JP3059901B2 - 疑似並進運動支持機構 - Google Patents

疑似並進運動支持機構

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    • G11B7/0925—Electromechanical actuators for lens positioning
    • G11B7/093—Electromechanical actuators for lens positioning for focusing and tracking

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】小型、かつ軽量な被支持物を、あ
る限られた方向と移動量の範囲において並進運動させ、
他の方向への移動及び回転に対しては十分な剛性で支持
するための疑似並進運動支持機構に関する。
【０００２】
【従来の技術】被支持物を並進運動させる支持方法とし
て一般的なものに、図６に示すようなガイド軸２６を用
いて並進運動させる方法がある。被支持物２５がより軽
量かつ小型で、要求される移動量が比較的少ない場合に
は、図７に示すような平行に配置された２枚の板バネ２
２、２２によって構成される平行板バネや、図９に示す
平行に配置された樹脂性のヒンジ２３、２３によって構
成される平行リンク機構による並進運動支持機構が用い
られることが多く、これらはガイド軸と比較して、より
安価に作製することができる。
【０００３】図７における並進運動支持機構では、被支
持物２５に図８に示す駆動力４１が作用すると、２枚の
板バネ２２、２２が弾性変形し、被支持物２５を下方向
に並進運動させる。
【０００４】図９の樹脂性ヒンジ２３は、樹脂成型材を
用いて成型によって作製され、意図的に薄く成型された
部分を有しており、その薄い部分が弾性変形することに
よってヒンジ効果が得られるようになっている。したが
って、図１０に示すように被支持物２５に駆動力４１が
作用すると、平行に配置された樹脂性のヒンジ２３、２
３が弾性変形し、被支持物を下方向に並進運動させる。
【０００５】図１１は、上記の並進運動支持機構を利用
して、磁気回路をフォーカス方向に粘弾性支持し、対物
レンズ駆動装置から発生するフォーカス方向の振動を打
ち消すように構成したものである。
【０００６】対物レンズ駆動装置の磁気回路２１は、平
行に配置された２枚の板バネ２２、２２で保持具３１に
対して粘弾性支持されている。そして、フォーカスコイ
ル１４と磁気回路２１から構成されるフォーカス方向ア
クチュエータにより対物レンズホルダ１２にフォーカス
方向の駆動力が作用すると、磁気回路２１には逆方向の
駆動力が作用する。その結果、平行に配置された２枚の
板バネ２２、２２は弾性変形し、磁気回路２１が対物レ
ンズホルダ１２とは逆の方向に移動するものである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】従来の平行板バネや平
行リンク機構を用いた並進運動支持機構では、並進性を
得るにはバネやヒンジなどの支持部材を移動可能な方向
に対して直列に配置することが必要であった。そのた
め、機構が移動可能な方向に大きくなるという問題点が
あった。また、支持部材が直列２重構造になっているた
め製造が困難という問題点もあった。
【０００８】本発明はこれらの問題点に鑑み、厚さが薄
く、かつ簡単な構造の並進運動支持機構を提供すること
を目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ため本発明の疑似並進運動支持機構では、保持具上に設
けられた、被支持物をフォーカス方向に並進運動させる
支持部材を介して磁気回路が載置され、フォーカス方向
駆動用コイルを固定した対物レンズホルダを、該フォー
カス方向駆動用コイル内部に前記磁気回路が位置するよ
う取り付けた対物レンズ駆動装置の疑似並進運動支持機
構において、前記支持部材が２枚の板状部材により形成
され、該板状部材は同一平面上で互いに直角の位置関係
になるよう配置され、、被支持物である磁気回路の隣合
う２側面を支持することを特徴とする。また、前記支持
部材は、それぞれ少なくとも２カ所以上の平行に形成さ
れたヒンジ部分を有することを特徴とする。
【００１０】
【作用】本発明の疑似並進運動支持機構では、支持部材
である２枚の板状部材を同一平面上で互いに直角の位置
関係になるよう配置することから、装置の厚み方向の幅
を低減することができる。また、前記板状部材にヒンジ
部分をもうけることにより、前記構成における磁気回路
のフォーカス方向の疑似並進運動を効率よく実現するこ
とができる。
【００１１】
【実施例】図１は、本発明の疑似並進運動支持機構を用
いた対物レンズ駆動装置を示す図である。対物レンズ駆
動装置の磁気回路２１は、保持具３１に取り付けられた
ヒンジ機能を有する２枚の板状の支持部材２４、２４に
よって弾性支持されている。対物レンズ駆動装置は、フ
ォーカス方向駆動用コイル１４及びトラッキング方向駆
動用コイル１５が固定された対物レンズホルダ１２と、
磁気回路２１との組み合わせにより構成され、フォーカ
ス駆動用コイル１４内部に磁気回路２１が位置するよ
う、磁気回路２１上に対物レンズホルダ１２を取り付け
る。また、対物レンズホルダ１２は４本のワイヤ状バネ
１３によってバネホルダ１６に取り付けられており、フ
ォーカス方向とトラッキング方向に自由度を有するよう
に構成されている。
【００１２】板状の支持部材２４は、熱可塑性エラスト
マを成型して作製したものであり、部分的に薄い部分を
設けている。そして、この薄い部分が弾性変形すること
によってヒンジ機能を実現している。
【００１３】このヒンジ部分は、１枚の板状部材につき
少なくとも２カ所以上設け、それぞれが平行になるよう
作製する。そして、２枚の板状部材２４、２４のヒンジ
部分の回転軸を、互いに直角の位置関係にあり、かつ保
持具と平行な同一平面上に配置することによって支持部
材を形成する。この平面構成により、疑似並進運動支持
機構自体を薄型化することが可能となる。
【００１４】次に、支持部材２４、２４の動作について
説明する。
【００１５】まず、フォーカス駆動電流がフォーカス方
向駆動コイル１４に供給されると、対物レンズホルダ１
２はフォーカス方向に駆動力を受け、同時に磁気回路２
１は、対物レンズホルダ１２に作用する駆動力に対し逆
方向の駆動力を受ける。このとき磁気回路２１を粘弾性
支持する２枚の板状の支持部材２４、２４はそれぞれの
ヒンジ部分の回転軸が互いに直角に配置されているた
め、磁気回路２１の各方向の回転運動と、フォーカス方
向以外の方向への並進運動は十分な程度に抑制されてい
る。したがって、磁気回路２１はフォーカス方向に疑似
並進運動し、対物レンズ駆動装置から発生するフォーカ
ス方向の振動を打ち消すことができる。
【００１６】支持部材の材料として本実施例では熱可塑
性エラストマを用い、これを部分的に薄い部分を持つよ
う成型してヒンジ機能を有する支持部材としたが、熱可
塑性エラストマを用いることで、樹脂成型技術により容
易かつ安価に量産することができる。また、同様なヒン
ジ機能は、弾性材料と補強材や、弾性材料と金属部品と
の組み合わせによっても得ることができる。
【００１７】図２は、薄い弾性材料２９と補強材２７と
を一体化させることにより板状の支持部材を形成したも
のであり、補強材を適度な隙間を開けて配置することに
より、本実施例と同様のヒンジ機能を得ている。この構
成は、本実施例に比べてより低い共振周波数を得たい場
合に有効である。
【００１８】また図３は、金属部品２８と弾性材料２９
とを一体化させることにより板状の支持部材を形成した
ものであり、弾性材料を部分的に薄く形成することによ
りヒンジ機能を有する構成としている。この構成は本実
施例に比べてより小型化、薄型化が可能になり、さらに
より高い合成を得たい場合に有効である。
【００１９】また図４は、本発明の疑似並進運動支持機
構を対物レンズホルダの支持に用いたものである。従来
は図５に示すように、平行板バネを用いて対物レンズホ
ルダの支持を行い、対物レンズ１１のフォーカス方向へ
の移動の際に並進性を確保していた。
【００２０】図４において対物レンズホルダ１２は、保
持具に取り付けられた支持部材２４、２４によって弾性
支持されており、該支持部材は熱可塑性エラストマを部
分的に薄い部分を設けることによりヒンジ機能を有する
よう成形したものである。フォーカス駆動用コイル１４
は対物レンズホルダ１２に固定されており、該フォーカ
ス駆動用コイル１４と保持具３１上に載置された磁気回
路２１とでアクチュエータを構成している。
【００２１】フォーカス駆動電流がフォーカス方向駆動
コイル１４に供給されると、対物レンズホルダ１２はフ
ォーカス方向に駆動力を受ける。このとき、対物レンズ
ホルダ１２を弾性支持する２枚の板状の支持部材２４、
２４は、それぞれのヒンジ部分の回転軸が互いに直角に
なるよう配置するため、対物レンズホルダ１２の回転運
動とフォーカス方向以外の並進運動は十分な程度に抑制
できる。したがって対物レンズホルダ１２はフォーカス
方向に疑似並進運動するものである。
【００２２】以上のような構成では、従来の図５のごと
く平行板バネを用いる場合に比べて、厚み方向の二重構
造を必要としないことから、装置の作製を容易に行うこ
とが可能となる。
【００２３】
【発明の効果】本発明の疑似並進運動支持機構によれ
ば、ヒンジ部分をもつ２枚の板状の支持部材を同一平面
上で直角の位置関係になるよう配置したので、装置の厚
み方向の幅を低減することができ、装置の小型化、薄型
化を実現することが可能となる。また、疑似並進運動支
持機構を平面構造としたことから作製を容易に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を用いた対物レンズ駆動装置の実施例を
説明する斜視図である。
【図２】本発明に係る支持部材の構成を説明する斜視図
である。
【図３】本発明に係る支持部材の構成を説明する斜視図
である。
【図４】本発明を用いた対物レンズ駆動装置の別の実施
例を説明する斜視図である。
【図５】従来の平行板バネを用いた対物レンズ駆動装置
を説明する斜視図である。
【図６】従来のガイド軸を用いた並進運動支持構造を説
明する斜視図である。
【図７】従来の平行板バネを用いた並進運動支持構造を
説明する斜視図である。
【図８】従来の平行板バネを用いた並進運動支持構造の
動作を説明する斜視図である。
【図９】従来の平行リンク機構を用いた並進運動支持構
造を説明する斜視図である。
【図１０】従来の平行リンク機構を用いた並進運動支持
構造の動作を説明する斜視図である。
【図１１】従来の平行板バネを用いた対物レンズ駆動装
置の別の例を説明する斜視図である。
【符号の説明】
１１ 対物レンズ １２ 対物レンズホルダ １４ フォーカス方向駆動用コイル １５ トラッキング方向駆動用コイル １７ ４５°ミラー ２１ 磁気回路 ２２ 板バネ ２４ 支持部材 ３１ 保持具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G11B 7/09 - 7/095

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 保持具上に設けられた、被支持物をフォ
    ーカス方向に並進運動させる支持部材を介して磁気回路
    が載置され、フォーカス方向駆動用コイルを固定した対
    物レンズホルダを、該フォーカス方向駆動用コイル内部
    に前記磁気回路が位置するよう取り付けた対物駆動装置
    の疑似並進運動支持機構において、 前記支持部材は、２枚の板状部材により形成され、該板
    状部材は同一平面上で互いに直角の位置関係になるよう
    配置され、被支持物である磁気回路の隣合う２側面を支
    持することを特徴とする疑似並進運動支持機構。
  2. 【請求項２】 前記支持部材は、それぞれ少なくとも２
    カ所以上の平行に形成されたヒンジ部分を有することを
    特徴とする請求項１記載の疑似並進運動支持機構。
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