JP5574897B2 - エアシリンダを用いた電動加工装置 - Google Patents
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特許文献1では、モータ機構のロータに連結されたスピンドルの前側にドリルが固定されており、シリンダ機構によって、モータ機構と共にドリルを前進させている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、モータ機構の送り速度を一定にする機構を設け、被加工材への加工を安定的に行うエアシリンダを用いた電動加工装置を提供することを目的とする。
また、突出部を備える第2の軸受ブロックは、スピンドルを回転自在に支持しているので、第2の軸受ブロックは、スピンドルの支持とモータユニットの送り速度を一定にするという少なくとも2つの機能を果たし、電動加工装置の構造を簡素化し、電動加工装置全体に要する部材、部品等の点数を少なくすることができる。
図1、図2(A)、(B)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るエアシリンダを用いた電動加工装置10(以下、単に電動加工装置10という)は、外側ケース11内に配置されるモータユニット12を前後動させるエアシリンダ13を有し、モータユニット12と共に前進し、モータユニット12に駆動力を与えられて回転するドリル14(加工具の一例)によって被加工材に穴をあける装置である。以下、詳細に説明する。
取付け座15、16は、それぞれ固定プレート17の筒状部材18より前後に突出した前側部及び後側部からなり、それぞれ貫通孔18aを備えている。電動加工装置10は、貫通孔18aに挿通された周知のねじ材を固定フレームに設けられたねじ穴に螺合することによって固定フレームに固定される。なお、取付け座は、固定プレートの前又は後等に一つだけ設けるようにしてもよい。
筒状部材18の内側にある空間部は、図2(A)、(B)に示すように断面が略矩形であり、筒状部材18の後側には、図1、図2(B)に示すように、前後方向に沿って形成された切欠き部19が設けられている。なお、図2(A)、(B)は、一部が省略された断面図である。
モータユニット12は、筒状部材18の内側にある空間部に配置され、前後に第1、第2の軸受ブロック20、21が固定された断面円形のステータ保持ケース22を有している。ステータ保持ケース22内には、ステータ保持ケース22に固定されたステータ23と、ステータ23に対応するロータ24が配置され、モータユニット12は、ステータ保持ケース22、ステータ23及びロータ24等によって構成されている。
ステータ23に供給される電源は図示しないインバータによる高周波電源から供給され、スピンドル27の回転数は10000〜40000rpmの範囲で調整可能となっている。
第1の軸受ブロック20は、軸受28を収納する軸受ハウジング30を有し、軸受ハウジング30は、ステータ保持ケース22の前側内面に固定された固定リング31にねじ材32によって固定されている。
スピンドル27に固定されたドリル14は、ロータ24の回転によって、スピンドル27と共に回転し、被加工材に穴をあけることができる。
エアシリンダ13は、第2の軸受ブロック21の後部に複数のねじ材40によって連結されているピストンロッド41と、ピストンロッド41の後側に設けられたピストン42と、ピストン42が前後動可能に配置された円筒状のシリンダーチューブ43と、シリンダーチューブ43の後側に設けられ、シリンダーチューブ43に固定された円盤状の後側ブロック44を有している。ピストン42は、ピストンロッド41の後側に固定されており、ピストンロッド41と共に進退する。
後側ハウジング45は、外側ケース11の後部に固定取付けされ、筒状部材18の後部を覆っている部位の中央領域にはピストンロッド41が挿通され、そのピストンロッド41が挿通されている部分(挿通孔の内周面)には、ピストンロッド41の摺動状態を確保するブッシュ49(第2のブッシュ)が設けられている。後側ハウジング45は、このブッシュ49を介してピストンロッド41を進退可能に支持している。
後側ブロック44も、後側ハウジング45と同様に、シリンダーチューブ43内に収納された突出部を有し、その突出部には、後側ブロック44とシリンダーチューブ43の間をシールするOリング48が配置されている。
後側ブロック44には流路孔52が形成され、テール側シリンダ室51は流路孔52を介して図示しない空気通路に接続されている。テール側シリンダ室51には、空気通路及び流路孔52を介して所定圧の圧縮空気が流入可能であり、また、流路孔52及び空気通路を介してテール側シリンダ室51から空気を排出することができる。
従って、ヘッド側シリンダ室50から空気を排出可能な状態にして、テール側シリンダ室51に圧縮空気が注入されると、ピストン42が前方に押しやられ、モータユニット12、第1、第2の軸受ブロック20、21、及びピストンロッド41等は一体となって、ピストン42と共に前進することになる。
そして、テール側シリンダ室51から空気を排出可能な状態で、ヘッド側シリンダ室50に空気が注入されると、ピストン42の後退と共に、モータユニット12、第1、第2の軸受ブロック20、21、及びピストンロッド41等は一体となって後退する。
突出部59には、後側ハウジング45によってスライド可能に支持され、軸心がスピンドル27及びピストンロッド41の軸心に平行となったハイドロチェッカ58が固定されている。ハイドロチェッカ58は、エアシリンダ13の作動によって第2の軸受ブロック21と共に進退する。なお、図1において、ハイドロチェッカ58は断面図でなく側面図として描かれている。
固定金具60には、ハイドロチェッカ58の軸心上に配置されたボルト62がナット63によって固定されており、ハイドロチェッカ58は前進するとボルト62に当接するようになっている。
これは、ボルト62に当接しているハイドロチェッカ58が、第2の軸受ブロック21の進行方向に対して反対向き(即ち後ろ向き)に第2の軸受ブロック21を付勢するためであり、モータユニット12及びドリル14等は、このハイドロチェッカ58の付勢によって、前進速度が一定に保たれる。
固定金具60に対するボルト62の位置は、ボルト62の軸方向で変更可能であり、モータユニット12の送り速度を一定にする領域の長さを調整することができる。また、ハイドロチェッカ58の調整によって、モータユニット12の送り速度の変更が可能である。
そして、ロッド65、固定金具60及び突出部59を用いて形成されたモータユニット12の回り止め機構は、ロータ24の回転力で第2の軸受ブロック21及びピストンロッド41が回転するのを防止している。
なお、第2の軸受ブロック21の突出部59には、図1、図2(B)に示すように、ステータ23に電源供給するインバータに給電するための電源ケーブル66が設けられている。
防塵カバー69には、防塵カバー69と第1の軸受ブロック20の間に侵入した被加工材の切屑等の異物をスピンドル27の回転によって外部に排出する円錐排出路70が形成されている。
また、スピンドル27には、スピンドル27と防塵カバー69の間をシールするOリング71が設けられている。
そのような外側ケース11の配置は、1)ドリル14のストローク長、2)外側ケース11に対し後退位置にあるドリル14から被加工材までの距離、3)ハイドロチェッカ58がボルト62に接触状態のときのドリル14と被加工材間の距離を基にして定めることができる。
ドリル14が被加工材に接触する前に、ハイドロチェッカ58がボルト62に接触し、ボルト14の送り速度を一定にし、ドリル14は送り速度が一定となった状態で回転しながら前進して被加工材への穴あけを開始する。
電動加工装置80は、図3、図4に示すように、内側にモータユニット12が前後動可能に配置された外側ケース81と、外側ケース81に固定され前後方向に沿って配置されたガイドレール82と、ガイドレール82に移動可能に取付けられ、ガイドレール82に沿って前後動するスライドブロック83を備えている。
従って、モータユニット12は、エアシリンダ13の作動、即ちピストンロッド41の前後動によってガイドレール82に沿って進退することになり、外側ケース81に対して前後動する。
枠体部材85には、後部に前後方向に沿って形成された切欠き部86が設けられ、第2の軸受ブロック84は、その切欠き部86から外側に突出するに設けられた突出部59を備えている。なお、枠体部材85は、一端(下端)が固定プレート17に固定された側壁部を備えている。
なお、ステータ保持ケース22は、ブッシュ49aを介して枠体部材85とケース支持部材88によって進退可能に支持されている。
また、第2の軸受ブロック84は、軸受29と、軸受ハウジング34と、軸受ハウジング34及びスライドブロック83に固着された連結材90を有している。第2の軸受ブロック84は、ガイドレール82に沿って前後動可能であり、モータユニット12の外側ケース81に対する前後動可能な状態を確保している。
従って、外側ケース81に対して一体となって進退するピストンロッド41、第2の軸受ブロック84、スピンドル27、モータユニット12、刃物チャック39及びドリル14は、ステータ保持ケース22を進退可能に支持する枠体部材85及びケース支持部材88と、ガイドレール82に沿って第2の軸受ブロック84を前後動させるスライドブロック83によって、その進退方向が保たれている。
例えば、微速送り機構に用いられるハイドロチェッカは、固定金具に固定されていてもよい。
Claims (7)
- (1)取付け座を備えると共に内側に空間部を備え、後側には、前後方向に沿った切欠き部が形成された外側ケースと、
(2)前記外側ケースの後部に固定取付けされる後側ハウジングと、
(3)前後に第1、第2の軸受ブロックが固定された断面円形のステータ保持ケースと、該ステータ保持ケース内に設けられたステータと、前記第1、第2の軸受ブロックに回転自在に支持されたスピンドルを中心部に備えるロータとを有して、前記外側ケース内に配置されるモータユニットと、
(4)前記スピンドルの前側に取付けられる刃物チャックと、
(5)前記第2の軸受ブロックの後部に連結されるピストンロッドと、該ピストンロッドの後側に設けられたピストンと、該ピストンが前後動可能に配置され、前側は前記後側ハウジングに固定されるシリンダーチューブと、該シリンダーチューブの後側に設けられた後側ブロックとを有し、前記モータユニットを前後動するエアシリンダとを備え、
前記第2の軸受ブロックは、前記外側ケースの切欠き部から外側に突出し、該切欠き部に沿って前後動可能な突出部を備え、該突出部と該突出部に対向して前記外側ケースの外側に設けられた固定金具とを用いて前記外側ケースに対する前記モータユニットの回り止め機構及び前記エアシリンダによる該モータユニットの送り速度を一定にする微速送り機構とが形成されていることを特徴とするエアシリンダを用いた電動加工装置。 - 請求項1記載のエアシリンダを用いた電動加工装置において、前記モータユニットは、前記外側ケースの前側に設けられている第1のブッシュと、前記後側ハウジングに設けられて前記ピストンロッドの摺動状態を確保する第2のブッシュを介して前後動可能に支持されていることを特徴とするエアシリンダを用いた電動加工装置。
- 請求項1記載のエアシリンダを用いた電動加工装置において、前記外側ケースには、前後方向に沿って配置されたガイドレールが固定され、
前記第2の軸受ブロックは、前記ガイドレールに沿って前後動するスライドブロックに固着され、前記モータユニットの前記外側ケースに対する前後動可能な状態を確保することを特徴とするエアシリンダを用いた電動加工装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアシリンダを用いた電動加工装置において、前記外側ケースには、前記モータユニットと一体となって移動する前記突出部の前進限及び後退限を検知するセンサが設けられていることを特徴とするエアシリンダを用いた電動加工装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアシリンダを用いた電動加工装置において、前記微速送り機構は前記突出部又は前記固定金具に固定されたハイドロチェッカを用いていることを特徴とするエアシリンダを用いた電動加工装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアシリンダを用いた電動加工装置において、前記第1の軸受ブロックの前側にラビリンスシール機構が設けられていると共に、該ラビリンスシール機構内に侵入した異物を前記スピンドルの回転によって外部に排出する円錐排出路が形成されていることを特徴とするエアシリンダを用いた電動加工装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアシリンダを用いた電動加工装置において、前記モータユニットの電源はインバータによる高周波電源から供給され、前記スピンドルの回転数は10000〜40000rpmの範囲にあることを特徴とするエアシリンダを用いた電動加工装置。
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