JP3051859B2 - 原子炉で使用された黒鉛の処理方法 - Google Patents

原子炉で使用された黒鉛の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は原子力発電所の廃
炉の際等において用いられる、原子炉で使用された黒鉛
の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】黒鉛減速型原子炉の炉心は黒鉛の成型ブ
ロックを積層して組立てられている。この黒鉛ブロック
は原子炉運転中の核燃料体から放射される中性子の照射
を長期にわたって受けているため放射化されている。こ
の放射化核種は黒鉛中に存在した気泡に含まれる空気中
の窒素から生じた放射性炭素や、黒鉛中の不純物金属か
ら生じた放射性元素、その他稀ガスなどから成ってい
る。これら放射性元素を黒鉛ブロックから分離、濃縮す
ることは使用済みの黒鉛減速型原子炉の解体、減容処理
に当って重要な要素であるが、炭素を黒鉛状態のままで
分離、濃縮等のプロセスに付すことは不可能である。
【0003】このため黒鉛を中性子の減速用に用いた原
子炉の廃炉の場合に外国においては黒鉛の処理は行われ
たことがない。廃炉された原子炉はそのまま放置されて
いる。一般に、黒鉛は数千度の高温状態では気化するこ
とが知られいるが、現実のプロセスとしては実用的でな
い。そこで化合物として気体にすることが着想される。
黒鉛を燃焼して二酸化炭素または一酸化炭素とすること
は次の反応の通り良く知られている。 C+O2→CO2 2C+O2→2CO この酸化反応は原子炉用黒鉛ブロックが緻密で表面積が
小さいため、空気中で燃焼しようとすると、放熱が多く
反応熱では黒鉛温度を維持できないため反応が進まな
い。実験によると電気炉での外部加熱や、直接通電加熱
によれば酸化させることは可能であることが分かった。
酸化の目的のため、黒鉛の体積、重量当りの酸化反応面
積を増大する方法として、予め黒鉛ブロックを粉砕し
て、流動法などにより燃焼する方法が提案されている。
【0004】このような方法による黒鉛の酸化燃焼では
明らかに黒鉛ブロックの加熱や、保熱の手間と黒鉛粉砕
の複雑さに加えて、放射能の拡散の防止のための複雑な
設備を要する上、それら設備の二次汚染の問題を解決し
なければならない欠点がある。その上更に空気中の燃焼
に関与しない窒素はそのほぼ80%を占め、そのまま生
成した二酸化炭素を稀釈して無為に燃焼ガス量を増大せ
しめている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な問題を解決するためになされたもので、その目的は放
射能を帯びた黒鉛の処理のための設備又は資材の二次汚
染を大巾に少なくすることができ、しかも効果的に処理
することのできる、原子炉で使用された黒鉛の処理方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
の発明について述べるとそれは、原子炉で使用された黒
鉛を、使用された形状のまま燃焼炉に供給された体積百
分率50〜100%の高濃度酸素で酸化燃焼させ、ガス
及び灰分を形成させ、前記ガスを濾過して清浄化させ大
気中に放出する、原子炉で使用された黒鉛の処理方法で
ある。又、原子炉で使用された黒鉛を体積百分率50〜
100%の高濃度酸素で酸化燃焼させる原子炉で使用さ
れた黒鉛の処理方法である。又、酸化燃焼は500℃以
上1500℃以下で行われる前記原子炉で使用された黒
鉛の処理方法である。又、酸化燃焼は水を触媒として行
われる前記原子炉で使用された黒鉛の処理方法である。
又、高濃度酸素による酸化燃焼は2段階に行われる前記
原子炉で使用された黒鉛の処理方法である。又、酸化燃
焼によって生じたガスは金属壁を隔てた水によって熱交
換され、その後に濾過される前記原子炉で使用された黒
鉛の処理方法である。又、黒鉛の燃焼の着火はガスの焔
による前記原子炉で使用された黒鉛の処理方法である。
又、燃焼により生じた灰分はセラミックス製容器により
回収する前記原子炉で使用された黒鉛の処理方法であ
る。又、前記各原子炉で使用された黒鉛の処理方法に於
いて、酸化燃焼させる際の高濃度酸素の注入量、その酸
素の濃度及び酸化燃焼が触媒として行われる水の注入量
はそれぞれ別個に、又は組み合わせて調節する原子炉で
使用された黒鉛の処理方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】発明者は原子炉で使用された黒鉛
の処理について鋭意研究の結果、高濃度酸素による黒鉛
の燃焼技術に着想したのである。まず始めに実験結果に
よると、1,000℃に電気炉で予熱した2cm×2cm×
2cmの黒鉛ブロックに90%酸素、10%窒素により成
る高濃度酸素ガスを通じたところ、黒鉛ブロックは外部
加熱を停止した後も燃焼を継続し、70分後に酸化消滅
した。同じ黒鉛ブロックを空気で燃焼するためには電気
炉による加熱を継続しても約3時間を要した。また発明
者は高濃度酸素ガスに水蒸気を含ませて湿りガスとする
ことにより、上記の酸化消滅時間が60分に短縮され、
水蒸気が黒鉛の酸化燃焼触媒の働きをすること見出し
た。発明者はこの結果の詳細を調べた。原子炉で使用さ
れた黒鉛は空気中で加熱されると500℃付近から徐々
に酸化反応が始まり、680℃を越えると酸化はやや顕
著となり760℃を越えると盛んに酸化燃焼することを
確認した。空気に代えて酸素、窒素の混合ガス下での反
応では酸化開始温度500℃には著しい差は見られなか
ったが、90%酸素濃度では650℃から急激な燃焼が
始まった。黒鉛の酸化反応にはデータの変動が大きいた
め、その原因について調べた所、試料切断に使用した放
電加工のワイヤー材質の真鍮メッキピアノ線の酸化物に
由来していることが分かった。酸化鉄、酸化銅、酸化亜
鉛等の金属酸化物は黒鉛の酸化を促進し、空気中での顕
著燃焼温度760℃を15℃低下させる。しかし金属酸
化物又は熱分解して金属酸化物となる様な化合物を酸化
触媒として用いることは、放射性焼却残灰を増大させる
結果となるので好ましくない、一方、水蒸気は酸化促進
触媒として黒鉛の酸化速度を増大させるのみならず、残
灰の増加を招かない利点がある。黒鉛の酸化温度が上昇
すると酸化速度も大きくなるので、時間当りの燃焼量を
増大させるには高い温度が好ましいが、酸化性雰囲気に
耐火材の実用範囲から1500℃が実用的限界である。
酸化温度が1000℃を越えると、次式による一酸化炭
素の発生割合が増大し、発生した一酸化炭素を再燃焼す
るための2次燃焼負 2C+O2 →2CO 荷が増大するのみならず、燃焼部で発生した炭酸ガスと
未燃の黒鉛との次式による反応で更に一酸化炭素が増大
するので、2次燃焼装置を備えた設備においても C+CO2 →2CO 燃焼温度を制御することは事実である。又1200℃を
越える高温になると局部的な急発熱と発生ガスの強い流
速のため、破損した黒鉛片や燃焼灰が巻き上り排気ダス
トに移行して排気フィルターの目を詰らせる心配があ
る。これらのことから、本発明による高濃度酸素を利用
した原子炉で使用された黒鉛の燃焼では温度は700℃
以上1300℃以下とするのが望ましいが、反応し得る
更に低い温度500℃以上700℃までで燃焼させるこ
とについて本発明の本旨に外れるものではなく、又実用
可能な装置材料と制御により1300℃以上1500℃
までの高温で燃焼反応を行うことも本発明の本旨をはず
れるものではない。なおここで原子炉で使用された黒鉛
の特性について記載すると次の通りである。 黒鉛の特性 黒鉛化温度 2,750℃ 見掛密度 1.68〜1.75 熱伝導度 94〜162 Kcal/Kg℃ 比熱 0,129 Kcal/Kg℃ 熱膨張率 2.66〜3.63×E(−6)/℃ 圧縮強度 235〜439 Kg/cm2 引張強度 51〜96.5 Kg/cm2 曲げ強度 192〜248 Kg/cm2 ヤング率 9.3〜13.5×E(4)Kg/cm2 灰分 100ppm
【0008】本発明は高濃度酸素を利用して、原子炉で
使用した黒鉛ブロックを酸化燃焼するのを主眼とする。
次に原子炉で使用された黒鉛の処理方法の概要を説明す
る。なお予め原子炉で中性子減速材として使用される黒
鉛の形状等について述べると、詳細な図示は省略する
が、同黒鉛は断面ほぼ六角形の柱状体であり、中心に燃
料棒を挿入する穴を有し、かつ外面にそれぞれ他の黒鉛
と組み合せるための凹部及び凸部が形成されている。そ
して長さについては最大約85cm、最小約40cm迄多数
があり、太さ(対角線の長さ)約24cm、重量は最大の
もので約70kg、最小のもので約35kg程度のものであ
る。
【0009】次に、この発明の方法を実施する装置の詳
細について説明する。図1において、1は気密型の黒鉛
ブロックの投入装置で、黒鉛ブロック2を入れる入り口
3と、燃焼炉4に入る出口5にそれぞれ可能な限り気密
な扉6、7を設けた部屋で、プッシャー(図示省略)、
ローラー等の搬送装置8を有している。燃焼炉4からの
漏れガスを同燃焼炉4に戻し、負圧に保って放射性燃焼
ガスを外部に放出しない排気装置9を備えている。同装
置9は前記投入装置1と燃焼炉4間に設けられたエジェ
クターであり、後記のブロワー10により送入される後
記の酸素(少量の窒素を含む)により作動させられて前
記投入装置1を負圧に保つようになっている。なお11
は空気取入部である。
【0010】次に12は高濃度酸素発生装置で、これは
その外に深冷圧縮空気分離設備や圧縮酸素、液体酸素な
どの使用も可能であるが、軽便にはモレキュラシーブ1
3の窒素吸着を利用したPSA(Pressure Swing Adsor
ption)法の原理による高濃度酸素発生装置が有効であ
り、これが用いられた。この装置は容器14に収容され
たモレキュラシーブ13で、窒素を吸着して酸素を通過
させるようになっている。少量の窒素を含有した酸素
(以下単に酸素と略称する)を前記燃焼炉4に供給する
ようになっている。同装置は二基が設けられ、交替で連
続的に運転される。そして同装置を出た酸素は90〜9
5%濃度となっている。なお液体酸素を用いれば100
%となるのであり、このような場合も含むものである。
【0011】15は連通管、16は窒素の排出口、17
はタンクである。そして前記のようにして得られた酸素
はそのまま燃焼炉4に供給しても差支えないのである
が、燃焼効率を上げるための酸素加湿装置18に供給さ
れる。この装置は前記酸素を加湿するもので、同加湿装
置18は密閉容器19に供給部20から水21が供給さ
れ、ヒータ22により加熱される。酸素は供給口23か
ら供給され加湿される。この装置は水の温度制御により
その平衡水蒸気を発生する方式であるが、その外噴霧器
等が利用できる。又直接少量の水を燃焼炉4に入れても
同じ目的を達成する。加湿された酸素は出口24から送
出され、一部は前記排気装置9を作動させながら、他は
直接に燃焼炉4に送入させられる。
【0012】燃焼炉4は予熱と燃焼に必要な数量の黒鉛
ブロック2を収納し、直接黒鉛ブロック2を酸化燃焼す
る炉で、燃焼温度に耐える外壁と黒鉛投入に耐えるため
に、特に底部の機械強度と放射性ガスを漏らさぬ機密性
を持たせて形成された。操作上は外気圧よりも減圧して
使う。外壁は耐火レンガの使用が一般的であるが、放射
能汚染による事後の耐火物の取扱いの困難を配慮して、
耐蝕鋼の直接水冷壁を使うことも有効である。燃焼用の
酸素は炉の各所から複数個のノズルで注入することによ
り均一燃焼を図るが、円筒形炉の場合、その断面に接線
方向に注入して酸素の黒鉛表面への十分な拡散に配慮す
ることが有効である。また、この酸素は予め熱交換して
温度を上げておくことも有効である。本発明者は原子炉
で使用された黒鉛を酸素燃焼させた。残灰として黒鉛に
対して0.025〜0.040%の混合酸化物が得られ
た。残灰の代表的組成分析はSiO238%、Fe23
37%、CaO15%、NiO4%、TiO23%、そ
の他少量の塩化物を含む酸化物3%であった。
【0013】原子炉で使用された黒鉛は純度が高いため
残灰量は少ないが、同黒鉛を100トン焼却すると30
〜40kgの灰が残る。上記の通り灰の主組成は融点15
00℃以上の酸化物で構成され、融点は高いが、その他
組成物に少量の塩化物や、放射性化合物を含むので、灰
の炉底耐火物への浸透を予防し、灰の取出しを容易にす
るため、炉底には予めセラミックスまたは耐熱金属製の
トレイ25が設けられ、或いはまた発塵しないように
0.5mm以上5mm以下程度の珪石粉、アルミナ粉等のセ
ラミックス粉粒体(図示省略)を敷いておくのが有効で
ある。26は一酸化炭素燃焼装置で、黒鉛ブロック2の
高温燃焼で生じた一酸化炭素を完全燃焼するための装置
であり、酸素混合を完全に行うためのセラミックスまた
は金属メッシュバーナー(図示省略)を使うこともでき
る。
【0014】ガスが高温の場合、二酸化炭素への転換効
率が悪いので、次に述べる冷却器27の一部でガス冷却
した後に組み込むこともできる。ガス冷却器27はいわ
ばボイラーであり、液体の冷媒(多くは水)とガスとの
熱交換を行ってガス温度を下げることを主目的とする装
置である。もちろんこの装置の外壁も燃焼炉4同様、金
属水冷壁とすることは放射能汚染対策として有効であ
る。また、副次的に熱媒体により取出される熱が有効に
活用されることはこの発明の本旨を妨げるものではな
い。28は冷却器の本体、29は蛇管であり、入口30
から水が供給されて蛇管29中において加熱され、蒸気
となって出口30から出るようになっている。またこの
蒸気は図示しない装置で冷却され、循環するようになっ
ている。31は集塵器であり、同集塵器31は黒鉛ブロ
ック2に含まれる灰分の飛散物を最終的に補集する設備
で、セラミックスまたは金属の焼結フイルターなどが使
われる。またこれは電気集塵機であってもよい。この集
塵機31を通過することにより燃焼ガスは清浄化され
る。32はガス処理塔で、ここでは少量含まれるNOX
や、水蒸気の吸着転換設備で各種のものが使用可能であ
る。また別々にその目的に従って設置することもでき
る。33は全系統を負圧で操作するためのファンで、前
記各装置毎の圧損の補償や、制御のため途中にファンを
設けたり、ダンパー制御してもよい。34は煙突を示
す。次に上記のような装置を用いるこの発明の処理方法
につき、図1及び図2に基づいて説明する。
【0015】原子炉で使用された黒鉛ブロック2は、原
子炉で使用されたそのままの形状で、いわゆるまるご
と、燃焼炉4の外気との気密を保つための気密投入装置
1を経由して燃焼炉4に入る。燃焼炉4には予め投入さ
れた補助燃料または電力により予熱された黒鉛ブロック
2が酸化燃焼しているので、その発生熱により予熱され
る。なおこの場合上記の着火にはガスボンベ35からプ
ロパン(ブタン)ガスが供給され、これによる着火が行
われた。これは電気による場合のように、電極を用いな
いので、汚染電極の処理を省略できる。
【0016】次に空気取入口11からブロワー10によ
り空気が高温度酸素発生装置12に送られ、ここにおい
て高濃度の酸素が生成される。この場合の酸素の純度は
85〜95%に達する。そしてこの酸素は加湿装置18
において水蒸気加湿され、燃焼炉4に供給される。この
加湿による水分は燃焼の効果の向上からみると、黒鉛の
分子構造が層状をなしているため、その層間に水分が酸
素を伴って入り込み、燃焼を効果的にしているものと推
察される。こうして加湿酸素は燃焼炉4に入り、予熱さ
れた黒鉛ブロック2の自然燃焼を進める。この場合最初
の補助加熱は停止し、燃焼の制御は主として燃焼温度ま
たは発生ガス温度を計測しながら酸素量を制御して行
う。この際触媒の水蒸気量は加湿装置18により調節す
る。燃焼残灰36は、本来原子炉で使用された黒鉛の不
純物含有量は数ppm以下で、極めて少ないので定常時に
たびたび取出す必要はない。
【0017】次に燃焼ガスは一酸化炭素を含むので二酸
化炭素に転換するためには再び酸素を用いて完全燃焼す
る必要があり、一酸化炭素燃焼装置26で酸素により行
われる。なお燃焼はガスが一部冷却されてからの方が有
効な場合があるので、ガス冷却器27との組み合わせで
考慮する必要があり、場合によっては冷却器27中にそ
の装置を組込むこともできる。冷却器27は間接熱交換
方式が有効であり、放射性ガスの量を極力少なくするた
めに空気等による希釈冷却を行わないのが望ましい。そ
のため冷媒は液体で、代表的には水が有効である。従っ
て水の場合には水蒸気又は温水となる。その後ガスは集
塵器31を通ることにより、ごく少量の、放射能を持っ
た灰などのダストを取り除く。そして酸素の組成にもよ
るが、酸素ガス中に少量の窒素を含む場合には燃焼ガス
中に窒素酸化物を含む可能性がある。水蒸気除去や他の
気体成分分離のためのガス処理塔32を通して、最終的
には高濃度の炭酸ガスを得て煙突34から大気中に放出
される。又この場合上記のように清浄ガスは大気に放出
せず、図1に示すように三方弁37によるガス圧縮装置
38に供給し、ここにおいて圧縮、液化し、液体として
回収してもよい。なお39はバルブを示す。この処理方
法により、原子炉で使用された黒鉛は最小限の補助材料
とエネルギーにより有効に高濃度の二酸化炭素に転換さ
れたことになる。
【0018】
【発明の効果】請求項1の発明は、前記のように構成さ
れたことにより、細分化せずに燃焼させるため、細分化
する装置の汚染を防止でき、細分化によって汚染物の増
量化するのを防止できる。請求項2の発明は前記のよう
に構成されたことにより、空気で燃焼させる場合に比較
して燃焼後のガスの処理量を大巾に少なくすることがで
きる。請求項3の発明は前記のように構成されたことに
より、500℃〜1500℃の範囲において実用上良好
に燃焼処理を行うことができる。請求項4の発明は前記
のように構成されたことにより、金属の化合物等を使用
するのではないため、遥かに安価であり、かつその後処
理を水蒸気として処理することにより汚染した金属化合
物等と較べ、処理が極めて容易である。請求項5の発明
は前記のように構成されたことにより、燃焼を完全にす
ることができる。
【0019】請求項6の発明は前記のように構成された
ことにより、熱交換を金属壁を隔てて水で行うため、直
接水のシャワー又は空気等で行う場合に較べ放射化され
る液体又は気体等の資材の量を少なくすることができ
る。請求項7の発明は、前記のように構成されたことに
より、電極を用い、通電によって行うのではないから、
汚染した電極の処理等の問題がなく、ガスは燃焼ガスと
して処理されてしまうので処理が容易である。請求項8
の発明は前記のように構成されたことにより、セラミッ
クストレイの二次汚染はその内部に迄達しないので、そ
の表面を清浄化すればすむので、清浄化が容易である。
請求項9の発明は前記のように構成されたことにより、
黒鉛ブロックの良好な燃焼を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示し、原子炉で使用された
黒鉛の処理方法に用いる装置の概略を示す図である。
【図2】この発明の実施例を示し、原子炉で使用された
黒鉛の処理方法の工程を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 投入装置 2 黒鉛ブロック 3 入口 4 燃焼炉 5 出口 6 扉 7 扉 8 搬送装置 9 排気装置 10 ブロワー 11 空気取入れ口 12 高濃度酸素発生装置 13 モレキュラシーブ 14 容器 15 連通管 16 窒素排出口 17 タンク 18 加湿装置 19 密閉容器 20 供給部 21 水 22 ヒータ 23 供給口 24 出口 25 セラミックストレイ 26 一酸化炭素燃焼装置 27 ガス冷却器 28 本体 29 蛇管 30 出口 31 集塵機 32 ガス処理筒 33 フアン 34 煙突

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉で使用された黒鉛を、使用された形
    状のまま燃焼炉に供給された体積百分率50〜100%
    の高濃度酸素で酸化燃焼させ、ガス及び灰分を形成さ
    せ、前記ガスを濾過して清浄化させ大気中に放出する、
    原子炉で使用された黒鉛の処理方法。
  2. 【請求項2】 原子炉で使用された黒鉛を体積百分率5
    0〜100%の高濃度酸素で酸化燃焼させる原子炉で使
    用された黒鉛の処理方法。
  3. 【請求項3】 酸化燃焼は500℃以上1500℃以下
    で行われる請求項1又は2記載の原子炉で使用された黒
    鉛の処理方法。
  4. 【請求項4】 酸化燃焼は水を触媒として行われる請求
    項1、2、又は3記載の原子炉で使用された黒鉛の処理
    方法。
  5. 【請求項5】 高濃度酸素による酸化燃焼は2段階に行
    われる請求項1、2、3又は4記載の原子炉で使用され
    た黒鉛の処理方法。
  6. 【請求項6】 酸化燃焼によって生じたガスは金属壁を
    隔てた水によって熱交換され、その後に濾過される請求
    項1、2、3、4又は5記載の原子炉で使用された黒鉛
    の処理方法。
  7. 【請求項7】 黒鉛の燃焼の着火はガスの焔による請求
    項1、2、3、4、5又は6記載の原子炉で使用された
    黒鉛の処理方法。
  8. 【請求項8】 燃焼により生じた灰分はセラミックス製
    容器により回収する請求項1、2、3、4、5、6又は
    7記載の原子炉で使用された黒鉛の処理方法。
  9. 【請求項9】酸化燃焼させる際の高濃度酸素の注入量、
    酸素濃度及び水分の注入量はそれぞれ別個に、又は組み
    合わせて調節する請求項4記載の原子炉で使用された黒
    鉛の処理方法。
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