JP3049448U - 引違い式二重建具 - Google Patents

引違い式二重建具

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竹 武 志 佐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引違い式二重建具の施錠機構部の操作性を高
め、雨水の浸入を確実に防止するようにした新規な構造
の引違い式二重建具を提供する。 【解決手段】 4枚一組の屋内側建具8の屋外側に4枚
一組の屋外側建具2を設け、屋外側建具2の、閉状態で
中央配置となる2枚の屋外用中建具4,4をサッシュ枠
本体3の屋外側の軌道34に、また残る2枚の屋外用袖
建具5,5を屋内側の軌道34に建て込んだ上、閉状態
で重なり合う縦框部41,51の中、屋外用袖建具5,
5の中央側縦框部51,51の適所にクレセント7,7
を取着すると共に、屋外用中建具の縦框部41,41
の、前記クレセント7,7取着位置に対応する箇所に係
合鉤71,71を設ける一方、屋外用袖建具の他方の縦
框部52,52と、それらに当接するサッシュ枠本体3
の縦枠部33,33との間に、水切り構造部6を形成し
た引違い式二重建具1である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の目的】
この考案は、住宅の窓に利用される引違い式二重建具に関し、特に、屋外側 にガラス張りのサッシュや雨戸、その外の引違い戸を、また、屋内側に障子等の 引違い戸を夫々建て込んで二重構造としてなる建具の開閉操作性を改良するよう にした新規な構造の引違い式二重建具を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、我が国の住宅は、高気密、高断熱化のため、柱や壁に利用される木材 を工場で高精度に加工したり、工場でプレハブ化されたユニットを現場で組み立 てる等して、屋内を屋外から密閉すると共に、屋根、外壁、および床にグラスウ ールやポリウレタン等の断熱材を均質に詰め込むことにより、断熱性を高めるこ とが行われ、冷暖房に必要とされるエネルギーを削減したり、屋外からの騒音を 遮蔽し、従前にも況して快適に住まうことのできる住居が数多く提供されるよう になっている。
【0003】 このような高性能住宅の普及に伴い、断熱効果を得ることが最も困難とされ てきた窓の技術開発にも力が注がれるようになっており、気密性および断熱性を 高い水準で確保することのできる窓は、冬の寒さの厳しい北海道・東北地方では 冬期の暖房費用を低減し、夏の暑さの激しい九州地方等では冷房費用を抑えられ ることから、地域性なく、全国的に広がり始めている。また、この高性能の窓は 、地球温暖化防止のために必要とされる消費エネルギー削減のためにも有効であ って、それらの観点からも、今後、益々需要が増え、更に性能を高めるために多 方面からの改良が加えられるものと予想される。
【0004】 また、現行において、屋内外の熱伝達を低減する二重ガラスを用いたり、ア ルミニウム等の熱伝導率の高い素材を避け、木材や合成樹脂の窓枠を採用する断 熱性の高い窓が多く開発、提供され始めてきている中、古くから我が国の家に採 用され続けてきている障子戸も、紙という素材の特性として、ある程度の断熱性 を備えている上、適度に光を遮蔽する機能と光を拡散する機能とを兼ね備えてい て、穏やかな雰囲気作りに有効であって、しかも目隠し機能をも備えているとい う秀れた建具であることから、洋室、和室の隔てなく、我が国における中心的な 室内用建具として取り入れられてきている。
【0005】 このように、我が国の室内用建具として欠くことができない障子戸は、屋外 に面する開口部については、一般に、屋外側のガラス張りのサッシュに対し、内 側に所定間隔を置いて建て込まれる二重構造の建具の一方として採用されること になり、全ての戸を閉状態とした場合に、図5の引違い式二重建具の閉状態にお ける平面図に示されるように、各サッシュ戸(屋外用建具)4,4,5,5,… …に、一枚ずつの障子戸(屋内用建具)82,82,83,83,……が相対向 上に配置される構造となり、図8の中央側の2枚の障子戸83,83を開放した 引違い式二重建具の平面図に示されるように、障子戸83,83を開放し、さら に、中央のサッシュ戸4,4を開こうとすると、障子戸82,82,83,83 ,……が邪魔をして、中央のサッシュ戸4,4夫々の左右何れか一方の縦框部に 設けられたクレセント7,7に手が届かず、改めて、左右に寄せられている全て の障子戸82,82,83,83,……を中央側に移動し、クレセント7,7を 解錠した後、障子戸82,82,83,83,……を再度左右側に寄せ直し、そ の後、中央のサッシュ戸4,4を開放しなければならないという不都合を伴って いたし、また、その逆にクレセント7,7の施錠時にも、同様に障子戸82,8 2,83,83,……を移動させなければならないという不都合を生ずるものと なっていた。
【0006】 こうした開閉操作は、屋外に面した窓等の開口部の場合、室内に新鮮な空気 を取り入れたり、汚れた空気を屋外に送り出す必要が生じるために、殆ど毎日の ように繰り返して実施しなければならない操作だけに、本来であれば、その断熱 性や機密性等の機能と共に改良、工夫がなされてきていて当然なところ、この操 作性についてだけは、従前からの建て付けの慣習を破ることについて何か社会的 に受け入れ難い理由でも存在しているためか、あるいは従前からの建て付けを変 えることによる技術的な不都合の解消が難しいためなのか、従前からの建て付け がそのまま踏襲され続けていて、未だに改良される気配もなく、等閑にされたま まとなっているのが実情である。
【0007】 この考案では、上記のようなニーズに対応すべく、引違い式二重建具の施錠 機構部の操作性を改善する技術の提案、実施化がなされてきていない現状に注目 し、従前どおり雨仕舞いに支障を来すこともなく、また、防犯上の施錠機能につ いても何等問題を生じさせることなく、施錠機構部の操作性を大幅に改善可能と する引違い式二重建具の開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と多くの試作 、実験とを繰り返してきた結果、遂に新規な構造からなる引違い式二重建具を実 現化することに成功したものであって、以下では、図面に示すこの考案を代表す る実施例と共に、その構成を詳述していくことにする。
【0008】
【考案の構成】
図面に示すこの考案を代表する実施例からも明確に理解されるように、この 考案に包含される引違い式二重建具は、基本的に次のような構成から成り立って いる。 即ち、4枚一組の屋内側引違い式建具に対し、屋外側に適宜間隔を置き、同 じく4枚一組の屋外側引違い式建具が併設される二重構造の建具であって、屋外 用建具は、それ用に対をなしてサッシュ枠本体に設けられている二筋の軌道の中 、閉状態で中央配置となる2枚の屋外用中建具が屋外側の軌道を案内とし、残る 2枚の屋外用袖建具が屋内側の軌道を案内として夫々左右移動自在に建て込まれ るようにした上、それら2枚の屋外用中建具と2枚の屋外用袖建具とを閉状態に 引き合わせたときに内外に重なり合う屋外用中建具および屋外用袖建具の各縦框 部の中、左側配置となる屋外用袖建具は、その縦框部右側面適所に、また右側配 置となる屋外用袖建具は、その縦框部左側面適所に夫々施錠機構部が取着される と共に、それら施錠機構部に対応する屋外用中建具の各縦框部右側面または左側 面に施錠係合部が取着されるようにする一方、両屋外用中建具間、および屋外用 中建具と屋外用袖建具との互いに重なり合い状となる縦框部間を夫々水切り構造 となるようにすると共に、左右両屋外用袖建具の施錠係合部を配していない各縦 框部には、その屋内側側面の上下略全長に渡り、屋内側に突出状であって、開口 部を、当接することとなる縦枠部側に向け、平断面コ字状となるよう突設した水 切り片部が一体形成された上、該水切り片部が、サッシュ枠本体の縦枠部から立 ち上げ、奥部に拡幅樋部を形成してなる水切り溝部に遊嵌状となるようにするこ とにより、当該縦框部とサッシュ枠本体縦枠部との間に水切り構造部が形成され てなるようにした引違い式二重建具である。
【0009】 サッシュ枠本体は、屋外側建具または屋内側建具の夫々用として別々のもの としてか、あるいは屋外側建具および屋内側建具を共に建て込んでしまう共通の ものとして形成し、建物開口部に枠材として後付けされ、上下横框部に形成され た軌道間に、それら屋外側建具および/または屋内側建具を左右移動自在に建て 込むことができるようにする機能を果たすものであり、アルミニウムやステンレ スを始めとする耐腐食性に秀れる金属、あるいは、これらの一部に木材や合成樹 脂を付加して断熱性や質感を高めるようにしたもの等によって形成される。
【0010】 このサッシュ枠本体には、上下横枠部内側に上下相対向状となるように軌道 が形成されていて、4枚一組の引違い式建具の中、中央の2枚の屋外用中建具を 屋外側軌道が案内し、両側の他の2枚の屋外用袖建具を屋内側軌道によって案内 するよう機能するものであり、屋外用建具のための軌道として、サッシュ枠本体 の上側横枠部の下面および下側横枠部の上面に、夫々二筋ずつ左右に渡って設け られた凸条構造からなるものであったり、屋外用中建具および屋外用袖建具に設 けられた直線条の凸条部もしくは転輪等が嵌まり込み、案内されるようにした直 線状の案内溝部構造からなるものとする。
【0011】 水切り構造部は、上記サッシュ枠本体の左右縦枠部と、それに当接する側の 屋外用袖建具縦框部との間に形成され、閉状態にある屋外用袖建具とサッシュ枠 本体縦枠部との間を通じて雨水が屋内側に回り込み、浸入してくることを阻止す る機能を果たす構造部分であり、左右両屋外用袖建具の施錠係合部を配していな い各縦框部に、その屋内側側面の上下略全長に渡り、屋内側に突出状であって、 その開口部を、当接することとなるサッシュ枠本体縦枠部側に向けた平断面E字 状の2列の水切り片部が一体に形成されたものとし、これら水切り片部の中の屋 外側のものを、サッシュ枠本体縦枠部に形成されている水切り溝部に遊嵌状とな るようにする一方、屋内側の水切り片部は、同縦枠部屋内側側面に重なり状とす るようにした構造等とすることによって形成される。 なお、水切り片部は、屋外用袖建具の縦框部に一体に形成されたもの、ある いは、別体に製造された部材を取着して形成することができる。
【0012】 屋外側建具は、引違い式二重建具の中の屋外側に配置され、風雨が屋内に浸 入することを阻止する機能を果たすものであり、4枚一組で開閉されるガラス張 りまたは透明合成樹脂板の嵌め込まれたサッシュであったり、あるいはスチール や木材からなる雨戸等であり、通常の外窓の外、縁側のように出入り口としても 利用可能な建具にも採用されるものであって、4枚を引き合わせたときに、中央 に位置する2枚が屋外用中建具であって、サッシュ枠本体の屋外側の軌道に案内 されるように建て込まれ、この2枚が屋外用中建具の両側に配される残りの2枚 が、屋外用袖建具としてサッシュ枠本体の屋内側の軌道に案内されるようになっ ている。
【0013】 残りの2枚を形成する屋外用袖建具は、上記屋外用中建具の両側に配するた め、屋外用中建具の軌道に平行して屋内側に位置させてある別の軌道に建て込ま れ、閉状態において屋外用中建具の縦框部に対応する屋外用袖建具の縦框部には 、屋外用中建具の上記した施錠係合部に係合して施錠する施錠機構部が設けられ ており、クレセントの外、キーを使用するシリンダー錠、あるいはボタン操作に よって解施錠可能な施錠装置等、引違い戸に利用可能な各種施錠機構の採用が可 能となる。
【0014】 また、屋外用袖建具の閉状態においてサッシュ枠本体の縦枠部に対応する縦 框部には、屋内側側面の上下に渡り、水切り片部が突設され、サッシュ枠本体縦 枠部に設けられた水切り溝部と相俟って水切り構造部を形成するものとなってい る。同縦框部には、サッシュ枠本体縦枠部に当接する部位に緩衝用の弾性部材を 添設したものとしたり、さらに、同緩衝部材を、防水のための密閉用弾性接合部 材として利用することも可能である。
【0015】 なお、この屋外側建具においては、前記したサッシュ枠本体との間の水切り 構造部とは別に、両屋外用中建具間、および屋外用中建具と屋外用袖建具との互 いに重なり合い状となる縦框部間を夫々水切り構造、凹凸係合構造や突片噛合構 造、あるいはシール材当接または嵌合構造等、従前からこの種建具の水切り構造 として一般的に採用されている水切り構造、あるいは今後開発されるであろうあ らゆる水切り構造の採用が可能であることは言うまでもない。
【0016】 一方、屋内側建具は、前記までの屋外側建具の屋内側に平行して配され、閉 状態では断熱性を高めたり、太陽光を遮蔽する機能を果たすようにするものであ って、前記の屋外側建具と共通のサッシュ枠本体に対して左右移動自在に建て込 まれるか、あるいは、屋外側建具のサッシュ枠本体とは別体で、当該サッシュ枠 本体の屋内側に併設した別のサッシュ枠本体に対して左右移動自在に建て込まれ るようにする。 以下では、これまでに説明してきた、この考案に包含される引違い式二重建 具を、より一層明確に理解できるよう、代表的な実施例を具体的に説明してみる ことにする。
【0017】
【実施例1】 図1の引違い式二重建具の分解斜視図、図2の閉状態にある屋外用袖建具の 縦框部とサッシュ枠本体の縦枠部との平断面図に示される事例は、この考案の引 違い式二重建具の代表的な一例を示すものであり、引違い式二重建具1は、4枚 一組の屋外用建具4,4,5,5を備えた屋外側建具2、および4枚一組の屋内 用建具81,81,82,82を有する屋内側建具8により、二重構造の引違い 式建具を形成している。
【0018】 屋外側建具2は、下側横枠部31と、これに所定高さ寸法を隔てて対峙され る上側横枠部32、および上下両横枠部31,32夫々の端部同士を上下に連結 する縦枠部33,33からなるサッシュ枠本体3内に建て込まれるものであって 、当該サッシュ枠本体3の下側横枠部31および上側横枠部32の互いの対峙面 の夫々に、突条を成す平行な二筋の軌道34,34,34,34が設けられ、こ れら軌道34,34,……の中の屋外側の軌道34,34には、アルミニウム合 金からなる枠体Wに合成樹脂によるシール材を介してガラス板Gを嵌め込んだ屋 外用中建具4,4が建て込まれ、さらに、屋内側の軌道34,34には、屋外用 中建具4,4と同様に構成された屋外用袖建具5,5を建て込み、全ての屋外用 建具4,4,5,5を引き合わせ、閉状態とした場合には、2枚の屋外用中建具 4,4が左右方向中央に位置され、残りの2枚の屋外用袖建具5、5がそれらの 左右両側に配置された状態となって、サッシュ枠本体3の枠内全てが閉鎖される ことになる。
【0019】 閉状態における屋外側建具2においては、屋外用中建具4,4の夫々左右側 の縦框部41,41が、屋外用袖建具5,5の中央側の縦框部51,51の外側 に重ね合わせ状となっており、それら屋外用袖建具5,5の中央側の縦框部51 ,51の各中央向き側面の上下中央付近には、夫々施錠機構部であるクレセント 7,7が設けられると共に、これらに対応する屋外用中建具4,4の左右側の縦 框部41,41の夫々には、クレセント7が係合される施錠係合部としての係合 鉤71,71が取着されている。
【0020】 サッシュ枠本体3の縦枠部33には、内外両端縁が夫々中央向きに折曲され て屋外片部35および屋内片部36が設けられると共に、両端縁間には、屋外用 中建具4側と屋外用袖建具5側とを夫々区切るための仕切り片部37が上下に渡 って立設され、さらに、屋外用袖建具5の縦框部52との間で水切り構造部6が 実現されるようにしてある。
【0021】 即ち、サッシュ枠本体3の縦枠部33には、その仕切り片部37および屋内 片部36の間に上下に渡って中央封止片部61を突設する一方、上記サッシュ枠 本体3の縦枠部33に対峙することとなる屋外用袖建具5の縦框部52には、先 の縦枠部33の中央封止片部61に対応する部位に、同中央封止片部61が遊嵌 されるようにした封止溝部64を形成し、さらに当該縦框部52の屋内側側面に 、閉状態において先のサッシュ枠本体3縦枠部33の水切り溝部62に遊嵌状と なるように対応させた水切り片部65を上下に渡って突設したものとなし、該水 切り片部65の屋外側側面に上下に渡り、軟質合成樹脂からなる軟質水切り突部 67を貼着し、当該軟質水切り突部67の先端縁部は、屋外用袖建具5の閉状態 において水切り溝部62の一方の内側壁面に摺動自在に弾性的に当接されるもの とされており、さらに、水切り溝部62の奥部には、溝幅を拡幅した拡幅樋部6 3に形成されている。
【0022】 なお、この実施例の屋外側建具2の屋内側には、サッシュ枠本体3に相当す る寸法の木製枠本体81、および、同木製枠本体81の下側横枠部および上側横 枠部に設けられた二筋の軌道に建て込まれる4枚一組の障子戸からなる屋内用建 具82,82,83,83が設けらた屋内側建具8が配置されており、屋内用建 具82,82,83,83の夫々は、一枚の幅寸法が前記屋外用建具4,5の一 枚に相当するように設定され、引き合わされて閉状態とされたときに、屋外側の 軌道に建て込まれた2枚の屋内用袖建具82,82が木製枠本体81の左右両縦 枠部に夫々当接され、屋内側の軌道に建て込まれた2枚の屋内用中建具83,8 3が中央部分に位置する組み合わせ配置となる。
【0023】
【作 用】
以上のように構成された引違い式二重建具は、図3の閉状態にある引違い式 二重建具の平面図に示されるように、閉状態の屋外側建具2は、2枚の屋外用中 建具4,4が中央で突き合わされ、残りの屋外用袖建具5,5が縦枠部33,3 3に当接されており、屋外用中建具4,4と屋外用袖建具5,5との互いの縦框 部41,41,51,51が重ね合わせに状に位置することとなって、クレセン ト7,7が係合鉤71,71に係合される。 なお、閉状態の屋内側建具8は、左右に振り分けて移動された2枚の屋内用 袖建具82,82および中央に引き合わせられた屋内用中建具83,83により 、木製枠本体81に形成された開口を閉鎖状とする。
【0024】 上記のようにクレセント7,7が施錠された状態において、閉鎖された引違 い式二重建具1を屋内にいる利用者が開放するときには、先ず、図4の屋内用中 建具のみを開放した引違い式二重建具の平面図に示されるように、屋内用中建具 83,83を左右に振り分け、摺動移動させ、その中央部分を開放状にすると、 その外側に閉状態となっている屋外側建具2において、両屋外用袖建具5,5の 中央側の各縦框部52,52の中央向き側面に取り付けられている左右の各クレ セント7,7は、屋内側建具8の開け放った部分に露出状となっており、その露 呈された左右のクレセント7,7を夫々解錠操作してしまえば、屋外用中建具4 ,4を開放できることになる。
【0025】 一方、屋内側建具8および屋外側建具2共に開け放って建物の開口部を内外 に通じさせておいた状態から、同開口部を閉鎖、施錠する場合には、図4のよう に屋外用中建具4,4だけを互いに中央に引き合わせて屋外側建具2を閉状態と し、両側に開いてある屋内用中建具83,83はそのまま開状態としたままで、 上記のクレセント7,7を解錠操作した段階と同様の状態となることから、屋内 側建具8の開閉操作を一切することなく、両屋外用袖建具5,5の中央側の各縦 框部52,52に取着されているクレセント7,7を直接施錠操作することがで き、その後、両屋内用中建具83,83を互いに中央方向に引き合わせてしまえ ば、同引違い式二重建具の開口部の戸締まりを完了する。
【0026】 一方、サッシュ枠本体3の縦枠部33と、閉状態で縦枠部33に当接される 屋外用袖建具5の縦框部52との間に形成された水切り構造部6は、屋外側建具 2の閉状態において、縦框部52の中央封止溝部64に縦枠部33の中央封止片 部61が、屋外側から浸入される雨水等を塞き止めるように遊嵌される。さらに 、縦枠部33の水切り溝部62に縦框部52の水切り片部65が遊嵌され、その 屋外側に接着した軟質水切り突部67の先端縁部が、水切り溝部62の一方の内 側壁面に弾性的に当接状となることにより、中央封止溝部64と中央封止片部6 1との間を通過し、屋内側に流入しようとする雨水を封止するようにしてあり、 そして、この軟質水切り突部67を越えて水切り溝部62内に浸透してきた雨水 は、同水切り溝部62の奥部に形成された拡幅樋部63に達すると、流路が拡開 され、毛細管現象を絶たれるので、雨水自体の自重に耐えきれず、流下して敷居 部31の図示されない排水溝を通じて排水される。
【0027】
【効 果】
以上のとおり、この考案の引違い式二重建具によれば、4枚の屋内側建具の 中の、閉状態で中央に位置される2枚の屋内用中建具を左右に摺動、移動して開 放することにより、屋外側建具を施錠する施錠機構部を直接解施錠操作すること ができるので、従前の引違い式二重建具のように、屋内用袖建具を一旦中央側へ 移動し、解施錠操作した後に、再度屋内用袖建具を閉状態に移動する操作を不要 とすることができ、屋外側建具の解施錠操作が楽に行えるようにすることから、 日常頻繁に開閉操作しなければならない窓等開口部の開け閉てを極めて円滑にな し得るようにして、家事労力を軽減化する上で大いに役立つと共に、外出時の施 錠や帰宅時の解錠操作のような急を要するときの開口部の取り扱いについては、 特にその煩わしさを解消する上で大いに威力を発揮することになる等、従前から 伝統的に引き継がれてきている4枚引きの引違い式二重建具では実現し得なかっ た秀れた特徴が得られるものとなる。
【0028】 また、クレセント等の施錠機構部が、屋外用袖建具の中央側縦框の中央向き 側面に取着された他の効果として、通常、引違い式二重建具における夫々4枚ず つの屋外側建具と屋内側建具とは、各建具寸法が略同一に形成されているにも拘 らず、従前のものでは、施錠機構部を有しない屋内側建具の中央2枚の屋内用中 建具は、左右に開いたときに夫々同屋内用袖建具と前後に重なり状となって見た 目もスッキリとし、実質的な開放幅も狭められることはないが、屋外側建具の場 合には、サッシュ枠本体縦枠部に当接される側となる屋外用中建具の各縦框部で 、サッシュ枠本体縦枠部側に向く側面に施錠機構部を取着した構造としてあるた め、各屋外用中建具を左右に開け放って開放させたときに、夫々の施錠機構部が 、対応するサッシュ枠本体縦枠部に当接してしまって、その分だけ屋外用中建具 の中央側の各縦框部が屋外用袖建具の各中央側縦框部よりも中央側に食み出し状 となって前後に重ならず、したがって、見た目を悪くし、しかも開放幅もその分 だけ狭められてしまうものとなっていたが、それらの弊害が完全に払拭され、開 状態では、屋外側建具および屋内側建具共に、開口部の左右において、何れも前 後に重なり状に納められることになる。
【0029】 一方、この考案の引違い式二重建具では、サッシュ枠本体の縦枠部と、同縦 枠部に閉状態で当接状に配置される屋外用袖建具の縦框部との間に形成された水 切り機構部は、特に、屋内側に形成された水切り溝部、およびこれに遊嵌される 水切り片部により、縦框部を越えて屋内側に浸入しようとする雨水を、水切り溝 部内に導き、奥部にある拡幅樋部に達するところで、浸水の勢いを減衰し、拡幅 樋部に沿って流下させてしまい、屋内側への雨水の浸入を確実に阻止することが できることから、従前までの屋外用袖建具を屋外用中建具よりも内側に配したこ とによって懸念されるサッシュ枠本体の縦枠部内への雨水の巻き込みに伴う屋内 側への浸入を確実に阻止し得るものにするという特徴を有している。
【0030】 特に、実施例として示したものでは、上記した効果を遍く発揮すると共に、 水切り片部65の屋外側側面で、水切り溝部6の一方の壁部に弾性的に当接する ようにして設けられた軟質水切り突部67は、拡幅樋部63の前部で浸入水の殆 どを塞き止め、拡幅樋部63に達する液滴の量を減少してしまうので、屋内側片 部36の幅寸法を短く抑えることができ、サッシュ枠本体3の開口幅を拡大する と共に、その外観をスッキリさせ、見た目の良い開口部を実現するという利点が 得られるものとなる。
【0031】 叙述の如く、この考案の引違い式二重建具は、屋外側建具に取り付けられた 施錠機構部の解施錠操作を各段に改善し、従前までのものでは放置されたままに なっていた建具の日常的な操作性を大幅に高めることができるものにすると共に 、併せて美観上の点でも極めて有利なものとすることができる上、その二重建具 の改善に伴って懸念される雨水の進入に対しても万全の構造を備えたものとなっ ており、しかも簡便な構造によって実現可能なものとしていることとも相俟って 、従前までのものと殆ど変わらないものとして容易に製造可能であって安価なも のとして提供できることから、従前からの引違い式二重建具に代わって、今後、 大いに普及、利用されるものと予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この考案の引違い式二重建具の技術的思想を具
現化してなる幾つかの代表的な実施例を示すものであ
る。
【図1】分解された引違い式二重建具の斜視図である。
【図2】閉状態にある屋外用袖建具の縦框部およびサッ
シュ枠本体の縦枠部の平断面図である。
【図3】閉状態にある引違い式二重建具の平面図であ
る。
【図4】屋内用中建具のみを開放した引違い式二重建具
の平面図である。
【図5】従前の閉状態の引違い式二重建具を示す平面図
である。
【図6】従前の引違い式二重建具における中央側の2枚
の障子戸(屋内用中建具)を開放した状態を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 引違い式二重建具 2 屋外側建具 3 サッシュ枠本体 31 同 下側横枠部 32 同 上側横枠部 33 同 左・右縦枠部 34 同 軌道 35 同 屋外片部 36 同 屋内片部 37 同 仕切り片部 38 同 嵌着溝部 4 屋外用中建具(W:同枠体、G:同ガラス板) 41 同 縦框部 5 屋外用袖建具(W:同枠体、G:同ガラス板) 51 同 縦框部 52 同 縦框部 6 水切り構造部 61 同 中央封止片部 62 同 水切り溝部 63 同 拡幅樋部 64 同 封止溝部 65 同 水切り片部 67 同 軟質水切り突部 7 クレセント(施錠機構部) 71 同 係合鉤(施錠係合部) 8 屋内側建具 81 同 木製枠本体 82 同 屋内用袖建具 83 同 屋内用中建具

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4枚一組の屋内側引違い式建具に対し、
    屋外側に適宜間隔を置き、同じく4枚一組の屋外側引違
    い式建具が併設される二重構造の建具であって、屋外用
    建具は、それ用に対をなしてサッシュ枠本体に設けられ
    ている二筋の軌道の中、閉状態で中央配置となる2枚の
    屋外用中建具が屋外側の軌道を案内とし、残る2枚の屋
    外用袖建具が屋内側の軌道を案内として夫々左右移動自
    在に建て込まれるようにした上、それら2枚の屋外用中
    建具と2枚の屋外用袖建具とを閉状態に引き合わせたと
    きに内外に重なり合う屋外用中建具および屋外用袖建具
    の各縦框部の中、左側配置となる屋外用袖建具は、その
    縦框部右側面適所に、また右側配置となる屋外用袖建具
    は、その縦框部左側面適所に夫々施錠機構部が取着され
    ると共に、それら施錠機構部に対応する屋外用中建具の
    各縦框部右側面または左側面に施錠係合部が取着される
    ようにする一方、両屋外用中建具間、および屋外用中建
    具と屋外用袖建具との互いに重なり合い状となる縦框部
    間を夫々水切り構造となるようにすると共に、左右両屋
    外用袖建具の施錠係合部を配していない各縦框部には、
    その屋内側側面の上下略全長に渡り、屋内側に突出状で
    あって、開口部を、当接することとなる縦枠部側に向
    け、平断面コ字状となるよう突設した水切り片部が一体
    形成された上、該水切り片部が、サッシュ枠本体の縦枠
    部から立ち上げ、奥部に拡幅樋部を形成してなる水切り
    溝部に遊嵌状となるようにすることにより、当該縦框部
    とサッシュ枠本体縦枠部との間に水切り構造部が形成さ
    れてなるものとしたことを特徴とする引違い二重建具構
    造。
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