JP3056515U - 鉄筋入りコンクリート型枠端止体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート型枠形成部材として使用される
型枠端止体（モルタルコーンとも称す）に、鉄筋などの
補強筋を埋設し、かつそれに組み合わされるジョイント
ナットが回動されにくい型枠端部材を提供する。 【解決手段】 コンクリート型枠端止部材（１）の主材
となる端止体（２）は、モルタル材により中央部に嵌合
穴（３）を有して略円筒状を成す肉厚内部に、リング状
の鉄筋（４）を一定間隔をもって二本埋設した端止体
（２）を形成する。さらにその端止体（２）に組み合わ
されるジョイントナット（５）は、鉄や他の金属材で成
し、中央部にネジ穴（６）を有する円筒体の一端につば
縁（７）を形成したものとするが、、そのつば縁（７）
の一部を欠いて平カット部（８）を形成した係止縁
（９）を設けたジョイントナット（５）を、前記の鉄筋
（４）入り端止体（２）の嵌合穴（３）に組み合わせ
て、実施例１の型枠端止部材（１）構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、コンクリート型枠形成部材として使用される型枠端止体（モルタル コーンとも称す）に、鉄筋などの補強筋を埋設し、かつそれに組み合わされるジ ョイントナットが回動されにくい型枠端部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、建築はもとより土木に於けるコンクリート打設時には、コンクリー ト成型用の型枠を形成するために、丸セパレート棒にコーン状の端止体及び支持 材等を組み合わせたコンクリート型枠を形成することは一般的である。 また、それらに於けるコーン状の型枠端止体にも小さいが様々な技術を施した 形態のものも見られ、さらに公知公開されているものに於いても、機能はもとよ り形成素材だけを見てもいくつかの異なる技術が見られる。

【０００３】 以下いくつか関連する具体例を示すと、まず特開昭５５−１４２８７２号に見 られる技術は、丸セパレーター端部に固定されて型枠を保持する支承具の素材に 陶製を採用したものである。次に実開昭６３−２５７４９号に示される技術は、 型枠の支承具を形成する素材をセラミックス等を用いて耐腐食性を高めた支承具 とした技術である。

【０００４】 さらに実公７−１２５４号の技術に於いては、コンクリート又はモルタル製の 埋め込みコンに組み合わされる、ジョイントナット端部に設けた締め付けボルト 用導入孔の入り口を広く開口するテーパ状を形成すことで、締め付けボルトを挿 入しやすくした技術である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

以上のように型枠支承具の素材を一般的なモルタル製のもの以外に、特開昭５ ５−１４２８７２号は陶製を採用したものであるが、コストが高くなる欠点に加 え、素材的には強度を維持でき破損しにくい素材ではない。また実開昭６３−２ −５７４９号に示すものはセラミックス製を採用して耐腐食性を高める目的でも あるが、なんと言っても形成素材がセラミックスなどによるため、前記同様に割 高コストは避けられず、またいずれのものも強度の点に於いても満足する丈夫さ を維持できる支承具ではない。

【０００６】 他方、実公７−１２５４号に示されるものは、角型の埋め込みコン（型枠支承 具）に組み合わされるジョイントナットの改良に関する技術であり、締め付けボ ルトを挿入しやすくするために、導入口をテーパ状に広く形成する技術でそれな りの効果はあるが、しかし埋め込みコンに組み合わされるジョイトナットのつば 縁は円形であるため、締め付けボルトの取り外し時に回動したりすると隙間を作 る結果を招き、漏水や水の染み込み要因を成す不便や欠点を有するものである。 尚、このつば縁が円形状であることは、他の多くのジョイントナットにも見ら れる欠点でもある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は以上のような従来の欠点や不便を解消するために成されるものであり 、まず型枠形成部材として丸セパレーター端部にネジ止めされ、コンクリートに 埋設されるジョイントナットに組み合わされるモルタル端止体は、略円筒状を成 す肉厚内部に一周するリング又はコイル状の鉄筋を埋設した端止体を形成するこ とで、作業時に於ける衝撃や締付け時の過重な力による破損を防ぐ強度を有する ものとし、かつそれに組み合わされるジョイントナットのつば縁周囲の一部設け る平カットや、つば縁端面に突部を設けた係止縁を形成することにより、型枠取 り外し時に際して回動しにくくしたジョイントナット及び破損しにくい型枠端子 部材を構成する。

【０００８】

【考案の実施の形態】

本考案に於ける型枠端止部材（１）は、リング状又は渦巻き状の鉄筋（４）及 びコイル鉄筋（４ａ）を埋設して強度を増したモルタル材の端止体（２）を形成 したものであるので、図５に示すように型枠（Ａ）形成に於ける締付け時に、締 付けによる必要以上の過重の力や衝撃が加わっても、容易に破損したりしない強 度を有する端止体（２）を形成できるものである。

【０００９】 加えて丸セパレーター（１１）端部にネジ止めされるジョイントナット（５） のつば縁（７）周囲一部には平カット部（８）を、また端面部には突部（１０） を一体に形成した係止縁（９）を設けているので、図６及び図７に示すように型 枠（Ａ）に打設したコンクリート（Ｂ）固化後は、突部（１０）及び平カット部 （８）を有する係止縁（９）部により、枠取り外し時に於ける回動防止作用を果 たすことが可能となるジョイントナット（５）である。

【００１０】

【実施例】

実施例１ 本考案の実施例１を図１に示す一部欠損分解斜視図及び図２に示す組み合わせ 拡大断面図を参照して説明する。 実施例１に於ける型枠端止部材（１）の主材となる端止体（２）は、モルタル 材により中央部に嵌合穴（３）を有して略円筒状を成す肉厚内部に、リング状の 鉄筋（４）を一定間隔をもって二本埋設した端止体（２）を形成する。さらにそ の端止体（２）に組み合わされるジョイントナット（５）は、鉄や他の金属材で 成し、中央部にネジ穴（６）を有する円筒体の一端につば縁（７）を形成したも のとするが、、そのつば縁（７）の一部を欠いて平カット部（８）を形成した係 止縁（９）を設けたジョイントナット（５）を、前記の鉄筋（４）入り端止体（ ２）の嵌合穴（３）に組み合わせて、実施例１の型枠端止部材（１）構成してい る。

【００１１】 本実施例に於ける端止体（２）を形成する肉厚内部には、リング状の鉄筋（４ ）が２本封埋設された端止体（２）を形成しているので、型枠形成時に於ける締 め付けの際に力や衝撃による破損がしやすかった端止体（２）の強度を飛躍的に 高めるものとする。尚、埋設される鉄筋（４）は一本でもそれ以上でも構わない 。またそれに組み合わされるジョイントナット（５）は、つば縁（７）の一部を 欠いた平カット部（８）を形成することで、図５に示すように型枠（Ａ）内に打 設したコンクリート（Ｂ）が固化した際は、係止縁（９）部が回動防止作用を成 す。

【００１２】 実施例２ 実施例２を図３に示す一部欠損分解斜視図及び図４に示す組み合わせ拡大断面 図を参照して説明する。 実施例２に示す端止体（２）は、前記実施例１に示すリング状の鉄筋（４）に 代えて、一巻以上のコイル鉄筋（４ａ）を略筒状を成す肉厚内部に埋設して端止 体（２）を形成し、かつそれに組み合わされるジョイントナット（５）は、つば 縁（７）の端面部に２個の突部（１０）を一体形成した係止縁（９）を成したも のが、前記端止体（２）の嵌合穴（３）に組み合わされて、実施例２の型枠端止 部材（１）を構成している。

【００１３】 本実施例に於ける端止体（２）に埋設されるコイル鉄筋（４ａ）は、一本では あっても一巻以上二巻程度のコイル状を成しているので、前記タイプ同様に強度 を満たし衝撃に強い端止体（２）を形成できる。またジョイントナット（５）の つば縁（７）端面に施す突部（１０）は実施例１と反対に突状で、かつ側面に施 しているが前記タイプと同様の作用効果を成す。

【００１４】 このような実施例による端止体（２）とジョイントナット（５）の組み合わさ れる型枠端止部材（１）は、図５に示すように型枠（Ａ）内側に位置させた丸セ パレーター（１１）端部に一組の型枠端止部材（１）を取り付け、さらに型枠（ Ａ）外側に連結して備えたボルト（１２）に支持材（１３）及び締付座金（１４ ）を介在させてナット（１５）で締付けて型枠形成された型枠（Ａ）内にコンク リート（Ｂ）は流し込まれて打設される。

【００１５】 このようにして打設されたコンクリート（Ｂ）の固化後には、図６に示すよう にコイル鉄筋（４ａ）を有して強度を維持した端止体（２）が埋設維持され、か つ端面に突部（１０）を有する係止縁（９）により回動防止の効果を果たす。尚 、その作用効果は図７に示すように実施例１タイプでも同様であり、型枠（Ａ） を取り外した事後処理として、高強度のモルタル成形によるキャップ（１６）を 接着剤（１７）をもって端止体（２）の嵌合穴（３）に固着させることで完全に 密閉され、漏水及び止水効果も合わせ持つコンクリート打設が完了される。

【００１６】 本考案は以上のような各実施例に示した端止体（２）及びジョイントナット（ ５）を組み合わせた型枠端止部材（１）であるが、その組み合わせは一例であり いずれの技術を組み合わせても差し支えないものである。また実施例に示した鉄 筋（４），（４ａ）入り端止体（２）の素材はモルタル材で成されるが、これ以 外にセラミックスや他の素材のものでもよく、特に限定されるものではない。 さらに鉄筋（４），（４ａ）は金属素材一般を含むものとするが、強度さえあ れば合成樹脂材などによる補強筋を鉄筋（４），（４ａ）に代えて埋設形成した ものでも構わない。またジョイントナット（５）のつば縁（７）周部の平カット 部（８）や端面に設ける突部（１０）の数は、一つでも効果を成すもので数は特 に限定しない。

【００１７】

【考案の効果】

以上のような構成とした型枠端止部材であるので、次のような効果や長所を提 供することができるものである。 まず、型枠端止部材の主材となる端止体は、従来一般的に用いられているモル タル材で形成されるものであるが、中央部に嵌合穴を有して筒状に形成される肉 厚内部にリング状の鉄筋ないしコイル鉄筋を埋設した構成としているので、その 強度はきわめて高くなり、例えば強度を高めるセラミックス製のものや陶製など のものに比べて、はるかにそれ以上の強度を有する端止体とすることが可能であ る。また取り扱い時の衝撃や型枠形成の際に締め付ける力や過重が加わっても容 易には破損しにくい耐久性があるものとすることができる。

【００１８】 加えてその端止体に組み合わされるジョイントナットに於いても、つば縁の一 部周部や端面に平カット及び突部いずれかを一体に形成した係止縁を成したもの としているので、型枠に打設したコンクリートの固化後の型枠や支持材の取り外 し時に於ける際でも、凹凸を有する係止縁によりジョイントナットの回動を防止 する作用を得るので、密着させて型枠端止部材をコンクリートに埋設できるもの である。

【００１９】 したがって、各部材が緩むことによる隙間も無くせることに加え、端止体の嵌 合穴を塞ぐ部材も高強度にモルタル成形されたキャップを接着剤で塞ぐことと相 まって、漏水や止水効果を十分に発揮して安定したコンクリート打設作業を仕上 げられる。加えて鉄筋を埋設すると言うユニークな端止体であるにも関わらず、 その製造は取り立てて難しいものではないので、セラミックス製や陶製などはも とより、従来方式のモルタルコーンに比べてもそれほどコストは変わらない。加 えて、端止体が容易に破損しにくいことによる無駄やロスを最小限にすることと 、機能的なジョイントナットの組み合わせ構成により、取り扱いはもとより安価 にして広く提供できる型枠端止部材である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例１を示す一部欠損分解斜視図。

【図２】実施例１の組み合わせ拡大断面図。

【図３】実施例２を示す一部欠損分解斜視図。

【図４】実施例２の組み合わせ拡大断面図。

【図５】実施例１の型枠取り付け例を示す断面図。

【図６】実施例２のコンクリート埋め込み例図。

【図７】実施例１のコンクリート埋め込み完了図。

【符号の説明】

１・・型枠端止部材、２・・端止体、３・・嵌合穴、４
・・鉄筋、４ａ・・コイル鉄筋、５・・ジョイントナッ
ト、６・・ネジ穴、７・・つば縁、８・・平カット部、
９・・係止縁、１０・・突部、１１・・丸セパレータ
ー、１２・・ボルト、１３・・支持材、１４・・締付座
金、１５・・ナット、１６・・キャップ、１７・・接着
剤、Ａ・・型枠、Ｂ・・コンクリート

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート打設に於ける型枠形成部材
   であって、丸セパレーター端部に固定される型枠端止部
   材の主材となる、端止体の肉厚周部内に鉄筋を埋設形成
   したものとし、かつそれに組み合わされるジョイントナ
   ットのつば縁周囲の一部に、平カット部を施した係止縁
   を一体形成したものが、前記端止体に組み合わされるこ
   とを特徴とする鉄筋入りコンクリート型枠端止体。
2. 【請求項２】 端止体の肉厚周部内に形成される鉄筋
   が、渦巻き状を成したコイル鉄筋を埋設した構成であ
   る、請求項１記載の鉄筋入りコンクリート型枠端止体。
3. 【請求項３】 ジョイントナットのつば縁の端面一部に
   設ける係止縁が、突部を成す構成である、請求項１又は
   請求項２に記載の鉄筋入りコンクリート型枠端止体。
4. 【請求項４】 端止体とジョイントナットで形成される
   型枠端止部材に、高強度モルタルキャップを組み合わせ
   た構成である、請求項１〜請求項３の一つの項に記載さ
   れる鉄筋入りコンクリート型枠端止体。