JP6606654B1 - 透磁率測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リニア新幹線の建設など非磁性鋼材の非磁性保証に対する要求が高まっている、それに伴い手軽に非磁性検査ができるペンシル型の透磁率測定器の開発が求められている。小型化、低消費電力化および高感度化は背反する特性であるため、従来の技術による解決は困難であった。【解決手段】本発明は、100kHzから10MHzの高周波電流で駆動する差動式のマイクロコイルを開発して、そのマイクロコイルを活用して、高い周波数と単位長さ当たりの大きなコイル巻き数および細長い磁性芯棒(磁性ワイヤ)の高い有効透磁率を組み合わせで、現行品の検出器の超小型化と大幅な低消費電力化および電池の小型化を可能にして、現行の高感度透磁率計の持つ優れた透磁率検出性能を維持しながらペンシル型のウェアラブルタイプ透磁率測定装置を実現するものである。【選択図】図4

Description

本発明は、ステンレス鋼やマンガン鋼などの非磁性金属材料の透磁率を計測する装置に関するものである。
リニア新幹線の建設に伴い、超電導磁石や車両本体の構造部材(台座、柱、梁、カバー、ロッド、シャフト、ボルト、ナット、ワシャー、フランジ、パイプ、ベアリング、モータ、ポンプモールド、ベアリングなど)およびレール周辺の構造物の鉄骨と器材に非磁性鋼が使用され、その非磁性の確実な保証が求められている。そのためには、非磁性鋼を精錬する段階から、圧延、精整、二次加工、部品加工までの各段階での出荷検査と受入検査および超電導磁石、車両本体および建築構造体の各部位の検査が必要となっている。膨大な検査業務を円滑に処理するためには、関係者が身近に身に着けて検査できるウェアラブル型の透磁率測定装置、つまりペンシル型の透磁率測定装置の開発が必要である。
非磁性鋼は、電力損失発熱を防止する必要がある発電機、モータ、トランスなどの構造材料として開発され使用されている。またエレクトロニクス産業に拡大に伴って発明されたVTR,複写機、電子顕微鏡、テレビなどのエレクトロニクス機器、および磁気センサを内蔵するスマホ、ロボット、ドローンなどモバイル情報機器など、磁場の乱れが情報機器の乱れにつながってしまう用途で使用が拡大している。さらに、強力な超電導磁石を使用するMRI,リニアモータおよび超電導原理の微小磁界検出型の磁気センサなどの本格的な普及によって、特殊な部品の非磁性保証から周辺部材を含めて全部品の非磁性保証が強く求められる時代になってきている。
磁性性鋼材に関する規格としては、透磁率1.2以下の規格を定めた米国の連邦規格やMIL規格がる。エレクトロニクス機器やモバイル情報機器および超電動磁石など先端産業分野では透磁率1.02以下の規格が使用されている。透磁率測定装置としては、透磁率1.2以下の規格に対応して磁石式が開発され、次に透磁率1.02以下の規格に対応するために渦流探傷原理を応用した装置が開発され、主に非磁性鋼材の透磁率検査に使用されている。
1991年、各種形状の小型部品や溶接材の透磁率を透磁率1.002の微小値から測定することができて、透磁率1.02以下の規格品の検査装置として十分な機能を有するポータブルタイプの装置が、本発明者により開示(特許文献1、非特許文献1)されている。
本装置(以下、現行品という。)は、1本の磁性ワイヤに巻かれた1つの励磁コイルとそれを挟むように差動式に配置された2つの検出コイルからなる差動変圧器構成のプローブ型検出器と励磁コイルを励磁する交流信号を発信する発信回路と、検出器の一端を被測定試料に接触させることにより被測定試料の透磁率と導電性の影響を出力信号として検出する差動式信号処理回路とその出力信号を位相解析して、被測定試料の透磁率に基づく出力信号をのみを取り出して直流変換する位相検波回路と、基準信号発生回路からなるものである。基準信号発生回路は上記検出器の励磁コイルを励磁する単一の励磁交流信号と其の交流信号の位相を調整して基準信号を位相検波回路に供給する位相回路とからなるものである。差動式検出コイルからの出力電圧Eは、非磁性試料の渦電流の影響による出力電圧Ecと試料の磁性成分の影響による電圧Emの二つの成分からなっている。両者の位相の違いに注目して、位相検波回路の基準電圧を渦電流の影響による電圧Ecに直角になるように付与して、その電圧成分を取り除くことによって、被測定試料の透磁率の比例する出力信号を出力することができる。
この中で、励磁コイルの巻き数N1と検出コイルの巻き数N2と励磁電流の強さI(A)を
N1×N2×Iの値を1000以上とすると検出力は透磁率1.002を検出することができることを明らかにしている。しかも、2つの検出コイルの間隔を3.5mm程度と小さくすることで、直径2mm以下の小さな試料の透磁率1.002を測定できることが明らかになっている。
本発明は透磁率1.002を測定できて、かつ鋼材から各種形状の小型部品や溶接材の透磁率を測定できるペンシル型の透磁率測定装置の開発を目指すものである。
特開平3−255380号公報
本蔵他;日本応用磁気学会誌15、469−474(1991)
ポータブル型をペンシル型に改良するためには、検出器の大きさを現行品の直径5mmから1mm以下、長さ8mmを6mm以下、つまり30倍から100倍の小型化を図ること、そのために磁性芯棒の直径を1mmから0.2mm以下にすること、および電子回路の基板サイズを巾50mm×長さ50mmを巾10mm以下×長さ40mm以下とし、さらに電源を100Vまたはアルカリ乾電池2個使用からから直径5mm以下の小型電池に変更して、装置の大幅な小型化を実現することが必要である。
透磁率測定装置の検出感度は、励磁コイルの巻き数N1と検出コイルの巻き数N2と励磁電流の強さIに比例することが特許文献1に開示されている。また検出器の断面積に比例すると予想されるので、小型化するだけでは大幅な検出感度の低下になってしまうと予想される。さらに低消費電力化のために励磁電流を小さくすると、大幅な検出感度の低下になってしまうと予想される。つまり透磁率測定装置の検出感度や消費電力などの性能と小型化とは背反傾向を持っており、小型で高い検出感度と優れた消費電力特性を持つ透磁率測定装置の開発は困難な課題である。
発明者らは、上記背反問題を解決するために、励磁電流を現行品の1kHzから100kHz〜10MHzへと高周波化することを思い至り、検出器の小型化と低消費電流化に取り組んだ。高周波に伴う渦電流を抑制するために磁性心棒に直径が5μm〜100μmのCo系アモルファスワイヤを採用することにし、検出器の小型化に伴う励磁コイルと検出コイルの巻き数の減少は、コイルピッチ10μm以下で内径10μm〜120μmのマイクロコイルを採用することで補うことにして、励磁コイル巻き数N1、検出コイル巻き数N2、励磁電流強度I、磁性芯棒の断面積S,励磁電流の周波数f、磁性芯棒の長さ、磁性芯棒の有効透磁率μ、磁性芯棒の抵抗率ρなどの感度の及ぼす影響を鋭意研究した。
その結果、検出感度は、励磁コイル巻き数N1(回),検出コイル巻き数N2(回)、励磁電流強度I(mA)に比例するだけではなく、磁性芯棒の有効透磁率μとその直径d(mm)の比例d1.5に比例,励磁電流の周波数f(kHz)のf1.5にもほぼ比例することを見出した。すなわち、検出感度KはK=N1×N2×I×μ×d1.5×f1.5 で現わされること、および透磁率1.002を検出するためにはK≧3×10を確保する必要があることが分かった。
検出器のコイル巻き数N1、N2は、マイクロコイルを活用して、現行品に比較してほぼ同じとして、磁性芯棒の直径を1mmから0.01mmとすると、感度の大幅な低下になるが、その低下は磁性芯棒の有効透磁率を現行品の800から10,000へと増加すること、および励磁電流の周波数を1kHzから1MHzと1,000倍に増加させることによって、励磁電流の強さを現行品の33mAから3mAへと10分の1以下に小さくしても、透磁率1.002の検出感度を得ることを確認した。これらの新知見によって小型で高い検出感度と優れた消費電力特性を持つ透磁率測定装置を発明できることが分かった。
本発明は、現行品の透磁率測定装置に比べて、大幅な小型化と低消費電力化を可能にして、ペンシル型の透磁率測定装置を実現し、リニア新幹線を契機に増大する非磁性検査ニーズに応えるものである。
検出原理を示す図である。 基本回路を示す図である。 位相検波機能を示す図である。 実施例1のペンシル型超小型透磁率測定装置の外観を示す図である。 被測定試料の透磁率と出力電圧との関係を示す図である。 透磁率1.002の検出力と磁性心棒の直径と励磁周波数との関係を示す図である。 実施例2の測定モードとスリープモードを示す図である。
<第1実施形態>
第1実施形態の透磁率測定装置(以下、測定装置という。)は、検出器と電子回路と表示器からなっている。
検出器は、1本の磁性ワイヤに巻かれた1つの励磁コイルとそれを挟むように差動式に配置された2つの検出コイルとを備える直径1mm以下の大きさの差動変圧器構成のプローブ型検出器であって、検出器の一端を被測定試料に接触させることにより被測定試料の透磁率と導電性の影響を出力信号として検出する機能を有する。
磁性ワイヤの直径は5μm〜100μmであり、励磁コイルおよび検出コイルはコイルピッチ10μm以下で内径10μm〜120μmのマイクロコイルからなり、その巻き数は100回〜1000回であり、2つの検出コイルの間隔は3.5mm以下である。
電子回路は、発信回路、信号処理回路および基準信号発生回路からなる。
発信回路は、励磁コイルを励磁する100kHz〜10MHzの周波数で電流強さ10mA以下からなる交流信号を発信する。
信号処理回路は、検出器の一端を被測定試料に接触させていない状態において、その出力信号を0Vに調整するゼロ点補正機能を有する差動増幅回路と、補正後の差動増幅回路の出力信号を位相解析して被測定試料の透磁率に基づく出力信号のみを取り出して直流変換することができる位相角度調整機能を有する位相検波回路および位相検波回路による検波後の被測定試料の透磁率に比例する電圧を出力する出力回路からなる。
基準信号発生回路は、検出器の励磁コイルを励磁する正弦波を発生する正弦波発生回路およびその正弦波の位相を調整した基準ベクトル信号を発生する位相回路とからなる。
表示器は、被測定資料の透磁率に基づく直流信号を表示する。
以下、各構成について図1〜図3を用いて説明する。
検出器の構成と検出原理について、図1の検出原理を用いて説明する。
検出器1の構成は、1本の磁性芯棒である磁性ワイヤ11に巻かれている1つの励磁コイル12と、それを挟むように差動式に配置されている2つの検出コイル13(13aおよび13b)からなる差動変圧器構成のプローブ型検出器である。
次に、検出器1の検出原理は、励磁コイル12に交流電流を流して磁性ワイヤ11の一端を被測定試料20に接触させ、被測定試料20に交番磁化と渦電流(図1に示す。)を発生せしめることにより被測定試料20の透磁率と導電性の影響を出力信号として検出する。
このプローブ型検出器1の大きさは、直径1mm以下にて長さは6mm以下の小型サイズとする。これによりペンシルサイズの超小型透磁率測定装置が可能となる。
小型サイズの検出器1を構成する部品は、Co系アモルファスの磁性ワイヤ11からなりその直径(d)は5μm〜100μmと微細化する一方で、その比透磁率(μ)は5,000〜50,000と大きくし、比抵抗率は50μΩcm〜150μΩcmとする。
励磁コイル12は、直径10μm〜20μmのマイクロコイルとし、長さ1mm〜3mmにて磁性ワイヤ11の中央部に配置する。次に検出コイル13は、直径10μm〜120μmのマイクロコイルとし、長さ1mm〜3mmにて励磁コイル12の両側に差動式に配置する(13aおよび13b)。
励磁コイル12および検出コイル13の単位長さ当たりのコイル巻き数は、両者のコイルをマイクロ化することにより50回/mm〜500回/mmと大きくすることができる。また、励磁コイル12のコイル巻き数(N1)および検出コイル13のコイル巻き数(N2)は、100回〜1000回と大きくする。さらに二つの検出コイル12の間隔を3.5mm以下と小さくして、直径2mm以下の小さな試料の透磁率の測定を可能にする。
電子回路は、図2の基本回路を用いて説明する。
電子回路は、発信回路(図示せず)、信号処理回路30および基準信号発生回路40からなり、出力結果を表示する表示器50を備えている。
発信回路は、励磁コイル12を励磁する交流信号、つまりその周波数(f)を100kHz〜10MHzと大きくし、電流強さ(I)は2mA〜10mAである交流信号を発信する。
信号処理回路30は、差動増幅回路31、位相検波回路32および出力回路33からなる。
差動増幅回路31は、検出器の一端を被測定試料20に接触させることにより被測定試料20の透磁率と導電性の影響を出力信号として検出すると同時に、検出器の一端を被測定試料に接触させない状態において出力する出力信号を0Vに調整するゼロ点補正機能を有する。
位相検波回路32は、差動増幅回路31による補正後の出力信号を位相解析して被測定試料の透磁率に基づく出力信号をのみを取り出して直流変換すると同時に位相角度調整機能を有する。
図3に位相検波回路32の機能を示す。図3のIは励磁電流の強度を示し、以下、Eは出力電圧、Ecは非磁性試料の渦電流によって生じる電圧、Emは磁性試料の磁性によって生じる電圧、Eyは基準信号、φは基準信号の位相角をそれぞれ示す。位相検波回路は出力信号Eの基準信号Eyへの射影成分EmcosΦを電圧として出力し、その出力電圧は資料の磁性の強さ、つまり透磁率に比例する。
出力回路33は、位相検波回路32および検波回路による検波後の被測定試料2の透磁率に比例する電圧を出力する。
基準信号発生回路40は、検出器1の励磁コイル11を励磁する正弦波発生回路41および位相検波回路の基準信号を発生する位相回路42となる。
なお、上記の基本回路と検出原理は先に本発明者が開示した特許文献1(特開平3−255380号公報)および非特許文献1に詳細は記載しているとおりである。
電源回路(図示せず)は、検出器10の励磁コイル12に電流強さ10mA以下の電力および測定回路の動作に必要な電力を供給する。
電源は、ペンシル型の測定装置を構成することができる場合にはサイズ、重さ、出力電圧および容量については問わない。一例として直径4.7mm、長さ25mm、重さ1g、出力電圧3.8V、容量32mAhの小型リチウム電池を1個とする。
測定装置の調整は、2つの検出コイル(12a、12b)からの出力電圧差は検出器を被測定試料に接触していない状態では、フルスケールを±1000mVとした時は100μV以下、つまり0.01%以下の誤差となるよう二つの検出コイル(12a、12b)の対称性を確保する。この誤差は、ゼロ点補正回路を取り付けて取り除くことが可能である。次に検出器1を非磁性の被測定試料2に接触した状態では、位相検波後の信号電圧が0Vになるように、位相検波回路3の基準ベクトル信号の位相角度を位相角度調整回路で調整する。
検出感度Kは、K=N1×N2×I×μ×d1.5×f1.5で現わされる。透磁率1.002を検出するためにはK≧3×10となるように、N1,N2,I,μ、d、fを上記範囲内で調整する。また、被測定試料のサイズに影響を避けるために、2つの検出コイル(12a、12b)の間隔は、3.5mm以下とする。
測定は、検出器10を微磁性被測定試料20に接触して行うが、出力電圧は透磁率と直線的関係にある。また出力回路は、アナログ出力、デジタル出力、さらにはパソコン画面にリアルタイムで表示するなどどのような対応も可能である。デジタル出力の場合、測定間隔は20m秒、すなわち50Hzとする。測定装置の性能は、透磁率1.00から2.00の広い範囲の測定が可能で、微小な透磁率1.002も検出できる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態のデジタル出力タイプにおいて、計測データの出力間隔時間を測定モード時間とスリープモード時間に二分し、測定時間を測定間隔の1/10以下として、信号電圧をデジタル出力するもので、測定に要する消費電力を少なくとも1/10以下に低減することを図る好ましい実施形態である。
測定モード時間とスリープモード時間に二分するために、電子回路にON−OFFする制御回路(図示せず)を取り付け、それと同期して位相検波後の出力をホールドするホールド回路(図示せず)を設けて、ON状態で測定し、その信号電圧をホールドして出力し、OFF状態になっても、同じ信号電圧を出力することになるので、その結果50Hzの測定間隔の間は同じ信号電圧を出力する。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態および第2実施形態の測定装置をペンシル型のケースに内蔵するものである。図4を用いて説明する。
先端部に検出器61を取り付け、電子回路65と電池66を内蔵し、外装部に表示器67、測定器の電源スイッチ62、ゼロ点調整つまみ63、位相角調整つまみ64を取り付ける。先端部のサイズは、直径0.5mm〜1mmで長さは4mm〜6mmの末広がりの紡錘形状とする。測定装置6の本体の長さは全体で10cm〜16cm、直径は8mm〜14mmとする。
[実施例1]
本発明の実施例1は、実施形態1と実施形態3を組み合わせたもので、図4に示すように、検出器10と電子回路と電源およびそれらすべてをペンシル型のケースに内蔵する超小型透磁率測定装置60である。測定装置60の先端部に検出器61を取り付け、電子回路65と電池66を内蔵し、外装部に表示器67、電源スイッチ62ゼロ点調整つまみ63、位相角調整つまみ64を取り付けた。先端部のサイズは直径1mmで長さ6mmの紡錘形状とする。測定装置60の本体の長さは全体で14cm、直径は10mmとする。
検出器61(1)は1本の磁性ワイヤ11に巻かれた1つの励磁コイル12とそれを挟むように差動式に配置された2つの検出コイル(13a、13b)からなる差動変圧器構成のプローブ型である。
その検出器61については、まず大きさは、直径0.5mm、長さ6mmとする。これによってペンシルサイズの超小型透磁率測定装置が可能になる。検出器61(1)の構成部品は、まず磁性ワイヤ10の直径は10μmで、その比透磁率は8,000および比抵抗率は130μΩcmとする。励磁コイル11は直径18μm、長さ2mmのマイクロコイルで、直径10μmの磁性ワイヤ10の中央部に配置する。検出コイル12は内径18μm、コイルピッチ5μm、長さ2mmのマイクロコイルで、励磁コイル11の両側に差動式に配置する。単位長さ当たりのコイル巻き数は200回/mmとする。励磁コイル11(N1)および検出コイル12(N2)のコイル巻き数は300回とする。さらに2つの検出コイル(12aおよび12b)の間隔Lを3.5mm(図2)と小さくして、直径2mm以下の小さな試料の透磁率の測定を可能にする。
電子回路は、励磁コイル12を励磁する交流信号、つまりその周波数(f)を1MHzで電流強さ(I)は3mAである交流信号を発信する発信回路と、検出器61の一端を被測定試料に接触させることにより被測定試料の透磁率と導電性の影響を出力信号として検出する差動増幅回路31と検出器61の一端を被測定試料に接触させない状態で、その出力信号を0Vに調整するゼロ点補正回路、補正済みのその出力信号を位相解析して、被測定試料の透磁率に基づく出力信号をのみを取り出して直流変換する位相検波回路32(位相角度調整回路を含む)と、検波後の被測定試料の透磁率の比例する電圧を出力する出力回路32および上記検出器の励磁コイルを励磁する単一の励磁信号と位相検波器の基準ベクトル信号とを発生する基準信号発生回路4と測定装置に電力を供給する電源回路からなっている。
電源は、直径4.7mm、長さ25mm、重さ1g、出力電圧3.8V,容量32mAhの小型リチウム電池を1個とする。
測定装置の調整は、2つの検出コイル(13aおよび13b)からの出力電圧差は、検出器61(1)を被測定試料2に接触していない状態では、フルスケールを±1000mVとした時は100μV以下、つまり0.01%以下の誤差となるよう2つの検出コイル(12aおよび12b)の対称性を確保する。この誤差はゼロ点補正回路を取り付けて取り除くことを可能にしている。次に検出器を非磁性の被測定試料に接触した状態では、位相検波後の信号電圧が0Vになるように、位相検波回路32の基準信号の位相角度を位相角度調整回路で調整する。
検出感度Kは、K=N1×N2×I×μ×d1.5×f1.5で現わされる。透磁率1.002を検出するためには、K≧3×10となるように、N1,N2,I,μ、d、fを上記範囲内で調整する。具体的には、N1、N2=300回、I=3mA、μ=8000、d=10μm、f=1MHzとした。この時K=8.5×10となって、感度確保のための条件、K≧3×10を満足している。
また被測定試料2のサイズに影響を避けるために、2つの検出コイル(13aおよび13b)の間隔は、3.5mm以下とする。
この測定装置60を用いて測定した結果について、図5に被測定試料の透磁率と出力電圧との関係を示し、図6には検出感度に及ぼす磁性芯棒の直径(d)と励磁周波数(f)の影響を示す。測定は、検出器61を直径2mmの被測定試料20に接触して行っている。出力回路は、デジタル出力でパソコン画面にリアルタイムで表示している。そのデジタル出力の場合、測定間隔は20m秒、すなわち50Hzとしている。
先ず、図5からは被測定試料20の透磁率(μ)を変えた場合に出力電圧とは直線的関係にあることが得られている。これより、測定装置の性能は、透磁率1.000から2.000の広い範囲の測定が可能で、微小透磁率1.002も検出できる。
次に、図6では透磁率1.005の被測定試料2の透磁率を測定した結果を示し、「測定可」とは、測定装置60の表示器67に現われた透磁率の値が測定できた場合をいい、「測定不可」とは測定誤差が1.005と同程度あった場合をいう。図6は、K≧3×10を満足するときは、測定装置6が被測定試料の透磁率を正確に測定することが可能であることを示している。
[実施例2]
実施例2は、実施例1をベースにして、図7に示すように、計測データの測定間隔時間20m秒を、測定モード時間0.2m秒とスリープモード時間19.8m秒に二分し、測定時間を測定間隔の1/100として、測定に要する消費電力を1/100程度に低減することを図ったものである。そのために、電子回路をON−OFFする制御回路と取り付け、それと同期して位相検波後の出力をホールドするホールド回路を設けて、ON状態で測定し、その信号電圧をホールドして出力し、OFF状態になっても、同じ信号電圧を出力することになるので、その結果50Hzの測定間隔の間は同じ信号電圧を出力するようにしている。
本発明は、現行品の透磁率測定装置に比べて、大幅な小型化と低消費電力化を可能にして、ペンシル型の透磁率測定装置を実現したものである。リニア新幹線を契機に、超電導磁石や車両本体の構造部材およびレール周辺の構造物の鉄骨と器材に非磁性鋼が使用され、その非磁性の確実な保証が非磁性鋼を精錬する段階から、圧延、精整、二次加工、部品加工および組立構造品までの各段階での増大する非磁性保証ニーズに応えるものである。
10:検出器
11:磁性芯棒(磁性ワイヤ)、12:励磁コイル、13a:検出コイル:13b:検出コイル、14:検出器の先端
20:被測定試料
30:信号処理回路
31:差動増幅回路(ゼロ点調整器付き)、32:位相検波回路(位相角調整器付き)、33:出力回路(デジタル変換他)
40:基準信号発生回路
41:正弦波発生回路、42:位相回路
50:表示器
60:超小型透磁率測定装置(測定装置)
61:検出器、62:電源スイッチ、63:ゼロ点補正用つまみ、64:位相角補正つまみ、
65:電子回路(内蔵)、66:電池(内蔵)、67:表示器


Claims (3)

  1. 検出器は、1本の磁性ワイヤに巻かれた1つの励磁コイルとそれを挟むように差動式に配置された2つの検出コイルとを備える直径1mm以下の大きさの差動変圧器構成のプローブ型検出器であって、検出器の一端を被測定試料に接触させることにより前記被測定試料の透磁率と導電性の影響を出力信号として検出する機能を有し、
    前記磁性ワイヤの直径は5μm〜100μmであり、
    前記励磁コイルおよび前記検出コイルは内径10μm〜120μmのマイクロコイルからなり、その巻き数は100回〜1000回であり、
    前記2つの検出コイルの間隔は3.5mm以下であり、
    電子回路は、発信回路、信号処理回路および基準信号発生回路を備えてなり、
    前記発信回路は、前記励磁コイルを励磁する100kHz〜10MHzの周波数で電流強さ10mA以下からなる交流信号を発信し、
    前記信号処理回路は、前記検出器を前記被測定試料に接触させていない状態において出力する出力信号を0Vに調整するゼロ点補正機能を有する差動増幅回路と、補正後の前記差動増幅回路の出力信号を位相解析して前記被測定試料の透磁率に基づく出力信号のみを取り出して直流変換することができる位相角度調整機能を有する位相検波回路および前記位相検波回路による検波後の前記被測定試料の透磁率に比例する電圧を出力する出力回路からなり、
    前記基準信号発生回路は、前記検出器の前記励磁コイルを励磁する正弦波を発生する正弦波発生回路およびその正弦波の位相を調整した基準ベクトル信号を発生する位相回路とからなり、
    表示器は、前記被測定試料の透磁率に基づく直流信号を表示することを特徴とする透磁率測定装置
  2. 請求項1において、
    計測データの測定間隔時間を測定モード時間とスリープモード時間に二分し、測定モード時間を測定間隔の1/10以下として信号電圧をデジタル出力とすることを特徴とする透磁率測定装置
  3. 請求項1または2において、
    前記検出器の大きさは直径1mm以下で長さ6mm以下とし、前記電子回路のサイズは巾10mm以下とし、測定装置の形状はペンシル型であることを特徴とする透磁率測定装置
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