JP3060385B2 - 新規なラクチトール無水物結晶及びそれを含有する含蜜結晶並びにそれらの製造方法 - Google Patents

新規なラクチトール無水物結晶及びそれを含有する含蜜結晶並びにそれらの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なラクチトール無水物結晶及びそれを
含有する含蜜結晶並びにそれらの製造方法に関する。
(従来の技術) ラクチトールは乳糖のグルコース部分がソルビトール
に還元されたものであり、4−β−D−ガラクトピラノ
シル−D−ソルビトールである。
従来知られているラクチトールとその製造方法は、例
えば、ジャーナル・オブ・アグリカルチュラル・アンド
・フード・ケミストリー(J.Agricultural and Food Ch
emistry)27,4(1979)680〜686頁に記載されているよ
うに、濃度30〜40重量%の乳糖水溶液を出発物質とし、
ラネーニッケルを使用して、温度100℃、水素圧40気圧
の条件で水素添加し、その後触媒を沈降させて濾過・除
去し、イオン交換樹脂や活性炭等で精製したものがあ
る。
このときのラクチトールは5%のショ糖水溶液の甘味
を100として比較すると同濃度のラクチトールの相対甘
味度は36%であり、ソルビトール(相対甘味度65%)や
キシリトール(相対甘味度96%)よりも甘味度が低い。
一方、西独国特許(マイツエナ、1974)に報告されて
いるように、α−グルコシダーゼ(マルターゼ)でラク
チトールを加水分解した場合の分解速度は、乳糖及びマ
ルトースの加水分解速度よりも著しく遅い。
例えば、乳糖は45分以内にβ−ガラクトシダーゼによ
ってほぼ完全に加水分解されるが、ラクチトールは45分
間に10〜15%が加水分解されるのみである。
従って、ラクチトールは消化管内で消化吸収されにく
く、また、口内細菌によっても発酵されにくいことか
ら、低カロリー食品、ダイエット食品、低う蝕性食品、
健康食品などの甘味源として、糖尿病者、肥満者、成人
病や虫歯を気にしている人々に好適である。
ラクチトールはアルデヒド基が還元されているので熱
やアルカリに対して安定であり、各種食品用途に有利に
使用することができる。
ラクチトール結晶については、いくつかの記載があ
り、例えば、コント・ランデュ・エブドマデール・デ・
セアーンス・ドゥ・ラカデミー・デ・シアーンス(Comp
tes Rendus Hebdomadairesdes Sances de l′Acadm
ie des Sciences)、170(1920)47〜50頁に発表された
研究とジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサ
エティー(J.Am.Chem.Soc.)、74(1952)1105頁に発表
された研究には、融点76〜78℃で比旋光度+12.2°のラ
クチトール二水和物結晶と融点146℃で比旋光度+14°
のラクチトール無水物結晶に関する記載がある。
また、ラクチトール一水和物結晶についても、ジャー
ナル・オブ・アグリカルチュラル・アンド・フード・ケ
ミストリー(J.Agricultural and Food Chemistry)27,
4(1979)680〜686頁には、融点が94〜97℃であり、1
%のラクトゥリトール(4−β−ガラクトシル−D−マ
ンニトール)と3%のマンニトールを含有する結晶に関
する記載がある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来のラクチトール二水和物結晶、ラ
クチトール一水和物結晶、ラクチトール無水物結晶並び
にそれらの製造方法には様々な製造上または利用上の不
都合な点があり、それらの改善が望まれていた。
例えばラクチトール二水和物結晶やラクチトール一水
和物は、結晶中に水分子を包含しているので水を嫌う医
薬品、食品、化学原料などの用途や反応には使用できな
いという不都合や、他の様々な不都合があった。
即ち、ラクチトール二水和物については、融点が72〜
80℃と低いので、粉の状態のままで90〜110℃で使用し
たい場合には適用できず、また、従来、ラクチトール一
水和物として発表されていたものについてはマンニトー
ルやラクトゥリトールなどの不純物を含有しているため
に苦味を有していて食品に適さないことや、製造する毎
に品質を一定に定めることが困難であること、などの不
都合を有していた。
一方、従来のラクチトール無水物は結晶水を含有しな
いので水を嫌う用途や反応には適切であったが欠点もあ
った。
つまり、融点が146℃〜154℃と高いので調理などの食
品用途で汎用される温度範囲である100〜140℃程度では
粉末として扱わねばならないこと、吸湿性が低いので口
感がザラついた砂のような感触であること、更に、吸湿
性が低いために湿度を付与するような用途には適さない
ことなどがその欠点であった。
以上の事情から、ラクチトール無水物結晶に関する上
記のような様々な不都合の改善が望まれていたのであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は従来のラクチトール無水物結晶の様々な
不都合を改善するために、ラクチトールの理化学的性質
を深く追及し、優れた性質を有するラクチトール結晶を
求めて鋭意研究を続けた。
その結果、融点102〜105℃のラクチトール一水和物結
晶またはそれを含有する含蜜結晶を脱水することによっ
て、従来の文献に記載のない、しかも利用上優れた性質
を有するラクチトール無水物結晶及びそれを含有する含
蜜結晶並びにそれらの製造方法を見出し、これによりラ
クチトール無水物結晶及びそれを含有する含蜜結晶を工
業的規模で有利に製造することに成功し、発明を完成す
るに至った。
即ち、本発明は融点が121〜124℃である、ラクチトー
ル無水物結晶またはそれを含有する含蜜結晶並びにそれ
らの製造方法である。
本発明のラクチトール無水物結晶は以下の理化学的性
質を有する、 (1)元素分析 測定値 C=41.5% H=7.0% O=51.5% 計算値 C=41.9% H=7.0% O=51.1% (2)分子量 344.3 (3)融点 121.0〜124.4℃(一定温度のプレート上に試料を載せて
測定) (4)示差走査熱量分析 吸熱極大値=121〜126℃(示差走査熱量測定計を用い、
10℃/分の昇温速度で測定) (5)比旋光度 ▲[α]20 D▼=+14.75°(水1cc中に0.1gを含む) (6)紫外部吸収 水溶液にして測定すると特徴ある吸収は示さない。
(7)赤外線吸収スペクトル ラクチトール無水物結晶の粉末10mgと脱水KBr440mgを
撹拌混合して透明なタブレット(厚さ約0.6mm)を作成
し、赤外線吸収スペクトルを測定した。結果を第1表に
示した。
(7)溶解度 25℃での水に対するラクチトール無水物結晶の溶解度
は、約52%である (8)物性、物質の色 無色透明な結晶であり、微細な結晶は白色粉末状で、
砂糖の35〜40%の甘味を有し、無臭である。潮解性は無
いが、吸湿性はやや強く、温度30℃で相対湿度72%の雰
囲気に24時間保存した場合の重量増加は約5.5%であ
る。
(9)各種薬剤に対する溶解性 水、0.1N-NaOH、0.1N-HClに易溶。メタノールに可
溶。エタノールに難溶。クロロホルム、酢酸エチルに不
溶。
以上の測定結果から、本発明のラクチトール無水物結
晶及びそれを含有する含蜜結晶は、文献記載の物質とは
明らかに異なる新規なラクチトール無水物結晶であると
判断される。
本発明で使用するラクチトール一水和物結晶は分子式
C12H24O11・H2Oで表され、融点102〜105℃であればよ
く、製造方法は問われない。
本発明のラクチトール無水物結晶の製造方法は上記ラ
クチトール一水和物結晶を脱水することにより達成され
るが、その脱水条件は、本発明のラクチトール無水物結
晶の融点よりも低い温度であり、且つ、上記ラクチトー
ル一水和物結晶の結晶水を除去するに充分な圧力、温
度、時間である必要がある。
具体的には、常圧での温度は55℃〜121℃が採用可能
であり、時間は温度に関連して変化するが、例えば、60
℃で棚段静置乾燥の場合には約90時間程度で、充分に結
晶水が除去できる。
また、結晶水を除去するうえで、減圧条件を採用する
ことも自由にでき、例えば、減圧度720〜740mmHg程度の
減圧条件の下では、60℃、24時間程度の条件で充分であ
る。
本発明のラクチトール無水物結晶またはそれを含有す
る含蜜結晶は、従来から知られているラクチトール無水
物やラクチトール二水和物結晶に較べ、優れた性質を有
する。例えば、従来から知られているラクチトール無水
物と比較した場合、融点が適度に低く、脱水の手間が比
較的容易であり、吸湿性があるので湿度を適度に保持さ
せるために使用する場合や水を嫌う用途でありながら12
0〜130℃で溶解して使用する場合などにも使用可能であ
るなどの利点がある。
また、ラクチトール二水和物結晶と比較して場合に
は、融点が適度に高く100℃前後でも粉末で使用する場
合に適しているなどの利点がある。
従って、食品、化粧品、医薬品、化学原料などの用途
に有利に使用することができる。
必要に応じて、例えば、粉飴、ブドウ糖、マルトー
ス、異性化糖、砂糖、蜂蜜、メープルシュガー、ソルビ
トール、ジヒドロカルコン、ステビオシド、α−グリコ
シルステビオシド、グリチルリチン、サッカリン、アス
パルテーム、グリシン、アラニン、などのような他の甘
味料の一種または二種以上の適量と混合して使用しても
よく、また、デキストリン、澱粉、ポリデキストロー
ス、乳糖などのような増量剤と混合して使用することも
可能である。
更に、本発明のラクチトール無水物結晶及びそれを含
有する含蜜結晶は、そのまま、または必要に応じて増量
剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤などと混合して顆粒、球
状、錠剤、棒状、板状、立方体などに成形して使用する
ことも自由にできる。
また、本発明のラクチトール無水物結晶及びそれを含
有する含蜜結晶は、他のラクチトールやラクチトール結
晶と同様に、消化吸収されにくいから、本発明のラクチ
トール無水物結晶及びそれを含有する含蜜結晶で甘味付
された飲食物のカロリーを低下させることができる。
従って、本発明のラクチトール無水物結晶及びそれを
含有する含蜜結晶は、糖尿病者、肥満者、などのカロリ
ー制限している人のための低カロリー甘味料として、ま
た低カロリー飲食物、例えば美容食、健康食、ダイエッ
ト食への甘味付に利用できるのである。
また、本発明のラクチトール無水物結晶及びそれを含
有する含蜜結晶は、ビフィズス菌によって選択的に利用
されることや、虫歯誘発菌などによって発酵されにくい
ことなどの性質を有するので、ビフィズス菌成育活性剤
や虫歯を起こしにくい甘味料としても利用できる。
例えば、チューインガム、チョコレート、ビスケッ
ト、クッキー、キャラメル、キャンデーなどの菓子類、
コーラ、サイダー、ジュース、コーヒー、乳酸菌飲料な
どの飲料水類などにおける低う蝕性飲食物の甘味付に好
適であり、更に、うがい水や練り歯磨などの虫歯を予防
する化粧品や医薬などへの甘味付にも好適である。
本発明のラクチトール無水物結晶及びそれを含有する
含蜜結晶の甘味は、酸味、塩辛味、渋味、旨味、苦味な
どの他の呈味を有する各種の物質とよく調和し、耐酸
性、耐熱性も大きいので今まで述べた特殊な場合だけで
なく、普通一般の飲食物の甘味付、呈味改良に、また品
質改良などに自由に使用できる。
例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、
ひしお、各種フリカケ、マヨネーズ、ドレッシング、食
酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、
ソース、ケチャップ、焼肉のタレ、カレールウ、シチュ
ーの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、核酸系調
味料、みりん、新みりん、テーブルシュガー、コーヒー
シュガーなど各種調味料として自由に使用できる。
また、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅類、ま
んじゅう、ういろう、あん類、羊羹、錦玉、ゼリー、カ
ステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケット、ク
ラッカー、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、
カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポ
ンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガ
ム、キャラメル、キャンデーなどの各種洋菓子、果実の
シロップ漬、氷蜜などのシロップ漬、フラワーペース
ト、ピーナツペースト、フルーツペーストなどのペース
ト類、ジャム、マーマレード、シロップ漬、糖菓などの
果実、野菜の加工食品類、パン類、麺類、米飯類、人造
肉などの穀類加工食品類、福神漬、べったら漬、千枚
漬、らっきょう漬などの漬物類、たくあん漬の素、白菜
漬の素などの漬物の素類、ハム、ソーセージなどの畜肉
製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマボコ、チク
ワ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカの塩辛、酢コン
ブ、さきイカ、ふぐのみりん干しなどの各種珍味類、の
り、山菜、するめ、小魚、貝などで製造されるつくだ煮
類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻などのそう菜食品、
乳製品、魚肉、畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、合
成酒、果実酒、洋酒などの酒類、コーヒー、ココア、ジ
ュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲
料水、プリンミックス、ホットケーキミックス、などの
プレミックス類、即席ジュース、即席コーヒー、即席し
るこ、即席スープなどの即席飲食品などの各種飲食物へ
の甘味料として、また、呈味改良剤、品質改良剤などと
して自由に利用できる。
また、本発明のラクチトール無水物結晶及びそれを含
有する含蜜結晶は、家畜、家禽、その他養蜂、蚕、魚、
犬、猫などの飼育動物のために飼料、餌料などの嗜好性
を向上させる目的や動物のビフィズス菌の成育活性化の
目的で使用することもできる。
その他、タバコ、練歯磨、口紅、リップクリーム、内
服薬、トローチ、肝油ドロップ、口中清涼剤、口中香
錠、うがい薬など各種固形状、ペースト状、液状などで
嗜好物、化粧品、医薬品、などへの呈味改良剤、矯味剤
として、さらには品質改良剤などとして自由に利用でき
る。
また、本発明のラクチトール無水物結晶またはそれを
含有する含蜜結晶をわずかに湿った状態にして、低圧圧
縮成形することにより、グラニュー糖から製造した成形
砂糖と同様に各種形状、例えばサイコロ状、魚、花等に
自由に成形できるのでコーヒー、紅茶などの好適な成形
甘味料が容易に製造できる。
この際には、例えば、各種の糖類や人工甘味料等を含
有せしめて増甘することも、各種の食用色素で着色する
ことも、さらに、各種のフレーバー類を含有せしめて成
形することも自由にできる。
また、フレーバーの使用に当たっては、予め各種フレ
ーバーをシクロデキストリンなどの包摂化合物に包摂さ
せることもできる。
更に、ラクチトール無水物結晶及びそれを含有する含
蜜結晶に、例えば、ビタミン剤、抗生物質、乳酸菌など
と混合して、顆粒や錠剤などの各種形状に成形して、種
々の用途に使用することもできる。
(実施例) 以下に実施例を掲げて本発明の内容を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもので
はない。
また、以下の実施例に於いて%は特に断らない限り全
て重量%を表す。
実施例−1 融点103.0℃のラクチトール一水和物結晶を含有する
含蜜結晶79gを温度60℃、減圧度740mmHgの条件で24時間
脱水し、本発明のラクチトール無水物結晶を含有する含
蜜結晶約75gを得た。
このものの融点を、各温度に設定した一定温度のプレ
ート上に試料を載せて、熔融するか否かで測定した結
果、122.5℃であった。
本品は吸湿性がやや強く、適度な温度で熔融し、製造
が容易であるので、各種飲食物、化粧品、医薬品、等の
甘味料、品質改良剤、更に化学工業用原料などとして有
利に使用できる。
実施例−2 融点104.8℃のラクチトール一水和物79gを、温度65
℃、常圧(大気圧)の条件で60時間脱水し、本発明のラ
クチトール無水物結晶約75gを得た。
このものの融点を、各温度に設定した一定温度のプレ
ート上に試料を載せて、熔融するか否かで測定した結
果、123.7℃であった。
また、元素分析の結果は、計算値がC=41.9%,H=7.
0%,O=51.1%であるのに対して、それぞれ41.5%,7.0
%,51.5%であった。
更に、示差走査熱量分析(以下DSCと略することがあ
る。)を行った結果、昇温速度10℃/分での熱吸収の極
大値は125℃にあった。
実施例−3 実施例−1の方法で得たラクチトール無水物結晶を含
有する含蜜結晶粉末100重量部及びサッカリン1重量部
を均一に混合し、濃度約75%のラクチトール水溶液を少
量噴霧して湿気を与え、角砂糖用成形器にいれて加圧成
形した後、型抜きして立方体に成形された固形状甘味料
組成物を得た。
本組成物は、砂糖の約1.8倍の甘味を有し、保存性の
良好な甘味料であり、う蝕性の無い、実質的にカロリー
の低い甘味料である。
実施例−4 カカオペースト40重量部、カカオバター10重量部、実
施例−2の方法で得たラクチトール無水物結晶50重量
部、アスパルテーム0.5重量部、レシチン0.5重量部を混
合して、リファイナーにより微細な粉末にした後コンチ
ェに入れて温度50℃で24時間混練した。
その後31℃に冷却しつつ、型に流し込み10℃で固化さ
せた。
本品は吸湿性がなく、良質な甘味を有する低う蝕性チ
ョコレートとして有用である。
また、製造工程中にラクチトールの微粉がリファイナ
ーに熔融・付着することがなく、効率の良い製造が可能
であった。
実施例−5 還流器付の容器中で、実施例−2の方法で得た本発明
のラクチトール無水物結晶23gをジメチルホルムアミド8
0ccに溶解し、これにミリスチン酸メチルエステル6gと
炭酸カリウム0.4gを加え、撹拌しながら温度90℃、減圧
度100〜200mmHgで24時間反応させた。
その後、減圧下で溶媒を除去した後、残留したものを
300ccのアセトンで2回洗浄抽出し、アセトン溶液を氷
で冷却して析出した結晶を回収し、軟化点60〜65℃のラ
クチトール・モノミリスチン酸エステル4gを得た。
このものは非イオン活性剤として有用である。
(発明の効果) 以上に記載したように本発明のラクチトール無水物及
びそれを含有する含蜜結晶は各種食品、医薬品等として
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 和昭 埼玉県北葛飾郡吉川町中曽根477 (72)発明者 真柄 光男 静岡県沼津市根古屋61―18 (72)発明者 石井 良文 静岡県富士市大渕3369―5 (56)参考文献 特開 昭58−85900(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子式C12H24O11で表され、融点が121〜12
    4℃であるラクチトール無水物結晶。
  2. 【請求項2】分子式C12H24O11で表され、融点が121〜12
    4℃であるラクチトール無水物結晶を含有する含蜜結
    晶。
  3. 【請求項3】ラクチトール無水物結晶が固形物当たり95
    重量%以上のラクチトール純度を有していることを特徴
    とする請求項1記載のラクチトール無水物結晶。
  4. 【請求項4】ラクチトール無水物結晶を含有する含蜜結
    晶が固形物当たり95重量%以上のラクチトール純度を有
    していることを特徴とする請求項2記載のラクチトール
    無水物結晶を含有する含蜜結晶。
  5. 【請求項5】融点102〜105℃のラクチトール一水和物結
    晶を脱水することにより製造された、分子式C12H24O11
    で表され、融点が121〜124℃である、請求項1記載のラ
    クチトール無水物結晶。
  6. 【請求項6】融点102〜105℃のラクチトール一水和物結
    晶を含有する含蜜結晶を脱水することにより製造され
    た、分子式C12H24O11で表され、融点が121〜124℃であ
    る請求項2記載のラクチトール無水物結晶を含有する含
    蜜結晶。
  7. 【請求項7】ラクチトール無水物結晶が組成物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のラクチトール無水物結
    晶。
  8. 【請求項8】ラクチトール無水物結晶を含有する含蜜結
    晶が組成物であることを特徴とする請求項2記載のラク
    チトール無水物結晶を含有する含蜜結晶。
  9. 【請求項9】ラクチトール無水物結晶が成形物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のラクチトール無水物結
    晶。
  10. 【請求項10】ラクチトール無水物結晶を含有する含蜜
    結晶が成形物であることを特徴とする請求項2記載のラ
    クチトール無水物結晶を含有する含蜜結晶。
  11. 【請求項11】融点102〜105℃のラクチトール一水和物
    結晶を脱水することを特徴とする、分子式C12H24O11
    表され、融点が121〜124℃であるラクチトール無水物結
    晶の製造方法。
  12. 【請求項12】融点102〜105℃のラクチトール一水和物
    結晶を含有する含蜜結晶を脱水することを特徴とする分
    子式C12H24O11で表され、融点が121〜124℃であるラク
    チトール無水物結晶を含有する含蜜結晶の製造方法。
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