JP3053339B2 - ロータリコンプレッサのベーン取付溝の加工装置及び当該装置を用いた加工方法 - Google Patents

ロータリコンプレッサのベーン取付溝の加工装置及び当該装置を用いた加工方法

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JP3053339B2
JP3053339B2 JP6250523A JP25052394A JP3053339B2 JP 3053339 B2 JP3053339 B2 JP 3053339B2 JP 6250523 A JP6250523 A JP 6250523A JP 25052394 A JP25052394 A JP 25052394A JP 3053339 B2 JP3053339 B2 JP 3053339B2
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彰恭 米川
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロータリコンプレッサ
のシリンダの内周面から径方向外側に延びるベーン取付
溝の内側面を研削加工するための装置及びこの装置を用
いた加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】研削加工されるワークの中には、図7に
示すワーク90のように、その内周面92から径方向外
側に径方向溝94が切り込まれたものがある。この径方
向溝94は、シングルベーン式ロータリコンプレッサの
シリンダにおいては、ロータ外周面と接触するベーンを
径方向に移動可能に取付ける目的で形成される。
【0003】上記径方向溝94の内側面には、高い加工
精度が要求される場合がある。このような高精度加工を
実現する手段としては、上記径方向溝94に対してブロ
ーチをワーク軸方向に通し、このブローチで径方向溝9
4を上記軸方向に削るか、もしくは、上記図7に示すよ
うに薄肉円板状の砥石板96の砥石面を上記径方向溝9
4の内側面に接触させながら砥石板96を回転駆動し、
この砥石板96をワーク軸方向に移動させる加工が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記径方向溝94をロ
ータリコンプレッサのベーン取付溝として用いる場合、
この径方向溝94に軸方向の傷(すなわちベーン作動方
向と直交する方向の傷)が入ると、ベーン作動の抵抗と
なるため、ベーンを円滑に作動させるには、たとえ傷が
生じたとしてもその方向が径方向となるような加工が望
ましい。ここで、上記ブローチ加工によれば上記径方向
溝94に軸方向の傷が入り、図7に示すように砥石板9
6を用いる加工ではこの砥石板96の回転方向に傷が入
るので、いずれも好ましくない。
【0005】上記径方向溝94を径方向に加工する手段
としては、外周面に砥石を配した小径の砥石軸を径方向
溝94に軸方向に通し、この砥石軸を高速回転させた状
態で上記径方向溝94の内側面に接触させながら上記径
方向に移動させることが考えられるが、この場合、砥石
軸の軸長を上記ワークの軸方向寸法よりも大きくしなけ
ればならず、しかも、砥石軸の外径を上記径方向溝94
の幅よりも小径(一般には5mm以下)にしなければなら
ないため、砥石軸は非常に細長くなり、このため砥石軸
の十分な支持剛性が得られず、砥石軸の撓みにより加工
精度が著しく低下してしまう。
【0006】このような不都合を解消する手段として、
特開平3−35966号公報に示される内面研削盤を用
いることが考えられる。この内面研削盤は、フレームの
一端に、上記砥石軸を駆動する加工装置本体を前後方向
にスライド可能に設置し、他端に、上記砥石軸の先端を
回転可能に支持する流体軸受を設けて、上記砥石軸を両
端支持することにより、その支持剛性を高めるようにし
たものである。このような研削盤を用いれば、上記砥石
軸を径方向溝94内に挿入した状態で径方向溝94内側
面の研削が可能である。
【0007】しかし、この研削盤では、砥石軸の両端が
加工装置本体およびフレーム端部で支持されており、砥
石軸、加工装置本体、およびフレームによってループが
形成されているため、上記砥石軸を上記径方向溝94内
に挿入するには、上記フレームに対して上記加工装置本
体を後退させて上記砥石軸を一旦フレーム端部の軸受か
ら抜き、この砥石軸と上記軸受との間にワーク90をセ
ットした後、上記加工装置本体を前進させて砥石軸を再
び軸受内に挿入するといった面倒な作業が必要である。
また、この作業を可能にするため、上記フレームに対し
て加工装置本体を前後にスライドさせる機構が必要であ
るとともに、上記軸受として、上記砥石軸を容易に抜き
差しできる流体軸受を用いねばならず、装置自体のコス
トアップも免れ得ない。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、面倒な
ワークセット作業を伴わず、簡単な構成で、ロータリコ
ンプレッサのシリンダにおけるベーン取付溝の内側面を
高精度で良好に加工できる装置及び方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、内周面から径方向外側にベー
ン取付溝が切り込まれたロータリコンプレッサのシリン
ダの上記ベーン取付溝内側面を加工するための装置であ
って、上記ベーン取付溝の幅寸法よりも小さい直径をも
つ砥石軸と、この砥石軸を支持して回転駆動する加工装
置本体と、この加工装置本体の先端部に固定される固定
部とこの固定部から上記砥石軸と略平行に延びるアーム
部とこのアーム部の先端に連なって上記砥石軸の先端を
軸受を介して回転可能にかつ軸方向に相対移動不能に支
持する軸受部とを一体に有する支持部材とを備え、上記
砥石軸及びアーム部の長さ寸法を上記ロータリコンプレ
ッサのシリンダの軸寸法よりも大きく設定し、上記支持
部材において上記アーム部及び軸受部からなる部分の半
径方向最大寸法を上記ロータリコンプレッサのシリンダ
の内径よりも小さく設定し、かつ、加工の際の上記アー
ム部とシリンダ内周面との干渉を回避できるように上記
砥石軸とアーム部内壁面との離間寸法を上記ベーン取付
溝の加工領域の径方向寸法よりも大きく設定したもので
ある(請求項1)。
【0010】この装置では、上記支持部材の内部に、上
記固定部から上記アーム部を経て上記軸受部の軸受に至
る軸受潤滑油供給通路を形成し、この軸受潤滑油供給通
路の入口を上記固定部外面に開口させることが、より好
ましい(請求項2)。この場合、上記軸受潤滑油供給通
路の入口を上記固定部が上記加工装置本体に取付けられ
る面に開口させ、この入口を上記加工装置本体側の潤滑
油供給通路に連通させれば、より効果的である(請求項
3)。
【0011】さらに、上記軸受部に砥石軸の軸方向の貫
通穴を設け、この貫通穴内に、上記軸受と、上記軸受潤
滑油供給通路の一部であって上記軸受に軸方向から潤滑
油を供給する油路が形成された油路ブロックとを嵌入
し、貫通穴の両端を塞ぐ蓋部材を上記軸受部の両面に着
脱可能に取付けることにより、さらに優れたものとなる
(請求項4)。
【0012】また、上記支持部材に、上記砥石軸とワー
クのベーン取付溝内側面との接触箇所に向けてクーラン
トを噴射するクーラント噴射口を設けることにより、後
述のようなより優れた効果が得られる(請求項5)。
【0013】また本発明は、上記加工装置を用いた加工
方法であって、上記支持部材及び砥石軸の双方を結合状
態のまま上記ロータリコンプレッサのシリンダの内側に
挿入し、上記砥石軸を上記加工装置本体により回転駆動
しながら上記ベーン取付溝内に挿入してこの砥石軸の外
周面を上記ベーン取付溝内側面に接触させ、かつこの接
触状態のまま上記シリンダに対して上記砥石軸、支持部
材、及び加工装置本体をワーク径方向に相対移動させる
ことにより、上記ベーン取付溝内側面を研削するもので
ある(請求項6)。
【0014】
【作用】請求項1記載の装置によれば、加工装置本体か
ら延びる支持部材の軸受部で砥石軸の先端部を回転可能
に保持したまま(すなわち上記軸受部から砥石軸先端部
を抜くことなく)、支持部材と砥石軸の双方をシリンダ
内側に挿入し、砥石軸を回転駆動しながらベーン取付溝
の内側面に接触させ、かつこの砥石軸、支持部材、及び
加工装置本体を上記シリンダに対して径方向に相対移動
させる方法により(請求項6)、ベーン取付溝内側面を
研削できる。この時、ベーン取付溝内側面に加工傷が入
ってもこの傷は径方向であり、軸方向の傷はほとんど生
じない。
【0015】そして、請求項2記載の装置では、上記支
持部材の固定部外面に開口する軸受潤滑油供給通路の入
口から供給された潤滑油が、上記支持部材内に形成され
た軸受潤滑供給油路に沿い、アーム部及び軸受部を経て
上記軸受に供給される。
【0016】ここで、請求項3記載の装置では、加工装
置本体側で用いられている潤滑油が上記軸受潤滑油供給
通路に供給され、上記軸受の潤滑油として兼用される。
また、請求項4記載の装置では、上記軸受部まで到達し
た潤滑油が油路ブロックを通じて軸受に供給される。こ
の装置では、軸受部の両面に対して蓋部材を着脱するこ
とにより、上記軸受部に対して砥石軸先端部を着脱する
ことが可能である。
【0017】請求項5記載の装置では、上記支持部材の
アーム部に形成されたクーラント噴射口よりクーラント
が噴射され、上記砥石軸とワークのベーン取付溝内側面
との接触箇所に供給される。
【0018】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0019】図4において、ベッド10上には、前方に
開口するケーシング12が前後にスライド可能に設置さ
れ、このケーシング12の背面には図略のナットが固定
され、このナットに前後方向の送りねじ軸16が螺合さ
れている。上記ベッド10上には、上記送りねじ軸16
を回転駆動することにより、上記ナットを介してケーシ
ング12を進退させるスライド駆動装置14が設置され
ている。
【0020】上記ケーシング12内には、加工装置本体
18が昇降可能に保持され、この加工装置本体18の上
面には図略のナットが固定され、このナットに上下方向
の送りねじ軸22が螺合されている。ケーシング12の
上面には、上記送りねじ軸22を回転駆動することによ
り、上記ナットを介して加工装置本体18を昇降させる
昇降駆動装置20が設置されている。
【0021】図1に示すように、上記加工装置本体18
の先端部には軸受24が設けられ、その外側にビス26
で蓋部材28が固定されている。上記軸受24によって
主軸30が回転可能に支持されており、この主軸30を
回転駆動するモータが加工装置本体18に内蔵されてい
る。そして、この主軸30のさらに先端に、これと同一
中心をもつ小径の砥石軸32が固定されている。この砥
石軸32の外周面には、研削用の砥石が配設されてい
る。
【0022】上記加工装置本体の先端部には、支持部材
34が固定されている。この支持部材34は、フランジ
状の固定部36と、アーム部38と、軸受部40とを一
体に有している。上記固定部36は、その中央に上記主
軸30が貫通可能な貫通穴41を有し、ボルト42によ
って上記加工装置本体18の先端部に固定されている。
アーム部38は、上記固定部36の上部から上記砥石軸
32と略平行に前方へ延びており、このアーム部38の
先端から下方に上記軸受部40が延びている。
【0023】この軸受部40には、軸方向の貫通穴40
aが形成されている。この貫通穴40a内には、砥石軸
32に近い側から順に、軸受44、油路ブロック46、
及び板ばね48が嵌入され、上記軸受44により上記砥
石軸32の先端部33が回転可能に支持されている。軸
受部40の前側面には、上記貫通穴40aを前方から塞
ぐ蓋部材50がビス等で着脱可能に取付けられ、軸受部
40の後端面には、上記砥石軸32先端部33を取り巻
くドーナツ板状の蓋部材52がビス等で着脱可能に取付
けられている。
【0024】図3に示すように、上記固定部36の側面
には、軸受潤滑油供給ポート54が側方に開口してお
り、この軸受潤滑油供給ポート54に軸受潤滑油供給通
路56が通じている。この軸受潤滑油供給通路56は、
アーム部36の内部に形成され、このアーム部36に沿
って延びており、この軸受潤滑油供給通路56の終端は
次の軸受潤滑油供給通路57に通じている。この軸受潤
滑油供給通路57は、上記軸受部40内において、上記
軸受潤滑油供給通路56から油路ブロック46に至って
いる。この油路ブロック46には、全周にわたる油溝5
8と、この油溝58から上記軸受44に対して軸方向に
潤滑油を供給する油路60とが形成され、上記油溝58
に上記軸受潤滑油供給通路57が通じている。
【0025】上記固定部36の側面には、クーラント供
給ポート62が開口し、このクーラント供給ポート62
はクーラント供給路63を通じてクーラント噴射口64
に通じている。このクーラント噴射口64は、上記アー
ム部38と固定部36との境界部分から上記砥石軸32
の略中間部へ向けて開口している。
【0026】一方、図略のチャック装置には、図1及び
図2に示すワーク66が保持されている。このワーク6
6は、図例ではシングルベーン式ロータリコンプレッサ
のシリンダであり、中央に貫通穴68をもつ筒状をな
し、その内周面から径方向外側にベーン取付溝70が切
り込まれ、このベーン取付溝70の終端に円穴部72が
形成されている。上記ベーン取付溝70は、ベーンを径
方向に移動可能に収容するために形成され、円穴部72
は、上記ベーンを径方向内側に付勢するスプリングを収
納するために形成されている。このワーク66に対し、
上記加工装置側では次のような寸法設定がなされてい
る。
【0027】上記砥石軸32及びアーム部38の長さ
寸法(前後寸法)を、ワーク66の軸寸法よりも大きく
する。
【0028】図2に示すように、上記アーム部36及
び軸受部38からなる部分の半径方向(図では上下方
向)最大寸法L1を、ワーク66の内径dよりも小さく
設定する。
【0029】図2に示すように、上記アーム部38の
内壁面と砥石軸32との離間距離(図ではアーム部38
下面から砥石軸32上面までの距離)L2を、ベーン取
付溝70の加工領域の径方向寸法sよりも大きくする。
【0030】次に、この装置を用いた上記ベーン取付溝
70内側面の加工方法を説明する。
【0031】チャック装置によりワーク66を保持した
状態で、昇降駆動装置20の作動により加工装置本体1
8の上下位置を適当に調節し、次いでスライド駆動装置
14を作動させて加工装置本体を前進させることによ
り、支持部材38及び砥石軸32を一体にワーク66の
貫通穴68内に後方から挿入する。
【0032】この状態で、加工装置本体18内蔵のモー
タにより主軸30及び砥石軸32を高速で回転駆動しな
がら、ワーク66を左右方向(図1では奥行き方向)に
変位させて砥石軸32の下降時に上記砥石軸32の外周
面がベーン取付溝70の内側面に接触する所定位置にワ
ーク66を割り出す。さらに、加工装置本体18を降下
させて砥石軸32をベーン取付溝70内に上方から挿入
する。そして、加工装置本体18、支持部材34、及び
砥石軸32を一体に昇降させることにより、ベーン取付
溝70の内側面を研削できる。
【0033】このような方法及び装置によれば、幅の狭
いベーン取付溝70であっても、その内側面を精度良く
加工できる。しかも、この内側面に生じる傷は径方向
(図例では上下方向)のみであり、軸方向には傷がほと
んど生じないので、このベーン取付溝70に収納される
ベーンを良好に作動させることができる。また、砥石軸
32は両端で支持しているので、この砥石軸32の内径
が上記ベーン取付溝70の幅より小さくても十分な支持
剛性が得られ、これにより高い加工精度を確保できる。
【0034】さらに、この実施例では次のような効果も
得られる。
【0035】支持部材34において上記アーム部38
及び軸受部40からなる部分の半径方向最大寸法L1
ワーク内径dよりも小さく設定しているので、支持部材
34を加工装置本体18に固定したまま、かつ、砥石軸
32の先端部33を支持部材34の軸受部40に保持し
たまま、砥石軸32とワーク66との相対位置をセット
できる。すなわち、このセットの際に、加工装置本体1
8と支持部材34とを相対的にスライドさせたり、軸受
44から砥石軸32を抜いたりする必要がないため、迅
速に加工を開始できるとともに、支持部材34と加工装
置本体18との連結構造を簡単にでき、軸受44にして
も、高価な流体軸受等を特に用いなくても転がり軸受等
の通常の安価な軸受を使用でき、その分コストを削減で
きる。しかも、アーム部38内壁面と砥石軸32との離
間寸法(アーム部38下面から砥石軸32上面までの寸
法)L2をベーン取付溝70の加工領域の径方向寸法s
よりも大きく設定しているので、加工の際のアーム部3
8とワーク66内周面との干渉を回避できる。
【0036】軸受潤滑油供給ポート54を支持部材3
4において固定部36側(すなわち加工装置本体18に
近い側)に開口させ、この軸受潤滑油供給ポート54か
ら支持部材34先端の軸受44に至る軸受潤滑油供給通
路56,57を支持部材34内に形成しているので、支
持部材34先端の軸受部40に直接軸受潤滑油供給配管
を接続する場合と異なり、この配管が加工中にワーク6
6の近辺をぶらつくことがなく、加工を円滑に進めるこ
とができる。
【0037】さらに、この実施例では、軸受部40に軸
方向の貫通穴40aを設け、この貫通穴40a内に軸受
44及び油路ブロック46を嵌入し、その両側に蓋部材
50,52を着脱可能に装着するようにしているので、
これら蓋部材50,52を取外すことにより、砥石軸3
2を軸受部40から簡単に取外すことができ、砥石軸3
2を容易に交換することが可能になっている。
【0038】支持部材34に、砥石軸32とワーク6
6との接触部分に指向するクーラント噴射口64を設け
ているので、特別なクーラント噴射ノズルを設けること
なく、支持部材34を利用して適切な箇所にクーラント
を供給できる。
【0039】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例として次のような態様をとることも可能
である。
【0040】(1) 上記実施例では、軸受潤滑油供給ポー
ト54を固定部36の側面に開口させているが、図5及
び図6に示すように、上記ポート54を加工装置本体1
8への固定部36の取付面37に開口させ(すなわち加
工装置本体18に向けて開口させ)、この潤滑油供給ポ
ート54を加工装置本体18内の潤滑油供給通路25に
連通させるようにすれば、上記潤滑油供給ポート54へ
の配管を全く不要にすることができ、かつ、加工装置本
体18用の潤滑油を上記軸受44の潤滑油として兼用で
きる利点がある。
【0041】(2) 上記実施例では、砥石軸32をワーク
66の貫通穴68内に挿入した後、この砥石軸32を上
方よりベーン取付溝70内に挿入する時点からこのベー
ン取付溝70の内側面と砥石軸32との接触を開始する
ようにしているが、これに代え、上記貫通穴68に挿入
した砥石軸32をベーン取付溝70の幅方向中央の位置
に割り出しておき、この位置から下降させてベーン取付
溝70内に挿入した後、このベーン取付溝70内でワー
ク66を左右方向に変位させて砥石軸32とベーン取付
溝70内面とを接触させ、この接触状態で砥石軸32を
昇降させるようにしても、研削が可能である。
【0042】(3) 上記実施例では、上下方向及び前後方
向に加工装置本体18を動かし、左右方向にワーク66
を動かすことにより加工を進めているが、本発明では、
互いに直交する3方向に加工装置本体及びワークを相対
移動させれば加工が可能であり、各方向についてワーク
側、加工装置本体側のいずれを移動させるようにしても
よい。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明は、砥石軸を駆動す
る加工装置本体の先端部に、固定部とアーム部と軸受部
とを一体に有する支持部材を固定してその軸受部により
上記砥石軸の先端を回転可能に支持し、この状態で上記
支持部材及び砥石軸の双方を結合状態のまま上記ロータ
リコンプレッサのシリンダの内側に挿入し、この砥石軸
を上記加工装置本体により回転駆動しながらベーン取付
溝内に挿入してこの砥石軸の外周面を上記ベーン取付溝
内側面に接触させ、かつこの接触状態のまま上記砥石
軸、支持部材、及び加工装置本体を上記シリンダに対し
てその径方向に相対移動させることにより、上記ベーン
取付溝内側面を研削するものであるので、上記支持部材
による砥石軸先端部の支持により、砥石軸が小径である
にもかかわらず十分な支持剛性を確保しながら、上記ベ
ーン取付溝の内側面を適正な方向に高い精度で研削加工
することができる効果がある。しかも、上記ベーン取付
溝内への砥石軸の挿入の際に、上記加工装置本体と支持
部材とを相対的に前後にスライドさせたり、上記砥石軸
を上記軸受部から抜き取ったりする必要がないので、ワ
ーク(ロータリコンプレッサのシリンダ)のセット作業
が簡単にでき、かつ装置構造の簡略化によりコストを削
減できる効果がある。
【0044】ここで、請求項2記載の装置では、軸受潤
滑油供給通路の入口を支持部材の固定部外面に開口さ
せ、この軸受潤滑油供給通路の入口から支持部材先端の
軸受に至る軸受潤滑油供給通路を支持部材内に形成して
いるので、支持部材先端の軸受部に直接軸受潤滑油供給
配管を接続する場合と異なり、この配管が加工中にワー
クの近辺をぶらつくことがなく、よって加工を円滑に進
めることができる効果がある。
【0045】特に、請求項3記載の装置では、上記入口
を加工装置本体側に開口させてこの加工装置本体側の軸
受潤滑油供給通路に連通させているので、支持部材への
配管作業を全く不要にできるとともに、上記加工装置本
体用の潤滑油を支持部材側の軸受の潤滑油として兼用で
きる効果がある。
【0046】さらに、請求項4記載の装置では、軸受部
に軸方向の貫通穴を設け、この貫通穴内に、上記軸受
と、この軸受に対して軸方向から潤滑油を供給するため
の油路をもつ油路ブロックとを嵌入し、その両側に蓋部
材を着脱可能に装着しているので、上記砥石軸を軸受部
に対して簡単に着脱でき、砥石軸を容易に交換できる効
果がある。
【0047】また、請求項5記載の装置では、支持部材
に、砥石軸とベーン取付溝内周面との接触部分に指向す
るクーラント噴射口を設けているので、支持部材を有効
に利用することにより、特別なクーラント噴射ノズルを
設けずに簡単な構造で適切な箇所にクーラントを供給で
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における加工装置の要部及び
ワークを示す断面側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】上記加工装置の全体図である。
【図5】他の実施例における加工装置の要部及びワーク
を示す断面側面図である。
【図6】図5のC−C線断面図である。
【図7】従来のワーク加工方法の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
18 加工装置本体 25 加工装置本体側の軸受潤滑油供給通路 32 砥石軸 34 支持部材 36 固定部 37 固定部取付面 38 アーム部 40 軸受部 44 軸受 46 油路ブロック 50,52 蓋部材 54 軸受潤滑油供給ポート(軸受潤滑油供給通路の入
口) 56,57 軸受潤滑油供給通路 64 クーラント噴射口 66 ワーク 70 ベーン取付溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 吉治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 米川 彰恭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 松橋 英明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−125897(JP,A) 特開 昭63−127863(JP,A) 実開 昭61−68862(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 19/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面から径方向外側にベーン取付溝が
    切り込まれたロータリコンプレッサのシリンダの上記ベ
    ーン取付溝内側面を加工するための装置であって、上記
    ベーン取付溝の幅寸法よりも小さい直径をもつ砥石軸
    と、この砥石軸を支持して回転駆動する加工装置本体
    と、この加工装置本体の先端部に固定される固定部とこ
    の固定部から上記砥石軸と略平行に延びるアーム部とこ
    のアーム部の先端に連なって上記砥石軸の先端を軸受を
    介して回転可能にかつ軸方向に相対移動不能に支持する
    軸受部とを一体に有する支持部材とを備え、上記砥石軸
    及びアーム部の長さ寸法を上記ロータリコンプレッサの
    シリンダの軸寸法よりも大きく設定し、上記支持部材に
    おいて上記アーム部及び軸受部からなる部分の半径方向
    最大寸法を上記ロータリコンプレッサのシリンダの内径
    よりも小さく設定し、かつ、加工の際の上記アーム部と
    シリンダ内周面との干渉を回避できるように上記砥石軸
    とアーム部内壁面との離間寸法を上記ベーン取付溝の加
    工領域の径方向寸法よりも大きく設定したことを特徴と
    するロータリコンプレッサのベーン取付溝の加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項記載のロータリコンプレッサの
    ベーン取付溝の加工装置において、上記支持部材の内部
    に、上記固定部から上記アーム部を経て上記軸受部の軸
    受に至る軸受潤滑油供給通路を形成し、この軸受潤滑油
    供給通路の入口を上記固定部外面に開口させたことを特
    徴とするロータリコンプレッサのベーン取付溝の加工装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項記載のロータリコンプレッサの
    ベーン取付溝の加工装置において、上記軸受潤滑油貴供
    給通路の入口を上記固定部が上記加工装置本体に取付け
    られる面に開口させ、この入口を上記加工装置本体側の
    潤滑油供給通路に連通させたことを特徴とするロータリ
    コンプレッサのベーン取付溝の加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項または記載のロータリコンプ
    レッサのベーン取付溝の加工装置において、上記軸受部
    に砥石軸の軸方向の貫通穴を設け、この貫通穴内に、上
    記軸受と、上記軸受潤滑油供給通路の一部であって上記
    軸受に軸方向から潤滑油を供給する油路が形成された油
    路ブロックとを嵌入し、貫通穴の両端を塞ぐ蓋部材を上
    記軸受部の両面に着脱可能に取付けたことを特徴とする
    ロータリコンプレッサのベーン取付溝の加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のロータ
    リコンプレッサのベーン取付溝の加工装置において、上
    記支持部材に、上記砥石軸とベーン取付溝内側面との接
    触箇所に向けてクーラントを噴射するクーラント噴射口
    を設けたことを特徴とするロータリコンプレッサのベー
    ン取付溝の加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のロータ
    リコンプレッサのベーン取付溝の加工装置を用いた加工
    方法であって、上記支持部材及び砥石軸の双方を結合状
    態のまま上記ロータリコンプレッサのシリンダの内側に
    挿入し、上記砥石軸を上記加工装置本体により回転駆動
    しながら上記ベーン取付溝内に挿入してこの砥石軸の外
    周面を上記ベーン取付溝内側面に接触させ、かつこの接
    触状態のまま上記シリンダに対して上記砥石軸、支持部
    材、及び加工装置本体をワーク径方向に相対移動させる
    ことにより、上記ベーン取付溝内側面を研削することを
    特徴とするロータリコンプレッサのベーン取付溝の加工
    方法。
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