JP3048654B2 - 帯電防止剤組成物及びポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents
帯電防止剤組成物及びポリオレフィン樹脂組成物Info
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Description
ポリオレフィン樹脂組成物に関し、さらに詳細にはポリ
オレフィン樹脂組成物の成形において、成形直後の帯電
防止性が良好で、金型汚染の少ない帯電防止剤組成物及
びポリオレフィン樹脂組成物に関する。
ポリオレフィン樹脂はフィルム、成形品、繊維などの成
形材料として広く用いられている。これらは通常優れた
電気絶縁性を有している反面、静電気が発生、蓄積し易
く、種々の障害や災害の原因となることがある。例え
ば、ポリオレフィン樹脂は静電気帯電によりきわめて汚
染され易く、ほこりが表面に付着して商品価値を著しく
低下させる原因となる。かかる問題点を解決するため
に、従来よりグリセリンエステル、アルキルアミン等の
界面活性剤が帯電防止剤として使用されている。しかし
これらは帯電防止効果の即効性という点では充分ではな
く、成形直後ないし成形後5時間以内の帯電防止効果は
不充分であった。
射出成形においてラウリン酸モノグリセライドとラウロ
イルジエタノールアミドとを特定の重量比で添加した場
合に特異的に成形直後から充分な帯電防止効果が得られ
ることを見いだし、特許出願している(特開昭63−2135
38号) 。しかしラウリン酸モノグリセライドとラウロイ
ルジエタノールアミドとを単に溶融混合し、樹脂に添加
した場合には、射出成形を繰り返すうちに金型が曇る、
即ち金型汚染が起こるという問題があった。
解決すべく鋭意研究の結果、ポリオレフィン樹脂に対
し、ラウリン酸モノグリセライド、ラウロイルジエタノ
ールアミド及び分子量40〜300 の無機酸又は有機酸を特
定の割合で溶融混合したものを添加して成形すれば、成
形を繰り返しても金型曇りを起こさず、成形直後より充
分な帯電防止効果が得られることを見いだし本発明を完
成するに至った。
ド(A) 、ラウロイルジエタノールアミド(B) 及び分子量
40〜300 の無機酸又は有機酸(C) を溶融混合してなり、
ラウリン酸モノグリセライド(A) とラウロイルジエタノ
ールアミド(B) との重量比が60/40〜40/60で、分子量
40〜300 の無機酸又は有機酸(C) の配合量がラウリン酸
モノグリセライド(A) とラウロイルジエタノールアミド
(B) との合計量100 重量部あたり0.1 〜5重量部である
ことを特徴とする帯電防止剤組成物、及びこの帯電防止
剤組成物を、ポリオレフィン樹脂100 重量部に対して0.
1 〜2重量部添加してなるポリオレフィン樹脂組成物を
提供するものである。
料、製造工程の関係で脂肪酸組成、グリセライド組成
(モノ、ジ、トリ)において、ある程度の分布を有する
ものである。本発明のラウリン酸モノグリセライドにつ
いても、ある程度の不純物を含むものを使用し得るが、
できるだけ純粋であることが好ましい。本発明において
は、グリセライドを構成する酸としてラウリン酸が80重
量%以上含有されており、グリセリンのエステル化度に
ついてはモノグリセライドを70重量%以上含有するもの
をラウリン酸モノグリセライドという。特に好ましいも
のは、ラウリン酸を90重量%以上含有し、モノグリセラ
イドを85重量%以上含有するものである。上記範囲を満
足しない程度に多量の不純物を含有するものを使用した
のでは帯電防止効果の即効性は期待できない。
ドについても言え、本発明で使用するラウロイルジエタ
ノールアミドは純分を80重量%以上、好ましくは90重量
%以上含有するものであり、純分が80重量%未満のもの
を用いた場合、帯電防止効果の即効性は期待できない。
さらにラウリン酸モノグリセライドとラウロイルジエタ
ノールアミドとは、60〜40/40〜60の重量比であること
が必要であり、この範囲外では帯電防止効果の即効性は
期待できない。
酸又は有機酸としては、ホウ酸、亜リン酸、リン酸等の
無機酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、ラウリン
酸、グリコール酸、アジピン酸、セバシン酸、クエン酸
等の有機酸が例示できるが、ホウ酸、亜リン酸、アジピ
ン酸、クエン酸等が好ましい。分子量40未満の酸では成
形時に揮発性が大きく、充分な効果が得られない。また
分子量300 を超えると単位重量当たりの酸性基の数が少
なくなり、不適当である。これら無機酸又は有機酸の添
加量としては、ラウリン酸モノグリセライドとラウロイ
ルジエタノールアミドとの合計量100 重量部に対して0.
1 〜5重量部であり、好ましくは0.5 〜3重量部であ
る。0.1 重量部より少ない添加量では無機酸又は有機酸
を添加した効果が得られず、5重量部より多い添加量で
は樹脂物性に対して悪影響を及ぼす恐れがある。
ン樹脂への添加量は、樹脂100 重量部に対して0.1 〜2
重量部である。0.1 重量部より少ない添加量では充分な
帯電防止効果が得られない。一方、2重量部より多量に
添加しても帯電防止効果がより向上することはなく、か
えって、成形体表面にベタツキが発生する恐れがある。
を問わず、ポリオレフィン樹脂の帯電防止剤として使用
することができるが、特に射出成形の場合に優れた即効
性を示すものである。
ポリオレフィン樹脂へ添加することができるが、溶融添
加に限定されるものではなく、本発明の帯電防止剤組成
物を公知の方法で造粒したり、粉末化したものを添加し
てもよく、ドライブレンドやマスターバッチで混合して
も良い。
タノールアミドとを溶融混合したものを使用した場合に
金型汚染が起こるのは、ラウロイルジエタノールアミド
成分中の微量のアミン成分がラウリン酸モノグリセライ
ドの加水分解の触媒となりグリセリンが生成するためと
推定される。本発明においては、分子量40〜300の無機
酸又は有機酸が上記微量のアミン成分を中和し、グリセ
リンの生成を防止していると推定される。
フィン樹脂組成物を使用することにより、特に射出成形
において、成形直後の帯電防止性が良好で、金型汚染の
少ないポリオレフィン成形品を得ることができる。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合して帯電防止剤組成物を得た。ポリオレフィン樹脂10
0 重量部に対して各帯電防止剤組成物を0.5 重量部添加
してヘンシェルミキサーで1分間混合撹拌し、次にシリ
ンダー温度200〜230 ℃にて射出成形して縦100mm ×横7
0mm×厚さ3mmのプレートを成形した。成形1時間後に
表面固有抵抗(ASTM D 257) を測定した(25℃、50%RH
の条件下) 。その数値が1×1012Ω/□以下の場合、帯
電防止効果は良好である。また20ショット後の金型汚染
性を目視観察した。その結果を表1に示す。
レンJHHG(三井東圧化学(株)製) PE:高密度ポリエチレン、ハイゼックス2100J(三井石油
化学工業(株)製) *2 評価基準 ○:帯電防止効果良好 ×:帯電防止効果不良 *3 評価基準 ○:金型曇りなし ×:金型曇りあり
Claims (2)
- 【請求項1】 ラウリン酸モノグリセライド(A) 、ラウ
ロイルジエタノールアミド(B) 及び分子量40〜300 の無
機酸又は有機酸(C) を溶融混合してなり、ラウリン酸モ
ノグリセライド(A) とラウロイルジエタノールアミド
(B) との重量比が60/40〜40/60で、分子量40〜300 の
無機酸又は有機酸(C) の配合量がラウリン酸モノグリセ
ライド(A) とラウロイルジエタノールアミド(B) との合
計量100重量部あたり0.1 〜5重量部であることを特徴
とする、ポリオレフィン樹脂用帯電防止剤組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の帯電防止剤組成物を、ポ
リオレフィン樹脂100 重量部に対して0.1 〜2重量部添
加してなるポリオレフィン樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3018662A JP3048654B2 (ja) | 1991-02-12 | 1991-02-12 | 帯電防止剤組成物及びポリオレフィン樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3018662A JP3048654B2 (ja) | 1991-02-12 | 1991-02-12 | 帯電防止剤組成物及びポリオレフィン樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04258647A JPH04258647A (ja) | 1992-09-14 |
JP3048654B2 true JP3048654B2 (ja) | 2000-06-05 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3018662A Expired - Fee Related JP3048654B2 (ja) | 1991-02-12 | 1991-02-12 | 帯電防止剤組成物及びポリオレフィン樹脂組成物 |
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---|---|---|---|---|
JP4920611B2 (ja) * | 2008-02-04 | 2012-04-18 | 理研ビタミン株式会社 | 帯電防止性ポリオレフィン樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-02-12 JP JP3018662A patent/JP3048654B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04258647A (ja) | 1992-09-14 |
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