JP3058840B2 - 製塩装置及び溶液濃縮装置 - Google Patents

製塩装置及び溶液濃縮装置

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JP3058840B2
JP3058840B2 JP9085723A JP8572397A JP3058840B2 JP 3058840 B2 JP3058840 B2 JP 3058840B2 JP 9085723 A JP9085723 A JP 9085723A JP 8572397 A JP8572397 A JP 8572397A JP 3058840 B2 JP3058840 B2 JP 3058840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自然海塩製造技術に
属し、塩水を煮つめて塩を製造する製塩装置及びにがり
などを含有する溶液を煮つめて濃縮する溶液濃縮装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自然海塩製造技術として知られる
入浜式塩田および流下式塩田における塩の製造手順は概
ね以下のとおりである。 入浜式塩田の場合:砂を塩田にまき広げ、その上に海
から汲み上げた海水を散布する。 水分を蒸発させた後、塩がついた砂を集める。 集めた砂を沼井(ぬい)と呼ばれる底部がすのこ状に
形成された装置に入れ、沼井に海水をかけて砂の表面の
塩分を洗い流すとにより濃い塩水をつくる。 採取した濃い塩水を平釜で煮つめた後、できた塩を遠
心脱水機に入れて水分やにがりを除去する。 流下式塩田の場合:海水を海から汲み上げ、流下盤と
呼ばれる緩やかに傾斜した地盤に流す。 流下盤上を流下する間に水分が蒸発して濃くなった塩
水を採取する。 採取した塩水を枝条架と呼ばれる竹枝を数段に組んだ
装置の上にポンプで汲み上げ、徐々に滴下させることに
より、さらに濃い塩水をつくる。 採取した濃い塩水を平釜で煮つめた後、できた塩を遠
心脱水機に入れて水分やにがりを除去する。 このように、入浜式塩田や流下式塩田では、海水の水分
を取り除くことによって塩を採取するため、ミネラルを
多く含んだ塩を製造することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した入浜
式塩田や流下式塩田で塩を製造する場合、海水を汲み上
げてから濃い塩水を採取して煮つめるまでの過程(上記
〜)で広大な土地が必要である。また、生産効率が
悪く、天候によって大きく左右されるという問題もあっ
た。本発明の課題は、上記従来の技術の問題点を解消
し、広い設置スペースを必要とせずに、効率良く塩水を
煮つめて塩を製造することができる製塩装置を提供し、
更には、塩に限らず、にがり等のその他の溶解物を含む
溶液を煮つめることによって溶解物を効率良く採取する
ことができる溶液濃縮装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、海水や、塩湖などから汲み
上げた塩水や、岩塩を溶解させた塩水など、各種塩水を
釜で煮つめて溶解物である塩を製造する製塩装置におい
て、階段状に設置された複数の釜と、前記複数の釜内の
塩水を一括して加熱すべく最下段の釜から最上段の釜に
亘って設けられた高温蒸気の通過する蒸気配管と、順次
上の段の釜内から下の段の釜内に塩水を移せるように釜
に設けられた開閉可能な湯口とを備え、前記蒸気配管の
前記最下段の釜に沿って敷設された部分は、当該最下段
の釜の下面に沿って設け、前記蒸気配管の前記最下段の
釜を除く釜に沿って敷設された部分は、当該釜内に設け
ことを特徴とする。この請求項1記載の発明に係る製
塩装置では、蒸気配管内を流れる高温蒸気により、階段
状に設置された全ての段の釜内の塩水が蒸気配管の管壁
等を介して間接的に加熱される。そして、上の段の釜で
加熱した塩水を、湯口を開いて順次下の段の釜に移して
いくと、塩水が段階的に高温に加熱されていき、その過
程で塩水中の水分が蒸発により効率良く取り除かれてい
く。したがって、蒸気配管内の高温蒸気の温度、流量等
を考慮して、釜の設置段数及び各段の釜の容量(塩水
量)を適切に設定しておけば、最上段の釜で塩水の加熱
を開始し、その塩水を順次下の段の釜に移していくこと
により、少なくとも最下段の釜において沸騰温度に加熱
することができるので、広い設置スペースを必要とせず
に、効率良く塩水を煮つめて塩を製造することができ
る。
【0005】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の装置構成を前提にして、前記蒸気配管を裸管
状態で敷設するとともに、前記最下段の釜の下面とこれ
に沿って敷設された前記蒸気配管とを共に断熱材壁で密
閉しておくことにより、前記蒸気配管からの放射熱が外
部に逃げるのを防止し、前記最下段の釜の下面に熱を集
中させて前記釜内の塩水をより効率良く加熱できるよう
にした。また、請求項3に記載の発明では、請求項1に
記載の装置構成を前提にして、前記複数の釜のうちのど
れかを密閉構造で且つ内部を減圧できる減圧釜とし、減
圧により塩水の沸点を下げた状態で蒸気配管からの放熱
により塩水を加熱することにより、前記釜内の塩水をよ
り効率良く加熱できるようにした。また、請求項4に記
載の発明では、請求項1に記載の装置構成を前提にし
て、前記蒸気配管の管壁に所々蒸気噴射口を設け、当該
蒸気配管から噴射される高温蒸気の泡沫を利用して攪拌
混合を行うようにした。また、請求項5に記載の発明で
は、請求項1〜4のいずれかに記載の装置構成を前提に
して、前記蒸気配管を蛇行させて設けた。
【0006】また、請求項6に記載の発明は、溶液を釜
で煮つめて濃縮する溶液濃縮装置において、階段状に設
置された複数の釜と、前記複数の釜内の溶液を一括して
加熱すべく最下段の釜から最上段の釜に亘って設けられ
た蒸気配管と、順次上の段の釜内から下の段の釜内に溶
液を移せるように釜に設けられた開閉可能な湯口とを備
え、前記蒸気配管の前記最下段の釜に沿って敷設された
部分は、当該最下段の釜の下面に沿って設け、前記蒸気
配管の前記最下段の釜を除く釜に沿って敷設された部分
は、当該釜内に設けたことを特徴とする。この請求項6
記載の発明に係る溶液濃縮装置では、蒸気配管内を流れ
る高温蒸気により、階段状に設置された全ての段の釜内
の溶液が蒸気配管の管壁等を介して間接的に加熱され
る。そして、上の段の釜で加熱した溶液を、湯口を開い
て順次下の段の釜に移していくと、溶液が段階的に高温
に加熱されていき、その過程で溶液中の水分が蒸発によ
り効率良く取り除かれていく。したがって、蒸気配管内
の高温蒸気の温度、流量等を考慮して、釜の設置段数及
び各段の釜の容量(溶液量)を適切に設定しておけば、
最上段の釜で溶液の加熱を開始し、その溶液を順次下の
段の釜に移していくことにより、少なくとも最下段の釜
において沸騰温度に加熱することができるので、広い設
置スペースを必要とせずに、効率良く溶液を煮つめて溶
解物を採取することができる。
【0007】また、請求項7に記載の発明では、請求項
6に記載の装置構成を前提にして、前記蒸気配管を裸管
状態で敷設するとともに、前記最下段の釜の下面とこれ
に沿って敷設された前記蒸気配管とを共に断熱材壁で密
閉しておくことにより、前記蒸気配管からの放射熱が外
部に逃げるのを防止し、前記最下段の釜の下面に熱を集
中させて前記釜内の溶液をより効率良く加熱できるよう
にした。また、請求項8に記載の発明では、請求項6に
記載の装置構成を前提にして、前記複数の釜のうちのど
れかを密閉構造で且つ内部を減圧できる減圧釜とし、減
圧により塩水の沸点を下げた状態で蒸気配管からの放熱
により塩水を加熱することにより、前記釜内の塩水をよ
り効率良く加熱できるようにした。また、請求項9に記
載の発明では、請求項6に記載の装置構成を前提にし
て、前記蒸気配管の管壁に所々蒸気噴射口を設け、当該
蒸気配管から噴射される高温蒸気の泡沫を利用して攪拌
混合を行うようにした。また、請求項10に記載の発明
では、請求項6〜9のいずれかに記載の装置構成を前提
にして、前記蒸気配管を蛇行させて設けた。
【0008】なお、ここで釜とは、幅寸法に対して高さ
寸法が小さく且つ上部が開放された金属製の容器(平
釜)や、幅寸法及び高さ寸法がほぼ同等で且つ上部が開
放された金属製の容器(深釜)や、密閉構造で内部を減
圧できる金属製の容器(減圧釜)などをいう。釜の材料
には塩分などによる腐食を防止する上でステンレスが最
も適している。また蒸気配管は振動等による破損防止及
び熱による伸縮による破損を防止するため、釜の底部等
に強度を考慮し配管サドルなどにより固定することが望
ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は本発明に
係る製塩装置の実施の形態の一例を示す平面図、同図
(b)は側面図である。図示するように、この実施の形
態の製塩装置1は、蒸気発生装置2と、蒸気配管3(3
a、3b)と、蒸気回収装置4と、階段状に設置された
9個の釜A1、A2、B1、B2、C、D、E、F、及
びG、とを備えて構成される。最下段の釜A1、A2及
び下から2段目の釜B1、B2は、幅寸法に対して高さ
寸法が小さく且つ上部が開放されたステンレス製の槽体
であり、釜A1と釜A2及び下から2段目の釜B1と釜
B2はそれぞれ互いに並列に配置されている。また、下
から3段目〜7段目(最上段)の釜C、D、E、F、及
びGは上記の釜A1、A2、B1、B2より高さ寸法の
大きい(図示の例では4倍弱)ステンレス製の槽体であ
る。
【0010】これらの釜のうち、最下段の釜A1、A2
以外には、順次下の釜へ塩水を移すための溶液送出口
(湯口)5が設けられている。釜B1及びB2にはそれ
ぞれの下流端近傍の片側面に1箇所ずつ溶液送出口5が
設けられている。釜C、D、E、F、及びGにはそれぞ
れの下流端近傍の両側面に溶液送出口5が設けられてい
る。また、最上段の釜G以外には、順次上の釜から塩水
を受け入れるための溶液受入口6が設けられている。釜
A1及びA2にはそれぞれ上流端近傍の片側面に1箇所
ずつ溶液受入口6が設けられている。釜B1、B2、
C、D、E、及びFにはそれぞれの上流端近傍の両側面
に溶液受入口6が設けられている。上下に相隣接する釜
の溶液送出口5と溶液受入口6は配管7で互いに接続さ
れており、各配管7の途中に設けたバルブ8を開くこと
により、最上段の釜Gから最下段の釜A1及びA2へ順
次塩水を流下させることができるようになっている。
【0011】蒸気発生装置2は、高温蒸気を発生させる
蒸発槽2aと、蒸発槽2a内に水を供給する注水装置2
bと、蒸発槽2aを高温加熱する燃焼装置2cとを備え
ている。蒸発槽2aの蒸気出口には蒸気配管3の上流端
が接続されている。蒸気配管3は、蒸気発生装置2の近
傍で2本に分岐しており、一方の蒸気配管3aは、最下
段の一方の釜A1の下面近傍を通り、さらに下から2段
目の一方の釜B1〜最上段の釜Gの内底部(底面近傍)
を通り、下流端は蒸気回収装置4に接続されている。ま
た、蒸気配管3の他方の蒸気配管3は、最下段の他方
の釜A2の下面近傍を通り、さらに下から2段目の他方
の釜B2〜最上段の釜Gの中間部(蒸気配管3aの上
方)を通り、下流端は蒸気回収装置4に接続されてい
る。分岐した蒸気配管3a、3bの上流端近傍及び下流
端近傍にはバルブ9がそれぞれ設けられている。蒸気配
管3の釜A1、A2、B1、B2、C、D、E、F、及
びGに沿って敷設された部分は裸管で使用されている。
蒸気回収装置4は、蒸気配管3内を通して送られてきた
蒸気及び熱水を回収し再利用するための装置であり、こ
こで回収された蒸気及び熱水(または温水)は返送用配
管10を通して蒸気発生装置2の蒸発槽2a内に戻され
る。返送用配管10の途中には逆流防止弁11が設けら
れている。
【0012】図2(a)は最下段の釜における蒸気配管
の敷設状態を示す部分破断側面図、同図(b)は同じく
平面図、同図(c)は(a)のC−C断面図である。同
図には最下段の一方の釜A1における蒸気配管3aの敷
設状態だけしか示されていないが、他方の釜A2におけ
る蒸気配管3bの敷設状態もこれとほぼ同じである。図
示するように蒸気配管3aは、釜A1の下面A1aに沿
って所定のピッチで蛇行させて敷設されている。釜A1
は地面(GL)の上に釜A1の下面を縁取ってレンガ
(断熱材)を並べてなる断熱材壁12の上に設置されて
おり、釜A1の下面A1aと断熱材壁12と地面(G
L)とにより囲まれた空間内に裸管の蒸気配管3aが配
置された状態になっている。断熱材壁12の外側は保熱
性及び気密性を高めるためにコンクリートまたは土で覆
われている。このように蒸気配管3aと釜A1の下面A
1aとを共に断熱材壁12で密封することで、蒸気配管
3aからの放射熱が外部に逃げるのを防止し、釜A1の
下面A1aに熱を集中させて釜A1内の塩水を効率良く
加熱できる。また、下から3段目〜最上段の釜C、D、
E、F、及びGにおいては、蒸気配管3a及び3bを2
段に設けたことにより、釜A1、A2、B1、B2、
C、D、E、F、及びG内の塩水を蒸気配管3a及び3
b内を流れる高温蒸気によって効率良く加熱できる。
【0013】上記のように構成された製塩装置1では、
蒸気発生装置2で発生させた高温蒸気を蒸気配管3に送
り込むことにより、段階状に設置された全ての釜A1、
A2、B1、B2、C、D、E、F、及びG内の塩水が
同時に加熱される。その際、蒸気配管3内を流れる高温
蒸気は、管壁を介しての外部との熱交換により徐々に熱
が奪われ、蒸気発生装置2からの距離が遠くなる程温度
が低くなるため、この場合、最下段の釜A1、A2が最
も高温に加熱され、上の段になるにしたがって加熱温度
は低くなる。この実施の形態の製塩装置1は上記のよう
に釜、A1、A2、B1、B2、C、D、E、F及びG
の加熱温度が段階的に異なることを利用して塩水を段階
的に高温に加熱することにより、その過程で塩水中の水
分を効率良く蒸発させて取り除く。更に最終的に沸騰温
度まで加熱することにより塩水を煮つめて塩分を濃くす
ることにより、溶解物としての塩を採取するようにした
ものである。
【0014】以下、この実施の形態の製塩装置による製
塩方法について説明する。まず、海から塩水をポンプで
汲み上げて最上段の釜Gに注水を行う。その際、各湯口
5に接続された配管7のバルブ8を開いた状態で塩水を
注ぐ。これにより順次下の段の釜A1、A2、B1、B
2、C、D、E、Fに塩水が注がれていく。そして、最
下段の釜A1、A2に所定量の塩水が溜ったら、各湯口
5に接続された配管7のバルブ8を閉じ、蒸気配管3に
よる塩水の加熱を開始する。その際、蒸気配管3の内外
温度差による破損などを防止するため、初めは蒸気配管
3のバルブ9を少しだけ開き、少量の蒸気によって蒸気
配管3を徐々に加温していく。そして、蒸気配管3が所
定温度に暖まったら、バルブ9の開度を大きくし、流量
調整を行いつつ高温蒸気を蒸気配管3内に流入させて塩
水の加熱を行う。すると最下段の釜A1、A2内の塩水
が最も高温に加熱されるため水温が急速に上昇して真っ
先に沸騰温度に達する。そして、沸騰による水分蒸発に
伴って、水位が徐々に低下していくので最下段の平釜A
1、A2の水位が所定量、例えば5cm下がったら、一
段上の釜B1、B2の湯口5のバルブを開いて最下段の
釜A1、A2に元の水位まで塩水を注水する。
【0015】このとき最下段の釜A1、A2に継ぎ足さ
れる塩水は既に高温に加熱されているので、最下段の釜
A1、A2内の塩水温度は上記注水によってもさほど低
下しない。その後も、最下段の釜A1、A2の水位が所
定量だけ低下する毎に、一段上の釜B1、B2の湯口5
のバルブ8を開いて注水を行う作業を繰り返す。また釜
B1、B2の水位低下分はさらにその上の釜Cからの注
水により補う。上記所定量の水位低下量を4〜5cm
(150〜200リットル程度)に定めることにより、
作業を効率良く行うことができる。上記の作業を繰り返
すことにより、最下段の釜A1、A2内の塩水の濃度は
徐々に高濃度になる。そして再下段の平釜A1、A2内
の塩水濃度が、塩が析出する程度の高濃度になったら、
最下段の釜A1、A2から塩をくみ出し遠心脱水機に入
れ水分や苦塩等を除去する。
【0016】以上のように、本実施の形態の製塩装置に
よれば、段階状に設置した7段の釜A1、A2、B1、
B2、C、D、E、F、及びGを使用し、最上段の釜G
から順次下の段の釜に塩水を移していくことにより、塩
水を段階的に高温に加熱していき、最下段の釜A1、A
2においてその上の段の平釜B1、B2からほぼ同じ程
度に加熱された温度の塩水を補いつつ沸騰温度で塩水を
煮つめるようにしたので、広い設置スペースを必要とせ
ずに効率良く塩水を煮つめて塩を製造することができ
る。また、塩水を加熱するための熱源として蒸気配管3
を使用したことにより、高濃度化した塩水の焦げ付きを
防止できるとともに、蒸気配管3内に流す高温蒸気の温
度、流量等によって塩水の加熱温度を調整できるので、
例えば特願平8−353197号公報に記載の製塩装置
と比較して効率良く高品質の塩を採取できる。なお、上
記実施の形態では、7段構成の釜を備えた製塩装置を例
にとり説明したが、釜の設置段数は蒸気配管内に流す高
温蒸気の温度、流量等を増大することにより7段以上に
増やすことも可能である。また、用地面積や高温蒸気発
装置2の能力等の制約がさらに大きければ、6段以下の
構成とすることも可能である。
【0017】また、上記実施の形態では、海から汲み上
げた海水をそのまま最上段の釜に注水するようにしてい
るが、海水を予め加熱して注水すれば、海水注水時の釜
内の塩水の温度低下を抑えて、より効率良く塩水の加熱
を行うことができる。その際予熱用の熱源として蒸気回
収装置4で回収した蒸気や熱水の熱を利用することが可
能である。また、上記の例では、矩形状の釜を使用して
いるが、その他の形状例えば有底筒体状の釜を使用して
もよい。また、例えば、図3(a)〜(d)に示すよう
に蒸気配管3を釜とを一体化した構造としてもよい。ま
た、上記の例では、最下段の釜から最上段の釜に亘って
連通した蒸気配管を使用しているが、各釜毎或いは複数
の釜毎に独立した蒸気配管を設け、各蒸気配管に流す高
温蒸気の温度、流量等を制御することにより各釜内の塩
水の加熱温度を調節するようにしてもよい。また、上記
実施の形態の製塩装置は再生加工塩の製造装置としても
使用することができる。その場合、例えば最上段の釜G
に原塩(岩塩等自然塩)を入れ、適度な濃度になるよう
に海水と混合した後、上記と同様に蒸気配管3からの放
熱により塩水を加熱しつつ、最上段の釜Gから順次下の
段の釜に塩水を移していくことにより塩水を段階的に高
温に加熱していき、最下段の釜A1、A2において沸騰
温度で塩水を煮つめる。この製法によれば、海水に含有
する「諸ミネラル分」を原塩へ添加させ、海水より採取
される自然海塩に似た高品質の再生加工塩を効率良く生
産することが可能となる。
【0018】上記のような再生加工塩の製造装置の場
合、原塩が投入される最上段の釜Gには、原塩と海水と
を攪拌混合するための攪拌装置を設けておくことが望ま
しい。攪拌装置としては、攪拌板などを動かして機械的
に原塩と海水とを攪拌混合するものや、圧搾空気の泡沫
によりにより渦流を発生させて原塩と海水とを攪拌混合
するものなどが適用できる。また、蒸気配管の管壁に所
々蒸気噴射口を設け、蒸気配管から噴射される高温蒸気
の泡沫を利用して攪拌混合を行うようにしてもよい。ま
た、以上の実施の形態は製塩装置についてのものである
が、図1、2に示した装置構成は、塩に限らずその他の
溶解物が溶け込んている水溶液等を煮つめて採取する溶
液濃縮装置にもそのまま適用できるものであり、例え
ば、塩を製造する過程で遠心脱水機により取り除いた溶
液を、塩水(海水)の場合と同様に効率良く煮つめて溶
液中の苦汁などを採取することができる。また、上記の
例では、上部が開放された釜を使用しているが、複数の
釜のうちのどれかを密閉構造で且つ内部を減圧できる減
圧釜とし、減圧によって溶液の沸点を下げた状態で蒸気
配管からの放熱により溶液を加熱できるように溶液濃縮
装置を構成すれば、より効率良く溶液中の溶解物を採取
することができる。
【0019】
【発明の効果】以上要するにこの発明によれば以下のよ
うな優れた効果を発揮することができる。この発明にか
かる製塩装置では、階段状に設置した複数の釜を使用
し、最上段の釜から順次下の段の釜に塩水を移していく
ことにより、塩水を段階的に高温に加熱していき、最下
段の釜において、その上の段の釜で加熱された温度の塩
水を補いつつ沸騰温度で塩水を煮つめることができるの
で、広い設置スペースを必要とせずに、効率良く塩水を
煮つめて塩を製造することができる。また、塩水を加熱
するための熱源として蒸気配管を使用したことにより、
高濃度化した塩水の焦げ付きを防止できるとともに、蒸
気配管内に流す高温蒸気の温度、流量等によって塩水の
加熱温度を調整できるので、効率良く高品質の塩を採取
できる。 この発明にかかる溶液濃縮装置では、階段状に
設置した複数の釜を使用し、最上段の釜から順次下の段
の釜に溶液を移していくことにより、溶液を段階的に高
温に加熱していき、最下段の釜において、その上の段の
釜で加熱された温度の溶液を補いつつ沸騰温度で溶液を
煮つめることができるので、広い設置スペースを必要と
せずに、効率良く溶液を煮つめて溶解物を採取すること
ができる。また、溶液を加熱するための熱源として蒸気
配管を使用したことにより、高濃度化した溶液の焦げ付
きを防止できるとともに、蒸気配管内に流す高温蒸気の
温度、流量等によって溶液の加熱温度を調整できるの
で、効率良く高品質の溶解物を採取できる。
【0020】また、請求項6に記載の発明によれば、階
段状に設置した複数の釜を使用し、最上段の釜から順次
下の段の釜に溶液を移していくことにより、溶液を段階
的に高温に加熱していき、最下段の釜において、その上
の段の釜で加熱された温度の溶液を補いつつ沸騰温度で
溶液を煮つめることができるので、広い設置スペースを
必要とせずに、効率良く溶液を煮つめて溶解物を採取す
ることができる。また、溶液を加熱するための熱源とし
て蒸気配管を使用したことにより、高濃度化した溶液の
焦げ付きを防止できるとともに、蒸気配管内に流す高温
蒸気の温度、流量等によって溶液の加熱温度を調整でき
るので、効率良く高品質の溶解物を採取できる。また、
請求項7に記載の発明によれば、前記蒸気配管を前記釜
の下面に沿って裸管状態で敷設するとともに、前記釜の
下面と前記蒸気配管とを共に断熱材壁で密閉したことに
より、前記釜の下面に熱を集中させて前記釜内の溶液を
効率良く加熱できるので、請求項6の発明よりも更に効
率良く溶液を煮つめて溶解物を採取することができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、前記蒸気配管を
前記釜内に設けたことにより、前記蒸気配管からの熱を
前記釜内の溶液に効率良く伝えることができるので、請
求項6の発明よりも更に効率良く溶液を煮つめて溶解物
を採取することができる。また、請求項9に記載の発明
によれば、前記蒸気配管を蛇行させて設けたことによ
り、より効率良く前記釜内の溶液を加熱できるので、請
求項6〜8の発明よりも更に効率良く溶液を煮つめて溶
解物を採取することができる。また、請求項10に記載
の発明によれば、前記蒸気配管を複数段に設けたことに
より、さらに効率良く前記釜内の溶液を加熱できるの
で、請求項6〜9の発明よりも更に効率良く溶液を煮つ
めて溶解物を採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る製塩装置及び溶液濃縮装
置の実施の形態の一例を示す平面図、(b)は側面図。
【図2】(a)は本発明の実施の形態の最下段の釜にお
ける蒸気配管の敷設状態を示す部分破断側面図、(b)
は平面図、(c)は(a)のC−C断面図。
【図3】(a)〜(d)は釜と蒸気配管とを一体化した
形態例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1:製塩装置(溶液濃縮装置) 2:蒸気発生装置 2a:蒸発槽 2b:注水装置 2c:燃焼装置 3:蒸気配管 4:蒸気回収装置 5:溶液送出口(湯口) 6:溶液受入口 7:配管 8:バルブ 12:断熱材壁 A1、A2、B1、B2、C、D、E、F、G:釜 A1a:下面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01D 3/06 C02F 1/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩水を釜で煮つめて塩を製造する製塩装
    において、 階段状に設置された複数の釜と、 前記複数の釜内の塩水を一括して加熱すべく最下段の釜
    から最上段の釜に亘って設けられた高温蒸気の通過する
    蒸気配管と、 順次上の段の釜内から下の段の釜内に塩水を移せるよう
    に釜に設けられた開閉可能な湯口とを備え 前記蒸気配管の前記最下段の釜に沿って敷設された部分
    は、当該最下段の釜の下面に沿って設け、 前記蒸気配管の前記最下段の釜を除く釜に沿って敷設さ
    れた部分は、当該釜内に設け たことを特徴とする製塩装
    置。
  2. 【請求項2】 前記蒸気配管を裸管状態で敷設するとと
    もに、前記最下段の釜の下面とこれに沿って敷設された
    前記蒸気配管とを共に断熱材壁で密閉したことを特徴と
    する請求項1に記載の製塩装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の釜のうちのどれかを密閉構造
    で且つ内部を減圧できる減圧釜としたことを特徴とする
    請求項1に記載の製塩装置。
  4. 【請求項4】 前記蒸気配管の管壁に所々蒸気噴射口を
    設け、当該蒸気配管から噴射される高温蒸気の泡沫を利
    用して攪拌混合を行うことを特徴とする請求項1に記載
    の製塩装置。
  5. 【請求項5】 前記蒸気配管を蛇行させて設けたことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製塩装置。
  6. 【請求項6】 溶液を釜で煮つめて濃縮する溶液濃縮装
    において、 階段状に設置された複数の釜と、 前記複数の釜内の溶液を一括して加熱すべく最下段の釜
    から最上段の釜に亘って設けられた蒸気配管と、 順次上の段の釜内から下の段の釜内に溶液を移せるよう
    に釜に設けられた開閉可能な湯口とを備え、 前記蒸気配管の前記最下段の釜に沿って敷設された部分
    は、当該最下段の釜の下面に沿って設け、 前記蒸気配管の前記最下段の釜を除く釜に沿って敷設さ
    れた部分は、当該釜内 に設けた ことを特徴とする溶液濃
    縮装置。
  7. 【請求項7】 前記蒸気配管を裸管状態で敷設するとと
    もに、前記最下段の釜の下面とこれに沿って敷設された
    前記蒸気配管とを共に断熱材壁で密閉したことを特徴と
    する請求項6記載の溶液濃縮装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の釜のうちのどれかを密閉構造
    で且つ内部を減圧できる減圧釜としたことを特徴とする
    請求項6に記載の溶液濃縮装置。
  9. 【請求項9】 前記蒸気配管の管壁に所々蒸気噴射口を
    設け、当該蒸気配管から噴射される高温蒸気の泡沫を利
    用して攪拌混合を行うことを特徴とする請求項6に記載
    の溶液濃縮装置。
  10. 【請求項10】 前記蒸気配管を蛇行させて設けたこと
    を特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の溶液濃縮
    装置。
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