JP3054991B2 - 蒸気加熱装置 - Google Patents

蒸気加熱装置

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JP3054991B2 JP5252611A JP25261193A JP3054991B2 JP 3054991 B2 JP3054991 B2 JP 3054991B2 JP 5252611 A JP5252611 A JP 5252611A JP 25261193 A JP25261193 A JP 25261193A JP 3054991 B2 JP3054991 B2 JP 3054991B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱交換器内の被加熱物を
蒸気で加熱するものに関し、特にその加熱温度が100
度C以下程度の比較的低温の場合に適した蒸気加熱装置
に関する。具体的には重合反応に用いられる各種反応釜
や食品の蒸溜装置、濃縮装置、及び、殺菌装置等の蒸気
加熱に用いるものである。これらの場合の被加熱物は少
しの温度上昇によって熱損傷を生じてしまう場合が多
く、加熱温度を精度良く維持する必要があった。
【0002】
【従来技術】従来の蒸気加熱装置として例えば反応釜の
例が実開平4−87736号公報に示されている。これ
は、熱交換器としての反応釜の内周面に熱伝導率の異な
るグラスライニング層を設けたものであり、反応釜の上
部と下部で温度勾配を生じても、その温度勾配に応じて
ライニング層の熱伝導率を変化させることによって反応
釜において部分的な加熱ムラを防止して加熱温度を精度
良く維持するものである。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】上記従来の加熱装置
では、反応釜の内周面に熱伝導率の異なるライニング層
を形成したために、熱伝導率の分布状態を変更して加熱
条件を変化させるためにはライニング層を一旦除去して
再度異なった状態でライニング層を形成する必要があ
り、その除去と再形成に多くの労力と経費を要する問題
があった。特に最近の反応釜等の加熱装置においては、
1個の装置で多種多様の被加熱物を加熱処理しなければ
ならないケ―スが多くなってきており、生産性向上の大
きな障害となっていた。
【0004】従って本発明の技術的課題は、加熱条件の
変更が少ない労力と経費で簡単にできると共に、加熱ム
ラを生じることがなく精度良く加熱温度を維持すること
のできる蒸気加熱装置を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸気加熱装置の
構成は次の通りである。熱交換器と、該熱交換器のほぼ
全周を覆う蒸気室と、該蒸気室に加熱蒸気を供給する蒸
気管とから成るものにおいて、熱交換器と蒸気室との間
複数の空間室を形成し、該複数の空間室にそれぞれ
伝導率の異なる介在物を供給する介在物供給管を接続し
たものである。
【0006】
【作用】熱交換器と蒸気室との間に空間室を形成して介
在物供給管を接続したことにより、空間室に熱伝導率の
異なる任意の介在物を供給することができる。蒸気室で
温度勾配が生じた場合、温度の高い部分には熱伝導率の
低い介在物を供給し、温度の低い部分には熱伝導率の高
い介在物を供給することにより、熱交換器への加熱ムラ
を無くすことができる。介在物としては、水や熱媒や冷
媒やオイルや空気等の流体から銅やアルミニウムやカ―
ボン等の粉末状のものを、加熱条件に応じて適宜選定す
ることができる。介在物供給管を介して空間室へ任意の
熱伝導率の介在物を供給することができ、蒸気室と熱交
換器との間の熱伝達を簡単に変更して、加熱条件を変え
ることができる。
【0007】
【実施例】図示の実施例を詳細に説明する。本実施例に
おいては、熱交換器として反応釜1を用いた例を示す。
反応釜1と蒸気室としてのジャケット部2と、ジャケッ
ト部2と反応釜1との間に形成した空間室3,4とで蒸
気加熱装置を構成する。ジャケット部2には弁5を介し
て蒸気管6を接続する。
【0008】熱交換器としての反応釜1は、従来のもの
と同様に加熱対象の被加熱物入口7と被加熱物出口8及
び撹拌器9とを有している。ジャケット部2の下部には
加熱を行なった蒸気が凝縮して復水となり排出される復
水出口10が設けてある。
【0009】反応釜1のほぼ全周を覆うジャケット部2
の内側に形成した空間室3,4は、密閉状の空間とし、
空間室3には弁11を介して介在物供給管12を接続
し、空間室4にも同じく弁13を介して介在物供給管1
4を接続する。本実施例においては、空間室3,4を反
応釜1の上下に2ケ所設けた例を示したが、2ケ所以上
とすることもできる。
【0010】ジャケット部2の下部の復水出口10をス
チ―ムトラップ15と弁16とを介してエゼクタ―式真
空ポンプ22と接続する。エゼクタ―真空ポンプ22
は、ノズル部23とディフュ―ザ24から成るエゼクタ
―25と、タンク26と、渦巻きポンプ27とで構成す
る。タンク26の下部と渦巻きポンプ27の吸込み口を
接続し吐出口をエゼクタ―25のノズル部23と接続す
る。エゼクタ―式真空ポンプ22はタンク26内の流体
を渦巻きポンプ27で循環してノズル部23へ通過させ
ることにより、ノズル部23で吸引力を生じるものであ
る。渦巻きポンプ27の吐出口と連設する循環路に弁2
8を介して余剰液排出通路29を接続する。タンク26
には、内部の液位を検出するための液位センサ―30,
31と、液温を検出する温度センサ―32を取り付ける
と共に、上部には冷却水供給管33を接続する。
【0011】次に作用を説明する。反応釜1内の被加熱
物を加熱する場合、エゼクタ―式真空ポンプ22を駆動
させてジャケット部2内を減圧状態として、弁5を開弁
して加熱蒸気を供給する。ジャケット部2内は大気圧以
下の減圧状態であり100度C以下程度の低温蒸気とな
り被加熱物を加熱することができる。加熱温度の調節
は、エゼクタ―式真空ポンプ22のノズル部23を通過
する流体の温度をタンク26内へ供給する冷却水の量を
調整して吸引力を制御することにより行なうことができ
ると共に、供給蒸気の温度を弁5の開度を調整して行な
うことができる。加熱することにより凝縮した復水は、
スチ―ムトラップ15または弁16を介してエゼクタ―
式真空ポンプ22のエゼクタ―25に吸引され、タンク
26に至る。
【0012】ジャケット部2内で温度勾配を生じ、例え
ばジャケット部2の上部は高温で下部は低温となった場
合は、弁11を介して空間室3には熱伝導率の低い介在
物を供給し、また弁13を介して空間室4には熱伝導率
の高い介在物を供給することにより、反応釜1の上部で
は加熱蒸気の熱が伝わりにくくなり、反対に下部では熱
が伝わり易くなって、加熱ムラを防止することができ
る。空間室3,4の介在物を別の熱伝導率を有する物質
に変更する場合は、図示はしていないが空間室3,4内
の介在物をポンプや排出管等で吸引排除して新たな介在
物を供給することにより変更することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、加熱条件の変更が、任
意の介在物の供給により変更することができ、少ない労
力と経費でもって簡単に行なうことができると共に、蒸
気室の温度勾配に応じて熱伝導率を調節することがで
き、熱交換器への加熱ムラを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気加熱装置の実施例の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 反応釜 2 ジャケット部 3,4 空間室 6 蒸気管 12,14 介在物供給管 15 スチ―ムトラップ 22 エゼクタ―式真空ポンプ 23 ノズル部 25 エゼクタ― 26 タンク 27 渦巻きポンプ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器と、該熱交換器のほぼ全周を覆
    う蒸気室と、該蒸気室に加熱蒸気を供給する蒸気管とか
    ら成るものにおいて、熱交換器と蒸気室との間に複数の
    空間室を形成し、該複数の空間室にそれぞれ熱伝導率の
    異なる介在物を供給する介在物供給管を接続したことを
    特徴とする蒸気加熱装置。
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