JP3061723B2 - 圧力変動吸着法による製品ガス純度向上方法 - Google Patents

圧力変動吸着法による製品ガス純度向上方法

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JP3061723B2
JP3061723B2 JP6100710A JP10071094A JP3061723B2 JP 3061723 B2 JP3061723 B2 JP 3061723B2 JP 6100710 A JP6100710 A JP 6100710A JP 10071094 A JP10071094 A JP 10071094A JP 3061723 B2 JP3061723 B2 JP 3061723B2
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俊也 樋口
靖 川村
克志 小菅
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力変動吸着法によっ
てＣＯ、ＣＯ2 、Ｎ2 等の製品ガスの純度を向上させる
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】混合ガスから吸着剤を用いてＣＯ、ＣＯ
2 、Ｎ2 のように目的成分を吸着させて製品ガスを得る
方法として圧力変動吸着法（以下、単にＰＳＡ法とい
う）が知られている。この方法は一般的には、図３に示
すような吸着塔５０の上下に自動開閉弁５１〜５５を設
け、これらを切り換えて加圧下で目的とするガス成分を
前記吸着塔５０内に配置された特殊な吸着剤に吸着させ
る吸着工程、残った吸着排ガスを吸着塔５０外に放出す
る放圧工程、高純度の目的ガスを吸着塔５０内に送気し
て洗浄する洗浄工程、及び吸着塔５０内を減圧して目的
ガスを回収する脱着工程とを有している。前記洗浄工程
に用いるガスは製品ガスの一部であるため、なるべく少
ない量で洗浄を終了させることが望ましいが、高純度の
製品ガスを得るためには、吸着塔５０内は勿論のこと、
吸着塔５０に接続されている配管も十分目的成分ガスで
置換する必要がある。特に吸着塔５０の上下の空隙部分
５６、５７及び吸着塔５０の上下の自動開閉弁５１〜５
５と配管分岐部（即ち、配管ヘッダー）の間の配管内に
残存する不純物を含むガスの影響は製品ガスの純度に大
きく影響していた。そこで、特開平０１−２３０４１５
号公報においては、吸着塔入口の配管部分の不純物ガス
を製品ガスに置換するために、新たな洗浄ガス供給用の
配管を設け、この部分に製品ガスを送り高純度化を図っ
たＣＯ及びＣＯ2 ガスの分離方法が提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載の方法では、吸着塔出口の配管部分の不純物含有
ガスを置換することは困難である上、更に余分な洗浄ガ
スを必要とするという問題点があった。本発明はかかる
事情に鑑みてなされたもので、洗浄ガスに使用する製品
ガスの使用量を従来より減らし、更に高純度の製品ガス
を得ることが可能な圧力変動吸着法による製品ガス純度
向上方法を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項１
記載の圧力変動吸着法による製品ガス純度向上方法は、
吸着剤を収納した吸着塔を有し、前記吸着剤に加圧下で
混合ガス中から製品ガスのみを吸着させる吸着工程、不
用なガスを製品ガスの一部を用いて除去する洗浄工程、
及び減圧して前記吸着剤に吸着された製品ガスを回収す
る脱着工程を有してなる圧力変動吸着法において、前記
吸着塔の直上部に自動開閉弁を設け、前記脱着工程開始
時に前記自動開閉弁を閉じて前記吸着塔とその配管ヘッ
ダーとを分離し、塔上部の空隙を減少させるようにして
構成されている。そして、請求項２記載の圧力変動吸着
法による製品ガス純度向上方法は、請求項１記載の方法
において、前記吸着剤は、前記吸着塔の塔上部にも充填
されている。
【０００５】
【作用】請求項１、２記載の圧力変動吸着法による製品
ガス純度向上方法においては、吸着塔の直上部に自動開
閉弁を設け、脱着工程開始時に前記自動開閉弁を閉じて
前記吸着塔とその配管ヘッダーとを分離し、塔上部の空
隙を減少させているので、配管ヘッダーを洗浄するため
の洗浄ガス量を必要とせず、吸着塔内のみを洗浄すれば
よい。これによって、吸着塔内に不純物の混入度合いを
減少させて、脱着工程でより純度の高い製品ガスを得ら
れる。そして、特に請求項２記載の圧力変動吸着法によ
る製品ガス純度向上方法においては、吸着剤が塔上部に
まで配置されているので、空隙部分が減少し、残った不
純物の量が更に減少し、これによって、洗浄工程で洗浄
ガスに不純物が混入する度合いが減少し、脱着工程での
製品ガスの純度が更に向上する。
【０００６】
【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図１は本発明の一実施例に係る圧力変動吸
着法による製品ガス純度向上方法を適用した２塔式の高
純度ガス製造装置の概略構成図、図２は製品ガスの純度
と上部空隙率の関係を示すグラフである。
【０００７】まず、図１に示す２塔式の高純度ガス製造
装置について説明すると、直立状態の２本の吸着塔１
０、１１を有し、該吸着塔１０、１１の上下には従来の
装置にもおいても使用される自動開閉弁１０Ａ〜１０
Ｆ、１１Ａ〜１１Ｆをそれぞれ有し、吸着塔１０、１１
と上部の自動開閉弁１０Ｄ〜１０Ｆ、１１Ｄ〜１１Ｆと
の配管ヘッダー部分には更に総括自動開閉弁１０Ｇ、１
１Ｇが設けられている。
【０００８】一方、下部の自動開閉弁１０Ａ、１１Ａの
基端側には、原料ガス供給源１２が接続され、自動開閉
弁１０Ｂ、１１Ｂには脱着工程で作動する真空ポンプ１
３が接続され、自動開閉弁１０Ｃ、１１Ｃには洗浄工程
で作動する洗浄ブロワー１４が接続されている。
【０００９】また、上部の自動開閉弁１０Ｄ、１１Ｄに
は、吸着工程で使用する背圧弁１６が接続され一次側に
一定の圧力（例えば、３．５ｋｇ／ｃｍ2 ）を維持で
き、これによって原料ガスが一定の圧力で吸着塔１０、
１１内に滞在できるようになっている。
【００１０】自動開閉弁１０Ｅ、１１Ｅは放圧工程で作
動する弁で、吸着塔内部の余分の原料ガスを放出し、後
の洗浄工程で不純なガスが製品ガス内にできるだけ混入
しないようにしている。
【００１１】そして、自動開閉弁１０Ｆ、１１Ｆは前記
自動開閉弁１０Ｃ、１１Ｃと共に洗浄ガスを流す場合に
開く弁であって、この実施例では、洗浄ガスの残りをオ
フガスとして捨てているが、内部に製品ガスを多量に含
むので、必要な場合にはこれらを集めてコンプレッサー
によって加圧し、予備タンク等に溜めて原料ガスと混合
して使用することも可能である。
【００１２】前記吸着塔１０、１１の内部には分離しよ
うとするガスの種類に応じて吸着剤（例えば、ＣＯ2 ガ
スの場合には活性炭、ＣＯガスの場合には化学吸着剤、
Ｎ2ガスの場合にはゼオライト等）が使用され、吸着塔
１０、１１の下部には一定の空間を有するが、吸着塔１
０、１１の上部にはガスの収束を図る塔頂部を除いて殆
ど空間はなく、前記吸着剤が上部の部分まで略充填され
ている。ここで、吸着塔１０、１１の下部に空間を設け
たのは、原料ガスが均等に吸着塔内を流れるようにする
ためである。
【００１３】続いて、前記２塔式の高純度ガス製造装置
１０の動作について説明するが、前記自動開閉弁の開閉
は一定のプログラマブルコントローラによって一定の順
序によって開閉している。この様子を表１に示す。
【００１４】
【表１】
【００１５】ここで、重要なことは、前記自動開閉弁１
０Ｇ、１１Ｇを設け、洗浄工程から脱着工程に移行する
時点で閉じて、上部の自動開閉弁１０Ｄ〜１０Ｆ、１１
Ｄ〜１１Ｆに接続される配管内のオフガスを閉め切った
点である。これによって次の脱着工程で回収される製品
ガスに不純ガスが混入する度合いを減らすことができ
る。そして、図１においては、前記自動開閉弁１０Ｄ〜
１０Ｆ、１１Ｄ〜１１Ｆを自動開閉弁１０Ｇ、１１Ｇの
直上部に配置しているようになっているが、メンテナン
スが容易な吸着塔の下部に配置することもでき、この場
合であっても製品ガスの純度は維持される。
【００１６】前記実施例で製造されたＣＯガスの純度を
図２に示すが、上部空隙率（吸着剤量に対する上部空隙
容積）が減少すればガスの純度が上がっていることが分
かる。前記実施例は２塔式の場合について説明したが、
１塔式、３塔以上でもあっても本発明を適用できる。
【００１７】
【発明の効果】請求項１、２記載の圧力変動吸着法によ
る製品ガス純度向上方法は以上の説明からも明らかなよ
うに、従来よりもより少ない洗浄ガス量が、純度の高い
製品ガスを得ることができる。また、吸着塔の上部に接
続する自動開閉弁と吸着塔との距離を長くしてもよいの
で、例えば吸着塔の下部のメンテナンスの容易な場所に
配置することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例に係る圧力変動吸着法による
製品ガス純度向上方法を適用した２塔式の高純度ガス製
造装置の概略構成図である。
【図２】製品ガスの純度と上部空隙率の関係を示すグラ
フである。
【図３】従来例に係る吸着塔の作動状況を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
１０ 吸着塔 １０Ａ 自動開閉弁 １０Ｂ 自動開閉弁 １０Ｃ 自動開閉弁 １０Ｄ 自動開閉弁 １０Ｅ 自動開閉弁 １０Ｆ 自動開閉弁 １０Ｇ 自動開閉弁 １１ 吸着塔 １１Ａ 自動開閉弁 １１Ｂ 自動開閉弁 １１Ｃ 自動開閉弁 １１Ｄ 自動開閉弁 １１Ｅ 自動開閉弁 １１Ｆ 自動開閉弁 １１Ｇ 自動開閉弁 １２ 原料ガス供給源 １３ 真空ポンプ １４ 洗浄ブロワー １５ 製品ホルダー １６ 背圧弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 克志 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社 機械・プラント事 業部内 (72)発明者 加藤 讓 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社 機械・プラント事 業部内 (56)参考文献 実開 平３−59020（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B01D 53/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 吸着剤を収納した吸着塔を有し、前記吸
    着剤に加圧下で混合ガス中から製品ガスのみを吸着させ
    る吸着工程、不用なガスを製品ガスの一部を用いて除去
    する洗浄工程、及び減圧して前記吸着剤に吸着された製
    品ガスを回収する脱着工程を有してなる圧力変動吸着法
    において、 前記吸着塔の直上部に自動開閉弁を設け、前記脱着工程
    開始時に前記自動開閉弁を閉じて前記吸着塔とその配管
    ヘッダーとを分離し、塔上部の空隙を減少させることを
    特徴とする圧力変動吸着法による製品ガス純度向上方
    法。
  2. 【請求項２】 前記吸着剤は、前記吸着塔の塔上部にも
    充填されていることを特徴とする請求項１記載の圧力変
    動吸着法による製品ガス純度向上方法。
JP6100710A 1994-04-13 1994-04-13 圧力変動吸着法による製品ガス純度向上方法 Expired - Lifetime JP3061723B2 (ja)

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