JP3056988B2 - 可動式電気接続箱および自動車のインストルメントパネル用ワイヤハーネスの取付構造 - Google Patents

可動式電気接続箱および自動車のインストルメントパネル用ワイヤハーネスの取付構造

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JP3056988B2
JP3056988B2 JP7312322A JP31232295A JP3056988B2 JP 3056988 B2 JP3056988 B2 JP 3056988B2 JP 7312322 A JP7312322 A JP 7312322A JP 31232295 A JP31232295 A JP 31232295A JP 3056988 B2 JP3056988 B2 JP 3056988B2
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孝浩 鬼塚
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可動式電気接続箱お
よび該可動式電気接続箱を用いた自動車のインストルメ
ントパネル用ワイヤハーネスの取付構造に関し、特に、
ボデイパネルとインストルメントパネルとに夫々取り付
けて、互いにコネクタ嵌合する電気接続箱として上記可
動式電気接続箱は好適に用いられるもので、該可動式電
気接続箱を用いることによりインストルメントパネル用
ワイヤハーネスの取付作業性を改善するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のインストルメントパネル
とボデイ側のカウルパネルとの間には、インストルメン
トパネルハーネス(以下、インパネハーネスと略す)と
カウルハーネスとの2種類のハーネスが配索されてい
る。これらインパネハーネスとカウルハーネスは夫々電
源線、信号線、アース線が混在した構成となっており、
これらハーネスと接続する図4に示すジャンクションボ
ックスからなる電気接続箱1は、インパネハーネスW/
H1あるいはカウルハーネスW/H2のいずれか一方と
コネクタ接続して組み立てている。
【0003】上記したインパネハーネスおよびカウルハ
ーネスは、自動車の組立ラインにおいて、カウルハーネ
スW/H2はボデイのカウルパネル2に沿って配索さ
れ、クランプで固定される一方、インパネハーネスW/
H1はインストルメントパネル3に沿って配索され、ク
ランプで固定される。この状態で、インストルメントパ
ネル3をカウルパネル2に取り付けている。ついで、上
記インパネハーネスあるいはカウルハーネスに予め接続
している電気接続箱1のコネクタ部1aにフロントハー
ネスW/H3、フロアハーネスW/H4、ルーフハーネ
スW/H5およびドアハーネスW/H6のコネクタ4を
嵌合させ、かつ、電気接続箱1と接続していない側のイ
ンパネハーネスあるいはカウルハーネスのコネクタ5を
電気接続箱1のコネクタ部1aに嵌合させる。所要のコ
ネクタを全て電気接続箱1に嵌合した後、電気接続箱1
をカウルサイドのボデイパネルに固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、電気接
続箱に複数のコネクタを接続する時には、作業員は、カ
ウルパネル2とインストルメントパネル3との挟まれた
暗い空間に下方より手を伸ばして接続作業を行う必要が
あり、蹲踞し、更に、かがみながら行わなければなら
ず、作業員の体力的な負担が大きい。かつ、電気接続箱
へはフロアハーネス、フロントハーネス、ルーフハーネ
ス、ドアハーネスおよび、インパネハーネスあるいはカ
ウルハーネスのいずれか一方を接続しなければならず、
複数のコネクタを電気接続箱に嵌合しなければならた
め、コネクタ接続作業に時間がかかる問題がある。
【0005】さらに、複数のコネクタを接続した後、電
気接続箱をカウルサイドのボデイに固定しなければなら
ないが、この固定作業は盲作業となり、該固定作業も容
易ではない。このように、従来の電気接続箱へのコネク
タの嵌合作業および電気接続箱のボデイ固定作業はいず
れも作業性が悪い問題があった。
【0006】上記した問題に対して、近時、上記インス
トルメントパネル側とボデイ側とに夫々取り付けるワイ
ヤハーネスの接続を容易とするため、インストルメント
パネル側のワイヤハーネスのコネクタ、ボデイ側のワイ
ヤハーネスのコネクタを、夫々インストルメントパネル
とボデイに対向して固定しておき、インストルメントパ
ネルをボデイに取り付ける時に同時にコネクタの接続も
できるようにしたものが提案されている。(実開平1−
142345号)
【0007】しかしながら、大型のインストルメントパ
ネルをボデイに取り付ける時に、同時に、インストルメ
ントパネルとボデイに夫々固定している多極のコネクタ
同士を嵌合することは容易でない。例えば、コネクタの
固定位置の精度を高めても、インストルメントパネルの
取付方向が少しでもずれると、容易に嵌合することがで
きない。
【0008】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、インストルメントパネルとボデイとの間に配索す
るワイヤハーネスの接続作業が容易にできる可動式電気
接続箱を設け、該可動式電気接続箱を用いることによ
り、複数のワイヤハーネスを一括して接続できるように
して、作業工数の低減を図ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は請求項1で、アッパーケースとロアケース
とからなるケースの内部に、内部回路を構成するバスバ
ーを固定した絶縁板を弾性支持材を介してケースに対し
て移動可能に取り付けて収容し、かつ、上記バスバーに
設けたタブにハーネスを接続するハーネス・コネクタを
取り付けると共に、一括接続用コネクタを取り付け、こ
れらコネクタをアッパーケースおよび/あるいはロアケ
ースに設けたコネクタ嵌合穴に隙間をあけて挿入してケ
ース外部に突出させ、上記一括接続用コネクタと相手方
の電気接続箱に形成した一括接続用コネクタとの嵌合時
に、上記絶縁板が移動することによって上記一括接続用
コネクタが嵌合位置に移動可能としていることを特徴と
する可動式電気接続箱を提供している。
【0010】上記のように、電気接続箱に設けたコネク
タをケースに対して移動可能とすると、相手方の電気接
続箱の一括接続用コネクタに嵌合する時に、誤差寸法を
吸収して容易に嵌合することができる。特に、多極コネ
クタの場合には、嵌合する両方を固定しておくと、容易
に嵌合できないが、嵌合するいずれか一方或いは両方
を、誤差寸法を吸収できる程度に移動できるようにする
と、スムーズに嵌合することができる。
【0011】また、本発明は請求項2で、インストルメ
ントパネルに取り付けるワイヤハーネスを第1電気接続
箱のハーネス・コネクタに接続し、該第1電気接続箱を
インストルメントパネルに取り付ける一方、ボデイパネ
ルに取り付けるフロントハーネス、フロアハーネス、ル
ーフハーネス、ドアハーネスに接続した各コネクタを第
2電気接続箱のハーネス・コネクタに接続し、該第2電
気接続箱をボデイパネルに取り付け、上記インストルメ
ントパネルと、ボデイパネルの両方あるいはいずれか一
方に取り付ける電気接続箱を請求項1に記載の可動式電
気接続箱としている自動車のインストルメントパネル用
ワイヤハーネスの取付構造を提供している。
【0012】具体的には、上記インストルメントパネル
に取り付ける第1電気接続箱を可動式電気接続箱とする
一方、ボデイパネルに取り付ける第2電気接続箱は固定
し、上記可動式電気接続箱の弾性支持材をゴム材あるい
はスプリングからなるようにしていることが好ましい。
(請求項3)
【0013】上記のように、大型パネルであるインスト
ルメントパネルをボデイパネルに取り付ける時に、同時
に電気接続箱のコネクタ嵌合を行う場合、嵌合する一括
接続用コネクタの両方が固定されていると、位置が少し
でもずれていると容易に嵌合することができない。しか
しながら、いずれか一方、あるいは両方が移動できるよ
うにしていると、インストルメントパネルの取付方向が
少しずれたり、寸法誤差が発生しても、一括接続用コネ
クタが移動するため、コネクタ嵌合を容易に行うことが
できる。
【0014】また、従来ボデイパネルに後づけで固定し
たジャンクションボックスからなる電気接続箱の機能
を、インストルメントパネルに予め取り付ける第1電気
接続箱と、ボデイパネルに予め取り付ける第2電気接続
箱とに分割して設けておき、これら一対の電気接続箱
を、インストルメントパネルをボデイパネルに固定する
時に同時に嵌合して、インパネハーネスと他のワイヤハ
ーネスとの接続を一括してできる構成とすると、従来と
比較してコネクタ嵌合作業を一度で済ますことができ作
業工数を大幅に低減できる。すなわち、インストルメン
トパネルをボデイパネルに取り付けた後での、電気接続
箱への各ワイヤハーネスのコネクタ嵌合作業、および、
コネクタ嵌合後の電気接続箱のボデイへの固定を無くす
ことができる。
【0015】上記インストルメントパネルに取り付ける
ワイヤハーネスは、インパネハーネスと、カウルハーネ
スのうち電源回路を除くハーネスを含む一方、上記ボデ
イパネル側の電気接続箱に電源回路を接続していること
が好ましい。即ち、従来インパネハーネスとカウルハー
ネスとの2種類に別れていたワイヤハーネスを電源回路
の電線を除いてインストルメントパネルに取り付けるワ
イヤハーネスに統合すると、インストルメントパネルと
ボデイパネルとの挟まれた狭い空間に大型ワイヤハーネ
スを1つだけ配索すればよくなり作業性が改善される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1から図3に示すよう
に、本発明では、インストルメントパネル10に配索す
るワイヤハーネス11に取り付ける可動式の電気接続箱
12と、ボデイパネル14に配索するワイヤハーネスに
取り付ける固定式の電気接続箱15とを設けたものであ
る。これら電気接続箱12,15は、従来、後づけで固
定したジャンクションボックスからなる電気接続箱の機
能を2分割したものである。インストルメントパネル1
0に配索するワイヤハーネス11と、ボデイパネル14
に配索するワイヤハーネスとは、インストルメントパネ
ル10をボデイパネル14に取り付ける時に、上記電気
接続箱12と15を同時に嵌合接続して電気的に接続す
るようにしている。
【0017】図1に示すように、第1電気接続箱である
上記可動式電気接続箱12は、アッパーケース20とロ
アケース21とからなるケースの内部に、バスバー22
を固定した絶縁板23を弾性支持材24を介してケース
に対して移動可能に取り付けて収容している。上記バス
バー22に設けたタブ22aには、ボデイパネル14側
の電気接続箱15との一括接続用のコネクタ25を嵌合
させて取り付けている。該一括接続用コネクタ25は、
上記アッパーケース20よりケース外部に突出させ、上
記絶縁板23と共に移動させてコネクタ嵌合位置を調節
できるようにしている。
【0018】また、上記可動式電気接続箱12は、リレ
ーおよびヒーズを取り付けるヒーズブロック26、およ
び、上記ワイヤハーネス11をコネクタ接続するハーネ
ス・コネクタ27を、上記バスバー22に設けたタブ2
2aに嵌合することにより、上記一括接続用コネクタ2
5と同様にケースに対して移動可能となっている。
【0019】上記アッパーケース20は一括接続用のコ
ネクタ25を挿入して外部に突出させるコネクタ嵌合穴
20aを開口していると共に、上記ヒーズブロック26
を外部に突出させるヒーズ嵌合穴20bを開口してい
る。これら嵌合穴20a,20bは、一括接続用コネク
タ25およびヒーズブロック26の外周壁との間に夫々
所要の隙間をあけて囲繞する大きさに形成し、一括接続
用コネクタ25およびヒューズブロック26を移動可能
に内部に挿入するようにしている。また、アッパーケー
ス20の四隅には、上記弾性支持材24の一端を膨出さ
せた取付部24aを挿入固定する溝状の被取付部20c
を設けている。
【0020】上記ロアケース21は上記ハーネス・コネ
クタ27を挿入して外部に突出させるコネクタ嵌合穴2
1aを開口している。該コネクタ嵌合穴21aも上記嵌
合穴20a,20bと同様に、所要の隙間をあけてハー
ネス・コネクタ27を囲繞し、内部に移動可能に挿入で
きる大きさに形成している。また、ロアケース21の外
側壁の所要位置には、インストルメントパネル10への
取付用のブラケット部28を設けている。
【0021】上記バスバー22は、絶縁板23の両面に
夫々所要パターンで固定している。なお、絶縁板23の
間にバスバーを介在させ、積層構造とした場合には、内
部のバスバーより突設したタブを表面側の絶縁板23を
貫通させて外部に突出させ、上記各コネクタあるいはヒ
ューズと嵌合している。
【0022】上記絶縁板23は、その四隅に上記弾性支
持材24を固定する被取付部23aを設けている。該被
取付部23aは、側面より内側に凹設した溝からなり、
上記弾性支持材24の一端を挿入してピン等を貫通させ
ることにより固定している。
【0023】上記弾性支持材24は、ゴム材あるいはス
プリングからなり、上記アッパーケース20と絶縁板2
3との間に架設して、ケース内部に上記絶縁板23、該
絶縁板23に固定したバスバー22、該バスバー22に
取り付けた一括接続用のコネクタ25、ヒューズブロッ
ク26、および、ハーネス・コネクタ27を移動可能と
している。
【0024】上記一括接続用のコネクタ25は、上記バ
スバー22に設けたタブ22aと接続した雄端子29を
内部に突出させている。これらタブ22aと雄端子29
の嵌合により一括接続用コネクタ25を絶縁板23に取
付保持し、可動式電気接続箱12の組立状態で、絶縁板
23を介して弾性支持材24により、コネクタ嵌合穴2
0a内で移動可能としている。
【0025】同様に、ヒーズブロック26の内部には、
バスバー22のタブ22aと接続する端子(図示せず)
を備え、これらの嵌合により絶縁板23に取付保持して
いる。また、上記ハーネス・コネクタ27も同様に、バ
スバー22のタブ22aと接続する端子(図示せず)を
備え、これらの嵌合により絶縁板23に取付保持してい
る。該ハーネス・コネクタ27には、上記インストルメ
ントパネル10に配索するワイヤハーネス11の端末の
コネクタ30を嵌合接続するようにしている。
【0026】上記ボデイパネル14に固定する第2電気
接続箱である固定型の電気接続箱15は、アッパーケー
ス32とロアケース33とを備え、これらケース32,
33の間に内部回路を構成するバスバー34を収容して
いる。アッパーケース32の上面には、上記可動式電気
接続箱12の一括接続用のコネクタ25と嵌合する一括
接続用のコネクタ部36を設けている。該一括接続用コ
ネクタ部36の内部には、上記バスバー34のタブと嵌
合した雌端子を収容し、該雌端子と可動式電気接続箱1
2の一括接続用コネクタ25内の雄端子29とを嵌合さ
せて電気接続するようにしている。また、アッパーケー
ス32の外壁部の所要位置には、ボデイパネル14への
取付用のブラケット部37を突設している。
【0027】ロアケース33の底面には、複数のワイヤ
ハーネスを嵌合接続する複数のハーネス・コネクタ38
を設けている。本実施形態では、5個のハーネス・コネ
クタ38A〜38Eを設け、ハーネス・コネクタ38A
に後述する電源回路40のコネクタ41を嵌合すると共
に、ハーネス・コネクタ38B〜38Eにフロントハー
ネス42、フロアハーネス43、ルーフハーネス44、
および、ドアハーネス45の端末に取り付けた各コネク
タ46〜49を嵌合するようにしている。
【0028】上記インストルメントパネル10に取り付
ける可動式電気接続箱12と接続するワイヤハーネス1
1は、従来のインパネハーネスとカウルハーネスのう
ち、電源回路を除くハーネスを含んでいる。即ち、従来
では、インパネハーネスとカウルハーネスとの2種類に
別れていたワイヤハーネスを、電源回路40の電線を除
いてインストルメントパネル10に取り付けるワイヤハ
ーネス11に統合している。
【0029】次に、上記両電気接続箱12、15を用い
て、インストルメントパネル10に配索するワイヤハー
ネス11と、他のハーネス40,42〜45を接続する
作業工程を説明する。
【0030】まず、インストルメントパネル10をボデ
イパネル14に取り付ける前の段階で、可動式電気接続
箱12のハーネス・コネクタ27にワイヤハーネス11
のコネクタ30を嵌合接続した状態で、該ワイヤハーネ
ス11をインストルメントパネル10に位置決めして配
索する。また、可動式電気接続箱12のブラケット28
をインストルメントパネル10の内面側にボルト止めし
て固定する。
【0031】一方、電気接続箱15をボデイパネル14
に固定すると共に、該電気接続箱15のハーネス・コネ
クタ38A〜38Eに、電源回路40および各ハーネス
42〜45のコネクタ41,46〜49を嵌合接続す
る。
【0032】上記各コネクタ30,41,46〜49の
嵌合作業、および、可動式電気接続箱12をインストル
メントパネル10に、電気接続箱15をボデイパネル1
4に取り付ける作業は、インストルメントパネル10を
ボデイパネル14に取り付ける前の広い空間で行うこと
ができるため、作業性よく行うことができる。
【0033】ついで、インストルメントパネル10をボ
デイパネル14に取り付ける。この時、まず、可動式電
気接続箱12の一括接続用のコネクタ25がボデイパネ
ル14に固定した電気接続箱15の一括接続用のコネク
タ部36に当接する。この時、これらの位置が少しでも
ずれている場合、または、インストルメントパネル10
の取付方向が少しでもずれている場合、可動式電気接続
箱12の内部の弾性支持材24が伸縮し、上記絶縁板2
3を介して一括接続用のコネクタ25をケースに対して
移動させて、誤差寸法を吸収する。
【0034】このように、本発明の可動式電気接続箱1
2では、一括接続用のコネクタ25をケースに対して移
動可能に構成しているため、相手方の一括接続用コネク
タ部36との嵌合位置の誤差寸法を吸収して、容易に嵌
合可能な状態とすることができる。特に、多極コネクタ
の場合には、嵌合する一括接続用コネクタ部の両方を固
定しておくと、容易に嵌合できないが、本実施形態で
は、可動式電気接続箱12の一括接続用コネクタ25
を、誤差寸法を吸収できる程度に移動できるようにして
いるため、スムーズに嵌合可能な状態とすることができ
る。
【0035】また、上記状態で、インストルメントパネ
ル10をボデイパネル14側に押圧することにより、各
電気接続箱12,15の一括接続用のコネクタ25と一
括接続用コネクタ部36とが嵌合して電気的に接続す
る。この状態で、インストルメントパネル10とボデイ
パネル14とをボルト等により締め付けて固定する。
【0036】このように、上記可動式電気接続箱12を
用いたワイヤハーネス11の取付構造では、従来は容易
に作業が行えなかったジャンクションボックスからなる
電気接続箱への複数のコネクタ接続作業、および、電気
接続箱のパネルへの固定作業のいずれも、インストルメ
ントパネル10をボデイパネル14に固定した後には不
要であるため、取付作業性を大幅に改善できる。また、
インストルメントパネル10をボデイパネル14に固定
する時に、上記電気接続箱12と15とを同時に嵌合接
続して、インストルメントパネル10側のワイヤハーネ
ス11とボデイパネル14側の各ワイヤハーネスとを一
括して電気接続することができるため、大幅に作業工数
を低減することができる。
【0037】また、本実施形態では、従来、インパネハ
ーネスとカウルハーネスとの2種類に別れていたワイヤ
ハーネスを、電源回路40の電線を除いてインストルメ
ントパネル10に取り付けるワイヤハーネス11に統合
しているため、インストルメントパネル10とボデイパ
ネル14との挟まれた狭い空間に大型ワイヤハーネスを
1つだけ配索すればよくなり、よって、ワイヤハーネス
の配索作業性を改善することができる。
【0038】尚、本発明の実施形態は上記構成に限定さ
れず、例えば、可動式の電気接続箱12はインストルメ
ントパネル10に取り付けているが、ボデイパネル14
に取り付けても良い。また、インストルメントパネル1
0とボデイパネル14に取り付ける両方の電気接続箱
を、夫々可動式として構成しても良い。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の可動式電気接続箱では、電気接続箱に設けた一括接続
用コネクタを絶縁板を介してケースに対して移動可能に
取り付けているため、相手方の電気接続箱の一括接続用
コネクタに嵌合する時に、これらの嵌合位置が少しでも
ずれている場合には、誤差寸法を吸収して容易に嵌合す
ることができる。
【0040】また、従来の後づけて固定していたジャン
クションボックスからなる電気接続箱を分割して、イン
ストルメントパネルとボデイパネルに夫々取り付け、一
方のパネル、例えば、インストルメントパネルに取り付
ける電気接続箱を上記可動式電気接続箱として構成する
と、大型パネルからなるインストルメントパネルをボデ
イパネルに取り付ける時に、同時に電気接続箱のコネク
タ嵌合を行う場合に、誤差寸法を吸収して互いの一括接
続用コネクタを容易に嵌合接続することができる。
【0041】さらに、上記一対の電気接続箱を、インス
トルメントパネルをボデイパネルに固定する時に同時に
嵌合して、インパネハーネスと他のワイヤハーネスとの
接続を一括してできる構成としているため、コネクタ嵌
合作業を一度で済ますことができ作業工数を大幅に低減
できる。すなわち、従来、狭い空間での手作業であるた
め容易に作業が行えなかったジャンクションボックスへ
の複数のコネクタ接続作業およびジャンクションボック
スのボデイパネルへの固定作業のいずれも不要とするこ
とができるため、ワイヤハーネスの取付作業性を大幅に
改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可動式電気接続箱の分解斜視図であ
る。
【図2】 インストルメントパネルに固定する可動式電
気接続箱とボデイパネルに固定する電気接続箱の嵌合前
の状態を示す斜視図である。
【図3】 インストルメントパネルをボデイパネルに固
定する前の状態を示す要部断面図である。
【図4】 従来のインストルメントパネルとボデイパネ
ルとを電気接続するジャンクションボックスからなる電
気接続箱を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 11 ワイヤハーネス 12 可動式電気接続箱 14 ボデイパネル 15 電気接続箱 20 アッパーケース 20a コネクタ嵌合穴 21 ロアケース 22 バスバー 22a タブ 23 絶縁板 24 弾性支持材 25 一括接続用コネクタ 27 ハーネス・コネクタ 36 相手方の一括接続用コネクタ部 38A〜38E ハーネス・コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 康弘 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−129178(JP,A) 特開 平5−54933(JP,A) 特開 平5−54934(JP,A) 特開 平5−344631(JP,A) 実開 平1−142345(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 3/16 B60R 16/02 H01R 13/631 H01R 24/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アッパーケースとロアケースとからなる
    ケースの内部に、内部回路を構成するバスバーを固定し
    た絶縁板を弾性支持材を介してケースに対して移動可能
    に取り付けて収容し、かつ、上記バスバーに設けたタブ
    にハーネスを接続するハーネス・コネクタを取り付ける
    と共に、一括接続用コネクタを取り付け、これらコネク
    タをアッパーケースおよび/あるいはロアケースに設け
    たコネクタ嵌合穴に隙間をあけて挿入してケース外部に
    突出させ、上記一括接続用コネクタと相手方の電気接続
    箱に形成した一括接続用コネクタとの嵌合時に、上記絶
    縁板が移動することによって上記一括接続用コネクタが
    嵌合位置に移動可能としていることを特徴とする可動式
    電気接続箱。
  2. 【請求項2】 インストルメントパネルに取り付けるワ
    イヤハーネスを第1電気接続箱のハーネス・コネクタに
    接続し、該第1電気接続箱をインストルメントパネルに
    取り付ける一方、 ボデイパネルに取り付けるフロントハーネス、フロアハ
    ーネス、ルーフハーネス、ドアハーネスに接続した各コ
    ネクタを第2電気接続箱のハーネス・コネクタに接続
    し、該第2電気接続箱をボデイパネルに取り付け、 上記インストルメントパネルと、ボデイパネルの両方あ
    るいはいずれか一方に取り付ける電気接続箱を請求項1
    に記載の可動式電気接続箱としている自動車のインスト
    ルメントパネル用ワイヤハーネスの取付構造。
  3. 【請求項3】 上記インストルメントパネルに取り付け
    る第1電気接続箱を可動式電気接続箱とする一方、ボデ
    イパネルに取り付ける第2電気接続箱は固定し、上記可
    動式電気接続箱の弾性支持材をゴム材あるいはスプリン
    グからなるようにしている請求項2に記載の自動車のイ
    ンストルメントパネル用ワイヤハーネスの取付構造。
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