JP3058336B2 - 中空ガラス球を含む成形可能な低密度熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法並びに成形品 - Google Patents

中空ガラス球を含む成形可能な低密度熱可塑性樹脂複合材料及びその製造方法並びに成形品

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、中空ガラス球を含む強化された熱可塑性ポ
リマー複合材料に関する。一態様において、本発明は特
に複合材料の比重をかなり低下させるよう球の効率を高
め及び破壊を低下させるため熱可塑性樹脂内に分散した
中空ガラス球の濃厚物を混合した成形可能な繊維強化熱
可塑性樹脂複合材料に関する。他の態様において、本発
明は低密度複合材料の製造方法に関する。さらに他の態
様において、本発明は低密度複合材料を含む成形品に関
する。
過去10年間、自動車及び航空機産業は車両及び航空機
の全体の重量を低下させる努力を行ってきた。まず、重
量低下は金属部品を好適なプラスチック部品と変えるこ
とにより達成された。しかし、構造の用途において、プ
ラスチック部品はしばしば機械性能を欠いている。従っ
て、その性能を向上させるため、種々の強化繊維物質、
例えばガラス、カーボンもしくはアラミド繊維がプラス
チック樹脂に添加される。コストを低下させる方法とし
て、無機充填材、例えばタルク、炭酸カルシウムもしく
はクレイも樹脂に加えられる。
しかし、繊維及び無機充填材の添加は成形した部品あ
たりの複合材料の比重及び重量を高める。さらに、単位
体積あたりの価格も増加する。この重量増加を妨げるた
め、中空ガラス球を添加することは公知である。伝統的
に、中空球のマトリックスは熱可塑性樹脂の加工問題が
存在しない熱硬化性樹脂であった。硬化する前に熱硬化
性樹脂は熱可塑性樹脂より比較的低い粘度を有し、それ
により容易な加工可能な媒体を提供する。概して、より
粘稠な熱可塑性樹脂は硬化前に加工するため高い剪断力
を必要とする。結果として、実質的に破壊しないで熱可
塑性樹脂にもろい添加物を配合することは困難である。
米国特許第4,391,646号に開示されているように、熱
可塑性樹脂に配合する場合、破壊を最小にするため、比
較的強いガラス球を用いてよい。しかし、比較的多量の
強化ガラス繊維と混合する場合、発明者は球の破壊が高
められることを発見した。高剪断力下で硬質中空ガラス
球とガラス繊維の間の物理的接触が他の球の破壊をおこ
すと考えられている。さらに球の破壊は物体、例えばバ
ンパーを形成するため用いられるその後の圧縮及び特に
射出成形加工の間におこることが公知である。
中空球破壊は複合材料の比重を高め及び球を添加する
目的を無効にするので望ましくない。中空球の存在下に
みられる比重低下を完全に利用するため、球の保全性は
配合及びその後の加工もしくは成形の間保たれなければ
ならない。
本発明者は中空ガラス球がガラス繊維の長さを短かく
し、さらに加工がポリマーマトリックスから繊維への有
効な応力移動に必要である以下の繊維の長さに劇的に低
下させることを観察した。この臨界長さより短かい繊維
は強化材としては効果がない。ガラス繊維熱可塑性ポリ
ウレタン複合材料の機械特性を向上させるため、繊維の
長さは最大でなければならない。
溶融配合により製造された熱可塑性複合材料内の中空
ガラス球の破壊、及びガラス繊維の長さの低下を少なく
するもしくは排除する、従って複合材料の低下した比重
を保つ方法が発見された。
本発明は、溶融配合により製造されたガラス繊維強化
熱可塑性樹脂複合材料において、熱可塑性樹脂(マスタ
ーバッチ)に分散された球の濃厚物を加えることにより
中空ガラス球破壊を最小にする発見を具体化する。ある
例においてすぐれた結果が得られる。すなわち、マスタ
ーバッチ樹脂の現場重合の間、球の添加によりマスター
バッチが製造される場合破壊が排除される。ガラス球を
おおうマスターバッチ樹脂は配合装置の機械作用及びガ
ラス繊維との摩擦接触により及ぼされる剪断力の影響を
低下させることにより破壊から保護すると考えられる。
結果として、球の保全性を実質的に保つことにより、複
合材料の低下した比重を保つことができる。本発明の複
合材料の高応力成形法においてさらに加工した場合でさ
え球破壊を最小に保つことをさらに発見した。
本発明の一態様に従い、中空ガラス球を有する低密
度、溶融加工可能な強化熱可塑性樹脂複合材料の製造方
法が提供される。この方法は熱可塑性ポリマーを溶融
し、同時に高剪断力下で前記ポリマーを混合し;強化繊
維、及び熱可塑性樹脂内に分散した中空ガラス球を加え
複合材料を形成し;前記複合材料を押出し;前記複合材
料を冷却することを含んでなる溶融もしくは押出製造方
法である(ポリマーは高剪断力下、溶融工程から押出工
程へ連続的に混合される)。
本発明を用いることにより、熱可塑性樹脂、特に多量
の繊維状強化材を含む樹脂と配合する間中空ガラス球破
壊の低下もしくは排除が実現される。これは球を混入し
た強化された樹脂の低下した密度が加工の間実質的に保
たれ及び球の密度低下作用が完全に利用されることを意
味する。
本発明の方法は従来の溶融もしくは押出配合法を用い
ることにより実施される。典型的溶融配合法は、スクリ
ュー装置を取り付けた押出装置に固体ポリマーを供給す
ることを含む。ポリマーは加熱され及び溶融され、スク
リューの長さ方向に通過する際充填材及び/又は強化材
が添加される。スクリューの作用はポリマーマトリック
スに添加した成分を分散させ及び均一にし、絶えず成分
に高剪断力を及ぼす。
得られる複合材料はダイを通る押出しにより装置から
出て、次いで冷却される。複合材料は例えば押出し射出
成形により工業的有効性を有する成形した構造製品を形
成するため再加工する場合さらに高剪断及び/又は圧縮
力を加えられる。
樹脂と粒状添加物の配合が可能なあらゆる従来の押出
装置を用いてよい。好適な形状は一軸スクリュー、二軸
スクリュー、又は改良したスクリュー形状を有するもの
である。工業上有効な及び好適な装置は、Werner-Pflei
derer同時回転かみ合い二軸スクリューモデル、及びWel
ding Engineers Inc.の対回転、かみ合わない、二軸ス
クリューを有するWelding Engineersユニットを含む。
好適な結果はBuss America,Elk Groveから入手可能なBu
ss Kneaderによっても達成された。当業者は実験しない
で、及び可能な限り、ガラス微小球のようなもろい添加
物の破壊を最小にするようスクリュー形状を調節できる
であろう。
この方法の重要な特徴は、マスターバッチとも呼ばれ
る熱可塑性樹脂内に分散した球の濃厚物として球を混入
することである。球をおおう樹脂が配合機/押出機の高
剪断力及びガラス繊維強化材の摩耗作用から球を守るこ
とが発見された。結果として、球の破壊が少なくなり、
そのようなマスターバッチを混入した複合材料の低密度
が保たれる。
また、マスターバッチが中空球の濃厚物として用いら
れ、球を含まない配合樹脂に加えた際に稀釈されること
は当業者に明らかであろう。
マスターバッチは前記の従来の溶融もしくは押出配合
法を用いて製造される。本発明者は中空ガラス球を樹脂
の重合の間混入する現場重合法によりマスターバッチを
製造する場合、すぐれた結果が得られることを発見し
た。驚くべきことに、この方法は破壊される球がかなり
少ないマスターバッチを形成した。さらに、高強度の球
を用いてこのマスターバッチと配合した強化された複合
材料は球をほとんどもしくは全く破壊せず成形品を形成
した。
現場重合法は反応押出機法である。反応器は独立した
ユニットもしくは押出機の一部であってよく、最初の重
合を行なうようデザインされている。ポリマー反応体を
装置の反応器部分に加え、そこで重合が開始する。次い
で反応する混合物を装置の押出機部分に通し、ポリマー
樹脂が押出機のダイより出る前に重合反応が終了する。
あらゆる従来の押出機法においてと同様、押出機を通過
する際樹脂は高剪断混合力に暴露される。中空ガラス球
を重合の間のどの時点で加えてもよいが、好ましくは約
50%〜約90%の物質が重合された後に加える。
例えば、中空ガラス球を含む現場重合された熱可塑性
ポリウレタンマスターバッチは2種の樹脂成分、すなわ
ちポリオールとジオールのブレンド、及びMDIを約100℃
に別々に加熱することにより製造された。次いでブレン
ド及びMDIを反応器内で混合し標準高温ランダム溶融重
合反応を開始した。反応の発熱性のため、約1〜5分で
温度は約200℃〜280℃に上昇した。物質の粘度の上昇は
重合がおこっていることを示している。約90%が反応し
た際、物質を押出器に通し、そこで高剪断力下混合さ
れ、ポリマー樹脂が押出機ダイを出る前に重合が終了し
た。重合している樹脂を押出機に入れる直前にこの樹脂
に中空球を加えた。
他の好適な樹脂を現場重合するため従来の方法及び条
件を用いてよい。
マスターバッチはあらゆる熱可塑性樹脂より製造され
る。好適な樹脂はポリウレタン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート及びポリ塩化ビニルを含む。
熱可塑性ポリウレタン(TPU)が好ましい樹脂であ
る。押出、射出成形及び圧縮成形法用に配合されたTPU
が最も望ましい。好適なポリウレタンはポリイソシアネ
ートをヒドロキシル末端ポリエステル、ポリエーテルも
しくはそれらの混合物と1種以上の連鎖延長剤のブレン
ドと反応させることにより製造される。
ヒドロキシル末端ポリエステルは、約500〜約10,000
好ましくは約700〜約5,000の分子量及び1.3未満、好ま
しくは0.8未満の酸価を有する線状ポリエステルであ
る。分子量は末端官能基の検定により決定され、平均分
子量である。ポリエステルは(1)1種以上のグリコー
ルと1種以上のジカルボン酸もしくは無水物とのエステ
ル化反応により、又は(2)エステル交換反応、すなわ
ち1種以上のグリコールとジカルボン酸のエステルとの
反応により製造される。末端ヒドロキシル基を多く有す
る線状鎖を得るため酸に対し1モル以上過剰のグリコー
ルのモル比が好ましい。
ジカルボン酸は脂肪族、環式脂肪族又は芳香族であっ
てよい。単独でもしくは混合物で用いられる好適なジカ
ルボン酸は、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジオン酸、イソフタル酸、テレフタルシクロヘキサン
ジカルボン酸等を含む。上記ジカルボン酸の無水物、例
えば無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸等も用い
てよい。アジピン酸が好ましい酸である。
グリコールは脂肪族又は芳香族である。好適なグリコ
ールは、エチレングリコール、プロピレン−1,2−グリ
コール、1,3−プロパンジオール、ブチレン−1,3−グリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパン−
1,3−ジオール、2,2−ジエチレン−1,3−ジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコー
ル、ドデカメチレングリコール、等を含む。1,4−ブタ
ンジーオルが好ましいグリコールである。好適なポリエ
ステルはポリカプロラクトンを含み、典型的にはカプロ
ラクトン及び二官能価開始剤、例えばジエチレングリコ
ールより製造され、一方ポリカーボネートはジオール、
例えばヘキサンジオール−1,6及びホスジンより又は低
分子量カーボネート、例えばジエチルもしくはジフェニ
ルカーボネートのエステル交換により製造される。好適
なポリカーボネート及び製造方法は米国特許第4,643,94
9号に開示されている。
用いてよいポリエーテルグリコールはポリテトラメチ
レンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキシド
キャップトポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レン/エチレンオキシドエーテルグリコール等である。
そのようなポリエーテルグリコールは約500〜4000、好
ましくは約800〜約2000の分子量を有する。好ましいポ
リエーテルグリコールはポリテトラメチレンエーテルグ
リコールである。
あらゆる従来のポリイソシアネートを用いてよいが、
好ましいものは脂肪族もしくは芳香族であるジイソシア
ネートである。好適なジイソシアネートは、デカン−1,
10−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシア
ネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ジフェ
ニルメタン−3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネ
ート、及びシクロヘキシル−1,4−ジイソシアネートを
含む。
典型的には、ポリオールはポリイソシアネートとの反
応の前に連鎖延長剤と混合される。連鎖延長剤は、2〜
10個の炭素原子を有するジオールもしくはジオールの組
み合せ、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサン−ジメタノール、ヒドロキノンジ(ヒド
ロキシエチル)エーテル、又は2個の反応性ヒドロキシ
ル基を含むあらゆる脂肪族もしくは芳香族分子である。
好ましい連鎖延長剤は1,4−ブタンジオールである。
ブレンドをジイソシアネートもしくはポリオールと反
応させ同時に連鎖延長剤を反応ゾーンに入れる前に上記
ヒドロキシル末端ポリオールを連鎖延長剤と混合してよ
い。反応の前又は反応の間に安定剤、例えば抗酸化剤を
加えてよい。
連鎖延長剤の量は、ヒドロキシル末端ポリオールのモ
ルに対し通常約0.04〜約35モル、望ましくは約0.07〜約
20モル、より好ましくは約3〜約15モルである。通常、
ヒドロキシル末端ポリオール及び連鎖延長剤の総モル数
に対するジイソシアネートのモル数は約0.95〜約1.12、
好ましくは約0.98〜約1.06である。
高分子量ポリマーもガラス球の破壊の低下を助けるこ
とがわかった。ヒドロキシル(OH)に対するイソシアネ
ート(NCO)の比が約1:1である場合、少なくとも約200,
00の分子量を有するポリマーが望ましい。
中空球は望ましくは耐水性及び化学的に安定なガラ
ス、例えばソーダ石灰−珪酸硼素ガラス製の独立気泡ガ
ラス球である。典型的には、そのようなガラスは非孔
質、不燃性であり、低アルカリ性であり従って球をほと
んどの樹脂と適合させ、火炎危険でなく及びマトリック
ス樹脂に関し非吸収性である。泡の球形状は体積比に最
小の表面積を与える。球は典型的には肉眼に対し均一な
白色を示す。
典型的には、球の平均サイズは約8〜180μmであ
る。通常球の平均真の粒子密度(g/cc)は約0.12〜約1.
10である。球の強度は壁の厚さにより大きく異なる。最
良の結果は高強度の球により得られる。望ましくは、球
は約5,000〜約10,000psiの平均油圧圧縮強さを有する。
種々の中空ガラス球が市販入手可能であり、Minnesot
a Mining and Manufacturing Company(3M)からのScot
chlite として公知のものを含む。好ましい球は平均直
径149μm及び0.46g/ccの平均粒子密度を有するScothli
te B46/4000ガラス球、並びに平均直径149μm及び0.60
g/ccの平均粒子密度を有するS60/10,000ガラス球であ
る。より強い及び最も好ましいものはS60/10,000球であ
る。
実際上、マスターバッチ樹脂に混入される球の量は球
の密度により異なる。通常、樹脂に異なる密度を有する
球に同じ重量パーセント加えた場合、高密度球よりも低
密度球が樹脂の大体積を占める。例えば: また、マスターバッチが物理特性を欠いている場合、
球の体積を増し、それによって強化樹脂に加えるポリマ
ーの量を減少させることによってポリマーの影響を最小
にすることが望ましい。望ましくは、マスターバッチは
約20〜約65、好ましくは約35〜約55、最も好ましくは約
50体積%球を含む。
必要ないが、所望により球を従来のガラス繊維サイズ
剤で処理してよい。
熱可塑性樹脂へ中空ガラス球のマスターバッチを配合
する方法にもどると、あらゆる熱可塑性樹脂を用いてよ
い。マスターバッチ樹脂として用いる上記と同じ樹脂が
複合体マトリックスとして有効であり、その説明は繰り
返さない。ポリウレタンが好ましい樹脂である。マスタ
ーバッチとして、好ましくはTPUは押出し、射出成形及
び圧縮成形用に配合された溶融加工可能なTPUである。
本発明の溶融配合法において、熱可塑性ポリウレタン
は固体として、通常ペレット形状で用いられ、配合/押
出装置内で溶融される。複合材料の所望の最終体積によ
り、あらゆる量の固体TPUを用いてよい。
装置の温度は通常ポリマーを溶融するに十分な温度で
ある。TPUでは、温度は典型的には360〜460°F(182〜
238℃)である。
繊維状強化材は、カーボン、アラミドもしくはガラス
を含むあらゆる物質より製造される。ガラス繊維が好ま
しく、細断した、粉砕したもしくは連続ガラス繊維のよ
うなあらゆる形状であってよい。ガラス繊維は望ましい
強化特性を達成するどのような長さであってもよいが、
通常0.3mm以上の長さの繊維を用いることが望ましい。
これにより短かい繊維はその強化特性を失う傾向にあ
る。繊維を熱可塑性及び熱硬化性樹脂用の従来のサイズ
剤でコートしてよい。用いる強化繊維の量は所望の生成
物の特性又は必要性により大きく異なるが、複合材料の
機械特性の大部分がガラス繊維含量により調節されるこ
とがわかっているので比較的高率の繊維が含まれる。典
型的には、約10〜約45重量%、好ましくは約10〜約25重
量%、最も好ましくは約15〜約25重量%の複合材料がガ
ラス繊維強化材を含む。
所望により、溶融配合の間無機充填材を樹脂に加えて
よい。あらゆる粒状無機充填材が好適であり、タルク、
炭酸カルシウム、クレイ又はウォラストナイトを含む。
複合材料に混入する場合、無機充填材の量はコスト及び
所望の機械特性により異なる。通常15重量%以下が本発
明の複合材料に加えられる。
他の態様において、本発明は中空ガラス球を含む成形
可能な、低密度熱可塑性樹脂複合材料を提供する。前記
複合材料は熱可塑性樹脂、繊維強化材及び熱可塑性樹脂
内に分散した中空ガラス球の濃厚物のブレンドを含んで
なる。上記複合材料は従来の方法、例えば射出成形/押
出し及び圧縮成形を用いて成形品に達成できる。
複合材料は中空ガラス球を約1〜約25体積%含む。好
ましくは、複合材料は中空ガラス球を約5〜約16体積
%、最も好ましくは約5〜約12体積%含む。0.60g/ccの
比重を有する球に用いる場合、複合材料は中空ガラス球
を約3〜約10重量%、好ましくは3〜7重量%含む。
複合材料の密度は強化材及び充填材含量並びに最終用
途により異なる。例えば、自動車用には複合材料は望ま
しくは約1.22g/ccの密度を有し、約15重量%ガラス繊維
及び7重量%中空球を含む。球が存在しないと複合材料
の密度は1.34g/ccである。
より強いガラス球のマスターバッチとの溶融配合によ
り、得られる複合材料においてのみならずその複合材料
より成形された製品においてもガラス球の破壊は最小と
なるか又は排除される。従って、中空球の密度低下作用
は保たれる。成形の間物質が通常の及び剪断成分との応
力テンソルに暴露されることは公知である。種々のファ
クターが応力の強さに影響を及ぼすが、射出成形/押出
し法において発生する総応力は圧縮成形と比較してかな
り大きい。射出成形及び押出しの間、成形装置のスクリ
ュー形状のためさらに接触応力が存在する。さらに、射
出成形機の流路は圧縮成形法におけるより実質的に大き
く、従って球破壊の可能性が増す。本発明の複合材料は
中空ガラス球の従来公知の破壊問題を実質的に克服す
る。
さらに他の態様において、本発明は熱可塑性樹脂、ガ
ラス繊維及び熱可塑性樹脂内に分散したガラス球を含ん
でなる低密度熱可塑性樹脂複合材料を含む成形品を提供
する。本発明において、成形品は押出法により製造され
た製品を意味する。
以下の例1〜13において、複合材料を製造するため従
来の溶融配合法を用いた。マスターバッチ樹脂及び配合
樹脂は熱可塑性ポリウレタンであり、MDI.3000〜4000の
分子量を有するポリオール、アジピン酸及び1,4−ブタ
ンジオールを含む。比重の測定はすべて特に示す以外射
出成形したプラックで行った。このプラックは400〜600
lbsの射出圧力を用いて120Tonプレスで成形した。中空
ガラス球は3M.Scotchlite B46/4000及びS60/10,000であ
った。ガラス繊維はOwens-Corning Fiberglas Corporat
ionの1/4″チョップトファイバーであった。
結果を表1に示す。
例1及び2 樹脂内に分散した球の本発明のマスターバッチ濃厚物
を用いたものと比較して中空ガラス球のみを樹脂に溶融
配合した場合の中空球破壊に対する射出成形の影響を示
す。
例3〜6 例3〜5は、球のマスターバッチを用いないで中空球
を配合樹脂に溶融配合した場合の中空球破壊に対するガ
ラス繊維含量の影響を示す。例6は比較的強い球を用い
た場合の無機充填材の存在による球に対するダメージを
示す。
例7〜9 これらの例は強い球がガラス繊維を充填した樹脂と配
合したマスターバッチによく作用することを示す。例1
及び2の化合物を中空球のマスターバッチとして用い
た。ガラス繊維は30重量%ガラス繊維を含む熱可塑性ポ
リウレタン樹脂のマスターバッチとして加えた。
例10〜13 これらの例は、マスターバッチ樹脂の現場重合の間球
の添加により製造された球のマスターバッチとの溶融配
合の改良された結果を示す。複合材料を成形後、球の破
壊はほとんどもしくは全くみられなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 75/04 C08L 75/04 (56)参考文献 特開 昭52−36156(JP,A) 特開 昭50−151984(JP,A) 特開 昭59−184233(JP,A) 特開 昭54−6044(JP,A) 特開 昭63−278967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空ガラス球を含む、成形可能な、低密度
    熱可塑性樹脂複合材料の製造方法であって、以下の工
    程: (a)熱可塑性樹脂を溶融すること; (b)強化繊維及び熱可塑性樹脂内に分散した中空ガラ
    ス球の濃厚物を加え複合材料を形成すること; (c)前記複合材料を押出すこと;及び (d)前記複合材料を冷却すること を含んでなる(ポリマーは溶融工程(a)から押出工程
    (c)へ連続的に混合される)方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂がポリウレタンである、請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】強化繊維としてガラス繊維を複合材料の15
    〜25重量%加える、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】中空ガラス球を複合材料の1〜25体積%加
    える、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】中空ガラス球を複合材料の5〜12体積%加
    える、請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】さらに10重量%の充填材を複合材料に加え
    る、請求項2記載の方法。
  7. 【請求項7】充填材がタルクである、請求項6記載の方
    法。
  8. 【請求項8】5重量%のタルクを複合材料に加える、請
    求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】中空ガラス球の濃厚物が濃厚物の樹脂の重
    合の間に前記中空ガラス球を添加することにより製造さ
    れる、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】熱可塑性樹脂、強化繊維、及び熱可塑性
    樹脂内に分散した中空ガラス球の濃厚物のブレンドを含
    んでなる、中空ガラス球を含む成形可能な、低密度熱可
    塑性樹脂複合材料。
  11. 【請求項11】熱可塑性樹脂がポリウレタンであり、強
    化繊維がガラス繊維である、請求項10記載の複合材料。
  12. 【請求項12】中空ガラス球が複合材料の2〜10重量%
    の量存在する、請求項10記載の複合材料。
  13. 【請求項13】中空ガラス球が複合材料の3〜7重量%
    の量存在する、請求項10記載の複合材料。
  14. 【請求項14】さらに10重量%の無機充填材を含んでな
    る、請求項13記載の複合材料。
  15. 【請求項15】充填材がタルクである、請求項14記載の
    複合材料。
  16. 【請求項16】ガラス繊維が15〜25重量%の量存在す
    る、請求項10記載の複合材料。
  17. 【請求項17】ガラス繊維が15重量%の量存在し及び中
    空ガラス球が7重量%の量存在する、請求項10記載の複
    合材料。
  18. 【請求項18】中空ガラス球の濃厚物が濃厚物の樹脂の
    重合の間に前記中空ガラス球を添加することにより製造
    された、請求項10記載の複合材料。
  19. 【請求項19】中空ガラス球の濃厚物が反応/押出し法
    により製造され、ここで前記中空ガラス球が樹脂の現場
    重合の間に添加される、請求項10記載の複合材料。
  20. 【請求項20】熱可塑性樹脂、強化繊維及び熱可塑性樹
    脂内に分散した中空ガラス球の濃厚物のブレンドを含む
    低密度熱可塑性樹脂複合材料を含んでなる成形品。
  21. 【請求項21】熱可塑性樹脂がポリウレタンであり、強
    化繊維がガラス繊維である、請求項20記載の成形品。
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