JP3061236B2 - 非晶性ポリオレフィンの改質法 - Google Patents

非晶性ポリオレフィンの改質法

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polyolefin
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着性、ブリードアウト
などの改良された非晶性ポリオレフィンの改質法に関す
る。さらに詳しくは、非晶性ポリオレフィン中の低分子
量成分を除き、その取扱いおよび非晶性ポリオレフィン
を含む樹脂フィルムの性能向上に寄与するものである。
【0002】
【従来の技術および問題点】非晶性ポリオレフィン組成
物からなる軟質フィルムは可塑剤やモノマーのブリード
アウトによる毒性や転移の問題、また焼却時の塩化水素
の発生による酸性雨の問題などの社会的要因を抱えた軟
質塩化ビニルフィルム代替材料として用いられ、無公
害、柔軟性、機械的強度、透明性などに優れた特長があ
る。この点から非晶性ポリオレフィンは各種ホットメル
ト接着剤原料、軟質系フィルム原料などに好ましく用い
られている。ホットメルト接着剤としては、非晶性ポリ
オレフィンに粘着付与剤、他の樹脂類を適宜配合するこ
とにより、耐熱性、耐候性、柔軟性、流動性、ポリオレ
フィン基材との接着性などに優れかつ安価な組成物を提
供することができる。軟質フィルム材料としては、非晶
性ポリオレフィンに他の結晶性ポリオレフィンをブレン
ドして成形された単層フィルム、他のフィルム材料と積
層された多層フィルムなどとして用いられる。しかし、
非晶性ポリオレフィンは比較的低分子量の非晶性成分を
多量に含有するため、ペレット状、クラム状の原料状態
において、粘着性が強く、それ自体がブロッキングしや
すく、原料の取り出しが困難であり、押出機への供給に
支障をきたすなど、また、フィルム材料として用いた場
合フィルム表面にこれらの成分が移行しフィルム表面の
粘着性が増し、フィルムの透明性が悪化するという欠点
があった。このため、非晶性ポリオレフィンに各種の添
加剤を添加して粘着性を防止する試みがなされてきた
(特開昭59−33339号公報、特開昭59−430
44号公報)。しかし、これらの方法でも効果が十分で
なかったり、添加された添加剤の移行の問題などがあっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は非晶性ポリオ
レフィン中の低分子量成分を除き、その取扱および非晶
性ポリオレフィンを含む樹脂フィルムのブリートアウト
などの欠点を改良した非晶性ポリオレフィンを得るため
の改質法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究し
た結果、非晶性ポリオレフィンを100℃以上の熱水お
よび/または水蒸気と接触させ、該非晶性ポリオレフィ
ンの沸騰アセトン可溶部を3.5重量%とすることによ
り上記問題を解決した。
【0005】本発明で使用される非晶性ポリオレフィン
としては、非晶性のポリプロピレン、非晶性のプロピレ
ンと他のα−オレフィンとの共重合体およびこれらと他
の樹脂との混合物を用いることが好ましい。例えば、結
晶性ポリプロピレン製造時に副生するアタクチックポリ
プロピレンを用いてもよいし、原料から生産して用いて
もよい。目的生産する場合、例えば、塩化マグネシウム
に担持したチタン担持型触媒とトリエチルアルミニウム
を用いて水素の存在下/または水素の不存在下で、原料
モノマーを重合して得ることができる。原料供給の安定
性および品質の安定性の観点から、目的生産された所定
の非晶性ポリオレフィンを使用するのが好ましい。ま
た、該当する好適な市販品があれば、適宜市販品を選択
して用いることができる。
【0006】本発明の非晶性ポリオレフィンとして、具
体的には、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重
合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・
ブテン−1・エチレン−3元共重合体、プロピレン・ヘ
キセン−1・オクテン−1−3元共重合体、プロピレン
・ヘキセン−1・4−メチルベンテン−1−3元共重合
体、ポリブテン−1などが挙げられる。本発明の対象と
なる非晶性ポリオレフィンは低分子量成分含量の多い数
平均分子量20,000以下のものに好ましく適用され
【0007】非晶性ポリオレフィンとして他の樹脂との
混合物を用いる時、樹脂組成物の構成は、本発明にとっ
て特に制限はなく、製造物の使用目的に応じて適宜組合
わせればよい。例えば、軟質フィルム材料に用いる場合
は、非晶性ポリオレフィンに結晶性ポリオレフィン、エ
チレン/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢ビ
共重合体、アイオノマー、ポリアミドなどを組合わせた
樹脂組成物が用いられ、これらの内結晶性ポリプロピレ
ンが好ましく用いられる。この場合、押出機に非晶性ポ
リオレフィンと結晶性ポリオレフィンをあらかじめ配合
した樹脂組成物を同じ供給口から供給してもよいし、あ
るいは非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリオレフィンを
それぞれ異なる供給口から押出機に供給してもよい。さ
らに、結晶性ポリオレフィンと本発明の改質法で処理し
た非晶性ポリオレフィンとを、慣用されている方法、例
えばニーダー、バンバリーミキサー、ロールなどの混練
機、一軸または二軸押出機などを用いて溶融混練しても
よい。いずれの方法においても本発明による粘着性の改
良された非晶性ポリオレフィンを製造するという目的は
達成される。
【0008】本発明において、非晶性ポリオレフィンを
100℃以上の熱水および/または水蒸気と接触させる
方法には特に限定はないが、好ましくは樹脂の溶融混練
装置が用いられる。例えば、一軸あるいは多軸の1以上
の減圧ベント口を有する押出機である。非晶性ポリオレ
フィンは、粉末状、塊状、あるいは溶融状態で、連続的
にまたは脈動的に押出機に供給され、加熱あるいは摩擦
熱で溶融される。該押出機の圧縮溶融部とベント口の間
に水が注入添加される。注入された水は溶融非晶性ポリ
オレフィンと混合され、押出機のベント口から非晶性ポ
リオレフィン中の低分子量揮発成分と混合蒸気とが排気
される。排気は、好ましくは300Torr以下の減圧
下に行われる。
【0009】注入添加される水の量は、非晶性ポリオレ
フィン100重量部当たり0.1〜50重量部が好まし
い。水の添加量が上記範囲よりも小さいと、非晶性ポリ
オレフィン中の揮発成分の除去効果が不十分であり、ま
た水の添加量が上記範囲よりも大きいと、水と非晶性ポ
リオレフィンとの不均一な混合および水の蒸発による冷
却作用が起こりやすくなる。非晶性ポリオレフィンの溶
融温度は高いほど脱揮効果が大きいが、あまり高すぎる
と非晶性ポリオレフィンが熱劣化する。非晶性ポリオレ
フィンの種類により最適な溶融温度は異なるが、150
〜300℃程度の温度範囲で実施するのが好ましい。揮
発成分が除去された非晶性ポリオレフィンは、押出機の
吐出口よりストランド、フィルム、シートなどの種々の
形状の成形物を得ることができる。
【0010】非晶性ポリオレフィンまたはこれと他の樹
脂との混合物を本発明の方法により処理して揮発成分を
除去して得られた成形物の沸騰アセトン可溶部は3.5
重量%以下であることが好ましい。沸騰アセトン可溶部
は3.5重量%を超えると、表面粘着性は依然として残
り本発明の処理効果が認められなくなる。沸騰アセトン
可溶部を3.5重量%以下にするためには、例えば前記
減圧ベント口を有する押出機の場合では前記範囲内でベ
ントの減圧度を高めるおよび/または注水添加する水の
量を増加するおよび/または非晶性ポリオレフィンの溶
融温度を高めることによって達成される。なお、沸騰ア
セトン可溶部は厚さ約0.5mmt のフィルム状細片試
料3gに対してアセトン200mlを注いで、ソックス
レー抽出器により8時間抽出操作して、抽出操作前後の
仕込試料重量を基準として、その重量変化から求めた。
【0011】
【実施例および比較例】以下に実施例および比較例を示
す。
【0012】実施例1 非晶性ポリオレフィンとしてプロピレン・ブテン−1共
重合体(商品名REXTAC RT.2780 米国レ
キセン社製、プロピレン/ブテン−1の重量比が65/
35、数平均分子量6500、沸騰アセトン可溶部6.
5重量%)を用いた。二軸押出機として、スクリュー径
30mmφの各ベントの前(ホッパー側)に注水孔各1
ヶ所、計3ヶを設けた3ベント式押出機に非晶性ポリオ
レフィンを供給して樹脂温度210℃、各ベントの真空
度50Torrとし、各注水孔から水を200cc/h
r注入し、溶融状態の非晶性ポリオレフィンと100℃
以上の熱水および/または水蒸気と混練押出し、冷却後
切断してペレット状固形物2kg/hrを得た。この沸
騰アセトン可溶部は3.5重量%であった。このペレッ
ト状固形物を温度40℃の空気雰囲気中(ギヤーオーブ
ン)に1週間放置したところ、表面の粘着性はほとんど
みられなかった。
【0013】実施例2 実施例1の非晶性ポリオレフィンに代えて、実施例1の
非晶性ポリオレフィンにあらかじめ結晶性ポリプロピレ
ン(宇部興産(株)製、商品名B301H)を50/5
0の重量比で溶融混合したもの(沸騰アセトン可溶部
3.8重量%)を用いた以外は実施例1と同様に押出操
作を行った。得られたペレットを温度40℃の空気雰囲
気中(ギヤーオーブン)に放置した。次いで、ペレット
を定期的に取り出し、上部開口内径70mmφ、下部開
口内径50mmφの円錘台状の紙製の容器に90g充填
し、全ペレットが容器から落下するまでの時間を測定し
た。なお、この落下時間が短いほどペレットの粘着性が
少ないことを示す。また、このペレットを温度200℃
で熱プレスし、フィルム厚125μmのフィルムを作製
し、40℃の空気雰囲気中(ギヤーオーブン)に放置し
た。次いで、フィルムを定期的に取り出し、フィルムの
ヘイズ〔ヘイズ:Haze(%)ASTM D1003
に準じて測定した。〕変化を測定した。
【0014】実施例3 実施例2において、押出条件を以下の通りに代えた以外
は実施例2と同様に行った。 樹脂温度 240℃ 各ベントの真空度 50Torr 水供給量 200cc/hr 吐出量 4kg/hr
【0015】実施例4 実施例2において、押出条件を以下の通りに代えた以外
は実施例2と同様に行った。 樹脂温度 260℃ 各ベントの真空度 50Torr 水供給量 200cc/hr 吐出量 4kg/hr
【0016】比較例1 実施例1の押出操作において、注水せず、かつ各ベント
口を閉鎖して減圧しない他は実施例1と同様に行った。
得られたペレット状固形物の沸騰アセトン可溶部は6.
4重量%であった。また、40℃の空気雰囲気中に1週
間放置したところ、表面にかなりの粘着性がみられた。
【0017】比較例2 実施例2の押出操作において、注水せず、かつ、各ベン
ト口を閉鎖して減圧しない他は実施例2と同様に行っ
た。実施例2〜4、比較例2の40℃の空気雰囲気中
(ギヤーオーブン)に放置した時の落下時間、ヘイズの
経時変化を表1、2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明の処理を行うことにより、非晶性
ポリオレフィン中の低分子量物の量が低減でき、粘着性
が低下し、その経時変化も少なく、取扱いが容易とな
る。また、フィルムにした時、ヘイズも小さく、その変
化が少ない。従って透明性のよいフィルムを作成するこ
とが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−1010(JP,A) 特開 平2−218721(JP,A) 特開 平6−16743(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 6/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶性ポリオレフィンを100℃以上の
    熱水および/または水蒸気と接触させ、該非晶性ポリオ
    レフィンの沸騰アセトン可溶部を3.5重量%以下とす
    ることを特徴とする非晶性ポリオレフィンの改質法。
  2. 【請求項2】 減圧ベント口を有する押出機により非晶
    性ポリオレフィンを100℃以上の熱水および/または
    水蒸気と接触させることを特徴とする第1項記載非晶性
    ポリオレフィンの改質法。
  3. 【請求項3】 非晶性ポリオレフィンを100℃以上の
    熱水および/または水蒸気と接触させ、該非晶性ポリオ
    レフィンの沸騰アセトン可溶部を3.5重量%以下とし
    た後、他の任意成分と混合しまたは混合せずに、再度溶
    融成形することを特徴とする非晶性ポリオレフィン成形
    体の成形法。
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