JP3054214B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents

化粧シートの製造方法

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JP3054214B2
JP3054214B2 JP3055843A JP5584391A JP3054214B2 JP 3054214 B2 JP3054214 B2 JP 3054214B2 JP 3055843 A JP3055843 A JP 3055843A JP 5584391 A JP5584391 A JP 5584391A JP 3054214 B2 JP3054214 B2 JP 3054214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然石やセラミック砕
片等を使用した化粧シートの製造に関し、特に、生産性
の向上を図った上記化粧シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から天井材,壁材,床材等の表面材
として広く使用されている合成樹脂製の化粧シートにお
いて、最近のデザインの多様化の要請や天然物指向の高
まり等に応えるべく、天然石を砕いた細石を熱可塑性合
成樹脂からなる透明又は半透明のシートに埋設して構成
した細石シートが開発され、実用化されつつある。
【0003】この細石シートは、従来、型内に熱可塑性
合成樹脂板を入れ、この上に天然細石を並べ、加熱して
該合成樹脂板と天然細石を一体化する等により製造され
ていた。また、最近になって、離型紙上に熱可塑性合成
樹脂のゾルを塗布し、該ゾル上に天然細石を載置し、加
熱して該ゾルをゲル化させて天然細石を仮止めしてお
き、該ゲル化シートを適宜長さに裁断し、この裁断され
たシートの上側に、熱可塑性合成樹脂の透明又は半透明
カバーシートを、下側に、上から順に接着用の透明又は
半透明フィルム,熱可塑性合成樹脂の着色シート,ガラ
ス不織布等の補強シート,熱可塑性合成樹脂の保形シー
トを置き、これを加熱加圧して融着一体化し、表面側が
カバーシートで覆われ、裏面側に着色,補強,保形の各
シートが積層された細石シートを製造する方法が提案さ
れた(特開平1−154941号公報参照)。
【0004】
【発明が解決するための課題】しかし、上記の先提案の
製造方法においては、カバーシート,裁断されたゲル化
シート,着色シート,補強シート,保形シートという5
枚ものシートを融着一体化しなければならず、加熱加圧
の際の熱量,圧力を大きくする必要があり、エネルギー
コストが高いという問題がある。
【0005】また、上記の先提案の製造方法は、表面平
滑な細石シートを製造するには必ずしも適したものとは
言えない。何故なら、表面平滑な細石シートにするに
は、裁断されたシートの上側に置く透明又は半透明カバ
ーシートを天然細石が完全に埋没する程度に厚くしなけ
ればならず、材料コストは元より、加熱加圧時のエネル
ギーコストが高騰するからである。
【0006】加えて、上記の5枚のシートの夫々を予め
調製しておく必要もあり、準備期間が長く、かつ必要な
5枚のシートの全てが調製されるまでの各シートの保管
スペースをも要し、生産性が必ずしも良好とはいえな
い。
【0007】更に、細石シートの裁断工程を必須として
おり、生産工程が複雑であり、生産性が必ずしも良好と
はいえない。
【0008】本発明は、これらの点を考慮し、エネルギ
ーコストや材料コストの低減、準備期間の短縮や保管ス
ペースの縮小、及び生産工程の簡略化を図った、表面が
平滑な化粧シートを製造する方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、上
記目的を達成するために、透明又は半透明の合成樹脂層
上に細石層を設けてなる細石シートを、透明又は半透明
合成樹脂シートを介して不透明合成樹脂シートに、該細
石層が該不透明合成樹脂シート側に位置するように重ね
合わせ、次いで加熱加圧することを特徴とする(以下、
第1発明)
【0010】更に、本発明の製造方法は、基材上に不透
明合成樹脂ペーストを塗布し、該ペーストを加熱ゲル化
した後、該不透明合成樹脂のゲル化層に、透明又は半透
明の合成樹脂層上に細石層を設けてなる細石シートを、
透明又半透明合成樹脂シートを介して該細石層が該不透
明合成樹脂のゲル化層側に位置するように重ね合わせ、
次いで加熱加圧することを特徴とする(以下、第2発
明)
【0011】先ず、第1発明においては、透明又は半透
明の合成樹脂層上に細石層を設けた細石シートを調製す
る。この細石シートは、前述の先提案の場合と同様に、
合成樹脂のペーストを離型紙上に塗布し細石を載置し加
熱ゲル化して細石を仮止めしたものを使用してもよい
し、また合成樹脂をシート化して調製した透明又は半透
明のシート上に細石を載置し加熱加圧して調製したもの
を使用してもよい。
【0012】上記の透明又は半透明の合成樹脂層を構成
する合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと
エチレン,酢酸ビニル,ビニルエーテル,マレイン酸エ
ステル,(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸エス
テル,アクリロニトリル,ウレタン等との共重合樹脂等
の塩化ビニル系樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂、ウレタン樹脂等が使用される。これらの合
成樹脂には、可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチル
ヘキシルエステル(DOP)、フタル酸ジイソノニルエ
ステル(DINP)、フタル酸ブチルベンジルエステル
(BBP)、フタル酸ジイソデシルエステル(DID
P)、フタル酸ジウンデシルエステル(DUP)等に代
表される一般のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸
ジオクチルエステル(DOA)、セバシン酸ジオクチル
エステル(DOS)、アゼライン酸ジオクチルエステル
(DOZ)に代表される一般の脂肪酸エステル系可塑
剤、トリメリット酸トリオクチルエステル(TOTM)
に代表されるトリメリット酸エステル系可塑剤、トリク
レジルフォスフェート(TCP)等に代表されるリン酸
エステル系可塑剤、ポリプロピレンアジペート等に代表
されるポリエステル系可塑剤等の高分子系可塑剤、エポ
キシ系可塑剤、塩素化パラフィン等の一般の可塑剤が、
単独で又は複数混合して添加される。上記の合成樹脂と
可塑剤との混合割合は、合成樹脂や可塑剤の種類に応じ
て適宜最適な割合が選定されるが、一般には、合成樹脂
100重量部に対して可塑剤10〜100重量部程度と
することが好ましい。また、これらの可塑剤の他に、必
要に応じて着色剤,安定剤,滑剤,防汚剤,防黴剤,難
燃剤等の添加剤を適量添加してもよい。
【0013】また、上記の細石としては、天然細石の他
に、陶磁製のタイル,食器等の砕片,着色又は無着色の
透明,半透明,不透明のガラスの砕片,その他のセラミ
ックの砕片,硬質プラスチックの砕片,コンクリートの
砕片,貝殻の砕片等の単独又は2種以上を混合して使用
することができる。また、これらの細石と共に、各種の
色に着色された合成樹脂粒を併用することもできる。
【0014】この細石層の細石量は、本発明の製品シー
トにおいて、細石層を通して、該細石層の下側に存在す
る透明又は半透明合成樹脂層、後述する透明又は半透明
合成樹脂シート及び不透明合成樹脂層が透視できる程度
の量とすることが好ましく、この量は細石の粒径や細石
の種類により異なるが、一般には、粒径0.5〜5mm
程度の天然石において400〜1300g/m程度が
目安とされる。また、上記の透明又は半透明合成樹脂層
の厚さは、この細石層に使用される細石の粒径や細石量
により異なるが、余り薄過ぎると、製品シートの表面に
細石層を露出させてしまい表面平滑にならないばかりで
なく、細石層の保護効果や製品シートの表面強度の向上
効果等が得られず、余り厚過ぎてもこれらの効果が飽和
してしまい不経済となるため、上記の粒径の天然石を上
記程度の量で使用する場合は、200〜800μm程度
を目安とすることが好ましい。
【0015】以上の細石シートを、細石層側に位置させ
て重ね合わせる不透明合成樹脂シートは、無着色,着
色、発泡,非発泡の何れであってもよく、また流れ模様
や玉砂利等の天然物に似せた模様を現出させたものであ
ってもよい。この不透明合成樹脂シートは、合成樹脂を
予めシート化したものを使用する。不透明合成樹脂シー
トの厚さは、特に限定するものではなく、使用目的等に
応じて適宜選定される。
【0016】不透明合成樹脂シートを構成する合成樹脂
としては、上記の細石シートを構成する合成樹脂と同様
の合成樹脂を使用することができ、該合成樹脂に、上記
の細石シートの合成樹脂に使用したものと同様の可塑
剤、及び必要に応じて充填剤,着色剤,安定剤,防黴
剤,難燃剤等の添加剤が添加される。
【0017】この充填剤としては、例えば増量のための
炭酸カルシウム,クレー,シリカ,シラスバルーン,ガ
ラスバルーン,木粉,コルク粉等、耐摩耗性や防滑性を
与える目的で珪砂粒,ケイ酸化合物粒,ガラス粉末,陶
磁器粉砕粒,カーボランダム,アランダム等の硬質粉粒
体、寸法安定性を与える目的でガラス繊維,チタン酸カ
ルシウム短繊維,MOS(カルシウムメタシリケート)
短繊維等の無機物短繊維、帯電防止性を与える目的でカ
ーボンブラック粉末,炭素繊維,金属繊維(チタン繊維
等),ガラス繊維その他の無機繊維や有機繊維の表面に
金属や金属酸化物又は他の導電性物質を被覆したもの,
導電性酸化チタン(酸化チタン表面をSn−Sb系化合
物で処理したもの)粉末,金属(銀,銅,ニッケル,ア
ルミニウム,ステンレス,鉄等)の粉末や箔細片等の導
電性材料が使用できる。これらの充填剤、あるいは安定
剤,着色剤,滑剤,発泡剤,防黴剤,難燃剤等の他の添
加剤は、使用目的に応じて適当量が添加される。
【0018】第1発明では、上記のように、細石シート
を、後述する透明又は半透明合成樹脂シートを介して
石層が不透明合成樹脂シート側に位置するようにして不
透明合成樹脂シートに重ね合わせ、次いで加熱加圧す
る。このときの温度及び圧力は、これらのシートが溶融
一体化する(細石シートの透明又は半透明合成樹脂層が
ゲル化層の場合も、該層が溶融して、後述する透明又は
半透明合成樹脂シートと一体化し、かつ該透明又は半透
明合成樹脂シートと不透明合成樹脂シートと一体化す
る)と共に、細石層が不透明合成樹脂シート中に埋設さ
れる程度とすることが重要で、使用する合成樹脂の種類
上記シートの厚さ、あるいは細石の種類や細石量等に
より最適の温度,圧力が選定される。
【0019】また、第1発明において、上記の細石シー
トを不透明合成樹脂シートに重ね合わせる際に両シート
間に介在させる透明又は半透明合成樹脂シートを構成す
る合成樹脂としては、上記の細石シートの透明又は半透
明合成樹脂層と同様のものが使用できるが、予めシート
状に形成したものを使用することが好ましい。何故な
ら、この透明又は半透明合成樹脂シートは、製品シート
において、上記の細石シートの細石が浮き上がって見え
る効果(以下、浮き上がり効果)を発現させるために介
在させるもので、予めシート状に形成していないペース
ト状で使用する場合は、この上に載置される細石が自重
によりペーストを押し退けて沈み込み、細石層の下側に
透明又は半透明の合成樹脂層が形成されない場合があ
り、従って細石の浮き上がり効果を発現しないことがあ
るからである。この沈み込み現象は、ペーストを予めゲ
ル化しておいても、後述する加熱加圧の際に生じること
がある。また、この細石の沈み込み現象をより効果的に
防止するために、上記の合成樹脂は、上記のペーストの
かたちではなく、サスペンジョンポリマーのかたちで使
用することが好ましい。
【0020】この透明又は半透明合成樹脂シートは、1
枚を使用してもよいし、複数枚を重ねて使用してもよい
が、厚さは余り薄過ぎると、上記の浮き上がり効果が発
現せず、余り厚過ぎても、浮き上がり効果は飽和して不
経済となるため、全体で200〜800μm程度とする
ことが好ましい。また、複数枚を使用する場合は、全体
を着色層としてもよいし、何れか1枚を着色層とするこ
ともできる。
【0021】なお、第1発明において、不透明合成樹脂
シートの下側に、補強,保形,導電性付与等のために、
例えば、ガラス繊維,有機繊維,パルプ等の1種以上を
使用した不織布,織布,編布、これらに合成樹脂を塗
布,含浸したもの、カーボン粉末や金属粉末を含有する
合成樹脂シートをラミネートした導電性基材、導電性繊
維を使用した導電性の不織布,織布,編布等からなる基
材、あるいは該基材の下側に更に合成樹脂シートを積層
した基材等を積層してもよい。これらの基材は、上記の
加熱加圧の前の適宜の時期に不透明合成樹脂シートの下
に置き、加熱加圧により上記の両シートと共に溶融一体
化してもよいし、加熱加圧の後に接着剤等により不透明
合成樹脂シートの下に接着させてもよい。
【0022】また、第1発明において、不透明合成樹脂
シートとして、該シートの調製の際に、該シートの表面
側(すなわち、上記の介在シートと接触する側)に若干
量の細石を埋設して細石層を設けたものを使用すること
もできる。
【0023】次に、第2発明について詳述する。第2発
明では、上記のような基材上に、第1発明の不透明合成
樹脂シートと同様の合成樹脂からなるペーストを、ドク
ターナイフ法,ロールコート法,グラビアコート法等の
一般的な塗工法により塗工する。このときの塗布厚さ
は、製品シートとなったときの不透明合成樹脂層の厚さ
が上記の第1発明の不透明合成樹脂シートの厚さと同程
度となるような厚さとすればよい。
【0024】塗布の後、一旦加熱しゲル化する。このゲ
ル化層の上に、第1発明と同様の細石シートを、第1発
明の場合と同様に、透明又は半透明合成樹脂シートを介
して細石が該ゲル化層位置するようにして重ね合わ
せ、次いで加熱加圧する。このときの温度及び圧力は、
上記の不透明合成樹脂のゲル化層が(細石シートの透明
又は半透明合成樹脂層がゲル化層の場合は、この層も)
透明又は半透明合成樹脂シートと溶融一体化し、かつ透
明又は半透明合成樹脂シートと細石シートと溶融一体
化し、かつ細石層が溶融した不透明合成樹脂層中に埋設
される程度とすることが重要であり、第1発明の場合と
同様に、使用する合成樹脂の種類やゲル化層の厚さ,
明又は半透明合成樹脂シートの厚さ,細石シートの厚
さ、あるいは細石の種類や細石量等により最適の温度,
圧力が選定される。
【0025】また、第2発明においても、上記の細石シ
ートを不透明合成樹脂ゲル化層に重ね合わせる際にこれ
の間に介在させる透明又は半透明合成樹脂シート
第1発明の場合の介在シートと同様に、細石の浮き上が
り効果を発現させるためのもので、細石シートの透明又
は半透明合成樹脂層と同様のものが好ましく使用でき、
1枚でも複数枚を重ねて使用してもよく、厚さも全体で
200〜800μm程度とすることが好ましい。
【0026】なお、第2発明においても、第1発明の場
合と同様に、不透明合成樹脂ゲル化層の表面側(すなわ
、上記の介在シートと接触する側)に若干量の細石を
埋設して細石層を設けておいてもよい。
【0027】
【作用】第1,第2発明では、細石シートの細石層と反
対側の表面平滑な透明又は半透明合成樹脂層が、製品シ
ートの表面層となる。従って、改めて表面を平滑にする
ための透明又は半透明な層を形成したり、シートを積層
する必要がなく、前述した先提案の製造方法に比して、
加熱加圧時の熱量や圧力を、この分だけ省力化する作用
がある。また、予め調製し、保管しておくシート数も、
この分だけ少なくなり、準備期間や保管スペースを削減
する作用がある。
【0028】また、第2発明では、基材上に不透明合成
樹脂ペーストを塗布して不透明合成樹脂層を形成するた
め、基材と不透明合成樹脂層との高い接着強度が容易に
得られるという作用がある。
【0029】更に、第1,第2発明において、細石シー
トと不透明合成樹脂シート又は不透明合成樹脂層との間
に透明又は半透明合成樹脂シートを介在させるため、
られる製品シートは、上記の細石シートの透明又は半透
明合成樹脂層を通して細石層を目視する際に、その理由
は必ずしも明らかではないが、細石層の下側に存在する
透明又は半透明の介在シートと細石層の上側に存在する
透明又は半透明の層による光りの屈折作用と推測される
理由により、あたかも細石層が不透明合成樹脂シート又
は不透明合成樹脂層の上方に浮き上がったように錯覚さ
れ、立体感や自然感に富むと共に、細石が浮き上がって
見えるという特殊な装飾効果を有する化粧シートとな
る。
【0030】加えて、第1,第2発明とも、長尺物の生
産が可能であり、工程途上での裁断工程は不要となり、
生産工程が簡略化して生産性を向上する作用がある。す
なわち、自然感に富むものとするためには天然細石を多
量に使用する必要があり、天然細石量が多くなれば製品
シートの接着強度が低下し、長尺物をロールに巻き取る
際に亀裂が発生することがある。これに対し、第1,第
2発明では、上記のような細石層の浮き上がり効果や、
不透明合成樹脂シート又は不透明合成樹脂層として流れ
模様や玉砂利等の天然物に似せた模様を現出させたもの
を使用することにより、細石の使用量を少なくしても自
然感に富む製品シートを製造することができるし、また
細石として硬質プラスチックの砕片や着色合成樹脂粒等
を併用することにより接着強度の低下を抑えることがで
きるため、製品シートをロールに巻き取っても亀裂の発
生等が防止される。
【0031】なお、上記の細石シートの細石層と反対側
の表面平滑な透明又は半透明合成樹脂層は、製品シート
の表面補強層や保護層としても作用し、製品シートの表
面強度,防汚性,除汚性等をも向上させる作用がある。
【0032】
【実施例】参考例1 図1に示す態様で化粧シート作製した。すなわち、厚
さ2mmの着色不透明塩化ビニル系スクラップシート1
上に厚さ0.3mmのガラス繊維不織布2を載置して基
材とし、該基材のガラス繊維不織布2上に、表1に示す
樹脂組成物により調製した厚さ0.5mmの着色不透明
合成樹脂シート3を載置し、この上に細石シート4を細
石層4aが着色不透明合成樹脂シート3と接触するよう
に重ね合わせた。なお、細石シート4は、表2に示す樹
脂組成物により調製した厚さ0.3mmの透明合成樹脂
シート4b上に、粒径0.5〜2.5mmの天然細石を
850Kg/mの量で散布し、埋設して調製したもの
を使用した。
【0033】上記のようにして載置した無着色不透明合
成樹脂シート1,ガラス繊維不織布2,着色不透明合成
樹脂シート3及び細石シート4の4枚のシートを、プレ
ス機にて、温度150℃、圧力12Kg/cm2で3分
間加熱プレスして、各シートを熱溶融して、化粧シート
を製造した。
【0034】
【表1】 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂 100重量部 (酢酸ビニル含有量15重量%, 平均分子量560) ジオクチルフタレート 33重量部 エポキシ化大豆油 2重量部 Ba−Zn系安定剤 3重量部 炭酸カルシウム 250重量部 薄茶色顔料 5重量部
【0035】
【表2】 ポリ塩化ビニル 100重量部 ジ−2−エチルへキシルフタレート 40重量部 Ba−Zn系安定剤 3重量部
【0036】上記のようにして製造された製品シートの
表面は高い平滑性を有しており、また該製品シートを、
細石シート4の透明合成樹脂層4bから目視したとこ
ろ、該透明合成樹脂層4bを通して、天然細石層4a及
び着色不透明合成樹シート3を認識することができた。
【0037】実施例 図2(A)に示すように、参考例1の着色不透明合成樹
脂シート3と細石シート4との間に、参考例1の表2に
示す配合の樹脂組成物で調製した厚さ0.3mmの透明
合成樹脂シート41を介在させる以外は、参考例1と同
様にして図2(B)に示す構成の第1発明に係る化粧シ
ートを製造した。すなわち、この製品シートは、透明合
成樹脂層41と4bとの間に細石層4aが存在してお
り、表面は参考例1と同様に高い平滑性を有していた。
また、この製品シートを、透明合成樹脂層4bから目視
したところ、該透明合成樹脂層4bを通して、天然細石
層4a及び着色不透明合成樹シート3を認識することが
でき、しかも該天然細石層4aの個々の細石が着色不透
明合成樹脂シート3上に浮き上がって見えた。
【0038】参考例2 図3に示すように、参考例1と同様の無着色不透明合成
樹脂シート1をヒーターH1で150℃に加熱し、また
参考例1と同様の着色合成樹脂シート3をヒーターH2
で150℃に加熱し、これら両シート1,3の間に参考
例1と同様のガラス繊維不織布2を挿入し、2本のロー
ルR1間を通して5Kg/cmの圧力を加えて積層し
た。一方、離型紙11上に実施例1の表2に示す配合の
樹脂組成物のペーストPをドクターナイフDで240g
/mの塗布量で塗布し、参考例1の細石シート4に使
用したものと同様の天然細石4aを850g/mとな
るように散布し、加熱炉H3中で180℃に加熱してゲ
ル化した後、離型紙11を剥離して細石シート4を調製
した。
【0039】この細石シート4を離型紙11の剥離の
後、直ちにヒーターH4で150℃にに加熱すると共
に、上記の無着色不透明合成樹脂シート1,ガラス繊維
不織布2及び着色不透明合成樹脂シート3を積層させた
ものをヒーターH5で150℃に加熱し、両者を細石シ
ート4の細石層4aと着色不透明合成樹脂シート3とが
接触するように重ね合わせた後、ロールR2とベルトB
との間を通して12Kg/cm2の圧力を加えて溶融一
体化して、化粧シートを製造した。
【0040】上記のようにして製造された製品シートの
表面は参考例1の製品シートと同様に高い平滑性を有し
ており、また該製品シートを、細石シート4の透明合成
樹脂層から目視したところ、参考例1の製品シートと同
様に該透明合成樹脂層を通して、天然細石層4a及び着
色不透明合成樹シート3を認識することができた。
【0041】実施例 図3の点線で示すように、2本のロールR1を通過した
後の無着色不透明合成樹脂シート1,ガラス繊維不織布
2及び着色不透明合成樹脂シート3の3枚のシートから
なる積層体に、実施例で使用したものと同様の透明合
成樹脂シート41を着色不透明合成樹脂シート3に溶融
一体化する以外は、参考例2と同様にして化粧シートを
製造した。
【0042】この製品シートは、実施例で得られた製
品シート(図2の(B)に示す)と同様の構成で、透明
合成樹脂層41と4bとの間に細石層4aが存在してお
り、表面は実施例1と同様に高い平滑性を有していた。
また、この製品シートを、透明合成樹脂層4bから目視
したところ、該透明合成樹脂層4bを通して、天然細石
層4a及び着色不透明合成樹シート3を認識でき、しか
も該天然細石層4aの個々の細石が着色不透明合成樹脂
シート3上に浮き上がって見えた。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、第1,第2発明に
よれば、細石シートの透明又は半透明合成樹脂層が製品
シートの表面層となるため、表面平滑な化粧シートを製
造する場合に、従来のこの種シートの製造方法に比し
て、生産工程が簡略化する上、材料が少なくて済み、か
つ加熱加圧時のエルギーを大幅に減少することができ、
生産性を大幅に向上させることができる。
【0044】しかも、第1,第2発明とも、長尺物の生
産ができるため、前述した先提案の方法のような製造途
中での裁断工程を不要とすることができ、生産工程を一
層簡略化することができる。
【0045】また、第2発明においては、製品シートの
各層(シート)間の接着強度を向上させることができ
る。
【0046】更に、第1,第2発明において、細石シー
トと不透明合成樹脂シート又は不透明合成樹脂層の間に
透明又は半透明合成樹脂シートを介在させているため
細石シートの細石層の浮き上がり効果を得ることがで
き、自然感と意匠性に極めて富む化粧シートを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の化粧シートを製造する法を示す説明
図である。
【図2】(A)は本発明の製造方法の実施例を示す説
明図、(B)はこの実施例で得られる製品シートの構成
を模式的に示す図である。
【図3】本発明の製造方法の他の実施例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
3 不透明合成樹脂シート 4 細石シート 4a 細石 H1〜H5 ヒーター R1,R2 加圧ロール B ベルト P,P1 合成樹脂ペースト D,D1 ドクターナイフ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明又は半透明の合成樹脂層上に細石層
    を設けてなる細石シートを、透明又は半透明合成樹脂シ
    ートを介して不透明合成樹脂シートに、該細石層が該
    透明合成樹脂シート側に位置するように重ね合わせ、次
    いで加熱加圧することを特徴とする化粧シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 基材上に不透明合成樹脂ペーストを塗布
    し、該ペーストを加熱ゲル化した後、該不透明合成樹脂
    のゲル化層に、透明又は半透明の合成樹脂層上に細石層
    を設けてなる細石シートを、透明又は半透明合成樹脂シ
    ートを介して該細石層が該不透明合成樹脂のゲル化層
    に位置するように重ね合わせ、次いで加熱加圧すること
    を特徴とする化粧シートの製造方法。
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