JP3053191U

JP3053191U - タオル

Info

Publication number: JP3053191U
Application number: JP1998002396U
Authority: JP
Inventors: 和夫山本
Original assignee: 東京化セン株式会社
Priority date: 1998-04-13
Filing date: 1998-04-13
Publication date: 1998-10-23
Anticipated expiration: 2004-04-13

Abstract

(57)【要約】【課題】吸水性と垢擦効果を兼ね備えていると共に、
長期使用中においても接着状態を保持し、さらに、通気
性や通水性に優れるタオルを提供する。【解決手段】親水性繊維で形成された布と、疎水性繊
維で形成された布とで構成されたタオルにおいて、両布
を超音波キルト加工にて互いに接着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【発明に属する技術分野】

本考案は、洗面や入浴時に使用するタオルに関し、詳細には、吸水性と垢擦効果とを兼ね備えたタオルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、洗面や入浴時には、からだの汚れを落としたり、皮膚に付着した水分を取り除くために、綿等の親水性繊維の織布からなるタオルが使用される。一般的なタオルとしては、優れた吸水性と心地よい肌触を得るため、表面または表裏面に複数の輪奈が形成されている。

【０００３】また最近は、入浴時にからだの垢をこすり落とすことを主目的とした垢擦が使用されている。一般的な垢擦としては、レーヨンやアクリル等の疎水性繊維を縮緬状に形成したものが用いられている。

【０００４】親水性繊維の織布においては、保水性や吸水性に優れる一方、からだの汚れを落とす効果はあまり期待できない。また、疎水性繊維で形成された垢擦においては、垢をこすり落とす効果に優れるが、皮膚に付着した水分を取り除く吸水性は低下する。さらに、付着させた石鹸や水分の保持力が弱いという問題があった。

【０００５】それらの欠点を補うため、最近では、親水性繊維で形成された織布と疎水性繊維で形成された垢擦とを、縫着したり接着剤を使用したりして互いに一体化したタオルが市販されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、親水性繊維の織布と疎水性繊維の織布とを縫着したタオルにおいては、長期使用中に糸切れやほつれが発生し、縫着状態が解けてしまうという問題が生じた。また、切れた糸がタオルの表面から飛び出てしまい、外観的にも見劣りしてしまうという欠点もあった。

【０００７】また、接着剤を用いて互いに一体化したタオルにおいては、接着面が硬化して使用感が低下したり、接着部分の通気性や通水性が劣化するという問題が生じた。さらに、接着剤が皮膚に悪影響を及ぼすという問題もあった。

【０００８】本考案は上記の点に鑑み、洗面や入浴時に使用するタオルにおいて、吸水性と垢擦り効果を兼ね備えていると共に、長期使用中においても接着状態が保持され、さらに、通気性や通水性に優れたタオルを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のタオルは、親水性繊維で形成された布と、疎水性繊維で形成された布とで構成されたタオルにおいて、両布を超音波キルト加工にて互いに接着したことを特徴とするものである。

【００１０】また、前記タオルの周縁はヘムステッチまたはロック加工にて縫着してあることが好ましい。

【００１１】上記構成により、入浴時にからだの垢をこすり落とす場合、疎水性繊維で形成された布を使用し、皮膚に付着した水分を取り除く場合には、親水性繊維の布を使用する。また、これらの布は、超音波キルト加工にて互いに接着されているので、長期使用中においても糸切れやほつれがなく、さらに、接着面の通気性や通水性に優れる。

【００１２】また、前記タオルの周縁をヘムステッチまたはロック加工にて縫着すれば、外観的に優れたものとなると共に、タオルの周縁が確実に縫着されるので、両布間の接着状態がより一層強化される。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図１は一部を欠切したタオルの全体斜視図、図２はタオルの断面図、図３は親水性繊維の布側の使用状態図、図４は疎水性繊維の布側の使用状態図をそれぞれ表す。

【００１４】本考案のタオル１は、片面に設けられた親水性繊維で形成された織布２と、他面に設けられた疎水性繊維で形成された織布又は不織布３とで構成されており、前記織布２と布３とは、接着部４を有する超音波キルト加工にて接着されている。

【００１５】織布２は、綿糸等の親水性繊維で織成されており、例えばタオル織機で織った経パイル織物が用いられる。また織布２は、優れた吸水性と心地よい肌触を得るために、表面または表裏面に多数の輪奈５が形成されていることが好ましい。

【００１６】織布２は吸水性を有するため、特に皮膚に付着した水分を取り除く場合に使用される。また、保水性をも発揮するため、タオル１に石鹸を付着させた場合、水分と石鹸を効果的に保持することができる。

【００１７】疎水性繊維の布３は、例えばレーヨンやアクリル等の化学繊維を縮緬状に形成して得ることができ、表面または表裏面に粗面状のループ部６が設けられていることが好ましい。布３は、入浴時にからだの垢をこすり落とすことを主目的とした垢擦として使用される。

【００１８】親水性繊維の織布２と疎水性繊維の布３は、洗面または入浴時に使い易いように、適宜大きさの矩形状に形成されている。また、織布２と布３とは、多数の接着部４を有する超音波キルト加工にて互いに接着されている。

【００１９】超音波キルト加工は、素材自体を超音波振動による摩擦熱で複数層の素材を接着する加工技術であり、従来より周知の技術であることから、慣例に従い行うことができる。

【００２０】超音波キルト加工による接着部４は、通常の多針キルティング接着とは異なり、素材間に針による貫通穴がなく、また糸を使用しないため糸切や糸のほつれもない。また、接着部４は素材自体を超音波振動による摩擦熱で接着するので、長期使用においても親水性繊維の織布２と疎水性繊維の布３との接着状態を確実に保持することができる。さらに、接着剤等を使用しないので通気性や通水性に優れていると共に、接着部４が硬化することがない。

【００２１】また、他の好適例においては、前記タオル１の周縁７をヘムステッチまたはロック加工にて縫着する。周縁７をヘムステッチまたはロック加工にて縫着することにより、タオル１の美観が向上する。また、タオル１の周囲が確実に縫着されるので、織布２と布３との周縁のほつれが防げると共に、接着状態がより一層強化される。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案のタオルは、上述の構成とすることで以下に示す効果を奏するものである。親水性繊維で形成された布と、疎水性繊維で形成された布とを一体に組み合わせることにより、前者による優れた吸水性と、後者によるからだの垢擦り効果を発揮することができる。また、タオルに付着させた水分や石鹸の保持力にも優れている。さらに、親水性繊維の布と疎水性繊維の布とを超音波キルト加工にて接着したので、長期使用においても糸切れやほつれがなく、織布と化繊布との接着状態を確実に保持することができる。また、接着面が硬化して使用感が低下したり、接着部分の通気性や通水性が劣化することもない。

【００２３】さらにまた、タオルの周縁をヘムステッチまたはロック加工にて縫着することにより、全体の美観に優れ、親水性繊維の布と疎水性繊維の布の周縁のほつれ問題が解消すると共に、接着状態がより一層強化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案におけるタオルの一部を欠切した全体斜
視図である。

【図２】本考案におけるタオルの断面図である。

【図３】本考案におけるタオルの織布側の用状態図であ
る。

【図４】本考案におけるタオルの化繊布側の用状態図で
ある。

【符号の説明】

１タオル２織布３化繊布４接着部５輪奈６ループ部７周縁

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】親水性繊維で形成された布と、疎水性繊
維で形成された布とで構成されたタオルにおいて、両布
を超音波キルト加工にて互いに接着したことを特徴とす
るタオル。
【請求項２】前記タオルの周縁をヘムステッチまたは
ロック加工にて縫着した請求項１記載のタオル。