JP3052378U - 純水洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 純水を用いたプリント配線基板の純水洗浄機
において、極少または極薄のプリント配線基板の搬送を
容易に可能とし、高い洗浄能力と乾燥能力を備えた純水
洗浄機を提供する。 【構成】 細くて強度があり且つ耐熱性を有する材料
（ケプラー繊維をテフロンコートしたもの）を用いたネ
ットコンベアによって、プリント配線基板を上下から挟
んで搬送することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本発明は、純水を用いた洗浄機に関し、特に極少または極薄のプリント配線基 板のベアボード（以下、単にプリント配線基板という）純水洗浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

極少のプリント配線基板の洗浄には、フロン等の有機溶剤を用いるのが一般的 であった。これは、洗浄後のプリント配線基板の表面に洗浄によるシミ汚れの防 止が主目的である。しかし、地球の温暖化現象やオゾン層破壊などの問題が世界 的に取り上げられて、各方面での有機溶剤使用が制限され、プリント配線基板の 洗浄機においても、有機溶剤を使用するものから純水を使用する洗浄機になるに 至っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のプリント配線基板の純水洗浄機では、一般的に搬送には ローラーを用いているので、 極少のプリント配線基板を洗浄する場合、洗浄のために純水をプリント配線基 板に吹きかけるシャワーの圧力によって純水槽の中に流れ落ちてしまう。また、 シャワーのラインを通過したとしても、その後、水分を吸い取るための絞りロー ラーの間から落下してしまったり、エアーナイフの風圧で飛ばされてしまう。ま た、絞りローラーおよびエアーナイフを通過したとしても、その後の温風乾燥の 風圧で飛ばされてしまう。 極薄のプリント配線基板を洗浄する場合、搬送ローラーに巻き込まれてプリン ト配線基板が純水槽の中に落下し、あるいはエアーナイフもしくは温風乾燥時の 風圧によってプリント配線基板が飛ばされて搬送ができなくなってしまう。 また、従来のプリント配線基板の純水洗浄機でバッチ式のものは、カゴ等に多 数入れたプリント配線基板が互いに重なりあってしまい、乾燥を十分に行うこと ができないので、洗浄によるシミ汚れが発生しやすく、特にボンディング金メッ キを施したプリント配線基板では、ボンディング性劣化が生じるなど大きな問題 となってしまう。 本考案はこのような問題点を鑑みてなされ、純水を用いたプリント配線基板の 純水洗浄機において、細くて強度があり且つ耐熱性を有する材料（ケプラー繊維 にテフロンコートしたもの）を用いたネットコンベアによってプリント配線基板 を上下から挟んで搬送することにより、極少または極薄のプリント配線基板の搬 送を容易に可能とし、高い洗浄能力と乾燥能力を備えた純水洗浄機を提供するこ とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の純水洗浄機は次の構成を備える。 すなわち、純水を用いたプリント配線基板の純水洗浄機において、細くて強度 があり且つ耐熱性を有する材料（ケプラー繊維をテフロンコートしたもの）を用 いたネットコンベアによって、プリント配線基板を上下から挟んで搬送すること により、極少または極薄のプリント配線基板の搬送を容易に可能とすることを特 徴とする。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、純水を用いたプリント配線基板の純水洗浄機において、細く て強度があり且つ耐熱性を有する材料（ケプラー繊維をテフロンコートしたもの ）を用いたネットコンベアによって、プリント配線基板を上下から挟んで搬送す ることにより、極少または極薄のプリント配線基板の搬送を容易に可能とし、高 い洗浄能力と乾燥能力を備えた純水洗浄機を提供することを可能とする。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の好適な実施例について説明する。 図１は、本考案に好適な純水洗浄機の全体構造を示している。 前方の投入口（７０）から後方の取出口（１４０）に至るまで、搬送用ネット コンベア（１０）が設けられている。また、投入口（７０）の直後から渡りの部 位（１２０）の直前まで、水洗部押さえ用ネットコンベア（２０）を設けると共 に、温風乾燥装置（１３０）内には乾燥部押さえ用ネットコンベア（３０）を設 けている。これら３本のネットコンベアはすべて同一の構成をしており、細くて 強度があり且つ耐熱性を有する材料を用いたネットコンベアである。 本実施例では、ネットコンベアの材料にケプラー繊維をテフロンコートしたも のを使用した。ネットコンベアの材料にガラス繊維を用いた場合は、ガラス繊維 は短繊維のため損耗が大きく、ガラスの微細な破片が生じてプリント配線基板に 付着して汚れとなってしまう。これに比して、ケプラーは長繊維であり、細くて 強度があるので、損耗によりプリント配線基板に付着することがない。また、ケ プラーは耐熱性を有しているので乾燥温度を十分に高くすることができ、さらに 繊維が細いのでネットコンベアの厚みを薄くすることができるので高い乾燥性を 得ることができる。また、ケプラー繊維に施したテフロンコートにより撥水性を 有しているので、さらに高い乾燥性を得ることができる。ネットのオープニング は３〜８ｍｍ四方とし、１０ｍｍ四方程の小さな製品でも洗浄が可能である。 図１の例では、２つの純水洗浄槽の前に純水超音波洗浄槽（９０）および純温 水洗浄槽（８０）を付加している。純水超音波洗浄槽（９０）を付加することは 洗浄能力が向上する点で望ましく、また、純温水洗浄機（８０）を付加すること はプリント配線基板のイオン残査を除去する点で望ましい。 また、上部のネットコンベアを水洗部押さえ用ネットコンベア（２０）と乾燥 部押さえ用ネットコンベア（３０）に分離することにより、温風乾燥装置（１３ ０）の前に渡りの部位（１２０）を設けている。こうすることにより、水洗部押 さえ用ネットコンベア（２０）には水分が付着していても、乾燥部押さえ用ネッ トコンベア（３０）は常時乾燥させておくことができるので、乾燥効果が向上す る点で有利である。該渡りの部位（１２０）には、さらに表面絞りローラー（６ ０）を付加している。これにより、プリント配線基板の表面から確実に水分を吸 い取ることができるので、特にボンディング金メッキを施したプリント配線基板 などの表面にシミ汚れが発生することを防止できる効果がある。

【０００７】 投入口（７０）から投入されたプリント配線基板（１９０）は、搬送用ネット コンベア（１０）と水洗部押さえ用ネットコンベア（２０）との間に挟まれた状 態になる。図２はその様子を示したものである。上下をネットコンベアで挟まれ た状態のプリント配線基板は、純温水洗浄槽（８０）、純水超音波洗浄槽（９０ ）、第１純水洗浄槽（１００）、第２純水洗浄槽（１１０）と順に進んで洗浄が 施される。プリント配線基板は上下からネットコンベアに挟まれているので、落 下することなく各洗浄槽を通過することができる。 洗浄を施されたプリント配線基板は、絞りローラー（４０）によって水分を吸 い取られる。本実施例では上下に各３本の絞りローラーを配した。但し、プリン ト配線基板は搬送用ネットコンベア（１０）と水洗部押さえ用ネットコンベア（ ２０）の間に挟まれた状態にあるので、絞りローラー（４０）による水分の吸い 取りは不完全である。そこで、上下に配されたエアーナイフ（５０）を経たプリ ント配線基板は渡り部位（１２０）では水洗部押さえ用ネットコンベア（２０） から解放されるので、この部位に表面絞りローラー（６０）を配することにより 、プリント配線基板の水分吸い取りを向上させることができる。 温風乾燥装置（１３０）に進んだプリント配線基板は、再び搬送用ネットコン ベア（１０）と乾燥部押さえ用ネットコンベア（３０）の間に挟まれて温風乾燥 が施される。この時、プリント配線基板は上下からネットコンベアに挟まれてい るので、温風の風圧によって飛ばされることがなく、十分に風圧を強くすること ができるので完全に乾燥することができる。 以上のように、プリント配線基板を上下からネットコンベアで挟んで搬送する ことにより、各洗浄のシャワー圧を十分に強くすることができ、また、搬送途中 に表面絞りローラーを設けると共に温風の風圧を十分に強くすることができるの で、高い洗浄能力と乾燥能力を備えた純水洗浄機とすることができる。

【０００８】

【考案の効果】

本発明によれば、純水を用いたプリント配線基板の純水洗浄機において、細く て強度があり且つ耐熱性を有する材料（ケプラー繊維にテフロンコートしたもの ）を用いたネットコンベアによって、プリント配線基板を上下から挟んで搬送す ることにより、極少または極薄のプリント配線基板の搬送を容易に可能とし、高 い洗浄能力と乾燥能力を備えた純水洗浄機を提供することができる。 本発明に係る純水洗浄機は、脱脂または錆除去等の処理装置をさらに付加する ことも可能であり、プリント配線基板のみならず、金属その他の材質の極少また は極薄の製品に広く適用することができることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る純水洗浄機の好適な全体構造を示
す説明図。

【図２】プリント配線基板が上下からネットコンベアに
挟まれる状態を示した図。

【符号の説明】

１０ 搬送用ネットコンベア ２０ 水洗部押さえ用ネットコンベア ３０ 乾燥部押さえ用ネットコンベア ４０ 絞りローラー ５０ エアーナイフ ６０ 表面絞りローラー ７０ 投入口 ８０ 純温水洗浄槽 ９０ 純水超音波洗浄槽 １００ 第１純水洗浄槽 １１０ 第２純水洗浄槽 １２０ 渡り部位 １３０ 温風乾燥装置 １４０ 取出口 １５０ エアーナイフ用ブロア １６０ モーター １７０ 温風乾燥装置用ブロア １８０ 温風乾燥装置用ヒーターボックス １９０ プリント配線基板

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【手続補正書】

【提出日】平成１０年４月１０日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項１

【補正方法】変更

【補正内容】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】純水を用いたプリント配線基板のベアボー
   ドの純水洗浄機において、細くて強度があり且つ耐熱性
   を有する材料（ケプラー繊維にテフロンコートしたも
   の）を用いたネットコンベアによって、プリント配線基
   板のベアボードを上下から挟んで搬送することにより、
   極少または極薄のプリント配線基板の搬送を容易に可能
   とした純水洗浄機。