JP3062562B2 - 産業廃棄物処理場の漏水検出シート敷設方法 - Google Patents

産業廃棄物処理場の漏水検出シート敷設方法

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JP3062562B2 JP3318348A JP31834891A JP3062562B2 JP 3062562 B2 JP3062562 B2 JP 3062562B2 JP 3318348 A JP3318348 A JP 3318348A JP 31834891 A JP31834891 A JP 31834891A JP 3062562 B2 JP3062562 B2 JP 3062562B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業廃棄物処理場に
使用される漏水検出機能を有するシートの敷設方法に係
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、土木工事等にあってシート防水工
法が広く採用されている。例えば、産業廃棄物の処理場
にあっては、廃棄物等から出る汚水を土中に流出させる
ことのないように、防水シートを敷設するものである。
しかるに、この防水シートが破損し、漏水を発生した場
合、ただちにこの漏水を発見することは難しく、その漏
水個所を特定するのは容易ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特に産業廃棄物の処理
場にあっては、有害物質が溶出する可能性が高く、これ
を土中に流出することは許されない。しかも、この廃棄
物中には釘や廃材等先端が鋭利なのもが混入しており、
これによって、シートが破られるというケ−スが散見さ
れ、この対策が特に必要とされている。更に、敷設され
たシートが、地盤への追従性が充分でない場合、即ち地
盤に凹凸があった際には、シートと地盤との間に間隙が
生じてしまい、このため施工後にシートに亀裂が入った
り破損したりすることがあり、防水の役目をはたさない
ケ−スもある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
従来技術の欠点を改良せんとして鋭意開発を進めた結
果、漏水検出機能を有するシートを採用し、所定の位置
に敷設することによりその目的を達成したものである。
即ち、本発明の第1は、柔軟性のある2枚の長尺合成樹
脂シートをそれぞれ第1次防水シート及び第2次防水シ
ートとし、それらの間に透水性薄層をはさんで両幅端を
水密に一体化し、長尺方向にのみ第1次防水シートと第
2次防水シートとの間を水が浸透し得るようにした漏水
検出シートの敷設方法であって、地表面に形成された窪
みの天端部に長尺方向の両端部が達するように敷設する
産業廃棄物処理場の漏水検出シート敷設方法を提供する
ものである。
【0005】そしてその第2は、地表面に窪みを形成
し、当該窪みの底部及び側部に天端部にまで達する第2
次防水シートを敷設し、これらを相互に水密に一体化し
て窪み面全体を第2次防水シートにて覆い、次いで長尺
帯状の透水性薄層を天端部に達するよう第2次防水シー
ト表面に敷設し、更にこの透水性薄層よりも広幅の第1
次防水シートをこの透水性薄層上に敷設し、この第1次
防水シートの両幅端を第2次防水シートと水密に一体化
したことを特徴とする産業廃棄物処理場の漏水検出シー
ト敷設方法であって、特に言えば、廃棄用ピットと共
に、このピットの底面及び側面に周囲の天端部に達する
第2次防水シートを敷設し、これらを相互に熱溶着若し
くは接着剤接合により水密に一体化してピット地盤面全
体を第2次防水シートにて覆い、次いで長尺帯状の透水
性薄層を先端が周囲の溝に達するよう第2次防水シート
表面に敷設し、更に透水性薄層より広幅の第1次防水シ
ートを敷設することにより、この第1次防水シートの両
幅端を第2次防水シートと水密に一体化したことを特徴
とする敷設方法を提供するものである。
【0006】尚、漏水検出シートは予め第1次防水シー
トと第2次防水シートとの間に透水性薄層をはさんで両
幅端を水密に一体化しておき、これをロ−ル状に巻き取
っておいて、現場にてこれを広げ順次これを熱溶着等で
水密に一体化する敷設方法も可能である。
【0007】本発明の第1次防水シート及び第2次防水
シートに用いられる合成樹脂シートとしては、高密度、
中密度、更には低密度のポリエチレン(PE)、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(P
P)或いはグラフト変性ポリオレフイン系エラストマー
(TPE)等が使用される。
【0008】又、シート内に介在させる透水性薄層は、
不織布、ネット、連通発泡材が例示され、この透水性薄
層をはさんで前記した合成樹脂シートがその幅方向をも
って水密に一体化されるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる漏水検出シー
トは、上記したように中間を透水性薄層となした三層構
造となっている。従って、このシートが地盤に敷設され
た場合、例えば産業廃棄物中に混入した鋭利な物体によ
ってシートが破られた際には、透水性薄層内に漏水が侵
入し、これが透水性薄層内を浸透することとなる。従っ
て、この透水性薄層における水の有無を調べることによ
ってシートの破損等が検出されることとなるのである。
特に、地盤上にこの漏水検出シートを敷設し、その長手
方向の端部を天端部の溝内へ導いておくことにより、溝
内へ水が流れ出した際にどの個所のシートが破損したか
が直ちに検出されることとなるのである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の特徴を図をもって更に詳細に
説明する。図1は、本発明で用いられる漏水検出シート
の一部を示す断面図である。図中、符号1は第1次防水
シートであり、符号2は地盤側の第2次防水シートであ
る。これはいずれもEPDM系のTPEよりなり、その
厚さは1.5mmであった。又、これらシート1、2間
に透水性薄層となる合成繊維製の不織布3が介在するも
のであり、この状態を保って、シート1、2の幅方向端
を熱溶着により一体化される。
【0011】この漏水検出シートにあっては、例えば第
1次防水シート1が破られ漏水が生じた場合、不織布3
層内に水が侵入し、これが漏水検出シートの長手方向に
透水し、その端に浸出することとなるもので、この漏水
検出シートの長手方向先端を監視しているだけで漏水の
有無が検出できることとなったのである。
【0012】図2は、産業廃棄物を貯える窪みにかかる
漏水検出シートを敷設した状態を示す図である。図中、
窪み11を囲んでその周囲の天端部に溝12が形成され
る。そして先ず地盤13上に第2次防水シート14が敷
設され、この帯状の防水シート14の幅端部を溶着して
全体を水密に一体とする。この第2次防水シート14は
天端部の溝12内に達するよう敷設される。
【0013】次いで、図3に示すようにロ−ル状の不織
布15を、第2次防水シート14上に並べて敷設する。
この不織布15も又、天端部の溝12内に達するように
敷設されるものである。
【0014】そして、この不織布15上にこれよりもや
や幅広のロ−ル状の第1次防水シート16を載置し、こ
の不織布15をはさんだ両側幅にあって、第1次防水シ
ート14と第2次防水シート16とを熱溶着してなるも
のである。このように、第1次防水シート16における
作業を順次行ない、全体として三層の漏水検出シートが
地盤13上に形成されることとなる。
【0015】図4は前記した方法によって敷設した第2
次防水シート14、不織布15及び第1次防水シート1
6の関係を示す断面図である。すなわち、この例では地
盤13上に先ず広範囲にわたって第2次防水シート14
を敷設し、次いで不織布15を一定間隔を隔てて並べ、
この不織布15を更に第1次防水シート16にて覆い、
この先端を第2次防水シート14と熱溶着4、5して一
体化したものである。
【0016】図5は敷設方法の別例を示すものであり、
やや幅の広い第2次防水シート14に不織布15及び第
1次防水シート16を重ね合わせ、両シートを熱溶着等
によって一体化した3層ユニットとしておき、これを地
盤13上に敷設し、第2次防水シートの幅方向端部を重
ね合わせて熱溶着してなるものである。
【0017】本発明の漏水検出シート敷設方法にあって
は、例えば第1次防水シート16が破れた場合にあって
は、漏水が不織布15内に侵入し、これが徐々に天端部
の溝12方向に向って浸出するものであり、溝12内に
水が達すれば直ちに漏水をおこしたシートが分ることに
なる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、以上のように産業廃棄物処理
場における漏水検出シートの敷設方法に係るものであっ
て、鋭利な尖端によって防水シートが破られることがあ
っても、この破損部位が直ちに分ることとなったもの
で、有害物質の土中への侵入等がすみやかに阻止するこ
とができることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明で用いられる漏水検出シートの断
面図である。
【図2】図2は本発明の漏水検出シートを敷設した状態
を示す断面図である。
【図3】図3は図2におけるシートの敷設方法の一段階
を示す斜視図である。
【図4】図4は漏水検出シート敷設方法の一例を示す断
面図である。
【図5】図5は漏水検出シート敷設方法の他の例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1‥‥第1次防水シート 2‥‥第2次防水シート 3‥‥不織布 4‥‥熱溶着部 5‥‥熱溶着部 11‥‥窪み 12‥‥溝 13‥‥地盤 14‥‥第2次防水シート 15‥‥不織布 16‥‥第1次防水シート

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柔軟性のある2枚の長尺合成樹脂シート
    をそれぞれ第1次防水シート及び第2次防水シートと
    し、それらの間に透水性薄層をはさんで両幅端を水密に
    一体化し、長尺方向にのみ第1次防水シートと第2次防
    水シートとの間を水が浸透し得るようにした漏水検出シ
    ートの敷設方法であって、地表面に形成された窪みの天
    端部に長尺方向の両端部が達するように敷設することを
    特徴とする産業廃棄物処理場の漏水検出シート敷設方
    法。
  2. 【請求項2】 地表面に窪みを形成し、当該窪みの底部
    及び側部に天端部にまで達する第2次防水シートを敷設
    し、これらを相互に水密に一体化して窪み面全体を第2
    次防水シートにて覆い、次いで長尺帯状の透水性薄層を
    天端部に達するよう第2次防水シート表面に敷設し、更
    にこの透水性薄層よりも広幅の第1次防水シートをこの
    透水性薄層上に敷設し、この第1次防水シートの両幅端
    を第2次防水シートと水密に一体化したことを特徴とす
    る請求項1に記載の産業廃棄物処理場の漏水検出シート
    敷設方法。
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