JP3049615B2 - 液体分注システム - Google Patents

液体分注システム

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JP3049615B2 JP6501649A JP50164994A JP3049615B2 JP 3049615 B2 JP3049615 B2 JP 3049615B2 JP 6501649 A JP6501649 A JP 6501649A JP 50164994 A JP50164994 A JP 50164994A JP 3049615 B2 JP3049615 B2 JP 3049615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】
この発明は、一般に臨床分析装置に使用する液体分注
システムに関し、特に音響検出手段を含む液体分注シス
テムに関するものである。
【背景技術】
ピペットは、液体試料および/または試薬を保持する
リザーバ(容器)間に液体を移送したり、該リザーバか
ら液体を検定カートリッジにおけるような試験部位へ移
送して種々の試験をするために自動化分析装置に使用さ
れる。そのピペットは典型的に、ピペット先端部をリザ
ーバの液体中に下げて液体を吸入したり、その液体を試
験部位に輸送しそこでピペットを最適位置に下げて液体
を分注させるべく水平および鉛直移動を与える輸送装置
によって運ばれる。ピペットに組み込まれるピストンア
センブリのような装置は、電子的に作動されて液体をピ
ペットに吸引し、そのピペットから液体を分注する。 かかる自動化試験装置によって種々の化学試験を行な
うことができる。例えばヒトの保健用生物学的物質の検
定である。自動化試験装置は多数の試験装置を迅速に処
理することができる。かかる装置は病院や研究所を含む
保健施設で使用される。全血,血漿,血清のような生物
流体は病気の原因を見つけたり、治療用薬物の量を検査
する、等のために試験される。かかる自動化試験装置に
おいては、使い捨てピペット先端部が典型的に1つの液
体だけの放出に使用されて、検定結果に誤りをもたらす
恐れのある汚染を回避するために廃棄される。 液体をピペットに先端部へ吸引するとき、ピペット先
端部のオリフィスを液体の中に所望量の液体を吸引する
のに十分に所定距離に下げることが望ましい。液面に対
してピペット先端部の不正確な位置決めは該先端部に吸
引する液量に誤差をもたらす。さらに、先端部を液中に
余分な距離まで下げると、先端部を液体から引き出すと
きに少量の液体がピペット先端部の外壁に付着する可能
性が増す。ピペット先端部の外壁に付着した液体は、不
正確な量の液体を分注する結果となる。 使い捨てピペット先端部の使用は、ピペット先端部を
液中に下げる深さの制御に問題を提起する。典型的に重
合体材料製である使い捨てピペット先端部は機器内の貯
蔵トレーに備える。典型的に金属ステムを有するピペッ
トは、最初に下方へ前進させて使い捨て先端部を摩擦接
触によって固定する。先端部の重合体材料は軟質である
から、金属のピペットステムからの先端部オリフィスの
距離に関して先端部毎に若干の変動がある。従って、先
端部のピペットステム上への位置決めに変動があると、
吸引工程中に液中におけるピペット先端部の所望の位置
決めに誤差が生じる。 上記の問題の外に、操作が典型的にマイクロプロセッ
サに埋め込んだソフトウェアプログラムによって制御さ
れるかかる自動化分析装置は、使い捨てピペット先端部
が分注サイクル中にピペットステムに実際に適切に装着
されたか否かを認識できることが望ましい。さらに、ピ
ペット先端部に吸引された液体の高さを決定する性能を
有することが分析装置にとって有利である。 従来技術の液体分注装置は全ての場合において充分で
ない。例えば、吸引工程中に液面を検出することができ
る装置はピペット先端部に吸引される液体の量を決定す
ることができない。従って、技術が進歩し、機器システ
ムへの要求が増すに従い、新規の液体分注システムの要
求が続いている。 従って、本発明の目的は新規の液体分注システムの提
供にある。 本発明の別の目的は、ピペット先端部の液面への接近
を検出することができる液体分注システムの提供にあ
る。 さらに本発明の目的は、ピペット先端部が一定体積の
液体に侵入した深さを測定できる液体分注システムを提
供することにある。 さらに別の目的は、ピペット先端部がピペットステム
に固着されたか否かを決定できる液体分注システムを提
供することにある。 また本発明の目的は、ピペット先端部に吸入された液
体の量を測定できる性能をもった液体分注システムを提
供することである。
【発明の開示】 これらおよび他の目的並びに利点は、本発明によりピ
ペットと共に音源および音検出器を含む液体分注システ
ムを提供することによって達成される。 そのピペットはピペット先端部を支えるのに適したピ
ペット先端部ホールダを含む。望ましい実施態様におけ
るピペット先端部ホールダは、液体を1つの場所から別
の場所へ移送中にピペット先端部を固定保持するため
に、使い捨て先端部の近位リップ部と摩擦接触させるべ
く使い捨て先端部内に挿入する円すい形に狭くなってい
るノーズを有する。そのピペット先端部は、遠位のオリ
フィスで終わる中央空洞を備え、液体はそのオリフィス
を通して中央空洞に吸入されると共に該空洞から分注さ
れる。ピペット先端部ホールダは、先端部との係合時に
先端部空洞に開口する中央室を備える。ピペットはさら
に先端部の反対側の上側面上で前記ホールダと連接する
ピストンアセンブリから成る。ピストンアセンブリのピ
ストンはホールダの中央室に延在する。ピストンアセン
ブリは、中央室内でピストンを後退させたり前進させて
液体を先端部空洞に吸引させる真空(負)圧、および先
端部空洞から液体を分注させる正圧を生じさせるステッ
プモータのような駆動装置を含む。 ホールダ中央室は、該室を囲み該室に本発明の望まし
い実施態様において実質的に円筒形を与える壁によって
画定される。ピストンは円筒状である。ピストンと前記
ホールダ壁との間には環状空間がある。本発明の液体分
注システムの望ましい実施態様における音源はスピーカ
コイルによって作動される小形スピーカである。そのス
ピーカは前記ホールダ壁に固定できる、音の導管はスピ
ーカからホールダ壁を貫通してホールダ中央室の環状空
間に開口するように配置される。音検出器は、ホールダ
壁に固定できてホールダ中央室の環状空間、望ましくは
スピーカの直径方向反対側に開口するマイクロホンにす
ることができる。この液体分注システムは、さらに音源
および音検出器に接続して該検出器で受けた音響信号を
分析する信号プロセッサから成る。受信した音響信号
は、その強さおよび位相のようなパラメータに基づい
て、ピペット先端部の遠位端に対して、容器またはリザ
ーバ内の一定体積の液体の表面または検定要素の表面の
ような表面の位置に関する情報を提供するために分析さ
れる。さらに、使い捨てピペット先端部を利用する機器
の場合に、受信した音響信号の分析はピペット先端部ホ
ールダ上にピペット先端部の存否に関する情報を提供す
ることができる。受信した音響信号はピペット先端部に
吸入された液量に関する情報を提供することもできる。 本発明によって、受信した音響信号のパラメータは
(1)音の周波数(振動数);(2)先端部空洞の形状
並びに環状空間を含むホールダ中央室の形状または構
造;(3)ピペット先端部空洞に対する音源、例えば変
換器および音検出器の位置;および(4)ピペット先端
部の遠位端におけるオリフィスに対して接近する表面に
依存することがわかった。 本発明の液体分注システムは、可聴範囲、例えば50〜
500ヘルツ(Hz)内の適当な周波数で作動させることが
できる。音の波長が内部空間の寸法より著しく大きい50
Hzのような比較的低周波において、受けた音の特徴は、
内部空間の形状のために共鳴によって影響を受ける音の
調波の存在の可能性を除いて、ピペット内に共鳴が実質
的に無いことである。また、音の波長が内部空間の寸法
より小さい5000Hzのような比較的高い周波数で液体分注
システムを操作する場合には、受けた音の特徴は内部空
間の形状に依存する。 周知のように、音響信号の特徴は、信号波形の振幅パ
ターン並びに位相パターンおよび波形の周波数成分を含
む信号波形の全ての面を含む。その特徴は、最初に表面
から離れているピペット先端部がその表面に接近し、さ
らに先端部が液中に入ったときのようにピペット先端部
のオリフィスが閉鎖されると特徴的に変わることがわか
った。その特徴は、ピストンが後退し液体が空洞の底部
を満たすときのような内部空間の形状変化のために、液
体が先端部空洞に吸入されるとさらに変わる。本発明の
液体分注システムは、種々の周波数で特徴のデータを記
憶して音の特徴を認識することによって先端部のオリフ
ィスに対する表面の位置を確認することができるマイク
ロプロセッサのような制御装置で作動させることができ
る。必要ならば、低周波音を使用してピペットが表面へ
接近する際に空洞を探測したり、高周波音を使用して、
液体の吸入および分注時、並びにピペット先端部によっ
て2つの場所、例えばリザーバと試験部位間に液体を輸
送中に空洞内の液面を測定することができる。 液体分注システムがピペット先端部が一定体積の液体
の表面に侵入したときを決めるために利用される本発明
の望ましい実施態様において、受けた音響信号の振幅は
音源の出した音の周波数に依存する。すなわち、受信し
た音響信号は先端部が液面に接近して、接触するとその
強さが急上昇または急降下する。比較的低い周波数、例
えば50〜500Hzでは、先端部が液体に接近して、接触す
ると、受信音響信号はその強さを急激に変える。音の強
さの急激な変化は先端部オリフィスの閉鎖のためであっ
て、それはオリフィスからの音のエネルギーの放射を防
ぎ、それによって先端部オリフィスからの音の反射の強
さを増す。その反射音は空洞内で拾われた位相を異にす
る他のソースと相互に作用する。 約400〜600Hzの範囲内の周波数において、受信した音
響信号の強さは空洞内で検出される位相を異にする他の
ソースとの相殺のために減少するが、約1500〜2000Hzの
範囲内の周波数における強さは空洞における共鳴のため
に増す。約2000〜5000Hzの範囲内の周波数での位相・振
幅の特徴は、ピペット先端部を除くピペット装置の内部
の形状に左右される。 本発明の望ましい実施態様において、低周波の音の信
号、すなわち約400〜600Hzの範囲内の信号はピペット先
端部が液面に接近する際に利用される。制御器からピペ
ット移送装置へ制御信号を出力して、ピペット先端部が
液体に接触しそして液中に入る際にピペットの下向き移
動を終わらせる。次に、高周波すなわち約1500〜2000Hz
の範囲内の音の信号を液体がピペット先端部に吸入さ
れ、続いてピペット先端部が液体から後退し、そしてピ
ペットが別の場所へ移送されるときに使用する。 本発明の液体分注システムは、使い捨てピペット先端
部が液体分注サイクルの初めにピペットによってピック
アップされる場合のようにピペット先端部がピペットに
固定されたか否かを決定することができる。先端部がホ
ールダに固定されるときに信号の振幅が変わる。さら
に、液体分注システムはピペットの位置の校正に使用す
ることができる。 図面の簡単な説明 第1図は液体分注装置の構成要素と共にピペットの縦
断面略図; 第2図,第3図,第4図および第5図はそれぞれ第1
図に示した線2−2,3−3,4−4および5−5に関してと
ったピペットの横断面図; 第6図は第1図のピペットの部分図であって、第1図
に示したピストンの延在位置と比較した液体の吸引後の
後退位置のピストンを示す; 第7図は第1図の液体分注装置に用いた電気回路のブ
ロック図; 第8図,第9図および第10図は液体分注装置の信号プ
ロセッサに含まれる付加回路; 第11図は信号と表面への接近との関係の特徴的変化
(振幅と位相)を示す図; 第12図は受信した信号の波形を示す図; 第13図は第1図の液体分注システムの各種の構造につ
いて得られた振幅と周波数との関係線図; 第14図は第1図の液体分注システムの同一の構造につ
いて得られた位相と周波数との関係線図である。
【発明を実施するための最良の形態】
第1図〜第6図には、ピペット22を含む本発明による
液体分注システム20を示す。図示のようにピペット22
は、台30に支持されているリザーバ(容器)28に貯蔵の
サンプル液体のような液体を吸引および分配(小出し)
する交換可能ピペット先端部24を固着している。液体分
注システム20の説明のためにかかるサンプル液体26は1
つだけを示しているが、自動化臨床分析装置には、いず
れの数のサンプル液体容器も設けられることは明らかで
ある。この液体分注システム20は自動化臨床分析装置
(図示せず)に使用する関係において説明する。かかる
自動化臨床分析装置は周知であって、言及する該分析装
置の構成要素の機能は当業者には既知のものである。 該自動化臨床分析装置では、複数の検定要素は、典型
的にサンプル液体の検定を行なう所望温度に検定要素を
保つために温度制御室、または低温器内のコンベアによ
って運ばれる。検定要素は、全て同一種類、すなわち全
てが同一成分のサンプル液体、またはそれらが異なる種
類、すなわち異なる成分のサンプル液体である。 液体分注システム20は、図式的に示した適当なタイプ
の輸送装置44を含む。輸送装置44は該機器においてピペ
ットを横(X−方向),鉛直(Z方向),そして前後
(Y−方向)に移動して、ピペットにピペット先端部
(使い捨て先端部を使用する場合)を取り上げさせ、液
体をサンプル液体容器から吸引し、必要量のサンプル液
体を検定要素へ分注することができる。技術的に既知の
ように、サンプル液体は、検定要素が温度制御室に装入
される前または後に検定要素へ分注される。 図示のように、ピペット22は、先端部24の近位リップ
48と摩擦接触させて先端部24をテーパ・ステム46に固着
させ、ステム46と先端部24を一緒に密封させるテーパ・
ステム46を含む。先端部の近位端におけるフランジ・ア
センブリ50は先端部24をステム46から除去させる装置と
係合させると共に、使用前に先端部24のピペット先端部
ホールダ(図示せず)における先端部の貯蔵を容易にさ
せる。 先端部24は、液体26を先端部24に吸引する際に液体26
のような液体を保持する空洞52を有する。図示のように
空洞52は、比較的大きい直径の円筒部54と、該円筒部54
の底部から先端部24の遠位端のオリフィス58へ延在する
狭い管状通路56から成る。ピペット先端部ホールダと呼
ぶピペット22の下端部はステム46と中央室62を含む。中
央室62は先端部24とステム46との係合時に上円筒部64と
先端部空洞52との間を連絡する下管状部66と、上円筒部
64から成る。中央室62の上円筒部64と下管状部66はピペ
ット22の中心縦軸68の回りに同軸に配置される。ステム
46と先端部24との係合時に、空洞52の円筒部54と管状通
路56も軸68に沿って同軸に配置される。 ピペット22はさらに輸送装置44とピペット22を連接さ
せるフランジ・アセンブリ70から成る。ステム46上部は
フランジ・アセンブリ70の底面と連接する。フランジ・
アセンブリ70の上には、軸68に沿って先端部24方向へ下
降させ、先端部24から軸68に沿って上方へ後退させる駆
動装置78とピストン76を含むピストンユニット74を保持
するピペット22のフレーム72が延在する。ピストン76は
室62の最上壁80の開口を介して中央室62に入る、最上壁
80の開口は、ピストン76が最上壁80を貫通するために気
密シールを提供するO−リング82の助けによって形成さ
れる。ピストン76の上方移動は室62の容積を増す傾向に
あり、それによって室62内に真空または負空気圧をもた
らして、空気を空洞52からホールダ室62に吸引して、液
体26を空洞52に吸引させる。ピストン76のホールダ室62
への進入は、室62の容積を減少させ、それによって正の
空気圧を提供して、室62から空気を先端部空洞52に押し
込んで、液体を先端部24からオリフィス58を介して追い
出し、分注する。従って、ピストンユニット74は液体を
先端部24に吸引し、先端部24から分注する。ピストン駆
動装置78はマイクロプロセッサ84(それは望ましい実施
態様において液体分配システム20並びに全臨床分析装置
の操作を制御するために使用される)からの電気信号に
よって作動されるステップモータ(図示せず)を含む。
マイクロプロセッサ84も駆動信号を輸送装置44へ与え
て、ピペット22の移動並びにピペット先端部24への液体
の吸引および該先端部からの液体の分注を制御する。 本発明により、液体分注システム20はさらにピペット
22と作動的に連結する音響装置86から成る。本発明の液
体分注システムは使い捨てピペット先端部24がピペット
22のステムに固着されたか否か、どれだけの量の液体が
先端部24に吸引されたかを含む種々の形態の情報を提供
することに利用できることをこれまでに述べてきたが、
オリフィス58に対して容器28内の液体26のレベルの位置
を検知するために利用する実施態様に関して液体分配シ
ステム20を最初に説明する。液体26をピペット先端部24
に吸引するプロセスにおいて、輸送装置44によってピペ
ット22を最初に容器28の上に配置し、次に下げて先端部
24の遠位端、特にオリフィス58を液体26と接触させる。
その際、ピストンユニット74を作動させてピストン76を
ホールダ中央室62から後退させて液体を管状通路56内に
吸引させる。さらに吸引すると液体26は上昇して先端部
空洞52の円筒部54の底部に至る。ピストン76の後退量
は、特定体積の液体26を容器28からピペット先端部24に
輸送するようにマイクロプロセッサ84によって予め指定
される。先端部24に吸引される液体の量は実質的に全体
積が1つの検定要素に分注される単一検定に必要な量で
あることは当業者には明らかである。また、複数の検定
に十分な液体が先端部に吸引されて、液体の一定量が複
数の検討要素の各々に分注される。 オリフィス58を通した液体26の吸引を開始させるべ
く、ピペット先端部24を移動させて液体26の最上表面に
接触させるプロセスを促進するために、音響装置86が信
号をライン88に出力して、マイクロプロセッサにオリフ
ィス58が液体26の最上表面と接触することによって閉鎖
されているという信号を送る。この信号は、ピペット22
が十分に降下されて先端部24と液体26との必要な接触を
させたことを示す。マイクロプロセッサ84は応答してピ
ペット22の前進を止める。音響装置86によってマイクロ
プロセッサ84に送られた信号は液体の最上表面に対する
ピペット先端部24の位置決め精度を著しく高め、それに
よって分注される液体の分量に導入される誤差の可能性
を付随的に低減する。 続いて、輸送装置44が作動してピペット先端部が容器
28の最上部をクリアできるのに十分な距離ピペット22を
上昇させる、そしてそのピペットは横方向の検定要素の
上の位置へ輸送される。そのピペットは、次の検定要素
上の必要な分注位置へ降下されて、必要な量のサンプル
液体が検定要素へ分注される。比較的小分量、例えば約
10μ〜100μの液体の分注においては、ピペット先
端部のオリフィスは検定要素上で精密に制御された距離
に配置しなければならないことが知られている。ピペッ
トの必要な分注位置での位置決めは本発明の液体分注シ
ステムによって行なうことができる。 音響装置86は音源90と信号発生器92を含む音発生装置
87(第7図);音検出器94(第7図)と受信器96、例え
ば増幅器や緩衝器を含む音検出装置93;および信号プロ
セッサ98から成る。ピペットのステム46は中央室62を囲
む壁100を含む。音源90と音検出器94はステム46の壁100
に装着される、そして本発明の望ましい実施態様におい
ては相互に直径方向に対向して配置される。音源90はス
ピーカコイルと、信号発生器92によって提供される電気
作動信号に応答してスピーカコイルによって振動するよ
うにセットされた可動振動板(図示せず)から成る。音
検出器94はマイクロホンから成る。壁100は円形円筒形
内表面を軸68の回りに対称的に配置して、中心配置ピス
トン76と共にピストン76を囲む環状空間102を画定す
る、その環状空間102は中央室62の一部である。導管104
は壁100を貫通して音源90と環状空間102との間の音響通
信を提供する。導管106は壁100を貫通して検出器94と環
状空間102間の音響通信を提供する。 信号プロセッサ98は記載のように作動して音源90から
状態カウンタ情報を受ける。信号検出器94は音源90の付
勢からもたらされる環状空間102内の音波を検出して、
音波によって運ばれた音響信号を電気信号に変換し、そ
れを受信器96へ印加する。検出器94からの電気信号を受
けたら、受信器96は受信信号を信号プロセッサ98へ出力
する。プロセッサ98は記載のように受信信号を分析し前
記信号をライン88に出力して、先端部オリフィス58の容
器28の液体表面との接触を表示する。 環状空間102の形状は、第1図に示したピストン76の
前進位置のように比較的長い環状空間から第6図に示し
たピストン76の後退位置のように比較的短い環状空間へ
と変わりうることがわかる。音波によって運ばれる音響
信号の特徴を含む検出器94で検出される音波の性質は、
中央室62と空洞52との中央室62の環状部66を介した音響
結合のために、ステム46の中央室62の形状と先端部24の
空洞52の形状の両方に左右される。反射および/または
共鳴音波に有効な空間に関して、ピペットステム46の空
洞(中央室)62の形状は、先端部24の空洞52に吸引され
る液体の高さに左右される。従って、ピストン76の既知
位置に対応して、オリフィス58に対する液面の位置(オ
リフィス58の上下)を表す受信音響信号を識別できる特
徴がある。 第7図は、信号プロセッサ98と信号発生器92の回路の
構成を示す。第7図の回路はピペット22(第1図)内で
の音響信号の発生および容器内の液体26の液面の先端部
オリフィス58への接近を決定する音響信号の評価をす
る。これは、液面の先端部オリフィスへの接近について
のデータを与える特徴を発生する信号の振幅および/ま
たは位相の変化を認識することによって達成される。 本発明の望ましい実施態様における信号発生器92は、
マイクロプロセッサ−プログラマブル制御クロック10
8、状態カウンタ110、正弦索引表112、デジタル−アナ
ログ変換器114およびドライブ増幅器116から成る。クロ
ック108は状態カウンタ110を駆動し、カウンタ110の状
態が正弦索引表112へ送られ、それからの出力がデジタ
ル−アナログ変換器114へ行く。変換器114からの出力は
ドライブ増幅器116によって緩和される。状態カウンタ1
10は、索引表112およびD−A変換器114と共に、音源90
を付勢するために正弦波形への段階的近似をさせる。例
えば、状態カウンタ110はモジュロ−32(正弦波形の1
サイクル当たり32カウントがある)を計数する。これは
1カウント当たり11.25度の位相に相当する。索引表112
は各カウントに対応する正弦波形の振幅値を与える。そ
れらの値はデジタル値として変換器114へ出力されてア
ナログ正弦値に変換される。アナログ信号値は増幅器11
6によって増幅され、増幅器116内でろ過(図示せず)す
ることにより平滑化されて、実質的に正弦波の信号を音
源90へ提供する。増幅器116は音源90を駆動する十分な
パワーを信号に与える。 音源90によって発生される音響信号の周波数はプログ
ラマブルクロック108によってカウンタ110へ印加される
パルスの繰り返し周波数によって決定される。第7図に
示した例においては、音響信号の1サイクル当たり32カ
ウントがあり、クロック108の繰り返し周波数は音響信
号の周波数より32倍大である。音源90内のスピーカの応
答によって正弦波への段階的近似がさらにスムーズにな
る。受信器96は検出器94の出力信号を増幅およびろ過す
る増幅器および帯域フィルタ(図示せず)を含む。液面
測定の別の段階中に別の周波数でクロック108を操作す
る必要がある場合には、受信器96の通過帯域は適当に広
くして受信した信号の周波数範囲を調節する。また、必
要ならば受信器96の電子同調も用いることができる。ク
ロック108の必要な動作周波数は端子Dにマイクロプロ
セッサ84(第1図)からそれに印加する信号によって表
示される。液体分注システムは受信器96の出力する信号
を見る表示器118を含む。ディスプレイ118は、音響信号
の発生時間に対して測定した受信音響信号における移相
または遅延を表示できるようにカウンタ110の出力信号
と同期することが望ましい。かかる同期はマイクロプロ
セッサ84によって制御できることは当業者には明白であ
る。 信号プロセッサ98は、送信された音響信号の位相角に
対する受信音響信号の位相角を測定する能力を有する。
この測定をする能力は制限器120、分周器122、位相検出
器124および低域フィルタ126によって与えることができ
る。操作において、制限器120は受信器96の出力端子へ
接続され、受信器96の出力した本質的に正弦波形を128
に示した実質的に矩形の波形へ変換すべく受信器の出力
信号の振幅を実質的に限定する。分周器122はカウンタ1
10の出力信号へ結合されて、索引表112の出力する正弦
波信号へ位相同期される方形波信号を与える。分周器12
2の構成における例として、分周器122はカウンタ110の
出力するカウントの最下位ビットの発生に応答するカウ
ンタから成る。或いは、分周器122は、カウンタ110のカ
ウントによるアドレス指定に応答して方形波の信号を出
力する固定記憶装置または索引表として製造することが
できる。分周器122のカウンタはカウンタ110のゼロカウ
ントによってゼロにリセットされ、それによって分周器
122の出力波形と音源90の伝送正弦波形間の同期を維持
する。分周器122の出力波形130は波形128と実質的に同
一の形状を有するが、波形128を測定される移相の量ま
で導く。制限器120と分周器122の出力した信号は位相検
出器124へ印加されて、位相差を示すアナログ信号を出
力する。検出器124の出力した信号は低域フィルタ126に
よって平滑化されて端子Aに位相の特徴を示す信号を提
供する。説明のために示したモデルの位相の特徴は第11
図のグラフにAで示す。 信号プロセッサ98は、受信した音響信号の振幅を測定
する能力ももつことができる。この能力はA−D変換器
132、正弦索引表134、余弦索引表136同期検出器138、D
−A変換器140および低域フィルタ142によって提供され
る。操作において、変換器132は受信器96の出力端子へ
接続されて、アナログ信号をデジタル形式に変換する。
索引表134と136は状態カウンタ110のカウントによって
アドレス指定されて、同期検出器138によって使用され
る正弦波および余弦波の基準信号に段階的近似したもの
を出力する。変換器132の出力信号は同期検出器138の入
力端子へ印加される。検出器138は周知のように作動
し、受信信号の同相および直角位相を検出して受信信号
の振幅を表す信号を出力する。検出器138の出力信号は
変換器140へ印加されてD−形式からA−形式へ変換さ
れ、次に低域フィルタ142へ印加されて平滑化される。
端子Bにおいて低域フィルタ142の出力した信号は受信
音響信号の振幅の特徴を示す。説明のために提供したモ
デルの振幅の特徴は第11図のグラフにBで示す。 特に望ましい実施態様によって、振幅と位相データの
組合せに基づいた特徴は信号プロセッサ98によって提供
される。これは、符号器144、加算器146、ディジタル比
較器回路148、サンプリング回路150および低域フィルタ
152によって達成できる。操作において、符号器144はマ
イクロプロセッサ84によってある位置にセットされ、第
1のサンプル窓154(第12図のグラフに示す)が決定さ
れる。第2のサンプル窓156(第12図に示す)は時間的
に遅れて第1のサンプル窓154の場所に対して180゜の移
相位置にある。また、第2のサンプル窓156は90゜の移
相位置にあって、マイクロプロセッサ84によって制御さ
れる。第2のサンプル窓の位置選定は第1のサンプル窓
154の位相に同値の180゜を加えることによって達成さ
れ、この加算は加算器146を使用することによってでき
る。32の位相増分から成る正弦波の前記例において、符
号器144も位相増分の一組の32の値のいずれか1つを出
力する。従って、加算器146の加算は符号器144の出力す
る数に8または16のカウントを加算することによって達
成される。加算器146の出力も比較器回路148へ送られ
る。比較器回路148は、サンプリング回路150をストロー
ブして受信器96の出力した受信信号を抽出すべくサンプ
ル窓154と156の位相角の発生を確認する。その信号は直
角位相、すなわち90゜位相でも測定できることに留意さ
れたい。 第12図を見ると、2つの試料が逆の符号であって、サ
ンプル窓154の試料は正、そしてサンプル窓156の試料は
負である。低域フィルタ152は2つのサンプル154と156
間の差を測定して、コモンモード信号の誤差を除去す
る。サンプルの連続はフィルタ152によって積分されて
端子Cにおける信号振幅の平滑値を提供する。端子Cに
おける信号は受信信号とサンプル窓154、156の連続間の
相対的整相および信号の振幅に基づいた振幅の特徴を表
す。 端子Cにおける信号測定に及ぼす移相の効果は第12図
を参照することによって理解でき、窓154と156のそれぞ
れ90゜と270゜への位置決めが信号振幅を最大にする。
しかしながら、グラフに示したように、窓154と156は約
120゜と300゜とさらに高い移相角で利用されてきた。従
って、第12図の整相で得られた信号振幅は最大より小さ
い。第11図は、先端部オリフィス58に対する容器28(第
1図)における液面の接近の関数として受信音響信号振
幅と位相の関係を示す。液面がオリフィス58から離れて
いると、音波エネルギーが先端部24を出ることが実験的
にわかっている。しかしながら、先端部24が液体26と接
触すると、オリフィス58が閉鎖され、それによって音響
エネルギーの逃げるのを防ぐ。その結果、先端部空洞52
およびホールダ中央室62内の音の強さが変わる。これは
第11図の振幅のグラフに示されている。表示器118(第
7図)に接続されたオシロスコープの使用によって、先
端部24が液体26に接近すると先端部24と液体26が接触す
る直前に位相が急速に増すことも観察される。これは、
表示器118上に受信波形が右に約90゜の迅速移動として
示される。従って、第12図において、窓154と156の位置
が右へ約30゜まで調節されている。従って、先端部24が
液体26に接近するに伴い、第11図の振幅および位相特徴
のために受信信号の振幅が減少し、端子Cにおける受信
信号を液体との接触時に負にさせる。これは、先端部オ
リフィス58に対する液体26の液面位置の決定をより正確
にさせるのに有用である。前記のように、ピペット先端
部が目標の液面に接近するに伴い位相および/または強
さが減少するか否かはピペットの形状および発生する音
の周波数に依存する。 第8図は、端子AとBにおける特徴のデータを組み合
わせて出口信号をライン88(第1図)に提供し、マイク
ロプロセッサ84に信号を送ってピペットの前進を停止さ
せる信号プロセッサ98の回路構成を示す。第8図の回路
構成は2つの比較器158、160、基準信号の2つのソース
162、164およびANDゲート166を含む。操作において、基
準ソース162は第11図の位相信号(グラフA)の最大値
より少し小さい値を有する基準信号を発生するように調
整される。同様に、ソース164は第11図の振幅信号(グ
ラフB)の最大値より少し小さい基準信号の値を提供す
るように調整される。端子Aの信号は比較器158によっ
てソース162の基準信号と比較して、信号をANDゲート16
6の第1入力端子へ出力する。同様に、比較器160は端子
Bにおける信号の振幅とソース164の基準信号と比較し
て信号をANDゲート166の第2入力端子へ出力する。第11
図からわかるように、端子Bの信号の振幅ANDゲート166
は、ピペット先端が容器28(第1図)内の液面に接近す
る際に端子Bの信号が増大し始める前に、より小さい値
に変化し始める。従って、端子Bの信号の振幅は早期の
警告を与えて、ピペット22が液体26方向へ前進する際に
ピペット22の移動を減速させるというマイクロプロセッ
サ84への指示として役立つ。次に、端子Aの位相信号は
その高い値に達してピペット先端部24と液体26との接触
を表示する。比較器158と160の出力信号が同時に存在す
ると、ANDゲート166は信号をライン88に出力してピペッ
トの前進を停止させる。しかしながら、必要ならば、比
較器160の出力信号は、ピペット22の移動を減速させる
減速信号としてマイクロプロセッサ84にも印加される。 特徴(位相および振幅)は、音の振動数を掃引して信
号を発生させ: 1.f(φ)−f(φ+180゜)および 2.f(φ)−f(φ+90゜)(直角位相) 端子Cにおける出力を測定し、各振動数における位相
と振幅を決定することによっても発生させることもでき
る。 当業者は、90゜と180゜信号サンプルの両方が得られ
るときにはボード(Bode)線図が生じることを理解す
る。かかる線図を種々の条件に対して作ることによっ
て、各種機能の各々に対する最適振動数およびサンプリ
ング位相を決定することができる。もちろん、適当な、
または異なる振動数が必要な種々の機能に使用できる全
ての用途に1つの振動数を使用できることは明らかであ
る。 第9図は、端子Cにおける特徴の解析をするために信
号プロセッサ98に用いられる付加回路構成を示し、受信
した音響信号における振幅と移相の組合せ効果を示す。
第9図の回路構成は比較器168と入力信号のサンプル・
アンド・ホールド回路170から成る。サンプル・アンド
・ホールド回路170はピペット・アセンブリの移動前に
比較器160への基準信号を得るために使用される。これ
は、比較器168へ印加されて端子Cにおける初信号と現
在の状態の信号との比較をする。端子Cの出力信号がサ
ンプル・アンド・ホールド回路170の発生した基準信号
から転移しているときには、比較器168は信号をライン8
8に出力し、マイクロプロセッサ84に信号を送ってピペ
ットのそれ以上の前進を停止させる。さらに該回路構成
は比較器169とマイクロプロセッサ制御DAC(ディジタル
−アナログ変換器)171から成って、比較的169へプログ
ラマブル基準信号を提供する。DAC171の調整は、マイク
ロプロセッサに信号出力Cをテストさせて他のピペット
のモードおよび形状を検出させる。LED表示器173はオペ
レータに状態の情報を提供する。 マイクロプロセッサ84に言及すると、それはいくつか
の数の埋込み単チップ制御装置(図示せず)を含み、そ
の各々は典型的に臨床分析装置内のピペット輸送装置4
4、ピペットピストン74、等のような種々アセンブリを
駆動するステッパー・モータの動作を制御するために利
用される。 第10図は、信号プロセッサ98が2つの記憶装置172と1
74、およびパターン認識マイクロプロセッサ176を備え
たより一般的な状態を示す。記憶装置172は、種々の周
波数における端子A、BおよびCの各々の信号特徴の経
歴や波形を記憶して種々の操作モードを区別し、対応す
る波形を記憶装置174に記憶する。次にマイクロプロセ
ッサは記憶装置172のデータの波形と記憶装置174の基準
波形とを比較して、ピペット先端部24のオリフィス58に
関して液体26のレベル(第1図)の相対的位置を決定す
る。この情報は次にライン88を介してマイクロプロセッ
サ84へ移送されて、ピペット22の位置決めを助ける。同
様に、記憶装置174にさらに基準波形を記憶させて、先
端部24の管状通路56内の液体の上昇するレベル、および
さらに先端部の空洞52に液体の上昇するレベルの関数と
して受信した音響信号のデータを提供する。その付加基
準波形は、前記比較的低い周波数の500Hz、または2500H
zあるいは5000Hzのような高い音響周波数における音響
信号に対して得られる。その高周波において、先端部の
空洞52およびホールダ室62内の共鳴は、波形をさらに複
雑に形状にするが、それはピペット先端部24内の液面の
精密な測定に有利である。この情報はマイクロプロセッ
サ84へ転送されて、液体の吸引および/または分注すべ
きときに吸引または分注される液体試薬の必要量を提供
する。 第13図および第14図は、異なる3つのピペットモード
/形状に対して本発明の液体分注システムによって得ら
れたボード線図を示し、第13図は振幅と周波数の関係を
示し、第14図は位相遅れと周波数の関係を示す。これら
の線図は、いずれのピペット先端部も設けていないピペ
ット(「ピペット先端部外し」);使い捨てピペット先
端部を装着しているが閉鎖されていないピペット(「ピ
ペット先端部開口」);およびピペット先端部を装着し
て閉鎖しているピペット(「ピペット先端部閉鎖」)に
ついて振幅および位相遅れと周波数の関係を示すこれら
の図面は音発生装置および音検出器における音響応答並
びに電子信号ろ過の効果を示す。 電圧振幅の特徴の試験(第13図)では、「ピペット先
端部開口」の構造は約500Hzでピークの電圧振幅と、対
応する位相遅れの特徴(第14図)によって決定されたよ
うにこの周波数で約−90゜の位相遅れを生じ、一方「ピ
ペット先端部閉鎖」の構造はこの周波数で位相遅れ0゜
を有することがわかる。「ピペット先端部外し」構造の
特徴は約−145゜の位相遅れと500Hzにおける最小振幅値
を有することもわかる。 −90゜(符号器144)での正のサンプル150と90゜(加
算器146)での負のサンプルとのC組合せ出力を得る
と、「ピペット先端部開口」構造(高信号出力)と「ピ
ペット先端部閉鎖」モードまたは「ピペット先端部外
し」モード(それぞれ低出力)間の区別ができる。他の
周波数における操作は他の操作モード間の区別ができる
こともわかる。 従って、以上のことから、本発明によってピペット先
端部を装着したピペットの特徴を分析して液体に接触す
るピペット先端部の特徴を比較できることがわかる。次
に最適な動作周波数を選んで復調した信号の遷移を最大
にすることができる。トリップ点の限界を選んでそれに
その信号を比較することもできる。その情報はマイクロ
プロセッサのメモリーに記憶する。選定した周波数、位
相および限界トリップ点でレベル(液面)検出機能を初
期化する。そのマイクロプロセッサは、アナログ−ディ
ジタル変換器によって比較器の出力または復調電圧を調
べることによって状態を調べる。ピペットを被検出表面
方向へ前進させる前に、液体分注システムはサンプルお
よびホールダ増幅器における現在の復調アナログ・レベ
ルを保持することができる。 このレベルは、比較器に対する限界値の発生に使用さ
れ、それは次にピペットの鉛直運動制御を直接制御する
のに使用することができる。該液体分注システムは、さ
らに信号プロセッサ98の出力を調べることによって必要
なレベルの液体がピペット先端部に吸引されたか否かを
検出することができる。 本発明の別の実施態様における液体分注システムは、
ピペット先端部がピペット・ヘッドによって装着された
か否かの決定に利用できる。ピペット先端部を装着する
ことによって得られた音響信号の特徴は先端が存在しな
いときの場合と比較される。最適の位相、周波数および
限界トリップ点を決定して、マイクロプロセッサをこれ
らの条件に初期化することができる。比較器の出力を調
べることによって先端部がピペット・ヘッドに存在する
か否かがわかる。 本発明の液体分注システムは自動化科学分析装置にお
けるピペットの位置を校正するために利用することもで
きる。かかる自動化分析装置において検定を適切に行う
ためには、ピペット・ヘッド・アセンブリおよびそれに
固定した使い捨て先端部(存在する場合)を正確に配置
して液体の吸引と液体の分注をする必要がある。小さい
容器から少量の液体の吸引には、悪い体積測定の結果の
ために液体と共に気泡が吸引されないようにピペット先
端部の正確な位置決めが必要である。さらに、サンプル
カップのキャリヤおよびピペット先端部のキャリヤが典
型的に成形プラスチック部品として成形され、それらの
寸法は相互に少し異なる。同様に、検定モジュールは典
型的に成形プラスチック・ハウジングを有し、その寸法
はモジュール毎に少し異なる。また、検定モジュールの
ウェル内に正確に分注された液体試料を得るためには、
ピペット先端部のオリフィスはモジュールのウェルの中
心部上に正確に制御された位置にある必要がある。 ピペットの位置決めにおける正確さおよび精度の要件
は、試料トレーの姿勢に存在するわずかの変動および計
器の各種校正要素の予定位置からの微小のずれの原因を
はっきりさせるために液体分注システムを適切に校正す
ることによって達成できる。従って、自動化分析装置に
おいては、液体分注システムを校正して前期理由のため
に生じる検定結果における誤差を最小にする能力をもつ
ことが望ましい。 1991年2月13日付けの本願と同一出願人による先願の
同時係属特許出願第654、877号は、自動化分析装置内の
種々の位置に配置されたターゲットとピペットシステム
とを整列させることから成る自動化分析装置におけるピ
ペットの位置を校正する方法を開示している。例えば、
2つのターゲットは液体を保持する複数の容器を支える
トレー上に置き、検定操作中にテストモジュールを支え
る計器内のコンベア上に配列されるダミー検定モジュー
ル上にターゲットを配置することができる。その校正法
の操作中に、ばねで正常な位置に止めてあるタブを受け
入れる周溝穴を含むことによって改良されたピペットス
テムと共に前期タブを有するインジケータが使用されて
いる。そのステムはインジケータに挿入されてそこに固
定される、そして溝穴の領域内でのタブの移動によって
限定されたすべりが提供される。ピペットステムとイン
ジケータの両方に心合わせマークがあって、インジケー
タとターゲットの接触時にターゲットに対するステムの
目視心合わせができる。インジケータの高さと共にピペ
ットステムの基準位置からの変位がマイクロプロセッサ
に記憶される。 本発明の音響信号に基づいた液体分注システムはピペ
ットの位置の校正に使用することができる。上記インジ
ケータ装置または既知の基準ピペットをその校正に使用
する。前記のように、最適の操作パラメーターは音響信
号の特徴分析に基づいて決定されて、マイクロプロセッ
サに記憶される。次にそのマイクロプロセッサはピペッ
トの水平および鉛直移動の制御に利用する。比較器の出
力を調べてインジケータまたは基準のピペット先端部が
所望のターゲット表面と接触したか否かを決定する。か
かるターゲット表面の位置は次にマイクロプロセッサに
記憶して、液体容器を支えるトレーまたはピペット先端
部を支えるトレーまたは検定モジュールの表面の鉛直位
置の検出に使用する。液体の入口のような表面にある開
口も校正技術に使用できる。 ピペットに吸入された液体の体積は本発明によって検
出することができる。高周波共鳴、例えば約1000Hz以上
の共鳴はピペット内の空気柱の長さに依存し、それは順
次ピペット先端部における液体のレベルによって影響を
受ける。周波数の範囲を走査して最大の応答を返す周波
数を正確に検出する。検出した周波数および特徴分析の
結果に基づいて、ピペット先端部内の液体の体積を知る
ことができる。 また、本発明の液体分注システムは、ピペット先端部
の表面への接近の決定に利用できる。開口ピペット先端
部から得られる音響信号の特徴は、空気口が閉鎖された
先端部から得られるものから著しく変わる。ピペットの
先端部は、表面と実際に接触する前に停止させることが
できる。そこでは鉛直運動は微小分解能をもって進め、
信号の処理には十分な時間が許容される。この場合に
は、ピペット先端部のオリフィスの実距離はピペット先
端部の内径よりも小さい横断面の空気導管を提供する必
要がある。 以上、特定の望ましい実施態様について本発明を説明
したが、それらに限定されるものではなくて、本発明の
精神および請求の範囲内で種々の変化および改良があり
うることを当業者は認識されるであろう。
フロントページの続き (72)発明者 ウェイレット,ジョン,イー.,ジュニ ア アメリカ合衆国 02050 マサチューセ ッツ州 マッシュフィールド,ステージ コーチ ドライブ 178 (56)参考文献 特表 平4−161856(JP,A) 実表 平2−500011(JP,U) 欧州公開488761(JP,A1)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピペット先端部の空洞と連通する中央室を
    有し、ピペット先端部を保持するホールダとを有し、前
    記中央室内へ延在するピストンを備え、前記ピストンと
    前記ピペット先端部ホールダの囲い壁との間に環状空間
    を画定するピストン手段を含むピペット; 前記ピペット先端部のホールダへ作動的に接続される音
    響検出手段; 前記音響検出手段が、強さおよび位相を含むパラメータ
    ーを有する音を前記ホールダ中央室に伝送する音発生手
    段; 前記ホールダ中央室における音響信号を検出する手段;
    および 該音響信号検出手段に結合されて前記信号の少なくとも
    1つのパラメータを分析する信号処理手段を備える液体
    分注システムであって、 前記ピペットを移行路上を表面方向へ移動させる移送手
    段を備え; 前記検出手段が、前記表面に関して所望の場所における
    ピペット先端部の検出時に前記ピペットのそれ以上の移
    動を終わらせるために、前記移送手段に信号を送る手段
    を含み; 前記音響信号のパラメーターが前記環状空間の構造およ
    び前記先端部空洞の構造に依存し; 前記音響信号は低周波の第1の信号と高周波の第2の信
    号とを含み、前記第1の信号は前記ピペット先端部が液
    面に接近する際に用い、前記第2の信号は前記ピペット
    先端部に液体が吸入され、前記ピペット先端部が液体か
    ら後退し、あるいは前記ピペットが移送される際に用い
    られることを特徴とする液体分注システム。
  2. 【請求項2】前記ピペット先端部ホールダが、前記中央
    室を囲む壁と、該壁にそれぞれ装着された音源と音検出
    器を有することを特徴とする請求項1記載の液体分注シ
    ステム。
  3. 【請求項3】前記ピペット先端部ホールダが空洞を有す
    るピペット先端部を保持し、前記ピペット先端部空洞が
    ピペットの中心軸に沿って前記ピペット先端部ホールダ
    中央室と連通し、前記ピストンが前記中心軸に沿って可
    動であり、前記ピストンの横断面が、前記ピストンと前
    記ピペット先端部ホールダの囲い壁との間の環状空間を
    画定するために前記中央室の横断面により小さく、前記
    音源および音検出器が前記環状空間と連通するために前
    記ピストンに面する場所において前記ホールダに装着さ
    れることを特徴とする請求項2記載の液体分注システ
    ム。
  4. 【請求項4】前記音源および検出器の前記装着場所がそ
    れぞれ直径方向の反対側であることを特徴とする請求項
    3記載の液体分注システム。
  5. 【請求項5】前記音響検出手段が前記音源によって音響
    信号に変換される伝送電気信号を発生する手段を含み、
    前記音検出器が検出してた音を受信電気信号に変換する
    ことを特徴とする請求項4記載の液体分注システム。
  6. 【請求項6】前記第1の信号の周波数が約400〜600Hzの
    範囲内であり、前記第2の信号の周波数が約1500〜2000
    Hzであることを特徴とする請求項1記載の液体分注シス
    テム。
  7. 【請求項7】液体分注システムがピペット先端部を保持
    するホールダを有するピペットから成り、該ホールダが
    ピペット先端部と連通する中央室を有し、前記ピペット
    がさらに前記中央室に延在するピストンを備え、前記ピ
    ストンと前記ピペット先端部ホールダの囲い壁との間に
    環状空間を確定するピストン手段を含み; 強さと位相のパラメータを含む音を前記ホールダ中央室
    に伝送する工程; 前記ホールダ中央室において、音響信号を検出する工
    程;および 前記音響信号の少なくとも1つのパラメータを分析して
    前記ピペットに関係する情報を得る工程を備える方法に
    おいて、 前記音響信号のパラメータが前記環状空間の構造および
    前記先端部空洞の構造に依存し; 前記音響信号は低周波の第1の信号と高周波の第2の信
    号とを含み、前記第1の信号は前記ピペット先端部が液
    面に接近する際に用い、前記第2の信号は前記ピペット
    先端部に液体が吸入され、前記ピペット先端部が液体か
    ら後退し、あるいは前記ピペットが移送される際に用い
    られることを特徴とする液体分注システムにおけるピペ
    ットに関する情報を提供する方法。
  8. 【請求項8】さらに、前記ピペット先端部を前記液面に
    関して所望の場所に配置する際に、前記ピペットのそれ
    以上の移送を終わらせる信号を送ることを含むことを特
    徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】前記ピペット・ホールダが前記中央室を囲
    む壁を有し、前記音が前記ホールダ壁に装着された音源
    によって伝送され、前記音響信号が前記ホールダ壁に装
    着された音検出器によって検出されることを特徴とする
    請求項7または8記載の方法。
  10. 【請求項10】前記ピストンの横断面が、前記ピストン
    と前記ホールダの囲い壁との間の環状壁を画定するため
    に前記中央室の横断面より小さく; 前記音源が、前記環状空間と音との通信をするために前
    記ピストンに面して装着され;そして 前記検出器が前記ピストンに面して装着されることを特
    徴とする請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】前記音源および前記音検出器の前記装着
    位置が互いに直径方向反対側であることを特徴とする請
    求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記音響信号の強さおよび位相が分析さ
    れることを特徴とする請求項7または8記載の方法。
  13. 【請求項13】液体分注システムがピペット先端部を保
    持するホールダと該ピペット先端部ホールダに連接され
    たピペット先端部から成り、前記ピペット先端部ホール
    ダが前記ピペット先端部の空洞と連通する中央室を有
    し、前記ピペットが前記中央室に延在するピストンを備
    えたピストン手段を含み; 移行路の前記ピペットを表面方向へ移送する工程; 強さと位相のパラメーターを含む音を前記ホールダ中央
    室へ伝送する工程; 前記ホールダ中央室において、音響信号を検出する工
    程; 前記音響信号の少なくとも1つのパラメーターを分析し
    て前記表面に対する前記ピストン先端部の位置を決定す
    る工程を含む方法において、 前記音響信号は前記ホールダ室の構造および前記ピペッ
    ト先端部空洞の構造および前記ピペット先端部と前記表
    面間の距離によって決まり; 前記音響信号は低周波の第1の信号と高周波の第2の信
    号とを含み、前記第1の信号は前記ピペット先端部が液
    面に接近する際に用い、前記第2の信号は前記ピペット
    先端部に液体が吸入され、前記ピペット先端部が液体か
    ら後退し、あるいは前記ピペットが移送される際に用い
    られることを特徴とする液体分注システムにおける表面
    に対するピペット先端部の位置の検出方法。
  14. 【請求項14】さらに、前記ピペット先端部を前記表面
    に関して所望の場所に配置する際に、前記ピペットのそ
    れ以上の移送を終わらせる工程を含むことを特徴とする
    請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】前記表面が液体の表面であることを特徴
    とする請求項13または14に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記ピペット・ホールダが前記中央室を
    囲む壁を有し、前記音が前記ホールダ壁に装着された音
    源によって伝送され、前記音響信号が前記ホールダ壁に
    装着された音検出器によって検出されることを特徴とす
    る請求項13ないし15のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】前記ピストンの横断面が、前記ピストン
    と前記ホールダの囲い壁との間の環状壁を画定するため
    に前記中央室の横断面より小さく; 前記音源が、前記環状空間と音の通信をするために前記
    ピストンに面して装着され;そして 前記検出器が前記ピストンに面して装着されることを特
    徴とする請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】前記音源および検出器の装着位置が互い
    に直径方向反対側であることを特徴とする請求項17記載
    の方法。
  19. 【請求項19】さらに、一定体積の前記液体を前記ピペ
    ット先端部に吸引する工程および該ピペット先端部を前
    記液体から後退させる工程を含むことを特徴とする請求
    項13ないし15のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】前記第1の信号の周波数が約400〜600Hz
    の範囲内であり、前記第2の信号の周波数が約1500〜20
    00Hzであることを特徴とする請求項13ないし15のいずれ
    かに記載の方法。
  21. 【請求項21】前記音響信号の強さおよび位相を分析す
    ることを特徴とする請求項13ないし15のいずれかに記載
    の方法。
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