JP3060097B2 - 検卵時の不良卵表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、鶏卵をサイズ
（重量別）に選別して容器に詰める一連の処理工程に於
いて、洗卵したのち乾燥させた鶏卵のうちから、不良卵
を検出する作業である検卵で、一度選んだ不良卵を繰り
返し検出することを避けるための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】不良卵には、卵殻にひびがあるひび卵、
卵殻が壊れてしまった破卵、内部に血液が混入している
血卵、頑固な汚れが卵殻に残っている汚卵、農場側での
検査にもれた形がいびつな変形卵などがある。このよう
な不良卵は、消費者の手元に渡ってはならないものであ
り、前記の処理過程で取り除かねばならない。このため
に検卵が必要となる。

【０００３】検卵スペ−スでは、普通６列の卵座を有す
るロ−ラコンベヤで鶏卵を自転させながら搬送し、コン
ベヤの下から蛍光灯群で鶏卵群を照らして検査する。鶏
卵の処理量が１時間あたり２万個程度までは、検出した
不良卵を手で取り除くことが可能であが、これを超える
高速処理装置では手で取り除くのは困難になる。

【０００４】そこで高速処理装置では、検卵スペ−スで
不良卵を電気信号レベルで記憶するだけに止め、下流の
選別機側で一括して不良卵を回収する方法が採用されて
いる。

【０００５】電気信号レベルで不良卵を記憶する方法と
して、ロ−ラコンベヤの進度をエンコ−ダなどで逐一割
り出し、検卵スペ−スの上方に設置したテレビカメラで
検卵スペ−スを網羅して監視させる。そして検出した不
良卵の上方にハンディ光送信機を位置させてスイッチを
押すと、不良卵の位置から光を発する。テレビカメラ側
はこの光座標を受信し、その時のエンコ−ダ信号を元に
不良卵がロ−ラコンベヤのどの位置にあるかを特定す
る。位置を特定された鶏卵はその後の処理を不良卵とし
て扱われ、下流の選別機側で一括回収される。

【０００６】ところで、検卵は自転しながら搬送される
鶏卵を対象とするため、作業員は検卵スペ−ス内に一線
を引くような機械的な判断はできず、上流側を見たり下
流側を見たり、さらに手元側を見たり、手先側を見たり
を繰り返すことになる。一度不良卵と特定した鶏卵に選
択済の表示が付されないため、繰り返し不良卵として検
出することが起こる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、不良卵であると検出した鶏卵に、直接後
に残る印を付けないで、検出済の表示を付して検卵作業
の能率化を図ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の特徴は以下の
点にある。即ちこの発明の装置は、ロ−ラコンベヤの進
度を検出するエンコ−ダと、制御部と、ロ−ラコンベヤ
の複数列の卵座に収容した鶏卵を自転させながら搬送
し、ロ−ラコンベヤの下から光を照射して不良卵を検出
する検卵スペ−スの上方にそれぞれ設置されたテレビカ
メラと、レ−ザ−スキャナとから構成される。

【０００９】テレビカメラは、検出された不良卵の上方
でハンディ光送信機が発する光信号を受けて位置座標信
号を制御部へ送り、制御部は、前記位置座標信号と、エ
ンコ−ダの検出するロ−ラコンベヤの進度信号をレ−ザ
−スキャナへ送って、レ−ザ−スキャナに前記不良卵へ
スポット照射させる。

【００１０】

【発明の実施の形態】１は公知のロ−ラコンベヤで、隣
合うロ−ラ間に６列の卵座が形成され、洗卵したのち乾
燥させた鶏卵Ｅが卵座に収容されて、自転しながら矢印
Ａの方向へ搬送されてくる。各ロ−ラの両端はエンドレ
スチェ−ンのロングピンに枢着されている。３はエンコ
−ダであって、ロ−ラコンベヤ１のスプロケット軸２に
取付けられている。

【００１１】４は蛍光灯群からなる検卵用の照明器で、
搬送されてくる鶏卵Ｅをロ−ラコンベヤ１の下方から照
らす。５は公知のレ−ザ−スキャナで、図中斜線で囲ま
れたロ−ラコンベヤ１の検卵スペ−スＳを走査する。

【００１２】６はアンプユニット７に接続されたテレビ
カメラであって、検卵スペ−スＳを撮影する。８はハン
ディ光送信機で、検卵作業員が手に持ち、検卵スペ−ス
Ｓ内で検出した不良卵Ｅ′の上から光信号をテレビカメ
ラ６へ送る。

【００１３】９はＣＰＵを備えた制御部で、エンコ−ダ
３からロ−ラコンベヤ１の進度の入力情報と、ハンディ
光送信機８の光信号を受けたテレビカメラ６の受光時に
於ける不良卵Ｅ′のＸ座標とＹ座標とを、アンプユニッ
ト７から入力情報として受ける。なお、アンプユニット
７を制御部９に設けてもよい。

【００１４】そして、前記Ｘ座標と、エンコ−ダ３が発
するロ−ラコンベヤの進度情報で変化するＹ座標とを、
出力情報としてレ−ザ−スキャナ５へ送り、検出された
不良卵Ｅ′のみにレ−ザ−光をスポット照射し、検出済
であることを表示する。このスポット照射は、不良卵
Ｅ′が検卵スペ−スＳを出るまで、検出された全ての不
良卵に行われる。

【００１５】

【発明の効果】一度検出された不良卵には、検卵スペ−
スを出るまでレ−ザのスポット照射で検出済であること
を表示されるので、従来のように、検出を繰り返して検
卵能率を低下させることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】装置の斜視図である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロ−ラコンベヤの進度を検出するエンコ
   −ダと、制御部と、ロ−ラコンベヤの複数列の卵座に収
   容した鶏卵を自転させながら搬送し、ロ−ラコンベヤの
   下から光を照射して不良卵を検出する検卵スペ−スの上
   方にそれぞれ設置されたテレビカメラと、レ−ザ−スキ
   ャナとからなり、テレビカメラは、検出された不良卵の
   上方でハンディ光送信機が発する光信号を受けて位置座
   標信号を制御部へ送り、制御部は、前記位置座標信号
   と、エンコ−ダが検出するロ−ラコンベヤの進度信号を
   レ−ザ−スキャナへ送って、レ−ザ−スキャナに前記不
   良卵へスポット照射させる検卵時の不良卵表示装置。