JP3049692B2 - 伝熱管 - Google Patents
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Description
れる伝熱管に関し、より詳しく説明すると、流動特性及
び伝熱特性を向上させるために、その管の内周面に、複
数条の螺旋状溝と、この螺旋状溝に交差するように形成
された複数条の副溝とを有する伝熱管に関する。
器又は冷凍機等内の蒸発管、凝縮管又はヒートパイプ等
といった熱交換器に使用され、この管内部のフレオン等
の冷媒と、この管外部を流れる流体とで熱交換を行っ
て、これら冷媒及び流体間で蒸発又は凝縮作用を成すも
のである。
化及び省エネ化といった観点から、主に、その内周面に
溝部を形成したものが知られている。
に、微細な三角形形状又は台形形状の螺旋状溝と、この
螺旋状溝によって形成された突部とが形成されているの
で、この螺旋状溝内部の表面張力及び螺旋状溝による乱
流効果によって、伝熱管の縦軸方向へと螺旋状溝に沿っ
て流れる冷媒、つまり伝熱管内部の冷媒流動を促進する
ことができる。
と、この伝熱管内部の各螺旋状溝間にある突部によって
冷媒流体の乱流が活発化して凝縮特性が向上する、つま
り、この突部は凝縮核として作用する。
れると、この伝熱管内部の螺旋状溝のエッジによって冷
媒流体の撹拌が活発化して伝熱管内部に供給される冷媒
流体の蒸発特性が向上する、つまり、前記螺旋状溝のエ
ッジは気泡を発生させる蒸発核として作用する。
7年4月21日付で特許付与された米国特許第4,658,89
2 号公報(以下、単にシノハラ特許と称する)に開示さ
れている。
の流体圧力損失が実質的に増加しない範囲内で、この伝
熱管の内周面に、比較的、深い螺旋状溝を連続的に形成
したものである。
Diに対する螺旋状溝の深さHfの比率(Hf/Di)
は、0.02〜0.03の範囲内とし、この伝熱管の縦
軸方向に対する螺旋状溝の螺旋角度は7°〜30°の範
囲内としている。
螺旋状溝が形成された部分の断面積Sの比率は、0.1
5〜0.40の範囲内とし、これら螺旋状溝の間に位置
する突部の断面における頂角は30°〜60°の範囲内
としている。
れば、この伝熱管に供給される冷媒流体が、連続的に形
成された螺旋状の螺旋状溝に沿って伝熱管の内周面の大
部分に亘って広く拡散してしまうので、この伝熱管の金
属表面と冷媒流体とが直接接触できなくなって、凝縮効
率が低下してしまうといった問題点があった。
より向上させるために、この伝熱管の内周面上に螺旋状
に形成した複数条の螺旋状溝と、この螺旋状溝と所定の
角度で交差し、一定の間隔で離隔形成された複数条の副
溝とを備える交差溝形成伝熱管が提案されている。
いて1988年3月29日付で特許付与された米国特許
第4,733,698 号(以下、単にサトウ特許と称する)に開
示されている。図9は、このような従来技術の交差溝形
成伝熱管における内周面の概略構成を端的に示す拡大斜
視図である。
うに、この伝熱管の内周面上に形成した複数条の螺旋状
溝11と、この螺旋状溝11に対して一定の角度で交差
し、この螺旋状溝11の螺旋角度に比べて大きい角度で
傾斜した複数条の副溝12と、これら螺旋状溝11及び
副溝12で形成する複数の突起部13とを備えた交差溝
形成伝熱管10が開示してある。
12を形成した分だけ内部表面積が増加するので、熱伝
達率が上昇する。
ば、この伝熱管10内部のエッジが増加するだけでな
く、この伝熱管10の縦軸方向に対して螺旋状溝11よ
りも傾斜するように副溝12を形成するようにしたの
で、冷媒流体の撹拌がより活発化する。
においては、冷媒流体の撹拌がより活発化して、冷媒流
体の蒸発特性が向上する等の利点があるため、広く普及
されている。
れば、その内周面に、伝熱管の縦軸方向に沿って、直線
状の矩形又は逆台形形状の第1溝を一定の深さH、かつ
一定のピッチPで設けると同時に、この第1溝よりも浅
い第2溝を、第1溝に螺旋状に交差させ、第1溝の溝ピ
ッチPと第1溝の溝底の溝幅Sとの比率(S/P)をS
/P<1/2とし、第1溝の溝幅Sと溝深さLとの比率
(L/S)をL/S>1/2とした伝熱管が開示してあ
る。
うな従来の交差溝形成伝熱管(サトウ特許)10におい
ては、図10に示すように、各突起部13間に形成され
た、冷媒流体の流動方向に対して、副溝12の上流側壁
面12a、すなわち突起部13の下流側背面13aには
渦流が発生し、この渦流が伝熱管10内部を流れる冷媒
流体の流動方向に対して抵抗として作用してしまうの
で、この渦流発生領域における伝熱管10の伝熱性能が
著しく低下してしまうといった事態が発生した。
製造方法においては、図11に示すように、この伝熱管
10の螺旋状溝11を圧延成形した後に、副溝12を圧
延成形するようにしたので、副溝12の圧延成形時に、
既に成形されている螺旋状溝11側に突出部14が発生
してしまう。
形成伝熱管10によれば、この螺旋状溝11における突
出部14の発生によって、流体抵抗が大きくなって螺旋
状溝11による乱流効果が低下してしまい、その伝熱性
能が高くても圧力損失が大きくなってしまうといった事
態が発生した。
よれば、その伝熱性能が高くても圧力損失が大きくなっ
て、この伝熱管内部の冷媒流体を流動させるために大き
な動力を必要とするので、伝熱性能と圧力損失(エネル
ギー効率)との関係は反比例の関係にあると言える。
れば、蒸発特性や凝縮特性等といった伝熱性能を高くし
ようとすると、圧力損失が大きくなってしまったり、圧
力損失を小さくしようとすると、この伝熱性能が低下し
てしまうといった問題点があった。
のであり、その目的とするところは、その圧力損失を最
小限に抑えながら、その伝熱性能を向上させることがで
きる伝熱管及びその製造方法を提供することにある。
に本発明における第1の発明である伝熱管は、断面円形
状の金属管の内周面に、この金属管の縦軸方向に対して
一定の螺旋角度をもって相互平行に複数条の螺旋状溝を
形成すると共に、この螺旋状溝に対して一定の交差角度
を有する複数条の副溝を交差形成し、この副溝におけ
る、前記金属管の螺旋状溝方向に対して互いに対向する
一対の壁の内、その一方の壁に、前記金属管の螺旋状溝
方向に対して一定の略直角な傾斜角度を有する垂直壁を
形成し、他方の壁に、前記金属管の螺旋状溝方向に対し
て一定の傾斜角度を有する傾斜壁を形成すると共に、前
記金属管の螺旋状溝方向に対して互いに隣り合う一対の
副溝の内、一方の副溝の垂直壁と他方の副溝の傾斜壁と
の間に、その頂部を平面部とする突起部を形成し、この
金属管の内周面に形成した螺旋状溝における、金属管の
縦軸方向に対する螺旋角度を、10°〜40°の範囲内
とし、この螺旋状溝に対する副溝の交差角度を、75°
〜105°の範囲内とし、前記金属管の螺旋状溝方向に
おける副溝の最大幅に対する、前記金属管の螺旋状溝方
向における突起部の平面部の幅の比率を0.2〜1.0
の範囲内とすることを特徴とする。
状溝と、この螺旋状溝と交差する複数条の副溝と、これ
ら螺旋状溝及び副溝より形成された複数の突起部とを有
する交差溝形成伝熱管に相当するものである。
合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等があげられ
る。
長手方向に相当するものである。
の、金属管の縦軸方向に対する螺旋角度は、10°〜4
0°の範囲内としたが、18°〜25°とするのが望ま
しい。
度は、75°〜105°の範囲内としたが、90°とす
るのが望ましい。
れる伝熱管内に供給される流体の流動方向に対して上流
側に位置する壁面に相当するものであり、前記副溝の垂
直壁は、この流動方向に対して下流側に位置する壁面に
相当するものである。
管の螺旋状溝方向に対して30°〜60°の範囲内とす
るのが望ましい。
の金属管の螺旋状溝方向に対して90°〜105°の範
囲内とするのが望ましい。
副溝の最大幅に対する、前記金属管の螺旋状溝方向にお
ける突起部の平面部の幅の比率は0.2〜1.0の範囲
内としているが、前記副溝の最大幅とは、各副溝の垂直
壁の頂点及び傾斜壁の頂点間の幅に相当するものであ
る。
一定とするのが良く、この場合には螺旋状溝の深さに対
する副溝の深さの比率は、0.5〜1.0の範囲内とす
るのが望ましい。
ば、その内周面に形成した螺旋状溝に一定の角度で副溝
が形成してあるので、連続的な螺旋状溝のみを形成した
従来の伝熱管のように、この螺旋状溝に沿って伝熱管の
内周面の大部分に亘って流体が広く拡散して、この金属
表面と冷媒流体が直接接触できなくなってしまうことに
より発生する凝縮効率の低下を確実に抑制することがで
きる。
向に対してほぼ直角の垂直壁と、一定の角度で傾斜した
傾斜壁とで構成しているために、この傾斜壁に沿って冷
媒流体が円滑に流れるようになっているので、突起部の
下流側背面領域に渦流が発生することはなく、従来、発
生していた渦流発生による流動抵抗の増加及び伝熱性能
の悪化を防止することができる。
の乱流及び撹拌作用を最大化させることにより、伝熱性
能を上昇させることができる。
れば、その圧力損失を最小限に抑えながら、その蒸発特
性及び凝縮特性等の伝熱性能を向上させることができ
る。
施の形態に示す交差溝形成伝熱管について説明する。図
1は本実施の形態に示す交差溝形成伝熱管の内周面の概
略構成を示す拡大斜視図、図2は同平面図、図3は図2
に示すI−I線断面図、図4は図2に示すII−II線
断面図である。
属管であり、この材質には銅、銅合金、アルミニウム又
はアルミニウム合金等の通常の金属条材を使用するもの
である。尚、この伝熱管1の製造にあたって使用される
金属条材の幅及び厚みは用途に応じて適宜変更可能であ
る。
全体に亘って、この伝熱管1の縦軸方向に対して一定の
螺旋角度αを有しながら、相互平行に形成された複数条
の螺旋状溝2が形成してある。この螺旋状溝2の断面形
状は、図3に示すように、ほぼ逆台形形状である。
螺旋状溝2に対して一定の交差角度βで交差しながら、
相互平行に形成された複数条の副溝3が形成してある。
この副溝3の断面形状は、図4に示すように螺旋状溝2
の螺旋角度αよりも大きい角度を有する、ほぼ直角三角
形形状である。
れら螺旋状溝2及び副溝3より形成された台形形状の微
細な突起部4が多数形成してある。
管1の製造方法を端的に示す斜視図である。
図5に示すように金属条材5に副溝3が成形された後に
成形されるのであるが、その断面形状は一般的な交差溝
形成伝熱管と同様に、ほぼ逆台形形状であり、この伝熱
管1の縦軸方向、すなわち冷媒流体の流動方向に対する
螺旋状溝2の螺旋角度αは、10°〜40°の範囲内、
望ましくは18°〜25°の範囲内で形成されるのが望
ましい。
度)αが10°よりも小さくなると、この螺旋状溝2に
よる乱流効果を得ることは期待しにくく、この冷媒流体
に対する乱流発生効果が低下すると、この伝熱管1の伝
熱性能も低下するものである。また、その反面、螺旋角
度αが40°よりも大きくなると、この螺旋状溝2によ
る流体抵抗が大きくなって圧力損失が大きくなってしま
う。
〜0.7mmの範囲内にすることが望ましい。
ぎると、この螺旋状溝2の形成密度が小さくなるため
に、この螺旋状溝2による冷媒流体の流動性の向上及び
伝熱性能の効果が減少し、その反面、この螺旋状溝2間
のピッチPが小さすぎると、この螺旋状溝2の形成が困
難となる。従って、この交差溝形成伝熱管1の内径Di
が1cm程度の一般的な伝熱管の場合には、0.2〜
0.7mmの範囲内にすることが望ましい。
に対する螺旋状溝2の深さHfの比率(Hf/Di)
は、0.02〜0.05の範囲内とすることが望まし
い。
りも小さくなると、螺旋状溝2の効果が発揮できなくな
るため、この螺旋状溝2による表面張力及び乱流効果は
期待しにくい。また、この反面、その比率(Hf/D
i)が0.05よりも大きくなると、螺旋状溝2による
流体抵抗が大きくなって、冷媒流体の流動性が低下して
しまう。従って、この本実施の形態に示す交差溝形成伝
熱管1においては、連続的な螺旋状溝2によって冷媒流
体が広く拡散してしまうの防止する一方で、螺旋状溝2
による冷媒流体の乱流及び撹拌効果をより向上させるた
めに、副溝3が螺旋状溝2と交差した状態で相互平行に
多数形成するようにしてある。
角度βは、図2に示すように75°〜105°の範囲内
とし、相互直角にすることが望ましい。
この伝熱管1の螺旋状溝方向に対して互いに対向する一
対の壁の内、一方の壁である下流側壁面を垂直壁3aと
し、他方の壁である上流側壁面を傾斜壁3bとしてお
り、前記傾斜壁3bの傾斜角度γ2は垂直壁3aの傾斜
角度γ1よりも小さくなるように形成してある。
熱管1の螺旋状溝方向に対してほぼ直角、すなわち90
°〜105°の範囲内とし、前記傾斜壁3bの傾斜角度
γ2は、この螺旋状溝方向に対して30°〜60°の範
囲内とするのが望ましい。
きくするようにしたので、従来よりも顕著な冷媒流体の
乱流及び撹拌作用が起こると共に、傾斜壁3bの傾斜角
度γ2を緩やかにしたので、冷媒流体が突起部4を越え
て流動したとしても、この傾斜壁3bに沿って緩やかに
冷媒流体が流動することにより、この傾斜壁3b領域、
すなわち突起部4の下流側背面4aに渦流が発生するこ
とはない。従って、従来の交差溝形成伝熱管の問題点で
あった渦流によって生じる圧力損失を抑えることができ
る。
の最大幅B、つまり垂直壁3aの頂部及び傾斜壁3bの
頂部間の幅Bと、この突起部4の上面部4cの幅A、つ
まり一突起部4の下流側背面4aの頂部及び上流側正面
4bの頂部間の幅との比率(A/B)は、0.2〜1.
0の範囲内であることが望ましい。
さい、つまり、突起部4の上面部4cの幅Aを小さくす
ると、副溝3成形後に螺旋状溝2を成形する場合、突起
部4の上流側正面4bが上流側に傾いてしまうので、副
溝3の傾斜角度γ1及びγ2を所望の角度に加工するこ
とが難しくなってしまう。また、この反面、この比率
(A/B)が1.0よりも大きい、つまり突起部4の上
面部4cの幅Aを大きくすると、液膜が突起部4の上流
側正面4bにまで広く広がってしまうので、凝縮性能が
低下してしまう。
さHとは同一であることが望ましい。
さHfよりも深くすると、螺旋状溝2による乱流効果及
び溝内部の表面張力による流動性に悪影響を及ぼしてし
まうので、少なくとも副溝3の深さHが螺旋状溝2の深
さHfよりも深くならないようにすべきであり、つま
り、この螺旋状溝2の深さHfと副溝3の深さHとの比
率(H/Hf)は1.0以下とするべきである。
Hfに比してあまりにも浅くしすぎると、一般的な螺旋
状溝のみを形成した伝熱管と比べても伝熱性能に大きな
差異がでないので、この副溝3の深さHは、少なくも螺
旋状溝2の深さHfの1/2以上とすべきであり、この
螺旋状溝2の深さHfと副溝3の深さHとの比率(H/
Hf)は0.5以上とするべきである。
示す交差溝形成伝熱管1の製造方法について説明する。
1の製造方法は、日本国公開特許第94-234014 号に示す
ような、一般的な電気溶接式伝熱管の製造方法と別段違
いはない。
法によれば、まず、最初に金属条材に螺旋状溝を成形
し、この螺旋状溝成形後に副溝を成形するようにしたの
で、副溝成形時に螺旋状溝の内側に突出部が形成されて
しまい、この突出部によって冷媒流体の流動性に悪影響
を及ぼしてしまうといった事態が発生した。
に、本実施の形態における製造方法によれば、まず最初
に金属条材5に副溝3を成形し、この副溝3成形後に螺
旋状溝2を成形するようにしたので、前記螺旋状溝2の
内側に突出部が発生するようなことはなく、冷媒流体の
流動性に悪影響を及ぼすことを効果的に防止することが
できる。
き詳細に説明する。
管を製造するのに適した幅を有する金属条材5を準備
し、この金属条材5に一定のピッチの副溝3を成形する
ための副溝成形ロール6に金属条材5を通過させ、この
金属条材5に副溝3を成形する。
の金属条材5に一定のピッチの螺旋状溝2を成形するた
めの螺旋状溝成形ロール7に副溝3成形後の金属条材5
を通過させ、この金属条材5に螺旋状溝2を成形する。
尚、これら副溝成形ロール6及び螺旋状溝成形ロール7
には、各々の溝の形状に対応する突起部が所定の角度で
形成されている。
面を直角三角形形状を有するようにしたので、螺旋状溝
成形ロール7による螺旋状溝2の成形時の金属流動がほ
ぼ台形形状の突起部4の形成に寄与するものである。従
って、この螺旋状溝2の成形によって副溝3側にある程
度の突出部が発生したとしても、螺旋状溝2による流動
性上昇効果を低下させることはなく、むしろ副溝3側に
発生した鋭い突出部で冷媒流体の拡散を効果的に阻止し
て凝縮性能を向上させることができる。
螺旋状溝1を成形した後、この金属条材5の溝成形面側
が内周面となるように一段階又は多段階の成形ロール8
を通過させ、この金属条材5を所定の直径の真円管状の
金属管に成形した後、誘導コイル9による高周波溶接等
によって金属条材5の端部を溶接して断面円形状の伝熱
管を形成する。この後、このように溶接成形された伝熱
管を必要に応じて定形ロール10に通過させることによ
り、この伝熱管の外周面の形状を定形して交差溝形成伝
熱管1を製造する。
成伝熱管1をコイル状に巻くか、所定の長さに切断する
ことにより、交差溝形成伝熱管1の製造を完了する。
す交差溝形成伝熱管1によれば、その内周面に形成した
螺旋状溝2に所定の角度で副溝3が形成してあるので、
連続的な螺旋状溝のみを形成した従来の伝熱管のよう
に、この螺旋状溝に沿って伝熱管の内周面の大部分に亘
って流体が広く拡散し、この金属表面と冷媒流体が直接
接触することができなくなってしまうことにより発生す
る凝縮効率の低下を確実に抑制することができる。
螺旋状溝方向に対して、ほぼ直角の垂直壁3aと、一定
の角度で傾斜した傾斜壁3bとで構成しているために、
この傾斜壁3bに沿って冷媒流体が円滑に流れるように
なっているので、突起部4の下流側背面4a領域に渦流
が発生することはなく、従来、発生していた渦流発生に
よる流動抵抗の増加及び伝熱性能の悪化を防止すること
ができる。
媒流体の乱流及び撹拌作用を最大化させることにより、
伝熱性能を上昇させることができる。
の幅が広くなっているので、この伝熱管使用時に拡管作
業をしても溝又は突起部4が破損する可能性も少なくな
る。
管1の製造方法によれば、副溝3を先ず成形し、この副
溝3成形後に螺旋状溝1を成形するようにしたので、螺
旋状溝2の内側に突出部が形成されるようなことはな
く、従来のような螺旋状溝2の内側に突出部が形成され
たことによる、冷媒流体の流動性に及ぼす悪影響を確実
に防止することができる。
成形するようにしたので、この螺旋状溝2の成形時に形
成される副溝3側に突出する鋭い突出部が流体の拡散を
効果的に阻止し、蒸発性能を向上させるのに寄与する。
伝熱管1の効果を立証するために、出願人はある実験を
執り行なったので、この実験結果について説明する。図
6は蒸発特性に係る伝熱性能に関して、本実施の形態に
示す交差溝形成伝熱管1と従来の伝熱管との比較結果を
示すグラフ、図7は凝縮伝熱性能に関する同比較結果を
示すグラフ、図8は圧力損失に関する同比較結果を示す
グラフである。
形態に示す交差溝形成伝熱管1と、従来の溝を有しない
伝熱管(平滑伝熱管)と、従来の螺旋状溝のみを有する
伝熱管(螺旋状溝伝熱管)と、従来の交差溝形成伝熱管
との4種類の伝熱管であり、これら伝熱管の材質は銅と
し、その内径を9.52mmとしている。
示す交差溝形成伝熱管1は、その螺旋状溝2の螺旋角度
αを18°、副溝3の螺旋状溝2に対する交差角度βを
90°、螺旋状溝2のピッチPを0.24mm、この伝
熱管1の内径Diと螺旋状溝2の深さHfとの比率(H
f/Di)を0.025、この螺旋状溝2の深さHfと
副溝3の深さHとの比率(H/Hf)を0.8、副溝3
の垂直壁3aの傾斜角度γ1を90°、副溝3の傾斜壁
3bの傾斜角度γ2を30°、副溝3の開口部の最大幅
Bと突起部4の上面部4cの幅Aとの比率(A/B)を
0.5とするようにした。
イプの熱交換器を製造し、この伝熱管内部に冷媒R22
を流入して、各伝熱管の性能を測定してみた。
分かるように、本実施の形態に示す交差溝形成伝熱管1
を使用した場合の蒸発特性は、従来の交差溝形成伝熱管
とほぼ同一であり、平滑伝熱管の約3倍、螺旋状溝伝熱
管の約1.5倍に向上することが判明した。
からも分かるように、本実施の形態に示す交差溝形成伝
熱管1を使用した場合の凝縮特性は、従来の平滑伝熱管
及び螺旋状溝伝熱管についてはもちろんのこと、従来の
交差溝形成伝熱管よりも顕著に向上していることが判明
した。
からも分かるように、本実施の形態に示す交差溝形成伝
熱管によれば、その蒸発特性及び凝縮特性等といった伝
熱性能が向上しているにもかかわらず、この伝熱管内部
の圧力損失は従来の螺旋状溝伝熱管と近似しており、従
来の交差溝形成伝熱管に比べても顕著に減少することが
判明した。
熱管1によれば、その管内部の圧力損失を最小限に抑え
ながら、蒸発特性及び凝縮特性等といった伝熱性能を大
幅に向上させることができる。
によれば、その管内部の圧力損失を最小限に抑えなが
ら、蒸発特性及び凝縮特性等といった伝熱性能を大幅に
向上させることができる。
などの熱交換器の性能を向上させ、エネルギーを節約で
きるだけでなく、熱交換器の小型化、軽量化及び原価節
減を可能にするなどの効果を得ることができる。
内周面の概略構成を端的に示す拡大斜視図である。
示す断面図である。
示す断面図である。
法を端的に示す斜視図である。
に示す交差溝形成伝熱管と従来の伝熱管との比較結果を
示すグラフである。
に示す交差溝形成伝熱管と従来の伝熱管との比較結果を
示すグラフである。
成伝熱管と従来の伝熱管との比較結果を示すグラフであ
る。
概略構成を端的に示す拡大斜視図である。
形状を示す断面図である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 断面円形状の金属管の内周面に、この金
属管の縦軸方向に対して一定の螺旋角度をもって相互平
行に複数条の螺旋状溝を形成すると共に、この螺旋状溝
に対して一定の交差角度を有する複数条の副溝を交差形
成し、この副溝における、前記金属管の螺旋状溝方向に
対して互いに対向する一対の壁の内、その一方の壁に、
前記金属管の螺旋状溝方向に対して一定の略直角な傾斜
角度を有する垂直壁を形成し、他方の壁に、前記金属管
の螺旋状溝方向に対して一定の傾斜角度を有する傾斜壁
を形成すると共に、前記金属管の螺旋状溝方向に対して
互いに隣り合う一対の副溝の内、一方の副溝の垂直壁と
他方の副溝の傾斜壁との間に、その頂部を平面部とする
突起部を形成し、 この金属管の内周面に形成した螺旋状溝における、金属
管の縦軸方向に対する螺旋角度を、10°〜40°の範
囲内とし、 この螺旋状溝に対する副溝の交差角度を、75°〜10
5°の範囲内とし、 前記金属管の螺旋状溝方向における副溝の最大幅に対す
る、前記金属管の螺旋状溝方向における突起部の平面部
の幅の比率を0.2〜1.0の範囲内とすることを特徴
とする伝熱管。 - 【請求項2】 前記垂直壁の傾斜角度を、この金属管の
螺旋状溝方向に対して90°〜105°の範囲内とし、 前記傾斜壁の傾斜角度を、この金属管の螺旋状溝方向に
対して30°〜60°の範囲内とすることを特徴とする
請求項1記載の伝熱管。 - 【請求項3】 前記螺旋状溝及び副溝の深さはそれぞれ
一定であって、 前記副溝の深さに対する螺旋状溝の深さの比率を、0.
5〜1.0の範囲内とすることを特徴とする請求項1記
載の伝熱管。 - 【請求項4】 前記金属管の縦軸方向に対する螺旋状溝
の螺旋角度を、18°〜25°の範囲内とし、 この螺旋状溝に対する副溝の交差角度を、90°とする
ことを特徴とする請求項1記載の伝熱管。
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