JP3062287B2 - スライド式排気ブレーキ装置 - Google Patents

スライド式排気ブレーキ装置

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JP3062287B2
JP3062287B2 JP3122243A JP12224391A JP3062287B2 JP 3062287 B2 JP3062287 B2 JP 3062287B2 JP 3122243 A JP3122243 A JP 3122243A JP 12224391 A JP12224391 A JP 12224391A JP 3062287 B2 JP3062287 B2 JP 3062287B2
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一儀 滝川
亮一 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般にバス、トラック或
いは建設車輌等の大型車輌においてエンジンの排気通路
に介装され、急降坂時に排気ガスの排出を閉塞して車輌
に制動効果を付与せしめる排気ブレーキ装置にあって、
特に本出願人によって提案された実公昭59−9064
号公報の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排気ブレーキ装置として
は前記公報にあって図5に示すように、ピストン桿の貫
通する隔壁若しくはエヤーシリンダー装置の底壁部に設
けたブッシュとシール部材(図示せず)との間に、弁部
材(23)の背後側の流通路(22)に通ずる排出バイパス路(2
1)を設けて構成せしめ、特に流通路(22)の閉塞による制
動時に高温で腐食性を有する排気ガスやこのガスに伴う
カーボン或いは弁部材(23)の往復摺動に伴う摩耗金属粉
等のシリンダー内部への侵入を防止して、ピストン部材
戻し用のコイルスプリング、シール部材及びピストン部
材を保護すると共に、機能の早期劣化を防止するように
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の技術にお
いて、ある程度の目的を達成するものではあるが、長期
に亘っては未だ充分に満足するまでには至らず、尚一層
の改善が要求される現状にある。
【0004】本発明にかかる現状に鑑みてなされたもの
であり、前記排出バイパス路に併備して特にエジェクタ
ー機構或いは圧縮エヤーによる噴出機構を設けることに
より、前記排気ガスの一部或いは摩耗金属粉の侵入を完
全に防止して、コイルスプリング、シール部材並びにピ
ストン部材等の保護を一層効果的となし、長期耐用する
ことのできるスライド式排気ブレーキ装置を提案するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、エンジンの排気通路に介装した排気ブレーキ
本体のハウジング内に、板状弁部材を内装し、且つ該弁
部材を往復路の端部に連設したエヤーシリンダーとの隔
壁もしくは底壁を貫通するピストン桿の先端部附近に係
着し、排気流通路に対する開閉をピストン桿の往復動に
より行わしめ、且つ前記ピストン桿の貫通する隔壁もし
くはエヤーシリンダーの底壁部と該ピストン桿の周面と
の間から弁部材背後側の流通路内に通ずる排出バイパス
路を前記ハウジングに設けた排気ブレーキ装置におい
て、排出バイパス路又は該排出バイパス路の排出口部附
近に前記弁部材の往復路から流通路側への、好ましくは
先端が先細りのテーパ付きであるエジェクター孔からな
るエジェクター機構を設けて構成したスライド式排気ブ
レーキ装置、及び前記排出バイパス路を設けた排気ブレ
ーキ装置において、排出バイパス路又は該バイパス路の
排出口部附近に、好ましくは外部のエヤー源に接続され
る圧縮エヤーの噴出機構を有して構成したスライド式排
気ブレーキ装置を要旨とするものである。
【0006】
【作用】本発明はこのように構成されているため、ピス
トン桿の周面に沿ってシリンダー内部に侵入しようとす
る高温で腐食性を有する排気ガスやこのガスに伴うカー
ボン或いは摩耗金属粉等を、排出バイパス路又はこのバ
イパス路の排出口部附近に設けたエジェクター機構もし
くは圧縮エヤーによる噴出機構によって強制的に吸引し
極めて効果的に前記排出バイパス路から弁部材背後側の
流通路側に排出せしめることができるので前記カーボン
或いは摩耗金属粉等をシリンダー内部への侵入やピスト
ン部材等への付着を完全に防止することができ、従っ
て、コイルスプリングの腐食を防止すると共にシール部
材及びピストン部材の保護を充分となして排気ブレーキ
装置の機能を一層長期に亘って耐用し得ることとなる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
すれば、図1は本発明のスライド式排気ブレーキ装置の
一部切欠きによる縦断面図、図2は図1の他の実施例の
部分拡大断面図、図3は更に他の実施例を示す本発明の
要部の一部切欠きによる縦断面図、図4は図3実施例の
他の例の部分拡大断面図であって、(1) は排気ブレーキ
本体のハウジングであり、外壁にエンジンの排気管(図
示せず)との連結壁部(1')(1")を突設した流通路(2) の
略直角方向に板状弁部材(3) の往復路(3')を連通せしめ
てなるもので、該ハウジングの端部に隔壁(4) を介して
エヤーシリンダー(5)が連設され、外側頂部に急速吸排
気弁装置(図示せず)を備えた該エヤーシリンダーのピ
ストン桿(6) が前記隔壁(4) を貫通して、その先端附近
に前記弁部材(3) を係着せしめてある。(8) 及び(9)は
ピストン桿(6) の貫通する隔壁(4) 部に設けたシール部
材及びブッシュである。(10)はエヤーシリンダー(5) 内
のピストン部材の戻し用のコイルスプリング、(11)はピ
ストン桿(6) に沿ってエヤーシリンダー(5) 内に侵入す
る排気ガスを逃がすリリーフスペーサ(14)の周りから弁
部材(3) の背後側の流通路(2) 内に通ずる排出バイパス
路であって、該バイパス路により流通路(2) での閉塞に
よる制動時に発生する排気圧によって、排気ガスやこの
ガスに伴うカーボン或いは弁部材(3) の往復摺動によっ
て生ずる摩耗金属粉等のシリンダー(5) 内部への侵入を
該弁部材の背後側の流通路(2) 内に排出せしめ、同時に
弁部材(3) の往復路(3')の底部附近から排出バイパス路
(11)の排出口(11') に亘ってエジェクター孔(12)を設け
て協働して前記排出を効果的に行うものである。
【0008】尚、エジェクター孔(12)の排出口(11´)
を図2に示すように噴出側の先端に向って先細りのテー
パ付きにしたり、スリット状(図示)に形成すると、エ
ジェクター効果は一層向上する。
【0009】(13)は図3に示すように他の実施例として
前記エジェクター孔(12)に代り、排出バイパス路(11)の
排出口(11') 附近に或いは排出バイパス路(11)の中間部
(図4)に有する、好ましくは外部のエヤー源に接続さ
れる圧縮エヤーによる噴出機構である。なお、実線によ
る矢印は排気ガスの流れの方向と、バイパス路(11)、エ
ジェクター孔(12)及び噴出機構(13)での排出方向をそれ
ぞれ示すものである。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるスライ
ド式排気ブレーキ装置は、前記排出バイパス路(11)に併
備した特にエジェクター孔(12)からなるエジェクター機
構或いは圧縮エヤーによる噴出機構(13)とによって、制
動時に高温で腐食性を有する排気ガスやこのガスに伴う
カーボン或いは弁部材(3) の摩耗金属粉等を前記バイパ
ス通路(11)に強制的に吸引せしめ、これによりシリンダ
ー(5) 内部への侵入やシール部材(8) 、ブッシュ(9) 及
びピストン部材等への付着や前記した部材及びコイルス
プリング(10)等の腐食を完全に防止することができ、従
ってシリンダー(5) のシール部材(8) 、ブッシュ(9) 、
ピストン部材及びコイルスプリング(10)等の保護を極め
て効果的となして、排気ブレーキ装置としての機能を一
層長期に亘って耐用することができる極めて有用なスラ
イド式排気ブレーキ装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るスライド式排気ブレーキ
装置の一部切欠きによる縦断面図である。
【図2】図1の他の実施例を示す部分拡大断面図であ
る。
【図3】他の実施例に係る本発明の要部の一部切欠きに
よる縦断面図である。
【図4】図3の他の実施例を示す部分拡大断面図であ
る。
【図5】従来例を示す一部切欠き縦断面図である。
【符号の説明】
3 弁部材 3′ 往復路 11 バイパス路 11′ 排出口 12 エジェクター孔 13 噴出機構
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 9/06 F02D 9/14 F15B 15/14 F16K 31/122

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気通路に介装した排気ブレ
    ーキ本体のハウジング内に、板状弁部材を内装し、且つ
    該弁部材をハウジングの端部に連設したエヤーシリンダ
    ーとの隔壁もしくは底壁を貫通するピストン桿の先端部
    附近に係着し、排気流通路に対する弁部材の開閉をピス
    トン桿の往復動により行わしめ、且つ前記ピストン桿の
    貫通する隔壁もしくはエヤーシリンダーの底壁部と該ピ
    ストン桿の周面との間から弁部材背後側の流通路内に通
    ずる排出バイパス路を前記ハウジングに設けた排気ブレ
    ーキ装置において、排出バイパス路(11)又は該排出バイ
    パス路の排出口(11´) 部附近に前記弁部材(3) の往復
    路(3´)から流通路(2) 側へのエジェクター機構を設け
    て構成したことを特徴とするスライド式排気ブレーキ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記エジェクター機構は噴出側の先端が
    先細りのテーパ付きエジェクター孔からなることを特徴
    とする請求項1記載のスライド式排気ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 エンジンの排気通路に介装した排気ブレ
    ーキ本体のハウジング内に、板状弁部材を内装し、且つ
    該弁部材をハウジングの端部に連設したエヤーシリンダ
    ーとの隔壁もしくは底壁を貫通するピストン桿の先端部
    附近に係着し、排気流通路に対する弁部材の開閉をピス
    トン桿の往復動により行わしめ、且つ前記ピストン桿の
    貫通する隔壁もしくはエヤーシリンダーの底壁部と該ピ
    ストン桿の周面のと間から弁部材背後側の流通路内に通
    ずる排出バイパス路を前記ハウジングに設けた排気ブレ
    ーキ装置において、前記排出バイパス路(11)又は該バイ
    パス路の排出口(11´) 部附近に、圧縮エヤーの噴出機
    構(13)を有して構成したことを特徴とするスライド式排
    気ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記圧縮エヤーの噴出機構(13)は外部の
    エヤー源に接続されていることを特徴とする請求項3記
    載のスライド式排気ブレーキ装置。
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