JP7004839B2 - 加工工具およびバニシング加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状体の内周面から外方に向かって形成された溝の内側面にバニシング加工を行うバニシング加工装置に用いられる加工工具およびバニシング加工装置に関するものである。
一般に、ロータリ圧縮機のシリンダは中央部に貫通孔を有する筒状を成しており、シリンダには、内周面から径方向に延びるベーン取付溝が形成されている。ベーン取付溝にはベーンが摺動可能に配置されており、ベーンは、シリンダの貫通孔内に配置された偏心リングの外表面に接触しながらベーン取付溝内を往復動する。このようなシリンダおよびベーンを備えたロータリ圧縮機において、ベーンの摺動性を高め、高効率な圧縮機を得るために、ベーン取付溝の内側面の加工には、表面粗さ、平面度、平行度および溝巾など極端に高い加工精度が要求される。
このようなベーン取付溝の内側面の仕上げ加工装置として、例えば特許文献1の装置がある。特許文献1には、ベーン取付溝の幅よりも大きい径を持つバニシング加工用シャフトを備えたバニシング加工装置が開示されている。特許文献1では、バニシング加工用シャフトを片持ち固定で保持する加工工具を有する。そして、加工工具を動かして、バニシング加工用シャフトをベーン取付溝の内側面に押し当てながら往復動させることで、ベーン取付溝の内側面を微小に塑性変形させ、ベーン取付溝の内側面の凸部を改善するバニシング加工を行っている。
特開2015-226971号公報
特許文献1のバニシング加工装置では、上述したようにバニシング加工用シャフトが加工工具に片持ち固定で保持されている。このため、加工時にバニシング加工用シャフトが撓む可能性およびベーン取付溝の中心線とバニシング加工用シャフトの中心軸とがずれる可能性がある。このような状態でバニシング加工用シャフトがベーン取付溝に進入すると、バニシング加工用シャフトの中心軸がベーン取付溝の中心線に従動するような機能が無いために、バニシング加工用シャフトがベーン取付溝の一方の内側面に強く押し当てられる。このため、バニシング加工用シャフトの表面に偏磨耗が発生し、工具寿命の短縮を招くという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、筒状ワークの内周面から外方に向かって形成された溝の内側面をバニシング加工するにあたり、バニシング加工用シャフトの偏磨耗を抑制して工具寿命の向上を図ることが可能な加工工具およびバニシング加工装置を得ることを目的とする。
本発明に係る加工工具は、筒状ワークの内周面から外方に向かって形成された溝の内側面をバニシング加工するバニシング加工装置に用いられるバニシング加工用シャフトを保持する加工工具であって、バニシング加工用シャフトの両端を固定せずに両持ち支持する支持部を備えたものである。
本発明の加工工具によれば、バニシング加工用シャフトを両持ち支持する構造としたので、加工時にバニシング加工用シャフトが大きく撓むことを防止できる。よって、バニシング加工用シャフトの表面の局所的な偏磨耗を防ぐことができ、工具寿命を向上できる。
本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置のワーク保持装置に筒状ワームが搭載された状態を示す概概略斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークの斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の加工工具の概略断面図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の加工工具の概略斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の加工工具の寸法関係を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークの寸法関係を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークのバニシング加工前のバニシング加工装置の要部を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークを加工中のバニシング加工用シャフトとベーン取付溝との関係を示す略平面図である。 本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置を用いた加工前後のベーン取付溝の径方向位置と表面平坦性との関係を示す図である。 従来の片持ち固定方式の加工工具を用いて153.6m/本、加工後のシャフト表面の形状を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る両端支持方式の加工工具を用いて、2304m/本、加工後のシャフト表面の形状を示す図である。 バニシング加工用シャフトの表面の偏磨耗の有無による面圧の違いを示す図である。 本発明の実施の形態2に係るバニシング加工装置の加工工具の概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図を参照しながら説明する。なお、各図中、同一部分には同一符号を付すものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の概略構成図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置のワーク保持装置に筒状ワームが搭載された状態を示す概略斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークの概略斜視図である。
まず、図1を用いて、実施の形態1に係るバニシング加工装置100の構成について説明する。バニシング加工装置100は、被加工対象である筒状ワークに対して加工工具30を相対移動させながらバニシング加工を行う工具移動装置10と、筒状ワークを保持するワーク保持装置40とを備えている。ここで、バニシング加工とは、被加工対象表面を微小に塑性変形させ、被加工対象表面の凸部を改善する加工である。本明細書では、被加工対象である筒状ワークが図2に示すようにロータリ圧縮機のシリンダ1であり、被加工対象表面がベーン取付溝5である場合を例に説明する。
工具移動装置10は、加工工具30と、加工工具30が固定されて上下に昇降する昇降部11と、昇降部11を垂直方向に移動させるスライドテーブル12とを備えている。また、工具移動装置10は、スライドテーブル12を移動させるためのボールねじ13と、ボールねじ13を駆動する駆動装置14と、スライドテーブル12を保持するガイド15と、ガイド15を支持する本体ガイド16とを備えている。工具移動装置10はさらに、本体ガイド16を水平方向に移動させるスライドテーブル17と、スライドテーブル17を移動させるためのボールねじ18と、スライドテーブル17を保持するガイド19と、ボールねじ18を駆動する駆動装置20とを備えている。このように構成された工具移動装置10は、図1において矢印で示すように、ボールねじ13の回転により加工工具30が垂直方向に移動するとともに、ボールねじ18の回転により加工工具30が図1の左右方向に移動する構成となっている。
次に、ワーク保持装置40について図1と図2を参照して説明する。
ワーク保持装置40は、ステージ41と、ステージ41上にここでは3つ配置され、シリンダ1を載置するワーク受けステージ42と、ワーク受けステージ42と同数設けられ、シリンダ1をワーク受けステージ42上に押さえるワーク押さえ部43とを備えている。
3つのワーク受けステージ42のうち図2の右奥側(図1の右側)の2つのワーク受けステージ42aの一方には第1位置決めピン44が取り付けられている。また、残りのワーク受けステージ42bには第2位置決めピン45が取り付けられている。第1位置決めピン44および第2位置決めピン45に、シリンダ1に形成された第1基準穴3および第2基準穴4が差し込まれることで、シリンダ1がワーク受けステージ42上に水平方向の位置決めされて設置される。また、シリンダ1の上面はワーク押さえ部43によって押圧され、バニシング加工中のシリンダ1の浮きが防止されるようになっている。
このようにシリンダ1がステージ41に第1位置決めピン44および第2位置決めピン45によって位相が固定されて設置されることで、例えばベーン取付溝5のバリ取り工程などの後工程への搬送動作を容易に行える。つまり、後工程のステージにシリンダ1を投入する際にシリンダ1の位相決めを再度実施しなくてよく、シリンダ1の貫通穴2を搬送チャック(図示せず)で掴み、現在のステージ41上のシリンダ1の位相のまま、容易に後工程のステージに搬送できる。
シリンダ1は、図2および図3に示すように中央に貫通穴2をもつ円筒状を成しており、内周面から外側に径方向に向かってベーン取付溝5が形成されている。ベーン取付溝5は、ロータリ圧縮機の運転時にベーンが摺動するための空間である。ベーン取付溝5の内側面の表面性状が粗いと、ベーンがベーン取付溝5内を往復運動する際に、表面性状の凸部同士の引っかかりによって摺動の抵抗が増大するなど、シリンダ1を使用する上で好ましくない。このため、ベーン取付溝5の内側面は高精度にバニシング加工を施しておく必要がある。
次に、加工工具30について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の加工工具の概略断面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の加工工具の概略斜視図である。
加工工具30は、工具移動装置10の昇降部11に取り付けられる取付軸32と、取付軸32の下端部に固定され、バニシング加工用シャフト31を支持する支持部33とを備えている。バニシング加工用シャフト31は、加工対象のシリンダ1のベーン取付溝5の溝の幅A(後述の図7参照)よりも大きな径R(R[m]≦A[m]+ΔA[m])で構成されている。また、バニシング加工用シャフト31はシリンダ1よりも硬い材質で構成されている。
支持部33は、バニシング加工用シャフト31の一端を支持する第1支持部材34と他端を支持する第2支持部材35とが取付軸32の軸方向に離間した状態で締結部材36で締結された構成を有する。締結部材36は、第1支持部材34と第2支持部材35とを締結できればよく、ここではボルト36aとナット36bとで構成されているが、構成は任意である。
第1支持部材34にはバニシング加工用シャフト31の一端が挿入される第1挿入穴37aが形成されている。また、第2支持部材35にはバニシング加工用シャフト31の他端が挿入される第2挿入穴37bが形成されている。第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bの径Dは同じであり、バニシング加工用シャフト31の径Rよりも大きな径(D[mm]≦R[mm]+ΔR[mm])を有する。このように、D[mm]≦R[mm]+ΔR[mm]の関係を有することで、バニシング加工用シャフト31は、支持部33に固定されておらず、単に両端が第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bに挿入された状態で支持部33に支持されている。このようにバニシング加工用シャフト31と第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bのそれぞれとの間にはΔRのクリアランスがあるため、バニシング加工用シャフト31はこのクリアランスの範囲内で水平方向の移動が可能となっている。
次に、加工工具30とシリンダ1との寸法関係について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置の加工工具の寸法関係を示す概略断面図である。図7は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークの寸法関係を示す平面図である。
加工工具30の幅Wは、シリンダ1の貫通穴2の径Bよりも小さな径(W[mm]≦B[mm]-ΔB[mm])を有している。加工工具30の第1支持部材34と第2支持部材35との間の幅Lは、シリンダ1の厚みE(図3参照)よりも大きな寸法(L[mm]≦E[mm]+ΔE[mm])を有している。
次に、加工工具30を使用した、シリンダ1のベーン取付溝5の内側面のバニシング加工方法について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークのバニシング加工前のバニシング加工装置の要部を示す概略斜視図である。図9は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置で加工される筒状ワークを加工中のバニシング加工用シャフトとベーン取付溝との関係を示す略平面図である。図9において白抜き矢印はバニシング加工用シャフト31の移動方向を示している。
まず、駆動装置20を駆動させてスライドテーブル17を移動させ、図8に示すように、加工工具30の中心軸30c(図6参照)とシリンダ1の貫通穴2の中心2c(図7参照)とが一致するところまで加工工具30を移動させる。その後、駆動装置14を駆動させてスライドテーブル12を移動させ、加工工具30が取り付けられた昇降部11を降下させる。具体的には、加工工具30に保持されたバニシング加工用シャフト31がシリンダ1の内周面に対向する位置まで昇降部11を降下させる。その後、駆動装置20を駆動させて、本体ガイド16、ガイド15、昇降部11および加工工具30を移動させながら、バニシング加工用シャフト31をベーン取付溝5に進入させる。
ここで、バニシング加工用シャフト31をベーン取付溝5に進入させる際、図9に示すように、ベーン取付溝5の中心線5cとバニシング加工用シャフト31の中心軸31cとがずれていた場合について考える。この場合、バニシング加工用シャフト31が、ベーン取付溝5の内側面の一方側に強く押しあてられることになる。しかし、バニシング加工用シャフト31は、上述したように支持部33の第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bに対してΔRのクリアランスを有している。このため、バニシング加工用シャフト31は、ベーン取付溝5に進入する際に、中心軸31cがベーン取付溝5の中心線5cに一致するようにベーン取付溝5に倣って水平方向に移動する。
そして、バニシング加工用シャフト31の中心軸31cがベーン取付溝5の中心線5cに一致する状態でバニシング加工用シャフト31がベーン取付溝5に進入して加工が進められる。これにより、ベーン取付溝5の内側面の表面が押し均されて平滑な面に仕上げられ、ベーン取付溝5の内側面の表面を均一且つ高精度にバニシング加工をすることができる。
図10は、本発明の実施の形態1に係るバニシング加工装置を用いた加工前後のベーン取付溝の径方向位置と表面平坦性との関係を示す図である。図10(a)はバニシング加工前のベーン取付溝5の径方向位置[mm]に応じた表面平坦性[μm]を示している。図10(b)はバニシング加工後のベーン取付溝5の径方向位置[mm]に応じた表面平坦性[μm]を示している。
バニシング加工後のベーン取付溝5の内側面の表面平坦性は、加工前に比べて表面の凸部が押し均され、凸部の少ない平滑な面形状に仕上げられていることが分かる。
ところで、バニシング加工用シャフト31が挿入される第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bのそれぞれの径Dは、上述したようにバニシング加工用シャフト31の径RよりもΔRだけ大きな径としているが、ΔRの大きさには適切な範囲がある。図9において、寸法Fの値が0.4mmであり、バニシング加工用シャフト31の中心軸31cとベーン取付溝5の中心線5cとが径方向に0.1mm程ずれていた場合を考える。ここで、寸法Fは、貫通穴2とベーン取付溝5とで形成されるエッジ部の周方向の長さである。
この場合、ΔRの値を0.5mm以上とすると、貫通穴2とベーン取付溝5とで形成されるエッジ部を除く貫通穴2の内周面にバニシング加工用シャフト31が干渉し、筒状ワークに傷等を発生させる可能性が高くなる。このため、この場合のΔRの最適の値は0.4mm±0.1に設定する。ここで説明したΔRの最適の値は、ロータリ圧縮機のシリンダ1に関しての値である。よって、その他の筒状ワークの内周面から外方に向かって形成された溝を加工する場合、その筒状ワークの寸法によってΔRを適宜選定しても問題はない。
また、バニシング加工用シャフト31の両端を、第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bとの間にクリアランスを有して両持ち支持する構造としたことで、従来の片持ち固定の方式のように加工時にバニシング加工用シャフト31が大きく撓むことを防止できる。よって、バニシング加工用シャフト31の表面の局所的な偏磨耗を防ぐことができる。
また、バニシング加工用シャフト31の両端が固定されていないことで、バニシング加工用シャフト31は加工中に周方向に回転自在となっている。よって、バニシング加工用シャフト31の円周の全面を均一にベーン取付溝5に押し当てることが可能である。このため、従来の片持ち固定の方式よりもバニシング加工用シャフト31の表面の局所的な偏磨耗を防ぐことができ、工具寿命を大きく向上し、高精度にバニシング加工を行える。
図11は、従来の片持ち固定方式の加工工具を用いて153.6m/本、加工後のシャフト表面の形状を示す図である。図12は、本発明の実施の形態1に係る両端支持方式の加工工具を用いて、2304m/本、加工後のシャフト表面の形状を示す図である。なお、153.6m/本とは、バニシング加工用シャフト1本当たりの累積の加工長さが153.6mであることを示している。2304m/本も同様の意味合いである。なお、1ワーク当たりの加工長さは0.0768mである。
図11に示すように、従来の加工工具を使用した場合には、153.6m/本の加工後にバニシング加工用シャフト31の表面に偏磨耗が生じている。しかし、図12に示すように、実施の形態1における加工工具30を使用した場合では、2304m/本の加工後でも、バニシング加工用シャフト31の表面に偏磨耗が発生しておらず、工具寿命の向上を確認することができる。
図13は、バニシング加工用シャフトの表面の偏磨耗の有無による面圧の違いを示す図である。図13(a)は、バニシング加工用シャフト31の表面に偏磨耗がない場合を示している。図13(b)は、バニシング加工用シャフト31の表面に偏磨耗がある場合を示している。また、図13において矢印は面圧分布を示している。
図13(a)に示すように、バニシング加工用シャフト31の表面に偏磨耗がない場合、バニシング加工用シャフト31とベーン取付溝5の内側面5aとの接触は、円柱と平面との接触になる。このため、円柱の中央部の面圧が高くなり、バニシング加工時における塑性変形量である凸部改善量が大きくなる。
一方、図13(b)に示すように、バニシング加工用シャフト31の表面に偏磨耗があってバニシング加工用シャフト31の表面に平らな面が形成されている場合、バニシング加工用シャフト31とベーン取付溝5の内側面5aとの接触は平面同士の接触となる。このため、面圧が低くなり、バニシング加工時における塑性変形量である凸部改善量も小さくなる。このように、バニシング加工用シャフト31の表面に偏磨耗が発生すると、加工能力が悪化するため、工具寿命の低下に繋がる。よって、偏磨耗を防ぐことができる本実施の形態1の加工工具30は、工具寿命の向上に効果的である。
以上説明したように本実施の形態1の加工工具30では、バニシング加工用シャフト31の両端を、支持部33の第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bのそれぞれとの間にクリアランスを有して両持ち支持する構造とした。このため、加工時にバニシング加工用シャフト31が大きく撓むことを防止でき、バニシング加工用シャフト31の表面の局所的な偏磨耗を防ぐことができる。よって、工具寿命を大きく向上できる。また、加工時のバニシング加工用シャフト31の大きな撓みを防止できることで、ベーン取付溝5の内側面全体の表面を均一に高精度にバニシング加工をすることができる。したがって、ベーン取付溝5の内側面の表面性状を、図10に示したように凸部の少ない平滑な面に仕上げることができる。
また、バニシング加工用シャフト31は周方向に回転自在であるため、バニシング加工用シャフト31の円周の全面を、加工中に均一にベーン取付溝5に押し当てることが可能である。よって、この点からも、バニシング加工用シャフト31の表面の局所的な偏磨耗を防ぐことができ、工具寿命を大きく向上できるとともに、高精度にバニシング加工を行える。また、工具寿命を向上できることで、結果として低コストで量産加工することができる。
そして、本実施の形態1のバニシング加工装置100を用いてベーン取付溝5の内側面の仕上げ加工が行われたシリンダ1は、ベーン取付溝5の内側面の摩擦係数が低減されている。このようにベーン取付溝5の内側面の摩擦係数が低減されたシリンダ1を用いたロータリ圧縮機では、運転時にベーンがベーン取付溝5の内側面の凸部にひっかからずにベーン取付溝5の中を摺動させることができる。よって、ベーンの摺動性が高く高効率で高い性能を有するロータリ圧縮機を得ることができる。
なお、実施の形態1では、加工工具30をシリンダ1の厚み方向に昇降可能とし、なおかつ、水平方向に移動可能な構成とする場合について説明した。しかし、本発明は上記の構成に限定されるものではなく、加工工具30側を固定し、シリンダ1側を厚み方向および、水平方向に移動可能とするなど、相対的に同様の移動が可能ならばその構成は問わない。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1における加工工具の構成部品の一部を一体化した構造を有する。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる点を中心に説明するものとし、本実施の形態2で説明されていない構成は実施の形態1と同様である。
図14は、本発明の実施の形態2に係るバニシング加工装置の加工工具の概略断面図である。
実施の形態2の加工工具50は、工具移動装置10の昇降部11に取り付けられる取付軸51と、バニシング加工用シャフト31の両端を支持する支持部52とが一体となった構造を有する。支持部52には、取付軸51の軸方向に延びる第1挿入穴52aと第2挿入穴52bとが互いに同軸に形成されている。第2挿入穴52bは支持部52の下端面52cに開口しており、この開口からバニシング加工用シャフト31が挿入される。そして、この開口からバニシング加工用シャフト31が抜け落ちないように、押さえ板53が締結用ボルト54で支持部52の下端面52cに固定されている。
第1挿入穴52aおよび第2挿入穴52bは、取付軸51の軸方向に互いに離間しており、第1挿入穴52aおよび第2挿入穴52bにバニシング加工用シャフト31の両端が挿入されて支持されている。第1挿入穴52aおよび第2挿入穴52bは、実施の形態1の第1挿入穴37aおよび第2挿入穴37bと同様に、バニシング加工用シャフト31との間にΔRのクリアランスを有している。
以上のように構成した本実施の形態2における加工工具50によれば、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、支持部52を、いわば実施の形態1の第1支持部材34と第2支持部材35とを一体とした構造としたので、以下の効果が得られる。すなわち、第1支持部材34と第2支持部材35とが別体であると、加工工具30の組み立て時に第1挿入穴37aと第2挿入穴37bとが同軸になるように調整する必要がある。というのは、同軸になっていないとバニシング加工用シャフト31が傾いた状態となるため、加工時にバニシング加工用シャフト31が傾いたままベーン取付溝5に進入することとなり、高精度にバニシング加工を実施できない。
一方、本実施の形態2の加工工具50は、バニシング加工用シャフト31の一端を支持する第1挿入穴52aと他端を支持する第2挿入穴52bとが1つの部材に形成された構造であり、同軸が確保されている。よって、工具交換時に同軸調整が不要であり、短時間に容易に工具交換を行える。また本実施の形態2では第1挿入穴52aと第2挿入穴52bとの同軸が確保されていることで、バニシング加工用シャフト31が傾く不都合を回避でき、高精度なバニシング加工を容易に行うことができる。
また、本実施の形態2の加工工具50は、取付軸51と支持部52とを一体とした構造である。言い換えれば、実施の形態1の取付軸32と第1支持部材34と第2支持部材35と締結部材36とを一体とした構造である。このように一体構造としたことで、これらを別体とする構造に比べて加工工具50の剛性を大きくできる。そして、加工工具50の剛性を大きくできることで、工具交換を容易に行うことができる。
なお、図14では加工工具50の下部より、バニシング加工用シャフト31を挿入する構成としているが、加工工具50の上部より、挿入する構成としてもよい。バニシング加工用シャフト31を第1挿入穴52aおよび第2挿入穴52bに容易に挿入することが可能ならば、その構成は問わない。
1 シリンダ、2 貫通穴、2c 貫通穴の中心、3 第1基準穴、4 第2基準穴、5 ベーン取付溝、5a 内側面、5c 中心線、10 工具移動装置、11 昇降部、12 スライドテーブル、13 ボールねじ、14 駆動装置、15 ガイド、16 本体ガイド、17 スライドテーブル、18 ボールねじ、19 ガイド、20 駆動装置、30 加工工具、30c 中心軸、31 バニシング加工用シャフト、31c 中心軸、32 取付軸、33 支持部、34 第1支持部材、35 第2支持部材、36 締結部材、36a ボルト、36b ナット、37a 第1挿入穴、37b 第2挿入穴、40 ワーク保持装置、41 ステージ、42 ワーク受けステージ、42a ワーク受けステージ、42b ワーク受けステージ、43 ワーク押さえ部、44 第1位置決めピン、45 第2位置決めピン、50 加工工具、51 取付軸、52 支持部、52a 第1挿入穴、52b 第2挿入穴、52c 下端面、53 押さえ板、54 締結用ボルト。

Claims (6)

  1. 筒状ワークの内周面から外方に向かって形成された溝の内側面をバニシング加工するバニシング加工装置に用いられるバニシング加工用シャフトを保持する加工工具であって、
    前記バニシング加工用シャフトの両端を固定せずに両持ち支持する支持部を備えた加工工具。
  2. 前記支持部は、前記バニシング加工用シャフトの一端を支持する第1支持部材と、前記バニシング加工用シャフトの他端を支持する第2支持部材と、前記第1支持部材および前記第2支持部材を締結する締結部材とを備えている請求項1記載の加工工具。
  3. 前記第1支持部材に、前記バニシング加工用シャフトの一端が挿入される第1挿入穴が形成され、前記第2支持部材に、前記バニシング加工用シャフトの他端が挿入される第2挿入穴が形成されている請求項2記載の加工工具。
  4. 前記第1挿入穴および前記第2挿入穴のそれぞれの径は、前記バニシング加工用シャフトの径よりも大きく、前記第1挿入穴および前記第2挿入穴のそれぞれと前記バニシング加工用シャフトとの間にクリアランスを有して前記バニシング加工用シャフトを支持する請求項3記載の加工工具。
  5. 前記バニシング加工装置の工具移動装置に取り付けられる取付軸を備え、前記取付軸と、前記第1支持部材と、前記第2支持部材と、前記締結部材とが一体で構成されている請求項2~請求項4のいずれか一項に記載の加工工具。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の加工工具を備えたバニシング加工装置。
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