JP3060361B2 - 複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置 - Google Patents

複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置

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JP3060361B2
JP3060361B2 JP6231634A JP23163494A JP3060361B2 JP 3060361 B2 JP3060361 B2 JP 3060361B2 JP 6231634 A JP6231634 A JP 6231634A JP 23163494 A JP23163494 A JP 23163494A JP 3060361 B2 JP3060361 B2 JP 3060361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は押出し加工により導体を
被覆する電線被覆装置、とりわけ複数個の冷却槽から構
成される複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電線被覆工程においては熱溶融被
覆の内でも押出被覆が一般的に採用されている。これは
熱可塑性樹脂を加熱溶融状態で導体の表面に塗着させ、
これを冷却凝固させて連続した被覆面を形成させるもの
である。当初におけるこのような電線被覆装置は、被覆
電線の冷却槽に横形、すなわち水平方向に伸びた冷却水
槽を採用し、高温の被覆電線を横形冷却槽中に水平方向
に渡して水平移動させ、冷却していた。しかし、横形冷
却槽は設置スペースが大きく、経済効率において極めて
不利であった。そこで、スペース低減を主たる目的とし
て、横形冷却槽の一部を縦形冷却槽(すなわち垂直方向
に伸びた冷却水槽)に置き換えた構成が提案された(特
開平2−278617号公報)。このような構成による
従来の電線被覆装置の側面図を、図6に示す。
【0003】同図に示す電線被覆装置では、導体36が
エクストルーダ30に導入される。エクストルーダ30
では、クロスヘッド31にて図示しないホッパーから投
入された熱可塑性樹脂を加熱溶融状態にして、導体36
表面に塗着させて押出被覆を行なう。被覆処理後の高温
状態(例えば摂氏170度前後)の電線は、給水管56
から給水される柱状の縦型水槽55で1次冷却される。
ついで電線はプーリ59を経て方向変換され、長尺の横
型水槽57に導入され、この横型水槽57に貯溜された
冷却水58中を横方向に移動する間に2次冷却されて、
被覆が凝固定着された被覆電線40が製造される構成に
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のように従来の電
線被覆装置では、押出成形後の高温度の被覆電線を、縦
型および横型冷却水槽に浸し、該冷却水槽内をそれぞれ
垂直および水平方向に移動させる過程で冷却していた。
しかしながら、最近、押出速度が上昇するにつれて、そ
れに伴いさらに長寸法の横型冷却水槽が要求されるに至
り、よって電線被覆装置の設置占有面積が増大してコス
ト増加の原因となっていた。
【0005】さらに、水平方向に冷却距離が伸びる結果
として、電線を撓ませることなく張り続けるためにより
強力な電線牽引を行わねばならず、強力な駆動源を備え
たキャプスタンが、しかも複数基必要となり、設備コス
トとともに運転コストも増加するという欠点があった。
加えて前記の強力な電線牽引の結果、十分に冷却定着し
ていない被覆部に強力な力がかかることによる、被覆部
の変形という好ましくない事態をまねくおそれもあっ
た。また一方において、最近市場から多種少量生産が要
求される場合が増大しているが、従来の構成は多種少量
生産に伴う操業条件の頻繁な変更に必ずしも適するもの
とはいえなかった。
【0006】すなわち、従来の縦形冷却水槽と横型冷却
水槽のコンビネーション構成においては、設備コストや
運転コストをはじめ設置面積の増大を抑えることが難し
い。また電線の変形を回避することが困難である。さら
に、多種少量生産に対応して操業条件を変更するのに困
難が伴うものであった。そこで1基の縦型冷却水槽から
なる構成が試みられたが、このような従来の縦型冷却水
槽にあっては、十分な冷却効果が期待できず、結局縦型
冷却水槽が巨大化して、本来の目的である設置面積減少
の実現が困難といった問題があった。
【0007】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、複合縦型冷却装置を備え、設置占有面積の減少と多
品種少量生産を可能とする、高処理能力の電線被覆装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
本発明に係る複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置
は、導体に被覆を施して被覆電線とする電線被覆手段
と、前記被覆電線が垂直方向に通過可能な水溜を備えた
第1冷却手段と、該第1冷却手段下端に配設され空隙を
形成して前記被覆電線を通過させる絞り込み手段と、前
記第1冷却手段を経由した被覆電線が垂直方向に通過可
能な冷却水を貯溜した第2冷却手段と、前記導体ならび
に被覆電線を前記各手段の構成部材に無接触に支持して
垂直方向に移動させる電線支持移動手段とを備え、前記
第1冷却手段ならびに前記第2冷却手段を備えて複合縦
型冷却装置を構成すると共に、前記被覆電線を、前記第
2冷却手段に繰り返し案内して冷却する構成としたこと
を特徴とする。
【0009】あるいは、前記電線被覆手段をエクストル
ーダで、前記第1冷却手段を第1冷却槽で、前記絞り込
み手段をノズルで、前記第2冷却手段を第2冷却槽で、
前記電線支持移動手段を複数の中の一つの第1ローラお
よび第1プーリで、それぞれ構成したことを特徴とす
る。さらに、前記第1ローラおよび前記第1プーリ間に
前記第1冷却槽を配設し、該第1冷却槽と該第1プーリ
間に被覆電線を縦方向に保持する電線保持手段を設けて
構成したことを特徴とする。
【0010】また、前記第2冷却槽の冷却水に浸漬され
て回転可能になされると共に、前記第1冷却槽を経由し
た前記被覆電線を周縁溝で巻支する大径の前記第1プー
リ及び該第1プーリと同心に設けられた小径の第2プー
リと、これらのプーリ上方に対向して配設され、前記第
2プーリと略同径の第3プーリとを備え、前記被覆電線
がこれらプーリ間に懸架されて上下方向移動することで
繰り返し冷却されることを特徴とする
【0011】さらに、第3冷却手段を第2冷却槽の上方
に設け、該第3冷却手段が該第2冷却槽を経由した被覆
電線に対し冷却を行うことを特徴とする。また、前記第
1冷却槽を経由した水を第2冷却槽に注入せず複合縦型
冷却装置外に放出させる構成としたことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に係る複合縦型冷却装置を備えた電線被
覆装置では、まず導体がエクストルーダによって熱溶融
被覆加工を施され、熱溶融被覆加工直後の高温の被覆電
線が、まず複合縦型冷却装置内の上下に伸びる第1冷却
槽の上方から、該第1冷却槽の壁部に接触せぬよう導入
される。ついで高温の被覆電線が、第1冷却槽内の水柱
内を下方に移動される過程で冷却され、下端部に設けた
ノズルの開口から装置底部の第2冷却槽側に導出され
る。さらに装置底部の第2冷却槽においても、被覆電線
は水槽中で上下方向に移動されて、冷却が続行される。
さらに第3冷却手段によっても、上下方向に展索された
被覆電線が水の噴射や滴下を受けて冷却される。すなわ
ち、高温の被覆電線の冷却は、電線の上下方向移動にお
いて実行される構成となっている。この構成によって、
電線は重力にしたがい最小限の動力で撓むことなく上下
方向に配索されるから、強力な電線牽引の必要がなくな
る。ゆえに未だ十分に冷却定着されていない被覆部に強
力な力がかかることがないから、被覆部を変形させるこ
とがない。さらに少ないスペースにも拘わらず、高温の
被覆電線の冷却が効果的になされ、よって縦型冷却水槽
を用いた高効率の冷却効果が実現される。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。先ず、この発明に係る複合縦型冷却装置を
備えた電線被覆装置各部分の構成を説明し、ついでそれ
らの作用を説明する。図1は本発明に係る複合縦型冷却
装置を備えた電線被覆装置の一実施例の全体構成を示す
断面図である。
【0014】同図で、複合縦型冷却装置を備えた電線被
覆装置1は、導体36が巻かれたサプライドラム35
と、導体36をガイドする第1ローラ33と、樹脂材3
8が投入貯溜されるホッパー32ならびに導体36に被
覆を施す縦形クロスヘッド31を有するエクストルーダ
30を備える。エクストルーダ30は電線被覆手段の具
現例である。またエクストルーダ30下端の出口から下
方には、エクストルーダ30から放出された被覆電線4
0の外径をチェックする外測計37が配設されている。
さらに、被覆電線40を冷却する複合縦型冷却装置2
と、複合縦型冷却装置2から出た、冷却水で濡れた状態
の被覆電線を導入して乾燥させる除水器11と、乾燥後
の被覆電線をガイドする第2ローラ34を備える。
【0015】図2は、複合縦型冷却装置2の一部切欠斜
視図である。同図において、複合縦型冷却装置2は直方
体の容器であり、該容器内に、被覆電線40を通過させ
る水溜を内部に備え、垂直に立設された筒状(円管状)
の第1冷却槽3(第1冷却手段)と、該第1冷却槽3下
端に配設されたノズル3A(絞り込み手段)と、前記第
1冷却槽3の下方側に形成され、冷却水4Aを貯溜する
第2冷却槽4(第2冷却手段)と、この冷却水4Aに少
なくとも一部分が浸された同心からなる大径の第1プー
リ6ならびに比較的小径の第2プーリ7と、前記両プー
リ上方に対向して配設された、第2プーリ7と略同径の
第3プーリ8を備える。さらに容器上方から容器内の各
プーリ6、7並びに各プーリ6、7に係合された被覆電
線40に冷却水を噴射させるシャワー9(第3冷却手
段)を備える。ここで、前記第1冷却槽3は第1冷却手
段の、また前記ノズル3Aは絞り込み手段の、また前記
第2冷却槽4は第2冷却手段の、それぞれ具現例であ
る。
【0016】第1冷却槽3は、垂直に立ち上げられた筒
状体で、その軸方向略中央の縦壁に冷却水給水管10が
取付けられて給水され、この結果、第1冷却槽3内に水
溜が形成されている。第2冷却槽4は、複合縦型冷却装
置2を形成する容器の下底部を槽壁として容器と一体に
形成されている。したがって第1プーリ6と第2プーリ
7の軸は、複合縦型冷却装置2を形成する容器の縦壁に
よって支持されている。また前記第2冷却槽4は、複合
縦型冷却装置2を形成する容器と別体に、上端が開放さ
れた直方体槽として形成することも可能である。この別
体構成の場合には、直方体槽が複合縦型冷却装置2の容
器底部に配設される。このように本実施例では、第1冷
却槽3と第2冷却槽4が同一容器内に配設されて成る。
【0017】第1冷却槽3底部に配設される前記ノズル
3Aは、挿通される被覆電線よりも径の大なる開口をそ
の上下端に有する。多種少量生産に適合性を持たせるた
めに、ノズル3Aは種々の径の電線に対応できる構成で
あることが望ましい。図3は、このような構成のノズル
の一実施例を示すもので、ノズルは複数枚のノズル板を
積層して構成される。同図で、ノズル3Aは下端開口4
3Bから上端開口42Bに向かい徐々に径を狭めるノズ
ル孔44Bを有するノズル板41Bの上に、下端開口4
3Aから上端開口42Aに向かい徐々に径を狭めるノズ
ル孔44Aを有するノズル板41Aが重ねられる。ここ
でノズル板41Bの上端開口42Bの径と、ノズル板4
1Aの下端開口43Aの径とは等しく構成される。
【0018】太い電線を挿通させる場合は、上にあるノ
ズル板41Aを除去して構成し、逆に細い電線を挿通さ
せる場合は、ノズル板41Bの上にノズル板41Aを取
付けて構成する。ノズル板41Bへのノズル板41Aの
取付けは、ネジ49をノズル板41Aの螺孔48Aおよ
びノズル板41Bの螺孔48Bに螺挿してなされる。こ
のように、それぞれ開口径が異なる複数枚のノズル板を
組み合わせるノズル構成とすることで、任意の太さの電
線に対応させることが可能になる。
【0019】図1に戻って、前記第1ローラ33は、後
述する第1プーリ6と対になり、導体36ならびに被覆
電線40をエクストルーダ30ならびに第1冷却槽3の
構成部材に無接触に支持移動させる電線支持移動手段を
構成している。また、被覆電線40を牽引する牽引手段
は、プーリ付きモータで実現され、第2冷却槽4から出
た被覆電線40を牽引するよう構成される。本実施例で
は、図2のようにモータ12付きの第3プーリ8が 被
覆電線40を牽引する牽引手段である。あるいは図1の
ように、モータ39付きの第2ローラ34を牽引手段と
して構成することもできる。尚、前記モータは減速機や
回転速調節機構等を付加させることもできる。
【0020】第2冷却槽4は、その側部に複数個のアウ
トレット5を、順次縦方向の異なる位置に備える。ま
た、第2冷却槽4には冷却水冷却器であるクーラー15
(図2参照)を併設してもよい。
【0021】なお本発明に係る複合縦型冷却装置を備え
た電線被覆装置を形成する前記の各手段の前記構成は一
例にすぎず、本発明は前記構成に限定されるものではな
い。
【0022】次に前記各手段や部分の作用を説明する。
図1で、サプライドラム35から繰り出された導体36
は、第1ローラ33を経てエクストルーダ30のクロス
ヘッド31に送られる。エクストルーダ30は、漏斗状
のホッパー32から投入された熱可塑性樹脂材38のペ
レットや粉体をクロスヘッド31に送る。クロスヘッド
31では、導入された導体36外周に溶融状態の樹脂を
被覆させ、さらに余分の樹脂を掻取して型成ののち、高
温状態の被覆電線40を垂下させ、外測計37をへて下
方の複合縦型冷却装置2に送り込む。
【0023】複合縦型冷却装置2内では、冷却のため被
覆電線40は以下のように配索される。エクストルーダ
30から出た被覆電線40は、第1冷却槽3の上端から
非接触で入り、ノズル3Aを非接触で経由して、大径の
第1プーリ6の周縁によって巻導されて第1プーリ6周
縁を巡り、ついで第3プーリ8の周縁を巡り、さらに第
2プーリ7の周縁を巡って複合縦型冷却装置2天井の孔
から排出される。
【0024】すなわち、導体36の下方側へのガイドで
ある第1ローラ33と、被覆電線40の上方側へのガイ
ドである第1プーリ6により、導体36の縦型クロスヘ
ッド31内の位置決めならびに第1冷却槽3内の被覆電
線40の位置決めがなされる。これによって、導体36
および被覆電線40の、縦型クロスヘッド31ならびに
第1冷却槽3の壁部への抵触を避けることができる。
【0025】つぎに、複合縦型冷却装置2の作動を説明
する。熱溶融被覆加工直後の高温の被覆電線40が、ま
ず複合縦型冷却装置2内に垂直に立設され、上下に伸び
る第1冷却槽3の上方から、壁部に接触せぬよう導入さ
れる。ついで高温の被覆電線40が、第1冷却槽3内の
水溜内を下方に移動し、この過程で冷却され、下端部に
設けたノズル3Aの開口から、第1プーリ6に引かれて
導出される。第1冷却槽3内の水は上端からオーバーフ
ロー3Bとなり流下するか、あるいは下端のノズル3A
の開口と被覆電線40とが形成する空隙からアンダーフ
ロー3Cとなり流出する。この流出水の流下過程におい
ても、水と下方に移動する被覆電線40とで熱交換がな
され、被覆電線40が冷却される。オーバーフロー3
B、アンダーフロー3Cいずれの場合も、複合縦型冷却
装置2の容器底部に形成されている第2冷却槽4の冷却
水4Aと合流する。
【0026】第1プーリ6に引かれた被覆電線40は、
装置底部の第2冷却槽4の冷却水4Aに浸され、冷却さ
れながらさらに第1プーリ6周縁溝を巡り、冷却水4A
中から360°方向転換されながら垂直方向に立ち上が
って、対向する上方の第3プーリ8に向かう。ついで第
3プーリ8周縁溝を巡り、この過程でシャワー9から噴
出される水によってさらに冷却される。こののち被覆電
線40は、対向する下方の第2プーリ7に引かれて再び
冷却水4Aに浸される。被覆電線40は冷却水4A内で
再び冷却されながら、第2プーリ7周縁溝を巡り、冷却
水4A中から360°方向転換されながら垂直方向に立
ち上がって、複合縦型冷却装置2を脱し、上方の除水器
11に至る。
【0027】前記のように、複合縦型冷却装置2内では
被覆電線40は第1冷却槽3内で垂直に降下しながら冷
却され、さらに第2冷却槽4内でも上下方向に移動しな
がら冷却が続行される。さらにシャワー9から噴出され
た水も、第3プーリ8と第2プーリ7間に上下方向に展
索された被覆電線40を被濡させるから、ここでも冷却
がなされる。すなわち高温の被覆電線40の冷却は、被
覆電線40の上下方向移動において繰り返し実行される
構成となっている。
【0028】ここで、被覆電線を牽引する牽引手段は、
第2冷却槽4から出た被覆電線40を牽引するよう構成
されているから、途中の電線の弛みや非同調の起きるこ
とがない。また被覆電線40を第2冷却槽4内に最初に
導入させる第1プーリ6は非駆動であり、よって電線の
弛みや非同調は発生しない。また、被覆電線40を第2
冷却槽4内に最初に導入させる第1プーリ6の径は前記
のように大径であるので、電線に与える曲率は緩やかで
あり、よって電線にひびやクラックを発生させることが
ない。
【0029】また、シャワー9から噴出する水が、第2
冷却槽4の冷却水4Aに加わるので、冷却水4A温度を
比較的低温度に維持することができる。尚、第3冷却手
段であるシャワー9に代えて、下方にノズル部を設けた
中空筐体の水槽に被覆電線を通過させたり、または通過
させながら中空筐体の底面に多数の小孔を形成し、プー
リ上にシャワーとして滴下(自然落下)させてもよい。
【0030】ところで、第2冷却槽4の側部縦方向の異
なる位置に備えられた複数個の前記アウトレット5のい
ずれかが開放されると、冷却水は開放されたアウトレッ
トのうち最も下側のものから外に排出される。したがっ
て第2冷却槽4内の水位を、開放するアウトレットによ
って規定できる。この構成により、冷却すべき被覆電線
から除去すべき熱量に適した深さの水柱を形成させるこ
とができる。
【0031】また、第2冷却槽4に併設された前記クー
ラー15は、被覆電線の冷却で温度の上昇した冷却水4
Aを抽出パイプ5Aで抽出して冷却し、これを注入パイ
プ5Bを経て戻し、これによって第2冷却槽4内の冷却
水4Aの温度を所定温度に保つ。このように、本実施例
では冷却水循環経路が構成される。この構成により、冷
却水が常時補給できない場所等でも、バッチ式の運転が
可能になり、適用範囲はさらに拡大されることになる。
またクーラー15は、前記抽出パイプ5Aで抽出した
冷却水4Aが、例えば樹脂充填材や可塑剤等の溶出で汚
染が進んだ状態にあれば、アウトレット5Cから排水処
理装置(図示せず)に送り出すこともできる。
【0032】前記のようにして複合縦型冷却装置2内で
冷却され、被覆を凝固定着させた被覆電線40は、図1
に示すように複合縦型冷却装置2を脱して上方の除水器
11に導入され、除水器11で乾燥された被覆電線40
は、モータ39で駆動される第2ローラ34を経由し
て、図示しない被覆電線巻取器で回収される。
【0033】図4は、図1の第1冷却槽の別の構成を示
す斜視図である。同図にて中空管状の第1冷却槽3の下
端には皿状の排水トレイ45が設けられ、排水トレイ4
5側部に排水管47が取付けられている。冷却水給水管
10をへて第1冷却槽3に流入した水は高温の被覆電線
40に接して加温され、第1冷却槽3上部から溢流46
Aとなり、流下して排水トレイ45上に高温水46Bと
して溜まり、排水管47から排水される。前記のように
本実施例の構成では、第1冷却槽3を経由した高温の水
を、図1の構成とは異なり、第2冷却槽4に注入せず複
合縦型冷却装置2外に放出させる構成とするものである
から、冷却水の温度管理が容易になり、また熱除去量の
制御を容易とするものである。
【0034】図5は、本発明に係る複合縦型冷却装置を
備えた電線被覆装置の別の実施例の断面正面図である。
同図で、複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置1A
は、第1冷却槽13として略5角形の中空筐体を有し、
水溜を形成している。給水管10から第1冷却槽13に
注入される水の一部は、高温の被覆電線40に接して蒸
気化するが、水の大部分は第1冷却槽13下端の開口部
13Aから自然流下する。ここで開口部13Aから流れ
出した水は、同様に第1冷却槽13を通過して下方に移
動する被覆電線40の表面を伝わって流下することにな
り、この過程においても被覆電線40と水との間で熱移
動がなされ、被覆電線40をさらに冷却する効果が生じ
る。このようにして流下した水は、第2冷却槽4に貯溜
される。
【0035】また、被覆電線40の第1冷却槽13から
第1プーリ6にいたる経路途中に、被覆電線40を縦方
向に保持する電線保持手段G1が設けられている。電線
保持手段G1は例えば回動自在のローラが2個、左右に
接して配設されたピンチローラや、複数個のガイドプー
リで構成される。この電線保持手段G1の作用は、前記
のように上方の第1ローラ33と下方の第1プーリ6に
よって規定されている被覆電線40の位置が、例えば大
径の第1プーリ6の真円からの偏心によるブレで左右に
変動するのを規制するものである。また、被覆電線を牽
引するモータ14は、第2プーリ7に連結されている。
したがってモータ14は、導体36をサプライドラム3
5から第2プーリ7まで一挙に牽引する。なお第2プー
リ7から下流の被覆電線は、図示を省略した巻取手段に
よって巻き取られる。さらに、上方の第3プーリ8は前
記第1冷却槽13と略同じ高さに、第1冷却槽13に並
んで容器内に配設される。
【0036】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明に係る複合縦
型冷却装置を備えた電線被覆装置は、まず導体にエクス
トルーダによって熱溶融被覆を施す。さらに、熱溶融被
覆直後の高温の被覆電線を、複合縦型冷却装置内の上下
に伸びる第1冷却槽の上方から、第1冷却槽の壁部に接
触せぬよう導入し、第1冷却槽内の水溜内を下方に移動
させる過程で冷却する。この後、下端部に設けたノズル
の開口から第2冷却槽側に導出する。さらに第2冷却槽
においても、被覆電線を水槽中で上下方向に移動させつ
つ、冷却を続行する構成としたものである。このよう
に、本発明では高温の被覆電線の冷却は、電線の上下方
向移動において繰り返し実行される構成となっている。
【0037】この構成の結果、設置面積が節約でき、し
かも高冷却効率のうえ、設備コストおよび運転コストの
低減と、操業条件の容易な変更による多品種少量生産へ
の効果的対応が実現でき、さらに移動容易の電線被覆装
置を提供することが可能になる。しかも本発明によれ
ば、電線の移動は大部分が縦方向の上下垂直移動とな
る。すなわち電線の牽引と移動は垂直方向となるから、
前記運転コストの低減に加えるに、電線に変形を与える
ことがなく、製品の品質に優れるばかりか、品質管理コ
ストも大幅に削減できるという効果もあり、よってその
産業上効果きわめて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合縦型冷却装置を備えた電線被
覆装置の一実施例の断面正面図である。
【図2】図1に示された複合縦型冷却装置の一部切欠斜
視図である。
【図3】図2に示されたノズルの分解斜視図である。
【図4】図1に示された第1冷却槽の別の構成を示す斜
視図である。
【図5】本発明に係る複合縦型冷却装置を備えた電線被
覆装置の別の実施例の断面正面図である。
【図6】従来の縦横並設型冷却水槽を用いた電線被覆装
置の断面図である。
【符号の説明】
1 電線被覆装置 2 複合縦型冷却装置 3 第1冷却槽(第1冷却手段) 3A ノズル 3B オーバーフロー 3C アンダーフロー 4 第2冷却槽(第2冷却手段) 4A 冷却水 5 アウトレット 6 第1プーリ 7 第2プーリ 8 第3プーリ 9 シャワー(第3冷却手段) 10 冷却水給水管 10A、 10B バルブ 11 除水器 12 モータ(牽引手段) 30 エクストルーダ 31 クロスヘッド 32 ホッパー 33 第1ローラ 34 第2ローラ 35 サプライドラム 36 導体 37 外測計 38 樹脂材 39 モータ 40 被覆電線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 13/02 - 13/32 B29C 47/00 - 47/96

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体に被覆を施して被覆電線とする電線
    被覆手段と、前記被覆電線が垂直方向に通過可能な水溜
    を備えた第1冷却手段と、該第1冷却手段下端に配設さ
    空隙を形成して前記被覆電線を通過させる絞り込み手
    段と、前記第1冷却手段を経由した被覆電線が垂直方向
    に通過可能な冷却水を貯溜した第2冷却手段と、前記導
    体ならびに被覆電線を前記各手段の構成部材に無接触に
    支持して垂直方向に移動させる電線支持移動手段とを備
    え、前記第1冷却手段ならびに前記第2冷却手段を備え
    て複合縦型冷却装置を構成すると共に、前記被覆電線
    を、前記第2冷却手段に繰り返し案内して冷却する構成
    としたことを特徴とする複合縦型冷却装置を備えた電線
    被覆装置。
  2. 【請求項2】 前記電線被覆手段をエクストルーダで、
    前記第1冷却手段を第1冷却槽で、前記絞り込み手段を
    ノズルで、前記第2冷却手段を第2冷却槽で、前記電線
    支持移動手段を複数の中の一つの第1ローラおよび第1
    プーリで、それぞれ構成したことを特徴とする請求項1
    記載の複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置。
  3. 【請求項3】 前記第1ローラおよび前記第1プーリ間
    に前記第1冷却槽を配設し、該第1冷却槽と該第1プー
    リ間に被覆電線を縦方向に保持する電線保持手段を設け
    て構成したことを特徴とする請求項2記載の複合縦型冷
    却装置を備えた電線被覆装置。
  4. 【請求項4】 前記第2冷却槽の冷却水に浸漬されて回
    転可能になされると共に、前記第1冷却槽を経由した前
    記被覆電線を周縁溝で巻支する大径の前記第1プーリ及
    び該第1プーリと同心に設けられた小径の第2プーリ
    と、これらのプーリ上方に対向して配設され、前記第2
    プーリと略同径の第3プーリとを備え、前記被覆電線が
    これらプーリ間に懸架されて上下方向移動することで繰
    り返し冷却されることを特徴とする請求項2乃至3記載
    の複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置。
  5. 【請求項5】 第3冷却手段を第2冷却槽の上方に設
    け、該第3冷却手段が該第2冷却槽を経由した被覆電線
    に対し冷却を行うことを特徴とする請求項2乃至4記載
    の複合縦型冷却装置を備えた電線被覆装置。
  6. 【請求項6】 前記第1冷却槽を経由した水を第2冷却
    槽に注入せず複合縦型冷却装置外に放出させる構成とし
    たことを特徴とする請求項2乃至5記載の複合縦型冷却
    装置を備えた電線被覆装置。
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