JP3057327B2 - 移植機における移植装置 - Google Patents

移植機における移植装置

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JP3057327B2
JP3057327B2 JP2319164A JP31916490A JP3057327B2 JP 3057327 B2 JP3057327 B2 JP 3057327B2 JP 2319164 A JP2319164 A JP 2319164A JP 31916490 A JP31916490 A JP 31916490A JP 3057327 B2 JP3057327 B2 JP 3057327B2
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修一 清水
俊郎 和田
正俊 日朝
英夫 中島
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Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、野菜などの苗を圃場の畝に植付ける移植機
における移植装置に関する。
(従来の技術) この種移植機の移植装置として、移植爪の苗植付軌跡
前方側で、該移植爪による苗植付間隔の一行程前方位置
に、この移植爪の苗植付動作に同調して上下往復動され
るマルチカッターを支持して、前記移植爪が畝内に苗植
付動作を行う一行程前方位置で前記マルチカッターによ
り畝上に敷設されるマルチシートに植付穴を穿穴し、こ
の後前記マルチカッターに後続する前記移植爪により前
記植付穴から畝内に苗を植付けるようになすと共に、前
記マルチカッターを前記移植爪に対し前後方向に移動調
整可能とした移動調整機構を設けて、畝に植付ける苗の
種類などに応じて前記移植爪による苗の植付間隔を調整
するとき、この苗植付間隔に対応して前記移動調整機構
により前記マルチカッターと移植爪との前後間隔を調整
するようにしたものを、以前に提案した(実願平1−14
7961号)。
(発明が解決しようとする課題) 所が、以上の移植装置では、前記移植爪による苗植付
間隔の一行程前方位置に、該移植爪の苗植付動作に同調
して上下往復動されるマルチカッターを支持しているこ
とから、畝に植付ける苗の種類などに応じて前記移植爪
による苗の植付間隔を調整する場合、調整する植付間隔
に応じて前記マルチカッターによる穿穴ピッチモ調整す
る必要があり、このため、前記したように、前記マルチ
カッターを移動調整する移動調整機構を別途設ける必要
がある。この結果、構造の複雑化を招いたり、また、前
記移植爪による苗植付間隔の調整時に、その都度前記移
動調整機構で前記マルチカッターの前記移植爪に対する
前後間隔を調整する煩雑さがあったのである。
本発明は以上のような問題に鑑みてなしたもので、そ
の目的は、マルチカッターの移動調整機構を用いたりす
ることなく、つまり、該マルチカッターを無調整状態
で、前記移植爪による苗の植付間隔を任意に調整するこ
とができる構造簡単な移植装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明では、移植部(10)
に、上下方向に植付動作する移植爪(11)を設けた移植
機における移植装置において、前記移植部(10)に、マ
ルチシート(S)に前記移植爪(11)による植付穴を穿
穴するマルチカッター(40)を往復動可能に支持すると
共に、前記移植部(10)の植付駆動軸(14)に連動し
て、前記マルチカッター(40)を前記移植爪(11)の植
付動作に同調して往復駆動させ、かつ、該マルチカッタ
ー(40)を、前記移植爪(11)の植付動作前で、該移植
爪(11)による苗植付位置に往動させて穿穴し、前記移
植爪(11)の植付動作直前に退避させる連動機構(50)
を設けたことを特徴とするものである。
(作用) 以上の移動装置による苗の植付作業時には、前記連動
機構(50)により前記移植爪(11)が苗植付動作を行う
前段階において、前記マルチカッター(40)が前記マル
チシート(S)の移植爪(11)による苗植付位置へと往
動されて植付穴が穿穴され、この植付穴に前記移植爪
(11)が苗の植付動作を行う直前に、前記マルチカッタ
ー(40)がマルチシート(S)から退避され、この後前
記植付穴に前記移植爪(11)で苗の植付けが行われる。
即ち、前記移植爪(11)の苗植付動作と、この苗植付動
作の直前に行われる前記マルチカッター(40)のマルチ
シート(S)への穿穴動作とが、前記連動機構(50)を
介して前記移植爪(11)による苗植付間隔の同一範囲
内、つまり、該移植爪(11)の一植付行程内において同
調して行われるのであり、従って、植付ける苗の種類な
どに応じて前記移植爪(11)による苗植付間隔を調整す
る場合に、この移植爪(11)を調整すれば、該移植爪
(11)に連動して前記マルチカッター(40)側の調整も
行われることとなつて、このマルチカッター(40)の調
整を別途行う必要がなくなり、該マルチカッター(40)
を無調整状態で前記移植爪(11)による苗の植付間隔を
任意に調整することができるのである。
(実施例) 第10図は移植機の一例として歩行型のものを示してお
り、同図中、(1)は走行機体であって、その前方上部
にエンジン(2)を搭載し、該エンジン(2)の後部側
にミッションケース(3)を取付けると共に、このミッ
ションケース(3)の車幅方向両側に後下方に向けて延
びる一対の伝動チエンケース(4)を上下揺動可能に支
持して、該各伝動チエンケース(4)の遊端側にそれぞ
れ駆動車輪(5)を支持する一方、前記機体(1)の前
方下部に畝(A)の上面に沿って走行する鎮圧輪(6)
を支持し、かつ、該鎮圧輪(6)の車幅方向両側に前記
畝(A)の側面に沿って転動するガイド輪(6a)を支持
しており、また、前記機体(1)の後方側には移植装置
(7)を配設している。尚、同図中、(1a)は前記機体
(1)の後端部から後上方に向けて延設させた操縦ハン
ドルである。
そして、前記鎮圧輪(6)を畝(A)の上面側に、か
つ、前記各ガイド輪(6a)を畝(A)の両側面にそれぞ
れ位置させ、また、前記各駆動車輪(5)を畝(A)間
の溝に位置させて、この各駆動車輪(5)を前記エンジ
ン(2)からミッションケース(3)及び伝動チエンケ
ース(4)を介して伝達される回転動力で駆動させるこ
とにより、前記機体(1)を前記各ガイド輪(6a)で案
内させながら前記畝(A)に沿って直進走行させ、斯か
る状態で前記移植装置(7)で畝(A)上にポット苗を
列状に植付けるようにしている。
また、前記移植装置(7)は、多数のポット苗が縦横
方向に収容された苗トレイ(T)を縦搬送する搬送機構
(81)をもつ苗載台(8)と、前記搬送機構(81)で搬
送される苗トレイ(T)からポット苗を1個づつ取出し
て落下させる苗取出部(9)と、この苗取出部(9)か
ら落下されるポット苗を受取って畝(A)に移植する開
閉可能な移植爪(11)を備えた移植部(10)とから構成
している。更に、前記苗取出部(9)は、苗取出爪(9
1)と、前記苗載台(8)を前記苗トレイ(T)のポッ
ト苗収容ピッチ間隔で横移動させながら、その搬送終端
側において前記苗取出爪(91)で前記苗トレイ(T)か
らポット苗を取出して保持する苗取出保持機構(92)
と、この苗取出保持機構(92)を苗取出行程において直
線状に往復動させ、かつ、苗放出行程で下方側へと揺動
させる爪動作機構(93)とを備え、これら各機構(92)
(93)の連動動作により前記苗取出爪(91)で前記苗ト
レイ(T)からポット苗を取出し、その取出行程と放出
行程との間では前記苗取出爪(91)でポット苗を保持
し、また、前記搬送機構(81)を回避した苗放出位置で
前記苗取出爪(91)からポット苗を下方側に落下放出さ
せて、前記移植部(10)の移植爪(11)に供給し、以後
該移植爪(11)で前記畝(A)上に植付けるようにして
いる。
更に、前記移植部(10)は、その構成を理解し易いよ
うに展開して破断した第4図で明らかなように、前記ミ
ッションケース(3)の後端で機体外部側に、後下方に
向けて延びる植付伝動ケース(12)を配設し、該伝動ケ
ース(12)の前部側に入力軸(13)を支持して、この入
力軸(13)を前記ミッションケース(3)内に突入させ
て内部機構に連動させると共に、前記伝動ケース(12)
を前記入力軸(13)を中心に揺動可能に支持させる。ま
た、前記伝動ケース(12)の後部側には、機体両外側に
向けて突出される植付駆動軸(14)を支持して、該駆動
軸(14)上で前記伝動ケース(12)内に設けた駆動ギヤ
(14a)と、前記伝動ケース(12)内で前記入力軸(1
3)上に設けた伝動ギヤ(13a)とをチエン(13b)を介
して連動させ、前記エンジン(2)から前記ミッション
ケース(3)の内部機構を経て前記入力軸(13)に伝達
される回転動力で前記駆動軸(14)を回転させるように
なす一方、前記伝動ケース(12)に連結筒(17)を固定
して、該連結筒(17)にロータケース(15)を回転自由
に支持し、かつ、前記駆動軸(14)の一端側を延長させ
て前記連結筒(17)を挿嵌させ、その挿嵌端部側に前記
ロータケース(15)の基部側を前記駆動軸(14)と一体
回転可能に支持させる。
また、前記ロータケース(15)の内部には、第6図で
明らかなように、前記駆動軸(14)の回転軸心周りに太
陽ギヤ(16)を配設して、この太陽ギヤ(16)を連結筒
(17)を介して前記伝動ケース(12)側に一体状に固定
すると共に、前記ロータケース(15)内に前記太陽ギヤ
(16)に常時噛合う遊星ギヤ(18)を支持軸(19)を介
して支持させる一方、前記ロータケース(15)の遊端側
に機体幅方向中心側に向けて突出する支持軸(20)を回
転可能に支持し、この支持軸(20)上に、前記ロータケ
ース(15)に内装され、前記遊星ギヤ(18)に常時噛合
う伝動ギヤ(21)を設け、かつ、前記支持軸(20)の突
出軸部にはクランクアーム(22)を取付ける。
更に、前記クランクアーム(22)の先端側には、該略
三角形状をなす植付アーム(23)を軸杆(24)を介して
揺動可能に枢着し、この植付アーム(23)の後方側に連
結部材(23a)を介して前記移植爪(11)を支持させ
る。また、前記ミッションケース(3)の後部側で前記
伝動ケース(12)とは反対側に取付板(25)を支持し
て、該取付板(25)に上下方向に延びるガイド溝(26
a)をもったガイド体(26)を固定すると共に、前記植
付アーム(23)における前記軸杆(24)の上方先端部に
案内軸(27)を介して案内ローラ(27a)を設ける一
方、この案内ローラ(27a)を前記ガイド体(26)のガ
イド溝(26a)に摺動及び揺動可能に支持させて、前記
駆動軸(14)の駆動に伴い前記ロータケース(15)とク
ランクアーム(22)とをそれぞれ共に回転させ、このと
き前記案内ローラ(27a)を介して前記植付アーム(2
3)を前記ガイド溝(26a)に沿って上下案内させること
により、第6図仮想線で示したように、前記移植爪(1
1)を楕円形状の植付軌跡(K)で上下動させるように
なすのである。尚、(26b)は前記案内軸(27)のガイ
ド孔である。
そして、以上の移植部(10)においては、前記ミッシ
ョンケース(3)側から伝達される回転動力により、前
記駆動軸(14)が第6図の矢印(イ)方向に回転され
て、該駆動軸(14)に結合された前記ロータケース(1
5)が、前記駆動軸(14)の回転方向と同一の矢印
(ロ)方向に回転され、これに伴い前記ロータケース
(15)内に設けた遊星ギヤ(18)が、前記伝動ケース
(12)側に固定した前記太陽ギヤ(16)の周りを矢印
(ハ)方向に回転されて、前記遊星ギヤ(18)の回転に
より前記伝動ギヤ(21)が、前記遊星ギヤ(18)とは反
対の矢印(ニ)方向に回転され、前記伝動ギヤ(21)に
連結された前記クランクアーム(22)が同一の矢印
(ホ)方向へと回転される。また、前記クランクアーム
(22)の回転に伴い該クランクアーム(22)に軸杆(2
4)を介して連結した前記植付アーム(23)が、前記案
内軸(27)を介し前記ガイド体(26)のガイド溝(26
a)に沿って上下方向に摺動され、かつ、前記案内軸(2
7)を中心に機体前後方向へと揺動されるため、前記植
付アーム(23)に支持された前記移植爪(11)が、第6
図の実線で示したポット苗の受取位置から機体進行方向
前方側に移動しながら、同図の仮想線で示したポット苗
の畝(A)への移植位置へと下動し、又、この下動位置
から再度上動位置に戻るように、上下方向に長い楕円形
状の植付軌跡(K)を描くのであり、斯かる植付軌跡
(K)で前記移植爪(11)によるポット苗の畝(A)へ
の植付けが行われる。
更に、第10図に示したように、前記機体(1)の下部
側で前記植付伝動ケース(12)の前方位置には、支持ア
ーム(71)を介して株間検出スイッチをもった検出ロー
ラ(70)を配設し、該検出ローラ(70)を畝(A)の上
面に沿って転動させることにより、前記検出ローラ(7
0)の回転に連動して前記スイッチから株間検出信号を
出力し、この株間検出信号で前記移植装置(7)、即
ち、前記苗載台(8)の搬送機構(81)や前記苗取出部
(9)の苗取出爪(91)及び前記移植部(10)の移植爪
(11)の駆動開始を指示すると共に、この指示を制御す
ることによりポット苗の畝(A)への植付間隔を所定の
ピッチ間隔に調整するようにしている。
この植付間隔の調整は、例えば前記検出ローラ(70)
又は該ローラ(70)と共に回転する回転体の側面に接触
して従動回転する従動回転体を設け、この従動回転体の
回転により前記検出スイッチを動作するように成すと共
に、前記従動回転体を前記検出ローラ(70)又は前記回
転体に対し、半径方向に位置調節可能として、その接触
位置を調整することにより行うのである。
前記移植爪(11)は、第1,2図及び第6図で明らかな
ように、半円錐筒形状をなす2つの分割部材(11A)(1
1B)から成り、この各分割部材(11A)(11B)の上部側
に、前記植付アーム(23)の連結部材(23a)側に揺動
可能に支持される支持杆(11a)(11b)をそれぞれ設
け、該各支持杆(11a)(11b)に2つの揺動板(11c)
(11d)を支持すると共に、この各揺動板(11c)(11
d)の下部間にスプリング(11e)を張設して、該スプリ
ング(11e)を介して前記各分割部材(11A)(11B)を
互いに対接させることにより、前記移植爪(11)を閉鎖
状態となし、かつ、前記揺動板(11c)(11d)の上部間
に、ピン(11g)と係合溝(11h)とを備えた開閉機構を
設ける。また、第4図に示すように前記植付アーム(2
3)の下部側に、前記軸杆(24)を回転可能に支持する
ボス部(23b)をもつ筒状支持体(23c)を設けて、該支
持体(23c)に前記一方側揺動板(11d)に係止した操作
ロッド(11f)を進退可能に支持すると共に、前記ボス
部(23b)の内部で前記軸杆(24)上に、前記操作ロッ
ド(11f)を進退動作させるカム体(24a)を一体回転可
能に設けて、前記クランクアーム(22)が一回転すると
き、前記カム体(24a)で前記操作ロッド(11f)を往復
動させることにより、前記各揺動板(11c)(11d)を介
して前記各分割部材(11A)(11B)の開閉動作を行うよ
うになすのである。即ち、前記移植爪(11)がポット苗
の畝(A)への移植位置へと下動されたとき、前記操作
ロッド(11f)を押動させて前記各分割部材(11A)(11
B)を開放し、該各分割部材(11A)(11B)内のポット
苗を畝(A)に植付け、植付後には前記操作ロッド(11
f)の後退に伴い前記各分割部材(11A)(11B)を閉鎖
するようにするのである。
しかして、以上の移植装置(7)において、前記移植
部(10)における移植爪(11)の前方近接位置に、前記
畝(A)上に敷設されるマルチシート(S)に植付穴
(B)を穿穴するマルチカッター(40)を往復動可能に
支持すると共に、前記伝動ケース(12)の植付駆動軸
(14)に連動し、前記マルチカッター(40)を前記移植
爪(11)の植付動作に同調して往復駆動させ、かつ、前
記マルチカッター(40)を、前記移植爪(11)の植付動
作前に苗植付位置へと往動させて前記マルチシート
(S)に植付穴(B)を穿穴し、前記移植爪(11)の植
付動作直前に退避させる連動機構(50)を設けるのであ
る。
具体的には、第1,2図及び第4,5図で明らかにしたよう
に、前記植付伝動ケース(12)の車幅方向側部に側板
(28)を取付けて、この側板(28)の前部側に車幅方向
に向けて延びる横板(29)を固定すると共に、該横板
(29)の他方側に前記ガイド体(26)に結合する連結板
(30)を取付けて、前記側板(28)に前記マルチカッタ
ー(40)を前記連動機構(50)を介して上下往復動可能
に支持するのであって、この連動機構(50)は、第1図
に示したように前記側板(28)の上下部位にそれぞれ枢
支軸(51a)(52a)を介して上下揺動可能に支持された
後方に延びる2つの支持アーム(51)(52)を備え、該
各支持アーム(51)(52)の後方遊端側に、上下方向に
延び、下端側に前記マルチシート(S)に植付穴(B)
を穿穴するヒータなどの焼切体(40a)を備えた前記マ
ルチカッター(40)を枢支軸(51b)(52b)を介して連
結すると共に、前記下部側支持アーム(52)の枢支軸
(52a)上に、この支持アーム(52)を介して前記マル
チカッター(40)を常時下方側へと付勢させるコイルバ
ネ(53)を設ける。更に、前記植付伝動ケース(12)の
植付駆動軸(14)上に、概略ハート形状をなすカム板
(54)を取付けると共に、前記上部側支持アーム(51)
に前記カム板(54)の外周カム面に常時接触されるピン
(55)を突設して、前記移植爪(11)によるポット苗の
畝(A)への植付動作直前に、前記駆動軸(14)の回転
に伴い前記カム板(54)のカム面に形成した凹陥部(54
a)を前記ピン(55)に対向させ、このピン(55)を前
記凹陥部(54a)内へと落し込むことにより、第1図で
示したように、前記コイルバネ(53)を介して前記マル
チカッター(40)をマルチシート(S)側へと下動さ
せ、該マルチシート(S)に前記マルチカッター(40)
の焼切体(40a)で植付穴(B)を穿穴し、この植付穴
(B)の穿穴後に、該植付穴(B)から畝(A)内に前
記移植爪(11)でポット苗の植付けを行うようになすの
である。また、前記マルチカッター(40)で前記マルチ
シート(S)に植付孔(B)が穿穴された後には、前記
駆動軸(14)に伴う前記カム板(54)の回転により、前
記凹陥部(54a)から前記ピン(55)を離間させ、この
ピン(55)を前記カム板(54)の径大部(54b)で押動
することにより、第2図で示したように、前記上部側支
持アーム(51)を介して前記マルチカッター(40)を前
記マルチシート(S)から上方側に退避させるようにな
すのである。
更に詳述すると、前記植付伝動ケース(12)の植付駆
動軸(14)が一回転されることにより、前記移植爪(1
1)によるポット苗の一植付行程が行われ、また、前記
マルチカッター(40)の往復動による前記マルチシート
(S)への穿穴動作は、前記連動機構(50)を構成する
前記駆動軸(14)上のカム板(54)が一回転して、その
カム面が前記上部側支持アーム(51)に設けたピン(5
5)を上下動させることにより、前記移植爪(11)に同
調して行われる。また、斯かるマルチカッター(40)の
マルチシート(S)への穿穴動作は、前記連動機構(5
0)を介して前記移植爪(11)が植付動作を行う直前の
段階において行われ、つまり、第3図に示したように、
前記移植爪(11)による苗植付間隔(a)の同一範囲
内、即ち、該移植爪(11)がポット苗を植付動作する一
植付行程(a)内で、前記移植爪(11)の植付動作直前
に行われるのである。従って、植付けるポット苗の種類
などに応じて前記移植爪(11)による苗植付間隔(a)
を調整するとき、前記移植爪(11)の駆動に同調して動
作する前記マルチカッター(40)の動作も前記移植爪
(11)の駆動開始のずれに対応して制御され、従って、
穿穴間隔は、植付間隔(a)の変更に応じて自動調整さ
れることとなって、このマルチカッター(40)側の調整
を別途行う必要がなくなり、該マルチカッター(40)を
無調整状態で前記移植爪(11)によるポット苗の植付間
隔を任意に調整することができるのである。
また、前記移植爪(11)による苗植付間隔(a)の同
一範囲内に、この移植爪(11)と前記マルチカッター
(40)とが互いに近接して配置されることから、これら
移植爪(11)とマルチカッター(40)とに近付けて前記
検出ローラ(70)を配設することにより、該検出ローラ
(70)により、畝高さを検出して、植付深さを制御する
場合、前記移植爪(11)とマルチカッター(40)とを前
記検出ローラ(70)による畝高さの検出に応じ、応答性
よく制御することができ、植付深さ及びマルチカッター
(40)による穿穴位置を精度よく制御できるのである。
尚、以上の実施例においては、前記移植爪(11)によ
る苗植付間隔(a)の同一範囲内で、該移植爪(11)の
近接前方位置に前記マルチカッター(40)を配設した
が、このマルチカッター(40)は、前記苗植付間隔
(a)の同一範囲内であれば如何なる箇所に設けてもよ
い。
また、以上の移植部(10)には、前記マルチカッター
(40)の焼切体(40a)に付着した前記マルチシート
(S)の残渣を掃除する掃除機構(60)を備えている。
即ち、第5図、第7図、第8図及び第9図で示したよう
に、前記側板(28)に支持した前記下部側支持アーム
(52)の枢支軸(52a)上で、該支持アーム(52)の内
部側に、概略L形状とされたクランク杆(61)の中央部
位を揺動可能に支持すると共に、前記支持アーム(52)
に、前記クランク杆(61)の上方先端部(61a)が当接
されるピン(62)を取付ける一方、前記植付伝動ケース
(12)の下方一部に突設された支持部材(12a)に、下
方側に延びる揺動杆(63)を枢支軸(63a)を介して揺
動可能に支持し、この揺動杆(63)と前記クランク杆
(61)の下部側に、それぞれ枢支軸(61b)(63b)を介
して支持杆(64)を支持させ、該支持杆(64)の先端側
に、第8図に示した前記焼切体(40a)の掃除用ブラシ
(65)をもつ保持体(66)を取付ける。また、この保持
体(66)は、基端側に概略U形状に屈曲された固定部
(66a)を備え、該固定部(66a)を前記支持杆(64)の
先端側に固定具(67)を介して固定すると共に、前記固
定部(66a)の先端側を前記マルチカッター(40)の上
下往復動軌跡側へと延長させ、この延長部位に前記ブラ
シ(65)を支持させている。また、前記クランク杆(6
1)を支持する枢支軸(52a)上には、前記クランク杆
(61)の先端部(61a)を常に下方側に付勢する復帰用
コイルバネ(68)を設けている。
次に、以上のように構成した掃除機構(60)の作用に
ついて説明する。
先ず、第7図に示したように、前記マルチカッター
(40)が前記マルチシート(S)への穿穴作業を行って
いるときには、前記下部側支持アーム(52)が下動状態
にあるため、この支持アーム(52)に突設した前記ピン
(62)が、前記クランク杆(61)の先端部(61a)を押
動操作することなく、該クランク杆(61)の先端部(61
a)が前記バネ(68)で下方側に押圧されて、前記クラ
ンク杆(61)と揺動杆(63)とがほぼ垂直状に保持さ
れ、該揺動杆(63)の下部側に支持した前記支持杆(6
4)が、前記マルチカッター(40)の上下往復動軌跡側
に対し前方側の後退位置に待機される。
また、第9図に示したように、前記マルチカッター
(40)が前記マルチシート(S)への穿穴作業を終了し
て上方側へと退避されるとき、前記マルチカッター(4
0)に追従する前記下部側支持アーム(52)の上動に伴
い、この支持アーム(52)に設けた前記ピン(62)によ
り、前記クランク杆(61)の先端部(61a)が上方側へ
と押動されて、該クランク杆(61)と前記揺動杆(63)
との下部側に支持された前記支持杆(64)が前記マルチ
カッター(40)の上下往復動軌跡側へと進出され、これ
に伴い前記支持杆(64)に保持された前記ブラシ(65)
が、前記マルチシート(S)に穿穴して残渣が付着した
前記マルチカッター(40)の焼切体(40a)の下面側を
押圧接触状態で通過されて、この焼切体(40a)に付着
した残渣が清掃され、この残渣の清掃により前記焼切体
(40a)が常に高温状態に保持され、該焼切体(40a)に
よる穿穴作業が確実に行われるのである。
各図の実施例では、前記横板(29)の前部側に車幅方
向に延びる山形状の支持杆(31)を固定して、該支持杆
(31)の車幅方向両側に、それぞれ前記移植爪(11)の
後部側に向けて延びる一対の揺動アーム(32)に、一対
の培土ローラ(33)を支持している。
この培土ローラ(33)により前記畝(A)に凹凸があ
る場合には、前記植付伝動ケース(12)を揺動させて前
記畝(A)に植付ける苗の植付深さを一定に調整できる
ことになる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の移植装置では、移植爪
(11)を備えた移植部(10)に、マルチシート(S)に
前記移植爪(11)による植付穴を穿穴するマルチカッタ
ー(40)を往復動可能に支持すると共に、前記移植部
(10)の植付駆動軸(14)に連動して、前記マルチカッ
ター(40)を前記移植爪(11)の植付動作に同調して往
復駆動させ、かつ、該マルチカッター(40)を、前記移
植爪(11)の植付動作前で、該移植爪(11)による苗植
付位置に往動させて穿穴し、この移植爪(11)の植付動
作直前に退避させる連動機構(50)を設けたから、従来
のように、前記マルチカッター(40)の移動調整機構を
別途使用したりすることなく、簡単な構造でもって、前
記移植爪(11)による苗の植付間隔を任意に調整する場
合、前記マルチカッター(40)をこの植付間隔の調整に
対応して調整しなくとも、植付間隔に対応した穿穴間隔
で穿穴させることができるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明にかかる移植装置の要部を示
す側面図であって、第1図はマルチカッターによる穿穴
動作状態を、第2図はマルチカッターの穿穴非動作状態
をそれぞれ示しており、また、第3図はマルチカッター
と移植爪との作動状態を説明する説明図、第4図は同移
植装置を理解し易いように展開して破断した平断面図、
第5図も同じく展開して破断した背面図、第6図は同移
植装置の縦断面図、第7図は掃除機構の側面図、第8図
は掃除用ブラシの斜視図、第9図は掃除機構によるマル
チカッターの掃除状態を示す側面図、第10図は同移植装
置を備えた移植機の一部を切欠いた側面図である。 (10)……移植部 (11)……移植爪 (13)……植付駆動軸 (40)……マルチカッター (50)……連動機構 (S)……マルチシート
フロントページの続き (72)発明者 中島 英夫 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤン マー農機株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02 301 - 303 A01G 13/00 302

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移植部(10)に、上下方向に植付動作する
    移植爪(11)を設けた移植機における移植装置であっ
    て、前記移植部(10)に、マルチシート(S)に前記移
    植爪(11)による植付穴を穿穴するマルチカッター(4
    0)を往復動可能に支持すると共に、前記移植部(10)
    の植付駆動軸(14)に連動して、前記マルチカッター
    (40)を前記移植爪(11)の植付動作に同調して往復駆
    動させ、かつ、該マルチカッター(40)を、前記移植爪
    (11)の植付動作前で、該移植爪(11)による苗植付位
    置に往動させて穿穴し、前記移植爪(11)の植付動作直
    前に退避させる連動機構(50)を設けたことを特徴とす
    る移植機における移植装置。
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