JP3052244U - 袴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンカチ等の小物を入れ得るポケットを有
し、装着が容易で、かつ、着崩れが生じにくい構成の袴
を提供する。 【解決手段】 後袴２の腰板部２２両端に取付けた環状
部材２３と、前袴１の前紐固定部１２の所要位置に取付
けた前紐通し部材１３を備え、前記構成に加え、前袴の
裏側に内ポケット１４を設けた袴であり、装着時には、
前袴１の左右前紐１１を腰に沿って後方に巻き付け、そ
の左右前紐１１を背中側で環状部材２３に形成される孔
に各々通して前方に折り返し、各前紐１１を前紐通し部
材１３に通して、体の正面で結びつける構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、装着が容易で、かつ、着崩れが生じにくい構成の袴に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来の袴ｈは、例えば図７及び図８に示すように、前袴３には前紐３１、後袴 ４には後紐４１を備えており、装着時には、まず、前紐３１を腰に沿わせて後方 に巻き付け、背中側で結んで前袴３を取付けた後、後紐４１を腰に沿わせて前方 に巻き付け、体の正面で結んで後袴４を取付けるという方法に因っていた。なお 、図７及び図８において、４２は後袴４の腰板部を示しており、この腰板部４２ には芯が内装されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記したような従来の袴ｈでは、例えば図１０に示すように、 前袴３及び後袴４が、前紐３１及び後紐４１によって、それぞれ独立して腰に取 付けられていること、さらに、前紐３１及び後紐４１が、最初に結びつけた位置 からずれ易いことにより、装着時に着崩れが生じ易かった。また、従来の袴ｈで は、前紐３１を体の背中側で結ぶ必要があるため、独りで装着することは困難で あった。さらに、従来の袴では、ハンカチ等の小物を入れ得る場所が無いため、 小物を入れる鞄類を携帯する必要があり、不便であった。なお、図１０において 、３２は前紐固定部を示している。

【０００４】 本考案は上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、装着が容易で、 着崩れが生じにくい構成の袴、あるいは、前記構成に加えて、小物を入れるポケ ットを備えた実用性に優れる袴を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本考案に係る袴は、後袴の腰板部両端に環状部 材を取付けた構成としている。そして、このようにすることで、前袴の左右前紐 を腰に沿わせて後方に巻き付け、その左右前紐を背中側で前記環状部材に形成さ れる孔に各々通して前方に折り返し、体の正面で結ぶだけで、前袴と後袴が一体 的に取付けられるため、装着が容易となる。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案に係る袴は、後袴の腰板部両端に環状部材を取付けた構成であり、必要 に応じて、前袴の前紐固定部の所要位置に前紐通し部材を取付けたり、あるいは 、前袴の裏側に内ポケットを設けたものである。

【０００７】 本考案に係る袴において、後袴に取付ける環状部材の形状は四角、円形等特に 問わない。また、その材質も、金属、合成樹脂、布等、特に限定するものではな い。さらに、その腰板部への取付け方法も、縫合、接着等、袴としての使用に耐 え得る強度を有するものであれば、どのようなものでも良く、特に限定するもの ではない。 本考案に係る袴では、後袴の腰板部両端に環状部材を取付けた構成であるので 、前袴の左右前紐を腰に沿わせて後方に巻き付け、その左右前紐を背中側で前記 環状部材に形成される孔に各々通して前方に折り返し、体の正面で結んで装着す ることができる。この際、前袴の前紐固定部の所要位置に前紐通し部材を取付け ておけば、前記環状部材で折り返した各前紐を、この前紐通し部材に通すことで 、前紐が前紐固定部からずれることがなく、着崩れが生じにくくなる。また、前 袴の内側に内ポケットを設けておけば、この内ポケットに小物を収納できる。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案に係る袴を、図１〜図６、及び、図９に示す実施例に基いて説明 する。 図１は、本考案に係る袴の実施例の構成を示す正面図、図２は、本考案に係る 袴の実施例の構成を示す背面図、図３は、本考案に係る袴において後袴の上部表 側を示す説明図、図４は、本考案に係る袴において後袴の上部裏側を示す説明図 、図５は、本考案に係る袴において前袴の上部表側を示す説明図、図６は、本考 案に係る袴において前袴の上部裏側を示す説明図、図９は、本考案に係る袴を装 着した状態を示す上面図である。

【０００９】 図１及び図２に示す実施例の袴Ｈにおいて、後袴２は、例えば合成樹脂製の円 形環状部材２３を腰板部２２の両端に、例えば図３及び図４のように縫製して取 付けて構成される。また、前袴１は、例えば図５のように、前紐固定部１２上の 左右２箇所に幅１．５ｃｍ程度の帯状布からなる前紐通し部材１３を縫製して取 付けて構成される。なお、前記前紐通し部材１３は、洋式ズボンに見られるベル ト通しのように構成されるものであって、前紐１１を横方向に通し得るように、 帯状布を縦方向にループ状に取付けている。また、前袴の裏側には、例えば図６ に示すように、左右２箇所に内ポケットを設けている。図３及び図４において２ ４は、環状部材２３に形成される孔を、図４において２５は、環状部材２３を腰 板部２２に取付けるための縫製部を示している。

【００１０】 実施例の袴Ｈを装着する場合には、図９に示すように、まず、前袴１の左右前 紐１１を腰に沿わせて後方に巻き付け、背中側でその左右前紐１１を、腰板部２ ２の両端に取付けた環状部材２３に形成される孔２４に内側から外側に向かって 通して前方に折り返し、各前紐１１を前紐通し部材１３に通して体の正面で結び つける。このように構成することで、実施例の袴Ｈでは、前袴と後袴を一体的に 固定することが可能となっている。 本考案の袴において、腰板部２２に芯を入れなければ、袴下帯を装着しない場 合には、洋式ズボンを着用するように装着することも可能であり、この際、本来 の袴としてのスタイルも崩れることがない。

【００１１】 なお、本考案に係る実施例の袴Ｈにおいて、前紐通し部材１３は、例えば図５ に示すように、前紐固定部１２上に１２〜１５ｃｍの間隔を空けて左右２箇所に 取付ける例を開示しているが、これに限定するものではない。前紐通し部材１３ は、前紐１１を体の正面で結んだ状態の時、前紐１１の位置がずれないようにす る目的で使用されるため、前紐固定部１２上の少なくとも左右２箇所に設ければ よく、その位置及び数は特に限定されない。

【００１２】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る袴によれば、袴本来のスタイルは保ちなが ら、体の正面で前紐のみを結んで取付けられるよう構成されているため、装着が 容易である。また、前袴の前紐を、後袴に取付けた環状部材に通して折り返し、 前紐通し部材に通して結ぶよう構成すれば、前袴と後袴が一体的に固定されるこ とに加え、前紐が結んだ位置からずれないため、着崩れが生じにくい。さらに、 前袴の裏側に内ポケットを備えた構成の本考案に係る袴によれば、小物を収容で きるので便利であり、実用性の面でも優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る袴の実施例の構成を示す正面図で
ある。

【図２】本考案に係る袴の実施例の構成を示す背面図で
ある。

【図３】本考案に係る袴において後袴の上部表側を示す
説明図である。

【図４】本考案に係る袴において後袴の上部裏側を示す
説明図である。

【図５】本考案に係る袴において前袴の上部表側を示す
説明図である。

【図６】本考案に係る袴において前袴の上部裏側を示す
説明図である。

【図７】従来の袴の構成を示す正面図である。

【図８】従来の袴の構成を示す背面図である。

【図９】本考案に係る袴を装着した状態を示す上面図で
ある。

【図１０】従来の袴を装着した状態を示す上面図であ
る。

【符号の説明】

Ｈ 袴 １ 前袴 １２ 前紐固定部 １３ 前紐通し部材 １４ 内ポケット ２ 後袴 ２２ 腰板部 ２３ 環状部材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 後袴の腰板部両端に環状部材を取付けた
   ことを特徴とする袴。
2. 【請求項２】 前袴の前紐固定部の所要位置に前紐通し
   部材を取付けたことを特徴とする請求項１記載の袴。
3. 【請求項３】 前袴の裏側に内ポケットを設けたことを
   特徴とする請求項１又は２記載の袴。