JP3053521B2 - 磁粉探傷装置 - Google Patents

磁粉探傷装置

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JP3053521B2
JP3053521B2 JP6042686A JP4268694A JP3053521B2 JP 3053521 B2 JP3053521 B2 JP 3053521B2 JP 6042686 A JP6042686 A JP 6042686A JP 4268694 A JP4268694 A JP 4268694A JP 3053521 B2 JP3053521 B2 JP 3053521B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼管等の金属材料で形成
された種々の形状の被検体に生じている欠陥を磁粉を用
いて検出する磁粉探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁粉探傷手法においては、磁化
され被検体の表面に磁粉を一様に散布する。そして、被
検体の表面にきず等が存在すると、磁場がきず部分で乱
され、表面に散布された磁粉の模様が乱れる。したがっ
て、この磁粉の模様の乱れを観察することによって、き
ずの存在を検出する。
【0003】このような探傷手法を採用した磁粉探傷装
置においては、被検体を効率よく、かつ一様に磁化する
必要がある。発明者等は、鋼管の端部近傍に生じた欠陥
を検出するために、鋼管を効率的に磁化する磁粉探傷装
置を既に提唱している(実開平2−50672号公報,
特開平3−223668号公報)。
【0004】この提唱された磁粉探傷装置においては、
被検体としての鋼管の軸方向に沿って、この鋼管の外周
面を囲むようにスパイラル状の円筒形又は角型コイルを
設け、かつ鋼管又は各部品の表面に平行に巻回され4個
の枠型コイルを、管の円周方向に互いに90°方向を異
ならせて配設している。そして、互いに対向する一対の
枠型コイルどうしを接続して、合計2組の枠型コイルを
構成している。
【0005】そして、円筒形コイルに直流励磁電流を供
給して、鋼管の軸方向(縦方向)に直流又は交流磁場を
発生させる。すなわち、鋼管が軸(縦)方向に磁化され
る。一方、互いに90°異なる方向に配設された各枠型
コイルに互いに位相が異なる2種類の交流励磁電流をそ
れぞれ印加する。すると、例えば周方向に配設されたモ
ータの固定子で形成される回転磁場のように、管の軸方
向に直交する方向に回転磁場が発生する。その結果、鋼
管が全方向に磁化される。
【0006】したがって、鋼管は円筒形コイルによって
軸方向に磁化されるとともに2組の枠型コイルによって
直交する方向に磁化される。さらに、両磁場の合成によ
り全方向に磁化される。よって、このような磁場が発生
されている中に磁粉が散布されている被検体を通過させ
ることにより、鋼管の縦方向きずと横方向きずとを同時
に探傷できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような磁粉探傷装置においてもまだ改良すべき次のよ
うな課題があった。すなわち、前述したように、互いに
90°異なる方向に配設された各枠型コイルに対して互
いに位相が異なる2種類の励磁電流を印加することによ
って発生する回転磁場における各方向の磁場強度は、位
相差に応じて大きく変化する。例えば印加する各励磁電
流の位相差が90°(π/2)であれば、2つの励磁電
流で形成された各磁場の合成磁場の各方向の磁場強度分
布は各方向に同一の磁場強度を有した円形形状になる。
【0008】しかし、一般に位相差が90°(π/2)
以外の値である場合は、各方向の磁場強度を示す磁場強
度分布は楕円形状となる。したがって、鋼管の表面に存
在するきずのうちで、前記楕円形状の長軸方向に伸びる
きずの場合は細かいきずでも検出されるが、前記楕円形
状の短軸方向に伸びるきずの場合は検出力が低下する。
【0009】一方、被検体の形状,寸法,用途によって
は、ある特定方向のきずが発生しやすく、その方向のき
ずを他の方向のきずに比較してより厳しく検査する必要
がある場合も生じる。
【0010】したがって、このように、互いに異なる方
向に配設された各枠型コイルに予め定められた固定位相
差を有する各励磁電流を印加するようにした磁粉探傷装
置においては、ある指定した特定の方向のきずをより厳
格に検出することはできなかった。
【0011】特に、互いに位相が異なる2つの励磁電流
を簡単に得る手法として、三相交流電源を用いることが
多いが、この三相交流電源からは互いに120°(2π
/3)又は240°(4π/3)だけ位相が異なる一対
の励磁電流しか得られないので、任意の方向のきずを全
て同等の検出力で検出することはできなかった。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、2組の各枠型コイルに印加する一対の励磁
電流をそれぞれ位相差が異なる2種類準備して、必要に
応じて、これらの位相差のうちの一方を選択したり、両
方を合成することによって、さらに、各組の枠型コイル
の相対位置を変更することによって、形成される回転磁
場における各方向の磁場強度をある程度調整でき、被検
体における検出したい方向のきずを特に検出でき、各被
検体毎に該当被検体が要求する最適測定条件できずを探
傷できる磁粉探傷装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁粉が表面に
散布された被検体の長手方向に直流又は交流磁場を発生
させて被検体を縦磁化する第1の磁化手段と、第1の磁
化手段により直流又は交流磁場が発生している位置に長
手方向と直交する方向に回転磁場を発生させて被検体を
横磁化する第2の磁化手段とを有する磁粉探傷装置に適
用される。
【0014】そして、請求項1の発明においては、第2
の磁化手段を、被検体の外周面を囲むように配置された
2組の枠型コイルと、互いに位相が第1の位相差だけ異
なる第1の一対の励磁電流と互いに位相が第2の位相差
だけ異なる第2の一対の励磁電流とを出力する交流励磁
電源と、交流励磁電源から出力された第1及び第2の一
対の励磁電流のうちいずれか一方の一対の励磁電流を各
組の枠型コイルに印加する励磁位相選択回路とで構成し
ている。
【0015】また、請求項2の発明の磁粉探傷装置にお
いては、第2の磁化手段を、被検体の外周面を囲むよう
に配置された2組の枠型コイルと、互いに位相が第1の
位相差だけ異なる第1の一対の励磁電流と互いに位相が
第2の位相差だけ異なる第2の一対の励磁電流とを出力
する交流励磁電源と、交流励磁電源から出力された前記
第1,第2の一対の励磁電流を各組の枠型コイルに対し
て所定周期で交互に印加する励磁位相切換回路とで構成
している。
【0016】請求項3の発明の磁粉探傷装置において
は、請求項1又は請求項2における第1の位相差は2π
/3とし、さらに、第2の位相差は4π/3としてい
る。
【0017】また、請求項4の発明の磁粉探傷装置にお
いては、第2の磁化手段を、被検体の外周面を囲むよう
に配置された2組の枠型コイルと、単相又は三相交流電
源から供給される交流電流の周波数を変更する周波数変
換回路と、単相又は三相交流電源から出力された交流電
流と周波数変換回路から出力された交流電流とを前記各
組の枠型コイルに印加する励磁回路とで構成している。
【0018】さらに、請求項5の発明の磁粉探傷装置に
おいては、前述した請求項1または請求項2の発明にお
いて、2組の枠型コイルを構成する各組の枠型コイル相
互間の距離を任意に調整可能にする調整機構を備えてい
る。
【0019】
【0020】
【作用】このように構成された磁粉探傷装置において
は、第1の磁化手段によって、被検体の長手方向に直流
又は交流磁場が印加され、この被検体は長手方向に磁化
される。また、第2の磁化手段によって、被検体の長手
方向と直交する方向に回転磁場が印加され、この回転磁
場により、被検体は磁化される。よって、このような磁
場が発生されている中に磁粉が散布されている被検体を
通過させることにより、縦方向きずと横方向きずとを同
時に探傷できる。
【0021】以上のような基本的な作用効果の他に、請
求項1の発明においては、互いに位相が第1の位相差だ
け異なる第1の一対の励磁電流と互いに位相が第2の位
相差だけ異なる第2の一対の励磁電流とが準備されてい
る。位相差が異なることは、作成される合成磁場の各方
向の磁場強度分布を示す楕円形状の長手方向が異なるこ
とを示す。したがって、特に測定したいきずの方向に前
記楕円形状の長手方向が一致するように、位相差を選択
して、該当位相差を有する一対の励磁電流を各組の枠型
コイルに印加すればよい。
【0022】また、請求項2の発明においては、各位相
差を有した各一対の励磁電流を一定周期で交互に各組の
枠型コイルに印加されている。したがって、見掛上は、
各位相差に対応する各楕円形状を重ね合せた形状の磁場
強度分布となり、各方向にほぼ均一磁場強度分布とな
り、各方向のきずをほぼ同一条件で検出できる。
【0023】さらに、請求項3においては、電源として
三相交流を用いた場合を想定している。このような場合
は、三相交流の各電流の位相差120°(2π/3)と
240°(4π/3)とをそのまま採用できる。
【0024】
【0025】さらに、請求項4においては、互いに位相
が異なる一対の励磁電流を得る手法として周波数変換回
路を用いている。この場合においても、簡単に位相が異
なる各励磁電流を単相交流電源から得ることができる。
【0026】また、請求項5の発明においては、上述し
た各作用効果に加えて、被検体の大きさに対応して、2
組の枠型コイルを構成する各組の枠型コイル相互間の距
離を任意に調整可能としている。したがって、被検体に
効率的に磁場を印加することが可能となる。
【0027】
【0028】よって、上述した各請求項の発明と同様の
効果が得られる。さらに、この請求項7においては、調
整機構で各組の枠型コイル相互間の距離を連続的に変化
できるので、上述した楕円形状の磁場強度分布における
最大磁場強度方向を連続的に任意の方向へ移動させるこ
とが可能となる。
【0029】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。図1及び図2は一実施例に係る磁粉探傷装置の磁化
機構部分の概略構成図である。この磁粉探傷装置は、被
検体となる鋼管1の軸方向に磁場を発生させる第1の磁
化手段となる円筒形コイル2と、鋼管1の軸方向と直交
する径方向に回転磁場を発生させる第2の磁化手段とな
る2組の枠型コイル3a,3b,4a,4bとが備えら
れている。
【0030】円筒形コイル2は、径の異なる種々の鋼管
に十分対応し得る大きさの内径を有し、直流励磁装置5
に接続されている。この円筒形コイル2の具体的な大き
さは、内径220 mm, 全長220mm であって、5巻のもので
ある。
【0031】一方、2組の枠型コイルのうち第1組の各
枠型コイル3a,3bは、共に内側形状が350mm ×400m
m の大きさを有し、枠に沿ってコイルが3巻きされてい
る。ている。また、第2組の各枠型コイル4a.4b
は、共に内側形状が350mm ×310mm の大きさを有し、枠
に沿ってコイルが3巻きされている。
【0032】そして、このような第1組の各枠型コイル
3a,3b及び第2組の各枠型コイル4a,4bは、円
筒形コイル2に挿入される鋼管1の径方向に磁場を発生
させる如く円筒形コイル2の外周に配置されている。そ
のために、第1組の各枠型コイル3a.3bが円筒形コ
イル2を挟んで対向配置され、この第1組の各枠型コイ
ル3a,3bの配列方向に対して90度ずれた位置に第
2組の各枠型コイル4a,4bとが同じく円筒形コイル
2を挟んで対向配置されている。
【0033】第1組の各枠型コイル3a,3bは互いに
直列接続され、交流励磁装置6から第1の励磁電流Ia
が供給される。同様に、第2組の各枠型コイル4a,4
bは互いに直列接続され、同一の交流励磁装置6から第
2の励磁電流Ibが供給される。
【0034】また、2組の各枠型コイル3a,3b,4
a,4bの側方で、前記鋼管1の搬入方向に磁粉液散布
設備7が備えられている。前記交流励磁装置6は、例え
ば図5に示すように構成されている。すなわち、各入力
端子R,S,Tには外部の三相交流電源から三相交流電
圧が印加されている。したがって、入力端子R,Sとの
間,入力端子S,Tとの間,及び入力端子T,Rとの間
には、それぞれ互いに位相が120°(2π/3)ずつ
異なる3種類の電圧Vu ,Vv ,Vw が得られる。
【0035】電圧Vu を出力する入力端子R,S間には
切換回路8を介して第1組の各枠型コイル3a,3bが
接続されている。また、電圧Vv を出力する入力端子
S,T間には第2組の各枠型コイル4a,4bが接続さ
れている。さらに、電圧Vw を出力する入力端子R,T
間には、ダミーのコイル9が接続されている。
【0036】このようような回路構成において、切換回
路8を図示するように、矢印方向に押下げた状態におい
ては、入力端子R,S間の電圧Vu が第1組の各枠型コ
イル3a,3bに順方向に印加される。また、入力端子
S,T間の電圧Vv は第2組の各枠型コイル4a,4b
にそのまま印加される。
【0037】したがって、この状態においては、第1組
の各枠型コイル3a,3bに流れる電流Iaと第2組の
各枠型コイル4a,4bに流れる電流Ibとは、図4
(a)に示すように、各印加電圧Vu ,Vv の位相差で
ある120°(2π/3)だけ位相か異なる。
【0038】一方、切換回路8を矢印方向と反対方に引
き上げると、入力端子R,S間の電圧Vu が第1組の各
枠型コイル3a,3bに逆方向に印加される。また、入
力端子S,T間の電圧Vv は第2組の各枠型コイル4
a,4bにそのまま印加される。
【0039】したがって、この状態においては、第1組
の各枠型コイル3a,3bに流れる電流Iaと第2組の
各枠型コイル4a,4bに流れる電流Ibとは、図3
(a)に示すように、各印加電圧(−Vu ),Vv の位
相差である240°(4π/3)だけ位相か異なる。よ
って、切換回路8は励磁位相切換回路を構成する。
【0040】このように構成された磁粉探傷装置の動作
を説明する。磁粉液散布設備7で磁粉液を散布された鋼
管1は図示しない搬送コンベアによって、円筒形コイル
2内に搬入される。円筒形コイル2には直流励磁装置5
から直流励磁電流が通流され、第1組及び第2組の各枠
型コイル3a〜4bにそれぞれ切換回路8で切換選択さ
れた120°又は240°の位相差を有する各励磁電流
Ia,Ibが通流する。
【0041】その結果、円筒形コイル2によって、円筒
形コイル2内に挿入されている鋼管1の軸方向に磁場が
発生されると共に、2組の各枠型コイル3a〜4bによ
って、円筒形コイル2内に挿入されている鋼管1の径方
向に図4(b)または図3(b)に示す磁場強度分布を
有する回転磁場が発生する。
【0042】よって、軸方向の磁場と径方向の回転磁場
との合成により鋼管1の外表面に全方向の磁場を発生さ
せることが可能になる。その結果、円筒形コイル2内を
通過する鋼管1は、軸方向の磁場により縦磁化され、ま
た径方向の回転磁場により横磁化されるのは勿論あらゆ
る方向に磁化される。そして、散布された磁粉が磁化さ
れた方向に向く。鋼管1の外周面また端面にきずが存在
すると、磁粉の模様が乱されるので、きずの存在を確認
できる。
【0043】この場合における鋼管1の長手方向と直交
する方向に生じる回転磁場における各方向の磁場強度分
布は、第1組の各枠型コイル3a,3bの励磁電流Ia
と第2組の各枠型コイル4a,4bの励磁電流Ibとの
間の位相差によって、図4(b)又は図3(b)に示す
ように変化する。
【0044】図6(a)は位相差を120°に設定した
場合における円筒形コイル2の中心位置で断面方向(径
方向)の磁場分布の実測値である。図4(b)に示す理
論値によく対応していることが実証された。また、図6
(b)は同一条件における軸心を通る平面内における磁
場分布の実測値である。図6(a)と近似している。
【0045】このように、各励磁電流Ia,Ib間の位
相差を変化させることによって、回転磁場の磁場強度分
布を変化させることが可能である。したがって、特に測
定したいきずの方向に磁場強度分布を示す楕円形状の長
手方向が一致するように、位相差を選択して、該当位相
差を有する一対の励磁電流Ia,Ibを各組の枠型コイ
ル3a.3b,4a,4bに印加すればよい。
【0046】次に、本発明の第2の実施例に係わる磁粉
探傷装置を説明する。この第2の実施例装置において
は、上述した実施例装置における図5に示す交流励磁装
置6における位相差を120°(2π/3)又は240
°(4π/3)に選択設定する切換回路8の切換動作を
図示しない切換駆動回路でもって一定の周期Ts で交互
に切換えるようにしている。なお、この切換操作は、例
えばSCR等の無接点方式やマグネット接点方式が考え
られる。
【0047】このように構成された交流励磁装置6が組
込まれた磁粉探傷装置においては、図4(b)に示す磁
場強度分布を有する回転磁場と図3(b)に示す磁場強
度分布を有する回転磁場とが一定周期Ts で交互に印加
される。切換周期Ts をある程度早くすると、図4
(b)の回転磁場と図3(b)の回転磁場とがあたかも
合成された図7に示す磁場強度分布を有する回転磁場を
示す。
【0048】図6(c)は励磁電流Ia,Ibとの間の
位相差を120°と240°との間で一定周期で切換え
た場合における円筒形コイル2の中心位置で径方向(断
面方向)の磁場分布の実測値である。図7に示す理論値
によく対応していることが実証された。また、図6
(d)は同一条件における軸心を通る平面内における磁
場分布の実測値である。図6(c)と近似している。
【0049】したがって、図7に示すように、合成され
た回転磁場の磁場強度分布においては、たとえ三相交流
電源から得られた2π/3又は4π/3の位相差がある
励磁電流Ia,Ibを用いたとしても、図3(b)又は
図4(b)に示す各磁場強度分布に比較して、各方向の
磁場強度の大小差が小さい。したがって、被検体に存在
する各方向に伸びるきずを均一に検出できる。
【0050】図8(a)は本発明の第3の実施例に係わ
る磁粉探傷装置に組込まれた交流励磁装置6の概略構成
図である。その他の部分は図1,図2に示した先の実施
例装置とほぼ同じである。
【0051】この実施例装置においては、単相交流電源
10から出力される交流電流を第1組の各枠型コイル3
a,3bに直接励磁電流Iaとして印加している、一
方、単相交流電源10の出力電流をコンデンサCと抵抗
Rとからなる移相回路11で位相を例えば励磁電流Ia
に比較してΔφだけ進相させている。そして、Δφだけ
進相された電流を第2組の各枠型コイル4a,4bに励
磁電流Ibとして印加している。なお、抵抗Rは各励磁
電流Ia,Ibの電流レベルを調整する機能を有してい
る。
【0052】よって、図8(b)に示すように、2組の
各枠型コイル3a,3b,4a,4bにはそれぞれ位相
がΔφだけ異なる励磁電流Ia,Ibが流れるので、回
転磁場が形成される。この場合、励磁電流Ia,Ibの
位相差ΔφはコンデンサCの容量を調整することによっ
て、任意の値に設定できる。したがって、例えば、位相
差Δφを90°(π/2)に設定することによって、図
8(c)に示すような真円となる磁場強度分布を有する
回転磁場を形成することが容易にできる。
【0053】図9(a)は本発明の第4の実施例に係わ
る磁粉探傷装置に組込まれた交流励磁装置6の概略構成
図である。その他の部分は図1,図2に示した先の実施
例装置とほぼ同じである。
【0054】この実施例装置においては、単相交流電源
10から出力される例えば周波数50Hzの交流電流を第
1組の各枠型コイル3a,3bに直接励磁電流Iaとし
て印加している。一方、単相交流電源10の出力電流を
周波数変換回路12へ入力している。周波数変換回路1
2は入力した周波数50Hzの交流電流を倍の周波数10
0Hzの交流電流に変換して第2組の各枠型コイル4a,
4bに励磁電流Ibとして印加している。
【0055】したがって、図9(b)に示すように、各
励磁電流Ia,Ib相互間の位相差は一定周期で0と所
定位相差との間で変化する。よって、このように位相差
が変化する各励磁電流Ia,Ibが印加される2組の各
枠型コイル3a,3b,4a,4bが形成する磁場も磁
場強度分布が一定周期で変化する回転磁場となる。よっ
て、上述した第2,第3,第4の各実施例とほぼ同様の
効果を得ることが可能である。
【0056】図10は本発明の第5の実施例に係わる磁
粉探傷装置の各枠型コイル3a,3b,4a,4bを取
出して鋼管1の軸方向から見た模式図である。この実施
例装置においては、互いに対向する第1組の各枠型コイ
ル3a,3bの間隔La、及び互いに対向する第2組の
各枠型コイル3a,3bの間隔Lbはそれぞれの調整機
構13,14でもって任意に調整可能である。
【0057】各調整機構13,14は、図示するよう
に、ねじ棒15とハンドル16とスライド軸17と支持
枠18a,18bとで構成されている。そして、ハンド
ル16を回すことによって、図11(a)(b)(c)
に示すように、互いに対向する枠型コイル相互間の各距
離La,Lbを任意に変更できる。
【0058】したがって、被検体の形状等に応じて、各
枠型コイル3a,3b,4a,4bを、被検体に接近さ
せて、最適位置に配設することができる。その結果、被
検体を最適条件で磁化できる。
【0059】次に、本発明の第6の実施例に係わる磁粉
探傷装置を説明する。第6の実施例においては、図1
0,図11に示した調整機構13,14が設けられてい
ることに加えて、図2に示す交流励磁装置6は互いに位
相が異なる一対の励磁電流Ia,Ibのみを各組の各枠
型コイル3a,3b,4a,4bに印加する。
【0060】この場合、1種類の位相差Δφのみを有し
た励磁電流Ia,Ibによる1種類の磁場強度分布を有
する回転磁場が形成される。しかし、調整機構13,1
4によって枠型コイル3a,3b相互間の距離La又は
枠型コイル4a,4b相互間の距離Lbを変更すると、
被検体としての鋼管1位置に各組の枠型コイル3a〜4
bにて合成される各磁場の強度が変化する。
【0061】よって、両方の磁場を合成して得られる回
転磁場における楕円形状の磁場強度分布が変化する。よ
って、上述した各実施例と同様の効果が得られる。さら
に、この第6の実施例においては、調整機構13,14
で各組の枠型コイル相互間の距離La.Lbを連続的に
変化できるので、上述した楕円形状の磁場強度分布にお
ける最大磁場強度方向を連続的に任意の方向へ移動させ
ることが可能となる。その結果、測定したいきずの方向
に最大磁場強度方向を設定できる。
【0062】図6(e)(f)は、上述した第6の実施
例の磁粉探傷装置において、距離Laを変更した場合の
効果を示す実測値である。すなわち、枠型コイル3a,
3bの間隔Laを図6(e)に示す260mmから図6
(f)に示す200mmまで短縮すると、最大磁場方向
が変化することが理解できる。なお。測定条件は図6
(a)と同様に、各励磁電流Ia,Ibの位相差を12
0°に設定している。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁粉探傷装
置によれば、2組の各枠型コイルに印加する一対の励磁
電流をそれぞれ位相差が異なる2種類準備して、必要に
応じて、これらの位相差のうちの一方を選択したり、両
方を合成している。
【0064】したがって、形成される回転磁場における
各方向の磁場強度をある程度調整でき、複雑形状を有し
た被検体のあらゆる方向のきずを検出でき、各被検体毎
に該当被検体が要求する最適測定条件できずを探傷でき
る。
【0065】さらに、移相回路や周波数変換回路を用い
ることによって、単相交流電源から簡単に任意の位相差
を有した一対の励磁電流が作成でき、装置全体を簡素化
できる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる磁粉探傷装置の磁
化機構部分を示す斜視図
【図2】 同実施例装置を管軸方向から見た平面図
【図3】 同実施例装置の各枠型コイルに印加される各
励磁電流波形及び磁場強度分布図
【図4】 同じく各枠型コイルに印加される各励磁電流
波形及び磁場強度分布図
【図5】 同実施例装置の交流励磁装置の概略構成を示
す回路図
【図6】 同実施例装置にて実測された各磁場強度分布
【図7】 本発明の他の実施例に係わる磁粉探傷装置で
得られる磁場強度分布図
【図8】 本発明のさらに別の実施例に係わる磁粉探傷
装置の交流励磁装置の概略構成及び動作を示す図
【図9】 本発明のさらに別の実施例に係わる磁粉探傷
装置の交流励磁装置の概略構成及び動作を示す図
【図10】 本発明のさらに別の実施例に係わる磁粉探
傷装置の各枠型コイルの調整機構を示す模式図
【図11】 同実施例装置の動作を説明するための模式
【符号の説明】
1…鋼管、2…円筒形コイル、3a〜4b…枠型コイ
ル、5…直流励磁装置、6…交流励磁装置、7…磁粉液
散布装置、8…切換回路、10…単相交流電源、11…
移相回路、12…周波数変換回路、13…調整機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沼口 満千雄 東京都港区東新橋1丁目2番13号 栄進 化学株式会社内 (72)発明者 東海林 文夫 東京都港区東新橋1丁目2番13号 栄進 化学株式会社内 (72)発明者 召田 保秋 東京都港区東新橋1丁目2番13号 栄進 化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−223668(JP,A) 特開 昭52−69381(JP,A) 実開 平2−50676(JP,U) 実開 昭55−177653(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁粉が表面に散布された被検体の長手方
    向に直流又は交流磁場を発生させて前記被検体を縦磁化
    する第1の磁化手段と、この第1の磁化手段により直流
    又は交流磁場が発生している位置に前記長手方向と直交
    する方向に回転磁場を発生させて前記被検体を横磁化す
    る第2の磁化手段とを有する磁粉探傷装置において、 前記第2の磁化手段は、前記被検体の外周面を囲むよう
    に配置された2組の枠型コイルと、互いに位相が第1の
    位相差だけ異なる第1の一対の励磁電流と互いに位相が
    第2の位相差だけ異なる第2の一対の励磁電流とを出力
    する交流励磁電源と、この交流励磁電源から出力された
    第1及び第2の一対の励磁電流のうちいずれか一方の一
    対の励磁電流を前記各組の枠型コイルに印加する励磁位
    相選択回路とを備えたことを特徴とする磁粉探傷装置。
  2. 【請求項2】 磁粉が表面に散布された被検体の長手方
    向に直流又は交流磁場を発生させて前記被検体を縦磁化
    する第1の磁化手段と、この第1の磁化手段により直流
    又は交流磁場が発生している位置に前記長手方向と直交
    する方向に回転磁場を発生させて前記被検体を横磁化す
    る第2の磁化手段とを有する磁粉探傷装置において、 前記第2の磁化手段は、前記被検体の外周面を囲むよう
    に配置された2組の枠型コイルと、互いに位相が第1の
    位相差だけ異なる第1の一対の励磁電流と互いに位相が
    第2の位相差だけ異なる第2の一対の励磁電流とを出力
    する交流励磁電源と、この交流励磁電源から出力された
    前記第1,第2の一対の励磁電流を前記各組の枠型コイ
    ルに対して所定周期で交互に印加する励磁位相切換回路
    とを備えたことを特徴とする磁粉探傷装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の位相差は2π/3であり、前
    記第2の位相差は4π/3であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の磁粉探傷装置。
  4. 【請求項4】 磁粉が表面に散布された被検体の長手方
    向に直流又は交流磁場を発生させて前記被検体を縦磁化
    する第1の磁化手段と、この第1の磁化手段により直流
    又は交流磁場が発生している位置に前記長手方向と直交
    する方向に回転磁場を発生させて前記被検体を横磁化す
    る第2の磁化手段とを有する磁粉探傷装置において、 前記第2の磁化手段は、前記被検体の外周面を囲むよう
    に配置された2組の枠型コイルと、単相又は三相交流電
    源から供給される交流電流の周波数を変更する周波数変
    換回路と、前記単相又は三相交流電源から出力された交
    流電流と前記周波数変換回路から出力された交流電流と
    を前記各組の枠型コイルに印加する励磁回路とを備えた
    ことを特徴とする磁粉探傷装置。
  5. 【請求項5】 前記2組の枠型コイルを構成する各組の
    枠型コイル相互間の距離を任意に調整可能にする調整機
    構を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    の磁粉探傷装置。
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