JP3056228U - 溶剤濾過装置及び該装置を備えたドライクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤濾過装置のフィルター交換にさいし、フ
ィルターに付着するスラッジが他の溶剤液に悪影響を及
ぼさないように工夫したもの。 【解決手段】 円筒状カートリッジケースの片端側に溶
剤流入口を、他端側に開閉蓋を、そして外周面には溶剤
取出口を設けると共に、該ケース内の長さ方向中央に対
し開閉蓋側へエレメント締付け用ハンドルを備えたエレ
メント締付け用シャフトを取付け、一方溶剤流入口側に
は上記エレメント締付け用シャフトを取囲むようにして
適当大きさの溶剤流入孔を穿設したエレメント受座を設
け、該エレメント受座と上記開閉蓋のエレメント締付け
ハンドル間に対し、外周面を襞状に形成してなる紙若し
くは不織布エレメントを挟み付け状態に取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は溶剤濾過装置及びドライクリーニング装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ドライクリーニング機械は、洗浄溶剤をベースタンク、溶剤循環ポンプ、溶剤 濾過フィルター、カーボンタンク、衣類洗浄ドラム、ボタントラップ、ベースタ ンクなどからなり、これら機器の配置により連続的に溶剤を溶剤濾過装置で濾過 しながら循環させて衣類を洗浄させるものである。

【０００３】 このさい、溶剤濾過装置に於ける一つの方式は、金網などで作ったスクリーン に、珪藻土（穴が無数にあいた土）を濾過剤として付着させ、濾過層を形成して 汚れた溶剤を該濾過層を通過させる方式で、このものでは濾過層の上に付着した 汚れが一定量に達すると溶剤が通過しなくなるため、溶剤の循環を停止させると 共にスクリーンを揺り、スクリーン上の濾過剤をふるい落すことにより汚れも一 緒に落とし、再度新しい珪藻土の濾過層をスクリーン上に形成させて再び溶剤を 濾過するようになす。

【０００４】 もう一つの方式は、エレメントにより溶剤を濾過するカートリッジフィルター 方式で、衣類洗浄時に出る繊維屑や汚れによるスラッジはエレメントの濾紙外に 溜まり、溜まった汚れが一定量に達すると溶剤が通過しなくなるため、溶剤の循 環を停止させ、エレメントを新しいものと交換しながら溶剤を濾過する方式であ る。

【０００５】 前者の方式である珪藻土を使用するフィルターは、ランニングコストがかから ないため、ドライクリーニング機が出来始めた初期の機械に搭載されていた方式 であるが、取り扱いが面倒で、フィルターを掃除したときに出る、汚れを含んだ 珪藻土がベトベトで、汚れによる異臭がすることなどから、現在ではほとんど使 用されなくなっている。 後者の方式であるカートリッジフィルター方式は、ランニングコストは高くつ くが、取り扱いが簡単なため、現在のドライクリーニング機械の濾過フィルター の主流を占めている。

【０００６】 本出願人は後者の方式で溶剤の流入及び濾過剤の取出しを逆作用で行われるよ うに改良した溶剤濾過装置及びドライクリーニング装置を提案し、これは実用新 案登録第３０５０８８０号として登録された。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上記提案は、ゴミやスラッジが溶剤濾過装置の外部へ排出されたりすることが なく、従ってベースタンクにゴミやスラッジ等が混入したりすることがないため 、悪臭や溶剤の汚れが激減する優れた効果のあるものであるが、本考案は上記に 於けるエレメント内部への溶剤送り込み手段として採用した管軸に穿設する多数 の透孔作業を省略する改良提案である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、円筒状カートリッジケースの片端側に溶剤流入口を、他端側に開閉 蓋を、そして外周面には溶剤取出口を設けると共に、該ケース内の長さ方向中央 に対し開閉蓋側へエレメント締付け用ハンドルを備えたエレメント締付け用シャ フトを取付け、一方溶剤流入口側には上記エレメント締付け用シャフトを取囲む ようにして適当大きさの溶剤流入孔を穿設したエレメント受座を設け、該エレメ ント受座と上記開閉蓋のエレメント締付けハンドル間に対し、外周面を襞状に形 成してなる紙若しくは不織布エレメントを、エレメント締付け用ハンドルとエレ メント押え金具を使用し、ケース内壁面との間に一定の隙間が存在するように締 付け固定し、溶剤をエレメントの内側から外側へ向けて通過させ、ケースとの間 隙から取出すように構成したことを特徴とする溶剤濾過装置及び該溶剤濾過装置 を使用したドライクリーニング装置である。

【０００９】

【考案の実施の形態】

図１は本考案になる溶剤濾過装置の模式縦断面図であって、１は円筒状カート リッジケース、２は該ケースの片端側に設けた溶剤流入口、３は他端側の開閉蓋 、４は外周面側に設けた溶剤取出口である。 而して、５は上記ケース１の長さ方向中央に対して取付けた後述するエレメント の締付け用シャフトであって、開閉蓋側には螺溝ｍが刻設されて締付け用ハンド ル６がエレメント押え金具７と共に取付けられるようになされている。

【００１０】 ８は前記溶剤流入口側で上記エレメント締付け用シャフト５を取囲むようにし て適当大きさの溶剤流入孔ｓを穿設したエレメント受座である。

【００１１】 ９は上記ケース内径より少し小さい外径で外周面を襞状に形成してなる紙若し くは不織布からなるエレメントであって、上記エレメント締付け用シャフト５を 中央に位置させ且つ、図示したエレメントガイドレールの使用でカートリッジケ ース１の内壁に一定の間隙ｗがあるように挿入し、溶剤流入口２側のエレメント 受座８と開閉蓋３の間で開閉蓋３の側からエレメント押え金具７及び締付け用ハ ンドル６を使用して締付け固定するようになすのであり、このさい１０はエレメ ント受座８とエレメント押え金具７との間に介在させた溶剤洩出防止用のパッキ ンである。

【００１２】 図示例ではエレメント９をカートリッジケース１内に２列収納させたものを示 したが、適当列設けるようにすることができ、且つ隣接するエレメント間には同 じくパッキン１０を介在させるようにする。なお、図面で１１は上記溶剤濾過装 置をドライクリーニング装置へ組込んださい、カートリッジケース１内の残留濾 過溶剤をベースタンク内へ排出させるための排出バルブである。

【００１３】 図２は上記の溶剤濾過装置をドライクリーニング装置へ取付けた模式説明図で あって、１２はベースタンク、１３は溶剤汲上げポンプ、１４はカーボンタンク 、１５は衣類洗浄ドラム、１６はボタントラップ、１７は給液切替弁、１８は排 液弁、１９はオーナーフロー管である。

【００１４】 上記に於ける使用状態を説明すると、ポンプスイッチをオンにすると溶剤汲上 げポンプ１３が駆動されてベースタンク１２より溶剤を汲み上げ、溶剤濾過装置 のエレメント９で溶剤を濾過し、カーボンタンク１４にて更に脱臭、脱色を行っ た後、給液切替弁１７を経由してベースタンク１２に戻入し、再び溶剤汲み上げ ポンプ１３にて汲み上げられ、溶剤濾過装置内のエレメント９で濾過される作用 の繰り返しを行いながら待機状態となっている。

【００１５】 次に洗浄する衣類をドラム１５内に入れ、運転スイッチをオンにすると給液切 替弁１７が閉じ溶剤を洗浄ドラム１５に送り、衣類と共にドラム内で回転しなが ら洗浄が行われた後、溶剤はオーバーフロー管１９により汚れ（繊維屑やスラッ ジ）とともに排出され、ボタントラップ１６にて大きなゴミを取り除き、ベース タンク１２に戻入する回路となる。しかして、ベースタンク１２へ戻入する溶剤 は再び溶剤汲み上げポンプ１３により汲み上げられ、溶剤濾過装置内のエレメン ト９で濾過される作用の繰り返されるものとなり、濾過されたスラッジはエレメ ントの表面に付着されることとなる。

【００１６】 洗浄が終了すると、給液切替弁１７が開き洗浄ドラム１５への溶剤の流入を止 めると共に、排液弁１８を開き、洗浄ドラム１５内の溶剤をベースタンク１２内 に戻入させ、また洗浄ドラムを高速回転させて衣類に含まれる溶剤もベースタン ク１２内に戻入させる。

【００１７】 この作用を一定時間行うことにより溶剤濾過装置内のエレメント９の取り替え が必要となってくる。このさい、開閉蓋３を開放し、且つエレメント締付けハン ドル６を逆回動させてこれをエレメント押え金具７と共に取外し、エレメント９ の全体を取出して新しいものと交換するのである。従って、エレメントに付着し ているゴミやスラッジがそのまま外部へ取除かれるものとなる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は以上の通り構成するものであって、溶剤濾過装置に於けるエレメント 内部に対する溶剤の送り込みを溶剤流入口側のケース内に適当大きさの流入口を 中央に穿設したエレメント受座を設けるだけの構成で自由に必要量の送り込みを 可能とすることのできるものであって、製作コストの低減と作業性能の向上に寄 与せしめるものとなる。 なお、ドライクリーニング装置全体としてはベースタンク内にゴミやスラッジ 等が混入したりすることができないため、悪臭や溶剤の汚れが激減する効果があ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に於ける溶剤濾過装置の模式断面説明図
である。

【図２】上記溶剤濾過装置を備え付けたドライクリーニ
ング装置の模式断面説明図である。

【符号の説明】

１ カートリッジケース ２ 溶剤流入口 ３ 開閉蓋 ４ 溶剤取出口 ５ エレメント締付け用シャフト ６ 締付け用ハンドル ７ エレメント押え金具 ８ エレメント受座 ９ エレメント １０ パッキン １２ ベースタンク １３ 溶剤汲上げポンプ １４ カーボンタンク １５ 洗浄タンク １６ ボタントラップ １７ 給液切替弁 １８ 排液弁 １９ オーバーフロー管

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状カートリッジケースの片端側に溶
   剤流入口を、他端側に開閉蓋を、そして外周面には溶剤
   取出口を設けると共に、該ケース内の長さ方向中央に対
   し開閉蓋側へエレメント締付け用ハンドルを備えたエレ
   メント締付け用シャフトを取付け、一方溶剤流入口側に
   は上記エレメント締付け用シャフトを取囲むようにして
   適当大きさの溶剤流入孔を穿設したエレメント受座を設
   け、該エレメント受座と上記開閉蓋のエレメント締付け
   ハンドル間に対し、外周面を襞状に形成してなる紙若し
   くは不織布エレメントを、エレメント締付け用ハンドル
   とエレメント押え金具を使用し、ケース内壁面との間に
   一定の隙間が存在するように締付け固定し、溶剤をエレ
   メントの内側から外側へ向けて通過させ、ケースとの間
   隙から取出すように構成したことを特徴とする溶剤濾過
   装置。
2. 【請求項２】 衣類洗浄用の溶剤を溜るベースタンク、
   溶剤を循環させるポンプ、溶剤濾過装置、カーボンタン
   ク、及び衣類を洗浄する回転ドラムなどを備えてなるド
   ライクリーニング装置に於いて、溶剤濾過装置を請求項
   １記載の構成になしたことを特徴とするドライクリーニ
   ング装置。