JP3053761U - スリッパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 少ない部材数で容易に縫合形成でき尚かつ見栄えも良
く、強度にも優れたスリッパを提供する。 【構成】 表地と裏地とを重ね、裁断した形状に見合
わせて縫合し、その後裏返すのみで縫い目が内側に隠れ
る見栄えの良いスリッパが容易に作成でき、形状記憶繊
維の採用でへたりや変形に対する強度も向上するよう構
成されたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スリッパの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のスリッパで、底部と甲部とが一体に形成されたものには、例えば登録実 用新案第２５８８８号のものが知られており、また、出願人の考案に係わる実願 昭６２−１０７１８８号がある。 前者のスリッパは布地の底部上に底板を重ねて、各甲部半片を互いに内側へ湾 曲し、先端縁を縫合して形成されているために、底板が露出して見栄えが劣り、 また、強度的にもへたり等の変形を起こしやすいといった問題点があった。 そこで、後者のスリッパでは外側布地上に熱可塑性フィルム、底板および内側 布地を順に重合させ、各甲部半片を互いに内側へ湾曲して先端縁を縫合すること により形成し、さらに全体を加熱してフィルムを溶融させて、底板を挟んで外側 布地と内側布地を一体的に構成することにより成型品のへたりや変形を防止する 効果を獲得しているものではあるが、構成部材を多く必要とし、工程も複雑化す るために製造コストを上昇させる問題点ももたらすところとなった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、少ない部材数で容易に縫合形成でき尚かつ 見栄えも良く、相当の強度を有し、さらに僅かの工程を付加することにより一層 見栄え、強度とも向上するスリッパを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

布地とシート状の樹脂発泡材とを貼り合わせて表地とし、布地と形状記憶繊維 の布地とを貼り合わせたものを裏地とする。表地と裏地は共に、足裏の形に似せ た底地中央部と、甲部となる半片を底地中央部の左右前半部分に連設した形状、 即ち底地中央部は先端を円弧状とし、左右の甲部半片はそれぞれ底地中央部の円 弧起端から先端中央に至る弧状に合致する形状に裁断し、表地と裏地とを重ね、 左右の甲部半片を互いに内方へ湾曲させ、対向する端縁を縫合し、さらに各甲部 半片先端の弧形状端縁と底地中央部の先端とを対向させて縫合し、しかる後に裏 返して縫い目が内側に隠れるように形成する。またさらに、裏地の底地中央部に 見合った形状に裁断した樹脂軟質発泡材を中底芯として貼り合わせた後に表地と 重ねて前述同様に縫合形成し、端縁を布テープで縫合処理し、さらに底材を表地 底に接着ないしは縫合加工して形成する。

【０００５】

【作用】

表地と裏地とを重ね、裁断した形状に見合わせて縫合し、その後裏返すのみで 縫い目が内側に隠れる見栄えの良いスリッパが容易に作成でき、形状記憶繊維の 採用でへたりや変形に対する強度も向上する。また、中底芯を加えたり、スリッ パ端縁を布テープで縫合処理したり、さらに底材を表地底に接着ないしは縫合加 工して形成するわずかな工程を付加するのみで、その見栄えと強度は格段に優れ たものとなる。

【０００６】

【実施例】

以下、本案の一実施例について説明する。 （ア）第１図は布地とシート状の樹脂発泡材とを貼り合わせた表地であり、 が底地中央部、およびはそれぞれ底地中央部に連設された左右の甲部半片で ある。 （イ）第２図は布地と形状記憶繊維の布地とを貼り合わせた裏地であり、表地 と同様にが底地中央部、およびはそれぞれ底地中央部に連設された左右の 甲部半片である。 （ウ）第３図は表地の樹脂発泡材側と裏地の形状記憶繊維側とが接するように 重ね合わせた状態を示すが、この時左右の甲部半片を互いに内方へ湾曲させ、対 向する端縁ａｂを縫合し、ついで左右甲部半片先端の弧形状端縁ｃ１，ｃ２と底 地中央部の先端とを対向させてｓ１からｓ２へと縫合する。 （エ）残りの端縁ｄを縫合し、全体を裏返して縫い目が内側に隠れるように整 える。 以上の構成により、少ない部材数で容易に縫合形成でき尚かつ見栄えも良く、 強度にも優れたスリッパが実現される。

【０００７】

【考案の効果】

本案は以上のような構成により次の数々の効果がある。 （ア）少ない部材数の構成であるからコスト低減ができる。 （イ）縫合が容易なので伸縮性に乏しい生地部材等も広く採用できる。 （ウ）形状記憶繊の採用により、変形やへたりに対する強度や復元性も向上す る。 （エ）外底に付加する底材により、水気の多い場所での使用にも適するスリッ パを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【第１図】本考案の一実施例のスリッパ表地の断裁平面
図

【第２図】本考案の一実施例のスリッパ裏地の断裁平面
図

【第３図】本考案の一実施例の断裁したスリッパ表地と
断裁したスリッパ裏地とを重ね合わせた状態を示す平面
図

【第４図】本考案の一実施例の完成品の斜視図。

【第５図】本考案の外底とスリッパ端縁を布テープで縫
合処理した実施例の斜視図。

【第６図】本考案の中芯底を付けた実施例の断面図。

【符号の説明】 スリッパ表地の底地中央部 スリッパ表地の甲部半片 スリッパ表地の甲部半片 スリッパ裏地の底地中央部 スリッパ裏地の甲部半片 スリッパ裏地の甲部半片 布テープで縫合処理したスリッパ端縁 中芯底

【手続補正書】

【提出日】平成１０年１月１９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項２】 形状記憶繊維を使用しヒートセットがし
てあるので洗濯をしても型崩れがしにくいスリッパ。 ─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１０年５月３０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】布地とシート状の樹脂発泡材とを貼り合わ
   せて表地とし、布地と形状記憶繊維の布地とを貼り合わ
   せたものを裏地とする。表地と裏地は共に、足裏の形に
   似せた底地中央部と、甲部となる半片を底地中央部の左
   右前半部分に連設した形状、即ち底地中央部は先端を円
   弧状とし、左右の甲部半片はそれぞれ底地中央部の円弧
   起端から先端中央に至る弧状に合致する形状に裁断し、
   表地と裏地とを重ね、左右の甲部半片を互いに内方へ湾
   曲させ、対向する端縁を縫合し、さらに各甲部半片先端
   の弧形状端縁と底地中央部の先端とを対向させて縫合
   し、しかる後に裏返して縫い目が内側に隠れるように形
   成したスリッパ。
2. 【請求項２】裏地の底地中央部に見合った形状に裁断し
   た樹脂軟質発泡材を中底芯として貼り合わせた後に表地
   と重ねて前項のように縫合形成し、端縁を布テープで縫
   合処理し、さらに底材を表地底に接着ないしは縫合加工
   して形成した「請求項１」のスリッパ。