JP3047646B2 - 欠陥検出方法及びその装置 - Google Patents

欠陥検出方法及びその装置

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JP3047646B2
JP3047646B2 JP04289898A JP28989892A JP3047646B2 JP 3047646 B2 JP3047646 B2 JP 3047646B2 JP 04289898 A JP04289898 A JP 04289898A JP 28989892 A JP28989892 A JP 28989892A JP 3047646 B2 JP3047646 B2 JP 3047646B2
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篤 下田
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尚史 岩田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、欠陥検出方法及びその
装置に係り、例えば大型計算機用磁気デイスク装置等に
使用されている薄膜磁気ヘッド上にひび欠陥が存在して
いるか否かを、他の種別の欠陥とは区別された状態で検
出され得るようにした欠陥検出方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気ヘッドの欠陥を検出する従来技術と
しては、通常の顕微鏡の照明方法である明視野照明と暗
視野照明の各々について検査対象の画像を検出し、これ
を処理することで欠けやボイドを検出する方法が、アイ
・イー・イー・イー トランザクションズ オン パタ
ーン アナリシス アンド マシン インテリジェンス
10巻、6号(1988年)第830頁から848頁
(IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machin
e Intellingence, Vol.10, No.6,(1988) pp830-848)に
亘る論文“マシン ビジョン アルゴリズム フォー
オートメーテド インスペクション オブ スインーフ
ィルム ディスク ヘッド”(Machine Vision Algorith
ms for Automated Inspection of Thin-Film Disk Hea
d)に記載されている。欠けやボイドは明視野照明では暗
く、暗視野照明ではそのエッジが明るく検出されるた
め、前記従来技術によりこれらの欠陥を検出することが
可能となる。(この技術を従来技術1と称す。)また、
検査対象は特に規定していないが、ひび欠陥を検出する
ための従来技術としては、特公平3−17088に示さ
れるような方法がある。この従来技術では、図1(a)
に示す対象にひび欠陥Xが存在し、これを撮像して得ら
れる画像の水平走査線L1上の信号波形が同図(b)で
ある場合、この信号を微分して得られる信号波形(同図
(c))の中から、正負の微分パルスが組になって発生
している部分をひび欠陥であると判定する。これは、ひ
び欠陥による亀裂が周囲の正常部分に比べて暗く検出さ
れることを利用したものである。(この技術を従来技術
2と称す。)更に、以上とは別に、対象物中での微小な
傾斜角度を有する部分のみを強調して検出する方法が、
アプライド オプティクス 29巻、26号(1990
年)第3769頁から第3774頁(Applied Optics, V
ol.29, No.26,(1990) pp3769-3774)に論文“ディファ
ーレンシャル インターフィアランス コントラストイ
メージング オン ア リアルタイム コンフォーカル
スキャンニングオプティカル マイクロスコープ”(D
ifferential interference contrast imaging on a rea
l time confocal scanning optical microscope)として
記載されたものとなっている。この方法では、微分干渉
顕微鏡(その原理的構成と機能については後述)の干渉
条件を変えて対象物の同一部分に対する2枚の画像を撮
像し、これら2枚の画像の差を演算することによって、
平坦部分の明るさに影響されることなく傾斜部分のみを
強調して検出されるようになっている(以下、この技術
を従来技術3と称す。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1においては、ひび欠陥は積極的には検出され得ない
ものとなっている。ひび欠陥が正常部分に対し僅かに傾
斜していることが考慮されておらず、画像の検出には通
常の明視野照明と暗視野照明のみが単に用いられている
ことから、ひび欠陥部分全体を正常部分と区別して検出
し得ないというものである。磁気ヘッドの浮上特性上、
問題とはならない小さい欠けやボイド,傷,しみ,汚れ
などを許容しつつ、大きな欠けやボイドが検出可とされ
ているが、微小なひび欠陥を検出することは困難となっ
ている。
【0004】また、従来技術2においては、亀裂部分の
みがひび欠陥として捉えられており、亀裂部分が通常の
照明下で、正常な周囲部分よりも暗いものとして検出さ
れることを利用していることから、亀裂の幅が狭い微小
なひび欠陥に対しては十分なコントラストが得られず、
微小なひび欠陥を検出することは困難となっている。
【0005】更に、従来技術3では、微小な傾斜角度を
有した部分が強調して検出されていることから、その技
術はひび欠陥の検出にも適用可とされているが、通常の
磁気ヘッドにおけるレール面上には、破損防止の目的で
各エッジ部分には面取加工が施されたものとなってい
る。したがって、その技術を磁気ヘッド上のひび欠陥検
出に適用するにしても、微分干渉顕微鏡により検出され
る傾斜部分のうち、面取加工による傾斜部分(正常傾斜
部分)とひび欠陥による異常傾斜部分とを区別して、真
のひび欠陥のみを検出することが必要となっている。
【0006】ここで、以上の従来技術について要約すれ
ば以下のようである。
【0007】即ち、通常、ひび欠陥の周囲には一部亀裂
が生じているが、この亀裂部分は明視野照明では暗く、
暗視野照明では明るく検出され得るものとなっている。
これまでにあっては、ひび欠陥は亀裂の部分のみが欠陥
であると認識されており、亀裂により囲まれた部分全体
が正常部分に対し僅かに盛り上がっており、その表面が
傾斜していることは考慮されていないものとなってい
る。換言すれば、ひび欠陥を積極的に検出することは何
等行われていないものとなっている。ひび欠陥を検出し
ようにも、ひび欠陥の傾斜角度は非常に小さいことか
ら、ひび欠陥部分と正常部分とがほぼ同一の明るさで検
出されてしまい、従来技術に係る明視野照明や暗視野照
明を以てしても、ひび欠陥全体を正常部分と区別して検
出し得ないでいるのが実情である。
【0008】本発明の目的は、ひび欠陥の全体を正常部
分と区別して検出することにより、欠けやボイド,傷,
しみ,汚れなどの影響を受けることなく微小なひび欠陥
を確実に検出可能な、欠陥検出方法及びその装置を提供
することにある。
【0009】また本発明の目的は、外観検査対象表面上
に本来的に存在している正常傾斜部分以外に、たとえ微
小なひび欠陥が異常傾斜部分として存在している虞があ
る場合でも、欠けやボイド,傷,しみ,汚れなどの影響
を受けることなく、そのひび欠陥を正常傾斜部分とは区
別された状態で、確実に検出し得る外観検査方法及びそ
の装置を供するにある。
【0010】また本発明の目的は、外観検査対象として
の磁気ヘッド表面上に本来的に存在している面取加工済
エッジ部分以外に、たとえ微小なひび欠陥が異常傾斜部
分として存在している虞がある場合でも、欠けやボイ
ド,傷,しみ,汚れなどの影響を受けることなく、その
ひび欠陥を正常傾斜部分とは区別された状態で、確実に
検出し得る磁気ヘッド検査方法及びその装置を供するに
ある。
【0011】また本発明の目的は、磁気ヘッド製造ライ
ン上での最終段階で、磁気ヘッド表面上に本来的に存在
している面取加工済エッジ部分以外に、たとえ微小なひ
び欠陥が異常傾斜部分として存在している虞がある場合
でも、欠けやボイド,傷,しみ,汚れなどの影響を受け
ることなく、そのひび欠陥を正常傾斜部分とは区別され
た状態で、確実に検出し得る磁気ヘッド製造ラインを供
するにある。
【0012】また本発明の目的は、試料を水平に補正す
ることなく、任意に傾斜した平面上の干渉強度を試料を
水平に補正した場合と同一条件とするようにした外観検
査方法及びその装置を提供することにある。
【0013】また本発明の目的は、試料を移動すること
なく、任意に傾斜した平面上の干渉強度と相対的に傾斜
した領域の干渉強度との差を最大として検出できるよう
にした外観検査方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0014】また本発明の目的は、試料を移動すること
なく、任意に傾斜した平面上の反射率の違いに影響され
ることなく、相対的に傾斜した領域を明るさの違いとし
て検出するようにした外観検査方法及びその装置を提供
することにある。
【0015】また本発明の目的は、微分干渉光学系を変
更することなく、落射照明により検出される画像が有す
る強度分布と同等の画像を実現する外観検査装置を提供
することにある。
【0016】また本発明の目的は、落射照明を用いた微
分干渉光学系において、偏光方向の変化により干渉強度
振幅が不変となる外観検査装置を提供することにある。
【0017】また本発明の目的は、試料を移動すること
なく、全方向の傾斜に対して干渉強度を有する微分光学
系を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、欠陥検出装置を、光源から出射して偏
光子を通過させた照明光を複像プリズムであるウォラス
トンプリズムにより2本の光線に分離し対物レンズを介
して被検査物を照明し、この照明による被検査物からの
光を検光子を通過させる構成とした顕微鏡手段と、この
顕微鏡手段により得られる検光子を通過した被検査物か
らの光を検出して被検査物の画像を得る像検出手段と、
この像検出手段で検出する被検査物の画像に対応する画
を記憶する記憶手段と、像検出手段で検出した被検査
物の画像と記憶手段に記憶した画像とを用いて被検査物
のひび、欠け、ボイド、傷、しみ、汚れの何れかの欠陥
を検出する欠陥検出手段とを備えて構成したことを特徴
とする。
【0019】また、上記目的を達成するために、本発明
では、欠陥検出装置を、偏光子と検光子と複像プリズム
であるウォラストンプリズム及び対物レンズを備えた微
分干渉顕微鏡手段と、この微分干渉顕微鏡手段により得
られる被検査物の像を撮像して画像を得る撮像手段と、
微分干渉顕微鏡手段の干渉条件を設定する干渉条件設定
手段と、この干渉条件設定手段により第1の干渉条件に
設定された微分干渉顕微鏡手段により得られる被検査物
の像を撮像手段で撮像して得た第1の画像と干渉条件設
定手段により第2の干渉条件に設定された微分干渉顕微
鏡手段により得られる被検査物の像を撮像手段で撮像し
て得た第2の画像とを用いて被検査物の欠陥を検出する
欠陥検出手段とを備えて構成したことを特徴とする。
【0020】又、上記目的を達成するために、本発明で
は、欠陥検出装置を、光源と偏光子、検光子、複像プリ
ズムであるウォラストンプリズム及び対物レンズとを備
えた微分干渉顕微鏡手段と、この微分干渉顕微鏡手段の
偏光子とウォラストンプリズムとの間に設置された四分
の一波長板手段と、この微分干渉顕微鏡手段の偏光子の
偏光の方向を設定する偏光方向設定手段と、この微分干
渉顕微鏡手段により得られる被検査物の像を撮像して画
像を得る撮像手段と、偏光方向設定手段により偏光子が
第1の偏光の方向に設定された微分干渉顕微鏡手段によ
り得られる被検査物の像を撮像手段で撮像して得た第1
の画像と偏光方向設定手段により第2の偏光の方向に設
定された微分干渉顕微鏡手段により得られる被検査物の
像を撮像手段で撮像して得た第2の画像とを用いて被検
査物の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えて構成した
ことを特徴とする。
【0021】又、上記目的を達成するために、本発明で
は、欠陥検出装置を、光源と偏光子、検光子、複像プリ
ズムであるウォラストンプリズム及び対物レンズとを備
えた微分干渉顕微鏡手段と、この微分干渉顕微鏡手段の
偏光子とウォラストンプリズムとの間に設置された四分
の一波長板手段と、この四分の一波長板手段の結晶の光
軸方向を設定する光軸方向設定手段と、この微分干渉顕
微鏡手段により得られる被検査物の像を撮像して画像を
得る撮像手段と、光軸方向設定手段により四分の一波長
板手段の結晶の光軸方向が第1の方向に設定された微分
干渉顕微鏡手段により得られる被検査物の像を撮像手段
で撮像して得た第1の画像と四分の一波長板手段の結晶
の光軸方向が第2の方向に設定された微分干渉顕微鏡手
段により得られる被検査物の像を撮像手段で撮像して得
た第2の画像とを用いて被検査物の欠陥を検出する欠陥
検出手段とを備えて構成したことを特徴とする。
【0022】又、上記目的を達成するために、本発明で
は、欠陥検出装置を、光源とこの光源から出射した光を
偏向する偏光子、この偏光子を通過した光を2つの光路
に分岐する複像プリズムであるウォラストンプリズム、
このウォラストンプリズムで分岐された光を平行光にし
て被検査試料に照射する対物レンズと、平行光で照射さ
れた被検査物からの光を集光して合成する合成手段と、
合成された光の光路を2つに分岐する分岐手段と、この
分岐手段で分岐された一方の光路を通る光を第1の偏光
の状態に設定する第1の偏光状態設定手段と、この第1
の偏光状態設定手段で偏向された光を検出して被検査試
料の第1の画像を得る第1の画像検出手段と、分岐手段
で分岐された他方の光路を通る光を第2の偏光の状態に
設定する第2の偏光状態設定手段と、この第2の偏光状
態設定手段で偏向された光を検出して被検査試料の第2
の画像を得る第2の画像検出手段と、第1の画像検出手
段で得た第1の画像と前記第2の画像検出手段で得た第
2の画像とを用いて被検査物の欠陥を検出する欠陥検出
手段とを備えて構成したことを特徴とする。
【0023】更に、上記目的を達成するために、本発明
では、光源と偏光子、検光子、複像プリズムであるウォ
ラストンプリズム及び対物レンズを備えた微分干渉顕微
鏡を介して被検査物の干渉条件の異なる複数の干渉光像
を検出して複数の画像を得、この複数の画像を用いて
渉色あるいは干渉強度の違いに基づいて、被検査物のひ
び、又は、欠け、ボイド、傷、しみ、汚れの何れかの欠
陥を検出することを特徴とする欠陥検出方法とした。
【0024】又、上記目的を達成するために、本発明で
は、光源と偏光子、検光子、複像プリズムであるウォラ
ストンプリズム及び対物レンズを備えた微分干渉顕微鏡
を介して被検査物の干渉光像を検出し、この検出した干
渉光像を予め記憶しておいた検出した干渉光像に対応す
る画像と比較することにより被検査物のひび、欠け、ボ
イド、傷、しみ、汚れの何れかの欠陥を検出することを
特徴とする欠陥検出方法とした。
【0025】又、本発明では、上記目的を達成するため
に、光源と偏光子、検光子、複像プリズムであるウォラ
ストンプリズム及び対物レンズを備えた微分干渉顕微鏡
で観察した被検査物の像を撮像し、この撮像した画像を
用いて検査物の欠陥を検出する方法において、微分干
渉顕微鏡を第1の干渉の条件に設定した状態で被検査物
を観察して得た第1の画像と、微分干渉顕微鏡を第2の
干渉の条件に設定した状態で第1の画像を得た領域と同
じ領域を観察して得た被検査物の第2の画像とを比較す
ることにより被検査物のひび、欠け、ボイド、傷、し
み、汚れの何れかの欠陥を検出するようにしたことを特
徴とする。
【0026】又、本発明では、上記目的を達成するため
に、光源から出射して第1の偏光の条件に設定された偏
光子を通過させた照明光を複像プリズムであるウォラス
トンプリズムにおいて2本の光線に分離して対物レンズ
を介して被検査物を照明し、この照明による被検査物か
らの光を検光子を通過させた後に検出して被検査物の第
1の偏光条件の画像を得、光源から出射して第2の偏光
の条件に設定された偏光子を通過させた照明光を複像プ
リズムであるウォラストンプリズムにおいて2本の光線
に分離して対物レンズを介して被検査物を照明し、この
照明による被検査物からの光を検光子を通過させた後に
検出して被検査物の第2の偏光条件の画像を得、第1の
偏光条件の画像と第2の偏光条件の画像とを比較するこ
とにより被検査物の欠陥を検出することを特徴とする欠
陥検出方法とした。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【作用】外観検査対象として、例えば薄膜磁気ヘッドに
その例を採れば、薄膜磁気ヘッド上には各種の欠陥が存
在する可能性があることから、最終製造段階でそれら欠
陥を検出する必要があるものとなっている。薄膜磁気ヘ
ッドはセラミックウェハ上に多数の素子を形成し、これ
を切断加工することで製造される。加工の済んだ磁気ヘ
ッドに対しリード線やアームを取り付け、特性検査を行
い、装置内部に組み込むことで磁気ディスク装置が完成
する。この加工,組立,検査工程中に磁気ヘッドに不要
な外力が加えられると、欠けやボイド,ひびなどの欠陥
が発生する。図2に欠陥の例を示す。欠け2はヘッド1
のエッジの一部が割れて破片が消失したものであり、ボ
イド3はエッジ以外の平面部分が欠けたものあるいはセ
ラミックを焼結する際にできた材料内部の空洞が切削等
により表面に露出したものである。傷5は検査対象の表
面が硬い物質と擦れることにより生じるものである。ひ
び欠陥4は欠けの破片がヘッド1の表面に対し傾斜した
状態で残っているものである。小さな欠けやボイド,傷
はヘッドの浮上特性に対しほとんど影響を与えないた
め、欠陥としての致命度は低い。しかし、ディスク装置
の使用中、磁気ヘッドはディスク面に対しわずかな間隙
を保って浮上するため、ヘッド1の表面よりも盛り上が
っているひび欠陥4は大きさによらず致命的な欠陥とな
る。また、ひび欠陥が致命的である他の理由としては、
ディスク装置の使用中に欠陥の破片が落下するとヘッド
クラッシュの原因となることも挙げられる。
【0038】本発明は、これらの欠陥を確実に検出でき
るようにしたことにある。
【0039】まず、微分干渉顕微鏡の原理について説明
する。図3(a)は微分干渉顕微鏡の基本構成である。
同図中で各光学部品に付した矢印は各部品の光軸方向あ
るいは偏光方向を示している。光源11を出た光はコン
デンサレンズ12により集光され、偏光子13により直
線偏光成分のみが取り出される。この直線偏光はハーフ
ミラー15により反射されウォラストンプリズム16に
入射する。ウォラストンプリズム16の光軸は直線偏光
の偏向方向と45度の角度をなすように設定されてい
る。(ウォラストンプリズムは複屈折プリズム2枚を、
その光学軸が互いに直交するように貼りあわせたもので
あり、図18(a)では2本の光軸を示している。)こ
のため、ウォラストンプリズム16を出た光は振動方向
が互いに直交し進行方向が異なる2本の光線に分割され
る。そして、これらの光線は対物レンズ17により、シ
ャー量と呼ばれる距離dだけ離れた平行光となって、試
料50を照明する。試料50からの反射光は対物レンズ
17を介してウォラストンプリズム16で再び合成され
る。試料50の傾斜角がθである場合、合成される反射
光の間には、図3(b)に示すように2・d・tanθの
光路差が生じる。この光路差に応じて照明光に含まれる
各波長毎の光が干渉しあい、最終的に傾斜角度に応じた
干渉色として観察される。しかし、ウォラストンプリズ
ム16で合成された2つの光線は振動方向が互いに直行
しているため、このままでは干渉しない。そこで、検光
子18により干渉する成分のみを取り出すことで、干渉
色が観察できる。
【0040】以上説明したように、微分干渉顕微鏡は、
試料上でわずかに離れた2点からの反射光を干渉させる
ことにより、試料の傾斜角の違いを干渉色の違いとして
検出するものである。すなわち、試料の傾斜角が大きい
と2点からの反射光の光路差が大きくなり、傾斜角が小
さいと光路差も小さくなる。この光路差の違いにより、
干渉する光の波長が異なり、異なる干渉色が観察され
る。このため、正常部分に比べわずかな傾斜を有してい
るひび欠陥はその全体が正常部分とは異なった干渉色と
して検出することができる。そこで、被検査対象を微分
干渉顕微鏡を用いて画像検出器で検出し、得られた画像
の値を、正常部分として許容すべき値(予め設定した値
あるいは該検出した画像から演算して求めた値)と比較
するか、または正常傾斜部分の位置が既知である場合に
は検出された傾斜部分より正常傾斜部分を無視すること
によりひび欠陥のみを確実に検出することができる。
【0041】また、微分干渉顕微鏡の照明光学系内部に
ある偏光子に対し、光軸上で対物レンズに近い側に四分
の一波長板を挿入し、前記偏光子の偏向方向が前記四分
の一波長板の光軸方向に対し予め設定した値αとなるよ
うに設定すると、ウォラストンプリズムにより分離され
る2つの光線に対し位相差φαをオフセットとして与え
ることがてきる。同様に前記偏光子の偏向方向が四分の
一波長板の光軸方向に対し予め設定した値β(例えばβ
=−α)となるように設定すると、2つの光線に対する
位相差のオフセットを−φαとすることができる。これ
に対し、ひび欠陥部分での照明光の反射により生じる2
つの光線間の位相差は、オフセットとは無関係に一定で
φθ(=2・d・tanθ/λ:但しλは照明光の波長)
で与えられる。このため、被検査対象の検査表面(正常
部分)が顕微鏡対物レンズの光軸に対し垂直(θ=0)
であれば、偏光子と四分の一波長板とのなす角をα及び
β=−αとなるように設定して各々の状態で画像を検出
すると、2枚の画像において正常部分は同じ大きさ(方
向は逆)の位相差±φαを持ち、ひび欠陥部分は異なる
大きさの位相差(φθ+φαおよびφθ−φα)を持っ
た光線がお互いに干渉する。このため、2枚の画像内で
正常部分は同一の明るさでありながら、一方の画像では
ひび欠陥の不分が正常部より明るく、他方の画像では逆
にひび欠陥部分の方が正常部より暗く検出される。そこ
で、得られた2枚の画像を比較することで、明るさの差
が大きい部分をひび欠陥として容易に検出することがで
きる。
【0042】また、微分干渉顕微鏡の検出光学系内部に
存在する検光子の前(光軸上で対物レンズに近い側)に
四分の一波長板を挿入し、この四分の一波長板の光軸方
向が前記検光子の偏光方向に対し、予め設定した角度α
及びβ(=−α)となるように設定した状態で各々被検
査対象の第1及び第2の画像を検出することによって
も、前述した偏光子の角度を変える場合と同様の効果が
得られ、容易にひび欠陥を検出することができる。
【0043】微分干渉顕微鏡で検出できる傾斜は一方向
のみに限定されているため、被検査対象の表面を顕微鏡
対物レンズの光軸の回りに回転可能とすることで、様々
な方向に対して傾斜している微小なひび欠陥を、安定に
検出することが可能となる。
【0044】また、微分干渉顕微鏡の原理を図4を用い
て説明する。偏光子13と1/4波長板14を通過した
照明光は、複屈折プリズム16により偏光方向が互いに
直行する2つの照明光に分岐される。ここで、偏光子1
3を回転させることにより、回転角度に応じた任意の位
相差を分岐した2つの照明光に与えることが可能であ
る。更に、この分岐位置を対物レンズ17の像側焦点面
に一致させることにより、2つの照明光は試料50上の
分離量dだけ離れた2点を照明する。ここで、照明光の
分離方向に試料が傾斜している場合、2つの反射光に
は、試料傾斜に応じた位相差生じるため、両反射光
1,S2は次式により表される。
【0045】
【数1】 S1=R1exp[j(ωt+φ1)] S2=R2exp[j(ωt+φ2+φp)] …(数1) ただし、R1とR2は各反射光の振幅、φ1とφ2は各反射
光の位相、φpは偏光子を回転することにより与えられ
る位相差、ωは照明光の振動数、jは虚数単位を表す。
【0046】試料上の2点からの反射光は、図4(b)
に示すような位相差△φを生ずる。これは、次式により
与えられる。
【0047】
【数2】 △φ=φ1−φ2=4πd・tanθ/λ …(数2) ただし、dは照明光の分離量、θは試料の傾斜角度、λ
は照明光の波長を表わす。
【0048】上記反射光は対物レンズ17を通過後、複
屈折プリズム16の分岐位置から再び同一光路を進む。
そして両反射光の偏光方向に対して45度の方向に偏光
軸を有する検光子18を通過させることにより、両反射
光の干渉強度Iが検出され、これは次式により表され
る。
【0049】
【数3】 I=1/2(R1 2+R2 2)−R12cos(△φ+φp) …(数3) 偏光子13により与えられる位相差φpが0の場合、試
料傾斜に対する干渉強度変化は、試料傾斜θにより与え
られる位相差△φが0である水平な領域を最も暗く、傾
斜して位相差が増すにつれて干渉強度を大として検出す
ることができる。しかし、水平面付近での干渉強度の変
化率が小さいため傾斜角度に対する感度が鈍い。一方、
偏光子13を回転させることによりφpをπ/2とする
と、干渉強度Iは次式となる。
【0050】
【数4】 I=1/2(R1 2+R2 2)−R12sin(△φ) …(数4) この結果、水平面での干渉強度変化率が最大となるた
め、水平面からの相対的な傾斜感度を最大とすることが
できる。
【0051】このように、微分干渉顕微鏡では、試料の
傾斜角度により変化する干渉強度を観察するため、試料
を立体的に観察できるという特徴がある。この干渉強度
は、(数3)からわかるように、偏光子を回転させて与
える位相差φpにより干渉条件が制御可能であると共
に、試料表面の反射率に依存する振幅R1とR2によって
も変化することがわかる。つまり、観察する試料表面が
反射率の異なる材質から構成されている場合、検出され
た干渉強度の変化が、試料表面の傾斜によるものなの
か、反射率の違いによるものなのかが判別できない場合
が生ずる。このため、試料の反射率の違いに影響される
ことなく、表面傾斜の干渉強度変化のみを検出するため
に、偏光子を回転することにより、π/2と3π/2の
位相差を与えたそれぞれの状態で干渉強度を検出し、両
者の差分を演算することにより、次式により与えられる
強度変化を得る方法が、アプライドオプティクス、29
巻、26号(1990年)第3769頁から3774頁
(Applied Optics、Vol.29、No.26(1990)pp3769-3774)
に記載されている。
【0052】
【数5】 △I=[1/2(R1 2+R2 2)−R12cos(△φ+π/2)] −[1/2(R1 2+R2 2)−R12cos(△φ+3π/2)] =2R12sin(△φ) …(数5) 同方式によると、水平面では反射率によらず明るさが常
に0であり、傾斜した領域では通常の干渉強度の2倍の
明るさが変化するため、水平面内に存在する傾斜領域を
反射率の違いに影響されることなく高い感度で検出する
ことが可能である。
【0053】本発明によれば、前記構成により、複屈折
プリズムで分離された2本の照明光は、傾斜平面で反射
することにより(数2)に示す位相差△φを生ずること
になるが、予め位相の進みが逆となるように同一の位相
差−△φを付与することにより、該2本の反射光の位相
差は0となり、水平面で反射した状態に一致させること
ができる。
【0054】また本発明によれば、更に2本の照明光の
間にπ/2の位相差を付与することにより、水平面をπ
/2のみの位相差を有する2本の照明光で照明すること
と等価となり、傾斜平面を数4に示す干渉条件と同等の
条件で検出することができる。
【0055】また本発明によれば、第1と第2の画像に
おいて、傾斜平面の明るさを反射率の違う領域ごとに一
致させて検出することが可能である。しかし、傾斜平面
から相対的に傾斜した領域では、第1と第2の画像の傾
斜平面の明るさとの大小関係を反転させて検出すること
ができる。両画像の差分を演算することにより、傾斜平
面の明るさは反射率の違いによらず常に0となるが、相
対的に傾斜した領域の明るさは両画面の差分値を有する
ため、相対的に傾斜した領域のみ明るさを有する画像が
実現できる。
【0056】また本発明によれば、傾斜平面から相対的
に傾斜した領域では干渉強度変化が相殺される。つま
り、得られた画像は試料の反射率にのみに依存した強度
分布となるため、通常の落射照明により検出される画像
と同等のものとなる。
【0057】また本発明によれば、複屈折プリズムによ
り分離された光線は互いに直交する偏光方向を有するた
め、ハーフミラーに対するp偏光方向とs偏光方向に一
致させれば、各偏光成分はハーフミラーのp,s各偏光
方向と一致した状態で反射および透過する。ハーフミラ
ーの反射及び透過率はp,s各偏光方向に依存するた
め、各偏光成分に寄与するハーフミラーの影響を独立と
することができる。
【0058】微分干渉顕微鏡では照明光を分離する方向
の傾斜に対する干渉強度変化が最大となる一方、これと
直交する方向の傾斜に対しては干渉強度が変化しない。
また、照明光の分離方向は、複屈折プリズムの光学軸方
向に依存する。上記第5の手段によれば、第1および第
2の画像により得られる干渉強度変化は、直交する方向
の傾斜角度に起因するものとなる。つまり、両者を合成
すれば、全方向の傾斜角度に対して干渉強度変化を検出
することが可能となる。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従い説明す
る。図5は本発明による欠陥検出装置の一実施例の構成
図で、破線で囲んだ部分が微分干渉顕微鏡25である。
本実施例を含め以下に説明する実施例では説明の便宜
上、試料の正常部分の表面が対物レンズ17の光軸に対
し常に垂直となるように、ステージ30を制御可能であ
るとする。光源11を出た光はコンデンサレンズ12に
より集光され、偏光子13により直線偏光成分のみが取
り出される。この直線偏光はハーフミラー15により反
射されウォラストンプリズム16に入射する。ウォラス
トンプリズム16の光軸は直線偏光の偏向方向と45度
の角度をなすように設定されている。このため、ウォラ
ストンプリズム16を出た光は振動方向が互いに直交し
進行方向が異なる2本の光線に分割される。そして、こ
れらの光線は対物レンズ17により、シャー量dだけ離
れた平行光となって、ステージ30上に載置されている
試料(例えば磁気ヘッド1)を照明する。試料からの反
射光は対物レンズ17を介してウォラストンプリズム1
6で再び合成される。合成された光はハーフミラー15
及び検光子18を介してTVカメラ19で検出される。
検出した画像は画像処理部20に入力される。
【0060】図6は、図5の実施例における各光学部品
の光軸及び偏光方向と、各部品による偏光状態の変化を
示している。光学部品のうち偏光状態に影響を与えない
ものは、その存在場所だけを矢印で示している。同図
(a)は偏光子13から試料の表面までの照明系の状態
を示し、同図(b)(c)は、試料表面での反射から検
光子18の出力までを示している。特に、(b)は試料
の表面が光軸に対し傾斜していない場合を、(c)は傾
斜している場合を示している。同図(b)に示すよう
に、試料に傾斜がない場合は、ウォラストンプリズム1
6で合成された光は検光子18の偏光方向と直交する直
線偏光となるため、検光子18からは出力が得られな
い。これに対し、試料に傾斜が存在する場合は、試料か
らの2つの反射光に位相差が生じるため、ウォラストン
プリズム16で合成された光は楕円偏光となり、検光子
18から出力が得られる。
【0061】図7に、図5の実施例により得られる画像
を示す。同図(a)は通常の明視野照明による磁気ヘッ
ド1の画像の一部である。4aはひび欠陥の亀裂部分、
2は欠けである。同図(b)(c)はそれぞれ、ひび欠
陥及び欠けの断面図である。欠けの部分は光を散乱する
ため、通常の照明では暗く見える。しかし、ひび欠陥は
傾斜角度が小さいため、正常部分と区別することはほと
んど不可能である。これに対し図5の実施例により得ら
れる画像(d)では傾斜のない正常部分及び欠けの部分
はともに暗く検出され、傾斜のあるひび欠陥4の部分だ
けが明るく検出される。
【0062】図8に画像処理部20の構成例を示す。同
図(a)は検出した画像と、正常部の値として予め設定
した値を比較する方法であり、図7(d)に示す画像に
対して適用すると、正常部分に比べて明るく検出されて
いるひび欠陥部分のみを検出することが可能である。同
図(b)は試料を載置しているステージ30が試料表面
を光軸に対して垂直となるように制御できないために試
料表面全体が光軸に対し傾斜している場合などに有効な
構成である。検出した画像をヒストグラム演算部203
を介して最頻度値演算部204に入力することで、検出
画像中の最も頻度の多い明るさすなわち試料の正常部分
の明るさを算出する。算出した正常部の値とメモリ20
2に記憶しておいた検出画像を差分回路205に入力
し、差の絶対値を演算する。演算した結果を予め設定し
た値と比較して2値化することで、正常部分の明るさか
ら大きく異なる部分を欠陥として検出する。本実施例で
は、欠陥部分の明るさと正常部分の明るさの差の許容幅
は、2値化回路201に与えるしきい値により変更する
ことができる。図8(c)は、図10以降の実施例にお
いて特に有効な構成であり、説明は後述する。
【0063】図9は図5の実施例における試料の傾斜角
度とTVカメラ19の出力信号強度との関係の一例を示
したものである。試料の傾斜が大きくなるに従い、出力
信号強度も大きくなる。しかし、傾斜角度が0度付近で
は出力信号があまり変化しない。このため、傾斜角度の
小さなひびに対する検出感度が低いことがわかる。
【0064】図10は傾斜角度の小さなひびに対する検
出感度の向上を目的とした、本発明による欠陥検出装置
の他の実施例の構成図である。図5と異なる点は照明光
学系の偏光子の後に四分の一波長板14が挿入されてい
る点である。偏光子13は光軸の回りに回転可能な構成
となっている。
【0065】図11,図12は、図10の実施例におけ
る各光学部品の光軸及び偏光方向と、各部品による偏光
状態の変化を示している。図6と同様に、光学部品のう
ち偏光状態に影響を与えないものは、その存在場所だけ
を矢印で示している。図11は偏光子13の偏光方向が
四分の一波長板14の光軸に対し角度α(本図ではα=
45度)である場合を、図12は角度がβ(本図ではβ
=−45度)である場合を示している。両図とも(a)
は偏光子13から試料の表面までの照明系の状態を示
し、(b)(c)図は、試料表面での反射から検光子1
8の出力までを示している。図2と同様、(b)は試料
の表面が光軸に対し傾斜していない場合を、(c)は傾
斜している場合を示している。図11,図12の(a)
図に示すように偏光子13と四分の一波長板14の光軸
が45度の関係にあると、四分の一波長板14の出力は
円偏光となり、試料に入射する2本の光線には四分の一
波長の位相差が生じる。両図の(b)図に示すように、
試料に傾斜がない場合は、ウォラストンプリズム16で
合成された反射光は再び円偏光となるため、検光子18
からは円偏光の直径に対応した振幅の出力が得られる。
これに対し、試料に傾斜が存在する場合は、2つの反射
光の位相差が変化するため、ウォラストンプリズム16
で合成される光は楕円偏光となる。図11の例では検光
子18の偏光方向を長径とする楕円偏光となるため、検
光子18からの出力は正常部分よりも大きくなる。逆
に、図12の例では検光子18の偏光方向と直交する方
向を長径とする楕円偏光となるため、検光子18からの
出力は正常部分よりも小さくなる。
【0066】図13に、図10の実施例により得られる
画像を示す。同図(a)乃至(c)は図3(a)乃至
(c)と同一である。同図(d)は偏光子13の偏光方
向が四分の一波長板14の光軸に対し45度である場合
(図11に対応)の検出画像を、同図(e)は角度が−
45度である場合(図12に対応)の検出画像を示して
いる。両図から分かるように、正常部分は同じ明るさで
ありながら、ひび欠陥部分(d)図では正常部より明る
く、(e)図では正常部より暗く検出されている。ま
た、欠けの部分はどちらの画像でも暗く検出されてい
る。このため、両画像の差の絶対値を演算して得られる
画像(f)では、ひび欠陥4の部分だけが明るく顕在化
され、正常部分及び欠け2の部分はどちらも暗くなる。
本実施例における画像処理部20の構成例としては、図
8(c)に示したものが有効である。すなわち、偏光子
13の偏光方向を四分の一波長板14の光軸に対しα=
45度に設定し、検出した画像をメモリ202に記憶す
る。次いで偏光子13を光軸回りに回転して角度をβ=
−45度に設定する。この状態で検出した画像と先にメ
モリ202に記憶しておいた画像とを比較のために差分
回路205に入力し、差の絶対値を演算する。得られた
結果を予め設定したしきい値で2値化することにより、
ひび欠陥のみが検出できる。
【0067】図14は偏光子13の偏光方向と四分の一
波長板14の光軸方向のなす角度αをパラメータとし
て、試料の傾斜角度とTVカメラで検出される信号強度
との関係を一例として示したものである。図においては
角度αが±45度の時に、傾斜角度が0度付近における
出力信号強度の変化が最も大きくなり、傾斜角度の小さ
なひび欠陥の検出感度が最高となる。図10の実施例で
は角度α=45度と−45度での検出画像の差を演算す
るため、感度は更に2倍になる。(但し、実際の顕微鏡
においてはハーフミラー15の偏光特性などにより、検
出感度が最高となる角度は必ずしも45度とはならな
い。)図10に示した実施例によれば、試料表面に反射
率の異なる部分が存在していても、正常部分(傾斜が0
度である部分)であれば、2枚の画像の比較処理により
相殺することができるため、反射率の異なる部分を誤検
出することなくひび欠陥のみを検出することができる。
また、欠けやボイドのように照明光が正反射しない欠陥
についても、2枚の画像の比較処理により検出信号強度
を相殺することができるため、ひび欠陥の検出に影響を
与えることはない。しみや異物についても同様である。
但し、図10の実施例においても、図8(b)に示した
画像処理部20の構成を用いることができる。すなわ
ち、微小なひび欠陥の検出感度が高くなるように四分の
一波長板を設定した状態で画像を検出し、検出した画像
のうち最も頻度の多い値を試料の正常部分の値として算
出し、この値と検出画像を比較することによりひび欠陥
を検出することができる。
【0068】図15は本発明による欠陥検出装置の更に
他の実施例の構成図である。図4と異なる点は、照明光
学系ではなく検出光学系の検光子18の前(対物レンズ
に近い側)に四分の一波長板14が挿入されている点で
ある。検光子18に対する四分の一波長板14の光軸方
向は任意に設定できる構成となっている。本実施例によ
れば、試料からの干渉すべき2本の反射光線に対し、四
分の一波長板14によりオフセットとしての位相差を与
えることができるため、図10の実施例と同様の効果が
得られる。
【0069】図16,図17は、図15の実施例におけ
る各光学部品の光軸及び偏光方向と、各部品による偏光
状態の変化を示している。図16は四分の一波長板14
の光軸が検光子18の偏光方向に対し角度α(本図では
α=45度)である場合を、図17は角度がβ(本図で
はβ=−45度)である場合を示している。両図とも、
偏光子13から試料の表面までの照明系の状態は、図6
(a)と同様であるため省略しており、試料表面での反
射から検光子18の出力までのみを示している。図1
6,図17とも図(a)は試料の表面が光軸に対し傾斜
していない場合を、図(b)は傾斜している場合を示し
ている。両図の(a)図に示すように、試料に傾斜がな
い場合は、ウォラストンプリズム16で合成された反射
光は検光子18の偏光方向に直交する直線偏光となり、
四分の一波長板14で円偏光となるため、検光子18か
らは円偏光の直径に対応した振幅の出力が得られる。こ
れに対し、試料に傾斜が存在する場合は、試料からの2
つの反射光に位相差が生じるため、ウォラストンプリズ
ム16で合成される光は直線偏光ではなく楕円偏光とな
る。図16の例ではこの楕円偏光が四分の一波長板14
により、検光子18の偏光方向を長径とする楕円偏光に
変化するため、検光子18からの出力は正常部分よりも
大きくなる。逆に、図17の例では検光子18の偏光方
向と直交する方向を長径とする楕円偏光に変化するた
め、検光子18からの出力は正常部分よりも小さくな
る。
【0070】すなわち図15に示した実施例によれば、
検光子18の偏光方向と四分の一波長板14の光軸方向
のなす角をαに設定して第1の画像を撮像した後、角度
をβ(=−α)に変更して第2の画像を撮像し、得られ
た2枚の画像を比較することで、明るさの異なる部分を
ひび欠陥として検出することができる。本実施例におい
てはα=45度、β=−45度の場合に最も検出感度が
高くなる。
【0071】図18は本発明による欠陥検出装置の更に
他の実施例の構成図である。図15の実施例において
は、四分の一波長板の光軸方向を変更しながら順次画像
を撮像する必要があった。本実施例では、2枚の画像を
同時に撮像するために、検出光学系の光路をハーフミラ
ー15bで2つに分割し、各々の光路に四分の一波長板
14a,14bと検光子18a,18bおよびTVカメ
ラ19a,19bを備えている、一方の光路では、検光
子の偏光方向と四分の一波長板の光軸方向のなす角をβ
に設定しており、他方の光路ではこれをβに設定してい
る。本実施例によれば、第1の画像と第2の画像が同時
に撮像できるため、検査時間を短縮することができる。
また、図8(c)に示した画像処理部20において、メ
モリ202を省略することができる。
【0072】以上説明した図10,図15,図18の各
実施例においておいて、ステージ30が水平面に対する
試料の傾斜角度を任意に制御できない場合(正常部の傾
斜角度が0度でない場合)でも、角度α及びβを適切に
設定することで正常部の明るさを同じにし、ひび欠陥の
みを顕在化する同様の効果を得ることができる。
【0073】また、微分干渉顕微鏡では検出できる傾斜
が原理的に一方的に限定されているため、ステージ30
により被検査対象の表面が顕微鏡対物レンズの光軸の回
りに回転するようにしておくと、様々な方向に対して傾
斜している微小なひび欠陥を安定に検出することが可能
となる。
【0074】図19は本発明を利用した磁気ヘッドの自
動外観検査装置の構成図である。画像検出部は図14に
示した実施例を用いており、同一部品には同一の番号を
付している。以下に検査の流れを示す。被検査対象であ
る磁気ヘッド1はパレット42aにて供給される。搬送
部41はコントローラ40からの制御信号401に従い
パレット42aから磁気ヘッド1を取り出し、検査ステ
ージ上に搬送する。検査ステージは回転ステージ30
1、傾斜ステージ302及びXYZステージ303より
なっている。ステージ上に載せられた磁気ヘッド1の表
面を対物レンズ17の光軸に対し垂直となるように制御
するため、まず非接触変位計43により磁気ヘッド1の
表面の高さを数点計測する。高さの計測は、制御信号4
01によりXYZステージを予め定められた座標に移動
しながら、非接触変位計43の出力をコントローラ40
に取り込むことで行う。次に、取り込まれたデータをも
とに磁気ヘッド1の表面の傾きを演算し、その結果に従
いコントローラ40から制御信号401により傾斜ステ
ージ302を駆動し、磁気ヘッド1の表面を対物レンズ
17の光軸に対し垂直にする。XYZステージを駆動し
て磁気ヘッド1を対物レンズ17の視野へ移動した後、
TVカメラ19a,19bにより検査に必要な第1の画
像及び第2の画像を撮像する。撮像した画像をA/D変
換器209a,209bを経由してデジタル信号に変換
した後、差分回路205により2枚の画像の差を絶対値
を演算する。差分回路の出力は、正常部分に対して傾斜
を有したひび欠陥部分だけが明るく、他の正常な部分は
暗い画像となる。この画像を2値化回路201により2
値化することで欠陥信号210が得られる。2値化回路
201におけるしきい値はコントローラ40から信号2
07により与えられる。前述したように微分干渉顕微鏡
で検出できる試料の傾斜方向は1方向だけであるため、
回転ステージ301を適宜回転することにより、種々の
方向に対して傾斜しているすべてのひび欠陥を検査する
ことができる。検査が終了するとコントローラ40は搬
送部41に制御信号401を送り、検査済みの磁気ヘッ
ド1をパレット42bまたはパレット42cに移動させ
る。パレット42bとパレット42cの選択は、欠陥信
号210に従うものである。すなわち被検査磁気ヘッド
1にひび欠陥が存在した場合はパレット42cが選択さ
れ、欠陥を含まない良品であった場合はパレット42b
が選択される。以上説明したように、図15に示した磁
気ヘッドの自動外観検査装置によれば、パレットで供給
した磁気ヘッドの外観を自動的に検査し、良品,不良品
を選別してそれぞれ別のパレットに格納することができ
る。
【0075】以下、本発明の他の実施例を図20から図
31により説明する。
【0076】先ず本発明を具体的に説明する前に、本発
明に係る微分干渉顕微鏡の原理と本発明の原理とについ
て説明しておく。先ず微分干渉顕微鏡の原理について説
明すれば、図3(A)はその微分干渉顕微鏡の基本構成
を示したものである。図中、光学部品各々に付されてい
る矢印はその部品での光軸方向、あるいは偏光方向を示
している。これによる場合、照明光源11からの照明光
はコンデンサレンズ12で集光された上、偏光子13に
より直線偏光成分のみが抽出されるものとなっている。
偏光子13からの直線偏光はその後、ハーフミラー15
で反射された上、複像プリズムとしてのウォラストンプ
リズム16に入射されるものとなっている。なお、ここ
にいうウォラストンプリズムとは、複屈折プリズム2枚
がその光学軸が互いに直交すべく貼り合せたものとして
構成されており、図3(a)にはその2本つの光軸が図
示されたものとなっている。さて、ウォラストンプリズ
ム16での光軸は直線偏光の偏向方向と45°の角度を
なすべく設定されていることから、ウォラストンプリズ
ム16から出射される光は振動方向が互いに直交し、し
かも進行方向が異なる2本の光線に分割されているが、
それら2本の光線は対物レンズ17によって、シャー量
と称される距離d分だけ離れた平行光として外観検査対
象50上を照明するものとなっている。一方、外観検査
対象50上からの反射光は対物レンズ17を介しウォラ
ストンプリズム16で再び合成されるが、外観検査対象
50の傾斜角がθである場合、図3(B)に示すよう
に、合成される反射光の間には示すように2・d・tan
θの光路差を生じるものとなっている。その光路差に応
じて照明光に含まれる各波長の光が干渉し合い、最終的
にはその傾斜角度θに応じた干渉色の像として、外観検
査対象50は観察されるものである。しかし、ウォラス
トンプリズム16で合成された2つの光線は振動方向が
互いに直交しているので、このままでは干渉しない。そ
こで、ハーフミラー15を介し検光子18により干渉す
る成分のみを取り出すことで、干渉色が観察され得るも
のである。
【0077】次に、本発明の原理について説明すれば、
微分干渉顕微鏡の照明光学系内部にある偏光子13に対
し、光軸上で対物レンズ17に近い側(図3(A)での
矢印Aの位置)に1/4波長板を挿入し、偏光子13の
偏向方向のその1/4波長板の光軸方向に対する角度が
予め設定された角度αとなるように設定した場合には、
ウォラストンプリズム16により分離される2つの光線
に対し位相差φαをオフセットとして与えることが可能
となっている。同様に、偏光子13の偏向方向の1/4
波長板の光軸方向に対する角度が予め設定された角度β
(例えばβ=−α)となるべく設定された場合は、ウォ
ラストンプリズム16により分離される2つの光線に対
し位相差φβ(=−φα)をオフセットとして与えるこ
とが可能となっている。これに対し、ひび欠陥部分での
照明光の反射により生じる2つの光線間の位相差は、オ
フセットとは無関係に一定で、φθ(=2・d・tanθ
・1/λ:但し、λは照明光の波長)として与えられる
ものとなっている。このため、外観検査対象50上の被
検査表面(正常平坦部分)が対物レンズ17の光軸に対
し垂直(θ=0°)であるとして、偏光子13の偏光方
向と1/4波長板の光軸方向とのなす角度がα,β(=
−α)となるべく順次設定した上、設定角度α,β各々
での状態で画像を検出すれば、2枚の画像において正常
平坦部分では同じ大きさ(方向は逆)の位相差±φαを
持った光線が相互に干渉する一方では、ひび欠陥部分で
は異なる大きさの位相差φθ+φα,φθ−φαを持っ
た光線が相互に干渉するというものである。この結果、
2枚の画像内で正常平坦部分は同一の明るさでありなが
ら、一方の画像ではひび欠陥部分が正常平坦部分より明
るく、他方の画像では逆にひび欠陥部分が正常平坦部分
より暗く検出されることになる。そこで、得られた2枚
の画像の差画像を演算すると、差画像では正常平坦部分
では値が“0”となるが、ある方向(例えば右上がり)
の傾斜部分は正の値、逆方向(右下がり)の傾斜部分は
負の値として得られることになる。したがって、その差
画像に対し予め設定されたしきい値THa(>0)を超
える値を持つ部分を論理“1”とする2値化処理を行え
ば、右上がりの傾斜を有する部分のみを検出することが
可能となるものである。これと同様にして、予め設定さ
れたしきい値THb(<0)より小さい値を持つ部分を
論理“1”とする2値化処理を行えば、右下がりの傾斜
を有する部分のみを検出することが可能となるものであ
る。結局、2値化処理後の画像を論理和によって合成す
ることで、右上がりおよび左下がりの傾斜を有する部分
が検出され得るものである。外観検査対象上に本来何等
傾斜部分が存在しないとすれば、検出された傾斜部分を
以て即ひび欠陥であると判断し得るわけであるが。外観
検査対象上に本来的に傾斜部分が存在している場合に
は、その傾斜部分の位置は既知とされていることから、
その傾斜部分以外の位置に傾斜部分が存在していること
を以て、ひび欠陥の存在とその位置が知れるものであ
る。外観検査対象としての磁気ヘッドには、既述のよう
に、面取加工されたエッジ部分がその位置既知なものと
して存在しているが、論理和合成後の画像中に含まれて
いる傾斜部分の分布形状を調べることによって、面取加
工エッジ部分とは区別された状態で、ひび欠陥による傾
斜部分のみを検出し得るものである。
【0078】さて、本発明を具体的に説明すれば、図2
0は本発明による磁気ヘッド検査装置(あるいは外観検
査装置)の一例での概要構成を示したものである。これ
による場合、破線で囲まれた部分は1/4波長板14を
含む微分干渉顕微鏡25として構成されたものとなって
いる。したがって、本発明による磁気ヘッド検査装置
は、その微分干渉顕微鏡25に、微分干渉顕微鏡25に
よって観察される画像を検出されるTVカメラ19と、
TVカメラ19で検出された画像を所定に処理する画像
処理部20とが付加される形で構成されたものとなって
いる。なお、本例では、外観検査対象としての磁気ヘッ
ド1での正常平坦部分の表面は対物レンズ17の光軸に
対し常時垂直となるべく、磁気ヘッド1の位置とその姿
勢状態はステージ30によって制御可能となっている。
【0079】ここで、その動作について説明すれば、光
軸回りに回転可とされている偏光子13の偏向方向は1
/4波長板14の光軸方向に対し予め設定された角度α
(本例では45°を想定),β(本例では−45°を想
定)となるように順次設定されるが、角度α(本例では
45°を想定),β各々に設定された状態での磁気ヘッ
ド1に対する画像がTVカメラ19で検出された上、検
出された画像は画像処理部20内で所定に画像処理され
ることで、磁気ヘッド1上に存在しているひび欠陥が検
出されるものとなっている。
【0080】即ち、より詳細に説明すれば、先ず偏光子
13の偏向方向は1/4波長板14の光軸方向に対し角
度αに設定されるものとなっている。この状態で、照明
光源11からの照明光はコンデンサレンズ12で集光さ
れた上、偏光子13により直線偏光成分のみが抽出され
るものとなっている。偏光子13からの直線偏光はその
後、1/4波長板14を介しハーフミラー15で反射さ
れた上、ウォラストンプリズム16に入射されるように
なっている。ウォラストンプリズム16から出射される
光は振動方向が互いに直交し、しかも進行方向が異なる
2本の光線に分割されているが、それら2本の光線は対
物レンズ17によってシャー量と称される距離d分だけ
離れた平行光として磁気ヘッド1上を照明するものとな
っている。一方、磁気ヘッド1からの反射光は対物レン
ズ17を介してウォラストンプリズム16で再び合成さ
れた上、ハーフミラー15,検光子18を介しTVカメ
ラ19で検出されるが、検出された画像は画像処理部2
0内に一旦蓄積されるものとなっている。この後は、偏
光子13の偏向方向は1/4波長板14の光軸方向に対
し角度αに設定された状態で、磁気ヘッド1に対する画
像が同様にしてTVカメラ19により検出されるわけで
あるが、画像処理部20ではTVカメラ19からのその
検出画像は、既に一旦蓄積されている画像との間で所定
に画像処理が行われることによって、磁気ヘッド1上に
存在しているひび欠陥が検出されるものである。
【0081】以上のように、偏光子13の偏向方向は1
/4波長板14の光軸方向に対し予め設定された角度
α,βとなるように順次設定されるが、図21,図22
は図20での光学部品各々における光軸方向および偏光
方向と、それら光学部品各々による偏光状態の変化を示
したものである。各種光学部品のうち、偏光状態に影響
を与えないものについては、単にその存在位置だけが矢
印で示されたものとなっている。図21には偏光子13
の偏光方向が1/4波長板14の光軸に対し角度α(α
=45°)に設定されている場合での偏光状態の変化
が、また、図22にはその角度がβ(β=−45°)に
設定されている場合でり偏光状態の変化が示されている
わけである。両図とも(A)には偏光子13から試料
(磁気ヘッド1)表面までの照明系での偏光状態の変化
が、また、(B),(C)にはともに試料表面からの反
射光の検光子18までの偏光状態の変化が示されている
が、特に(B)には試料の表面が光軸に対し傾斜してい
ない場合が、また、(C)には試料の表面が光軸に対し
傾斜している場合が示されたものとなっている。さて、
図21(A),図22(A)からも判るように、偏光子
13の偏光方向と1/4波長板14の光軸とのなす角度
が±45°の関係にある場合には、1/4波長板14か
らの光は円偏光となり、試料に入射する2本の光線には
1/4波長分の位相差が生じるものとなっている、ま
た、図21(B),図22(B)からも判るように、試
料上に傾斜部分が存在していない場合は、ウォラストン
プリズム16で合成された反射光は再び円偏光となるこ
とから、検光子18からはその円偏光の直径に対応した
振幅の光出力が得られるようになっている。これに対
し、試料上に傾斜部分が存在している場合には、図21
(C),図22(C)からも判るように、2つの反射光
の位相差が変化していることから、ウォラストンプリズ
ム16で合成された反射光は楕円偏光となっている。特
に偏光子13の偏光方向が1/4波長板14の光軸に対
し角度α(α=45°)に設定されている場合は、図2
1(C)からも判るように、検光子18の偏光方向を長
径とする楕円偏光となるため、検光子18からの光出力
は図21(B)でのそれに比し、大きなものとして得ら
れるようになっている。これとは逆に、その角度がβ
(β=−45°)に設定されている場合には、図22
(C)からも判るように、検光子18の偏光方向と直交
する方向を長径とする楕円偏光となるため、検光子18
からの光出力は図22(B)でのそれに比し、小さなも
のとして得られるようになっている。
【0082】以上のようにして、磁気ヘッド上の被検査
領域に対する画像が検出されるが、ここで、ひび欠陥検
出原理についてより詳細に説明すれば以下のようであ
る。即ち、図23には図20に示す磁気ヘッド検査装置
で得られる各種画像を示されたものとなっている。この
うち、図23(A)は通常の明視野照明下での磁気ヘッ
ド1上の被検査領域に対する画像を示したものである。
図示のように、画像中には被検査領域でのひび欠陥の亀
裂対応部分4a、欠け対応部分2aが存在しているが、
これからも判るように、欠け対応部分2aでは照明光が
散乱されていることから、通常の明視野照明下では暗く
検出されるものとなっている。しかし、ひび欠陥はその
傾斜角度が小さいため、正常平坦部分とは区別すること
は殆ど不可能となっている。これに対し、図23(B)
には偏光子13の偏光方向が1/4波長板14の光軸方
向に対する角度が45°である場合での検出画像が、ま
た、図23(C)にはその角度が−45°である場合で
の検出画像を示されているが、これら両図から判るよう
に、正常平坦部分での明るさは同一でありながらも、ひ
び欠陥部分(右上がり傾斜)は図23(B)に示す画像
では正常平坦部分より明るいが、図23(C)に示す画
像では正常平坦部分よりも暗く検出されたものとなって
いる。また、面取加工エッジ部分については、図23
(B)に示す画像では左側面取加工エッジ部分(右上が
り傾斜)が明るく、右側面取加工エッジ部分(右下がり
傾斜)が暗く検出されているが、図23(C)に示す画
像では逆に左側面取加工エッジ部分が暗く、右側面取加
工エッジ部分が明るく検出されたものとなっている。因
みに、欠け対応部分2aについては、図23(B),
(C)に示す画像の何れでも暗く検出されたものとなっ
ている。したがって、図23(B),(C)に示す画像
から両画像間での差画像を演算によって求めるようにす
れば、差画像は図23(D)に示す如くに得られるとい
うものである。但し、その差画像は表面上、差の値が
“0”とその近傍の値を中間調として表示する一方、正
の値は明るく、また、負の値は暗く表示されたものとな
っている。図23(D)からも判るように、ひび欠陥対
応部分と面取加工エッジ部分だけが正、または負の大き
な値を持ち、正常平坦部分および欠け欠陥に対応する部
分では何れも殆どその値が“0”となっている。
【0083】よって、その差画像を所定に2値化処理し
た上、論理和合成すれば、ひび欠陥対応部分と面取加工
エッジ部分を容易に検出し得るというものである。即
ち、図23(D)に示す差画像において、しきい値TH
aを超える値を持つ画像領域部分を論理“1”とすべ
く、予め設定されたしきい値THa(>0)を以て2値
化処理すれば、図24(A)に示す如くの2値画像が得
られるものである。また、同一差画像に対し、しきい値
THb(<0)よりも小さい値を持つ画像領域部分を論
理“1”とすべく、予め設定されたしきい値THb(<
0)を以て2値化処理すれば、図24(B)に示す如く
の2値画像が得られるというものである。図24(A)
では右上がりの傾斜を持つ部分だけが、また、図24
(B)では右下がりの傾斜を有する部分だけが検出され
ているわけであるが、図24(A),(B)に示す2値
画像を単に論理和合成するだけでは、ひび欠陥の存在領
域を検出し得ないことは明らかである。しかしながら、
幸いにも面取加工はレール面縁部であるエッジ部分に対
してのみ行われていることから、2値画像各々に含まれ
ている傾斜部分の分布形状を調べることによって、面取
加工エッジ部分と区別された状態でひび欠陥による傾斜
部分のみを検出することが可能となるものである。より
具体的に2値画像から面取加工エッジ部分とひび欠陥部
分を判別する方法について説明すれば以下のようであ
る。
【0084】即ち、図24(A)からも判るように、右
上がり傾斜の面取加工エッジ部分はレール面左側のエッ
ジ部分として存在し、また、右下がり傾斜の面取加工エ
ッジ部分はレール面右側のエッジ部分として存在してい
ることから、この事実を利用することによって、面取加
工エッジ部分と区別された状態でひび欠陥による傾斜部
分のみを検出し得るものである。右上がり傾斜部分が検
出されている図24(A)に示す2値画像を左上の点か
ら右方向にラスタスキャンするようにして、各走査線に
ついて最初に出現する論理“1”の領域を面取加工エッ
ジ部分と見做し、2番目以降に出現する論理“1”の領
域をひび欠陥による傾斜部分であると見做すものであ
る。同様に、右下がり傾斜部分が検出されている図24
(B)に示す2値画像を右上の点から左方向にラスタス
キャンするようにして、各走査線について最初に出現す
る論理“1”の領域を面取加工エッジ部分と見做し、2
番目以降に出現する論理“1”の領域をひび欠陥による
傾斜部分であると見做すようにするものである。何れの
場合でも、面取加工エッジ部分であると見做された領域
を論理“0”に置換した上、論理和合成すれば、図24
(C)に示す如くの画像が得られるものである。図24
(C)から明らかなように、ひび欠陥部分だけが正しく
検出されていることが判る。しかし、このような判別方
法は万全とはいえないものとなっている。例えばレール
面右側の面取加工エッジ部分にひび欠陥が存在し、左側
の面取加工エッジ部分には広い範囲に亘って欠け欠陥が
存在している場合には、左上からラスタスキャンを始め
る走査線上では、最初に出現する論理“1”の領域がひ
び欠陥によるものであるにも拘わらず、これを面取加工
エッジ部分であると見做すことになることから、上記判
別法による場合には、ひび欠陥を見逃してしまう虞があ
るといものである。面取加工エッジ部分にひび欠陥が存
在している場合でもひび欠陥を見逃さないようにするに
は、例えば検出された画像から面取加工エッジ部分の存
在位置を予め検出しておき、ラスタスキャン時での各走
査線上で、面取加工エッジ部分からある距離以上離れた
傾斜部分は全てひび欠陥であるという判断規準を追加す
ることで対処し得るものとなっている。また、このよう
な判別方法とは別に、磁気ヘッド撮像画像中における面
取加工エッジ部分の存在位置がステージ30に対する位
置決め駆動制御データより予め知れている場合には、図
24(A),(B)各々に示す2値画像中における面取
加工エッジ部分の存在領域を強制的に論理“0”に置換
せしめた上、論理和合成するようにすれば、図24
(C)に示す如くの画像は容易に得られるものとなって
いる。外観検査対象の種別が予め知られている場合は、
正常傾斜部分の存在位置は既知とされることから、実際
にはこのような判別方法が妥当なものとなっている。
【0085】さて、再び図20に戻り画像処理部20で
の画像処理について説明すれば、図25はその画像処理
部20の一例での具体的構成を示したものである。既述
したように、偏光子13の偏光方向が1/4波長板14
の光軸に対しα(=45°)に設定された状態での、磁
気ヘッド1に対する検出画像信号はA/D変換器209
を介し多値画像データとしてメモリ202に蓄積されて
いるが、このメモリ202からの検出多値画像データの
読み出しは、偏光子13の偏光方向が1/4波長板14
の光軸に対しβ(=−45°)に設定された状態での、
磁気ヘッド1のTVカメラ19による画像検出に同期し
て行われるものとなっている。このようにすれば、同一
画素間での差多値画像データが差分回路205で順次得
られるものである。この差多値画像データは図23
(D)に示す差画像対応の画像信号に対応するものであ
ることは明らかであるが、差分回路209から順次得ら
れる差多値画像データはまた2値化回路206a,20
6b各々で予め設定されたしきい値THa,THbによっ
て2値化処理されるものとなっている。この2値化処理
により図24(A),(B)各々に示す2値画像対応の
画像信号が得られるわけであるが、2値化回路206
a,206b各々からの2値画像対応の画像信号に対し
ては、面取加工部除去回路206a,206b各々でそ
の画像信号の一部が値“0”の多値画像データに置換さ
れるものとなっている。面取加工エッジ部分の存在領域
対応の2値画像信号が出現するタイミングで、2値画像
対応の画像信号に対し値“0”の多値画像データを挿入
置換すれば、面取加工エッジ部分の存在領域対応の2値
画像信号は強制的に論理“0”の状態におかれるわけで
ある。したがって、面取加工部除去回路206a,20
6b各々からの2値画像信号の加算回路207で論理和
によって合成するようにすれば、図24(C)に示す画
像対応の画像信号が得られ、論理“1”状態の画像信号
の出現タイミングからはひび欠陥の存在領域位置が知れ
るものである。このように、磁気ヘッド1上に反射率の
異なる部分が存在していても、正常平坦部分(傾斜が0
°である部分)であれば、2枚の画像の差分処理により
その明るさを相殺し得ることから、反射率の異なる部分
を誤検出することなくひび欠陥のみを検出することが可
能となるものである。また、欠けやボイドのように、照
明光が散乱される欠陥についても、2枚の画像の差分処
理により検出信号強度を相殺し得ることから、その存在
がひび欠陥の検出に影響を与えることはないものであ
る。このような事情はしみや異物についても同様となっ
ている。
【0086】さて、図20では偏光子13の偏光方向と
1/4波長板14の光軸方向のなす角度αは±45°に
設定されているが、ここで、その角度αとひび欠陥検出
感度との関係について考察することにする。図26には
図20での偏光子13の偏光方向と1/4波長板14の
光軸方向のなす角度αをパラメータとする。試料(外観
検査対象、あるいは磁気ヘッド)の傾斜角度とTVカメ
ラで検出される信号強度との関係が一例として示されて
いるが、図示のように、角度αが±45°に設定された
際に、試料上の傾斜角度が0°付近における出力信号強
度の変化が最も大きくなり、傾斜角度の小さなひび欠陥
の検出感度が最高となることが判る。図20では角度α
が±45°に設定された状態で検出画像の差が演算され
ていることから、感度は更にその2倍となる。但し、実
際の顕微鏡においては、ハーフミラー15の偏光特性な
どにより、検出感度が最高となる角度は必ずしも±45
°とはならない。
【0087】以上、本発明による磁気ヘッド検査装置
(あるいは外観検査装置)の一例での概要構成について
説明したが、図27は他の例での磁気ヘッド検査装置
(あるいは外観検査装置)の概要構成を示したものであ
る。これによる場合、図20に示すものとの相違は、照
明光学系に代って、検出光学系の検光子18の前(対物
レンズ17に近い側)に1/4波長板14が挿入されて
いる点である。検光子18の偏光方向に対する1/4波
長板14の光軸方向は任意に設定可とされているが、こ
のように、1/4波長板14が検出光学系に設定される
場合でも、外観検査対象としての磁気ヘッド1からの干
渉すべき2本の反射光線に対し、1/4波長板14によ
りオフセットとしての位相差を与えることが可能とされ
ることから、図20でのものと同様の効果が得られるも
のとなっている。
【0088】図28,図29は、図27に示す光学部品
各々での光軸方向、あるいは偏光方向と、それら光学部
品各々による偏光状態の変化を示したものである。図2
8には1/4波長板14の光軸方向が検光子18の偏光
方向に対し角度α(α=45°を想定)に設定されてい
る場合での偏光状態の変化が、また、図29にはその角
度がβ(β=−45°を想定)に設定されている場合で
の偏光状態の変化が示されているが、両図とも、偏光子
13から試料(磁気ヘッド、あるいは外観検査対象)の
表面までの照明系の状態は省略されており、試料表面で
の反射から検光子18までのみが示されたものとなって
いる。図28,図29ともにその(A)には試料表面が
光軸に対し傾斜していない場合を、また、その(B)に
は試料表面が光軸に対し傾斜している場合が示されたも
のとなっている。両図の(A)に示すように、試料表面
に傾斜がない場合には、ウォラストンプリズム16で合
成された反射光は検光子18の偏光方向に直交する直線
偏光となり、1/4波長板14で円偏光となることか
ら、検光子18からは円偏光の直径に対応した振幅の光
出力が得られるものとなっている。これに対し、両図の
(B)に示すように、外試料表面に傾斜が存在している
場合は、試料表面からの2つの反射光には位相差が生じ
ていることから、ウォラストンプリズム16で合成され
る反射光は直線偏光ではなく楕円偏光となる。図28
(B)ではこの楕円偏光が1/4波長板14により検光
子18の偏光方向を長径とする楕円偏光に変化せしめら
れることから、検光子18からの光出力は正常平坦部分
よりも大きなものとなっている。これとは逆に、図29
(B)では検光子18の偏光方向に直交する方向を長径
とする楕円偏光に変化せしめられることから、検光子1
8からの光出力は正常平坦部分よりも小さなものとなっ
ている。
【0089】即ち、図27に示す磁気ヘッド検査装置
(あるいは外観検査装置)でも、検光子18の偏光方向
に対し1/4波長板14はその光軸方向のなす角度がα
に設定された状態でTVカメラ19によって先ず第1の
画像が検出された後は、その角度がβ(=−α)に変更
設定された状態で第2の画像が検出されているものであ
り、画像処理部20ではそれら検出された2枚の画像の
差が演算されることで、明るさの異なる部分を傾斜が存
在する部分として検出し得るものである。図27に示す
磁気ヘッド検査装置(あるいは外観検査装置)でも、α
=45°,β=−45°に設定される場合に最も検出感
度が高くなっている。
【0090】図30は本発明による磁気ヘッド検査装置
(あるいは外観検査装置)の更に異なる他の例での概要
構成を示したものである。既にこれまでに説明した磁気
ヘッド検査装置(あるいは外観検査装置)では、1/4
波長板14の光軸方向を偏光子13、あるいは検光子1
8の偏光方向に対し所定角度に設定する度に、磁気ヘッ
ド、あるいは外観検査対象の画像が検出されるようにな
っていたが、図30に示すものでは、画像処理に必要と
される2枚の画像が同時に検出されるべく構成されたも
のとなっている。図示のように、検出光学系の光路はハ
ーフミラー15bで2つに分割されており、分割された
光路には1/4波長板14a,14b、検光子18a,
18bおよびTVカメラ19a,19bが備えられたも
のとなっている。その際、一方の光路では検光子の偏光
方向と1/4波長板の光軸方向のなす角度はαに設定さ
れており、他方の光路ではその角度はβに設定されたも
のとなっている。したがって、図30でのものでは、画
像処理に必要とされる2枚の画像が同時に検出されるこ
とから、その分検査に要される時間は短縮化され得るも
のである。また、TVカメラ19a,19b各々での画
像検出動作が同期状態にある場合には、図25に示す画
像処理部20において、TVカメラ19a,19b各々
からの画像検出信号はA/D変換された上、直接差分回
路205に与えられるから、メモリ202を省略するこ
とも可能となっている。
【0091】最後に、図20,図27、あるいは図30
に示す磁気ヘッド検査装置(あるいは外観検査装置)に
おいて、磁気ヘッド、あるいは外観検査対象を位置決め
載置しているステージ30によってそれら磁気ヘッド、
あるいは外観検査対象のその表面を光軸に対して垂直に
厳密に設定し得なく、その表面全体が光軸に対し傾斜し
ている場合での画像処理方法について説明する。図31
はそのような場合に適用される本発明に係る画像処理部
の一例での具体的構成を示したものである。既述のよう
に、差分回路205からは、図23(D)に示す差画像
対応の画像信号が差多値画像データとして順次得られる
が、この差多値画像データは即2値化回路201a,2
01b各々で2値化処理されることなく、先ずはその差
多値画像データからはそのヒストグラムがヒストグラム
演算部203で演算された上、最頻度値演算部204で
はヒストグラム中から最頻度値が求められるようになっ
ている。これにより差画像中での最も頻度の多い明る
さ、即ち、磁気ヘッド、あるいは外観検査対象上の正常
平坦部分が光学系の光軸に対して傾斜している場合に生
じる誤差成分の明るさが算出され得るものである。この
算出された値が予め設定されている2値化処理用のしき
い値THa,THbに加算されるべく加算回路208a,
208b各々でしきい値THa,THbに加算するように
すれば、しきい値THa,THbは最適に修正され得、修
正しきい値によって差多値画像データに対し2値化処理
を行うようにすれば、磁気ヘッド、あるいは外観検査対
象の表面が光軸に対して傾斜している場合でも、その影
響を受けることなく高い感度でひび欠陥が検出され得る
ものである。なお、図31に示す例では、差分回路20
5からの差多値画像データは一旦蓄積されていないこと
から、修正しきい値が確定した後に、必要とされる2枚
の画像検出を更に1回行う必要があるが、差多値画像デ
ータ蓄積用のメモリが設けられている場合は、ヒストグ
ラム演算に並行して、差多値画像データの蓄積が行わ
れ、しきい値確定後にそのメモリから差多値画像データ
を読み出した上、2値化回路201a,201b各々で
修正しきい値にもとづき2値化処理が行われるようにす
ればよいものである。
【0092】以上、本発明による外観検査方法や外観検
査装置、あるいは磁気ヘッド検査方法や磁気ヘッド検査
装置について説明したが、本発明による磁気ヘッド検査
装置が磁気ヘッド製造設備の最終段階に具備せしめられ
る場合は、製造済直後の磁気ヘッド上にひび欠陥が存在
するか否かが確実に検出され得るものとなっている。
【0093】以下、本発明の他の実施例を薄膜磁気ヘッ
ドの外観検査を例にとり、図面に従い説明する。
【0094】一般に薄膜磁気ヘッドは、セラミックウェ
ハ上に多数の素子を形成した上、これを切断加工し、更
に加工済みの磁気ヘッドに対しリード線やアームを取り
付けることによって得られるが、このようにして得られ
た薄膜磁気ヘッドに対しては、各種の電気的特性検査や
外観検査が最終製造段階で行われている。外観検査が必
要とされるのは、それら切断加工や組立、検査工程中に
磁気ヘッドに不要な外力が加えられた場合には、欠けや
傷,ひびなどの欠陥が発生している虞があり、これら欠
陥が存在している場合には、磁気ディスク装置の信頼性
に重大な影響を及ぼすからである。
【0095】ここで、薄膜磁気ヘッドについて詳細に説
明すれば、図45はその全体構成を示したものであり、
同図(a)は薄膜磁気ヘッド1の全体を示し、同図
(b)は薄膜磁気ヘッド本体1(以下、単に磁気ヘッド
と称す)及びそこに存在する外観不良を示したものであ
る。磁気ヘッド本体では、同図(b)に示す2本のレー
ル状の領域9(以下、レール面と称する)がディスクと
接触するため、特に厳密に外観を検査する必要がある。
これは、磁気ディスク駆動中に磁気ヘッドが安定に浮上
できるよう、ディスクと磁気ヘッドの間に気流の流入を
助けるために、レール面にテーパ加工が施され傾斜した
領域7が存在する(以後、テーパ領域と称する)。同図
(c)は、同図(b)に示す欠陥の断面図を示したもの
である。同図からわかるように、そのレール面上やエッ
ジ部には欠け2(エッジの一部が割れて破片が消失した
もの)や傷5(レール表面が硬い物質と擦れることによ
り生じたもの)や、ひび欠陥4(亀裂によりヘッドの一
部が浮き上がり、破片が正常平坦部分の表面に対し傾斜
した状態になって残っているもの)が発生する虞がある
が、このうち、小さな欠けや傷はヘッドの浮上特性に対
し殆ど影響を与えないことから、欠陥としての致命度は
低いものとなっている。しかし、大きな欠けは浮上特性
に影響を与えることから検出される必要があるが、ひび
欠陥についてその大きさに係わらず検出される必要があ
る。これは、磁気ディスク装置が動作中、薄膜磁気ヘッ
ドは磁気ディスク面に対しわずかな間隔を保って浮上し
ているが、ひび欠陥が磁気ヘッドの表面よりも盛り上っ
た状態で存在している場合には、ひび欠陥が磁気ディス
ク表面に物理的に接触する可能性が大となるからであ
る。ひび欠陥の存在は、最悪の場合、磁気ディスク装置
の作動中、ひび欠陥から破片が落下することにもなれ
ば、磁気ヘッドクラッシュの原因ともなるものである。
【0096】以上のように、磁気ヘッドの上に欠陥が存
在しているか否かを検査する必要があるが、特に致命度
の高いひび欠陥を確実に検出する必要がある。ひび欠陥
は、亀裂により囲まれた領域全体がわずかに傾斜してい
るため、金属顕微鏡において使用される通常の落射照明
では、亀裂のみが暗い筋として検出され、わずかに傾斜
した領域を明るさの違いとして検出することはできな
い。そこで、微分干渉顕微鏡で画像を検出することによ
り、わずかに傾斜した領域全体を明るさの違いとして確
実に検出することができる。しかし、ひび以外の欠陥で
ある欠けと傷は、反射光が散乱することから干渉強度の
変化が不規則となるが、落射照明では確実に暗く検出で
きる。以上のことから、磁気ヘッドの全ての欠陥を確実
に検出するためには、ひび欠陥を微分干渉法により、欠
けと傷欠陥を落射照明により検出する必要がある。
【0097】図32は、本発明の一実施例であり、薄膜
磁気ヘッドの外観欠陥を検査することを目的としてい
る。同図に示すように、検査対象である薄膜磁気ヘッド
1は、水平面内の回転位置補正を行うθステージ301
と、水平補正を行うゴニオステージ302と、焦点位置
補正を行うzステージ303を組み合わせた上に設置さ
れており、搬送系34によりステージ上に供給される。
また、磁気ヘッドのレール面上の高さを測定するレーザ
変位計43を具備している。検査対象上には、微分干渉
顕微鏡を構成し、干渉強度をTVカメラ19で検出し、
検出された画像は、画像処理部20に転送される。さら
に、これら装置全体を制御するコントローラ40を備え
ており、画像処理結果の一部とレーザ変位計43からの
測定値が入力となる。本実施例の最も大きな特徴はコン
トローラ22からの出力により3つのステージ(31,
32,33)と搬送系41のみならず、微分干渉光学系
の構成素子である偏光子13と複屈折プリズム16aを
最適な角度に回転することにある。
【0098】以下、本実施例を基に、発明の内容を説明
して行く。図33は、図32の実施例の微分干渉顕微鏡
の構成を詳細に示したものである。同図において、各光
学素子に記入されている矢印は、各素子の光学軸方向を
示すものである。同図の光学系における特徴は、複屈折
プリズム16aが回転可能であることと、複屈折プリズ
ム16aの光学軸方向をハーフミラー15の光学軸方向
と一致させた状態において微分干渉効果を実現すること
にある。図34は図33の光路中の偏光状態を示したも
のである。以下、図34を用いて、図33の光学系の効
果を説明する。図34の(b)から(e)の偏光状態の
表記は、同図(a)の方法に従っている。同図(b)
は、偏光子通過後の偏光状態を示したものであり、直線
偏光状態であることを示す。このため、振幅をApとす
ると、直線偏光Lは(数6)となる。
【0099】
【数6】
【0100】同図(c)は、偏光子が波長板o軸と一致
する規準軸からθp回転した状態において、波長板を通
過後のo,e各偏光方向の振幅成分Lo,Le示したも
のであり次式となる。
【0101】
【数7】
【0102】ハーフミラーの反射率は、照明光偏光方向
とハーフミラーの法線がなす面(入射面)との関係によ
り決定する。入射面と一致する偏光方向をp方向、直交
する方向s方向とする。複屈折プリズムの照明光分離方
向をp偏光方向と一致させた場合、複屈折プリズム通過
後のp,s各偏光成分は、同図(d)の様になり、これ
を表記すれば数8となる。
【0103】
【数8】
【0104】ただし、RpおよびRsはそれぞれp偏光
およびs偏光のハーフミラーでの反射率を表わす。つま
り、複屈折プリズムにより分岐された2つの照明光の間
には、偏光子の回転角度θpの2倍の位相差が生じるこ
とがわかる。この2つの照明光が傾斜した試料面の離れ
た2点で反射することにより、(数2)により与えられ
る位相差△φが追加されるため、反射光は(数9)のよ
うになる。
【0105】
【数9】
【0106】これら2つの反射光は、複屈折プリズムを
通過することにより再び同一光路に戻るが、偏光方向が
互いに直交しているため干渉することなく、そのままハ
ーフミラーを透過する。この時、各偏光方向はハーフミ
ラーを反射時の偏光方向と一致するため、ハーフミラー
の透過光は次式となる。
【0107】
【数10】
【0108】ただし、TpおよびTsはそれぞれp偏光
およびs偏光のハーフミラーでの反射率を表わす。これ
ら反射光を検光子に通過させることにより、同図(e)
に示すような同一方向の偏光状態となるため干渉し、干
渉強度は次式として検出できる。
【0109】
【数11】
【0110】同式によれば、干渉強度は試料傾斜による
位相差△φの余弦関数により変化し、偏光子回転角度に
より干渉状態を任意に制御可能であることがわかる。ま
た、ハーフミラーの反射率および透過率は干渉強度の係
数となるため、ハーフミラーの特性が変化しても干渉強
度特性には、振幅の変化および定数項として作用するだ
けであり、位相による変動成分とは分離できることが分
かる。これが、図33に示す光学系において、ハーフミ
ラーと複屈折プリズムの偏光方向を一致させる構成によ
り実現できる大きな特徴である。特にRpTp=RsT
sの関係を満たすとき、干渉強度変化は(数12)とな
り、試料傾斜に対する干渉強度を最大として検出するこ
とができる。
【0111】
【数12】
【0112】ただし、Kは反射率の影響を表わす比例定
数である。
【0113】図35と図36は、図32の実施例におい
て実現される第1の発明を説明したものである。図35
(a)は、偏光子回転角度θpをπ/4としたときの試
料傾斜による位相差△φと干渉強度Iとの関係を示した
ものであり、(数12)から干渉強度Iは次式となる。
【0114】
【数13】
【0115】つまり、傾斜位相差△φが0、即ち水平面
から相対的に傾斜した状態で干渉強度変化が最大となる
ことがわかる。そこで、図32の実施例において、レー
ザ変位計35により磁気ヘッドレール面上の3点の高さ
を測定し、その結果から磁気ヘッド傾斜角度を演算し、
自動ステージ32により水平に補正する。その結果、磁
気ヘッドレール面が水平となるため、レール面上の傾斜
領域であるひび欠陥がレール面正常部と異なる明るさを
有することとなる。つまり、同図(a)のA点付近に一
点破線で示す2つの閾値24を設定し、2つの閾値によ
り挾まれる明るさを有する領域以外をひび欠陥として検
出することができる。一方、レール面には、図36
(a)に示すような傾斜領域(テーパ領域)が存在す
る。テーパ領域のレール面水平領域との傾斜角度θtは
加工仕様により決められており既値である。θtを数2
により位相差に概算した値をφtとすると、テーバ領域
の干渉強度は図35(a)のB点となるため、前述の閾
値処理により図36(b)の様にテーパ領域全体がひび
欠陥と同様に検出されてしまう。さらに、同図(a)の
ようにテーパ領域に存在するひび欠陥は検出することが
できない。テーパ領域のひび欠陥のみを検出するために
は、B点付近にA点と同様な閾値を設定して2値化を行
うか、磁気ヘッドをθt回転させることによりテーパ領
域を水平に補正してA点付近の閾値で2値化を行うこと
が考えられる。しかし、前者の方式はB点付近の干渉強
度変化率がA点付近に比べて劣っているため、ひび欠陥
の検出感度が劣る。後者の方式では、検出視野内で試料
が移動する虞があるため、他の条件で検出した画像との
位置合わせが必要となる。本発明は、偏光子回転角度を
試料傾斜により決定する最適な角度に設定することで、
傾斜平面内の異常傾斜を水平面と同一感度で、しかも試
料を移動させることなく検出できることが大きな特徴で
ある。図35(b)は、偏光子回転角度θpをφt/2
+π/4とした場合の干渉強度特性を示したものであ
り、これは数12より次式(数14)として表わさせ
る。
【0116】
【数14】
【0117】同図(b)は、同図(a)をφt右に移動
したものであるため、C点付近に閾値を設定して2値化
することにより同図(a)のA点と同一感度で異常傾斜
を検出することができる。この結果、図36(c)のよ
うに、テーパ領域に存在するひび欠陥をレール面水平領
域のひび欠陥と同一感度で検出することが可能となる。
【0118】図37と図38は、図32の実施例におい
て実現される第2の発明を説明したものである。図37
(a)は図35(b)と同一の条件であり、偏光子回転
角度をφt/2+π/4とした場合の干渉強度を示して
いる。磁気ヘッドのレール面は、セラミック焼結体の研
磨面であるため、表面に多数の輝点が存在する。(数1
2)から分かるように、微分干渉強度Iは試料傾斜によ
る位相差△φと反射率の影響Kにより変動する。そのた
め、同一平面上であっても反射率が異なると干渉強度I
も変化する。図37(a)の実線は、輝点以外のレール
面の干渉強度であり、破線は輝点部の干渉強度を表わ
す。テーパ領域内のひび欠陥を検出するために同図のA
点付近の閾値24により2値化を行うと、同図B点も2
つの閾値に挾まれた領域外にあるため検出される。この
ため、図36(c)に示すようにひび欠陥と共に多数の
輝点25を誤検出してしまう。そこで、偏光子回転角度
をφt/2+π/4とした状態で第1の画像を検出し、
φt/2−π/4の状態で第2の画像を検出することを
考える。第2の画像の干渉強度は次式(数15)により
与えられる。
【0119】
【数15】
【0120】図37(b)は、これら2枚の画像により
検出される干渉強度を示したものである。2つの状態の
干渉強度は、φtにおいて対称となることが分かる。こ
れら2枚の画像の差分を演算することにより、図37
(c)の画像強度特性を有する差画像が得られる。これ
は、次式により与えられる。
【0121】
【数16】
【0122】つまり、φtの傾斜面上では反射率の違い
によらず常に信号強度は0であり、相対的に傾斜した領
域では図37(b)に示す2枚の画像の2倍の信号強度
変化が得られる。図38(a)は、図36(a)に示す
テーパ領域を検出した第1の画像を示し、図38(b)
は第2の画像を示す。2枚の画像の間で、テーパ領域の
明るさを等しく、テーパ領域から傾斜した領域の一方を
暗く、他方を明るく検出できていることが分かる。同図
(c)は、差画像を図6(c)の明るさ0付近に設定し
た閾値により2値化した結果を示したものである。テー
パ領域では反射率の違いによらず常に信号強度が0とな
るため輝点が除去され、ひび欠陥のみが高い感度で検出
できることが分かる。従来技術では、数5に示すように
本発明のφtが0の場合、つまり水平面に対する場合し
か考慮されていなかったが、本発明では任意の傾斜平面
上の反射率の影響を受けないことが大きな特徴である。
【0123】図39は、図32の実施例において実現で
きる第3の発明を説明したものである。磁気ヘッドレー
ル面には、ひび欠陥以外にも欠けと傷欠陥が存在する。
これらの欠陥は、反射光を散乱するため微分干渉法で検
出される干渉強度は微小な値しか持たず不安定であり明
暗の変化がつきにくい。しかし、通常の落射照明により
暗く検出することが可能である。そのため、微分干渉光
学系により落射照明を実現するためには、図33に示す
複屈折プリズム16aを光路から外す必要がある。しか
し、(数14)と(数15)に示す干渉条件の異なる2
枚の画像の平均値演算を行うと、両式の干渉項が消去さ
れ次式となる。
【0124】
【数17】
【0125】(数17)は、反射率の影響にのみ依存し
て変化するため、落射照明において検出した画像と同等
のものとなる。図39(b),(c)は、同図(a)の
様にレール面上に欠け2や傷欠陥5が存在する場合、図
38(a),(b)と同様の干渉条件で検出した画像を
示している。両画面の平均値を演算することにより、傾
斜領域の干渉強度が打ち消し合い、反射光が散乱する欠
けと傷の領域のみが暗く検出されるため、図39(d)
のように落射照明により検出した画像と同等のものとな
ることがわかる。本発明では、微分干渉光学系を変更す
ることなく落射照明と同等の画像が得られることに特徴
がある。
【0126】図40と図41は、図32の実施例におい
て実現できる第4の発明を説明したものである。微分干
渉顕微鏡は、照明光を分離する方向の傾斜に対して最大
の感度を有し、直交する向きの傾斜に対しては感度が0
となる。ひび欠陥は全方向に傾斜する可能性があるた
め、従来全てのひび欠陥を検出するためには、試料を9
0度回転させて試料に対する照明光分離方向を変化させ
る必要があった。本発明は、試料を回転させることなく
同等の効果を実現することを目的としている。図40
(a)は図33の一部を書き直したものである。図33
では、ハーフミラーのp偏光方向およびs偏光方向と複
屈折プリズムの光学軸方向を一致させることにより、
(数11)に示すように、ハーフミラーの透過率と反射
率の影響を干渉強度特性の振幅変化の項とすることが可
能となった。そこで、図40(b)に示すように複屈折
プリズムを90度回転させることを考える。この場合
も、複屈折プリズムによって分岐される照明光との互い
に直交する偏光方向とハーフミラーのp,s各偏光方向
が一致するため、干渉にあずかる両偏光成分は次式とな
る。
【0127】
【数18】
【0128】これらを検光子により干渉させた結果、検
出される干渉強度は(数11)と一致することが分か
る。図40のように複屈折プリズムを回転させた各状態
で、それぞれ干渉強度を検出すれば、試料を回転するこ
となく直交する2方向において等しい感度で干渉強度を
検出することができる。図41(b),(c)は、上記
原理を利用して同図(a)の様な磁気ヘッドレール面に
存在するひび欠陥を検出した例である。図40(a)の
状態により図41(a)の左右方向に照明光を分離し
て、第1の画像を検出したものが同図(b)である。同
図(b)では、照明光を分離する方向に傾斜したひび欠
陥を最も感度良く検出できるが、これと直行する方向に
傾斜したひび欠陥は検出することができない。一方、図
40(b)の状態により図41(a)の上下方向に照明
光を分離して、第2の画像を検出したものが同図(c)
である。同図(c)でも、照明光を分離する方向に傾斜
したひび欠陥を最も感度良く検出できるが、これと直行
する方向に傾斜したひび欠陥は検出することができな
い。本発明では、第1,第2の画像の検出結果を合成す
ることにより、全ての方向に傾斜するひび欠陥を試料を
回転することんなく、漏れなく検出することが可能とな
る。
【0129】図42,図43,図44は、図32,図3
3に示す構成により、上記第1から第4の発明を組み合
わせることにより、磁気ヘッドレール面に存在するひ
び,欠け,傷欠陥を検出する方式を示したものである。
図32のコントローラ22からの信号により、偏光子1
3及び複屈折プリズム16aの回転角度を図42に示す
ように変更し、順次3枚の画像を検出して、画像処理部
のメモリに記憶する。いま、磁気ヘッドレール面上に図
44(a)の様な欠陥が存在する場合を考える。画像1
及び画像2から平均値演算回路26により平均値を演算
した結果、図44(b)に示すような落射照明画像と同
等の画像が得られる。これを適切な閾値により2値化演
算回路27aにより2値化すると、同図(b)で暗く検
出できる欠け,傷欠陥領域を抽出できる。この結果同図
(f)を得る。また、エッジ位置検出部28により図4
4(b)のエッジ位置を抽出することで、レール面領域
を決定する。また、画像1,画像2から差分演算回路2
9aにより図44(c)を得る。同図において、図37
(c)の一点破線に示すような閾値により2値化回路2
9bにより2値化処理を行うと、図44(a)のレール
面水平領域のレール面短手方向に傾斜したひび欠陥を検
出することができる。同様に、画像3,4から差分演算
回路29bにより差分演算を行った結果、図44(d)
を得る。同図において、2値化演算回路29bにより2
値化処理を行うことにより、レール面水平領域のレール
面長手方向に傾斜したひび欠陥とテーパ領域を検出する
ことができる。この結果から、面積計測部61によりテ
ーパ領域を抽出する。また、レール面水平領域で検出さ
れた結果のみを欠陥とする。画像5,6から差分回路2
9cにより差分演算を行うと、図44(e)が得られ
る。該差画像では、テーパ領域のみを対象とした2値化
処理を2値化回路27dにより行う。この結果、テーパ
領域に存在するレール面長手方向に傾斜したひび欠陥の
みが検出される。上記3枚の差画像から抽出された欠陥
を論理和演算回路62により合成したものが、図44
(g)である。同図では、レール面に存在する輝点を誤
検出することなく、レール面水平領域とテーパ領域に存
在するひび欠陥を同一感度で検出できる。
【0130】
【発明の効果】本発明によれば、従来方式では検出でき
なかったひび欠陥の全体形状を容易に検出することがで
きる上、欠けやボイド,傷,しみ,汚れなどとの判別も
容易に行えるため、微小なひび欠陥であっても誤検出す
ることなく、確実に検出することができる。このため、
製品の信頼性向上に顕著な効果があるだけでなく、ひび
欠陥の存在するヘッドを特性検査装置にかけることによ
り生じていた、検査用ディスクの急激な摩耗を押さえる
ことにも効果がある。
【0131】また本発明によれば、外観検査対象表面上
に本格的に存在している正常傾斜部分以外に、たとえ微
小なひび欠陥が異常傾斜部分として存在している虞があ
る場合でも、欠けやボイド,傷,しみ,汚れなどの影響
を受けることなく、そのひび欠陥を正常傾斜部分とは区
別された状態で確実に検出し得ることができる。
【0132】また本発明によれば、磁気ヘッド表面上に
本格的に存在している面取加工済エッジ部分以外に、た
とえ微小なひび欠陥が異常傾斜部分として存在している
虞がある場合でも、欠けやボイド,傷,しみ,汚れなど
の影響を受けることなく、そのひび欠陥を正常傾斜部分
とは区別された状態で、確実に検出し得ることができ
る。
【0133】また本発明によれば、製造済直後の磁気ヘ
ッド上にひび欠陥が存在するか否かが確実に検出され得
ることができる。
【0134】また本発明によれば、試料を移動すること
なく、任意に傾斜した平面上の全方向に傾斜する異常傾
斜を、反射率の違いに影響されることなく、最も感度良
くて検出できるのみならず、微分干渉光学系を変更する
ことなく、落射照明による欠陥検査をも行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はひび欠陥検出の説明図。
【図2】図2は、磁気ヘッドの欠陥の例を示す説明図。
(a)斜視図(b),(c),(d),(e)断面図
【図3】図3は、微分干渉顕微鏡の原理を示す説明図。
【図4】図4は、微分干渉顕微鏡の原理を説明する構成
図。
【図5】図5は、本発明の一実施例を示す構成図。
【図6】図6は、図5の実施例における動作の説明図。
【図7】図7は、図5の実施例における検出画像の説明
図。
【図8】図8は、画像処理部の実施例を示す構成図。
【図9】図9は、TVカメラの出力信号強度を表す特性
図。
【図10】図10は、本発明の他の実施例を示す構成
図。
【図11】図11は、図10の実施例における動作の説
明図。
【図12】図12は、図10の実施例における動作の説
明図。
【図13】図13は、図10の実施例における画像処理
の説明図。
【図14】図14は、TVカメラの出力信号強度を表す
特性図。
【図15】図15は、本発明の他の実施例を示す構成
図。
【図16】図16は、図15の実施例における動作の説
明図。
【図17】図17は、図15の実施例における動作の説
明図。
【図18】図18は、本発明の他の実施例を示す構成
図。
【図19】図19は、本発明を利用した磁気ヘッドの自
動外観検査装置の構成図。
【図20】図20は、本発明による磁気ヘッド検査装
置、あるいは外観検査装置の一例での概要構成を示す
図。
【図21】図21(A)〜(C)は、図20に示す偏光
子の偏光方向が1/4波長板の光軸に対し角度α(α=
45°)に設定されている場合その偏光状態の変化を示
す図。
【図22】図22(A)〜(C)は、図20に示す偏光
子の偏光方向が1/4波長板の光軸に対し角度α(α=
−45°)に設定されている場合での偏光状態の変化を
示す図。
【図23】図23(A)〜(D)は、図20に示す画像
処理部での画像処理方法を説明するための図。
【図24】図24(A)〜(C)は、同じく図20に示
す画像処理部での画像処理方法を説明するための図。
【図25】図25は、図20に示す画像処理部の一例で
の具体的構成を示す図。
【図26】図26は、図20に示す偏光子の偏光方向と
1/4波長板の光軸方向のなす角度αをパラメータとし
て、試料(外観検査対象、あるいは磁気ヘッド)の傾斜
角度とTVカメラで検出される信号強度との関係を一例
として示す図。
【図27】図27は、本発明による磁気ヘッド検査装
置、あるいは外観検査装置の他の例での概要構成を示す
図。
【図28】図28(A),(B)は、図27に示す1/
4波長板の光軸が検光子の偏光方向に対し角度α(α=
45°)に設定されている場合での偏光状態の変化を示
す図。
【図29】図29(A),(B)は、図27に示す1/
4波長板の光軸が検光子の偏光方向に対し角度β(β=
45°)に設定されている場合での偏光状態の変化を示
す図。
【図30】図30は、本発明による磁気ヘッド検査装
置、あるいは外観検査装置の更に異なる他の例での概要
構成を示す図。
【図31】図31は、磁気ヘッド、あるいは外観検査対
象のその表面全体が光軸に対し傾斜している場合に適用
される画像処理部の一例での具体的構成を示す図。
【図32】図32は本発明の他の一実施例を示す構成
図。
【図33】図33は図32に示す微分干渉顕微鏡の具体
的構成を示す図。
【図34】図34は図33の動作を説明するための図。
【図35】図35は本発明に係る実施例の説明図。
【図36】図36は図35に示す実施例における動作説
明図。
【図37】図37は本発明に係る実施例の説明図。
【図38】図38は図37に示す実施例における動作説
明図。
【図39】図39は本発明に係る実施例の説明図。
【図40】図40は本発明に係る実施例の説明図。
【図41】図41は図39,図40に示す実施例の動作
説明図。
【図42】図42は検出する画像の種類を示す図。
【図43】図43は画像処理部の実施例を示す構成図。
【図44】図44は図43に示す実施例における動作説
明図。
【図45】図45は磁気ヘッドと欠陥の例を示す構成
図。
【符号の説明】
1…磁気ヘッド、2…欠け、3…ボイド、4…ひび欠
陥、5…傷、7…テーパ領域、9…レール面、11…光
源、12…コンデンサレンズ、13…偏光子、14,1
4a,14b…四分の一波長板、15,15a,15b
…ハーフミラー、16…ウォラストンプリズム、16a
…複屈折プリズム、17…対物レンズ、18,18a,
18b…検光子、19,19a,19b…TVカメラ、
20…画像処理部、24…閾値、25…輝点、26…平
均値演算回路、27a,27b,27c,27d…2値
化回路、28…エッジ抽出回路、29,29a,29
b,29c…差分演算回路、30…ステージ、301…
θステージ、302…ゴニオンステージ、303…Zス
テージ、40…コントローラ、41…搬送系、43…レ
ーザ変位計、61…面積計数回路、62…論理和演算回
路、201,201a,201b…2値化回路、202
…メモリ、203…ヒストグラム演算回路、204…最
頻度値演算回路、205…差分回路、206a,206
b…面取加工部除去回路、207…加算(合成)回路、
208a,208b…加算回路、209,209a,2
09b…A/D変換回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 尚史 横浜市戸塚区吉田町292番地株式会社 日立製作所 生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−244751(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 G01B 11/30

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源から出射して偏光子を通過させた照明
    光を複像プリズムであるウォラストンプリズムにより2
    本の光線に分離し対物レンズを介して被検査物を照明
    し、該照明による前記被検査物からの光を検光子を通過
    させる構成とした顕微鏡手段と、該顕微鏡手段により得
    られる前記検光子を通過した前記被検査物からの光を
    出して前記被検査物の画像を得る像検出手段と、該像検
    出手段で検出する前記被検査物の画像に対応する画像
    記憶する記憶手段と、前記像検出手段で検出した前記被
    検査物の画像と前記記憶手段に記憶した前記画像とを用
    いて前記被検査物のひび、欠け、ボイド、傷、しみ、汚
    れの何れかの欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えたこ
    とを特徴とする欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】偏光子と検光子と複像プリズムであるウォ
    ラストンプリズム及び対物レンズを備えた微分干渉顕微
    鏡手段と、該微分干渉顕微鏡手段により得られる被検査
    物の像を撮像して画像を得る撮像手段と、前記微分干渉
    顕微鏡手段の干渉条件を設定する干渉条件設定手段と、
    該干渉条件設定手段により第1の干渉条件に設定された
    前記微分干渉顕微鏡手段により得られる前記被検査物の
    像を前記撮像手段で撮像して得た第1の画像と前記干渉
    条件設定手段により第2の干渉条件に設定された前記微
    分干渉顕微鏡手段により得られる前記被検査物の像を前
    記撮像手段で撮像して得た第2の画像とを用いて前記被
    検査物の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えたことを
    特徴とする欠陥検出装置。
  3. 【請求項3】光源と偏光子、検光子、複像プリズムであ
    るウォラストンプリズム及び対物レンズとを備えた微分
    干渉顕微鏡手段と、該微分干渉顕微鏡手段の前記偏光子
    と前記ウォラストンプリズムとの間に設置された四分の
    一波長板手段と、該微分干渉顕微鏡手段の前記偏光子の
    偏光の方向を設定する偏光方向設定手段と、該微分干渉
    顕微鏡手段により得られる被検査物の像を撮像して画像
    を得る撮像手段と、前記偏光方向設定手段により前記偏
    光子が第1の偏光の方向に設定された前記微分干渉顕微
    鏡手段により得られる前記被検査物の像を前記撮像手段
    で撮像して得た第1の画像と前記偏光方向設定手段によ
    り第2の偏光の方向に設定された前記微分干渉顕微鏡手
    段により得られる前記被検査物の像を前記撮像手段で撮
    像して得た第2の画像とを用いて前記被検査物の欠陥を
    検出する欠陥検出手段とを備えたことを特徴とする欠陥
    検出装置。
  4. 【請求項4】光源と偏光子、検光子、複像プリズムであ
    るウォラストンプリズム及び対物レンズとを備えた微分
    干渉顕微鏡手段と、該微分干渉顕微鏡手段の前記偏光子
    と前記ウォラストンプリズムとの間に設置された四分の
    一波長板手段と、該四分の一波長板手段の結晶の光軸方
    向を設定する光軸方向設定手段と、該微分干渉顕微鏡手
    段により得られる被検査物の像を撮像して画像を得る撮
    像手段と、前記光軸方向設定手段により前記四分の一波
    長板手段の結晶の光軸方向が第1の方向に設定された前
    記微分干渉顕微鏡手段により得られる前記被検査物の像
    を前記撮像手段で撮像して得た第1の画像と前記四分の
    一波長板手段の結晶の光軸方向が第2の方向に設定され
    た前記微分干渉顕微鏡手段により得られる前記被検査物
    の像を前記撮像手段で撮像して得た第2の画像とを用い
    前記被検査物の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備え
    たことを特徴とする欠陥検出装置。
  5. 【請求項5】光源と該光源から出射した光を偏向する偏
    光子、該偏光子を通過した光を2つの光路に分岐する複
    像プリズムであるウォラストンプリズム、該ウォラスト
    ンプリズムで分岐された光を平行光にして被検査試料に
    照射する対物レンズと、前記平行光で照射された被検査
    物からの光を集光して合成する合成手段と、該合成され
    た光の光路を2つに分岐する分岐手段と、該分岐手段で
    分岐された一方の光路を通る光を第1の偏光の状態に設
    定する第1の偏光状態設定手段と、該第1の偏光状態設
    定手段で偏向された光を検出して前記被検査試料の第1
    の画像を得る第1の画像検出手段と、前記分岐手段で分
    岐された他方の光路を通る光を第2の偏光の状態に設定
    する第2の偏光状態設定手段と、該第2の偏光状態設定
    手段で偏向された光を検出して前記被検査試料の第2の
    画像を得る第2の画像検出手段と、前記第1の画像検出
    手段で得た第1の画像と前記第2の画像検出手段で得た
    第2の画像とを用いて前記被検査物の欠陥を検出する欠
    陥検出手段とを備えたことを特徴とする欠陥検出装置。
  6. 【請求項6】被検査物の検査表面を、前記対物レンズの
    光軸に対して任意の角度となるように制御可能なステー
    ジを備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに
    記載の欠陥検出装置。
  7. 【請求項7】被検査物の検査表面を、前記対物レンズの
    光軸の回りに回転させることが可能なステージを備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の欠陥
    検出装置。
  8. 【請求項8】光源と偏光子、検光子、複像プリズムであ
    るウォラストンプリズム及び対物レンズを備えた微分干
    渉顕微鏡を介して被検査物の干渉条件の異なる複数の干
    渉光像を検出して複数の画像を得、該複数の画像を用い
    干渉色あるいは干渉強度の違いに基づいて、前記被検
    査物のひび、又は、欠け、ボイド、傷、しみ、汚れの何
    れかの欠陥を検出することを特徴とする欠陥検出方法。
  9. 【請求項9】光源と偏光子、検光子、複像プリズムであ
    るウォラストンプリズム及び対物レンズを備えた微分干
    渉顕微鏡を介して被検査物の干渉光像を検出し、該検出
    した干渉光像を予め記憶しておいた前記検出した干渉光
    像に対応する画像と比較することにより前記被検査物の
    ひび、欠け、ボイド、傷、しみ、汚れの何れかの欠陥を
    検出することを特徴とする欠陥検出方法。
  10. 【請求項10】光源と偏光子、検光子、複像プリズムで
    あるウォラストンプリズム及び対物レンズを備えた微分
    干渉顕微鏡で観察した被検査物の像を撮像し、該撮像し
    た画像を用いて前記被検査物の欠陥を検出する方法であ
    って、前記微分干渉顕微鏡を第1の干渉の条件に設定し
    た状態で前記被検査物を観察して得た第1の画像と、前
    記微分干渉顕微鏡を第2の干渉の条件に設定した状態で
    前記第1の画像を得た領域と同じ領域を観察して得た前
    記被検査物の第2の画像とを比較することにより前記被
    検査物のひび、欠け、ボイド、傷、しみ、汚れの何れか
    の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検出方法。
  11. 【請求項11】前記第1の干渉の条件と前記第2の干渉
    の条件とを、前記微分干渉顕微鏡により前記被検査物に
    照射する照射光の条件を変えることにより設定すること
    を特徴とする請求項10記載の欠陥検出方法。
  12. 【請求項12】前記照明の条件を変えることを、前記微
    分干渉顕微鏡の偏光子による偏光の条件を変えることに
    より行うことを特徴とする請求項11記載の欠陥検出方
    法。
  13. 【請求項13】前記第1の干渉の条件と前記第2の干渉
    の条件とを、前記微分干渉顕微鏡で照射された前記被検
    査物の像を形成する結像光学系の偏光の条件を変えるこ
    とにより設定することを特徴とする請求項10記載の欠
    陥検出方法。
  14. 【請求項14】前記微分干渉顕微鏡で照射された前記被
    検査物の像を形成する結像光学系で前記被検査物からの
    光を第1の光路と第2の光路とに光路を分岐し、前記第
    1の光路に分岐された光で第1の干渉の条件の像を形成
    し、前記第2の光路に分岐された光で第2の干渉の条件
    の像を形成することを特徴とする請求項10記載の欠陥
    検出方法。
  15. 【請求項15】光源から出射して第1の偏光の条件に設
    定された偏光子を通過させた照明光を複像プリズムであ
    るウォラストンプリズムにおいて2本の光線に分離して
    対物レンズを介して被検査物を照明し、該照明による前
    記被検査物からの光を検光子を通過させた後に検出して
    前記被検査物の第1の偏光条件の画像を得、光源から出
    射して第2の偏光の条件に設定された偏光子を通過させ
    た照明光を複像プリズムであるウォラストンプリズムに
    おいて2本の光線に分離して対物レンズを介して被検査
    物を照明し、該照明による前記被検査物からの光を検光
    子を通過させた後に検出して前記被検査物の第2の偏光
    条件の画像を得、前記第1の偏光条件の画像と前記第2
    の偏光条件の画像とを比較することにより前記被検査物
    の欠陥を検出することを特徴とする欠陥検出方法。
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