JP3053453B2 - アブソリュート信号発生方法 - Google Patents

アブソリュート信号発生方法

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JP3053453B2
JP3053453B2 JP3104415A JP10441591A JP3053453B2 JP 3053453 B2 JP3053453 B2 JP 3053453B2 JP 3104415 A JP3104415 A JP 3104415A JP 10441591 A JP10441591 A JP 10441591A JP 3053453 B2 JP3053453 B2 JP 3053453B2
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重夫 関
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアブソリュート信号
発生方法に関し、特に、Nビットのアブソリュート信号
の最下位ビット信号を別チャンネルのsin2Nθ信号
及びcos2Nθ信号を用いて分割することにより、従
来よりも少ないビット数で高分解能のアブソリュート信
号を出力するための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、用いられていたこの種のエンコー
ダとしては、例えば、特開平1−173625号公報に
開示されている光学式の構成が代表的なものであるが、
このような光学式エンコーダにおいては、回転符号板に
形成されたアブソリュート信号用のパターンのチャンネ
ル数に対応した数の受光素子及び信号処理回路を用いて
アブソリュート信号の発生を得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のエンコーダにお
けるアブソリュート信号発生方法は、以上のように構成
されていたため、次のような課題が存在していた。すな
わち、符号板の符号トラック数が多くなり、符号板の大
形化及び発光素子と受光素子の数が著しく増加すること
になっていた。また、下位ビットのスリット幅又はパタ
ーン幅に限界があり、スリット及びパターン形成が極め
て困難であった。また、例えば、20ビットの場合、2
0チャンネルの受光素子及び信号処理回路を必要とし
た。さらに、多数の受光素子及び信号処理回路を設けた
場合、各々周波数特性が微妙に異なることがあり、高速
追従時と低速追従時において、チャンネル間の位相関係
が変化し、精度を保つことが極めて困難であった。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、特に、Nビットのアブソリュート
信号の最下位ビット信号を別チャンネルのsin2Nθ
信号及びcos2Nθ信号を用いて後述のように分割す
ることにより、従来よりも少ないビット数で高分解能の
アブソリュート信号を出力するようにしたアブソリュー
ト信号発生方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるアブソリュ
ート信号発生方法は、Nビットのアブソリュート信号と
Nサイクル/1回転の信号が記録された符号板を備え
たエンコーダを用いてアブソリュート信号を出力するよ
うにしたアブソリュート信号発生方法において、前記2
Nサイクル/1回転のsin2Nθ信号、cos2Nθ信
号を演算回路にて除算し、tan2Nθ信号及びcot
Nθ信号のデータを算出する工程と、前記tan2Nθ
信号及びcot2Nθ信号をA/D変換し、0からπ/
4、3/4πから5/4π、7/4πから2πの角度範
囲は前記tan2Nθ信号のデータを用いると共に、π
/4から3/4π、5/4πから7/4πは前記cot
Nθ信号のデータを用いて2K分割を行ってKビット信
号を出力する工程とからなる方法である。
【0006】さらに詳細には、前記Nビットのアブソリ
ュート信号は、電源オン時にプリセットカウンタにプリ
セットされる工程と、その後、前記Nビットのアブソリ
ュート信号は前記sin2Nθ信号及びcos2Nθ信号
により形成された前記Kビット信号より形成されるキャ
リー信号及びボロー信号により更新され、前記プリセッ
トカウンタからのNビットカウンタ出力データと前記K
ビット信号よりN+Kビットのアブソリュート信号を出
力する工程とからなる方法である。
【0007】さらに詳細には、前記符号板から検出され
たMビット(M≧2、2M)の回転数アブソリュート信
号(14)を記憶することよりなる方法である。
【0008】さらに詳細には、前記各アブソリュート信
号は、パラレル/シリアル変換されて(K+N+M)ビ
ットのシリアルデータとよりなる方法である。
【0009】
【作用】本発明によるアブソリュート信号発生方法にお
いては、2Nサイクル/1回転のsin2Nθ信号、co
s2Nθ信号は演算回路にて除算し、tan2Nθ信号及
びcot2Nθ信号のデータを算出し、さらに、前記t
an2Nθ信号及びcot2Nθ信号をA/D変換して、
0からπ/4、3/4πから5/4π、7/4πから2
πの角度範囲はtan2Nθ信号のデータを用いると共
に、π/4から3/4π、5/4πから7/4πは前記
cot2Nθ信号のデータを用いて2K分割を行うことに
より、例えば、従来、20ビットの構成であったアブソ
リュート信号のチャンネル数を12チャンネル+2チャ
ンネルで信号処理が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、図面と共に本発明によるアブソリュー
ト信号発生方法の好適な実施例について詳細に説明す
る。図1は本発明によるアブソリュート信号発生方法を
示すブロック図、図2は波形図である。
【0011】図1において符号1で示されるものは、エ
ンコーダの符号板(図示せず)から2Nサイクル/1回
転の信号であるsin2Nθ信号2及びcos2Nθ信号
3(図2に示す)を出力する受光素子であり、これらの
sin2Nθ信号2及びcos2Nθ信号3は、演算回路
4にて除算され、tan2Nθ信号5及びcot2Nθ信
号6に変換される。なお、この符号板に記録された2N
サイクル/1回転の信号は、図示していないが、例え
ば、特開平2−126114号公報に開示されているよ
うに周知の構成である。
【0012】前記tan2Nθ信号5及びcot2Nθ信
号6は、A/D変換器7、8によってA/D変換された
後、デジタル信号化されてROMからなるメモリ9に入
力されている。
【0013】さらに、前記メモリ9に入力されたtan
Nθ信号5及びcot2Nθ信号6のデータを用いるこ
とにより、図3で示すように0からπ/4、3/4πか
ら5/4π、7/4πから2πはtan2Nθ信号5の
データにより、π/4から3/4π、5/4πから7/
4πはcos2Nθ信号6のデータによって(図3に示
す直線部分を使用)2K分割を行うことができ、Kビッ
ト信号10を得ることができる。なお、2K分割とは、
図3で示されるように、tan2Nθ信号5及びcot
Nθ信号6の全てのビットを用いるのではなく、直線
部分のみを使用して分割した状態でビット信号を得るた
め、Nビットと区別するためにKビットとし、Kビット
信号10を得ていることである。
【0014】また、Nビットのアブソリュート信号11
は、プリセットカウンタ12に入力されており、前記メ
モリ9からのキャリー信号9a及びボロー信号9bがプ
リセットカウンタ12に入力されている。
【0015】さらに、前記メモリ9からのKビット信号
10、プリセットカウンタ12からのNビットのカウン
タ出力データ13及び前記受光素子1から得られたMビ
ット(M≧2、2M)の回転数アブソリュート信号14
は、パラレルシリアル通信ゲート15に入力されてパラ
レル/シリアル変換され、(K+N+M)ビットのシリ
アルアブソリュート信号を得ることができる。
【0016】従って、Nビットのアブソリュート信号1
1は、電源(図示せず)がオン状態になった時、プリセ
ットカウンタ12にプリセットされ、その後は、Kビッ
ト信号10の下位ビットより出るキャリー(アップ)信
号9a及びボロー(ダウン)信号9bにより更新され、
Nビットのカウンタ出力データ13が得られることによ
り、この段階でN+Kビットのアブソリュートデータを
パラレルシリアルデータで得ることができる。
【0017】さらに、前記回転数アブソリュート信号1
4が、パラレル/シリアル通信ゲート15に入力される
ことにより、パラレル/シリアル通信ゲート15から
は、(K+N+M)ビットのシリアルデータ16よりな
るアブソリュート信号を得ることができる。従って、K
+Nビットのアブソリュート信号も前記シリアルデータ
16として出力されるが、この場合、図2にも示される
ように、Nビットに対してKビットを作ることができ、
N+K(K≧4の整数)のアブソリュート信号16を前
記符号板の信号から得ることができると共に、回転数を
加えた(K+N+M)ビットのアブソリュート信号16
を得ることができる。
【0018】従って、例えば、図1において、Nビット
アブソリュート信号11と回転数アブソリュート信号1
4で仮に12チャンネル必要とすると、sin2Nθ信
号2とcos2Nθ信号3により2チャンネルを必要と
するため、合計14チャンネルで済むことになり、従来
では20チャンネルを必要としていた構成よりも大幅に
チャンネル数を減らすことができる。なお、前述の12
チャンネル必要とすることは一例であり、10又は8チ
ャンネルの場合もある。
【0019】
【発明の効果】本発明によるアブソリュート信号の発生
方法は、以上のように構成されているため、次のような
効果を得ることができる。すなわち、符号板の符号トラ
ック数が少なくなり、符号板の小形化、受光素子数の低
減を実現することができる。また、下位ビットのスリッ
ト幅を従来ほど小さくする必要がなく、スリットの形成
の容易化、信号処理回路数の低減化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるアブソリュート信号の発生方法
を示すブロック図である。
【図2】 波形図である。
【図3】 波形図である。
【符号の説明】
2 sin2Nθ信号(2Nサイクル/1回転の信号) 3 cos2Nθ信号(2Nサイクル/1回転の信号) 4 演算回路 5 tan2Nθ信号 6 cot2Nθ信号 9a キャリー信号 9b ボロー信号 10 Kビット信号 12 プリセットカウンタ 13 Nビットカウンタ出力データ 16 (N+K+M)ビットのアブソリュート信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/249 G01D 5/245 102

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Nビットのアブソリュート信号(11)と2
    Nサイクル/1回転の信号が記録された符号板を備えた
    エンコーダを用いてアブソリュート信号を出力するよう
    にしたアブソリュート信号発生方法において、前記2N
    サイクル/1回転のsin2Nθ信号(2)、cos2Nθ
    信号(3)を演算回路(4)にて除算し、tan2Nθ信号(5)
    及びcot2Nθ信号(6)のデータを算出する工程と、前
    記tan2Nθ信号(5)及びcot2Nθ信号(6)をA/D
    変換し、0からπ/4、3/4πから5/4π、7/4
    πから2πの角度範囲は前記tan2Nθ信号(5)のデー
    タを用いると共に、π/4から3/4π、5/4πから
    7/4πは前記cot2Nθ信号(6)のデータを用いて2
    K分割を行ってKビット信号(10)を出力する工程とから
    なることを特徴とするアブソリュート信号発生方法。
  2. 【請求項2】 前記Nビットのアブソリュート信号(11)
    は、電源オン時にプリセットカウンタ(12)にプリセット
    される工程と、その後、前記Nビットのアブソリュート
    信号(11)は前記sin2Nθ信号(2)及びcos2Nθ信
    号(3)により形成された前記Kビット信号(10)より形成
    されるキャリー信号(9a)及びボロー信号(9b)により更新
    され、前記プリセットカウンタ(12)からのNビットカウ
    ンタ出力データ(13)と前記Kビット信号(10)よりN+K
    ビットのアブソリュート信号(16)を出力する工程とから
    なることを特徴とする請求項1記載のアブソリュート信
    号発生方法。
  3. 【請求項3】 前記符号板から検出されたMビット(M
    ≧2、2M)の回転数アブソリュート信号(14)を記憶す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のアブソリュー
    ト信号発生方法。
  4. 【請求項4】 前記各信号(10、13、14)は、パラレル
    /シリアル変換されて(K+N+M)ビットのシリアル
    データ(16)として出力することを特徴とする請求項1な
    いし3の何れかに記載のアブソリュート信号発生方法。
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