JP3059823B2 - 無人走行可能車両の速度制御機構 - Google Patents

無人走行可能車両の速度制御機構

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JP3059823B2
JP3059823B2 JP4128945A JP12894592A JP3059823B2 JP 3059823 B2 JP3059823 B2 JP 3059823B2 JP 4128945 A JP4128945 A JP 4128945A JP 12894592 A JP12894592 A JP 12894592A JP 3059823 B2 JP3059823 B2 JP 3059823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地中に埋設した誘導線
等に沿って自動操行と停止を行い、無線送信機により別
に発停を可能とする無人走行可能車両の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、ゴルフ場のカート等におい
て、無人走行可能とした技術は公知とされているのであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、該従来の技術
においては、上り坂において速度が遅くなり、また下り
坂において速度が速くなり、危険な状態が発生するとい
う不具合があったのである。本発明はこのような従来技
術の不具合を解消するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の
手段を説明する。請求項1においては、地中に埋設した
誘導線を誘導センサにより検出して自動的に操行制御を
行うことにより乗車走行と無人走行を可能とし、地中に
配置した停止位置を検出することにより自動的に停止
し、無線送信機からの発停信号により、別に発停を行う
無人走行可能車両において、自動走行状態で走行時、車
速の加速度が一定の加速度設定値以上となった場合に
は、ブレーキシリンダーをONとし、該ブレーキシリン
ダーのONの状態が一定時間以上連続した場合には、制
御の目標車速を減速するものである。
【0005】請求項2においては、地中に埋設した誘導
線を誘導センサにより検出して自動的に操行制御を行う
ことにより乗車走行と無人走行を可能とし、地中に配置
した停止位置を検出することにより自動的に停止し、無
線送信機からの発停信号により、別に発停を行う無人走
行可能車両において、自動走行状態で走行時、スロット
ル開度を検出し、該スロットル開度が一定の判別値A以
上であると、該判別値Aに不感帯αを加えたスロットル
開度であるかどうかを判断し、該状態が一定時間以上連
続した場合に、制御の目標車速を減速するものである。
【0006】請求項3においては、地中に埋設した誘導
線を誘導センサーにより検出して自動的に操行制御を行
うことにより乗車走行と無人走行を可能とし、地中に配
置した停止位置を検出することにより自動的に停止し、
無線送信機からの発停信号により、別に発停を行う無人
走行可能車両において、傾斜センサーが設定値以下を検
出した場合、又は、傾斜センサーの検出値が正から負へ
変化し、かつ設定値以下となった時、又は、マグネット
センサが、2個ずつ埋設されたマグネットの中の初めの
1個を検出した時のいずれかの条件に該当した時点で、
ブレーキシリンダを約1/3だけ操作すべく構成したも
のである。
【0007】
【作用】次に作用を説明する。本発明の車両は、無人で
も走行出来るし、乗車することもできる。通常は地中に
埋設した誘導線に沿って操行するので、ステアリングハ
ンドル23を使用する必要はない。また地中に埋設した
停止定点においては、誘導センサからの信号により自動
的に停止する。また、上り坂においてはスロットル開度
により、上り坂であることを検出してスロットル開度を
更に開放して増速する。
【0008】また、下り坂の場合には、加速度を検出し
て一定の加速度以上の場合には、ブレーキシリンダー3
7により制動を掛けて、目標速度以下に減速するのであ
る。また、別にマグネットを続けて2個埋設した位置で
は、両方のマグネットを検出すると停止する。発車は無
線送信機の発車ボタンを押すか、またはアクセルペダル
15を踏み込むことにより発進する。
【0009】
【実施例】次に実施例を説明する。図1は本発明の無人
走行可能車両の全体側面図、図2はブレーキ機構を示す
平面図、図3は同じくブレーキ機構を示す側面図、図4
は本発明の無人走行可能車両の制御機構のコントローラ
入出力図、図5は下り坂自動減速制御のフローチャート
図、図6は上り坂自動減速のフローチャート図、図7は
ブレーキ解除時の車速オーバー停止制御のフローチャー
ト図、図8は安全走行制御のフローチャート図、図9は
自動走行時のプリブレーキ制御のフローチャート図であ
る。
【0010】図1において、無人走行可能車両の構成を
説明する。4輪の車輪10により走行する。手動走行時
や誘導線の無い部分においてはステアリングハンドル2
3により操行する。27は座席、25はレストバー、2
6は背凭れ、25はバッグフレーム、28はゴルフバッ
ク、24は無線送信機とは別に配置された発進・停止ス
イッチである。
【0011】次に図2・図3において、駐車ブレーキ機
構兼用の緊急ブレーキ機構を説明する。ミッションケー
スM内において、前後進の変速を行う変速ワイヤのアウ
タ受け41が、ミッションケースMの側方のブレーキケ
ース39に設けたワイヤ受けブラケット43に固定され
ている。該ワイヤ受けブラケット43にはブレーキワイ
ヤ44のアウタ受け42も突設されているのである。
【0012】ミッションケースMとブレーキケース39
の構成について説明する。ミッションケースMは左右の
割形ミッションに構成されており、該ミッションケース
Mから左右に車軸31・31が突出されている。ワイヤ
受けブラケット43はブレーキケース39の上面の平坦
部に固定されている。ブレーキワイヤ44により回動操
作されるブレーキアーム40は、ブレーキカム軸を回動
する。
【0013】無人走行車両のブレーキ機構について説明
する。アクセルペダル15とブレーキペダルと発進・停
止スイッチ24が設けられており、無線送信機からの信
号とこれらからの電気信号により、ブレーキシリンダー
37や緊急ブレーキソレノイド30を操作すべく構成さ
れている。実際に最終的にブレーキワイヤ44を操作す
るのは、ブレーキシリンダー37と緊急制動バネ32の
2つの力のみである。そして通常の発進・停止信号の場
合には、ブレーキシリンダー37を伸縮作動させてゆっ
たりした制動操作となる。該ブレーキシリンダー37は
モータの回転により伸縮し、通常制動アーム33を一定
の速度で左右に回動する。
【0014】故に、通常制動アーム33の回動速度は発
進・停止において、同じ速度であり、走行車両の発進・
停止はゆったりと行われる。該ブレーキシリンダー37
は、ブラケット28の上に左側端部を枢支軸58に枢支
されており、通常制動アーム33の回動に追随して伸縮
を可能としている。そして、該通常制動アーム33の先
端に、係合ピンアーム35が枢支されており、該係合ピ
ンアーム35より上方へ向けて係合ピン34が突設され
ている。
【0015】該係合ピン34が緊急制動アーム38の係
合突起59に係合・解除可能に配置されている。該係合
ピン34が緊急制動アーム38の係合突起59と係合し
ていることにより、ブレーキシリンダー37の伸縮力
が、通常制動アーム33から係合ピン34を介して緊急
制動アーム38に伝達される。そして、緊急制動アーム
38が枢支軸36を中心に回動することにより、ブレー
キシリンダー37の伸縮力がブレーキワイヤ44に伝達
されるのである。
【0016】緊急ブレーキソレノイド30の作動によ
り、係合ピンアーム35が図2に示す鎖線の状態から実
線の位置に回動し、係合ピン34と緊急制動アーム38
の係合状態が解除される。これにより、緊急制動アーム
38は自由に回動可能となり、緊急制動バネ32の収縮
力により、枢支軸36を中心に一気に回動し、ブレーキ
ワイヤ44を引っ張り、緊急制動を掛けるのである。該
緊急停止を行う為の緊急ブレーキソレノイド30を、通
常制動アーム33から突出したソレノイドブラケット6
0により支持している。
【0014】以上のような機械的構成に対して、図4に
示すコントローラ入出力図の如く、電気的構成がなされ
ている。制御信号入力としては、無線送信機からの信号
と、機体の前部に設け、前方を行く他の無人走行可能車
両との衝突を阻止する無接触センサーと、センサーフレ
ーム1に設けた左右誘導センサと、マグネットセンサ
と、誘導線を巻いて構成した停止定点を検出する定点停
止センサなどである。
【0018】また、アナログ入力として、アクセルペダ
ル15の回動角センサと、舵角センサと、エンジン回転
数センサと、機体の傾斜センサ等である。また、デジタ
ル入力としては、自動手動切替操作スイッチと、発進・
停止スイッチ24である。また、検出センサからの信号
としては、車速センサと、ブレーキぺダルセンサと、後
進検出センサと、オイルレベルセンサと、障害物検出セ
ンサと、衝突センサと、温度センサ等である。これらの
入力信号により、コントローラとリレーを介して、スタ
ータジェネレータと、エンジン点火ユニットと、緊急ブ
レーキソレノイド30と、チョークソレノイドと、ステ
アリングソレノイドと、ブレーキシリンダー37と、ス
ロットルアクチュエータと、燃料供給ポンプと、バック
警報ブザー等が操作される。
【0019】次に図5のフローチャートにおいて、下り
坂自動減速制御について説明する。まず、車速の加速度
が、平地では発生しないギリギリの加速度である250
秒間に0.3km/h以上であるかどうかを検出する。
以上であれば下り坂であると判定する。そして次にブレ
ーキシリンダー37がON指令中であるかどうかを判定
し、該ONの状態が500秒間連続した時は、Aとして
0.2km/hずつ減速して行く。またブレーキシリン
ダー37がONしていないで、該時間が750秒間連続
した時は、0.2km/hずつ増速していく。目標車速
の限界範囲は3.5〜5.5km/hとする。
【0020】次に図6のフローチャート図により、上り
坂自動減速について説明する。「スロットル開度」を検
出し、該スロットル開度が一定の判別値A以上である
と、上り坂であると判断し、該判別値Aに不感帯αを加
えたスロットル開度であるかどうかを判断する。該状態
が750秒間連続すると0.2km/hずつ減速してい
く。スロットル開度が判別値A以下であり、その状態が
500秒間連続すると、0.2km/hずつ増速してい
く。但し、目標車速−実車速>1km/hの場合には、
目標車速を変速しない。目標車速の限界範囲は4〜6.
5km/hとする。またT1とT2は、不感帯αの有無
によりリセットされる。
【0021】次に図7のフローチャートにより、ブレー
キ解除時の車速オーバー停止制御について説明する。下
り坂でブレーキ解除スイッチによりブレーキが解除され
ると、高速度となり危険な状態が発生するのである。こ
のような場合には、ブレーキ解除スイッチがONである
かどうかを判定し、次に車速が3km/h以上であるか
どうかを判断し、3km/h以上となった場合には、
「エラーモード」をセットし、ブレーキシリンダー37
をONとして制動を行う。そして該「エラーモード」と
なった場合には、停止モードとして急ブレーキを掛け、
他の異常との判定が可能となるように異常ランプを所定
の回数点滅する。
【0022】次に図8のフローチャートにより、安全走
行制御について説明する。この場合には、エンジン回転
数が1800回転以上でありながら、車速が0.5km
/h以下である状態が4秒間続いた場合には、ブレーキ
が解除出来ないという、ブレーキON異常状態であるこ
とと判断し、「エラーモード」をセットし、急停止モー
ドとして、異常ランプを所定の回数点滅する。また、エ
ンジン回転数が400回転以下で、車速が3km/h以
上である状態が4秒間以上続いた場合には、ブレーキが
制動出来ないという、ブレーキOFF異常状態であると
検出し、この場合にも、「エラーモード」をセットし、
急停止モードとして、異常ランプを所定回数点滅する。
【0023】次に図9のフローチャートにより、自動走
行時のプリブレーキ制御について説明する。プリブレー
キは、強制的にブレーキシリンダー37を0.5秒間だ
け、ON方向に動作させて、一時的に制動を行うのであ
る。ブレーキシリンダー37を0.5秒間ONすると、
ブレーキシリンダー37が約1/3だけ伸縮するのであ
る。これを掛けるのは次の場合である。即ち、「傾斜セ
ンサーが−7度以下を検出した場合」、又は、「傾斜セ
ンサーが上り坂から急に下り坂となり、更に−2度を検
出した場合」、又は、「マグネットセンサが、2個ずつ
埋設されたマグネットの中の、初めの1個を検出した
時」のいずれかの条件に該当した時点で、このプリブレ
ーキにより、事前に車速を落として、安全な走行を得る
ものである。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。請求項1の如く構成した
ので、下り坂において傾斜が急な状態が続いた場合に
は、徐々に目標速度を低下させることが可能となり、無
人走行可能車両の暴走を防ぎ、誘導線から外れるのを阻
止することが出来るのである。
【0026】請求項2の如く構成したので、上り坂にお
いて、傾斜が急な場合には、徐々に目標速度を減速する
ことができ、坂を上りきった状態で暴走することがな
く、また誘導線から無人走行可能車両が外れるという事
故が無くなったのである。
【0027】請求項3の如く構成したので、急な下り坂
や、上り坂から下り坂への転換部分に至った場合等にお
いて、事前に車速を僅かに遅くすることが出来て、急停
止や暴走の無い安全な無人走行可能車両とすることが出
来たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無人走行可能車両の全体側面図。
【図2】ブレーキ機構を示す平面図。
【図3】同じくブレーキ機構を示す側面図。
【図4】本発明の無人走行可能車両の制御機構のコント
ローラ入出力図。
【図5】下り坂自動減速制御のフローチャート図。
【図6】上り坂自動減速のフローチャート図。
【図7】ブレーキ解除時の車速オーバー停止制御のフロ
ーチャート図。
【図8】安全走行制御のフローチャート図。
【図9】自動走行時のプリブレーキ制御のフローチャー
ト図。
【符号の説明】
30 緊急ブレーキソレノイド 33 通常制動アーム 37 ブレーキシリンダー 38 緊急制動アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−66924(JP,A) 特開 昭63−184527(JP,A) 特開 平3−85609(JP,A) 特開 昭63−265738(JP,A) 実開 平2−70210(JP,U) 実開 平2−148837(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 1/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中に埋設した誘導線を誘導センサによ
    り検出して自動的に操行制御を行うことにより乗車走行
    と無人走行を可能とし、地中に配置した停止位置を検出
    することにより自動的に停止し、無線送信機からの発停
    信号により、別に発停を行う無人走行可能車両におい
    て、自動走行状態で走行時、車速の加速度が一定の加速
    度設定値以上となった場合には、ブレーキシリンダーを
    ONとし、該ブレーキシリンダーのONの状態が一定時
    間以上連続した場合には、制御の目標車速を減速するこ
    とを特徴とする無人走行可能車両の速度制御機構。
  2. 【請求項2】 地中に埋設した誘導線を誘導センサによ
    り検出して自動的に操行制御を行うことにより乗車走行
    と無人走行を可能とし、地中に配置した停止位置を検出
    することにより自動的に停止し、無線送信機からの発停
    信号により、別に発停を行う無人走行可能車両におい
    て、自動走行状態で走行時、スロットル開度を検出し、
    該スロットル開度が一定の判別値A以上であると、該判
    別値Aに不感帯αを加えたスロットル開度であるかどう
    かを判断し、該状態が一定時間以上連続した場合に、制
    御の目標車速を減速することを特徴とする無人走行可能
    車両の速度制御機構。
  3. 【請求項3】 地中に埋設した誘導線を誘導センサーに
    より検出して自動的に操行制御を行うことにより乗車走
    行と無人走行を可能とし、地中に配置した停止位置を検
    出することにより自動的に停止し、無線送信機からの発
    停信号により、別に発停を行う無人走行可能車両におい
    て、傾斜センサーが設定値以下を検出した場合、又は、
    傾斜センサーの検出値が正から負へ変化し、かつ設定値
    以下となった時、又は、マグネットセンサが、2個ずつ
    埋設されたマグネットの中の初めの1個を検出した時
    いずれかの条件に該当した時点で、ブレーキシリンダを
    約1/3だけ操作すべく構成したことを特徴とする無人
    走行可能車両の速度制御機構。
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