JP3056698B2 - フィルタープレス用ダイアフラムの製造方法およびプレス成形用金型 - Google Patents
フィルタープレス用ダイアフラムの製造方法およびプレス成形用金型Info
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Description
熱可塑性樹脂成形品の製造技術に関する。特に、フィル
タープレスにおけるダイアフラム、詳しくは強酸等の腐
食性用途に用いるために、ボルト用孔部を有するフラン
ジなどの金属板を埋設したダイアフラムの製造方法およ
びプレス成形用金型に関する。
とを原液供給口の周縁部において取り付け固定するため
のフランジなどの金属板は、強酸等の腐食性用途では腐
食を避けるためにダイアフラム内に埋設されている。
埋設したダイアフラムのような熱可塑性樹脂成形品は、
以下に示す工程で製造されている。 (1)下型に所定量の熱可塑性樹脂ペレットを敷き詰
め、(2)その上にフランジを載せて、(3)さらに上
から所定量のペレットを被せ、(4)上型を閉じて加熱
プレスを行い、(5)ペレット融後、上下金型および樹
脂を冷却して中間製品を取り出す。(6)中間製品の位
置決め部跡は、後加工で同樹脂を融着して補修し製品と
する。なお、フランジの面方向の位置決めは、ボルト穴
部で下型1のボルト中子と接触させて行い、一方、厚み
方向の位置決めは、上型の凸部でフランジを押えつけて
行っている。
性の低いペレットを金型を介して間接加熱し、溶融後、
金型を介して間接冷却するため、加熱冷却効率が低く、
製造時間が長くかかる。ペレット間の空気が抜け切ら
ず、ダイアフラム内に気泡が残る。間接冷却で徐冷され
るため、内部球晶が成長し機械的性質が低くなり、ろ板
へのダイアフラムの取付でボルト止めする際に、ボルト
穴部の被覆樹脂がねじ切れてしまう。フランジを上型の
凸部で押えつけて厚み方向の位置決めを行っているの
で、フランジと上型の凸部の間でペレットを噛んでバリ
が発生しやすく、フランジの厚み方向の位置精度が低
い。フランジの位置決め部分は後工程で補修するが、位
置決めは面方向と厚み方向で別々に行っており、補修箇
所が多いために手間が掛かる。といった問題があった。
解決するものであって、その手段の一は、金属製フラン
ジを埋設した熱可塑性樹脂製フィルタープレス用ダイア
フラムの製造方法において、(1)ダイアフラムの表面
形状が刻設された下型に突設した、複数個の位置決めピ
ンに、金属製フランジの凹陥部が嵌合するように、該フ
ランジを載置し、(2)その上から溶融熱可塑性樹脂シ
ート材で覆い、(3)該シート材を、ダイアフラムの表
面形状が刻設された上型および前記下型の間に加圧挟持
し、その際、フランジの底面と下型との間に形成される
樹脂充填空間内の気体を脱気しながら、冷却賦形を行
い、(4)賦形品を金型から離型した後、前記ピンの嵌
合跡を補修することを特徴とするフィルタープレス用ダ
イアフラムの製造方法にある。
熱可塑性樹脂成形品を製造するためのプレス成形用金型
であって、(1)成形品の表面形状を刻設した下型に、
金属板の凹陥部と嵌合する、複数個の位置決めピンを突
設し、(2)該ピンの高さは、金属板を嵌合載置した場
合、該金属板の底面と下型との間に所定の樹脂充填空間
を形成するに十分なものとし、しかも(3)下型を貫通
し該樹脂充填空間と連通する脱気孔を、該空間の奥部お
よび/または前記ピンに開口させてなるプレス成形用金
型にある。
面に従って説明する。図1は、本発明方法の工程図であ
り、図2は、得られた成形品の平面図であり、図3は従
来方法の工程図である。両工程図では、便宜上、図2に
示すA−A断面に沿った金型および製品の状態で示し
た。図中、1は溶融熱可塑性シート材、3はピンの嵌合
跡、4は原液供給口、5はボルト用孔部、8は中間製
品、9は製品、10は下型、12は樹脂充填空間、13
は位置決めピン、16は脱気孔、20は上型、30は金
属板、33は金属板の凹陥部を示す。
に、成形品の表面形状を刻設した下型(10)に突設し
た複数個の位置決めピン(l3)に、金属板(30)の
凹陥部(33)が嵌合するように、金属板(30)を載
置する。これによって、金属板(30)の底面と下型
(10)との間に樹脂充填空間(12)が形成される
が、その大きさはピン(13)の高さによる。従って、
該ピン(13)の高さは、金属板(13)を嵌合載置し
た場合、所定の上記樹脂充填空間(12)を形成するに
十分なものとすることが必要である。成形品の表面形状
は、特に制限はないが、フィルタープレス用ダイアフラ
ムにあっては、通常、図2に示すように、数多くの突起
(6)を含む。しかして、突起(6)の形状は、円柱、
楕円柱、角柱、円錐台、角錐台など、成形品の用途に応
じて所望のものが選択される。もちろん、用途によって
は、形状や大きさの異なる複数種の突起を混在させるこ
ともある。以下、便宜上、製品(9)がフィルタープレ
ス用ダイアフラムであり、金属板(30)が金属製フラ
ンジの場合について説明するが、ダイアフラムは他の熱
可塑性樹脂成形品であってもよいし、フランジは、補強
を目的とした補強金属板であってもよい。
(33)の位置は、載置するフランジ(30)の安定性
から、凹陥部を設けてもフランジ(30)の断面形状の
重心の位置が変わらないように、配設するのが良く、そ
の数は3ヵ所以上、嵌合深さは1mm以上とされる。ピ
ン(13)および凹陥部(33)の径は、強度や後工程
での補修のしやすさも加味して、3〜15mmするのが
よい。ピン(13)と凹陥部(33)のクリアランス
は、フランジ(30)の位置精度および嵌合しやすさを
考慮して、0.05〜0.1mmにするのが良く、ピン
(13)と凹陥部(33)の抜き勾配は、中間製品
(8)の取り出しやすさから1〜3゜とするのがよい。
に、下型(1)に載置されたフランジ(30)の上から
溶融熱可塑性樹脂シート材(1)で覆う。この溶融シー
ト材(1)は、熱可塑性樹脂を押出機で成形したばかり
の、溶融状態のシートをそのまま使用してもよいし、押
出成形やプレス成形などにより事前に調製したシート
を、本発明の実施に際して、熱板等を用いて再溶融させ
て使用してもよい。熱可塑性樹脂シート材(1)は、融
点以上に加熱溶融して、ゼロせん断粘度が5×104 g
/cm・sec以上で、1×103 sec-1のせん断時
の粘度が5×104 g/cm・sec以下の状態とした
ものが良く、ゼロせん断粘度が5×104 g/cm・s
ec以下であるとハンドリング中に溶融樹脂が流動し、
シート形状をとどめず成形が困難となる。また、1×1
03 sec-1のせん断時の粘度が5×104 g/cm・
sec以上であると粘度が高くプレス時の賦形が困難と
なる。
ん断粘度および1×103 sec-1のせん断時の粘度
は、温度およびせん断速度を変えてシート材の粘度を測
定し、多数の測定値から、次のモデル式の諸係数を定め
ることによって得られる。 η =η0 /(1+η0 γ/τ* )1-n η0 =Bexp(Tb /T) 式中、ηは粘度(g/cm・sec)であり、η0 はゼ
ロせん断粘度(g/cm・sec)であり、γはせん断
速度(sec-1)であり、Tは温度(°K)であり、
n、τ* 、BおよびTb は係数である。すなわち、ゼロ
せん断粘度(η0 )は、溶融シート材の温度の関数とし
て上記のモデル式から算出され、一方、1×103 se
c-1のせん断時の粘度は、さらにせん断速度(γ)とし
て1×103 sec-1を代入することによって、これも
上記のモデル式から算出される。
×10-2〜6.0×101 sec-1)と高せん断域
(3.5×101 〜6.0×103 sec-1)に分けて
行われる。例えば、低せん断域の粘度は、レオメトリッ
クス社の動的粘弾性測定装置RDA−IIを用いて、A
STM D4440−84に準拠し、平行円板法に従っ
て測定される。また、高せん断域の粘度は、東洋精機社
のキャピラリー式レオメーター・キャピログラフ1Bを
用いて、JIS K7199に準拠し、長さ40mm、
直径1mmのキャピラリーで測定される。測定点数は、
温度については、溶融シート材の成形温度範囲から複数
条件、通常3〜5条件を選択し、しかもそれぞれの温度
条件についてせん断速度条件を変えて、せん断速度依存
性が正確に把握できる程度の多数点を選定する。
すように、上記の溶融シート材(1)を、成形品の表面
形状が刻設された上型(20)および下型(10)の間
に加圧挟持して、冷却賦形を行う。この冷却金型を用い
たプレス成形は、溶融シート材(1)で覆った後可及的
速やかに行われる。金型は、金型内を流れる冷媒などに
より、少なくとも溶融シート材を構成する樹脂の熱変形
温度より低い温度とすることが必要であり、好ましくは
熱変形温度から熱変形温度以下40度程度の範囲の温度
とするのがよい。金型温度が高すぎると、樹脂の冷却に
長時間を要し徐冷となり、内部球晶が成長して物性の低
下を招くので好ましくない。また、プレス成形時の圧力
は、5〜40kgf/cm2 が好ましい。圧力が5kg
f/cm2 以下であると、樹脂が充分に流動せず表面形
状の賦形不良を生じる。また、40kgf/cm2 以上
であると、シーリングを行っても樹脂が流出し充分な圧
力が加わらず、賦形不良やヒケ、ボイドなどの不良が発
生する。
(1)は、両金型の間の所定の空間を満たすように流れ
るが、フランジ(30)の底面と下型(10)との間に
形成される所定の樹脂充填空間(12)にも回り込ん
で、フランジ(30)を被覆し、これを埋設した成形品
を形成する。この樹脂の流れに合わせて、該空間(1
2)内の気体の脱気を行う。そのためには、下型(1
0)を貫通し樹脂充填空間(12)と連通する脱気孔
(16)を、該空間(12)の奥部および/または前述
の位置決めピン(13)に開口させる必要がある。ここ
で、樹脂充填空間の奥部とは、フランジ(30)を載置
する位置周辺の下型(10)の形状によっても異なる
が、図示の場合、原液供給口相当部分(14)や、ボル
ト用孔部相当部分(15)などによって、樹脂の流れが
妨げられて到達が最も遅くなる部位が生じるので、これ
を奥部と称し、ここに脱気孔(16)を開口させるのが
効果的である。
脱気孔(16)を開口させる場合は、通常、ピン(1
3)の頂面中央に開口させる。脱気孔(16)の径は、
ピン(13)の径の1/5〜1/2とするのがよい。ま
た、ピン(13)の頂面には、凹陥部(33)との間に
できる嵌合クリアランスから脱気孔の開口に通じる、脱
気溝を設けるのがよい。溝は、通常、幅が脱気孔径と同
じで、深さが0.01〜0.05mmである。また、樹
脂充填空間(12)の奥部に前記の脱気孔(16)を開
口させる場合は、通常、前記の樹脂の到達が最も遅くな
る部位を選んで、複数個所開口させる。なお、それら開
口相互間は、幅が0.01〜0.05mmで、深さが3
mm以上の脱気溝で結ぶのがよい。
に示す賦形された中間製品(8)を離型して取り出し、
前記ピン(13)の嵌合跡(3)を補修する。この補修
は、前記の溶融シート材(1)と同じ熱可塑性樹脂を融
着することによって行う。その際、必要とあれば、切削
等の後加工で、原液供給口(4)およびボル卜穴(5)
を完成する。図には、後加工を行う場合について例示し
たが、下型(10)によっては、あるいは製品によって
は、その必要がないように設計することも可能である。
このようにして、図1(e)に示すダイアフラム製品
(9)が得られる。
(1)を構成する樹脂は、フィルタープレス用にはポリ
オレフィン系樹脂が好ましいが、用途によっては種々の
熱可塑性樹脂が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、
結晶性ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーまたはこれらを主体とする組成物であ
る。
は、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンの単独重
合体或いは共重合体であり、例えば、ポリエチレン、ア
イソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポ
リプロピレン、ポリブテン−1、プロピレン−α−オレ
フィン共重合体(例えば、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1
−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペ
ンテン共重合体)、エチレン−1−ブテン共重合体など
が挙げられる。
しては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの結晶性ポ
リオレフィン系樹脂と、エチレン−プロピレン共重合体
ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
共重合体ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体ゴム(NBR)などのゴムを、ミキサー、
押出機などにより機械的にブレンドしたもの、または架
橋剤の存在下でブレンドして部分架橋したものなどが挙
げられる。なお、それら結晶性ポリオレフィン系樹脂と
ゴムとのブレンド比は、通常、重量比で10:90〜5
0:50の範囲から選択される。
通常、エチレン含量が20〜90重量%、好ましくは4
0〜85重量%で、プロピレン含量が80〜10重量
%、好ましくは60〜15重量%のものが用いられる。
また、EPDMとしては、通常、1,4−ヘキサジエ
ン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンなど
の鎖状ジエン類、ジシクロペンタジエン、シクロオクタ
ジエンなどの環状ジエン類、メチレンノルボルネン、エ
チリデンノルボルネン、ヘチルテトラヒドロインデンな
どの環状ポリエン類を、通常全体の1〜20重量%、好
ましくは4〜10重量%含むものが用いられる。
90重量%、好ましくは15〜50重量%であるものを
用いるのがよい。また、上記のアクリロニトリル−ブタ
ジエンの2成分共重合体の他、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−トリフルオロエチルアクリレート、アクリロニ
トリル−ブタジエン−アクリル酸エステルなどの3元共
重合体や、水素添加したアクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴムも使用することができる。
PDMとの混合物を使用することもできる。その場合、
NBRとEPMまたはEPDMとの割合は、重量比で9
9:30〜1:70の範囲から選択される。結晶性ポリ
オレフィン系樹脂とゴムとのブレンド比は、通常、重量
比で50:50〜70:30の範囲から選択される。こ
の範囲内で併用することにより、両成分が奏する効果が
相乗的に発現し、耐油性に加えて機械的特性にも優れた
ものとすることができる。
結晶性ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系熱可塑
性エラストマーのほかに、充填材、顔料、造核剤、可塑
剤や伸展油などの加工助剤、老化防止剤等の各種添加剤
を含有する組成物も使用することができる。なかでも、
造核剤として、ポリオレフィン系樹脂に対して0.1〜
0.3重量%のアジピン酸や安息香酸のナトリウム塩、
シリカなどを添加するときは、冷却時に生成する球晶を
微小化できるので有用である。
いて、さらに詳細に説明する。
ストマーシート材を用いて、図1に示した工程に従っ
て、図1(e)および図2に示すダィアフラムを成形し
た。成形方法の詳細は、次のとおり。
た下型(10)および同じダイアフラムの他方の面の表
面形状を刻設した上型(20)をプレス成形機に装着す
る。なお、下型(10)には、頂面の直径10mm、高
さ5mm、抜き勾配1°の位置決めピン(13)を4本
突設した。これらのピン(13)は、ダイアフラムの重
心を中心とする直径213mmの円周上に等間隔に配置
した。また、下型(10)の上記重心の近辺、すなわち
図2のA−A線と交差する外周の円内には、直径170
mm、高さ20mmの円柱状原液供給口相当部(14)
を中央に、その周囲に直径25mm、高さ13mmおよ
び直径12mm、高さ7mmの2段円柱状ボルト孔相当
部(15)を4基、直径213mmの円周上に等間隔に
配置した、表面形状とされた。さらに、下型(10)に
は、2mm径の脱気孔(16)8本を貫通させ、4本の
ピン(13)の各頂面の中心の位置4個所および樹脂充
填空間(12)の奥部となる、上記重心を中心とする直
径195mmの円周上に等間隔に4個所開口させた。ま
た、ピン(13)の頂面にはこれを横切り開口に通じる
脱気溝を、奥部には開口相互間を結ぶ脱気溝を設けた。
これら脱気溝は、上記ピン頂面で幅2mm、深さ0.0
5mm、上記奥部で幅0.01mm、深さ5mmとし
た。なお、脱気孔(16)の他端は、真空ポンプに繋い
で、プレス成形と同期できるようにセットした。
金属製フランジ(30)の凹陥部(33)を嵌合するよ
うに、フランジ(30)を載置する。凹陥部(33)
は、円環状フランジ(30)の幅の中心線上に等間隔に
4個所設けた。その形状は、いずれも、底部の直径1
0.1mm、嵌合深さ2mm、抜き勾配1°とした。
融させた熱可塑性樹脂シート材(1)で覆った。溶融シ
ート材の諸条件は、次の通り。 シート材形状:1500mm×1500mm×8mm 樹脂:ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(熱変形温度:65℃) シート材加熱条件:200℃で8分間加熱 粘度:ゼロせん断粘度: 1.67×106 g/cm・sec 1×103 sec-1のせん断時の粘度: 1.25×103 g/cm・sec
0)と下型(10)の間に挟んで、下記の条件で冷却プ
レス成形を行う。 金型温度:30℃ プレス圧力:30kgf/cm2 プレス時間:3分間 溶融樹脂は、フランジ(30)と下型(10)との間に
形成される樹脂充填空間(12)を流れて満たし、フラ
ンジ(30)を被覆する。この際、該空間(12)に存
在する空気を、ピン(13)および該空間の奥部に開口
させた脱気孔によって金型外へ排除した。
し、 図1(e): フランジ(30)に達する位置決め(1
3)の嵌合跡(3)に同じ熱可塑性樹脂を融着して補修
し、後加工で原液供給孔(4)およびボル卜穴部(5)
を完成し、ダイアフラム製品(9)とした。
ペレットを用いて、図3に示した従来法の工程に従っ
て、図2および図3(f)に示すダイアフラムを成形し
た。成形方法の詳細は、次のとおり。 図3(a): 下型(10)に所定量の熱可塑性樹脂ペ
レット(2)を敷き詰め、 図3(b): その上にフランジ(30)を載せて、さ
らに上から所定量のペレット(2)を被せた。ペレット
の全仕込み量は16.5kgであった。
条件で加熱プレスを行い、 加熱温度(熱板):200℃ 加熱時間(昇温):45分間 プレス圧力:30kgf/cm2 図3(d): ペレット(2)の融後、上型(20)、
下型(10)および樹脂を下記条件で冷却固化して中間
製品(8)を取り出し、 冷却時間(水冷):45分間 プレス圧力:30kgf/cm2
部跡(7)、(5a)は後加工で同樹脂を融着して補修
し製品(9)とした。なお、フランジ(30)の面方向
の位置決めは、ボルト穴部(5a)で下型(10)のボ
ルト中子と接触させて行い、厚み方向の位置決めは、上
型(20)の凸部(27)でフランジ(30)を押えつ
けて行っている。
ス用ダイアフラム成形の成果を比較した結果を下表に示
した。 実施例 比較例 成形に要した時間※(分) 約30(15) 約120(30) フランジ厚み方向の位置精度 設計値±0.2mm 設計値±0.7mm 機械的性質 ・引張強度(kgf/cm2 ) 140 105 ・破断伸び(%) 462 231 ・内部球晶径(μm) 約20 約100 気泡不良(10サンプル中での発生数) な し 2 ※ 実施例は、シート材加熱開始から補修完了までの時間。 比較例は、金型へのペレット仕込み開始から補修完了までの時間。 ( )内は、補修作業に要した時間。
比べ、成形時間が短く補修が容易で気泡不良がなく、か
つ埋設したフランジの位置精度に優れ、ボルト穴部の被
覆樹脂の機械的強度にも優れたダィアフラムを得ること
ができるものであることを示している。
熱可塑性樹脂シート材をセットし、冷却プレスすること
によって所定形状を賦形するため、効率的な原料樹脂の
加熱・冷却が可能で成形時間を短縮でき、急冷による内
部球晶の微細化によりボルト穴部の被覆樹脂の機械的強
度を向上できることを示している。
立てたピンと、フランジに設けた凹陥部を嵌合させるこ
とによって行うため、フランジの位置精度が向上するこ
と、およびフランジを固定するためのピン、もしくはフ
ランジ周りの最終充填部に、下型を貫通する脱気孔を開
口させたことによって、金型内に存在する空気が排出さ
れて、気泡の発生を防ぐことが可能であることを示して
いる。
ルタープレス用ダイアフラムの製造方法では、金型上に
溶融熱可塑性樹脂シート材を載せ、冷却プレスすること
によって所定形状を賦形することから、効率的な原料樹
脂の加熱・冷却が可能で成形時間を短縮でき、急冷によ
る内部球晶の微細化により、被覆樹脂の、特にボル卜穴
部の機械的強度を向上できる。
フィルタープレス用ダイアフラムの製造方法および本発
明のプレス成形用金型では、金属板の位置決めを下型に
突設したピンと、金属板に設けた凹陥部を嵌合させるこ
とによって行うことから、金属板の位置精度を向上させ
ることができ、また、位置決め箇所を減らすことができ
るため、後工程での補修作業が容易になる。金属板の位
置決めのためのピン、もしくは金属板の底面と下型との
間に形成される樹脂充填空間の奥部に、下型を貫通する
通気孔を開口させたことによって、金型内に存在する空
気が排出されて、気泡の発生を防ぐことが可能となる。
2に示すA−A断面に沿った金型および製品の状態で示
した。
Claims (2)
- 【請求項1】金属製フランジを埋設した熱可塑性樹脂製
フィルタープレス用ダイアフラムの製造方法において、
(1)ダイアフラムの表面形状が刻設された下型に突設
した、複数個の位置決めピンに、金属製フランジの凹陥
部が嵌合するように、該フランジを載置し、(2)その
上から溶融熱可塑性樹脂シート材で覆い、(3)該シー
ト材を、ダイアフラムの表面形状が刻設された上型およ
び前記下型の間に加圧挟持し、その際、フランジの底面
と下型との間に形成される樹脂充填空間内の気体を脱気
しながら、冷却賦形を行い、(4)賦形品を金型から離
型した後、前記ピンの嵌合跡を補修することを特徴とす
るフィルタープレス用ダイアフラムの製造方法。 - 【請求項2】金属板を埋設した熱可塑性樹脂成形品を製
造するためのプレス成形用金型であって、(1)成形品
の表面形状を刻設した下型に、金属板の凹陥部と嵌合す
る、複数個の位置決めピンを突設し、(2)該ピンの高
さは、金属板を嵌合載置した場合、該金属板の底面と下
型との間に所定の樹脂充填空間を形成するに十分なもの
とし、しかも(3)下型を貫通し該樹脂充填空間と連通
する脱気孔を、該空間の奥部および/または前記ピンに
開口させてなるプレス成形用金型。
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1997
- 1997-06-10 JP JP9166641A patent/JP3056698B2/ja not_active Expired - Lifetime
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