JP3061331U - 減震装置 - Google Patents
減震装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 小地震、強風では一々建物揺動せず、その一
方で大きな地震では十分に相対移動し、種々の揺れへの
制震性良好、自動復元能力も高く、永年使用でも土埃錆
つきも無く、構造単純で堅固且つ安価な減震装置を提
供。 【解決手段】 大きな揺れがあって球体18が外側に向
って行くとき、先ずは図2のように、凹球面49で球体
18がぴったり受け止められ、そこから球体18は、凹
球面48をいわば駆け上がろうとする。このとき、減震
装置10には建物重量が掛かっており、この駆け上がり
への強い抑止力が働く。球体18はこの力を受けなが
ら、下部円盤体24の凹球面48に衝突し駆け上がって
行く。球体18が、凹球面49、凹球面48に順に衝突
することで、衝撃は二重に和らげられ、建物へのダメー
ジが防止される。
方で大きな地震では十分に相対移動し、種々の揺れへの
制震性良好、自動復元能力も高く、永年使用でも土埃錆
つきも無く、構造単純で堅固且つ安価な減震装置を提
供。 【解決手段】 大きな揺れがあって球体18が外側に向
って行くとき、先ずは図2のように、凹球面49で球体
18がぴったり受け止められ、そこから球体18は、凹
球面48をいわば駆け上がろうとする。このとき、減震
装置10には建物重量が掛かっており、この駆け上がり
への強い抑止力が働く。球体18はこの力を受けなが
ら、下部円盤体24の凹球面48に衝突し駆け上がって
行く。球体18が、凹球面49、凹球面48に順に衝突
することで、衝撃は二重に和らげられ、建物へのダメー
ジが防止される。
Description
【0001】
本考案は減震装置に関し、特に、一戸建住宅その他、小規模建物の地震対策に 使用して効果的な減震装置に関する。
【0002】
建物を地震から守る手法の一つとして減震手法がある。この手法は、何らかの 方法で地盤に対して建物を移動可能にしておくものであり、これで地震の揺れを 吸収し、建物の損壊を防止する。 このうち、マンション、ビルなどの大規模な建物に関しては、膨大な重量を支 えつつ如何にその機能を発揮させるかが一つのテーマであり、例えば鉄板とゴム 板とをサンドイッチにした免震装置その他が提案されており、実用化されている 。
【0003】 一方、一般の住宅や商店、事務所など小規模の建物に関しては、コストの掛か らない簡素な構造を維持しつつ如何にその効果を発揮させるかが一つのテーマで あり、例えば球体(ボール)を利用した減震手法が幾つか提案されている(特開 昭55−39527号公報、特開平4−131539号公報、実開平3−622 47号、実開昭62−204055号公報、実開昭64−649号公報公報など 。)
【0004】 球体は転がり抵抗が非常に小さい。この為、これを利用した減震手法とすれば 、相対的に重量が少ない小規模建物でも、建物が地盤の動きに追随して動いてし まうということはなく、有効な減震効果が得られる。若し、これらに上記例示し たような大規模建物用の手法を用いたなら、これら大規模建物用免震構造は、小 さなエネルギーに関しその抵抗が非常に大きいため、地盤の動きが建物にその侭 伝わってしまうことになり、適切な減震効果は得られないであろう。
【0005】 なお、「減震」の語は「震動を減殺、減衰、減少、減免等する」という意味で 用いている。上記のように「免震」という用語も知られているが、比較的大掛か りな装置を指すことが多いようである。そこで、本願では「減震」という用語を 使用することにする。
【0006】
ところで、技術は常に改善が求められる。この点で、この種装置に対する課題 について考察して見ると、それは、例えば小さな地震や強風ではいちいち建物が 揺れ動かないことであり、大きな地震では十分に相対移動して地盤の動きが建物 に伝わらないようにすることであり、大小種々の揺れに対して、夫々に適宜の制 動が掛かりその揺れが的確に収斂されることであり、揺れが治まったら特段の作 業を要せずして元の位置に自動的に復元することであり、永年使用していても中 に埃(土埃)やゴミが入ったり錆ついたりしてしまわず、いざというとき確実に 作動するものであることであり、更には、構造単純で堅固且つ安価であることな どである。 このような観点から上記各従来例を見直してみると、これらには、上記要求さ れる各機能、特性等が十分に備っているとは言い難く、夫々にまだまだ改善すべ き余地が見られる。
【0007】 本考案の目的は、これら従来技術の欠点を解消し、小さな地震や強風ではいち いち建物が揺れ動かず、大きな地震では十分に相対移動して地盤の動きが建物に 伝わらず、大小種々の揺れに対して夫々に適宜の制動が掛かってその揺れが的確 に収斂するものであり、揺れが治まったとき、特段の作業を要せずして、元の位 置に自動的に復元し、永年使用しても中にゴミが入ったり錆ついたりせず、いざ というとき完全に機能するものであり、しかも、構造単純で堅固且つ安価である 減震装置を提供することにある。
【0008】
上記目的達成のため本考案では、下部凹部を有する下板盤と、上部凹部を有す る上板盤とが、夫々の凹部が対向するように、且つそれら凹部の周りの各対向周 縁が建物重量で平常時相互に密着するように配置されており、前記下部凹部と前 記上部凹部の少なくとも一方の中央には副孔が形成されており、平常時、前記下 部周縁と前記上部周縁とが密着することで前記下部凹部と前記上部凹部により形 成される内部空間には、その差し渡し径より僅かに小さい直径の球体が内包され ており、前記下部凹部及び前記上部凹部は、中心に近い部分が該中心に向って深 くなる斜面とされており、且つその斜面と夫々の対向周縁との間の各凹部内面は 、その一方が前記球体と同じ半径の曲面に、他方が前記球体より大きな半径の曲 面にされており、前記下板盤と前記上板盤は連結手段で連結されている。
【0009】
以下、本考案の詳細を図示実施の形態例の減震装置10に基いて説明する。図 1は平常時の減震装置10の状態、図2は大きな揺れが加わったときの減震装置 10の状態を示す。図3は、下板盤11及び上板盤12を取り出して示し、図4 は下板盤11の平面、図5は上板盤12の下面を示す。 図6は配置例を示し、(A)は基礎コンクリート13上への減震装置10の配 置例の全体像、(B)は出隅部への減震装置10の配置例の詳細、(C)は直線 部への配置例の詳細を示す。なお、図6では、減震装置10が多数存在する。符 号10はその一部に付す。図7は保護カバー56,57の取付例を示す。 なお、主要部分には、実施の形態例の減震装置10の実際寸法を示した。この 大きさに限定される訳ではないが、実際寸法を示した方がより深い理解が得られ ると思い表示している。
【0010】 これら各図に於て、基礎コンクリート13の上には高さ調整モルタル16が積 層されており、この上に本考案実施の形態例の減震装置10が載置されていて、 その上に建物土台14が載置される。なお、各柱17の中間に配置すると土台1 4が撓み、土台14に無理が掛かる畏れがある。減震装置10は夫々の柱17直 下の土台14の下に配置するのが良い。この場合、減震装置10配置部分以外の 基礎コンクリート13と土台14との間には、クッションゴム15(図6(B) (C))を介挿しておくと良い。
【0011】 減震装置10は、下板盤11、上板盤12、その間に配置された球体18、連 結ボルト19、圧縮スプリング21、座金22等を備えており、ステンレススチ ール等、錆の来ない素材で形成されている。 下板盤11は下部取付板23及び下部円盤体24を備え、この下部円盤体24 は、周縁が下部取付板23に溶接固定されている(28)。上板盤12も上部取 付板26及び上部円盤体27を備え、上部円盤体27も周縁が上部取付板26に 溶接固定されていて(29)、平常時、上部円盤体27の対向周縁31と下部円 盤体24の対向周縁32が密着している(下部凹部33及び上部凹部34で形成 される内部空間36の上下の差し渡し寸法Rが、内包された球体18の外径Dよ り0.2mmだけ大きい。)。
【0012】 下部取付板23には、取付用長孔37が穿設されている(図4)。基礎コンク リート13に埋設されたアンカーボルト38がここに下から貫通されナット締め されており、これで、下部取付板23、即ち下板盤11が基礎コンクリート13 上に固定されている。 上部取付板26にも、取付用丸孔41が穿設されている(図5)。建物土台1 4に貫通された取付ボルト39がここに上から貫通され、これもナット締めされ ており、これで、上部取付板26、即ち上板盤12が建物土台14に下側から固 定されている。 なお、減震装置10のうち、図6の矢印で示すような出隅部に配置されるも のについては、基礎コンクリート13が直角に曲っているのに合わせ、取付部分 を図4の2点鎖線で示す位置に設けると良い。
【0013】 下部円盤体24には、下部凹部33が穿設されており、上方に向って開口して いる。上部円盤体27にも同じく上部凹部34が穿設されていて、これは下部凹 部33に向って開口している。これら向い合う各凹部33,34により形成され る内部空間36には、先に言及した球体18が内包されており、その外径Dは、 内部空間36の上下の差し渡し寸法Rより、0.2mmだけ小さい。因みに、球 体18の直径Dは40mmである。
【0014】 下部凹部33、上部凹部34の詳細は図3に示される。何れの凹部33,34 も、中心部が深くなる摺鉢状をなし、中心に直径10mm、深さ2mmの副円孔 42,43が穿設されていて、そこから夫々の対向周縁31,32に向かって9 度のテーパ面46,47が形成されている。テーパ面46,47と対向周縁31 ,32の間は凹球面48,49とされている。この凹球面48,49は、下部凹 部33、上部凹部34の各中心から見ればドーナツ状の凹部である。
【0015】 なお、下部凹部33と上部凹部34とでは、テーパ面46,47と凹球面48 ,49の割合、及びそこから対向周縁31,32に続く凹球面の半径が微妙に異 なる。即ち、下部凹部33の方は、凹部中心から凹部外周に向って、半径寸法4 2mmの62%に達する部分までが、9度のテーパ面46とされ、残り38%が そこから対向周縁に連なる凹球面とされている。こちらの凹球面の半径は25m mである。 上部凹部34の方は、凹部中心から凹部外周に向って、半径寸法42mmの8 5%に達する部分までが9度のテーパ面47とされ、残り15%がこのテーパ面 47から対向周縁31に連なる凹球面とされている。こちらの凹球面の半径は2 0mmである。 なお上下各円盤体は外周(側面形状)が円筒形であるが、要は向い合った面に 上下各凹部33,34が穿設されていれば足り、外周自体が円である必要はない 。
【0016】 下部取付板23及び上部取付板26は、4本の連結ボルト19(φ12mm) で連結されている。即ち、図4、図5にその詳細を示すように、下部、上部の各 取付板23,26には、4個づつ挿通孔51が穿設されており、これらに夫々前 記連結ボルト19が挿通されていて、その下端にダブルナット52がねじ込まれ ている。この連結ボルト19が請求項にいう連結手段にあたる。 ダブルナット52と下部取付板23、或いはボルト頭53と上部取付板26と の間には、夫々圧縮スプリング21が座金22付きで介挿されている。
【0017】 この実施の形態例の減震装置10は、以下の如く作動する。 (1)微動の上下動について 建物の重量と、減震装置の4本の連結ボルト19、及びこの連結ボルト19に 嵌挿された圧縮スプリング21の弾発力により、上下動への抑制が働く。圧縮ス プリング21の弾発力は、建物重量に応じ、ダブルナット52の位置で調整する 。 (2)激動の上下動について 4本の連結ボルト19、及びそれらに嵌挿された圧縮スプリング21の弾発力 により、建物と基礎コンクリート13とが分離することなく、建物が地盤に定着 することになる。
【0018】 (3)微動の横揺れについて 前述のとおり、下部凹部33及び上部凹部34で形成される内部空間36の上 下の差し渡し寸法Rは、内包された球体18の外径Dより0.2mmだけ大きい 。従って、減震装置10の上下各円盤体24,27の対向周縁31,32は、平 常時、常に当接されていて、そこに建物の重量が掛かる。 従って、そこには水平方向の動きに対する大きな摩擦抵抗が存在し、これによ り、微動の横揺れでは実施の形態例の減震装置10は作動せず、通常の建物の揺 れで冶まる。 また、如何に軽く転動するかに意を注いでいたように見える従来の球体利用の 減震構造と異なり、台風その他の強風でも、簡単に横移動するようなことはない 。
【0019】 (4)中程度の横縦の揺れについて 一定以上の横縦の振動を受けた場合、球体18にその振動が加わって、360 度、どの方向でも同じ様に震動を受け止めることが出来る。実施の形態例の減震 装置10では、球体18を中心に、下板盤11が一方に2cm可動であり、上板 盤12が反対側に2cm可動である。従って、基礎コンクリート13とその上の 建築物との間では、片方に4cm可動ということになる。
【0020】 また、揺れの返りが有り、反対側に地盤が移動した場合、その方向にも再度4 cm可動ということになる。地震の場合、この運動により、往復で8cmの揺れ まで吸収することが出来る。仮に往復12cmの揺れを生じる地震であったとし たら、12cm−8cmで、実質4cmの揺れで治めることが可能である。この 揺れなら、家具や食器の転倒は十分防止される(不足なら、上、下各凹部33, 34の直径84mmをもっと拡大する)。
【0021】 (5)大揺れの場合について 実施の形態例の寸法とした場合、往復8cm以上の大揺れの場合に球体18が 凹球面48,49に衝突する計算になる。本実施の形態例の減震装置10では、 このような場合に衝撃をやんわりと受け止められるように、図3に示す如く、上 部、下部各凹部33,34の各凹球面48,49の半径に差異を設けている。 即ち、下部円盤体24では、中心部から2.6cm(全体の62%)までは9 度の勾配、その外側の1.6cm(全体の38%)は半径25mmの凹球面48 としている。従って、この凹球面48の半径は球体18の半径20mmより大き い。
【0022】 一方、上部円盤体27については、中心部分より3.5cm(全体の85%) までが9度の勾配、その外側の6.5cm(全体の15%)は半径20mmの凹 球面49とされている。この半径は、球体18の半径20Rと等しい。 従って、大きな揺れがあって球体18が外側に向って行く場合、先ずは図2に 示す如く、上部円盤体27の凹球面49で球体18がぴったり受け止められる。 その状態で、球体18が更に外側に移動して行き、球体18は、言わば下部円盤 体24の凹球面48を駆け上がろうとする。
【0023】 このとき、減震装置10には建物重量が掛かっている。従って、この駆け上が りの際に、強い抑止力が作用し、球体18はその力を受けながら、下部円盤体2 4の凹球面48に衝突する。 即ち、実施の形態例の減震装置10では、大揺れの際、球体18が、上部円盤 体27の凹球面49、下部円盤体24の凹球面48という、二つの部分により、 しかも、あとの方では強い制動を受けながら衝突する。従って、衝撃は二重に和 らげられ、建物へのダメージは防止される。
【0024】 (6)建物を自動的に元の位置に戻すことについて 下部凹部33、上部凹部34は、共に、中央側が9度のテーパ面46,47、 その外が凹球面48,49とされており、中央が深くなる摺鉢状で、そこに球体 18が介挿されている。揺れが加わってこの球体18が平常位置を離れたときは 、そこに建物重量が加わる。 従って、球体18の移動量が少ないときは9度のテーパ面46,47で、また 、揺れが大きいときは、夫々の凹球面48,49で、球体18を中央に戻そうと する力が働き、球体18は自動的に中央に戻る。 (7)スプリング21の作用について これらは、下板盤11、上板盤12を引き寄せる作用があり、前述の建物重量 と相俟って、これらを正対位置に戻そうとする。
【0025】 (8)下部凹部33、上部凹部34中央の各副円孔42,43について 球体18が中央近くに戻って来たところで(中心から1mm前後)、球体18 が下部凹部33の副円孔42又は上部凹部34の副円孔43に填まりこもうとす る。このとき、この減震装置10には建物の重量が働いている。従って、上部円 盤体27には、下部円盤体24の中心に向かおうとする力が加わり、上部円盤体 27が下部円盤体24の真上に来たとき、そこで球体18の下面が下部円盤体2 4の副円孔42に、球体18上面が上部円盤体27の副円孔43に落ち込む。こ れで、建物重量によって夫々の円盤体の対向周縁31,32が強く当接している 平常状態(図1)に戻る。 なお、各副円孔42,43は、上部円盤体27が中心に戻るように付勢し、且 つ戻ったあと対向周縁31,32が密着出来るよう球体18をいわば内部空間3 6内で遊ばせる働きをしている。この働きは、一応何れか一方の副円孔(42又 は43)だけでも実現出来る。従って、一方に副円孔を形成した形態で本考案を 実施しても構わない。
【0026】 (9)下部、上部各円盤体24,27の対向周縁32,31の効用について これらは、前述のとおり建物の重量によって平常時強く当接されている。従っ て、上下各凹部34,33によって形成されている内部空間36には埃など入る 余地はなく、長年経過しても、内部空間36は清浄に保たれ、埃の堆積による作 動不良や、埃、雨などによる錆つきなども生じない。 なお、何らかの事情で水が入ったときに備え、下部凹部33中心の副円孔42 には、下方に貫通する水抜き孔を穿設しておくと良い(不図示)。この場合、副 円孔42の直径10mmの開口は球体18で塞がれており、また、水抜き孔の下 側開口は基礎コンクリート13に接しているから、この水抜き孔から埃が侵入す ることはまず考えられない。
【0027】 なお、下部、上部各円盤体24,27は平常時密着されている。従って、減震 装置10が建物外部に露出していたとしても、埃、雨による障害は起きない。し かし、用心に越したことはない。そこで本実施の形態例では、腐食防止用にと養 生カバー56,57を配置し、減震装置10の外部露出部分を覆うようにしてい る(図7)。 また、実施の形態例の減震装置10では、上部凹部34、下部凹部33の各中 央側はテーパ面46,47にした。ここは凹部の中心に向って深くなっていれば 良く、例えば球面であっても構わない。 また、各円盤体24,27と各取付板23,26とは一体であっても構わない 。
【0028】
【考案の効果】 以上説明したように、本考案では、下部凹部を有する下板盤と、上部凹部を有 する上板盤とを、夫々の凹部が対向するように、且つそれら凹部の周りの各対向 周縁が建物重量で平常時相互に密着するように配置し、下部凹部と上部凹部の少 なくとも一方の中央に副孔を形成し、平常時、下部周縁と上部周縁の密着で下部 凹部と上部凹部により形成される内部空間には、その差し渡し径より僅かに小さ い直径の球体を内包し、下部凹部及び上部凹部は、中央側がその中心に向って深 くなる斜面とし、且つその斜面と夫々の対向周縁との間の各凹部の内面は、その 一方は球体と同じ半径の曲面に、他方は球体より大きな半径の曲面とし、下板盤 と上板盤とは連結手段で連結するようにした。
【0029】 従って、従来の減震構造の欠点は解消され、小さな地震や強風では、いちいち 建物が揺れ動かず、大きな地震では十分に相対移動して地盤の動きが建物に伝わ らず、大小種々の揺れに対して夫々に適宜の制動が掛かってその揺れは的確に収 斂され、揺れが治まれば、特段の作業を要せずして元の位置に自動的に復元し、 永年使用している間にも中に埃(土埃)が入ったり錆ついたりせず、いざという ときも確実に作動し、しかも、構造単純で堅固且つ安価な減震装置を実現するこ とができ、特に一般住宅等、小規模建物の地震対策に使用して好適である。
【図1】平常時の減震装置10の状態を示し、(A)は
中央縦断面図(図4−及び図5−に沿った垂直
切断)、(B)は上部凹部34、下部凹部33の各中心
付近を取り出して示す拡大中央縦断面図である。なお、
(A)に於て2点鎖線で示すのは、図4−に沿った
縦断面である。
中央縦断面図(図4−及び図5−に沿った垂直
切断)、(B)は上部凹部34、下部凹部33の各中心
付近を取り出して示す拡大中央縦断面図である。なお、
(A)に於て2点鎖線で示すのは、図4−に沿った
縦断面である。
【図2】大きな揺れが加わったときの減震装置10の状
態を示す中央縦断面図(図1と同じ切断部位)。
態を示す中央縦断面図(図1と同じ切断部位)。
【図3】下板盤11及び上板盤12を取り出して示す中
央縦断面図(図1と同じ切断部位)。
央縦断面図(図1と同じ切断部位)。
【図4】下板盤11を示す平面図。
【図5】上板盤12を示す下面図。
【図6】実施の形態例の減震装置10の配置例を示すも
ので、(A)は基礎コンクリート13上への配置例の全
体像を示す平面図、同図(B)は出隅部への減震装置1
0の配置例の詳細を示す側面図((A)の矢視)、同
図(C)は直線部への配置例の詳細を示す側面図
((A)の矢視)。
ので、(A)は基礎コンクリート13上への配置例の全
体像を示す平面図、同図(B)は出隅部への減震装置1
0の配置例の詳細を示す側面図((A)の矢視)、同
図(C)は直線部への配置例の詳細を示す側面図
((A)の矢視)。
【図7】保護カバー56,57の取付状態を示し、
(A)は側面図(図6(A)の矢視)、(B)は断面
図(−線に沿った縦断面)。
(A)は側面図(図6(A)の矢視)、(B)は断面
図(−線に沿った縦断面)。
10…実施の形態例の減震装置 11…下板盤 12…上板盤 13…基礎コンク
リート 14…土台 15…クッション
ゴム 16…高さ調整モルタル 17…柱 18…球体 19…連結ボルト 21…圧縮スプリング 22…座金 23…下部取付板 24…下部円盤体 26…上部取付板 27…上部円盤体 28…下部取付板溶接部 29…上部取付板
溶接部 31…対向周縁(上部) 32…対向周縁
(下部) 33…下部凹部 34…上部凹部 36…内部空間 37…取付用長孔 38…アンカーボルト 39…取付ボルト 41…取付用丸孔 42…副円孔
(下) 43…副円孔(上) 46…テーパ面
(下) 47…テーパ面(上) 48…凹球面
(下) 49…凹球面(上) 51…挿通孔 52…ダブルナット 53…ボルト頭 56,57…保護カバー R…内部空間36
の上下の差し渡し寸法 D…内包された球体18の外径
リート 14…土台 15…クッション
ゴム 16…高さ調整モルタル 17…柱 18…球体 19…連結ボルト 21…圧縮スプリング 22…座金 23…下部取付板 24…下部円盤体 26…上部取付板 27…上部円盤体 28…下部取付板溶接部 29…上部取付板
溶接部 31…対向周縁(上部) 32…対向周縁
(下部) 33…下部凹部 34…上部凹部 36…内部空間 37…取付用長孔 38…アンカーボルト 39…取付ボルト 41…取付用丸孔 42…副円孔
(下) 43…副円孔(上) 46…テーパ面
(下) 47…テーパ面(上) 48…凹球面
(下) 49…凹球面(上) 51…挿通孔 52…ダブルナット 53…ボルト頭 56,57…保護カバー R…内部空間36
の上下の差し渡し寸法 D…内包された球体18の外径
Claims (1)
- 【請求項1】 下部凹部を有する下板盤と、上部凹部を
有する上板盤とが、夫々の凹部が対向するように、且つ
それら凹部の周りの各対向周縁が建物重量で平常時相互
に密着するように配置されており、前記下部凹部と前記
上部凹部の少なくとも一方の中央には副孔が形成され、
平常時、前記下部周縁と前記上部周縁とが密着すること
で前記下部凹部と前記上部凹部により形成される内部空
間には、その差し渡し径より僅かに小さい直径の球体が
内包されており、前記下部凹部及び前記上部凹部は、中
心に近い部分が該中心に向って深くなる斜面とされてお
り、且つその斜面と夫々の対向周縁との間の各凹部内面
は、その一方が前記球体と同じ半径の曲面に、他方が前
記球体より大きな半径の曲面にされており、前記下板盤
と前記上板盤は連結手段で連結されていることを特徴と
する減震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1999000545U JP3061331U (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 減震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1999000545U JP3061331U (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 減震装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3061331U true JP3061331U (ja) | 1999-09-17 |
Family
ID=43195111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1999000545U Expired - Lifetime JP3061331U (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 減震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3061331U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003247353A (ja) * | 2002-02-26 | 2003-09-05 | Daiwa House Ind Co Ltd | 転がり免震装置 |
JP2014134222A (ja) * | 2013-01-08 | 2014-07-24 | Hayashi Bussan Co Ltd | 免震部材 |
-
1999
- 1999-02-09 JP JP1999000545U patent/JP3061331U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003247353A (ja) * | 2002-02-26 | 2003-09-05 | Daiwa House Ind Co Ltd | 転がり免震装置 |
JP2014134222A (ja) * | 2013-01-08 | 2014-07-24 | Hayashi Bussan Co Ltd | 免震部材 |
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