下でも効果的に還元し、ま
た過酷な排ガス中でも十分な長期耐久性を持っている。
しかし、三元機能触媒はガソリン排ガスのような酸素が
ない条件下ではNOx 還元能を示すが、ディーゼル排ガ
スのような酸素過剰な雰囲気下では触媒表面上に吸着し
た酸素によりNOx 還元能が被毒される。このような問
題点を解決するために、従来、種々の研究成果が報告さ
れている。例えば、三元機能触媒にアルカリ土類金属酸
化物を添加したNOx 吸蔵触媒があるが、ディーゼル排
ガスのような常に酸素過剰な雰囲気下では使用できな
い。また、本発明者らは、固体電解質を利用したセルに
よるNOx の還元について種々検討を進めているが、こ
れまで得られた成果及びその問題点として次の例があげ
られる。すなわち、本発明者らは、固体電解質としてイ
ットリア安定化ジルコニア(YSZ)焼結体、−電極
(三元機能触媒)と+電極としてともに多孔質Pdを使
用したセルを構成した。このセルを1000ppmN
O、2−10%酸素、05%水蒸気と0−5%二酸化炭
素から成るモデルガス流通下に設置し、作動温度600
から9000Cでセルに電圧を供給した。その結果、セ
ルを通過した電流に比例してNOが窒素へ還元すること
が確認され、同時にNO還元が水蒸気や二酸化炭素の共
存に影響されないことも見出した4-9)
【0004】しかし、セルを通過した電流に対して還元
したNOの割合(NO還元に対する電流効率)がいずれ
の作動温度でも1.5%という低い値であったため、上
記の性能を得るのにかなり高い電圧をセルに供給する必
要があった。これはNO還元に大電力を必要とさせるだ
けでなく、固体電解質の電気分解を引き起こしセルの寿
命を大幅に低下させる問題点を招いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、ディーゼル
排ガス中でも三元機能触媒を使用すること、そして、ガ
ソリン排ガス中並にNOxを還元すること、を可能とす
る新しい方法を開発することを目標として鋭意研究を積
み重ねた結果、セルへの通電法として直流ではなく交流
を使用し、固体電解質の電気分解を抑制しセルへのダメ
ージを軽減することにより所期の目的を達成し得ること
を見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、ディ
ーゼル排ガス中でも三元機能触媒を使用できるようにす
るとともに、触媒表面上に吸着した酸素を選択的に取り
除き、ガソリン排ガス中並にNOx を還元できる方法を
開発することを目的とするものである。また、本発明
は、固体電解質を利用した高いNOx 還元作用を有する
電極材を提供することを目的とするものである。また、
本発明は、該電極材を用いてディーゼル排ガス等の排ガ
ス中のNOx を効率よく還元、除去する方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)Pd電極を1400〜1500℃の高温で熱処理
して750℃以下の低温領域での耐酸化性を向上させる
ことを特徴とする、Pd電極の低温領域での耐酸化性を
向上させる方法。 (2)1400〜1500℃の高温で熱処理して750
℃以下の低温領域での耐酸化性を向上させたPd電極上
へRhをコートして修飾してNOx還元能を増大させた
電極を用いて構成したことを特徴とする、低温領域で高
いNOx還元作用を有する電極材。 (3)Pd電極が、固体電解質表面上に取り付けたPd
電極であり、該固体電解質としてイットリア安定化ジル
コニア(YSZ)焼結体を用いことを特徴とする前記
(2)に記載の電極材。 (4)前記(2)又は(3)に記載の電極材を用いて構
成したセルにNOx含有ガスを導入し、交流通電してN
x を還元、除去することを特徴とするNOx削減方
法。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。上記のように、本発明は、ディーゼル排ガス
中でも三元機能触媒を使用できるようにすることを目的
にし、触媒表面上に吸着した酸素を選択的に取り除き、
ガンリン排ガス中並にNOx を還元、除去できる手法を
開発し、提供することを目的にしている。これにより、
新たに材料を開発する必要がなくなり、ディーゼル車の
NOx 排気対策を早期に確立することを期待できる。本
発明者らは、固体電解質型セルによる酸素の選択除去の
新しい手法を開発するために以下の原理を構築した。す
なわち、安定化ジルコニアに代表される酸化物イオン導
電性セラミックスに三元機能触媒を取り付け、前者を固
体電解質、後者を−電極(カソード)として使用する電
気化学的セルを構成する。次に、−電極室にディーゼル
排ガス等の排ガスを流通し、外部電源によりこのセルへ
電圧を供給すると、以下のプロセスにより触媒表面上に
吸着した酸素を選択的に除去できる。 (1)−電極表面上に吸着している酸素が酸素イオンに
なる。 (2)酸素イオンが−電極から+電極に向かって固体電
解質内を伝導する。 (3)+電極表面上で酸素イオンが再び酸素となる。 (4)酸素が+電極から気相中へ脱離する。 このプロセスにより、三元機能触媒表面を被毒していた
酸素がなくなり、ガソリン排ガス中の触媒表面とよく似
た状況にすることができる。
【0008】本発明では、上述の問題点を解決するため
に、交流通電法の使用と電極材の改良を目的として、以
下の二つの手法を新たに使用した。 (1)セルへの通電法として直流ではなく交流を使用
し、固体電解質の電気分解を抑制しセルへのダメージを
軽減する。 (2)−電極を高温で熱処理したり、肋触媒を添加する
ことにより、被毒酸素を電解除去しやすくするととも
に、電極の触媒活性を高めNO還元に対する電流効率を
増大する。
【0009】本発明では、酸化物イオン導電性セラミッ
クスに三元機能触媒を取り付け、前者を固体電解質、後
者を−電極(カソード)として使用する電気化学的セル
を構成する。次に、−電極室にNOx 含有ガスを導入
し、外部電源によりこのセルへ電圧を供給する。固体電
解質としての酸化物イオン導電性セラミックスとして
は、例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)焼
結体、サマリアもしくはガドリアをドープしたセリア焼
結体などが好適なものとして例示されるが、これに限ら
ず、同効の酸化物イオン導電性セラミックスであれば同
様に使用することができる。
【0010】−電極と+電極として共に高温で熱処理し
たPd電極を使用する。この場合Pd電極としては、粒
径が0.1〜5μmのPd粒子がジエチレングリコール
等の有機溶媒で希釈されたペーストを使用し、1400
〜1500℃、好ましくは1450℃の高温で熱処理す
る。熱処理は、Pdペーストを例えば、イットリア安定
化ジルコニア(YSZ)焼結体に塗布後、電気炉により
空気中で目的温度まで加熱し、その温度で1時間保持す
るなどの手段により実施する。高温でPd電極を熱処理
することにより、特に750℃以下の低温でのNOx
元能が向上し、特に1450℃の熱処理が最も効果的で
ある。1400℃以下ではPd電極の酸化を抑制する効
果が不十分であり、また、1500℃以上ではPd電極
がはげしく粒成長したり、イットリア安定化ジルコニア
(YSZ)焼結体などと固相反応するので好ましくな
い。
【0011】本発明では、上記Pd電極を修飾するため
に、高温で熱処理したPd電極上にRh金属をコートす
ることができる。Pd電極へのRhのコートは、熱処理
後のPd電極上へRhペーストを塗布すればよい。具体
的には、粒径が0.1〜5μmのRh粒子をジエチレン
グリコール等の有機溶媒で希釈されたRhペーストをP
d電極全面へ均一にスクリーン印刷する。これにより、
NOx 転化率が増大し、電極の触媒活性を増大させるこ
とができる。固体電解質、高温で熱処理し、Rhコート
したPd電極を用いてセルを構成する。具体的には、例
えば、二つのRhコートしたPd電極にそれぞれPt線
(φ0.3mm)を圧着し、リード線として使用する。
これをアルミナ管(外径30mm、内径24mm)の中
に設置し、二つの電極がともにNOx 含有ガスにさらさ
れるような単室型セルを構成する。セルの構成は、これ
に限らず、上記セルと同効のものであれば同様に使用す
ることができる。
【0012】次に、上記Pd電極を取り付けたセルにN
x 含有ガスを導入し、交流電圧を印加すると、電極材
が持つ触媒作用によりNOx が還元、除去される。この
場合、交流通電の条件としては、周波数10〜0.01
z、2〜4Vが好ましい。交流通電により、高電圧でも
長時間にわたり上記電極材のNOx 還元作用を維持する
ことができる。本発明の電極材は、高いNOx 還元除去
作用を有し、しかも、交流通電法を用いることにより、
セルの劣化を抑えることができるので、ディーゼル排ガ
スのような酸素過剰な雰囲気下でも触媒表面上に吸着し
た酸素を選択的に取り除き、ガソリン排ガス中並にNO
x を還元、除去することを可能とするものであり、ディ
ーゼル排ガス中のNOx の還元、除去、ディーゼル排ガ
ス中のNOx のセンシングなどに有用である。
【0013】
【実施例】次に、実験例及び実施例に基づいて本発明を
具体的に説明するが、該実施例は本発明の好適な一例を
示すものであり、本発明はこれらの実施例によって何ら
限定されるものではない。 実験例 (1)実験方法 1)交流通電 直径22mm、厚さ0.85mmの円盤状YSZ(8m
ol% yttria)焼結体の両面にAu,Pd,P
tまたはRhペーストを塗布し、850℃で空気中にて
1時間焼き付け処理をした。各電極にPt線を接続し、
リード線として使用した。このセルを外径30mm、内
径24mmのアルミナ管に設置し、電気炉により600
−900℃に加熱した。そこへモデルガス(750−2
600ppmNO,1−4%O2 ,0−5% H2
and 0−5% CO2 )を流速50ml min-1
で導入し、外部電源により周波数10-2−103 Hz、
振幅電圧0−4VのAC電圧を供給した。アルミナ管出
口ガス中のNOx 濃度を化学発光方式NOx 分析計で測
定した。
【0014】2)電極材の修飾 上の実験で最も効率よくNOを還元したPd電極を修飾
するため、Pd電極を最高15000℃まで熱処理する
とともに、熱処理後のPd電極上へAu,PdPtまた
はRhペーストを塗布した。このように修飾したPd電
極のNO還元能を上と同じ方法により評価するととも
に、その表面形態と触媒活性をそれぞれXRDと常圧流
通法で測定した。
【0015】(2)結果 1)交流電解法 まず、交流通電法によりNOを還元できることを確かめ
るため、各種金属電極を取り付けたセルに600から8
00℃で1500ppmNOと3%O2 からなるモデル
ガスを導入し、周波数0.1Hzで交流電圧4Vを印加
した。この際のNO転化率を図1にまとめて示す。どの
電極材でも交流通電によりNOを還元できたが、Pd電
極を使用した場合が最も効果的であった。一方、図2
は、モデルガスとして3%O2 の代わりに1500pp
m H2 を含むガスを導入し、セルへの通電によるので
はなく、電極材が持つ触媒作用によりNOを還元した際
の結果を示す。ここでのNO転化率の順番は、Rh,P
d,Pt,Auとなるに従い減少し、図1に示す通電に
よる転化率の順番とは異なった。これに対して、図3
は、図1の通電時におけるセルの電気抵抗を示す。セル
の電気抵抗の順番は、Rh,Au,Pd,Ptの順で減
少し、図1の順番に近かった。すなわち、通電によるN
O還元は、電極材がこの反応に対して高い触媒活性を持
つことだけでは不十分であり、電極材が強く吸着した酸
素を電解除去しやすいことが必要であると結論される。
【0016】次に、交流通電によりセルの寿命が長くな
ることを確かめるため、4Vの交流と直流をそれぞれセ
ルに印加した。この際の出口ガス中におけるNO濃度の
経時変化を図4に示す。直流通電では、通電直後にNO
濃度が大きく減少したが、その後急激に増加し始め、セ
ルが時間とともに劣化した。これに対して、交流通電で
は、試験した時間内でNO濃度の増加が見られず、セル
の劣化が起こらなかった。従って、交流通電法を使用す
ることにより、たとえ高電圧でも長時間にわたりNOを
還元できることがわかる。
【0017】2)電極材の改良 前節の図1が示すように、Pd電極を使用した場合、8
00℃では高いNO転化率を示したが、750℃以下で
はNO転化率が大きく減少した。そこで、Pd電極を修
飾する目的で、この電極を高温で熱処理した。熱処理後
のセルに周波数0.1Hz、交流電圧4Vを印加した際
のNO転化率を図5に示す。高温でpd電極を熱処理す
ることにより、特に低温でのNO還元能が向上し、中で
も1450℃の熱処理が最も効果的であった。850℃
と1450℃で熱処理した二つのPd電極を700℃で
空気中20時間保持し、これらの酸化状態をXRDで観
察したところ、850℃処理のPd電極は強く酸化され
ていたが、1450℃処理のPd電極はほとんど酸化さ
れていなかった。一般に、Pd金属は800℃以下で酸
化されやすいことが知られている。このように化合した
酸素は、吸着酸素に比べて電解除去しにくいため,75
0℃以下でNO転化率が大きく低下した。しかし、14
50℃でPd電極を熱処理した結果、750℃以下での
酸化が抑制され、この温度領域でも高いNO転化率を示
したと考えられる。おそらく、1400℃処理では酸化
防止の効果が不十分であり、また1500℃処理ではP
d電極がひどく粒成長したものと考えられる。
【0018】さらに、Pd電極を修飾するために、14
50℃で熱処理したPd電極上に各種金属をコートし
た。コート後のセルに図5と同じ条件で交流電圧を印加
した際のNO転化率を図6に示す。Pd,Pt,Auを
コートするとNO転化率が減少したが、Rhをコートす
ることによりNO転化率が増大した。しかも、金属コー
トの効果としてはRh,Pd,Pt,Auの順となって
おり、図1の触媒活性の順と一致していた。従って、P
d電極上へのRhコートは、電極の触媒活性を増大させ
る役割があることを意味する。
【0019】実施例 (1)電極材の作製 直径22mm、厚さ0.85mmの円盤状YSZ(8
mol% yttria)焼結体の両面にPdペースト
を塗布し、850℃で空気中にて1時間焼き付け処理を
した。次に、上記Pd電極を修飾するために、Pd電極
を1450℃で熱処理するとともに、熱処理後のPd電
極上へPdペーストを塗布した。次に、上記により、作
製したPd電極を修飾するために、1450℃で熱処理
したPd電極上にRhペーストをスクリーン印刷により
コートする以外は上記と同様にして電極材を作製した。
【0020】(2)交流通電によるNOx の還元、除去 上記Pd電極を取り付けたセルに800℃で1500p
pmNOと3%O2 からなるモデルガスを導入し、周波
数0.1Hzで交流電圧4Vを印加した結果、38%の
NO転化率が得られた。上記交流通電を20時間以上継
続してもNO濃度の増加が見られず、交流通電によりセ
ルの劣化が起こらないことがわかった。次に、Rhをコ
ートしたPd電極を用いて上記と同様に交流通電した結
果、NO転化率は47%に増加し、Pd電極上へのRh
コートは電極の触媒活性を増大させることがわかった。
【0021】(3)用途 本発明の電極材は、例えば、ディーゼル排ガス、ゴミ焼
却排ガス、コージェネ発電排ガス等に含有するNOx
還元、除去、ならびにこれらのNOx 濃度モニターリン
グのためのセンサーに有用である。
【0022】
【発明の効果】本発明により、1)交流通電でもNOを
還元除去できる、2)交流通電法が直流通 電法に比べ
てセルへのダメージが少ない、3)Pd電極を熱処理す
ることにより、低温での電極の酸化が抑制され、酸素を
容易に電極表面から電解除去できる、4)熱処理後のP
d電極へRhコートすることにより、電極の持つ触媒活
性を高めることができる、等の格別の効果が奏される。
【0023】(先行技術文献) 1) Y. Kintaichi, at al., Catal Lett., 6, 239 (199
0). 2) M. lwamoto, at al., Shokubai (Catalyst) 33, 43
0 (1990). 3) H. Hirabayashi, at al., Chem. Lett., 2235 (199
2)・ 4) T. Hibino, Chem. Lett., 927 (1994). 5) T. Hibino, J. Appl. Electrochem., 25, 203 (199
5). 6) T. Hibino, et al., J. Chem. Soc. Faraday Tran
s. 91, 1955 (1995)・ 7) T. Hibino, et al., Solid State Ionics, 89, 13
(1996). 8) T. Hibino, et al., J. Chem. Soc. Faraday Tran
s. 92, 4297 (1996)・ 9) T. Hibino, et al., Solid State Ionics, 98, 185
(1997).
【図面の簡単な説明】
【図1】各種金属電極を取り付けたセルを用いて交流通
電法によりNOを還元した結果を示す。
【図2】電極材が持つ触媒作用によりNOを還元した結
果を示す。
【図3】図1の通電時におけるセルの電気抵抗を示す。
【図4】交流と直流をそれぞれセルに印加した場合のN
O濃度の経時変化を示す。
【図5】高温で熱処理したPd電極を用いて交流通電し
た際のNO転化率を示す。
【図6】1450℃で熱処理したPd電極上に各種金属
をコートした場合のNO転化率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/32 B01D 53/34 C22F 1/14 C25B 11/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pd電極を1400〜1500℃の高温
    で熱処理して750℃以下の低温領域での耐酸化性を向
    上させることを特徴とする、Pd電極の低温領域での耐
    酸化性を向上させる方法。
  2. 【請求項2】 1400〜1500℃の高温で熱処理し
    て750℃以下の低温領域での耐酸化性を向上させたP
    d電極上へRhをコートして修飾してNOx還元能を増
    大させた電極を用いて構成したことを特徴とする、低温
    領域で高いNOx還元作用を有する電極材。
  3. 【請求項3】 Pd電極が、固体電解質表面上に取り付
    けたPd電極であり、該固体電解質としてイットリア安
    定化ジルコニア(YSZ)焼結体を用いことを特徴と
    する請求項2に記載の電極材。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の電極材を用いて
    構成したセルにNOx含有ガスを導入し、交流通電して
    NOx を還元、除去することを特徴とするNOx削減方
    法。
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